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19 4.「港都 神戸」の創生とウォーターフロント都心 4-1 「港都 神戸」の創生に向けた基本的考え方 ウォーターフロントと都心が近接している神戸の優位性をいかして、これまで市民から遠い存在 であった働く場所としての港を、人々が憩い親しめる空間として開放することにより、市民や来街 者でにぎわう魅力と活力ある場への転換を図る。 転換に際しては、「デザイン都市・神戸」の基本方針「まちのデザイン」「くらしのデザイン」「も のづくりのデザイン」の具現化を図るリーディングエリアとして、またアジアや日本、瀬戸内海の 文化のゲートウェイとして、神戸のアイデンティティ・オリジナリティを確立し、新たな魅力と活 力にあふれる『港都 神戸』を創生する。 『港都 神戸』の創生を図るため、 港と都心が近接した特色をいかし、ウォーターフロントに都心機能を導入することによる 都心とウォーターフロントの機能的な融合 既存の景観資源をいかしつつ、低炭素社会の構築に資するよう環境へも配慮するとともに、 新たな神戸らしい景観やみどりのオープンスペースの創出による「デザイン都市・神戸」 にふさわしい魅力ある高質な都市空間の形成 都心とウォーターフロントおよびウォーターフロント内における回遊性に優れたネットワ ークの形成による相互の機能連担および一体感や連続性の醸成 市民や事業者の協働と参画のもと、民間活力を活用し、長期間にわたる継続的な取り組み などを進めていく。 4-2 ウォーターフロント都心の形成<新たな創造産業拠点> 『港都 神戸』のコアゾーンとして、ウォーターフロントのポテンシャルを十分に活用し都心とウ ォーターフロントのさらなる発展を図るため、中央ゾーンに都心機能を導入することにより「ウォ ーターフロント都心」を形成する。 ウォーターフロント都心の形成に際しては、中枢業務・広域商業・行政機能の中心である既存都 心と、業務・流通・住機能などの複能都心とからなる“都心のトライアングル”により一体的かつ 相乗効果を発揮しながら発展していくために、次の3つの視点(都心イメージ)に配慮した取り組 みを進め、神戸独自の文化をいかすとともに「デザイン都市・神戸」にふさわしい新たな創造産業 拠点(美術、音楽、映画、ゲーム、服飾デザイン、広告など知的財産権の開発を通して富と雇用を 創出する産業)の形成を図る。 ①価値創造とにぎわいの場づくり(『クリエイティビティ&エンターテイメント』) 新たな価値を生む創造産業などの拠点を形成し、新たな都心として人々でにぎわう、神戸 のブランドイメージを高める場を形成する。

