ＥＤＩ海外接続事業への取り組み平成１１年３月５日

（社）鋼材倶楽部　鉄鋼ＥＤＩセンター

①

中国11%

東南ｱｼ ｱ゙46%

北米15%

その他14% 韓国

14%鉄鋼業の現状

粗鋼生産量約１０千万トン

粗鋼生産量約１０千万トン

鋼材生産量約９千５百万トン

鋼材生産量約９千５百万トン 国内出荷

（ 7 千 3 百万トン、約 75 ％）

輸出（ 2 千 4 百万トン、約 25 ％）

建設　５３％

自動車　１７％

産業機械　５％電気機械　５％　　造船　６％

その他　１４％　出所：（社）鋼材倶楽部・日本鉄鋼輸出組合資料。　注：数値はいずれも 1997 年度のもの。輸出・向先別の数値は全鉄鋼（普通鋼・特殊鋼含む）ベース、国内の数値は普通鋼ベース　　　

②

わが国製造業のアジア地域への進出状況

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

10000

1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年

4918 社5371 社

5957 社6742 社

7889 社

8617 社

　　（社）

東洋経済『海外進出企業要覧 1997 』より

③

東南アジアにおける日本鉄鋼業の進出状況

　　　 　（コイルセンター設立状況）

※1997 年現在。日本鉄鋼輸出組合資料より。

中国（香港含む） 32 ヶ所

　台湾　 5 ヶ所

　インドネシア　 8 ヶ所

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

●●

●●●●●

　フィリピン　 8 ヶ所

●●●●●●●●

　シンガポール　 5 ヶ所 ●●●●●

　タイ　 14 ヶ所

●●●●●●●●●● ●●●●

●●●●●●●●

Japan

④

鉄鋼製品の輸出形態と現地企業の役割

日本 需　　　　要　　　　国

鉄鋼メーカー リロールメーカー

コイルセンター 現地ユーザー

ホットコイル

冷延コイル

冷延コイル 冷延薄板

⑤

昭和４３年度昭和４３年度 「鉄鋼帳票コード委員会」設立・鋼材取引に関する帳票 項目名 コード内容等の業界標準策定･ ･

平成２年度平成２年度 「鉄鋼ネットワーク研究会」 設立・ＥＤＩの研究と鉄鋼標準の作成開始 ( 鉄鋼メーカー６社＋商社７社 )

平成６年度平成６年度 「鉄鋼ＥＤＩ標準（１）（２）１９９４年版」 刊行・コイルセンター８社との間でＥＤＩ化実証実験開始

平成５年度平成５年度 「鉄鋼ＥＤＩセンター設立」

鉄鋼業界の標準化とＥＤＩ活動

鉄鋼ＥＣ研究会（鉄鋼ＥＣ） 設立｢ ｣

『鉄鋼ＥＤＩ標準（ 1997 年版）』発行・ＥＤＩ海外接続（初年度）・海外接続用標準メッセージ作成・実証実験の準備

・豪州ＢＨＰ社とＥＤＩについて協議・東南アジアＥＤＩ調査団派遣

平成８年度平成８年度

平成９年度平成９年度

標準化活動

海外対応

平成 10 年度平成 10 年度企業間ＥＣ技術基盤研究会（鉄鋼ＥＣ２） 設立｢ ｣ ・ＥＤＩ海外接続・タイ　ＳＵＳ社との

　実証実験を実施

昭和６０年度昭和６０年度 通産省が『鉄鋼業における電子計算機の連携利用に関する指針』を告示

⑥

　出資　：資本金　６０億バーツ（約２４０億円）

　冷延鋼板の製造販売を目的に、１９９５年にタイ側６社と日本側５社、（後に３社追加）及び韓国浦項総合製鉄の出資で設立された合弁会社。会社名： The Siam United Steel(1995) Company,Limited （略称ＳＵＳ社）　　　　　　サイアム・ユナイテッドスチール（ 1995 ）株式会社（ 1995年 10 月 30 日設立）　工場所在地　：タイ国ラヨン県イースタン工業団地内　（マプタプット港近くの新規工　　　　　　　　　業団地）

