平成30年度...

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平成30年度 特許出願技術動向調査報告書 電子ゲーム 平成31年2月

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平成30年度

特許出願技術動向調査報告書

電子ゲーム

平成31年2月

特 許 庁

要 約

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資料編

第7部

第6部

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第1部

本編

要約 目次

第4部

第 1 章 調査概要

第 1 節 調査目的

電子ゲーム産業は、日本が世界に誇るコンテンツ産業の一つであり、日本のソフトパ

ワーの海外展開をビジネス・技術の両面で牽引している存在であるとともに、ゲーム開

発で培われた AI(人工知能)やコンピュータグラフィックス等の技術がコンテンツ産業

のみならず、様々な産業へと波及している重要な産業である。

電子ゲームに関しては、2007 年度に特許出願技術動向調査が行われたが 1、近年、ゲ

ームの主役が家庭用ゲームからモバイルゲーム、パッケージゲームからオンラインゲー

ムへとシフトし、VR(バーチャルリアリティ)や AR(拡張現実)、ARG(代替現実ゲーム)、

ハプティクス(力、振動、動きなどを使用する皮膚感覚フィードバックの提示)技術の

活用等により、電子ゲームの技術は大きく変化してきており、また、業界の動向も 10 年

前と大きく変化している。

以上のような背景の下、本調査では、2007 年以降の動向も踏まえ、電子ゲームに関す

る国内外の技術動向、日本及び外国の技術競争力の状況と今後の展望を明らかにするこ

とを目的として、本技術に関する特許や非特許文献(国内外の主要ゲーム雑誌/ゲーム

業界誌)等の解析を行い、今後日本企業が取り組むべき課題や方向性について提言を行

った。

第 2 節 技術俯瞰図と対象技術の概要

本調査で対象とする技術を俯瞰する技術俯瞰図を図 1-1 に示す。電子ゲームの「応用

産業」、ゲームの入力から出力までの各段階における「要素技術」、ゲームのジャンル、

ゲーム方式、ビジネス基盤などの「ゲームコンテンツ」、技術が解決しようとする「課題」、

またゲームのエンターテインメント以外を含めた「目的・効果」を概観する整理を行っ

ている。

1 https://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/denshigame_youyaku.pdf

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図 1-1 電子ゲームの技術俯瞰図

電子ゲームの応用産業には、消費者向け産業と開発者向け産業がある。

対消費者では、ゲーム端末やゲーミングデバイス、アーケード型端末等のハードウェ

ア供給、PC、スマートフォンを含めそれらに対するソフトウェア供給、アイテム課金、

広告、EC 連携等によるネットワークサービスがある。近年では、e スポーツに見られる

ように興行収入を狙うものもある。付随して、グッズや攻略本の販売がある。

対開発者では、ゲーム端末等で使われるプロセッサ等の電子デバイスの供給、CG、ア

ニメ、サウンド等のプロダクション、ミドルウェア等の開発環境の供給がある。

要素技術としては、プレイヤーや環境条件によるゲームの制御を行う入力に関するも

の、ネットワークゲーム等の手段となる通信に関するもの、ゲームの進行やイベントに

おける設定、選定、判定、決定、評点などの処理方法に関するもの、プレイヤーやそのフ

レンドのプロファイルや獲得したアイテム、得点等のゲーム状況の記憶に関するもの、

プレイヤーがゲームからの反応を得るための出力に関するものなどがある。

ゲームコンテンツとしては、ゲームのジャンル、マルチプレイや制御方法、ゲームル

ール、xR 等のゲーム方式の他、ビジネス基盤に関する技術やアイデアも重要である。電

子ゲーム業界では、ゲーム自体は無料で提供しつつ、ゲームを有利に進めたり、より楽

しく遊んだりするためのアイテム等を販売するアイテム課金など、F2P(Free to Play)

と呼ばれる流通形態が採られることが多くなっており、そのためアイテム課金を初めと

する収益方法の工夫、その他、サーバ側での処理を伴うゲームシステムにおけるハッキ

ング対策やデータ消失対策、著作権等の権利保護などの仕組みなどである。

ゲームは、教育、フィジカル及びメンタル・ヘルスケア、防災など、エンターテインメ

ント目的以外にも効果がある。こうした目的・効果を実証したり、測定したりする研究

応用産業

対消費者

• ハードウェア(ゲーム端末、ゲーミングデバイス 等)

• ソフトウェア

• サービス• アイテム課金• 広告• EC連携• 興行収入(eスポーツ 等)

• グッズ(物販)

• 情報(攻略法 等)

対開発者

• 電子デバイス(プロセッサ 等)

• プロダクション(CG、アニメ、サウンド 等)

• 開発環境(ミドルウェア等)

要素技術

ゲームコンテンツ

入力 処理 通信 記憶 出力

ジャンル ゲーム方式 ビジネス基盤

課題 目的・効果• エンターテインメント•教育/訓練

• フィジカル・ヘルスケア• メンタル・ヘルスケア•防災

• エンターテインメント性• リアリティ

•高速性•操作性•経済性

• パズル• クイズ• ロールプレイング• アドベンチャー• シミュレーション(ウォー、経営 等)• アクション(シューティング、格闘、スポーツ、乗り物、音楽 等)

• ユーザーインターフェイス

• センシング(傾き・加速度、生体情報 等)

• 認識(自然言語処理、心理状態認識、コマンド認識 等)

• 認証

• 通信制御• リモートプレイ• 配信• ローカル通信・端末間コミュニケーション

• ビジュアル生成• サウンド生成• 体感生成• 複数出力の連携

• プレイヤーデータ記録

• メディアデータ記録

•信頼性•耐環境性•携帯性

• 課金・決済・収益方法• 情報セキュリティ• コンテンツ管理• データマイニング• 開発・運営環境(マルチプラットフォーム開発、AIによる開発 等)

• ゲームルール(カード、盤上、カジノ 等)

• xR

• マルチプレイ• 制御方法(ゲーム要素の合成・進化、現実の世界との連動、報酬の与え方、プレイヤー間でのゲーム要素の交換、通信遅延対策 等)

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もなされている。

本調査における「電子ゲーム」とは、ゲームのうち、「プレイヤーとの相互作用に応じ

て電子的処理手続きが動的に変化していくことが娯楽的要素を作り出す主要な仕掛けと

なっているものであって、その相互作用の出力が、主にビデオやサウンド、触覚などプ

レイヤーの感性に訴える電子データの変化として提供されるもの」とする。

この定義に従い、スクリーニング対象文献の調査範囲内/外の区分のため、図 1-2 の

ように「X 区分」「Y 区分」「Z 区分」を設定する。

つまり、電子的処理を用いないボードゲームやカードゲームは Z 区分として対象外と

し、電子的処理や電子的出力を用いるがそれが娯楽的要素を作り出す主要な仕掛けとな

っているわけではないものは Y 区分として対象外とする。

図 1-2 本調査における「電子ゲーム」の定義

ゲーム

電子的処理を使用するゲーム

プレイヤーとの相互作用による電子的処理の変化が娯楽的要素を作り出す主要な仕掛けとなっており、出力がプレイヤーの感性に訴える電子データの変化として提供されるゲーム

Ⅹ区分

Y区分

Z区分

Z区分

※ Y区分の例:「電光掲示板に球種や球速、点数などを表示する野球ボードゲーム」「ネットワークを介して遊ぶクレーンゲーム」「ユーザーとのコミュニケーションを通じて動作を変えるトイロボット」