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4.「港都 神戸」の創生とウォーターフロント都心

4-1 「港都 神戸」の創生に向けた基本的考え方

ウォーターフロントと都心が近接している神戸の優位性をいかして、これまで市民から遠い存在

であった働く場所としての港を、人々が憩い親しめる空間として開放することにより、市民や来街

者でにぎわう魅力と活力ある場への転換を図る。

転換に際しては、「デザイン都市・神戸」の基本方針「まちのデザイン」「くらしのデザイン」「も

のづくりのデザイン」の具現化を図るリーディングエリアとして、またアジアや日本、瀬戸内海の

文化のゲートウェイとして、神戸のアイデンティティ・オリジナリティを確立し、新たな魅力と活

力にあふれる『港都 神戸』を創生する。

『港都 神戸』の創生を図るため、

・ 港と都心が近接した特色をいかし、ウォーターフロントに都心機能を導入することによる

都心とウォーターフロントの機能的な融合

・ 既存の景観資源をいかしつつ、低炭素社会の構築に資するよう環境へも配慮するとともに、

新たな神戸らしい景観やみどりのオープンスペースの創出による「デザイン都市・神戸」

にふさわしい魅力ある高質な都市空間の形成

・ 都心とウォーターフロントおよびウォーターフロント内における回遊性に優れたネットワ

ークの形成による相互の機能連担および一体感や連続性の醸成

・ 市民や事業者の協働と参画のもと、民間活力を活用し、長期間にわたる継続的な取り組み

などを進めていく。

4-2 ウォーターフロント都心の形成<新たな創造産業拠点>

『港都 神戸』のコアゾーンとして、ウォーターフロントのポテンシャルを十分に活用し都心とウ

ォーターフロントのさらなる発展を図るため、中央ゾーンに都心機能を導入することにより「ウォ

ーターフロント都心」を形成する。

ウォーターフロント都心の形成に際しては、中枢業務・広域商業・行政機能の中心である既存都

心と、業務・流通・住機能などの複能都心とからなる“都心のトライアングル”により一体的かつ

相乗効果を発揮しながら発展していくために、次の3つの視点(都心イメージ)に配慮した取り組

みを進め、神戸独自の文化をいかすとともに「デザイン都市・神戸」にふさわしい新たな創造産業

拠点(美術、音楽、映画、ゲーム、服飾デザイン、広告など知的財産権の開発を通して富と雇用を

創出する産業)の形成を図る。

①価値創造とにぎわいの場づくり(『クリエイティビティ&エンターテイメント』)

新たな価値を生む創造産業などの拠点を形成し、新たな都心として人々でにぎわう、神戸

のブランドイメージを高める場を形成する。

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・ 商業・業務・教育・居住(宿泊含む)などの複合的な都心機能に加えて、特に芸術・文

化機能やエンターテイメント機能などを重点的に導入することで、デザイナーやアーテ

ィストなどクリエイター(創造的な仕事に従事する人)の集積により新たな創造産業や

文化が生まれる場を創出するとともに、創造的な活動が活発に展開されることで、市民、

来街者など、さまざまな人々でにぎわう場の創出を図る。

・ ウォーターフロントで新たに供給される床については、都心の企業の付加価値を上げる

ような活用を図る。

・ 市民が神戸のまちに対する愛着や誇りと来街者へのブランドイメージを高めていく場と

して、ハード面の整備とともに、市民や来街者に親しまれるイベントの開催など、にぎ

わいづくりに向けた取り組みを進める。

・ 行ってみたいと思わせる空間特性をいかした個性あふれる街並みの創出を図る。

②保全と活用の場づくり(『コンサベイション&リノベーション』)

歴史的建造物など歴史的・文化的価値の高い地域資源を保存・活用することにより、歴史

をいかした魅力的な空間を形成する。

・ 神戸税関、旧神戸生糸検査所、倉庫群などの神戸の近代化を物語る歴史的建造物や、神

戸港の記念碑とも言える櫛形突堤、港の記憶を残す旧臨港線跡地など、歴史的・文化的

価値の高い地域資源を保存・活用することで港町の歴史を未来へ継承する。

・ 歴史の重層性・物語性を活用した各種施策を展開するなど、港の資産を活用した魅力的

な空間の形成を図る。

③高質な環境創造の場づくり(『グリーン&エコロジー』)

低炭素社会の実現に向けてカーボン・ゼロをめざした先進的な取り組みを進めるとともに、

景観や緑に配慮した高質な空間を形成する。

・ 公共交通機関の利用促進や自動車交通の流入抑制などにより、自動車に頼らない歩いて

楽しいまちをめざす。

・ 緑化の推進や風の道ともなる眺望路の確保など、環境へ配慮した低負荷型の再整備によ

り、緑と風にあふれる高質な都市環境を創出する。

・ 水面を含めたオープンスペースを基調とした空間形成を推進し、既設のオープンスペー

スも活用し、連続したみどりのオープンスペースネットワークを創出する。

・ 人の五感に訴えかける港の風情や、都心の背後に横たわる緑豊かな六甲の山並みを活用

した空間の形成を図る。

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都心のトライアングルとウォーターフロント都心

三宮駅

ポートライナー

波止場町1番地

旧居留地・大丸前駅

中央 継起拠点

東継起拠点

みなと元町駅

元町駅

地下鉄海岸線

JR

《既存都心》

神戸~元町・栄町~

旧居留地~三宮

《複能都心》

三宮東~三ノ宮南

三宮・花時計前駅

旧神戸生糸検査所周辺 ・神戸震災復興記念公園

ウォーターフロント 交通軸

回遊ネットワーク

中央ゾーン

《ウォーターフロント都心》

〔新たな創造産業拠点〕

(新港突堤西地区)

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都心とウォーターフロント(ハーバーランド~新港突堤西地区周辺)の地域資源

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陸奥宗光顕彰の碑

八時間労働発祥地の碑

旧神戸市船舶給水所

京橋の欄干

● ●

● ● ●

● ●●

モザイク

モザイクガーデン

高浜岸壁

メリケンパーク

神戸海洋博物館・カワサキワールド

神戸華僑歴史博物館

ホテルオークラ神戸

フィッシュダンス

国産2号上屋(TEN×TEN)

