タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案...

25
タスク取捨選択の視点と判断を 可視化することで スコープ管理を支援する方式の提案 山口琢(はこだて未来大学 大学院) 大場みち子、高橋修(はこだて未来大学) 20120906、弘前大学 文京町キャンパス 平成24年電気学会 C部門大会 企画セッション TC12 ビジネスプロセスの迅速な構築技術

Transcript of タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案...

Page 1: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

タスク取捨選択の視点と判断を  可視化することで

スコープ管理を支援する方式の提案

○山口琢(はこだて未来大学 大学院)

大場みち子、高橋修(はこだて未来大学)  

2012-­‐09-­‐06、弘前大学 文京町キャンパス

平成24年電気学会 C部門大会 企画セッション  TC12 ビジネスプロセスの迅速な構築技術

Page 2: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

ビジネスプロセスの迅速な構築    

走りながら考える  何がしたいのか、後から分かる

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 2

Page 3: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

目的:  創造・発見  VS.  それに基づく管理

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 3

Page 4: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

project  an  individual  or  collaboraGve  enterprise  that  is  carefully  planned  to  achieve  a  parGcular  aim  

Oxford  Dic+onaries

2012-­‐09-­‐06 4

Page 5: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

1.2  What  is  a  Project?  A  project  is  a  temporary  endeavor  undertaken  to  create  a  unique  product,  service,  or  result.    2.2  Projects  vs.  OperaGonal  Work  OrganizaGons  perform  work  to  achieve  a  set  of  objecGves.  In  many  organizaGons  the  work  performed  can  be  categorized  as  either  project  or  operaGons  work.  

PMBOK,  4th  edi+on

2012-­‐09-­‐06 5

Page 6: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

あたかも目的が、  最初から固まっているかのようだが…

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 6

Page 7: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

あたかも目的が、  最初から固まっているかのようだが…  

 実際は、目的は、  

プロジェクトの生涯を通じてメンテされる。  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 7

Page 8: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

あたかも目的が、  最初から固まっているかのようだが…  

 

実際は、目的は、  プロジェクトの生涯を通じてメンテされる。  

 目的は、さまざまなアウトプットの、  

論理的な(≠時系列の)最上流に位置するので…  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 8

Page 9: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

あたかも目的が、  最初から固まっているかのようだが…  

 実際は、目的は、  

プロジェクトの生涯を通じてメンテされる。    

目的は、さまざまなアウトプットの、  論理的な(≠時系列の)最上流に位置するので…  

 整合性を維持する努力が必要。  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 9

Page 10: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

あたかも目的が、  最初から固まっているかのようだが…  

 実際は、目的は、  

プロジェクトの生涯を通じてメンテされる。    

目的は、さまざまなアウトプットの、  論理的な(≠時系列の)最上流に位置するので…  

 整合性を維持する努力が必要。  

 そもそも、what  to  doを明らかにする仕事においては…  

新規事業、research  quesGon、  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 10

Page 11: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

提案:  発想の転換

新規事業開発などにおいて…    

目的の変更管理    

目的の創造・発見 の 可視化と計測

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 11

Page 12: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

目的の変更管理  •    最後まで目的が変わらないのは良いこと  

 目的の創造・発見 の 可視化と計測  •    目的が変わらないのはおかしい

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 12

Page 13: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

MATRIXによる関係 構築・表現

関係の可視化と計測:  チェックリスト  vs.  記述的matrix

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 13

Page 14: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

チェックリスト

•  チェックmatrix  •  「関係がある」ことを、単にチェック「x」で示す  

•  上位の要求に対する、下位の要求の過不足・影響範囲  –  要求管理におけるtraceability  matrix

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 14

spec  #1 spec  #2 spec  #3

objeGve  #1 x

objecGve  #2 x x

aim  #1 x

上位

下位

Page 15: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

•  行列の各項目は、キチンと定義され理解されている、という前提  

•  ゆえに、「x」で「関係がある」ということを示すだけでよい。

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 15

spec  #1 spec  #2 spec  #3

objeGve  #1 x

objecGve  #2 x x

aim  #1 x

既に、明確に定義済み、了解されている、という前提

Page 16: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

しかし…

•  プロトタイプなどで、what  to  doを発見・具体化する場合  

•  「関係」そのものも創造・発見の対象

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 16

spec  #1 spec  #2 spec  #3

objeGve  #1 ?

objecGve  #2 ? ?

aim  #1 ?