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要約

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第 2 章 市場環境調査

第 1 節 市場構造と概況

1. 電子ゲーム産業構造

電子ゲーム産業は、ハードやソフトを含む最先端の情報通信技術が集積された産業で

あり、市場の形成から 30-40 年の成熟と様々な変化を経て市場を構成する要素や機能も

多岐にわたっている。市場構造を整理する主な観点には、ハードウェアの種類(家庭用

ゲーム機、パソコン、スマートデバイス等)、ソフトウェアの頒布方法(パッケージ、オ

ンライン)、ゲーム開発プロセスの役割(プラットフォームベンダー、パブリッシャー、

デベロッパー等)によるものがあり、それぞれの観点で市場構造と概況を整理する。

(1) ハードウェアの種類と市場の特徴

① 家庭用ゲーム機

家庭用ゲーム機は、現在の主流であるハードウェアとソフトウェアが別に分かれる

形となった 1977 年の Atari VCS(米国アタリ)や 1983 年のファミリーコンピュータ

(任天堂)の登場をきっかけに市場を開拓し、1990 年に発売されたスーパーファミコ

ン(任天堂)や 1994 年に発売された PlayStation(ソニー・コンピュータエンタテイ

ンメント)等による激しい市場競争を経て、大きく市場を拡大した。

家庭用ゲーム機は大きく据置型ゲーム機と携帯型ゲーム機に分類することができる。

据置型ゲーム機の代表的なものには、PlayStation 4(ソニー・インタラクティブエン

タテインメント)や Xbox One(米国マイクロソフト)がある。また、携帯型ゲーム機

の代表的なものには、の Nintendo 3DS(任天堂)や PlayStation Vita(ソニー・イン

タラクティブエンタテインメント)があるが、スマートデバイスの世界的な普及に伴

って携帯型ゲーム機の市場は縮小する傾向にある。その他、2017 年に発売された

Nintendo Switch(任天堂)のような据置・携帯ハイブリッド型のタイプも存在する。

② パソコン

パソコンを用いて電子ゲームを楽しむことは、家庭用ゲーム機が普及する以前から

パソコンユーザにとって一般的であったが、特に国内においてはゲーム機としてのパ

ソコンの普及よりも任天堂、セガ、ソニー・コンピュータエンタテインメントをはじ

めとする国内メーカーによる家庭用ゲーム機の普及が進んだ。

一方、海外では安価なパソコンの普及を背景に、手軽に楽しめる家庭用ゲーム市場と

ハードウェアの自由度が高いパソコンゲーム市場が両立して成長してきた。また、中

国や韓国等のアジア諸国では、パッケージ販売を主体とする家庭用ゲームより海賊版

対策にすぐれたオンラインを主体とするパソコンゲームが発展した経緯もある。さら

に最近では、複雑かつ大量の処理を必要とするハイエンドパソコン専用の高い視覚的

クオリティをもったゲームや、それらをライブで観戦するという新しい楽しみ方が普

及し、パソコンゲーム市場を牽引している。

ゲーム用途に特化したパソコンは、特に画像処理やディスプレイ等の出力機能とキ

ーボードやマウス等の入力機能を高速・高機能化したゲーミング PC と呼ばれるジャ

ンルの製品群が存在する。

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③ スマートデバイス

電子ゲームに用いられるスマートデバイスは、主にスマートフォンとタブレットが

あり、OS 系プラットフォームとして iOS(米国 Apple 社)と Android(米国 Google 社)

が市場を二分している。

国内では、2012 年頃に起きたフィーチャー・フォンからスマートフォンへの急速な

シフトと連動して、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、コロプラ、ミクシ

ィ、ラインといった新興企業によるソーシャルゲームが大きな市場を形成した。海外

においても、人気ゲームを擁する Supercell(スウェーデン)や Tencent(中国)等や

カジュアルゲームの普及に伴いスマートデバイス向けゲームが急拡大した。

スマートデバイスは CPU や画像解像度が大幅に向上しており、フィーチャー・フォ

ンでは端末性能の制限があってシンプルなゲームやカードバトル形式が中心だったゲ

ームアプリも、家庭用ゲームのハイクオリティな人気作が移植される等、スマートフ

ォンの機能を活かした多様なゲームが提供されるようになった。しかし、スマートデ

バイスのゲーム事業はヒットタイトルの有無に大きく左右されるだけでなく、スマー

トデバイスの高機能化が進むことによって、フィーチャー・フォンと比べて開発費が

数倍から 10 倍以上に膨らむ 1等、ハイリスクハイリターン型の事業に変わり、資本力

や高い開発力をもつ大手事業者に集約されつつある。

④ アーケードゲーム機

アーケードゲーム機は、主にゲームセンターや遊園地、ボウリング場といったアミュ

ーズメントスポット等に設置される業務用ゲーム機である。通常、ハードウェアとソ

フトウェアが一体で提供される。1978 年に登場した「スペースインベーダー」、1979

年の「ギャラクシアン」、1980 年の「パックマン」、1983 年の「ゼビウス」等の数々の

ヒット作を幕開きとして多数のゲームが制作され、当時の電子ゲーム技術の見本市的

な活況を呈した。

その後 1990 年頃からは、家庭用ゲーム機の普及と画像解像度や演算能力等の高機能

化の影響もあって技術的優位性を徐々に失い、現在まで市場は縮小の一途 2をたどっ

ている。しかし、その間もアーケードゲーム機は専門性や大型筐体の特長を生かし、

格闘ゲームや音楽ゲーム、通信型ゲームといった新ジャンルをいち早く取り入れてき

た経緯があり、特に最近では高度な体感型コンテンツ(VR(バーチャルリアリティ)、

空間演出等)への取組みが注目される等、先進のゲーム技術のアンテナショップ的な

一面を持っている。

1 みずほ銀行「みずほ産業調査 コンテンツ産業の展望(2014/9)」によると、従来のフィーチャー・フォ

ン向けゲーム開発は、開発期間が数ヶ月、開発費が 500~1,000 万円程度だったが、スマートフォン向けゲ

ーム開発は、開発期間が半年~1 年以上、開発費も数千万円~1 億円以上を投入する状況になっている。

https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/1048_all.pdf accessed

2018/7/11 2 SPEEDA 総研「ゲームセンターの未来」(2017/7)」 https://newspicks.com/news/2354788/body/

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(2) ソフトウェアの頒布方法

① パッケージ

パッケージは、DVD 等の有形の商品の形をとるもので、プラットフォームホルダーが

製造し、ゲーム専門店や家電量販店、コンビニエンスストア等の店頭や通信販売を通

じて流通している。新品販売の一次流通市場に対して中古品販売の二次流通は約 5%程

度 1あると見られる。

② オンライン

オンラインとは、インターネットを通じてプラットフォームホルダーからゲームソ

フトを無形のまま頒布するものである。提供方式として、端末で使用するソフトウェ

アをダウンロードさせるもの、ブラウザから利用するもの、サーバで処理した結果を

ストリーミングで提供するものがある。

(3) ゲーム開発プロセスにおける役割

① プラットフォームベンダー

プラットフォームベンダーは、電子ゲームを提供するためのインフラ提供を担う役

割を担い、ハードウェアを核としたプラットフォームと、SNS やコンテンツポータル

等のサービスを核にしたプラットフォームに分類できる。ハードウェアタイプのプラ

ットフォームベンダーには、家庭用ゲームメーカーであるソニー、Microsoft(米国)、

任天堂の 3 社があり、世界的に寡占状態となっている。

サービスタイプのプラットフォームベンダーには、パソコンやスマートフォン等の

OS から派生した企業と、SNS(Social Network Service)や OTT(Over The Top)のよ

うなコンテンツ提供から派生した企業がある。前者には、パソコンにおける Microsoft

(米国)と Apple(米国)、スマートフォンにおける Apple(米国)と Google(米国)

