整形外科プライマリーケア 創の処置

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整形外科プライマリー 整形外科プライマリー ケア ケア 創の処置‐ 創の処置‐

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整形外科プライマリー整形外科プライマリーケアケア‐‐創の処置‐創の処置‐

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創処置と創処理

創処置創に対して洗浄、消毒を行うこと

創処理創に対してデブリードマン,縫合などの外科的処置を加えること

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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止血

止血の基本は局所の圧迫止血 15分押さえればたいていの出血はとまる

圧迫によって出血の勢いが弱まったところで出血点を確認し,バイポーラを用いて止血  直接止血でコントロールできない場合のみ損傷部位より近位を駆血帯で緊縛

手動血圧計で 200mmHg 程度で止血が得られる

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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洗浄・異物の除去

処置を行う前に十分な洗浄が必要 異物の残存は治癒遅延のもと

できれば 500ml 以上は洗浄したい

水道水でも生理食塩水でも日本ではその効果には差がないといわれている 患者の協力が得られれば処置室のすみで自分で洗ってもらう

洗浄しても汚染の取れない組織は切除 特に衣服,木片などの植物性の異物は感染率が高い

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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壊死組織の除去 ( デブリード

マン )血行がない組織はすべて除去の適応となる

受傷後 24 時間から 48 時間で明らかになることが多いので受傷時での判断は困難

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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消毒

創周囲のみ行う創部に塗るとかえって組織傷害をおこす

イソジンは消毒後 30 秒たたないとその効果が出ないイソジンのほうが患者さんの受けは良い

マスキン水のほうが実はいい

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イソジン消毒

縫合後のイソジン消毒は痛いだけで何の意味もない

“新しい創傷治療”という形成外科の先生が書いた HP があるので一度ご覧下さい

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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抗生物質の使用

抗生物質の使用はあくまでも補助手段

創処理直前での抗生剤投与は有効セファメジン  1g の投与

創処理後の抗生剤投与についてのエビデンスはない縫合後のセフゾンの投与など

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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破傷風の予防汚染なし  or  

受傷後 6 時間以内

汚染著明  or  

受傷後6時間以上経過

未施行 ・破傷風トキソイド

  0 . 5ml

 筋注

・破傷風トキソイド0 . 5ml  筋注

・免疫グロブリン 250IU 静注

最終接種から 10 年以上

・破傷風トキソイド

  0 . 5ml

 筋注

・破傷風トキソイド0 . 5ml  筋注

・免疫グロブリン 250IU 静注

最終接種から 10 年以内

必要なし ・破傷風トキソイド0 . 5ml  筋注

予防接種歴

創状態

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創の管理

止血 洗浄,異物除去 壊死組織の除去 消毒 抗生物質の使用 破傷風の予防 術後管理

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術後管理

十分な厚さのガーゼをおいてテープもしくは包帯で圧迫をかける

鋭的な切創で汚染がなければ頻回のガーゼ交換は不要

挫滅創では頻回のガーゼ交換が必要 ガーゼ交換の際のイソジンは不要

四肢体幹では 1週間後が抜糸の目安

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創治癒過程

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一次治癒と二次治癒

一次治癒(縫合) 創が早くきれいに治る 感染のリスクは二次治癒よりも高い

二次治癒 (open wound healing) 創が治るまでに数ヶ月という時間を要することがある

傷が必ず瘢痕化し、醜状化する 感染創でも確実に治すことが出来る

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すなわち傷は

縫える傷は必ず縫って治す 皮下に達している傷は縫合が必ず必要 皮膚だけの損傷であればステリストリップが役に立つ

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結節縫合

もっとも標準的な縫合です 頭などに使われます

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垂直マットレス縫合

緊張のかかる皮膚や深い創に適します

創面の密着性は高く、創が平面でない場合や厚さの異なる組織縫合にも有効です

浅層の縫合はできるだけ創縁に近いところで行うと創がきれいです

最もよく使われる縫合

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水平マットレス

創面を強く結ぶことができます。緊張のかかる部位であまり深くない場合に適します。創の表面の密着性が弱いため結節縫合追加が必要なこともあります

手のひらで使ってください

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真皮縫合

組織の高さのズレを修正するために真皮縫合の前に皮下組織を縫合することもあります

死腔を絶対に作らないように注意しましょう