コンセプトの重要性についてうんぬん
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Webディレクターズマニュアル 中村健太のディレクション講座
CSS Nite @Co-Edo, Vol.12
あると便利!コンセプトシートの重要性と具体的な作り方&伝え方
ご挨拶と自己紹介
中村健太 Twitter:@cafekenta Facebook: http://www.facebook.com/cafekenta
2010年からディレクターズマニュアルの 中の人として活動 子ども:2人(年長と小3) 趣味:筋トレとランニング 飲食店経営⇒アフィリエイター⇒ディレクター 趣味:筋トレとモータースポーツ マイナビから年内刊行予定の 『Webディレクターズマニュアル』書籍版を 現在執筆中
今日やること
Webディレクターの本来の職域
コンセプトを作る重要性
コンセプトシートとは何か? 具体的な考え方と作り方(軽いワークあり)
プレゼンから考える提案資料の作り方
まとめと質疑応答
1
2
3
4
5
Webディレクターの 本来の職域
ディレクターとは、何をする人だろう?
商談して 見積もりを作る人?
スケジュールを 管理する人?
C
制作の運用や進行を 管理する人?
成果物の品質を 管理する人?
E
システムの要件を 定義する人?
F
実装のチェックを 正確に行う人?
A B
D
それとも、ただの御用聞き?雑用係?
G
了解!
お願い
頼む あれも
これも
ディレクター(Director)=導く人
どこに?なにを?
エンドクライアント およびユーザーにとっての 満足に向けて プロジェクトそのものを成功に導く
ディレクターは「中心」にいなければ、いけない
何かしらのサービスや商材を ユーザーにWebを通じて届ける そのすべての工程の 中心にいなくちゃいけない
そのため、可能な限り上流にいるべき ※というかいるとラク
設計・商談・見積
制作進行管理
運用・改善
企画・コンセプト立案
そこにディレクターがいないと 悲劇が生まれる
納得が行かない企画に対し 納得いかないコンテンツを 組み立てて
クライアントや担当者の 意見に流されまくり
デザイナーは 度重なる差し戻しに イライラし続けて
プログラマーは 当分家に帰れなくなり
半端なままリリースして あとは知らんぷり
ユーザーは集まらず 離れていき
売上も、成果も出ない 誰もが笑えなくなる
でも、 そんなプロジェクト ごろごろあるよね? なんでだろう?
いろいろ理由はあるだろうけど、
ディレクターがちゃんと
上流に食い込めていない
ケースが多い
だから、
ディレクターがサイトの
コンセプトを作成して
上流に入り込むべき
コンセプトを作るか プロジェクトを破綻させるか
コンセプトを提案しよう
コンセプトって何?
何かしらのサービスや商材を Webを通じてユーザーに届けるための
企画・設計・制作・運用を貫く 大きなテーマのようなもの
そのテーマを 誰もが覚えられるキャッチーなカタチ
にしたもの
コンセプト
例1:東京ディズニーリゾート 絶対にゴミが落ちていないキレイなテーマパーク
「夢と魔法の国」
例2:とあるWebサイトリニューアル企画 2年以内にリピート率20%を達成するリニューアル企画
「1日3回見ないと落ち着かないサイト」
※キャッチーか?ゴメンナサイ
コンセプトがあると 1 何のためのコンテンツか?の根拠がハッキリする
2 制作チームと「最終的に目指すところ」を共有しやすくなる
3 クライアント担当とも目線を同じくできる
4 ディレクターが主導権を握りやすくなる ※納期調整とか
つまり「ちゃんと上流から作って納品」ができる
さらに
「〇〇のために■■を作った」という根拠が すべてのコンテンツにおいて明確になるので 上手く行かなかったときに、 見なおすべきポイントがすぐにわかる
もしもプロジェクトにコンセプトが無かったら
クライアントは「格好いいかどうか?」で判断して デザイナーは「俺のやりたい事かどうか?」で判断して プログラマーは「仕様書の通り」にしか作ってくれなくて ライターは「その場のノリ」で原稿を書いて
ディレクターはいろんなところに挟まりすぎて、死ぬかもしれん
コンセプトさえあればすべてが上手くいく! というわけではもちろんないけれど 少なくとも主導権は握れる 改善のスピードも高められる
というわけで作ってみましょう
コンセプトシートとは何か? 具体的な考え方と作り方
コンセプトシート?
= なぜそのコンセプトにしたのか? を分かりやすく書いたもの
と同時に
多くの情報からコンセプトを見つけ出す
思考プロセスそのもの
中村の場合
要素A 要素B
つまり〇〇すればいいのでは?
ということは「〇〇」ってことだよね
例:クライアント側でやりたいこと 実現したいこと 現在抱える問題点など
例:現状やれない理由 実現に立ちはだかる問題 他社やマーケットの実情など
この部分がサイトコンセプトになる
複数の視点 から見て
1
共通する課題を まとめて
2
テーマを まとめる
3
構造の解説
実際に作ってみよう (ワークショップ:15分)
配布資料をご確認ください
※隣の方と二人一組で行います
「 」 「 」
では、何が 必要になるのか?