があり、それぞれ市場を寡占している。後者では、グリー、ディー・エヌ・エー、サイ

バーエージェント、ミクシィ、ライン、Tencent(中国)の WeGame、Valve(米国)の

Steam 等が代表的である。

プラットフォームベンダーは、ハードウェアタイプであれば製造委託費及びハード

ウェアのロイヤリティ、サービスタイプであればサービス利用のロイヤリティ収益が

事業の大きな柱となっている。ロイヤリティは基本的に個々の契約上の規定であり、

明確ではないが、一般的に製品売上全体の 30%程度を占めるといわれている。ゲーム

を開発・販売する企業にとっては自社のゲームタイトルを露出するための有効な手段

であり、市場や消費者にとってもゲームの粗製濫造を防ぎ、ゲームコンテンツの流通

をスムーズにする作用がある一方、人気ゲームタイトルタイトルを抱える企業にとっ

ては莫大なコストとなりかねない。その為、最近は大手ゲーム会社がプラットフォー

ムに支払うロイヤリティを回避する為に、自社サイトからゲームを配信する動きが広

がっている。

1 総務省 情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査研究」(2017/7)

http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2017/115623_02.pdf

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② パブリッシャー

電子ゲームの企画、宣伝、販売、流通を担い、自社ブランドで中心となって販売する

役割をもつ。家庭用ゲーム機用のソフトをパッケージで販売する場合、完成したゲー

ムソフトはパブリッシャーがハード会社にライセンス料と委託生産料を支払い、製造

を依頼する。代表的なパプリッシャーとして、スクウェア・エニックス、セガサミー、

コナミ、バンダイナムコ、カプコン、コーエーテクモ、Electronic Arts(米国)、

Activision Blizzard(米国)等がある。

③ デベロッパー

電子ゲームの企画や開発を行う役割を担い、1 つの企業がパブリッシャーとデベロッ

パーの両方の機能をもつ場合も多い。デベロッパーはゲーム開発を行う為に、自社開

発あるいは外部からミドルウェア(ゲームエンジン)等のソフトウェアを調達する。

最近ではハードウェア性能の向上によって、これまで以上に高機能なゲームが求めら

れるようになり、開発が大規模化・長期化する傾向にある。また、家庭用ゲーム機の

ハード設計が PC 化していることやスマートデバイスの普及を背景に、1 つのゲームを

複数のプラットフォームに展開するマルチプラットフォーム化が進んでいる。代表的

なデベロッパーには、トーセ、プラチナゲームズ、Mojan(スウェーデン)等がある。

④ ミドルウェアベンダー

画面表示や音声出力といったゲーム開発における基本的な機能の他、オブジェクト

間の空間把握、ゲーム内進行に用いるスクリプト言語、爆発や魔法等を表現するビジ

ュアル効果、AI による経路探索等、複数のゲームで共通して使われる機能を、ミドル

ウェアやゲームエンジンと呼ばれるソフトウェアを利用して開発することができる。

代表的なミドルウェアには Unity Technologies(米国)が提供する Unityや Epic Games

(米国)が提供する Unreal Engine があり、これらと統合して利用できるミドルウェ

アも多数ある。

ミドルウェアを有効に活用することは、デベロッパーにとって開発生産性の向上と

開発期間の短縮につながり、かつマルチプラットフォームに対応したミドルウェアを

使うことでゲームソフトの移植も容易となる。

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図 2-1 ゲーム産業のビジネス構造

出典:経済産業省 調査統計グループ 経済解析室「ゲーム・ビジネス・インデックス(GBI)」(2018/3)

を基に富士通総研が追記

2. 電子ゲーム産業の市場規模の推移

(1) 国内市場

2010 年代から、スマートデバイスゲームを中心とするオンラインプラットフォーム

ゲームが急激に存在感を増しており、電子ゲーム産業全体としての市場規模は拡大基調

にある。また、2017 年時点で国内のゲーム人口は前年より約 500 万人増加し、最近 5 年

で最も多い 4,922 万人となった。特に、e スポーツやバトルロイヤルゲームの人気もあ

って、PC ゲームのユーザは前年の約 1.5 倍に拡大している 1。

1 Gzブレイン 「ファミ通ゲーム白書 2018」(2018/6)

ミドルウェア ベンダー 開発環境

の提供

デベロッパー またはパブリッシャーから利用料

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図 2-2 国内 家庭用/オンラインプラットフォーム ゲーム市場規模推移

出典:「ファミ通ゲーム白書 2018」Gzブレイン発行、「国内 家庭用/オンラインプラットフォーム ゲー

ム市場規模推移(p40)」のデータを基に作成。

(2) 海外市場

英国の投資会社 Digi-Capital 1によると、ソフトウェアとハードウェアを含む世界の

ゲーム市場は、2018 年の約 1,700 億ドルから 2022 年に約 2,300 億ドルに拡大し、その

約 75%をモバイルゲームソフトウェア、PC ゲームハードウェア、オンライン PC ゲーム

が占めると予測されている。

また、オランダのゲーム市場調査会社 NewZoo 2によると、2018 年の市場規模は前年比

13.3%増の 1,379 億ドルとされ、中でもモバイルゲームは前年比 25.5%増の 703 億ドル

に達し、初めてゲーム市場全体の過半数を超えると見られている。その他のプラットフ

ォームでは、家庭用ゲームが 346 億ドル、パソコンゲームが 329 億ドルと拮抗している

が、今後もモバイルゲームが市場を牽引するように成長し、ゲーム市場は 2021 年に

1,801 億ドルに達すると予測されている。

(3) e スポーツ市場

e スポーツとは、コンピュータゲームを使った対戦を競技として捉えたものである。

コンピュータゲームの大会は古くからあるが、韓国で e スポーツ協会が立ち上がり、世

界最大規模の e スポーツ大会「World Cyber Games」を開催された 2000 年頃から、世界

的な市場として急成長を続けている。日本は e スポーツ後進国と言われていたが、2018

年に e スポーツ関連団体が集結した「日本 e スポーツ連合(JeSU)」が設立し、様々な

企業が業界に参入するなど、経済的にも注目を集めている。e スポーツビジネスの特徴

として、ゲームソフトやゲーム機器の開発・流通、ゲームプレイヤーの市場に留まらず、

大会イベントの運営や映像配信、広告・スポンサー、トッププレイヤーやクラブチーム

1 Digi-Capital, "Games Report Q1 2018", https://venturebeat.com/2018/01/19/digi-capital-game-

software-hardware-could-hit-170-billion-in-2018-230-billion-by-2023/(accessed 2018-11-06) 2 NewZoo, "Global Market Report", https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-

reaches-137-9-billion-in-2018-mobile-games-take-half/(accessed 2018-11-06)

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のブランディング、プレイヤーの育成を含めた価値創造の広がりが挙げられる。

総務省の調査 1によると、2017 年の海外 e スポーツ市場規模は約 700 億円、視聴者数

は約 3 億 3,500 万人と試算され、2021 年には市場規模が 1,700 億円、視聴者数が 5 億

5,000 万人を超えてさらに大きく成長すると見られている。一方、2017 年の国内 e スポ

ーツ市場規模は海外の 1%未満である 5 億円未満、視聴者数も海外の 0.5%未満である 158

万人と非常に低く、現在の国内市場は黎明期にあるといえる。

第 2 節 電子ゲーム産業以外の市場との関係

1. ゲームから派生する新技術

(1) クロス・リアリティ(xR)技術

VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)、AR(Augumented Reality:拡張現実)、

MR(Mixed Reality:複合現実)のような、現実世界と仮想世界を融合する IT テクノロ

ジーを総称する言葉として、2017 年頃からクロス・リアリティ(xR)という用語が使わ

れ始めた。クロス・リアリティ技術は、現実には見えない情報を現実に近い形で付加で

きることから、電子ゲーム産業に限らず、ものづくり、医療、モビリティ、教育、観光

といった多様な産業への適用が大きく期待されている。

米国金融グループのゴールドマン・サックスは、2016 年時点の VR(バーチャルリア

リティ)関連ソフトウェア市場を約 32 億米ドルと見積もっている。その内訳は、電子

ゲームが約 46%、電子ゲームとライブイベントや動画を含むエンターテインメント業界

が約 75%、その他の産業が約 25%という構成だが、2025 年にはエンターテインメント業

界以外にも用途が拡大し、全体の市場規模は、約 30 倍の 950 億米ドル程度に拡大する

と予測した 2。クロス・リアリティ技術が広く産業界に普及するにあたっては、これま

でにない市場を新たに創造することの難しさもあり、技術進展や課題解決を進める強力

な牽引役としてエンターテインメント業界に期待する部分が大きい。

(2) モーションキャプチャ技術

米国 Microsoft 社が 2010 年に発表した Kinect は、プレイヤーの位置や動き、音声等

を認識して、物理的なコントローラがなくても電子ゲームをプレイすることができ、そ

れまで非常に高価だったモーションキャプチャを手軽に利用出来る画期的な製品であ

った。その後、2012 年には Windows 向けモデルも提供され、医療分野や産業用途等にも

応用できるデバイスとして注目を集めた。現在は生産を中止しているが、同社の Windows

Hello(生体認証機能)や、Microsoft HoloLens(複合現実ヘッドマウントディスプレ

イ)等の技術に継承されている。

1 総務省「e スポーツ産業に関する調査研究報告書」(2018/3) 2 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント「世界の常識を変える AR(拡張現実)VR(仮想現

