5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】...

6
-1- てこ・輪軸 【てこ】 ある点を中心に回転できるようになった棒をてこという。 ◆てこの3点 てこで回転しないところを支点,てこに力を加えていると ころを力点,てこが他の物体に力をはたらかせているとこ ろを作用点という。 ◆モーメント てこに力を加えたとき,てこを回転させようとするはたらきをモーメントといい,てこに加えた 力の大きさと支点までの距離の積で表す。モーメントには,支点を中心に時計回り(右回り)に 回転するモーメントと,支点を中心に反時計回り(左回り)に回転するモーメントがあり,両方の モーメントが等しいとき,てこはつり合っており,回転しない。 ◆重心 物体のすべての重さがかかっていると考えられる点を重心という。 A gB gA×a=B×b A : B=b : a 時計回 り (右回 り ) のモーメント 反時計回 り (左回 り ) のモーメント a cmb cm支点 作用点 力点 力点 支点 作用点 力点 支点 作用点 例題 100cm20gの太さが一様な棒を使って,おもりやばねはかりを次のようにつないでつり 合わせたときの, にあてはまる適当な数字を答えなさい。 10g 30g 20cm 20cm 50cm 40cm 40cm 20cm 100g 30g 20g 80g 50g 50cm 30cm 20cm 40cm 60cm g g g g g g 支点 作用点 力点

Transcript of 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】...

Page 1: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 1 -

てこ・輪軸

【てこ】

ある点を中心に回転できるようになった棒をてこという。

◆てこの3点 てこで回転しないところを支点,てこに力を加えていると

ころを力点,てこが他の物体に力をはたらかせているとこ

ろを作用点という。

◆モーメント てこに力を加えたとき,てこを回転させようとするはたらきをモーメントといい,てこに加えた

力の大きさと支点までの距離の積で表す。モーメントには,支点を中心に時計回り(右回り)に

回転するモーメントと,支点を中心に反時計回り(左回り)に回転するモーメントがあり,両方の

モーメントが等しいとき,てこはつり合っており,回転しない。

◆重心 物体のすべての重さがかかっていると考えられる点を重心という。

A 〔 g〕 B 〔 g〕A×a=B×b

A : B=b : a時計回り(右回り)のモーメン ト

反時計回り(左回り)のモーメン ト

a 〔cm〕 b 〔cm〕

支点

作用点

力点

力点

支点

作用点 力点

支点

作用点

例題 100cmで20gの太さが一様な棒を使って,おもりやばねはかりを次のようにつないでつり

合わせたときの, ア ~ カ にあてはまる適当な数字を答えなさい。

10g 30g

20cm20cm50cm

40cm40cm 20cm

100g

30g20g

① ②

80g50g

50cm30cm 20cm

40cm 60cm

ア g

イ g

ウ g エ g

オ g カ g

支点作用点

力点

Page 2: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 2 -

解法 ① 棒の太さが一様なので,重心は棒の中

心と考えてよい。このとき,重心は支点と

同じ位置にあるので,棒の重さによるモー

メントは0になる。つり合っているてこは左

回りのモーメントと右回りのモーメントは等しいので,右図より,

ア ×50=10×20+30×(20+20)

となり, ア =28になる。

② 20gの棒の重心は,支点から10cm

の距離にある。よって右図より,

20×40+ イ ×40

=20×10+30×(40+20)

となり, イ =30になる。

③ わからない重さ(または,ばねにか

かる力)が2ヶ所ある場合は,どちらか

一方を支点として考えると,その部分

のモーメントが0になるので,解くこと

ができる。そこで, ウ gの部分を支

点として考えてみる。このとき,20gの

棒の重心は支点から10cmの距離に

あるので,右図より,

80×50=50×30+20×20+ エ ×(50+20)

となり, エ =30になる。また,2つのばねはかりの値の合計が130gなので, ウ は,

130-20-30=80g

④ ③同様に, オ gの部分を支点とし

て考えてみる。このとき,20gの棒の重

心は支点から50cmの距離にあるので,

右図より,

カ ×(40+60)

