チームラボハンガー開発経緯トークセミナー
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チームラボハンガー開発経緯
チームラボ株式会社
カタリスト Div.安達 隆
企画からプロダクト化まで
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• 安達隆• 2009 年に新卒入社• カタリスト(=ディレクター)
自己紹介
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• チームラボについて• チームラボハンガーとは• チームラボハンガー開発経緯 企画• チームラボハンガー開発経緯 プロトタイピング• チームラボハンガー開発経緯 プロダクト化• その他の事例
目次
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チームラボについて
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チームラボ株式会社
Web 制作・システム開発をコアに、映像、空間、プロダクトなどあらゆる分野でテクノロジーとクリエイティブを提供。
従業員数:約 300 名
エンジニア( 70 %)
プログラマUI エンジニアDB エンジニアUI アー キテクトネットワークエンジニアロボットエンジニア画像処理エンジニア
など
デザイナー( 10%)
Web デザイナーグラフィックデザイナーCG アニメーター絵師
など
カタリスト( 15 %)
※プランニング、ディレクション、プロジェクト管理などを行うチーム
その他( 5 %)
ブランディングチームバックオフィスなど
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Works
EC サイト( VillageVanguard ) デジタル壁画(東京スカイツリー)
プロジェクションマッピングを使ったテレビ CM (三浦工業)
メイドカフェのインタラクティブな内装(めいどりーみん)
デジタルアート・インスタレーション
※基本的には Web を中心とした SI 業務がメインの会社です。
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チームラボハンガーとは
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チームラボハンガーとは
ハンガーにかかった服を手に取ると…
コーディネート写真がディスプレイに表示
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仕組み
ディスプレイ・プロジェクタなど
受信機 PC
Hanger 01
Hanger 02
Hnager 03
1 .ハンガーが手に取られると、無線で信号を送信2 .手に取られたハンガーの ID を識別して、紐付けられたコンテンツを表示
表示コンテンツ
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商品をより魅力的に
コーディネイト、デザインコンセプト、機能説明、素材ウンチクなど、商品の魅力を効果的に訴求。
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空間の有効活用
モニタやプロジェクタなどを使うことで、小さな空間でもたくさんの商品を紹介可能。
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マーケティングデータの収集
「いつ、どのアイテムが、何回手に取られたか」これまで人手でしか収集できなかったデータを自動的に蓄積。
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新しい体験の提供
より楽しい店舗体験を提供。画像や映像だけでなく、音や光を使った演出も可能。
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導入実績
■ メンズアパレルブランド『 VANQUISH 』(渋谷、池袋、静岡、名古屋栄、大阪心斎橋)
■ レディースアパレルブランド『 earth music&ecology 』(新宿、北千住、東京ソラマチ、大阪梅田)『 3rd by VANQUISH 』(渋谷)
■ ランジェリーブランド『 Ravijour 』(新宿)『トリンプ AMO‘S STYLE 』(大阪梅田)
店舗(常設)
イベント・展示会• ZOZOCOLLE 『 VANQUISH 』• VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2012 TAIWAN• SHANGHAI RUNWAY 2012 SPRING / SUMMER 『 earth music&ecology 』• ANAYI 展示会• クロスカンパニー展示会• TOKYO DESIGNERS WEEK 2010• 文化庁メディア芸術祭 2010• Reebok Café• FRAPBOIS’s Exhibition
その他多数
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『 3rd by VANQUISH 』(渋谷)
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『 Ravijour 』(新宿)
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『 earth music&ecology 』(新宿、北千住、東京ソラマチ、大阪梅田)
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チームラボハンガー開発経緯
- 企画 -
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きっかけ
クライアントからの相談:
店舗で何かおもしろいことができないか?
• ざっくりしたお題• チームラボではよくあること
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EC サイトの運用経験から得ていた知見
「コーディネートされた写真」があるほうが、圧倒的に売れる!
1st
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デジタルの価値をリアル店舗に
• 限られたコーディネート• マネキンか、店員さんか、試着
• 大量のコーディネート• プロのモデル
リアル店舗 Web
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デジタルの価値をリアル店舗に
「来店者の関心に応じてコーディネートを提示する仕組み」を作ろう!
• Web では当たり前のことを、リアル店舗でも提供したい• 物理的制約を、テクノロジーで解決
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なぜハンガーか?