実)とは」(2016/8) https://www.gsam.com/japan/gsitm/report/pdf/2016/flashrept_20160803.pdf

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(3) GPU(Graphic Processing Unit)

汎用プロセッサである CPU(Central Processing Unit)に対して、画像処理を専門に

行うプロセッサは当初グラフィックチップやビデオチップ等と呼ばれていたが、2000 年

頃から 3D グラフィック等の高精細な映像コンテンツが普及するにつれ、座標の動き等

の画像描写に使うデータを高速に計算できる技術開発が進み、GPU(Graphic Processing

Unit)と呼ばれるようになった。GPU の名付け親でもある米国 NVIDIA 社は、GPU 開発に

おける世界のリーディングカンパニーとして急成長を遂げた。

CPU は回路が複雑で 1 つのチップに載せられるコア数に限りがあるが、グラフィック

計算のみを高速に行う GPU は回路がシンプルである為、多くのコア数による並列計算が

可能である。これを応用して NVIDIA では GPU で数値計算が処理できる仕組みを開発、

AI(人工知能)向けディープラーニングモデルを扱えるようにしたことにより、AI コン

ピューティングのリーディングカンパニーとなった。

2. 電子ゲーム技術の他産業への波及

(1) ヘルスケア、介護

健康増進やリハビリ活動を継続的に実施するモチベーション向上のために、ゲーム性

や競争意識を高める仕組み、円滑なコミュニティづくりが有効であることは明らかであ

る。世代別には、60 歳代頃からスポーツへの取組みが活発になるといわれているが、ゲ

ーム世代の高齢化や高性能化が進むにつれ、健康増進やリハビリ等のアプリケーション

に電子ゲームの要素が多く含まれるようになると予想される。

例えば、バンダイナムコホールディングスは 2004 年頃から子会社を通じて、ゲーム

事業で培った「遊び」のノウハウを高齢者向け介護サービスに活用する事業を展開 1し

ている。エレクトロメカニカルマシンと呼ばれるジャンルのゲーム機を導入し、運動機

能の改善や脳の活性化に効果があるとされている。また、米国 2では 2007 年頃に子供

の肥満を防止する目的で、少なくとも 10 の州の数百の学校が体育のカリキュラムにゲ

ームを導入している。

この他、医療の現場においては作業療法(OT)の観点から、日常活動がしづらくなっ

た人が元気な活動を再獲得、活動の可能性を広げることを目的として、電子ゲームが活

用されている。ここでは、一般的なアクセシビリティ(年齢や身体障がいの有無に関係

なく、誰でも必要とする情報に簡単にたどり着け利用できること)の考え方を電子ゲー

ム操作に適用することが重要な課題となっている 3。また最近では、VR(バーチャルリ

アリティ)を使ったリハビリ機器の開発 4も進んでいる。ヘッドマウントディスプレイ

と専用のコントローラを用いて、頭上から落ちてくるように見えるアイテムを拾う動作

によってリハビリを実践する取組み等が行われている。アイテムを拾うために腕を伸ば

す距離について、言葉による指示と異なり、自然な形で定量的に指示できる効果がある。

1 株式会社かいかや http://www.kaikaya.co.jp/game/index.php accessed 2018/7/11 2 “P.E. Classes Turn to Video Game That Works Legs”, 2017/4/30,The New York Times,

https://www.nytimes.com/2007/04/30/health/30exer.html accessed 2018/7/11 3 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会「2018 CESA ゲーム白書」(2018/7) p2-28 4 日経デジタルヘルス「VR を使ったリハビリ機器、mediVR」(2018/10/25)

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(2) 教育、学習、訓練

ゲーム的な要素を教育や訓練に取り入れることで、ゲーム内で楽しむこと以外の成果

を求める取組みがなされている。ニンテンドーDS の「脳を鍛える大人の DS トレーニン

グ」シリーズや「えいご漬け」シリーズは、当時の成人ユーザを取り込んで大ヒットを

記録した。他にも、軍事関係では米国陸軍が新兵のリクルートや訓練内容の広報のため

に多額の予算をつぎこんで開発した FPS ゲームの「America's Army」が有名である。ビ

ジネスシーンでは、日本マクドナルド等の外食産業が、人材確保と業務訓練の効率化を

目的にゲームを通じて業務ノウハウを学ばせる取組みを始めている 1。

一方、教育・学習・訓練の分野に VR(バーチャルリアリティ)を活用する動きも活発

である。練英国の調査会社 Technavio 2は、VR(バーチャルリアリティ)教育の市場が

2017 年から 2021 年までに、年平均成長率 55%で急成長すると予想している。今後は、

VR(バーチャルリアリティ)ゲームがさらに増えて開発者やユーザの層に厚みが増し、

HMD の低価格化や世界的な e スポーツの盛り上がりを背景として、教育・学習・訓練に

おける VR(バーチャルリアリティ)ゲーム活用が加速すると考えられる。

1 日本経済新聞「研修 ゲームで楽しく マクドナルド、全店にタブレット」(2018/7/23) 2 “Global VR in Education Sector Market 2017-2021”, 2017/5, technavio,

ttps://www.technavio.com/report/global-vr-in-education-sector-market accessed 2018/7/11

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資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

第 3 章 政策動向調査

第 1 節 日本の政策動向

1. ゲーム産業の位置づけ

経済産業省が平成 18 年に発表した「ゲーム産業戦略」 1において、ゲーム産業は日本

が世界に誇るコンテンツ産業の一つであり、日本のソフトパワーの海外展開をビジネス・

技術の両面で牽引している存在であるとともに、ゲーム開発で培われた AI(人工知能)

やコンピュータグラッフィク等の技術がコンテンツ産業のみならず、様々な産業へと波

及するという将来に言及している。この報告書から約 10 年が経過し、ゲームの主役が家

庭用ゲームからモバイルゲーム、パッケージゲームからオンラインゲームへとシフトし

た現在でも、この方向性は大きく変わっていない。

日本経済の再生に向けた「3 本の矢」の 1 つである「日本再興戦略」(2016 改定版) 2

においても、世界に誇るマンガ・アニメ・ゲーム等のメディア芸術分野における実践的

活動(OJT)を通じたクリエイターやプロデューサー等の人材育成等とともに、海外発信

の推進が施策として盛り込まれている。

また、現在の経済産業省「コンテンツ産業政策」 3においても、ゲームをはじめ映画、

アニメ、漫画、書籍、音楽等を含む日本のコンテンツの魅力を海外へアピールし、海外

需要の獲得と関連産業の雇用を創出することを目的として、プロモーション活動や国内

企業の海外展開支援等を行う旨の施策が掲げられている。

2. ゲーム関連技術の方向と期待

コンテンツ関連の新産業創造に必要な技術目標や需要を創造する方策を示す指針は、

経済産業省「技術マップ 2015(コンテンツ分野)」にまとめられている。このなかで、近

い将来に実現が期待されるゲーム関連技術として、ゲーム技術の教育や医療を含む他産

業への応用、AI や xR 技術等の先端技術を活用した開発環境や体感表現の向上等が挙げ

られている。

また、経済産業省では、ゲームコンテンツを例として、VR(バーチャルリアリティ)コ

ンテンツを企画・制作する実際の手法や上質な体験を実現するために注意すべき開発上

のポイント等、実践的な内容や知見を紹介するガイドラインの作成 4や、海外へ挑戦する

クリエイターの制作やプロモーション費用負担を軽減する助成事業 5等の産業振興支援

が行われている。

1 経済産業省「ゲーム産業戦略 ~ゲーム産業の発展と未来像~」(2006/8)

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1285668_po_game-houkokusho-

set.pdf?contentNo=1&alternativeNo= 2 首相官邸「日本再興戦略 2016」(2016/6)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/2016_zentaihombun.pdf 3 経済産業省「コンテンツ産業政策について」(2018 年)