中突堤旅客ターミナル

みなと公園

(かもめりあ)

G上屋

H1上屋

H2上屋

I上屋

J上屋

K上屋M上屋

東遊園地

神戸ポートターミナル

篠崎倉庫

神戸震災復興記念公園

レンガ倉庫レストラン

ホテル ラ・スイート

神戸ポートタワー

新港第一突堤

新港フェリーのりば

新港第三突堤

● ●

商業・集客系施設

交通系施設

歴史施設・史跡等

公 園

旧鉄道敷(最盛期の臨港線)

=貨物駅構内は省略=

神戸税関発祥の地の碑

神戸港震災メモリアルパーク

神戸港移民船乗船記念碑 映画記念碑

明治天皇御用邸址の碑 ① 網屋吉兵衛顕彰碑

神戸電信発祥の碑

海軍操練所跡の碑

中突堤中央ターミナル

被災した橋脚・支承

みなと元町駅

20棟・19箇所

●オリエンタルホテル

⑤新港第二突堤

旧新港第五突堤信号所

国産1号上屋(TEN×TEN)

メリケン波止場の門柱

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新港突堤西地区・波止場町1番地周辺の近代化遺産および近代化産業遺産(建築物のみ)

現名称 近代化遺産名称など 内訳 構造・規模 分野 竣工年代

① 川西倉庫 神戸港と関連施設 川西倉庫 RC、4階 商業 大正 14 年

② 住友倉庫 神戸港と関連施設 住友神戸税関構内倉庫 商業 大正 15 年

③ 三菱倉庫 神戸港と関連施設 三菱倉庫三突第一倉庫 RC・SRC、5階 商業 大正 14 年

④ 三井倉庫 旧東神倉庫 RC、5階 商業 大正 15 年

⑤ 新港第四突堤Q号上屋 旧新港第四突堤鉄道上屋 RC、3階 港湾施設 昭和6年

⑥ 三井倉庫 (神戸支店小野浜営業所)

