教育社会心理学「英語の発音」プレゼン

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英語の上手な発音

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英語の上手な発音

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前回までの振り返り(自己評価シートより)★学習ストラテジーを明確にすることの重要性  1時間目 「英語の発音( Rと Lの違い、 canと can’tの違い)が理解できた」という内容理解の項に 2人ともまあまあできたと回答  (どのように復習すれば良いのだろう?)    ★反復学習の有効性  2時間目 「自信を持って発音することができた」「大きな声で発音・音読できた」という実践的項目に 2人ともどちらとも言えないと回答 また自由記述で、「スマートフォンのアプリケーションを使用した実践的な発音になると、やり直しさせられるごとにやる気がなくなっていった」と回答

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学習ストラテジーに関して◎英語教育ニュースのホームページより(http://www.eigokyoikunews.com/columns/taishukan/2004/10/post_49.html)学習ストラテジーとは?「言語習得をより効果的にするために、情報を処理し、理解し、記憶にとどめるときに、学習者が使う思考過程や行動」のことを意味する。

◎『改訂版 新学習指導要領に基づくり語科教育法』よりO’Malley & Chamot の調査での 3つの学習ストラテジー①メタ認知ストラテジー(自分自身の学習を客観的に把握し、現在の自分を評価し、その上で学習計画を立てる)

②認知ストラテジー(ノートを取るなど、意識的に学習に取り組む)③社会的ストラテジー(学習仲間に尋ねたり、教師に質問するなどの関わりを指す)

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学習ストラテジーの有効性を示した論文

(タイトル)学習ストラテジー教育の指導試案 ― コミュニケーション能力向上スキルの指導法―

(著者) 板井美佐 (作成日) 2003年 2月 22日 (出版社) 筑波大学留学生センター

(掲載雑誌)筑波大学留学生センター日本語教育論集( 18)、 81- 123

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学習ストラテジーの有効性を示した論文(目的)  通常のクラスの環境において、英語の第 2言語学習者に特定のストラテジーを組み込んだタスクを行わせることが、学習の改善につながるかどうかを検証する(方法) ・学習ストラテジーブックレットをもとに、学習ストラテジー 教育を実施する ・ブックレット・レビューを行う(結果)  特に認知ストラテジー、メタ認知ストラテジーの使用頻度が非常に高い学習者の場合、教育効果がかなり期待できる

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学習ストラテジーの重要性• 論文より 学習者に学習ストラテジー(特に認知ストラテジー、メタ認知ストラテジー)を認識させることで、教育効果があがることを確認した。

• 『改訂版 新学習指導要領にもとづく英語科教育法』より 学習者が教室外においても自律して学習できるようになるために、個々の学習ストラテジーを認識させ、場面や環境に応じて自らのストラテジーを取捨選択することが求められる。

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②過剰学習 過剰学習とは

• ブリタニカ国際大百科より 「学習が一定の完成基準に達したのちに、さらに同じ訓練を継続することを過剰学習といい、それによって成立する学習のこと」

• ウィキペディアより 「すでに獲得した知識、技能についてさらに反復・継続して学習し、それを強固なものとすること」

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論文1立命館小学校における ICT教育の取り組み〈概要〉  立命館小学校では脳の力を最大限に引き上げることを中核とする学力の向上を目指しており、その中で読み書き計算の高度の反復学習によって、短時間に知能指数が向上するなど、学力向上に加速度をつける方法を確立した。

〈方法〉  百ます計算を繰り返し解く。〈結果〉  一年足らずで算数の平均点の偏差値が 4ポイント上昇した。

         →知能指数が上昇していた。〈効果〉    簡単な内容のものを高速に学習させることが効果的であると分かった。

〈問題点〉  百ます計算のような単純なものばかりを解かすと、単純な考えしかできなくなる。

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論文2初等物理学 e-Learningでのドリル反復学習

支援(著者)松浦執(作成日) 2005年 4月(掲載雑誌)日本教育工学会論文誌 29, 193-196(目的)反復学習アドバイス方式の有効性を評価する。

〈方法〉反復学習アドバイス機能を組み込んだ自作の授業時間外学   習用 e-Learningシステムを、東海大学開発工学部で開講されている専門基礎科目に適用し、学習者の実施状況を調べる。