これから発見・明確化していく

Page 17: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

記述的matrix  (仮称)

関係を記述する。  

•  なぜ肯定的  /  否定的な関係だと言えるのか。

•  そのような関係にある「行」・「列」の発見  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 17

オープンな検索システム クローズドな推薦システム

新たな観光客獲得  aim  #1

このようなシステムは、名前を知られていない観光地に注目を集めるには向いていない。

自由に情報を提供できない。既存の枠組み(タグ、属性、分類・カテゴリー)に合わせなくてはならない。

オープンな推薦システム  objecGve  #1

クローズドな推薦システムでは、Webに公開された一般的な情報を推薦の対象にしていない。公開された情報を

推薦することができない。

検索システムでは、探したモノしか見つからない。探してないモノは見つからない。

追加

Page 18: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

記述的matrix  (仮称)

「タスク取捨選択の視点と判断を可視化することで  スコープ管理を支援…」  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 18

オープンな検索システム クローズドな推薦システム

新たな観光客獲得  aim  #1

このようなシステムは、名前を知られていない観光地に注目を集めるには向いていない。

自由に情報を提供できない。既存の枠組み(タグ、属性、分類・カテゴリー)に合わせなくてはならない。

オープンな推薦システム  objecGve  #1

クローズドな推薦システムでは、Webに公開された一般的な情報を推薦の対象にしていない。公開された情報を推薦す

ることができない。

検索システムでは、探したモノしか見つからない。探してないモノは見つからない。

Page 19: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

matrix  view  ⇔  文章view •  2つのviewを持つ  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 19

オープンな検索システム クローズドな推薦システム

新たな観光客獲得  aim  #1

このようなシステムは、名前を知られていない観光地に注目を集めるには向いていない。

自由に情報を提供できない。既存の枠組みに合わせなくてはならない。

オープンな推薦システム  objecGve  #1

クローズドな推薦システムでは、Webに公開された一般的な情報を推薦の対象にしていない。

検索システムでは、探したモノしか見つからない。探してないモノは見つからない。

従来から、一般に公開された情報を対象したオープンな検索システムが存在し、利用されている。また、Eコマースサイトのク

ローズドな推薦システムでは、購買履歴やプロフィールなど、そのシステムに閉じた情報から、新たな商品が推薦されている。し

かし、検索システムでは、探したモノしか見つからない。探してないモノは見つからない。 このようなシステムは、名前を知られ

ていない観光地に注目を集めるには向いていない。 クローズドな推薦システムでは、Webに公開された一般的な情報を推薦

の対象にしていない。 公開された情報を推薦の理由に利用することができない。 自由に情報を提供できない。既存の枠組み

に合わせなくてはならない。

Page 20: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

可視化

– 目的と仕様などとの関係をmatrixで表現  •  目的の発見、すなわち関係の発見  

– 記述的matrix  (仮称)  •  vs.  チェックリスト  

– スコープ管理におけるtraceability  matrix  

•  文章view:  関係性の文脈に重きをおいた表現  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 20

Page 21: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

•  マトリックスであり、…  –  過不足チェック、関係のoverview  

•  …かつ文章である  –  人が読める文章として整合性をチェック  –  目的や仕様が、互いに他の文脈を構成する  –  big  pictureの共有

•  関係を人が創造・発見していくツール  –  vs.  できあがった  and/or  データに埋もれた要求・仕様の関

係を自動的に解析する  –  サイズに限界あり、かもしれない…  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 21

Page 22: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

計測  –  目安

– 目的が不明・不確定  →  進捗の母数が不明・不確定  

 

– matrixの複雑度の増大(変化)を量る  •  軸項目数  

•  記述文字数  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 22

母数(目標)  

ここまでの成果  進捗  =  

Page 23: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

今後

適用と評価  •  requirement  management  toolとして  •  wriGng  toolとしては実施中

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 23

Page 24: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

以上

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 24

Page 25: タスク取捨選択の視点と判断を可視化することでスコープ管理を支援する方式の提案

Matrix  Writer

•  wriGng  tool  – 提案したtoolは、もともとwriGng  toolとして開発し

たもの  

•  what  to  say(主題)の試行錯誤を支援  – 書くべきコト(what  to  say)は、書いてみて分かる  

 haps://matrix-­‐writer.appspot.com/  

2012-­‐09-­‐06 (C)  All  Rights  Reserved,  Yamaguchi  Taku 25