タイ側（ 44 ％）　サイアム・セメント株式会社を中心に６社。　　　

日本側（ 53 ％）

韓国側（ 3 ％）

浦項総合製鉄株式会社

事業内容：冷延鋼板　（含む亜鉛メッキ用原板、ブリキ用原板）の製造・販売

ＳＵＳ社の概要

T H A I L A N D

バンコク

株式会社神戸製鋼所

住友商事株式会社

日商岩井株式会社

新日本製鉄株式会社

川崎製鉄株式会社

住友金属工業株式会社

三井物産株式会社

三菱商事株式会社

当初 追加

　　（注）出資比率は日本側３社が追加後のもの、産業新聞 1998 年 4 月 14 日付記事より

ＳＵＳ社工場（バンコクから 200ｋｍ）

ＥＤＩ海外接続事業の枠組み（１）

⑦

□SUS社とのデータ交換　鉄鋼メーカー 商社 ＳＵＳ社

熱延コイル（海外接続用鉄鋼標準バーコード付）

現品を輸送ＥＤＩ情報／バーコードによる自動照合・検収

出荷現品情報 出荷現品情報

検査成績情報 検査成績情報

船積通知情報

ＥＤＩ情報

ＥＤＩ海外接続事業の枠組み（２）

ＥＤＩ情報ＤＢ

新日本製鉄㈱川崎製鉄㈱住友金属工業㈱

三井物産㈱三菱商事㈱

⑧

□海外接続事業の推進体制

通商産業省

（財）日本情報処理開発協会

産業情報化推進センター（ＣＩＩ）

ＥＤＩ海外接続研究委員｢会｣

　（社）鋼材倶楽部　 鉄鋼ＥＤＩセンタ｢ー｣

鉄鋼ＥＤＩ幹事会

　　　　　事務局

企画運営チーム

標準管理チーム

システム技術検討会

商社検討会

ＥＤＩ海外接続専門委員｢会｣

ＥＤＩ海外接続専門委員会Ｗ｢Ｇ｣

（プロジェクトチーム）品質チームバーコード検討チーム

メーカー（ 3 社）

商社（ 2 社） ＳＵＳ社

接続実験

委託

再委託

ＥＤＩ海外接続事業の枠組み（３）

⑨

□実施スケジュール概要 平成９年度

１Ｑ ２Ｑ ３Ｑ ４Ｑ

平成１０年度

１Ｑ ２Ｑ ３Ｑ ４Ｑ

・ＳＵＳ社との共同研究合意

・ＥＤＩ海外接続ｼｽﾃﾑの構築・ 海外接続のための『鉄鋼ＥＤＩ 標準』改訂

・関係企業のｼｽﾃﾑ開発・ＣＩＩ標準企業コードの取得・平成９年度報告書の作成

・専用通信回線の確保・ＥＤＩ関連機器／ＡＰの設置・実証実験の実施・海外接続運用規約の検討・実験結果の取りまとめ・分析・平成１０年度報告書の作成

（実運用へ）

ＥＤＩ海外接続事業の枠組み（４）

⑩

実証実験における課題と対応　

海外接続用標準メッセージ／バーコード　

英語版トランスレータ　

回線と接続形態　

通信管理　

ＳＵＳ社に対する研修　

運用規程　

⑪

海外接続用『鉄鋼ＥＤＩ標準』の整備　（ 1 ）

海外接続用標準メッセージの開発

□留意点・改訂時の維持管理の負荷・輸出関連項目は国内需要家にとって不要・情報区分で海外向けを振り分け可能に

□検討結果国内用メッセージと輸出用メッセージは明確に分離し、情報区分を分けて運用する。

□基本整理・国内輸出兼用メッセージとして運用するか・輸出専用の標準メッセージを新設するか

□ＳＵＳ社からの伝送要請出荷内容に関する情報｢ ｣製品（熱延鋼板）の検査成績に関する情｢報｣船積及び現地への到着予定日に関する情｢報｣

□ＳＵＳ社からの伝送要請出荷内容に関する情報｢ ｣製品（熱延鋼板）の検査成績に関する情｢報｣船積及び現地への到着予定日に関する情｢報｣

□ 輸出用出荷現品情報 　｢ ｣ （既存のメッセージをベースに制定）　 輸出用熱延検査成績情報 　（　　　　　〃　　｢ ｣　　　　）　 船積通知情報 　（新たに制定）｢ ｣ の３情報を開発・制定

□海外接続用標準メッセージの英文化⑫

□参考材料識別コード PRODUCT IDENT.(P)

供給者企業コード　 SUPPLIER NO.(1V)

現品番号又は梱包番号　 SERIAL NO.(S)

又は PACKAGE ID(3S)

発注番号　 CSTMR.ORD.NO.(K)

質量／員数　 MASS/PIECES(Q)