旧東神倉庫小野浜倉庫 RC、5階 商業 大正 14 年

⑦ 新港貿易会館 旧新港相互館 RC、4階 商業 昭和5年

⑧ 神戸税関 神戸税関庁舎 RC、4階 官公庁 昭和2年

旧神戸生糸検査所 旧市立神戸生糸検査所(旧館) SRC、4階 官公庁 昭和7年

⑩ 旧神戸生糸検査所 旧国立神戸生糸検査所(新館) RC、4階 官公庁 昭和2年

⑪ 海岸ビルヂング 海岸ビルヂング 煉瓦、3階 商業 明治 44 年

⑫ 神戸郵船ビル 旧日本郵船神戸支店 煉瓦、S、RC、3階 その他建築 大正7年

⑬ ㈱丸亀組 旧 AALL&Co.LTD オール・アンド・ コンパニィー・リミテッド RC、3階 その他建築

⑭ 神戸海岸ビル 海岸ビル RC、4階 商業 大正7年

⑮ 商船三井ビルディング 旧大阪商船神戸支店 SRC、7階 商業 大正 11 年

⑯ 神港ビルディング 神港ビル SRC、8階 商業 昭和 14 年

⑰ チャータードビル 旧チャータード銀行神戸支店 RC、4階 金融業 昭和 13 年

⑱ 旧居留地 15 番館 旧居留地 15 番館 木骨煉瓦、2階 その他公共施設 明治 14 年

⑲ 神戸市立博物館 神戸市立博物館(横浜正金銀行神戸支店) RC、3階 金融業 昭和 10 年

⑳ 旧居留地 38 番館 旧ナショナルシティバンク神戸支店 石・煉瓦、3階 金融業 明治 33 年

出典:「兵庫県の近代化遺産」(平成 18 年3月/兵庫県教育委員会)、近代化産業遺産群(平成 19 年度/経済産業省)に加筆

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①川西倉庫 ④三井倉庫

⑧神戸税関 ⑮商船三井ビルディング

石積護岸(新港突堤西地区) 「史跡 旧海軍操練所跡」の碑

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4-3 ウォーターフロント都心の空間構成と再整備の方向

(1)突堤基部の再生

「デザイン都市・神戸」を実践する場である「新たな創造産業拠点」として、近代神戸港の歴

史と記憶をいかした既存倉庫等の転活用などにより、神戸の新たな創造的産業や文化を生むク

リエイターが、自由な発想のもとで活動し生活できる業務・居住一体型の新たなワークスタイ

ル・ライフスタイルを実現する空間の形成を図る。

また、回遊性を向上させるため、東継起拠点や中央継起拠点の再整備と相互に連携し、眺望

や緑陰空間に配慮した広がりを感じさせるオープンスペースを適切に配置するとともに、旧臨

港線跡地などを活用した港の記憶を呼び起こすデザインによるトランジットモールや水際の連

続したプロムナードなど、歩行者優先の動線や自転車道などの整備を図る。

あわせて、屋上緑化や壁面緑化、太陽光発電パネルの設置、保水性舗装など、環境に配慮し

た取り組みを推進する。

ウォーターフロント都心(中央ゾーン) エリア区分図

(2)新港第 1~4突堤の再生

櫛形の突堤を活用し、水面をはさんで向こうにいる人の表情が何となくわかる“心地よい距

離感”を感じることのできる場を創出するとともに、突堤部を巡るプロムナードなど連続した

海辺のオープンスペースを形成することで、回遊しやすく、みなとの風景を満喫でき、ウォー

ターフロントへの来訪者が水際に近づきやすい親水空間の形成を図る。

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第 1 突堤は、「ウォーターフロント都心のリーディング・ピア」として、中央ゾーンにおける

再整備を先導するエリアとして位置づけ、集客・観光施設を核とした商業・居住機能の導入を

進める。

第 2 突堤は、「ウォーターフロント都心のエンターテイメント・ピア」として、第 1 突堤や

基部の再整備との整合を考慮した都心機能の導入や、水上エンターテイメント機能の導入など

を検討する。

第 3 突堤は、当面は「瀬戸内クルーズ・フェリーの拠点」として利用し、長期的にはフラワ

ーロードからつながる三宮中心部との南北ネットワーク軸上の位置をいかし、「ウォーターフロ

ント都心のコア・ピア」として、都心から海への眺望に配慮しつつ、業務・居住・文化機能等

の導入を検討する。

第 4 突堤は、「世界につながるターミナル・ピア」として、市民や観光客が豪華客船などを身

近に感じることのできる空間の形成を図るとともに、既存のポートターミナルの機能向上や上

屋(倉庫)の再整備などによる業務・集客機能の導入・強化を検討する。

(3)海面の利用転換

各突堤の再整備にあたっては、海に面したロケーションをいかした利用を検討し、突堤間の

水域については都心部の水上レクリエーションの拠点として、例えばマリーナや水上レストラ

ンなど、海面の活用策を検討する。

(4)京橋出入口・PA周辺

阪神高速3号神戸線の京橋出入口・PA周辺および国道2号については、長期的には阪神高

速道路の形態に応じて、都心とウォーターフロントの一体化を促進する空間形成をめざす。

ウォーターフロント都心 突堤部の将来イメージ(例)

噴水

瀬戸内クルーズ ・フェリーの拠点

マリーナ

集客 ・観光施設

野外ステージ

大型客船の 旅客ターミナル

既存倉庫の転活用 先端広場 音楽ホール屋上 ・壁面緑化

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①突堤基部の将来イメージ〔西向き〕(例)

②突堤基部の将来イメージ〔東向き〕(例)

① ②

イメージパースの視点

神戸ポートタワー 神戸海洋博物館 ホテルオークラ 屋上緑化

太陽光 パネル

壁面緑化

自転車道

歩行者空間

トランジット モール

にぎわい 施設

旧神戸生糸検査所(旧館)

オープン スペース

神戸税関 音楽ホール 神港貿易会館

トランジット モール

歩行者空間

自転車道 野外 ステージ

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4-4 ウォーターフロントへのゲート空間(継起拠点)

(1)中央継起拠点(波止場町1番地)

1)“人々が集う場”の創出

誰もが気軽に近づくことができる市民や来街者に開放されたパブリックスペースとして、

まちのにぎわいと一体となったオープン空間の創出を図るとともに、三宮・元町などの都心

からウォーターフロントまで歩いて楽しめる京町筋・鯉川筋などの動線整備とあわせて、ヒ

ューマンスケールな空間づくりを推進する。

また、シンボリックなモニュメントや文化・集客機能などのスポット的な施設を導入する

ことで、さらなる魅力化を図るとともに、訪れる人々や周辺で働く人々が集い、憩い、船が

見える港を満喫できる親水空間の形成をめざす。

2)“みなと”の歴史をいかす

地区内に存在している史跡や周辺の近代化遺産などの歴史的資源を保存・活用し、神戸外

国人居留地時代のプロムナードや、神戸港発祥の地が持っていた船溜まり特有の雰囲気を再

現するなど、みなとの歴史をいかした空間の形成を図る。

3)“結ぶ・つなぐ場”の創出

地区内におけるプロムナードの再現により、ハーバーランドやメリケンパークと新港突堤

西地区との間をつなぎ、ウォーターフロント東西の回遊性向上を図るとともに、浪花町筋、

播磨町筋、明石町筋など都心から港へと通じる眺望路を確保する。

中央継起拠点 将来イメージ(例)