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/180514syokanzikou.pdf 4 特定非営利活動法人映像産業振興機構「VR 等のコンテンツ制作技術活用ガイドライン」

https://www.vipo.or.jp/news/15212/ 5 特定非営利活動法人映像産業振興機構「クリエイターを中心としたグローバルコンテンツエコシステム

創出事業」 https://www.vipo.or.jp/project/hojokin2018/

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資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

3. e スポーツへの取り組み

(1) e スポーツの概況

様々なデジタルゲームを一種の競技と捉え、一定のゲームルールのもとにプレイヤー

が競い合うエンターテインメントの形が世界的に広がっており、野球やサッカーのよう

なスポーツと同様に高額な報酬を得るプロ・アマ選手や、それを娯楽として楽しむ多く

の視聴者が存在することから、「e スポーツ」と呼ばれて注目を集めている。

競技対象となるゲームのジャンルは、「Call of Duty」や「Counter-Strike」に代表

されるファーストパーソン・シューティング(FPS:First Person Shooter)や、「League

of Legends」や「Dota 2」に代表されるマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ

(MOBA:Multiplayer Online Battle Arena)が多く、国内・海外で大規模な大会が開

催されている。e スポーツコンテンツ視聴者は加速度的に増加しており、2017 年では 3

億 3,500 万人、2021 年には 5 億 5,700 万人に達するとみられている 1。

特に e スポーツが盛んな国は米国・中国・韓国であり、特に中国では e スポーツ人口

が急速に増加し、その半数以上がモバイル e スポーツとなっている。

(2) 日本の取組み

e スポーツは、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催するアジア競技大会の正式競

技に 2020 年から採用されることが決定し 2、国際オリンピック委員会(IOC)でも e ス

ポーツをオリンピック公式種目へ追加することを協議している。また、2018 年 12 月か

らは高校野球と同様に、全国高校生を対象とした「全国高校 e スポーツ選手権」(毎日

新聞社、サードウェーブ主催)が開催される 3。

海外においては、一定のルールに則って楽しみながら競い合う競技全般が「スポーツ」

と捉えられているのに対し、日本では体を動かす競技を「スポーツ」と認識する傾向が

強く、オンラインの対戦ゲームを e スポーツと呼ぶことにこれまで馴染みがなかった

が、政府としてもスポーツ立国戦略の一環として、e スポーツを推進する必要性を認識

し、「競技者」のみならず「観戦者」「運営者」「ゲーム開発者」を育成する施策が必要と

なっている。これから日本で e スポーツを普及させる為には、競技の一般的な認知を高

めるスター選手の存在と育成、およびゲームに対して一般の人がもつ「遊び」、「子供が

やるもの」といったイメージを払拭し、「e スポーツは戦略的な要素が求められる知的な

競技である」というブランディングを強化すること等が重要課題として挙げられている4。

また、e スポーツの知名度を上げるには、海外で行われているような高額賞金の出る

大きな大会の開催が有効だが、そこには法規制の縛りがある。国内で e スポーツ大会を

開催する場合に関連する主な法律は、刑法、風俗営業法、景品表示法の 3 つある。法務

1 総務省「e スポーツ産業に関する調査研究報告書」(2018/3)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000551535.pdf 2 2022 年に中国・杭州で開催される大会から公式採用。2018 年にインドネシア・ジャカルタ/パレンバン

で開催される大会でデモンストレーション競技を実施。採用競技は、「ウイニングイレブン 2018」「Clash

Roya」「StarCraftII:Legacy of the Void」「League of Legends」の 5 タイトル。 3 毎日新聞ニュースサイト「eスポーツ『全国高校選手権』を初開催 12月から熱戦」(2018/7/9)

https://mainichi.jp/articles/20180709/k00/00e/040/210000c 4 総務省「e スポーツ産業に関する調査研究報告書」(2018/03)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000551535.pdf

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資料編

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第1部

本編

要約 目次

第4部

省が管轄する刑法では、例えばイベントの参加者から参加費をとって、それを何らかの

勝敗にもとづいて賞金として勝者に配布する行為を賭博として禁じている。また、警察

庁が管轄する風俗営業法では、ゲームセンター等でゲームの勝敗によって主催者が賞品

を提供する行為を禁じている。さらに、消費者庁が管轄する景品表示法では、商品やサ

ービスに対して多額の景品を付ける行為を禁じている。これらの法規制に抵触しない形

で大会を実施する必要があり、その方法や法解釈について業界団体・事業者・省庁等で

議論されている。

第 2 節 海外の政策動向

1. 米国

米国では、電子ゲームを防衛、教育、科学探索、医療、政治といった社会課題の解決に

活用しようとする「シリアスゲーム」と呼ばれる取組みが 2002 年頃から広がり、政府系

機関や非営利団体から数億円規模の補助金を受けた研究開発プロジェクトが全米各地で

進められた 1。この流れはその後、社会課題の解決だけでなくビジネスシーンにおける顧

客獲得やサービス向上といったマーケティング手法を含む「ゲーミフィケーション」と

呼ばれる取組みに発展している。

医学分野を除く基礎科学分野において米国最大のファンディング機関である全米科学

財団(NSF)は 2006 年頃からこの分野に対する支援を行っており、2010 年から 2012 年に

かけていったん減少した後、2013 年頃から再び増加する傾向にある。また、ゲームと密

接に関係する VR(バーチャルリアリティ)や AR(拡張現実)等の技術分野には多額の助

成金が投入されており、コンピュータと脳の新しいインターフェイスの形であるブレイ

ン・マシン・インターフェイス(BMI)といった技術分野でも支援が強化されつつある。

(図 3-2-1 参照)

大学教育においては、学生の「理系離れ」対策として、2000 年代にゲーム開発を大学

教育に取り入れる活動が始まった。ゲームを学びたいという学生側のニーズともマッチ

することから、多くの大学でゲーム開発をコンピュータサイエンスの既存カリキュラム

と融合させる動きが広まった 2。現在では、ゲーム業界へ優秀な人材を輩出するために、

ゲーム専攻の学位や大学院をもつ教育機関が多数存在する。

2. 中国

中国では、2002 年に開催された中国共産党第十六次全国代表大会において、動漫産業

(アニメ・漫画等)が中国文化産業の発展の重要な一部分と位置づけられた。その後、

動漫産業とゲーム産業は一括りにして議論されることが多くなり、ゲーム産業もアニメ・

漫画と同様に税金の減免等の優遇措置を享受してきた経緯がある。

政府はさらに 2004 年から、動漫産業を対象として国産アニメ放送の義務化や外国製ア

ニメの放送時間の制限等の支援策をいくつも打ち出したが、ゲーム産業を対象とした支

援策は殆どなかった。青少年の教育に悪影響を与えるという理由で、家庭用ゲーム機の

製造・販売を禁止していた措置を解禁したのは最近(2015 年)のことで、中国のゲーム

1 藤本徹「シリアスゲーム(2007/2)」東京電機大学出版局 2 公益財団法人画像情報教育振興協会「10 年間で大きく変化したアメリカのゲーム教育」(2011/3)

https://www.cgarts.or.jp/report/rep_sin/rep0330.html

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資料編

第7部

第6部 第5部

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第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