コンセプト案:
必要なのは、「 」と「 」
要素A 要素B
「 」だから
配布資料1
配布資料2
■元々の要望 ガラケー時代から使い続けて、無理やりスマホ対応していたサイトがそろそろ限界 ユーザーからも「使いにくい」と改善要望が多く、スマホサイトをリニューアルしたい ■ビジネス的目標 リニューアル完了から2年後にスマホ経由の売上を前年同月比150%にする! ■ざっと使ってみた感想 トップページのファーストビューがいきなり ログインボタンで、初見ユーザーには「?」 ページフッターに「戻りナビ」という 謎のナビゲーションがあり、しかも使えない CVに至るまでのページ遷移数が多すぎる 会員登録時に空メール送信が必要で、古臭い上にものすごく登録が面倒 とにかく検索導線が面倒 最低7画面遷移しないと商品詳細につかないのは どうかと思う
■業界としての状況 ライバルが続々拡大中(楽天デリバリー、ぐるなびデリバリーなど) まだまだ出前館が会員数売上共にトップでも いつまでもこうではありえない ライバルはGPSに対応したり素敵アプリ出したり色々やっている ■プロジェクトの抱える課題点 ゴールまでの設定日数が少なく 必然的にプロジェクトそのものの残日数が少ない ■想定ターゲットユーザー メイン客層20~40代男女(男女比に大幅な比率差なし) ※スマホからのアクセスで最も多く期待されるのは「帰りがけに注文しちゃう」という 導線となり、広告・自然流入いずれかの導線からサイトにランディングし、その勢いで商品注文を済ましてしまうと仮定
複数の視点の見つけ方
・依頼者がWebでやりたいこと ・ユーザーがサービスに求めること ・現在のマーケット概況 ・商品(ビジネス)としての課題 ・現在困っていること ・何ができれば最高なのか(理想形)
中村の場合(コレが正解!ではありませんが)
御社のやりたいこと 強みと弱み
では、実現のために何が 必要になるのか?
とにかく、「ここはこういう仕組みだからこう使いなさい」というスタンスが強く
ユーザーのニーズに耳を傾ける姿勢がほとんど感じられない
コンセプト案:今頼みたい!にサクッと応えるD前館
だから必要なのは、「ニーズの分解」と「対応力」
・新規顧客の獲得 ・ロイヤルユーザーの増加 ・スマホ経由の受注件数増加
○他社サービスにくらべ、優れている点 ・ネームバリュー ・継続ユーザーの多さ ・提携店舗の数の多さと人口カバー率 ○逆に負けてしまっている点 ・スマホを利用したユーザー体験の面倒くささ ・他社サイトに比べた古くささ ・スマホサイト経由での使いやすさ
要素A 要素B
要素Aと要素Bはネタとして、 カテゴリが遠いとキャッチーな感じに 近いと現実的になっていく
ちなみに・・・
アイデアの出し方の一つ「2物衝突法」
コンピューター×ソフトウェア ⇒インパクト小、伝わりやすさ大 コンピューター×おばあちゃん ⇒インパクト大、伝わりやすさ小
※Rokkakuの森田さんに教えてもらいました
近
遠
近い例
今困っていること 「売上が伸び悩んでいる」
解析から見えるポイント 「フォームの離脱率がすごい」
おそらくフォームの入力が面倒なのでは?
とにかくフォームからの離脱を低減することが課題!
コンセプト案:日本一入力がラクなEC
遠い例
今困っていること 「売上が伸び悩んでいる」
ユーザーが求めるもの 「ちょっと面白いネタ」
キャラを立ててみたら面白いかも「クビを覚悟で上司に歯向かう
セール担当者」とかでツイッターやってみるか! ※クライアント企業にある程度認知があればアリ
コンセプト案:いじめられっ子の特売セール ※某鉄道会社とか某眼鏡屋とかが似たようなことやってましたね
プレゼン手法から考える提案資料の作り方
プレゼンは、人に何かを「伝え」て、 その結果として何か「アクション」を 起こさせれば成功
プレゼンにも
コンセプトシートは
使える
「これが課題ですよね」と共感させ
課題解決のために何が必要なのかを示して
実行のための必要な方法をわかりやすく伝える
・・・そしてそれを「僕なら上手くやる」と言い切る
人にアクションを取らせる プレゼンに必要な要素
「これが課題ですよね」と共感させ
課題解決のために何が必要なのかを示して
実行のための必要な方法をわかりやすく伝える
・・・そしてそれを「僕なら上手くやる」と言い切る
人にアクションを取らせる プレゼンに必要な要素
※ここまでコンセプトシートに入ってる
企画の段階から 絡めない!
提案を聞いて くれない!
提案資料を キレイに作れない!
などと悩む前に
とにかく自分なりのコンセプト案を立ててみよう そして誰かに伝えてみよう
上手く行けば企画そのものの根幹部分に携われる プロジェクトの中心に入れる
誰もが泣きを見なくちゃいけないような駄目プロジェクトを、 ディレクションで改善できる
まとめ ディレクターの本来の職域は「プロジェクトが生み出す価値」をユーザーに届けるためのあれこれ全域
コンセプトを作らないと、制作プロジェクト内において 認識の齟齬を生みやすく 失敗の原因になる
コンセプトシートは関係者の認識と目標を分かりやすく共有し、ディレクターが上流から関わるための必須制作物
プレゼンは誰かに何かアクションを取らせるためにやる そのためにも、コンセプトシートは使える
1
2
3
4
ご清聴、ありがとうございました
質疑応答
なんでもOKです 時間の許す限りお答えいたします
時間なくなった場合は懇親会のときに聞いてください