〔提言「波止場町1番地の将来像」(都心とウォーターフロントを考える会、平成 20 年 11 月)より〕

神戸海岸ビル 商船三井ビルディング プロムナード

ハーバー ハイウェイ

阪神高速 3号神戸線

オープンスペース

にぎわい施設

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(2)東継起拠点(旧神戸生糸検査所周辺・神戸震災復興記念公園)

1)旧神戸生糸検査所の活用

旧神戸生糸検査所、神戸震災復興記念公園、フラワーロードといった大きなスケール感を

いかした、ウォーターフロントのゲートにふさわしい空間づくりを図る。

特に、神戸港の発展と歩みを物語る貴重な歴史的資源である旧神戸生糸検査所を、「(仮称)

デザイン・クリエイティブセンター」などとして「デザイン都市・神戸」のシンボル施設へ

の転活用を図る。転活用に際しては、屋外空間が必要な活動を行う場合などにおける神戸震

災復興記念公園との連携を推進するとともに、例えばクリエイターなどの発表の場として神

戸税関のホールを活用するなど、旧神戸生糸検査所と神戸税関の相乗効果を発揮するような

取り組みもあわせて推進する。

2)歩行者動線の整備

フラワーロード~神戸震災復興記念公園~旧神戸生糸検査所~新港突堤方面など、神戸震

災復興記念公園を人の流れの結節点として活用し、阪神高速3号神戸線等の高架下における

まちかど広場の創出などの環境整備や、眺望路、まちなみ景観などに配慮した歩行者動線を

整備する。また、観光バスステーションなど、人の流れの拠点となるオープンスペースの確

保を検討する。

東継起拠点 概念図

東継起拠点 将来イメージ(例)

凡例:

歩行者動線の整備 (歩行者デッキ含む)

ポケットパーク ★

観光バスステーション ★

神戸震災復興記念公園神戸税関

旧神戸

生糸検査所

神戸税関

噴水

歩行者空間

旧神戸生糸検査所

ポケットパーク

歩行者デッキ

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空間利用の将来構想の例(都心~ウォーターフロント都心周辺)

元町駅

三宮駅

中央継起拠点

東継起拠点

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4-5 景観やオープンスペースによる都心とウォーターフロントの高質化