産業は政府の保護に依存せず市場化に成功し、中国文化産業を代表しうる産業に成長し

たといえる 1。

とはいえ、中国においてはあらゆる産業の発展が政府の支援や規制と密接に関係して

いる。特にゲーム産業との関係が深い行政機関は、動漫産業とゲーム産業の発展政策と

市場管理を行う国家文化部と、オンラインゲームを含むメディアの審査や管理を行って

いる国家新聞出版広電総局である。国家新聞出版広電総局では、中国最大のゲームイベ

ント「ChinaJoy」を毎年主催する等の産業振興と指導を行っている。

そういった中、2018 年 8 月に人気オンラインゲームの販売中止の決定が発表された。

背景として、中国における近視が社会問題化していることがある。2018 年 8 月、WHO は

中国の近視人口が世界最多の 6 億人に達しており、青少年の近視率が世界で最も高いと

報告 2している。これを受けて、同月には中国政府の 8 つの行政部門が共同で『児童及び

青少年の近視の予防と管理のための総合的実施計画(中国語:綜合防控兒童青少年近視

實施方案)』を制定したことを中国の教育や言語、文字事業を管轄する教育部が発表した。

特にゲームに関係する国家新聞出版広電総局の施策として、オンラインゲームの総数規

制、新規ゲーム事業者数の規制、未成年者の利用時間を制限する方策の実施が掲げられ

ている。

一方、もうひとつの方向性として、国家文化部は 2016 年から 2020 年までのコンテン

ツ産業計画を記した「文化部”十三五”時期文化産業発展規画」を 2017 年 4 月に発表し、

2020 年までにアニメ産業の市場規模を 2500 億元(約 4 兆 2500 億円)規模に、ゲーム産

業の市場規模を 3000 億元(約 5 兆 1000 億円)程度とする目標を掲げている。この中で、

ゲーム産業を国際的競争力と影響力のあるブランドにし、中国らしさのある健康的なコ

ンテンツの生産を後押しするとともに、VR(バーチャルリアリティ)や e スポーツ及び

ゲーム動画実況等の周辺産業の発展、さらにはゲーム業界にとどまらず、教育・医療・

環境・科学普及等の様々な分野との提携を推進するとしている。

3. 韓国

韓国では、2003 年から 5 年単位でゲーム産業振興中長期計画を実施する等、自国のゲ

ーム産業振興を国家的に推進しており、現在はその第 3 次計画期にあたる。第 1 次計画

および第 2 次計画においては、ゲーム産業の基盤インフラ強化、ゲーム開発人材の育成、

海外進出力の強化、ゲーム文化意識の向上と価値創造、法制度の改善の戦略目標等を掲

げ、10 年余りで市場規模が 3 倍弱、輸出額が 19 倍弱、雇用者数が約 3 倍と大きく成長

した。しかし、最近は国内のゲーム産業がマイナス成長となる一方、中国資本のゲーム

会社の台頭やグローバル競争が激しさを増している。2015 年から始まった第 3 次計画で

は、次世代ゲーム産業で勝者となることと国内のゲームリテラシー向上を戦略目標に掲

げてグローバル市場の拡大と雇用の拡大に注力している。

4. フィンランド

スマートデバイス向けの世界的な人気ゲーム「Clash of Clans」を開発した Supercell

1 徐隆「中国動漫産業及びゲーム産業における発展情況並び関連政策に関する一考察」(2013/10)

http://r-cube.ritsumei.ac.jp/repo/repository/rcube/5293/PS21_1xu.pdf 2 明報「世衛報告指中国近視患者達 6 億 青少年近視率世界第一」(2018/9/14)

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本編

要約 目次

第4部

(現在は中国 Tencent の子会社)等の著名なゲーム開発会社を多数擁するフィンランド

には、モバイルゲーム開発に特徴をもつ新興の中堅企業が多い。同国では、多くの政府

関連機関や大学、及び業界団体等がゲーム開発会社に資金・教育・マッチング・人材確

保面での手厚い支援を行っており、良好なビジネス環境を有している。

5. フランス

フランスは、古くから製作や出版が盛んな国で文化とテクノロジーの融合が奏功して

いる。質の高い教育、グラフィックアートの優れた技術、隣国の活気ある映像技術(ア

ニメーション、バンドデシネなど)が後押しとなり、世界有数のゲームメーカーUbisoft

等が成功を収めている。

フランスでは、製作費用の税額控除が受けられる「ゲーム税額控除」制度、ゲーム産業

基金(FAJV : Fonds d’aide au jeu vidéo)、参加型貸付基金(Fonds de prêts

participatifs au secteur du jeu vidéo : FPPJV)等、ゲームメーカーが世界的な競争

力を高められるような公的支援制度がある。

6. カナダ

フランス文化を有するカナダのケベック・シティーはゲーム産業の支援政策に熱心で

ある。同市で毎年開催される「Digital Week」では、ゲームやアニメーションといった

分野で「地域のデジタルコンテンツ開発力を高め、世界に向けて発信するとともに地域

社会に成果を還元する」ことを目的にデザインされている。中でもゲーム分野は盛んで、

プロトタイプを開発する「Pixel Challenge」ハッカソン、優れたインディゲームに開発

予算をつける「Catapult」、ゲームを楽しむ「Pixel Warzone」イベント等、様々な取組み

やファンドが実施されている。

また、同市にはインディゲームの開発を支える様々な支援策がある。ゲームを含む映

像・教育コンテンツのファンドである Canada Media Fund(CMD)ではプロトタイプの開

発費用に 10~50%の助成が行われる。また、インディゲーム開発者向けのコワーキング

スペース「LE CAMP」や、より規模の大きなスタートアップ向けの入居施設「LE TOWER」

等も用意されている。この他、ケベック州全体でも UBI モントリオールやスクウェア・

エニックス・モントリオール等の大手企業によるインディゲーム開発者向けの独自ファ

ンドが存在する。こうした施策の結果、市内のインディゲームスタジオは増加している。

7. 国際機関

国連の専門機関である世界保健機関(WHO)は 2018 年 6 月、国際的な医療統計や医療

機関における診療記録の管理等に用いられる国際疾病分類(ICD)の次期バージョンに、

「Gaming disorder(ゲーム障害)」を新たな精神衛生疾患として追加する方針を示した。

正式には 2019 年 5 月の WHO 総会で採択の上、2022 年 1 月から発効されるものだが、分

類の追加に対し、時期尚早だとして反対する専門家の意見も多い。

2018 年 9 月、The Gambling Regulators European Forum(欧州規制当局フォーラム)

の会議においてギャンブルとゲームの境界とその曖昧性によるリスクに関する共同宣言

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第6部 第5部

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第1部

本編

要約

目次

第4部

1がなされた。このなかで、ゲーム提供者のマネタイズ手法の一つであるルートボックス

(日本では一般にガチャと呼ばれる)やスキンと呼ばれるゲーム内のアイテムをチップ

のように使用しながら賭けを行うスキンベッティング等が取り上げられ、ビデオゲーム

やソーシャルゲーム業界との情報交換に基づく対話と消費者保護当局の密接な協力を得

ながら、その特性を徹底的に分析して規制を行うとしている。この共同宣言は欧米の 16

の規制当局(ラトビア、チェコ、マン島、フランス、スペイン、マルタ、ジャージー、ジ

ブラルタル、アイルランド、ポルトガル、ノルウェー、オランダ、英国、ポーランド、オ

ーストリア、及び米国ワシントン州)が署名した。

第 3 節 各国の規制方式と動向

1. 概況

ゲームソフトを含むコンテンツ表現においては、表現内容に応じて対象年齢の勧告や

制限を設ける措置が各国で行われている。青少年に対する有害表現として扱われるコン

テンツの種類は各国でほぼ共通しており、暴力表現、性的描写、反社会的行為の助長、

賭博性、下品な言葉遣い等が対象となっている。

2. 米国

米国においては、伝統的に政府が直接的にコンテンツの規制を行うことに消極的であ

り、法規制においては原則のみを提示するにとどまり、実務上は政府が民間企業や業界

団体などと協力することで、民間主導の自主規制を促すという形態が取られている 2。

3. 英国

英国においては、違法有害情報の削除等の対応を義務付ける法令は存在しないが、青

少年保護を目的に制定された法律の原則が遵守されるように、政府や準政府機関が民間

企業を指導している。また、任天堂、マイクロソフト、ソニー等の英国で販売されるゲ

ーム機の 97%のメーカーが加盟する英国インタラクティブ・エンタテイメント協会

(UKIE :The association for UK Interactive Entertainment)がペアレンタルコント

ロール機能の搭載義務付けや、ゲーム業界の果たすべき役割の方針書を発表するといっ

た活動を行っている。

4. ドイツ

ドイツにおいては、2003 年に青少年保護法制の大幅な改正が行われ、電子ゲームとイ

ンターネットに関する規制が大幅に強化された。コンピュータゲームには法的拘束力の

ある年齢指定制度(レーティング)が導入される等、政府主導の取組が推進されている

点が特徴的である。

ドイツ国内を対象とする電子ゲームの公的倫理審査機関であるソフトウェア事前審査

機構(USK:Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle)には、欧州最大級のオンラインゲ

1 The Gambling Regulators European Forum「Declaration of gambling regulators on their concerns

related to the blurring of lines between gambling and gaming」(2018/9/17) 2 内閣府「平成 25 年度諸外国における有害環境への法規制及び非行防止対策等に関する実態調査研究報告

