不動産資産運用入門(スライドシェア用)
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不動産で資産運用ワンルーム・区分編
不動産投資の種類いろいろ
・区分か一棟か?
・住居か商業か?
・単身向けかファミリー向けか?
・都心か地方か? …など
今回は”都心部駅近・1000万前後の単身向け住居”を対象とします。
(一棟に興味ある方には、別途解説します。)
現物不動産投資のメリット
◎家賃収入は景気変動があっても上下しにくい
◎株や為替(FX)ほど資産価値が激しく変動しない
◎勉強し、相場を理解すればするほど損する確率を減らすことができる
(融資を受けて、自己資本に対しての収益性を高める事も可能)
現物不動産投資のデメリット
△現物株に比べ、換金にある程度時間がかかる
→いざという時に売却しやすい物件を買う
△特に最初のうちは勉強するべきことが多い
(後述するような各種リスクがある)
→逆に、知識があれば損する確率も低くなる
不動産投資と他の投資の比較(独断)
インカムゲイン
規模拡大スピード
現金化スピード
キャピタルゲイン
不動産(区分)
◎ ◯(最初は遅い)
△ ◯
不動産(一棟)
◯ ◎ ☓ △
株投資 △ ?(利益次第)
◎ ◯
FX ☓ ?(利益次第)
◎ ◎◎ 〜 ☓☓
投資というより、事業?
「不動産投資」→「不動産賃貸業」
もちろん事業にもリスクはあるが、
確実な需要があるので難易度が低い。
また、やり方によっては片手間でできる。
(買う時にパワーが必要)
基礎知識:利回り
「表面利回り」と「実質利回り」では大違い
例:1000万円で物件購入。管理費+修繕積立金が月2万円、家賃が年96万円だと…
表面利回り→96万/1000万=9.6%!
実質利回り→(96万-24万)/1000万=7.2%!
「複利」の効果を理解する
「毎年、前年比7%で純資産を増やす」
→20年後には3.87倍になる。(1.07^20≒3.87)(現時点で純資産1千万なら3870万円になる)
※ここでいう「前年比7%」は単純な実質利回りではなく「IRR(内部収益率)」という考え方を基準にしています
利回りが高いほど良いとは限らない
資産価値が高い
資産価値が低い(リスクがある)
収益性が高い
収益性が低い
資産形成していくために目指すべき物件
ステータス重視の富裕層向け物件
リスクはあるが収益性重視の事業家向け物件
例:麻布・青山の高級マンション(表面 2〜4%)
例:地方都市アパート、借地物件、狭小住宅
誰も買わない (?)ババ抜き物件
例:リゾートマンション、新築投資用 1R物件
資産価値ってどうやって決まる?
買った時の価格並、もしくはそれ以上の再販価値がある
ランニングコストが低い
立地条件が良い(都心部駅近など)
入居者を決めやすい
物件価格に対して高い家賃を取れる
管理・修繕がきちんと行われている
分譲・施工会社のブランド力
土地の持分の価値が高い
融資が付きやすい
オススメのエリアは?
土地勘ある場所、現住所によって変わってくる部分はあるが、基本的には
「23区内」…の中でも「城南・城西」が無難。
△都心から遠すぎると、空室リスクが高まる
△あまりに都心すぎると利回り高い物件が見つけづらく、固定資産税なども高くなる
区分所有とは?
建物全体を1人が所有するのではなく、
1戸ずつ、別の所有者がいるということ。
(管理組合が結成され、その管理組合から管理会社に建物管理を依頼することが多い。)
複数物件保有する場合、リスク分散できる。
また、1棟物に比べて選択肢(物件数)が多い
中古物件のメリット・デメリット
◎新築で購入するより値下がり幅が限定される
◎完成した建物を見てから購入判断ができる
△古すぎると長期のローンを組めない
△修繕・リフォーム費用が高いこともある
住居系物件のメリット・デメリット
◎オフィス・商業系と違い、確実な需要があり、家賃変動も小さい
(最悪、家賃を下げれば埋まる)
△オフィス向け物件と比べて、水回り設備などのリフォーム費用がかかる
単身向け物件のメリット・デメリット
◎城南/城西でも実質利回り7%以上が可能
◎空室になっても次の入居者を見つけやすい
◎リフォーム費用が安くすむ
△一部の銀行は融資をしない事も
要注意ポイント(区分マンション編)
流通する100物件の中で、
良い物件はせいぜい2〜3件程度?