(1)景観形成の推進

1)基本的考え方

①土地利用転換などにあわせた魅力ある景観形成の推進

ウォーターフロントの土地利用の変化にあわせて、既存の景観資源をいかしつつ、「デザ

イン都市・神戸」にふさわしい、新たな神戸らしい魅力ある景観形成を図る。

□1 都市景観形成地域の景観形成方針に沿った整備

・主たる眺望点の形成、主たる眺望路の形成、主たるランドマーク、シンボルの形成

・海への誘いの景観、プロムナードの形成、水景観の形成、夜間景観の形成

□2 新たな魅力を備えた高質なウォーターフロント空間の創出

□3 景観に配慮した建築物、屋外広告物の誘導

□4 歴史的資源を活用した景観形成

市の景観形成の基本方針

(1)主たる眺望点の形成

海へ至る主要な道路で、特

に眺望に配慮すべき空間を確

保するため、主たる眺望路(ビ

ューコリドール)を位置づけ、

沿道部や延伸部の景観誘導に

より、ゆとりとうるおいのあ

る歩行者空間と、海や山への

眺望景観を形成する。

みなと神戸を象徴する建造

物や歴史的な景観資源等をい

かした景観形成を図るととも

に、新たなランドマーク、シ

ンボルの育成に配慮する。

眺望路には、海へ至る主要

なエントランス空間として、

海への誘いを感じさせる街角

景観を形成する。

神戸を象徴するランドマー

クやシンボルに配慮した、みな

と神戸らしい眺望景観を形成

するとともに、都心ウォーター

フロント地域内においても、新

たな眺望点を育成する。

(3)主たるランドマーク、

シンボルの形成

(2)主たる眺望路の形成

開放的な水際の親水空間の

連なりにより、神戸らしい風景

を、移動しながら楽しめる歩行

者動線を育成する。

また、プロムナードにあわせ

て、憩いの場の育成に配慮す

る。

ひとつの水面とそれを囲む

建物について、海や対岸からの

見え方に配慮し、建物に表情を

もたせ、まとまりを体感できる

景観を育成する。さらに、眺望

路やプロムナードをいかし、敷

際のデザインに配慮すること

で、市民が日常的に楽しめる空

間を育成する。

また、船の行き来などによる

水面のにぎわいを演出し、神戸

らしいみなと景観をつくる。

暮れなずむまちの灯りが水

面にきらめく光景、ポートタワ

ー、市章山などのランドマー

ク、ビーナスブリッジからの眺

望などをいかし、みなと神戸ら

しい美しい夜景づくりを進め

る。また、夜間においても安全

に港を楽しめるまちづくりを

進める。

(7)夜間景観の形成

(6)水景観の形成

(4)海への誘いの景観

(5)プロムナードの形成

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②神戸らしい眺望景観の形成

□1 優れた眺望景観を形成するための基準づくり

・六甲の山並みを背景とした、主要な視点場からの眺望景観をまもり・そだてるため、

建築物の高さや幅などについての基準策定

□2 視点場整備

・眺望景観を眺めるとともに、そこ自体が憩い、楽しみ、神戸を感じ取れる場となるよ

う視点場整備を推進する。

2)実現に向けた取り組み(景観を構成する要素ごとに配慮すべき事項)

①みなとの憩い景観

・大型客船、観光船、プレジャーボートなど船を眺められる環境づくり

・船が行ったり来たりしている風景づくり

・ゆとりやうるおいといったウォーターフロントの魅力を活用した景観づくり

・六甲の山並みをいかした、海上(船)から眺めた港や市街地などの神戸らしい景観づく

・櫛形突堤や倉庫などの近代化遺産、各種近代建築物など、これまでに蓄積された港町の

記憶を最大限継承した活用

・新たな要素(施設)を加えるだけでなく、適切なオープンスペースの配置や景観阻害要

素などの除去

・阪神高速 3 号神戸線や浜手バイパスに関する景観への配慮について検討を進め、将来、

大阪湾岸道路が整備された場合には、国道2号とあわせて、その役割を検討

②海沿いの歩行者動線

・海を感じながらプロムナード沿いを楽しく回遊できる動機づけ、仕掛けづくり

③徒歩回遊を支援する公共交通機関

・ルートや構造など街や港の景観を楽しめる装置としての機能確保

・神戸のシンボルとして、人々が愛着を持つ質の高いデザインの採用

④魅力的な夜間景観

・夜間景観の魅力向上に配慮した施設やプロムナードなどの照明類

・既存建築物のライトアップなどと連携した魅力的な夜間景観づくり

・LEDなどによる突堤エッジのライトアップ

・夜に至る光のドラマ性の演出

⑤人々によるにぎわい景観

・イベントなど人々が集う仕掛けづくりによるウォーターフロントのにぎわい景観の創出

・モニュメントや風の音声変換、フラッグなど、風を目に見せるための都市装置の活用

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(2)水とみどりをいかしたオープンスペースの創出

1)基本的な考え方

水面を含め、用途が限定されず様々なパフォーマンスが可能で、眺望や見通しといった景観

に配慮した緑陰空間を備えた、みどりのオープンスペースを基調とする空間形成を推進する。

あわせて、既設のオープンスペースと連携・連続したみどりのネットワークを構築する。

また、神戸特有の資源である海上や港から見える六甲の山並みのみどりをいかすとともに、

官民の役割分担による緑化の推進など、公共空間以外においても、みどりを活用したオープン

スペースの確保を図る。

2)実現に向けた取り組み

・歩行者の回遊性向上を図るため、都心から海に向けた南北方向の見通しを確保しつつ、並木

による緑陰を備えた街路空間の形成や、眺望景観を楽しむ視点場にもなるポケットパークな

ど溜まり空間の効果的な配置

・木製デッキや芝生などを用いた水際の見通しのよいオープンスペースの形成

・海上の噴水を借景とした憩いを感じられる空間の形成

・海からの視線に配慮した、六甲山を背景とする奥行きのある景観形成に資するウォーターフ

ロントの緑化

・地域でのイベントやマルシェなどオープンスペースの積極的な活用

・オープンスペースや街路空間の緑化などに関するみどりのガイドラインの作成

緑陰を備えた歩行者動線 芝生を用いた広場

海外の事例(ボストン)