書」(2014/2)http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikou/h25/index.html

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資料編

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本編

要約 目次

第4部

ーム・プロバイダーである Gameforge Group(ドイツ)等をはじめ、Electronic Arts(米

国)、カプコン(日本)、任天堂(日本)、スクウェア・エニックス(日本)、Ubisoft(フ

ランス)、NVIDIA(米国)等が参加している。

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資料編

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第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

第 4 章 特許出願動向調査

第 1 節 調査対象範囲と調査方法

1. 調査対象範囲

電子ゲームに関する特許出願動向について、全体動向調査、技術区分別動向調査、出

願人別動向調査を行った。

(1) 調査対象とした出願先国

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、ASEAN 各国(以下、

日米欧中韓 ASEAN 各国と略す場合がある)及び PCT(特許協力条約)に基づく国際出願

である。

欧州への出願については、欧州特許庁への出願(EPC 出願)だけでなく、EPC 加盟国

の内で検索に使用した特許データベース(後述)の収録国(アイルランド、イギリス、

イタリア、オーストリア、オランダ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロヴァキア、

チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フラ

ンス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ルクセンブルク)への出願も

対象とした。

ASEAN 各国への出願については、ASEAN 加盟国で検索に使用した特許データベースの

収録国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)へ

の出願を対象とした。

(2) 使用したデータベースと調査対象期間

特許検索に使用したデータベースは、パナソニックテクノロジーソリューション社が

提供する「PatentSQUARE」を用い、最先の優先権主張年が 2010 年から 2016 年を調査対

象期間とした。

また、ASEAN 各国への出願については別途、世界知的所有権機関(WIPO)が提供する

「PATENTSCOPE」及び日本特許庁が提供する「FOPISER」で検索を行い、ASEAN 各国への

特許出願のデータ補完を行った。

(3) 調査対象技術範囲

本調査における特許データベース検索では、電子ゲームに関するキーワード、国際特

許分類(IPC)及び共通特許分類(CPC)を使用し、表 4-1~表 4-3 に示した検索式で検

索した結果を調査対象母集団とした。

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資料編

第7部

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要約 目次

第4部

表 4-1 特許データベース(PatentSQUARE;世界特許データベース)検索式

検索実行日:2018 年 8 月 9 日

No. 件数 検索項目 条 件 式 備考

S001 106,368 IPC A63F13/?+A63F9/24 電子ゲームに関する IPC

S002 63,655 CPC A63F13/?+A63F9/24+A63F2300/? 電子ゲームに関する CPC

S003 5,193,858 IPC G06T?+G06Q?+G06F?+G10L?+G09B?+A63B69/?+G06N? 電子ゲーム関連技術に関す

る IPC

S004 3,167,593 CPC G06T?+G06Q?+G06F?+G10L?+G09B?+A63B69/?+G06N? 電子ゲーム関連技術に関す

る CPC

S005 584,113

文章系組

合せ(英

語)

?game?+?gaming+entertain?+toy+toys+”e-

sport”?

+”e sport”?+”electronic

sport”?+distraction?+

amusement?//[@発明の名称+要約]

「ゲーム・エンターテイメ

ント・玩具・e スポーツ」

に関するキーワード

S006 380,268

文章系組

合せ(英

語)

VR+”virtual realit”?+”virtual-realit”?+”

virtual world”?+”virtual-world”?+”virtual

space”?+”virtual-space”?+”cyber

space”?+”cyber-space”?+cyberspace+”

virtual rear”?+”virtual-rear”?+”virtual

environment”?+

telexistence+telepresence+teleimmersion+AR+”

augmented realit”?+”augmented-

realit”?+MR+”mixed realit”?+”mixed-

realit”?+HMD+”head mount”?+”head-

mount”?+headmount?+Hologra?+

Holo-gra?+stereoscop?+stereo-scop?//[@発明の

名称+要約]

「VR・AR・MR・HMD・ホログ

ラム/ホログラフィック・立

体視」に関するキーワード

S007 401,829 IPC A63F? ゲーム全般に関する IPC

S008 135,212 CPC A63F? ゲーム全般に関する CPC

S009 31,534,016 IPC G?+H? 「データ処理/電子・電気」

に関する IPC

S010 19,174,299 CPC G?+H? 「データ処理/電子・電気」

に関する CPC

S011 21,677,157 優先日(D) 20100101:20161231 優先権出願年 2010-2016 年

S012 61,942,931 優先日(D) :20091231 優先権出願年 2009 年以前

S013 20,740,880 論理式 S011#S012 最先の優先権主張年 2010-

2016 年

S014 38,223 論理式 (S001+S002)*S013 ①電子ゲームの特許分類

S015 55,320 論理式 (S003+S004)*(S005+S006)*S013

②電子ゲーム関連技術の特

許分類 × キーワード「ゲ

ーム等・VR 等」

S016 29,223 論理式 (S007+S008)*(S009+S010)*S013

③ゲーム全般の特許分類×

データ処理/電子・電気の特

許分類

S017 86,509 論理式 S014+S015+S016 ①+②+③

S018 14,972,363 公報種別 U?+Y? 実用新案

S019 80,047 論理式 S017#S018 調査対象母集団

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資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 4-2 特許データベース(PATENTSCOPE)検索式

検索実行日:2018 年 9 月 5 日

No. 件数 検索項目 条 件 式 備考

1 167 Advanced

Search

Office(s):vn,sg,bn,id,kh,my,ph,th

Language:EN

Stemming: true

出願先:ASEAN 各国

優先日:2010-2016

①電子ゲームの特許分類

PD:([01.01.2010 TO 12.31.2016]) AND

IC:(A63F13/ or A63F9/24)

2 1,317 Advanced

Search

Office(s):vn,sg,bn,id,kh,my,ph,th

Language:EN

Stemming: true

出願先:ASEAN 各国

優先日:2010-2016

②電子ゲーム関連技術の特

許分類 × キーワード「ゲ

ーム等・VR 等」 PD:([01.01.2010 TO 12.31.2016]) AND

(EN_TI:(game or entertain or toy or "e sport"

or "electronic sport" or distraction or

amusement or VR or ”virtual reality” or

"virtual realize" or ”virtual world” or ”

virtual space” or ”cyber space” or

cyberspace or ”virtual environment” or

telexistence or telepresence or teleimmersion

or AR or ”augmented reality” or ”

augmented-reality” or MR or ”mixed

reality” or HMD or ”head mount” or

holograph or stereoscope or "stereo scope")

or EN_AB:(game or entertain or toy or "e

sport" or "electronic sport" or distraction

or amusement or VR or ”virtual reality” or

"virtual realize" or ”virtual world” or ”

virtual space” or ”cyber space” or

cyberspace or ”virtual environment” or

telexistence or telepresence or teleimmersion

or AR or ”augmented reality” or ”

augmented-reality” or MR or ”mixed

reality” or HMD or ”head mount” or

holograph or stereoscope or "stereo scope"))

AND IC:(G06T or G06Q or G06F or G10L or G09B

or A63B or G06N)

3 106 Advanced

Search

Office(s):vn,sg,bn,id,kh,my,ph,th

Language:EN

Stemming: true

出願先:ASEAN 各国

優先日:2010-2016

③ゲーム全般の特許分類×

データ処理/電子・電気の特

許分類 PD:([01.01.2010 TO 12.31.2016]) AND IC:(A63F)

AND IC:(G or F)