□参考材料識別コード PRODUCT IDENT.(P)

供給者企業コード　 SUPPLIER NO.(1V)

現品番号又は梱包番号　 SERIAL NO.(S)

又は PACKAGE ID(3S)

発注番号　 CSTMR.ORD.NO.(K)

質量／員数　 MASS/PIECES(Q)

海外接続用鉄鋼標準バーコードの開発経緯

□既存の鉄鋼標準バーコードの規定項目・ 材料識別コード｢ ｣・ 供給者企業コード｢ ｣・ 現品番号 又は 梱包番号｢ ｣ ｢ ｣・ 発注番号｢ ｣・ 質量／員数 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上５項目｢ ｣

□バーコード表示様式・『鉄鋼ＥＤＩ標準』で規定されているＡ－１様式、Ｂ－１様式のうち、海外接続ではま ずＡ－１様式を採用

□海外接続対応にあたっての問題点および検討結果・ 輸出国コード の追加是非　→　必要なし｢ ｣・英語表記　→　 AIAG （米国自動車工業会）の標準様式に準拠

□鉄鋼バーコード標準解説の英訳

海外接続用『鉄鋼ＥＤＩ標準』の整備　（２）

⑬

海外接続用トランスレータ

製品名 ：富士通エフアイピー社製 ＣＩＩ海外接続用トランスレータ動作環境：Ｗｉｎｄｏｗｓ９５、ＷｉｎｄｏｗｓＮＴ

設置場所：ＳＵＳ社受信用EDIサーバー

国内用 CIIトランスレータ(Ｗｉｎｄｏｗｓ９５、 ＷｉｎｄｏｗｓＮＴ対応)

海外接続用 CIIトランスレータ(Ｗｉｎｄｏｗｓ９５、 ＷｉｎｄｏｗｓＮＴ対応)

英語版Ｗｉｎｄｏｗｓ９５、ＷｉｎｄｏｗｓＮＴ上での動作確認

管理画面およびエラーメッセージの英文表記化

製品説明書、導入ガイドの英文化

『鉄鋼ＥＤＩ標準』海外接続用メッセージ（英文）のテーブル登録

保守規定の検討

⑭

全体ネットワーク構成図

　鉄鋼メーカー 　 ＳＵＳ社

新日本製鉄㈱川崎製鉄㈱住友金属工業㈱

　三菱商事㈱

三井物産㈱　

ＥＤＩサーバー（東芝ＵＸ 5000）・ＳＣ社製ＣＩＩトランスレータ・通信管理ソフト

メインフレーム（ＩＢＭ 9672）・ＳＣ社製ＣＩＩトランスレータ

ＥＤＩサーバー（ＭＥ ＳＫ 460）・通信管理ソフト

ＶＡＮ

三井物産バンコク支店

三菱商事バンコク支店

ＥＤＩ受信用ｻｰﾊﾞｰ（英語Windows/NT)・富士通 FIP 製海外　接続用 CII トランス　レーター・通信管理ソフト

ＳＵＳ管理サーバー（ＩＢＭ　ＲＳ６０００）

専用回線（国際・ 国内）ﾀｲ

⑮

不適当

（１）日本国内のＥＤＩ（鉄鋼メーカー～商社間）：　ＩＢＭ－ＶＡＮ　従来と同様

□インターネット　　　・安価だが信頼性が不充分、セキュリティ 技術が発展途上　

日本ータイ間の通信回線の整備　

（２）日本―タイ間のＥＤＩ（商社～ＳＵＳ社間）　：　検討の必要性

□国際およびタイ国内公衆回線　　　・タイ国内公衆回線の品質が危惧される。 第３者の侵入の危険性もある。□国際およびタイ国内専用回線　　　・ は十分だが月額使用料が高価ｾｷｭﾘﾃｨ　

　　但し、　　・商社が既に敷設した国際専用線を利用して費用を抑制できる。　　

　　　　　国際およびタイ国内専用線の採用を決定　　

　　　　　国際およびタイ国内専用線の採用を決定　　

⑯

日本～タイ間のネットワーク　　　　（三菱商事の場合）

　　　　