ここからは、区分マンションを買う上で
覚えておくべき注意点を紹介します。
要注意物件1:借地権・地上権の物件
要注意度 ★★★★★
土地を地主から借りており、建物のみ所有。
土地所有権のある物件より2割程度相場が安いなどのメリットはあるが、資産として評価しづらく基本的に金融機関からの融資を受けることは難しい。必然的に売却も困難。
要注意物件2:既存不適格建築物
要注意度 ★★★★☆
再建築する際に、同じ規模の建物は建てられない物件。
特に旧耐震物件でこれに該当する場合は要注意。(建替えが実現できない)
金融機関からの融資も受けにくい。
要注意物件3:旧耐震物件
要注意度 ★★★☆☆
旧耐震物件の場合は「土地の価値が高い」「容積率に余裕がある」「再建築可能」など複数条件を満たしている事が好ましい。
建替えの話がある場合は注意して精査すべき。なお耐震補強済みの物件はこの限りではない。
要注意物件4:1F・B1部分の物件
要注意度 ★★★☆☆
激安なら検討の余地はあるが、住居向けで1F部分の物件は不人気。地下物件は尚さら。
(事務所や店舗の場合は1Fが良い事もある)
要注意物件5:単身向けで駅15分以上
要注意度 ★★★★★
少なくとも単身向けにおいては、駅からの距離は重要。徒歩5〜9分以内が好ましい。
(ファミリータイプであれば駅から遠くても駐車場が付いていれば客付けしやすいケースもある)
要注意物件6:自主管理物件
要注意度 ★★★☆☆
管理費が割安になるというメリットもあるが、自主管理を担う居住者が高齢化すると、管理の引き継ぎ手に困る場合あり。
自主管理といっても居住者の手腕次第なので、ピンからキリまで。見極めが大変。
要注意物件7:狭小住宅
要注意度 ★★★☆☆
12〜15平米程度の物件。
リフォームしても部屋は広くできない。
「入居中なら」利回りが高くなりやすいが、
将来的に入居募集で不利になるリスクあり。
利回りが高くとも稼働率が低くては意味なし
要注意物件8:ファミリータイプ非混在
要注意度 ★★★★☆
所有者が外部オーナーばかりだと、管理会社の思うがまま。管理組合が機能していない事も。
ファミリータイプが混在している分譲マンションの方が自治もうまく行き、管理状態が良好になりやすい。
要注意物件9:割高なランニングコスト
要注意度 ★★☆☆☆
例えば、家賃5万円なのに管理費+修繕積立金が月2万円の物件。入居中でも利益は月3万、空室なら月2万の赤字。
空室時持ち出しが高いわりに、入居者がいても大した利益幅が小さく割に合わない。
要注意物件10:低すぎる修繕積立金
要注意度 ★★☆☆☆
月額の修繕積立金が少なすぎる、又は修繕積立金の残高が少なすぎる物件。
(1㎡あたり月200円が相場)
修繕工事で費用が足りなくなった場合に、積立金の増額や一時金の徴収のリスク。滞納が多い物件、修繕積立金を分けていない場合も注意。
要注意物件11:総戸数が少ない
要注意度 ★★★☆☆
これは総戸数が少ないから即NGというわけではなく、総戸数が少ないことによりランニングコストや修繕費用が割高になる場合があるということ。
要注意物件12:軟弱地盤上の物件
要注意度 ★★☆☆☆
地震の時、倒壊より発生確率が高い液状化。
城東エリアの物件を買う時には要注意。
埋立地の中には、「ゴミ」で作られた埋立地もある。
ハザードマップも要チェック。
要注意物件13:築浅すぎる物件
要注意度 ★★★☆☆
築浅で割安になっている物件であれば問題ないのですが、築浅だからといってその分 高く購入してしまっていては、その後の価値下落リスクが高いです。
築10年経っていない物件は逆に要注意です。
要注意物件14:室内洗濯機置き場なし