新しい動作やリテラシーを要求しない 誰でも使える・説明不要
• タッチパネルを操作して• この台に服を置いて
新しい動作やリテラシーを要求する例
「気になった服を手に取る」という自然な動作を検知するのに最適だったから
• スマホでバーコードを読み取って• モニタの前でポーズを取って
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New Value in Behavior
•チームラボのデザインコンセプトのひとつ•既存の行為そのものに新しい価値や意味をあたえる
本来の行為そのものがインターフェース
イギリスや中国のお茶:日本の茶道:
日本には、行為がその本来の目的から独立し、行為そのものの精神性を求めたり、行為そのものを遊び楽しむ文化がある。
おいしいお茶を淹れる方法お茶を淹れる行為そのもの
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「ハンガーを使って面白いことをしよう」が出発点ではない
1 .まず提供したい体験があり2 .そのインターフェースとしてハンガーが選ばれた
•ハンガーは単なるスイッチ•商材が変われば、ハンガーである必要はない
リアル店舗でもっとコーディネート
を見せたい
自然な行為をインターフェース
にしたいインタラクティブ
なハンガー× =
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プロジェクトのお蔵入りと再始動
•初期に提案したクライアント:諸事情により実現せず
• 「 PUBLIC/IMAGE.3D 」で何か展示をしてみないかという話をいただく
•構想していた「インタラクティブなハンガー」を作って展示することに
クリエイティブスタジオ「 ANSWR 」のオフィスに併設するオルタナティブスペース。(池尻大橋)
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チームラボハンガー開発経緯
- プロトタイピング -
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最初の展示
2010 年 7月 PUBLIC/IMAGE.3D にて『 COODINATION 』展を開催
制作期間: 3週間弱
• 電子工作の経験: ほぼなし• 製品化を前提とした電子機器の制作経験: なし
当時のチームラボの状況
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開発手法
• まず全体をいくつかのモジュールに分解• モジュール間のインターフェース(つなぎかた)を先に決める•責任範囲を明確にした上で、各モジュールを平行で開発
ソフトウェアハードウェア
センサー
通信モジュール
ハンガー本体
通信アプリ
表示制御アプリ
Interface
Interface
インターフェース定義がカギ
• エンジニア 3 名 + ディレクター 1 名少人数チームでの分業
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センシング方法の検討
「ハンガーが手に取られた」をどのように検知するか?最大の課題:
•アイディアを具体的な機構に落としこむ
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センシング方法の検討
■検討されたセンシング機構の例
感圧センサ
• ポールにかかるフック部分の圧力をセンシング• センサからマイコンへの配線が露出してしまう
静電容量センサ
• 人が触れた際の静電容量の変化をセンシング• ハンガー全体にセンサを配置する必要がある
いずれもハンガーのデザイン性を損なうため却下
■他にも様々なセンシング方法を検討するが…
デザイン性、コスト、開発期間などの問題で採用に至らず
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センシング方法の検討
最終的なセンシング方法: ハンガーのフック部分をスイッチにしてしまう
シンプルな仕組み: 高いセンシング精度と堅牢性 シンプルな見た目: センサ部分をケースで隠せる
バーにかかった状態 手にとった状態
ハンガー自体の重みにより、フックが上に引き出されている。
バネの力でフックが押し下げられ、スイッチが作動する。
スイッチOFF
スイッチON
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その他、様々な試行錯誤
最初の試作品
完成したプロトタイプ
•通信方式の検討•電池の選定• 基板の実装•ケース材質の選定• ハンガー工場めぐり• インターフェース設計•通信アプリの開発• 表示制御アプリの開発•各種チューニング
などなど…
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プロトタイピングのポイント
チーム全員が最終アウトプットに関心をもつ
• 作業は分業でも、議論には全員が参加• 例えばソフトウェアのエンジニアが、ハンガーのデザインについても考える
スピードとクオリティの両立
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参考書籍
フィジカルコンピューティングを「仕事」にする
小林茂著 ワークスコーポレーション発行
• 36ページ分、チームラボハンガー!•今回ご紹介しきれなかった様々な開発経緯•技術面での詳しい解説も
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無事 3週間で展示が完成
•予想を超える反響• 3週間にわたり展示( 1週間の延長含む) プロダクト化へ
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チームラボハンガー開発経緯
- プロダクト化 -
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プロトタイピングの次に来るもの
仕様面での制約の低減 より自由な表現の担保
汎用化 効率化
ニーズへの柔軟な対応 コストの削減
導入・保守体制の整備 生産・在庫管理フロー整備
「試作品」から「製品」へ
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チームラボハンガーのプロダクト化
• 2010 年 7 月 最初の展示『 COODINATION 』展• 2011 年 3 月 『 earth music&ecology 』新宿ルミネエスト店導入• 2012 年 10 月時点で 12 店舗導入
• 基板製造と組立を外部に委託•故障時の交換オペレーションの簡易化•バッテリ寿命の改善• ハンガーのデザイン・耐久性見直し•表示制御アプリの改善• セットアップの簡易化• コンテンツを遠隔更新可能に
などなど…
実店舗導入の流れ
改善ポイント
新型チームラボハンガー耐久性やバッテリ寿命を改善
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プロダクト化=スケールさせること
プロダクト化のゴール
初期投資の回収
新しいビジネスの確立
収益性の確保
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その他の事例
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D ラボフック
• チームラボハンガーのフック版• 大広(企画)、ユカイ工学(ハードウェア製作)との共同開発•ソフトウェアはチームラボハンガーと共通
導入場所: ソックスショップ『 tutuanna 』渋谷スペイン坂店( 2012 )
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Media Block Chair
• イス/照明/什器•近接センサーにより、組み合わせると光の色が変化する•導入場所の『ぴゃるこ』は、平日はセレクトショップ、休日はワークショップ会場• 「ショップの什器を片付けてイスを並べる」行為により、空間の色が変化する• 空間の機能を変える行為そのものを楽しむためのデバイス
導入場所: セレクトショップ『ぴゃるこ』渋谷パルコ( 2012 ) ほかイベントなど
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チームラボボール
•浮遊する光のバルーン•加速度センサーにより、オーディエンスがボールをトスすると光の色が変化する• 無線通信により、複数のボールが連動して一斉に色を変えることも可能• 会場の照明との連動も可能• オーディエンスが空間演出に参加することができる
導入場所: COUNTDOWN JAPAN 、六本木アートナイト ほかアート展示やイベント多数
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team-lab.net
その他の事例はこちら