〈結果〉授業時間外の自習において、かなりの反復学習が実施され、 4回程度の反復学習の実施により、正答率が平均的に向上した。

〈課題〉本システムでの再学習ドリル学習順の決定と再学習アドバイス提供の方式が、学習者の正答率向上に実際にどのような効果を持つのか、引き続き検証する必要がある。

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論文3過剰学習の有効性を示した実践例1

(タイトル) 分散効果の知見に基づく効果的,効率的で,やる気の出る反復学習方式の考案と検証(著者) 水野りか(作成日)  2002年 6月 30日(出版社) 日本教育心理学会(掲載雑誌)教育心理学研究 50( 2), 175- 184,

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論文4過剰学習の有効性を示した実践例1

〈目的〉  単純反復方式(同じ問題を、同じ順番で回答する反復方法)と、 Low-First方式(できていない問題を検出し、その問題から順番に出題され回答する反復方法)の学習効果を比較する。〈方法〉  心理学用語の英語表現をほとんど知らない大学生 40名を、単純反復方式と Low-First方式に分けて反復のテストを行う。〈結果〉  単純反復方式よりも、 Low-First方式の学習者の方が、より覚えやすく、より効果的であると感じたことが明らかとなった。

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(単純方式と Low-First方式から分かる)

過剰学習の問題点

2.できる問題も何度も回答しなければならないので煩わしく、学習しにくい

3.時間がかかりすぎて/退屈でやる気がしない

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論文4過剰学習の有効性を示した実践例1

(目的)   Low-First方式と、 Low-First方式を用いつつ、できる問題は除外していく方式の学習効果を比較する。(結果)後者(実験群)の感想「できない問題だけ繰り返せばよいのでやりやすい」「できた問題がどんどん減っていくのでやる気が出る」               ↓   Low-First方式に、できる問題を除外する方式を追加することで、極めて学習効率の高い方式になることが確認された。

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論文4過剰学習の有効性を示した実践例1

今後・・・ 効果的・効率的でやる気の出る Low-First方式をさまざまな教育場面に応用すれば、効果を得ることが期待できる。(例えば・・・)授業内の小テスト口頭でも質問・問題を出題するとき

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論文5英単語学習における自覚できない学習段階の検出-長期に連続する日常の場へ実験法を展開する-

〈タイトル〉英単語学習における自覚できない学習段階の検出-長期に連続する日常の場へ実験法を展開する-〈著者〉寺澤孝文 吉田哲也 太田信夫     〈作成日〉2008年  12月  30日 〈出版社〉日本教育心理学会   〈掲載雑誌〉教育心理学研究

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論文5英単語学習における自覚できない学習段階の検出

-長期に連続する日常の場へ実験法を展開する-

〈目的〉  学習から長期のインターバルをおいて学習効果を測定するスケジュールを設定し、いつ勉強したのか分からない英単語学習の効果が、潜在記憶的に、自覚できないレベルで長期に積み重なっていくか否かを実験的に検討する。

〈方法〉  茨城県の公立高校の 1年生 24名を対象  英単語を表示→日本語の意味を考える→日本語訳を表示→到達度を自己評価

  反復学習回数が 1~ 8回の条件を設け、インターバルを 1ヶ月とする                                 これを 8ヶ月続ける

〈結果〉• 学習サイクル( 1サイクル= 1ヶ月)が増えるに従い、自己評価値が上昇している

• ただし、学習回数の効果は、第 5サイクル以降、学習回数 5回以上では認められない

• 学習の効果は少なくとも 6ヶ月程度は積み重なっていく

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論文5英単語学習における自覚できない学習段階の

検出-長期に連続する日常の場へ実験法を展開す

る-〈考察と問題点〉  単語カードを 1, 2回見るようなわずかな学習効果が、長期にわたって、自覚できないレベルで確実に積み重なる。そして、一日あたりの学習回数が増えるほど、自己評価に見られる到達度も高くなる傾向を確認した。

  →学習の積み重ね、反復して学習することの効果はみられる。    →その学習回数が多いほど、学習者が身につけたと評価できる。

しかし!  自己評価値に現れる実質的な学習効果の積み重ねは、半年を越えた時点でその増加にブレーキがかかることより、反復学習(回数をこなすこと)の学習の効果は、ある段階において低下する。

   →何ヶ月も同じことだけをすることは学習効果が薄まってくる    (必ずしも学習回数が多ければよいというものではない)〈今後〉  反復学習の効果をより大きくするためには、同じ学習を継続しつつも、方法を変えていくことが必要である。