要注意度 ★☆☆☆☆
近くにコインランドリーがあったとしても、入居募集には不利。
ただし、7〜10万円くらいで新規設置できるので、そこまで大きな問題ではない。
要注意物件15:水回り設備が古い物件
要注意度 ★★☆☆☆
(25年以上、リフォームしていない物件)
リフォームの中でも費用が高く付くのが風呂、その次にキッチン、トイレなどの水回り設備。
築古で、水回り設備がずっと取り替えられていない場合、その事を折り込んだ上で安く買う必要がある。
要注意物件16:空室率の高い物件
要注意度 ★★☆☆☆
同じ建物内に空室が多い物件。
繁忙期でもないのに空室が多く、何ヶ月も空室が続いているような部屋がある場合には注意して原因を調べる必要がある。
要注意物件17:入居者属性が悪い
要注意度 ★★★☆☆
特にオーナーチェンジ物件の場合。滞納が多い(もしくは滞納中)の入居者であるなど、入居者に問題がないかどうかは要確認。
特に、家賃が安い物件ほど属性の悪い入居者が寄ってくるので要注意。
要注意事項への考え方
要注意事項に該当するから即NGというわけではない。
デメリットを折り込んだ上で、その分だけ安く買い叩けるなら『投資方針次第で』良い物件になることもある。
(ただし、見極める自信がなければ回避推奨)
注意点は多いが、覚えれば見極めは簡単。
選ぶならどの物件?(あくまで私見)
③青葉台ハイツ ☆☆☆
→ 旧耐震だが一等地。土地の価値と収益性が高い。上級者向け
⑭ライオンズマンション三鷹さくら通り ☆☆
→中央線5分で、大きな弱点がない物件。利回りそこそこだが客付けが容易
⑮キクエイパレス戸越 ☆☆☆
→城南エリアで何と言っても戸越商店街。大きな弱点なくバランスの良い物件
⑯ルーブル小石川 ☆☆☆
→総戸数少ないが文京区で平成築でこの価格は稀少。収益性も◎
⑰ストーク四谷 ☆☆☆☆
→都心の駅近で利回りも良い。土地の価値も◎。洗濯機置き場は後で付ければ良い。
「良い物件が無い」は嘘か本当か。
・「レインズに良い物件は載らない」という発言は半分嘘(もしくは業者の努力不足)
・「最近は安い物件が無い」という発言も半分嘘(中には安い物件も出ている)
→いずれも、「すぐに無くなる」が正解。
不動産購入に必要な金額
・900万の物件を現金で買う場合(概算)
物件価格900万 仲介手数料35.6万(税込)
登記費用10〜15万 火災保険料1〜2万 不動産取得税 数万円
固都税・管理費の精算 数万円 →合計960万前後
不動産購入に必要な金額(融資利用)
・900万の物件を融資受けて買う場合(概算)
前ページの合計960万前後以外に…融資取扱手数料 0〜20万円程度
抵当権設定費用 0〜10万円程度
抵当権設定の登記費用 10万円程度
区分マンション投資の注意点
・住宅ローンを借りる時の影響(返済負担率)
→売却したい時に売却できる物件が好ましい
※現金で買う場合は関係ありません。
(持ち家志向がないなら、区分複数戸を持ち、その収入で自分も賃貸に住むという発想も)
FAQ:物件の値下げ交渉は可能?
可能です。
売主が強気だと「1円たりとも値下げしない」事もあるが、基本的に値下げ交渉する事は問題ない。5%〜10%くらいは普通に安くなる。
あまりに低すぎると相手にしてもらえない事もあるので、空気を読むことも重要。
FAQ:競売物件ってどう?
「競売物件は激安」という誤った見方をする方も多いが、それは完全な間違い。
入札制なので、23区内の良い場所にあるマンションは、むしろ仲介で買うより高くなってしまいます。
(人気のない競売物件なら、安く買えます)
FAQ:仲介手数料無料の物件ってどう?