三菱商事グローバルＩＰアドレス

三菱商事プライベートＩＰアドレス

ＳＵＳ社グローバルＩＰアドレス

ＳＵＳ社プライベートＩＰアドレス

ﾌｧｲｱｳｫｰﾙ

ＥＤＩ用サーバーＳＫ４６０

ルーターＣＩＳＣＯ 2501

ルーターＣＩＳＣＯ 2501

三井物産（ＴＯＴ）

ＮＴサーバーＲＳ６０００

国際専用線（ 256KBps ）をＴＤＭにより分割し、 9.6Kbps を確保

タイ国内専用線（ＣＡＴ）デジタル 64Kbps

　　　　三菱商事　　　　 支ﾊﾞﾝｺｸ店

　　　　三菱商事　　　　　東京

SUS社

ルーターＣＩＳＣＯ 2501

Ｍ

ＴＤＭ ＴＤＭ

Ｍ

⑰

通信管理

FTP によるファイル転送

データ到達確認のための通信管理機能が必要

社内開発のソフト「簡易データ転送システム」を使用した通信管理

三井物産UNIIX機 SUS社Windoｗｓ NT 機 （ＦＴＰクライアント） （FTPサーバ）

FTPコマンドの発行による通信管理

三菱商事UNIIX機 SUS社WindoｗｓNT 機 （ＦＴＰクライアント） （FTPサーバ）

三井物産 三菱商事

データ転送 モジュール

データ転送

サーバモジュール

リモートシェル実行

Status return 実行

FTPのputコマンドによりFile転送

IsコマンドによりSUS

社で受信したFileサイズを取得し、オリジナルと比較

⑱

　運用規約　　　

三井物産

三菱商事

企業間データ交換並びにネットワーク接続に関する覚書

企業間データ交換並びにネットワーク接続に関する取り決め書ＳＵＳ社

□万一、紛争発生時の解決方法については、国際商工会議所の仲裁による。

□法律上の解釈が必要な場合は、第三国（シンガポール）の法律を適用する。

□双方のネットワークがＴＣＰ／ＩＰ接続のため、ネットワーク管理は厳密に行う。

□ネットワーク接続機器などの変更は事前に相手の了承を得る……等

海外向けの追加事項

⑲

　　　　　　ＳＵＳ社への研修　　　　　　　　　（平成９年４月～ 12月実施、カッコ内は説明者）　

第１回　ＥＤＩ海外接続事業概要説明　　　 　 （ 鉄鋼ＥＤＩセンター ） 第２回　日本鉄鋼業およびＥＤＩの概要説明 （　　　　商　　社　　　　 ） 第３回　商社のＥＤＩ実施現場視察研修　　 （　　　　　　〃 　 　　　　）　　 第４回　 のＥＤＩ実施現場視察研修 （ コイルセンタｺｲﾙｾﾝﾀｰー　　 ）　　 第５回　ＥＤＩ基本概念の説明　　　　　　　　　 （ I B M ） 第６回　ＣＩＩ標準の説明　　　　　　　 　　　　　 （ Ｃ Ｉ Ｉ　 ） 第 7回　ＣＩＩトランスレーターの説明　 　　　　　（ 富士通 ）

⑳

運用実験の結果

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

7月 8月 9月 10月 11月

ネットワーク障害

商社側システム障害

伝送データの内容不備

その他

合計エラー数

（件）

エラー発生状況（ 1998 年 7～ 11 月）

21

ＥＤＩ海外接続実証実験の成果

ＣＩＩシンタックスルールをベースとした海外とのＥＤＩについて、技術面で本質的な問題のないことが実証された。

鉄鋼業界において「海外接続用鉄鋼

ＥＤＩ

標準メッセージ」「輸出向け鉄鋼バーコード標準」等が開発され、海外対応の環境が整備された。

データ送信側の日本鉄鋼メーカーおよび商社において、海外需要家向けのデータ提供体制が整備され、海外の通信事情等についての知見が集積された。

データ受信側の海外需要家で、日本国内と同様のＥＤＩ導入効果が確認された。 －EDIデータの活用によるコスト削減効果とデータ精度の向上 －EDIデータの速報性、バーコード利用等による作業効率の向上 －『鉄鋼ＥＤＩ標準』の採用によるデータ交換業務の統合化および省力化

22

今後の課題

海外接続用トランスレータの汎用性・メンテナンス容易性の改善。

汎用的な通信管理方法の検討。

　現地での通信環境。 　

23

ＥＤＩ海外接続事業　お問い合わせ先

（社）鋼材倶楽部　鉄鋼ＥＤＩセンター事務局　（情報開発部ＥＤＩ推進課）　　　 　　　　 TEL ： 03 （ 3669 ） 4820 　 E-mail ： edi@kozai－ cl

ub.or.jp 　

24