=100×40+20×50

となり, カ =50になる。また,2つの

ばねはかりで合計120gを支えることに

なるから, オ は,

120-50=70g

10g 30g

20cm20cm50cm

ア g 20g

左 右 右

40cm40cm 20cm

30g20g

イ g

左 右

20g10cm

20cm80g50g

50cm30cm 20cm

ウ gエ g

右 右

左右

20g

100g

40cm 60cm

オ g カ g

50cm

20g

Page 3: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 3 -

【輪軸】

大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時

に動くように作られたものを輪軸という。右図のように,大きい

輪の直径を1つの棒と見なしたとき,中心を支点としたてこと考

えることができる。

次の にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。なお,棒の重さは考えないものとする。

(1) (2) (3)

(4) (5) (6)

【別解】 この問題のように,

おもりが2つのばねは

かり(または支点)の間

にある場合は,比を使

って解くこともできる。

まず,棒の重さ20gは

左右までの距離の比

が1:1なので,力の大

きさも1:1に分けられる。また,おもりの重さ100gは,左右までの距離の比が2:3

なので,力の大きさは,3:2に分けられる。よって,上図より, オ は,10+60=

70g, カ は,10+40=50gになる。

100g

40cm 60cm

オ g カ g

50cm

20g

60g10g 10g

40g

3 : 2

1 : 1

1

100gg

20cm40cm

200g g

30cm 50cm

60g

20cmcm

40g

10gg

20cm40cm 30cm

30g 20gg30g

40cm50cm 50cm

20gg40g

40cm 20cm 30cm

A

B

C A B C=

Page 4: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 4 -

次の にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。なお,棒の重さは10gで,太さは一様である。

(1) (2) (3)

次の にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。なお,棒の重さは10gで,太さは一様である。

(1) (2)

(3) (4)

(5) (6)

2

3

g25g

20cm 30cm

g30g

35cm15cm

30g10g g

20cm 15cm 15cm

10g

40cm 40cm 20cm

40gg g30g

20g

30cm70cm

20g

g

50g

20cm60cm 20cm

30g

20cm 50cm 30cm

30gg

10g

g

30g

40cm40cm20cm

20g 10g

30cm50cm20cm

g

Page 5: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 5 -

次の にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。なお,棒の重さは10gで,太さは一様である。

(1) (2)

① ② ① ②

(3) (4)

① ② ① ②

太さが一様でない長さ100cmの板がある。この板を床に置き,図1のように板の細い方にばねはかりをつ

けて少し持ち上げると,ばねはかりは80gを示した。同様にして,床に置いた板を,図2のように板の太い方に

ばねはかりをつけて少し持ち上げると,ばねはかりは120gを示した。これについて,後の問いに答えなさい。

(1) 図3のように,板の中心にばねはかりをつけて持ち上げると,板は太い方にかたむいた。このとき,100gの

おもりをつるして板をつり合わせるためには,100gのおもりを板の中心から左右どちらに何cmのところにつる

せばよいですか。また,このとき,ばねはかりは何gを示していますか。

おもり ,ばねはかり

(2) 図4のように,板の細い方に100gのおもりをつるして,この板をつり合わせたい。このとき,ばねはかりを板

の細い方から何cmのところにつるせばよいですか。

5

4

120g80g

100g100g

50cm 50cm

図1 図2 図3 図4

20g15g

g① ② g

40cm40cm20cm

10g30g

g① ② g

40cm30cm30cm

50g

g① ②

30cm70cm

g

40g 60g

40cm40cm20cm

g① ② g

へ cm

Page 6: 5 てこ・輪軸 - jes-jissen.com · - 3 - 【輪軸】 大きさの違ういくつかの輪を1つの軸につけ,すべてが同時 に動くように作られたものを輪軸という。

- 6 -

次の にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。

(1) (2) (3)

重さ20gで太さが一様な棒を使って,右図のようにしてつり合わ

せると,ばねはかりAとBはそれぞれ,30gと100gを示した。このとき,

CとDのおもりの重さをそれぞれ答えなさい。

C D

重さ10gで太さが一様な棒と,いろいろな重さのおもり

を使って,右図のようにつり合わせた。このとき, ① ~

④ にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。

① ②

③ ④

一様な太さの棒を真ん中で折り曲げ,右図のようにしてつり合

わせた。このとき, にあてはまる数字を答えなさい。なお,棒の

重さは考えないものとする。

6

8

10gg

8cm 4cm

20g 50g g

8cm5cm

25gg

9

7

大輪の半径:8cm

中輪の半径:6cm

小輪の半径:4cm

gg

10g g10g ①

②③ g④

40g

60°

g

20cm

20cm

A B

10cm50cm40cm

C D