物件を保有する「売主(又は売主の代理)」が仲介手数料無料で物件を販売していることも。
ただし、仲介手数料に相当するだけの利益が載せられているので仲介手数料 無料に目をくらませていてはいけない。総額で判断すること。
(手数料3%でも,10%割安ならその方が良い)
高く売却するための基本
・単身向けはオーナーチェンジで、ファミリー向けは空室状態・原状回復後に売却する
・買い取り業者ではなくエンドユーザーに売る
・余裕を持ち、時間をかけて売る
売却時の「譲渡税」についての基本
・物件取得後5年以内に売って利益が出た場合は 短期譲渡税(税率4割強)がかかります。
・5年以上経ってから売却して利益が出た場合は 長期譲渡税(税率2割強)がかかります。
・ただし自己居住していた物件の場合「住まなくなってから3年後の年末まで」に売れば、利益が出ても3000万円までは非課税。
融資のための基礎知識
・「給与所得だけで返済可能」or「複数戸保有し、家賃収入が安定している」事がポイント
(1〜2部屋だけでは、1つ空室になっただけでも影響大)
・保有物件の評価が、残債を上回っているか?
(大幅な信用毀損に注意。)
所得は夫婦で分散すべし
・所得税は累進課税→夫の所得が高いなら、嫁の名義で不動産を持つ
(年収600万+年収400万より、年収500万×2人の方が可処分所得は多い)
・いくつも物件を買うなら、資産管理法人の設立も視野に入れる
(営業利益800万円以内なら税率は2割程度)
J-REITのメリット
・自分で不動産(現物)を買うより手間がかからない
・購入時に諸費用がかからない
・価格が下落しても借金まで背負うことはない
・ローン返済が無いのでキャッシュフローはプラスになる
J-REITのデメリット
・自分で不動産を買うよりは利回りが低い
※スポンサー企業と利益相反の問題を抱える
・銘柄は少なく情報も一般公開されているので掘り出し物だけを買うことはできない
・融資を受けて投資するわけではないのでレバレッジが利かない
J-REITについての所感
・不動産投資とは本質的にスタンスが異なる。(株式の投資信託と比較するのが妥当)
・買うタイミング次第で損することもある。どれだけ勉強しても相場を100%読み切る事は難
・運用方針を参考にするのはアリ
良い物件を手に入れるための心構え
最後に、良い物件を手に入れるための
心構えをいくつか紹介します。
心構え1:誰よりも早く動くこと
良い物件は、買いたい投資家も多い。
しかし物件は1つ。買えるのは1人だけ。
物件を見つけたら5秒でアリかナシか判断する
即日現場を見に行き、即日意思決定する。
スピードが最重要。
心構え2:購入基準を明確にすること
早く動くためには、基準が明確になっていなければいけない。
例:新宿区・中野区の駅5分以内で実質利回り7%以上・1000万円以下かつ懸念点の無い物件なら即買う…など基準を決めておく
心構え3:多くの物件を見ること
各種ポータルサイトを自分でも見て、相場観を養うこと(新着物件はメールで受け取る)
興味を持った物件の現地を見に行ってみること。(仲介会社に同伴してもらう必要は無い)建物だけでなく、周辺もセットで見る。
段々「この物件前も見た」というのが増える
心構え4:完璧を求め過ぎない
理想の物件が底値で買えればラッキーだが、底値で買わなければいけないわけではない。
「上の上」を求めていつまでも買えないより、「上の中」の物件を買って、早く運用開始する方が将来的にはプラスが大きい。
「頭と尻尾はくれてやる」気概が大事。
心構え5:身の丈を知ること
融資が下りるからといって、身の丈以上の物件を買ってはいけない。
いくらリスクが小さいとはいえ、未経験者が大きな資金を得てもコントロールに苦労する。
成功体験を積み資産拡大とともに徐々に物件を増やしていく方が低リスク。精神衛生上も良い
講師プロフィール
㈱エイリスト代表取締役、首都マンション㈱ パートナー、合同会社駅近 CFO
2008年、リーマンショックがきっかけで不動産売買に関心を持ち、 25歳で自己居住用のマンションを購
入。その後、結婚と同時にそのマンションを貸しに出し、賃貸事業をスタートさせる。
企業経営者でありながら現役の不動産投資家でもあり、合計 12物件を自己資本利益率 25%/年 以上(実
質利回り約8〜9%)で運用中。
「単純な数値だけでは測れない資産性」を重視しつつも年に数物件を取得し、売却時にも購入価格比で平
均35%のキャピタルゲインを達成している。
その経験を活かし、現在は首都マンションズ㈱で中古マンションの売買仲介にも従事。
特に「資産価値が落ちにくい物件」の紹介や、不動産購入方針のコンサルティングを得意とする。
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