【株式会社滋賀銀行】“いきものがたり”活動で環境教育

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1 ※事業者の情報は 2015 年 10 月現在 目的 地元滋賀県が擁する琵琶湖の環境と生態系を保全するための各活動にストーリーをもたせ、“い きものがたり”活動として展開。参加者が意味を理解して活動することで行内の環境人材の育成 と、地域の環境意識向上を目指しています。 概要 “いきものがたり”活動は、琵琶湖の環境と生態系保全のために、魚の産卵場所であるヨシ群落 を作り(ヨシ苗植えボランティア)・守り・育て(ヨシ刈りボランティア)、刈り取った「ヨシ」を使って、全 役職員が日頃利用する「ヨシ紙名刺」を作り、お客さまにお渡しすることで地域の皆さまに琵琶湖の 環境問題を知っていただきます。そして、当行の環境対応型金融商品・サービス「カーボンニュート ラルローン 未来よし」を利用して、琵琶湖の固有種で絶滅危惧種のニゴロブナ、ワタカを保護・育 成・放流し、ブラックバスやブルーギル等の侵略外来魚を釣って駆除します(外来魚駆除・釣りボラ ンティア)。さらに、行内研修で活動の意味を学ぶことで、知識・意識の定着を図っています。 特徴・アピールポイント 当行は経営に環境を取り込んだ「環境経営」を主軸とした CSR の追求を銀行経営の要諦と位 置づけ、「環境金融」、「エコオフィスづくり」、「環境ボランティア」活動を展開しています。 環境対応型金融商品・サービスを取り扱うため、役職員は業務の中で環境について考え、勉強 しており、業務そのものが環境教育になっています。また、商品・サービスの提供、役職員から の情報提供により、お客さまの環境意識向上につなげています。 「環境経営」の個々の活動をひとつの輪として循環させ、その流れにストーリー性をもたせて、 活動を発展させ、「ものがたり」をつくることで環境問題を一連のストーリーで理解することがで き、役職員への効果的な環境教育となっています。 新入行員研修、階層別研修でも環境に関する行内研修(CSR研修)を実施。eco 検定の取得も 推進し、環境に関する知識の習得を進めています。 事業者名 株式会社滋賀銀行 所在地 滋賀県大津市浜町 1-38 金融・保険業 社員数 2,303 人 ウェブサイト http://www.shigagin.com/ 部門最 優秀賞

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※事業者の情報は 2015年 10月現在

目的

地元滋賀県が擁する琵琶湖の環境と生態系を保全するための各活動にストーリーをもたせ、“い

きものがたり”活動として展開。参加者が意味を理解して活動することで行内の環境人材の育成

と、地域の環境意識向上を目指しています。

概要

“いきものがたり”活動は、琵琶湖の環境と生態系保全のために、魚の産卵場所であるヨシ群落

を作り(ヨシ苗植えボランティア)・守り・育て(ヨシ刈りボランティア)、刈り取った「ヨシ」を使って、全

役職員が日頃利用する「ヨシ紙名刺」を作り、お客さまにお渡しすることで地域の皆さまに琵琶湖の

環境問題を知っていただきます。そして、当行の環境対応型金融商品・サービス「カーボンニュート

ラルローン 未来よし」を利用して、琵琶湖の固有種で絶滅危惧種のニゴロブナ、ワタカを保護・育

成・放流し、ブラックバスやブルーギル等の侵略外来魚を釣って駆除します(外来魚駆除・釣りボラ

ンティア)。さらに、行内研修で活動の意味を学ぶことで、知識・意識の定着を図っています。

特徴・アピールポイント

・ 当行は経営に環境を取り込んだ「環境経営」を主軸とした CSR の追求を銀行経営の要諦と位

置づけ、「環境金融」、「エコオフィスづくり」、「環境ボランティア」活動を展開しています。

・ 環境対応型金融商品・サービスを取り扱うため、役職員は業務の中で環境について考え、勉強

しており、業務そのものが環境教育になっています。また、商品・サービスの提供、役職員から

の情報提供により、お客さまの環境意識向上につなげています。

・ 「環境経営」の個々の活動をひとつの輪として循環させ、その流れにストーリー性をもたせて、

活動を発展させ、「ものがたり」をつくることで環境問題を一連のストーリーで理解することがで

き、役職員への効果的な環境教育となっています。

・ 新入行員研修、階層別研修でも環境に関する行内研修(CSR研修)を実施。eco 検定の取得も

推進し、環境に関する知識の習得を進めています。

事業者名 株式会社滋賀銀行

所在地 滋賀県大津市浜町 1-38

業 種 金融・保険業

社員数 2,303人

ウェブサイト http://www.shigagin.com/

部門最

優秀賞

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・ 地域との協働等、活動を拡大し、地域の環境意識向上にも努めています。

「地球環境との共存共栄」の取組

関連・補足情報

CSR リポート 2015

http://www.shigagin.com/csr/report/index.html

審査委員会からの講評

自らの商品を環境対応型にすることで、それに関わる行員の環境意識の向上につなげている。

この環境意識向上は実際の活動がともなうことでより強化され、顧客の心を動かし、商品が売れる

という好循環をもたらしていると考えられる。

また、この取組について、地域の課題(環境問題)に対する各活動にストーリー性をもたせ、“いき

ものがたり”活動として展開している点が秀逸である。(一般的な環境の金融商品:エコカー購入、

環境配慮型住宅ローン、ISO 取得企業の支援等について明確に地域性を出しているところは少な

い)。ストーリーは理解度を高めること、つまり伝わる力にもつながるので、波及効果も高い。

環境教育の視点としても地域性を大いに生かし(地域資源)、その環境を守るための取組を企

業、地域団体等と協働で行っていることは大いに評価できる。企業としての CSR、環境教育、協働、

地域性、業績への効果等、総合的に見て、高いバランスの取組となっている。

今後の課題として、行政や教育機関(学校)等への働きかけを行うことで、より効果的になると考

えられる。

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