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木製デッキを活用した水際のオープンスペース 高木を活用した水際のスペース

海外の事例(ニューヨーク)

海からの視線に配慮したウォーターフロントの緑化イメージ

〔メリケンパーク〕

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4-6 都心とウォーターフロントを一体化する回遊ネットワークの形成

ウォーターフロント都心などにぎわいのあるウォーターフロント空間の創出にあわせて、都心と

ウォーターフロント間、およびウォーターフロント間相互の機能の連担と一体感や連続性の醸成を

図るため、低炭素社会の実現に資する都心とウォーターフロントの回遊ネットワークを形成する。

フラワーロード、京町筋・鯉川筋、タワーロード・マリンロードなどターミナル(駅)とウォー

ターフロントとを結ぶ歩行者動線や、ウォーターフロント東西における連続したプロムナードなど

各ゾーンと継起拠点とを結ぶ歩行者動線、およびその回遊を支援する公共交通機関や自転車などの

ウォーターフロント交通軸を設定する。

あわせて、都心部のみならず神戸のウォーターフロント間をつなぐ海を含めた回遊性の向上を図

る。

(1)歩行者動線のネットワーク形成

1)基本的な考え方

動線の整備に際しては、都心の経済活動等との調和を図りつつ、環境的に持続可能な交通の

実現に向けて、短期的・部分的には歩行者空間の拡大により自動車交通の流入抵抗感を大きく

して抑制を図ることや、公共交通機関の利用促進などによる都心内部への流入交通の抑制、さ

らには都心部への自動車流入規制を検討することなどにより、自動車交通量を減少させて歩行

者空間を創出する。

また、都心からウォーターフロントへ市民を誘うアプローチ的な機能を担った動線や、各種

のパフォーマンス的な機能を持った溜まり場(広場)、東西のウォーターフロント間をつなぐ連

続した動線など、回遊性に優れた歩行者空間のネットワークの形成を図る。動線整備のプロセ

スとしては、都心とウォーターフロントの空間的・地理的な“距離感を感じさせない”デザイ

ンが重要である。

将来的には、大阪湾岸道路が完成した場合、国道 2 号などの役割を整理し、都心とウォータ

ーフロントの分断感の緩和策などについて検討を進める必要がある。

三宮駅周辺については、神戸の玄関口のひとつにふさわしい、魅力あるシンボル性を備える

とともに、駅から港が感じられるような空間へと再整備を推進する。

2)実現に向けた取り組み

・公共交通機関の利用促進や既存駐車場の効率的な活用などによる都心部への自動車流入抑

制策の推進、及び都心部への自動車流入規制の検討

・沿道建物の1階の利用形態や、ストリートファニチャー(街灯等)や植栽のデザイン、ペ

ーブメント(舗装)の統一、アーバンデザイン的な規制・誘導など、ストリートごとの物

語づくりによる都心から海に至る軸としての仕掛けづくり

・海が感じられるまちかど広場などによる、歩行者の溜まり空間の創出

・眺望路に配慮しつつ、緑陰やみどりのアーチなどによる快適な歩行者移動空間の形成

・QRコードのようなITの活用など、歩行者系案内サインのさらなる充実による誘導

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歩行者動線の強化イメージ(浪花町筋の例)

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3)特に検討すべき事項

①南北方向の動線

□1 三宮駅および駅周辺の整備

「デザイン都市・神戸」の玄関口にふさわしい魅力あるシンボル性を備えた駅ビルと

公共空間の整備および景観形成を図る。あわせて、駅に降り立ったときに港を感じさせ、

港に行ってみようと思わせる空間・仕掛けづくりを進めるとともに、三宮駅東方面への

人の流れの誘導を図る。

◇1 都市のシンボルとなる駅ビルの建設

◇2 分かりやすく利便性の高い歩行者動線と、にぎわい空間の整備

◇3 駅前広場の再配置などによる鉄道とバス・タクシーなどの乗り換え利便性の向上

また、ビルのラッピングなどにより、三宮駅周辺のデザイン性を高める高質な空間づ

くりを検討する。

□2 国道2号による分断感の緩和対策

歩行者動線を改善するため、国道2号の交通量抑制による車線減少や歩道拡幅、地下

化および横断デッキや人工地盤の設置などについて検討を行う必要がある。

国道2号の地下化については、分断感の緩和対策として非常に有効である一方で、多

額の費用が必要とされるなどの課題がある。また横断デッキや人工地盤の設置について

は、景観の阻害要因となる可能性があるなどの課題がある。

□3 地下鉄海岸線 みなと元町駅~中突堤の歩行者動線

歩行者動線のアクセス改善が必要である。

②東西方向の動線

□1 新港第1突堤とメリケンパークおよび各突堤間の連絡

跳ね橋の設置などによる動線の確保が必要である。

□2 メリケンパーク~中突堤の歩行者動線

かなりの高低差(段差)があるため、よりスムーズな動線への改善が必要である。

□3 中央ゾーンと東ゾーンの連続性(旧神戸生糸検査所と神戸震災復興記念公園)

自動車交通量が多いことから、立体横断施設も含めた検討が必要である。

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(2)徒歩回遊を支援し低炭素社会の実現に資するウォーターフロント交通軸の導入

1)基本的な考え方

①低炭素社会の実現に向けた公共交通機関の導入

来街者の日帰り徒歩圏は1~2時間で 500m、泊まりでも1km が限度と言われる中で、

また経済的な観点からはシームレスな移動の確保が重要であることから、ハーバーランド

からHAT神戸まで東西約4kmにおよぶウォーターフロントの回遊性を高めるために、

徒歩による回遊を支援する公共交通機関の導入を図る。

導入に際しては、既存の公共交通機関の見直しや有効活用も含め、ウォーターフロント

の再整備と連動した段階的な取り組みが必要であるとともに、BRT(Bus Rapid

Transit)やLRT(Light Rail Transit)などの大量輸送型の交通機関のみならず、輸送

定員は少ないが多頻度で連続性の高い交通モードでの対応も検討すべきである。

また、まちの動脈として“見える”ことを重視するとともに、地域全体での費用負担に

よる無料化または低料金化についても検討する必要がある。

海上についても、港をいかした公共交通として、都心部のウォーターフロント間および

神戸のウォーターフロントとの間を結ぶアクセス導入に向けた調査検討が必要である。

②自転車利用環境などの整備

高低差が非常に小さいウォーターフロントは、自転車走行に適した環境を有しており、

レジャーとして楽しめるポテンシャルも高く、かつ環境に優しい乗物である。雨の日など

においては交通手段としての安定性が不足するといった課題もあるが、ウォーターフロン

トの回遊には有効な交通手段であり、歩行者の安全性や駐輪場所の確保を含めた自転車利

用環境の整備を図る。

また、現在さまざまな研究が進められているパーソナルモビリティについても、将来の

普及を見越して、自転車利用環境とあわせた空間確保などが必要である。

2)実現に向けた取り組み

①低炭素社会の実現に向けた公共交通機関の導入

・ウォーターフロント都心などの再整備による需要に応じて、環境に配慮し、快適で、か

つ利便性の高い新たな公共交通機関の導入検討

(循環バス、BRT、LRT、ムービングウォーク、ロープウェイなど)

・既存の海上交通の活用のための陸上交通手段との連携・シームレス化、及び新たな海上

交通の導入に向けたニーズの把握・航路等の調査検討

・都心からウォーターフロントへのアクセス向上策のひとつとして、ポートライナー駅の

あり方の検討

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BRT LRT(マルセイユ)

海上バス 水陸両用船

②自転車利用環境などの整備

・自転車道などの整備

・レンタサイクルの導入や自転車と観光のコラボレーションについての検討

・パーソナルモビリティの普及を見越した道路空間の確保についての検討

レンタサイクルの例 ヴェリブ(パリ)

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都心とウォーターフロントの回遊ネットワーク構想の例

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元町駅

三宮駅

ハーバーランド~ 中突堤・メリケンパーク

波止場町1番地

新港突堤西地区

旧神戸生糸検査所周辺 ・神戸震災復興記念公園

JR貨物神戸港駅跡地 ~HAT神戸

中央ゾーン

西ゾーン

駅前広場 ・デュオドーム

ポートターミナル中突堤旅客ターミナル

三宮・花時計前駅

ポートターミナル駅

新港フェリーターミナル

歩行者動線の主要軸

ターミナル(駅等)

現況の主要な動線

強化が望まれる動線

海上交通軸

旧居留地・大丸前駅

ハーバーランド駅

西継起拠点

神戸駅

みなと元町駅

かもめりあ

中央継起拠点

東ゾーン貿易センター駅

歩行者・自転車動線の主要軸

東継起拠点