4 1,510 Advanced

Search

Office(s):vn,sg,bn,id,kh,my,ph,th

Language:EN

Stemming: true

① or ② or ③

- 23 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

PD:([01.01.2010 TO 12.31.2016]) AND

((IC:(A63F13/ or A63F9/24) ) or ((EN_TI:(game

or entertain or toy or "e sport" or

"electronic sport" or distraction or

amusement or VR or ”virtual reality” or

"virtual realize" or ”virtual world” or ”

virtual space” or ”cyber space” or

cyberspace or ”virtual environment” or

telexistence or telepresence or teleimmersion

or AR or ”augmented reality” or ”

augmented-reality” or MR or ”mixed

reality” or HMD or ”head mount” or

holograph or stereoscope or "stereo scope")

or EN_AB:(game or entertain or toy or "e

sport" or "electronic sport" or distraction

or amusement or VR or ”virtual reality” or

"virtual realize" or ”virtual world” or ”

virtual space” or ”cyber space” or

cyberspace or ”virtual environment” or

telexistence or telepresence or teleimmersion

or AR or ”augmented reality” or ”

augmented-reality” or MR or ”mixed

reality” or HMD or ”head mount” or

holograph or stereoscope or "stereo scope"))

AND IC:(G06T or G06Q or G06F or G10L or G09B

or A63B or G06N) ) or (IC:(A63F) AND IC:(G or

F) ))

表 4-3 特許データベース(FOPISER)検索式

検索実行日:2018 年 9 月 21 日

No. 件数 条 件 式 備考

1 4 タイ(特許、出願日:2010-2016) 電子ゲームの特許分類

IPC:A63F13/,A63F9/24

2 10 ベトナム(特許、出願日:2010-2016) 電子ゲームの特許分類

IPC:A63F13/,A63F9/24

- 24 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

(4) その他の留意事項

出願人国籍(地域も含む)は、日本国籍、米国籍、欧州国籍、中国籍、韓国籍、ASEAN

各国の国籍及びその他の国籍(地域も含む)に分けて集計を行った。出願人国籍は「筆

頭出願人名または筆頭出願人の住所」、「発明者の住所」、「優先権主張国」の優先順位で

付与した。なお、香港(HK)は中国籍に合算し、台湾(TW)はその他の国籍(地域も含

む)として集計した。

出願人国籍別出願動向調査において、欧州国籍の出願とは、2018 年 8 月現在の EPC 加

盟国である 38 か国(アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、スイス、キ

プロス、チェコ、ドイツ、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フラン

ス、イギリス、ギリシア、モナコ、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、アイスラ

ンド、イタリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、ラトビア、マケ

ドニア、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スウ

ェーデン、スロヴニア、スロヴァキア、サン・マリノ、トルコ、セルビア)の国籍を対

象とした。

また、ASEAN 各国の国籍の出願とは、2018 年 8 月現在の ASEAN 加盟国である 10 か国

(ブルネイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、マレーシア、フィリピ

ン、シンガポール、タイ、ベトナム)の国籍を対象とした。

特許の出願先国によってデータベースに収録されるまでの時間差があるため、全ての

特許データが収録されている期間が各国で異なっている。このため、特に 2015 年以降

は全データが取得されていない可能性があることに留意が必要である。さらに PCT 出願

については、国内段階へ移行するまでの期間が長く(国内段階移行手続期間(国内書面

提出期間):優先日から 30 月以内)、国内書面提出期間の経過後となる公表公報発行時

期は、通常の国内出願の公開公報発行時期(出願から 1 年 6 か月)より遅くなることに

留意が必要である。

登録件数の年次推移については、審査請求制度の有無、特許出願から審査請求までの

期間、及び審査にかかる期間が各国で異なることを念頭において評価する必要がある。

2. 調査方法

第1節で示した条件での特許データベース検索で得られた特許文献のファミリー単位

での件数は 51,319 件であり、国内外の内訳は、日本への出願があるファミリーが 12,719

件、日本への出願がないファミリーが 38,600 件であった。

なお、本調査におけるパテントファミリーは「シンプルファミリー形式」(一つ又は複

数の完全に同じ優先権出願番号を有する特許出願の集合)に基づいて集計した。

特許情報の解析にあたっては、まず特許文献の一次分類を行った。一次分類は、表 4-

4 の定義に基づき、各特許文献を X、Y、Z のいずれかに分類した。

調査対象の 51,319件の特許ファミリーの内訳は、X文献が 33,779件、Y文献が 734 件、

Z 文献が 16,806 件であった。

- 25 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

表 4-4 一次分類の定義と該当件数

記号 定義 ファミリー件数

X プレイヤーとの相互作用による電子的処理の変化が娯楽的要素を作り

出す主要な仕掛けとなっており、出力がプレイヤーの感性に訴える電

子データの変化として提供されるゲーム

33,779

Y

電子的処理を使用するゲーム

例:「電光掲示板に球種や球速、点数などを表示する野球ボードゲーム」

「ネットワークを介して遊ぶクレーンゲーム」「ユーザとのコミュニケ

ーションを通じて動作を変えるトイロボット」

734

Z 上記 V、X 及び Y に該当しないもの 16,806

次に X 文献と判断された特許について、表 4-5 から表 4-8 に示す技術区分表に従い、

技術区分の付与を行った。

表 4-5(a) 「要素技術」の「入力」に関する技術区分

第 1 階層

第 2 階層 第 3 階層 第 4 階層 付与ルール 技術区分 コード

入力

ユーザーインター

フェイス

物理コント

ローラ

着脱式 着脱式の物理コントローラを用いるもの。 A.1.1.1.1

模型

各種の実物の物を模した模型をユーザーインター

フェイスに用いるもの(ハンドル、ガン、太鼓、楽器、ダンス、DJ 等)。

A.1.1.1.2

その他物理

コントローラ

上記に分類されない物理コントローラを用いるもの。

A.1.1.1.3

ソフトウェアインターフェイス

仮想コントローラ

プロジェクタで投影した投影画像をコントローラとするなど、仮想コントローラを用いるもの。

A.1.1.2.1

その他ソフ

トウェアインターフェ

イス

上記に分類されない、画面に表示されるキャラク

ターやオブジェクト、方向指示をマウスでタッチするなど、ソフトウェアインターフェイスを用いるもの。

A.1.1.2.2

カード、フィギュア等

の玩具体

- カードやフィギュア等の物理玩具体をゲームの入力手段として用いるもの。

A.1.1.3

タッチパネルの操作方

- タッチパネル、そのためのタッチペン等の入力機器を使った操作方法に特徴があるもの。

A.1.1.4

その他ユー

ザーインターフェイス

- 上記に分類されないユーザーインターフェイスに特徴があるもの。

A.1.1.5

センシン

音声 - 音声の検出・認識のための機器や方法、それを利

用したゲームに関する技術。 A.1.2.1

画像

赤外線 画像認識のために赤外線を使うもの。 A.1.2.2.1

可視光 画像認識のために可視光を使うもの。 A.1.2.2.2

2 次元 2 次元画像を取得するカメラを使うもの。 A.1.2.2.3

3 次元 3 次元画像を取得するカメラを使うもの。 A.1.2.2.4

接触・圧力 -

タッチパネルなど、接触を検知するものや、圧力

の検出・認識のための機器や方法、それを利用したゲームに関する技術。

A.1.2.3

傾き・加速

度 -

ジャイロセンサーを使うなど、傾きや加速度の検出・認識のための機器や方法、それを利用したゲームに関する技術。

A.1.2.4

生体情報 - 血圧、心拍数、脳波等の生体情報の検出・認識のための機器や方法、それを利用したゲームに関する技術。

A.1.2.5

GPS - 地図上での位置情報を取得するための機器や方法、それを利用したゲームに関する技術。

A.1.2.6

その他センシング

- 上記に分類されないセンシングに関する技術。 A.1.2.7

- 26 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 4-5(b) 「要素技術」の「出力」に関する技術区分

第 1階層

第 2階層

第 3 階層 第 4 階層 付与ルール 技術区分 コード

出力

ビジュアル生

プロジェクタ

- プロジェクタを用いるもの。 A.2.1.1

特殊ディスプレイ

HMD ヘッドマウントディスプレイを用いるもの。 A.2.1.2.1

凹面・ドーム型 凹面、ドーム型スクリーンを用いるもの。 A.2.1.2.2

観戦用 ゲームプレイの状況を共有したり、e スポーツなどで対戦状況を公衆に観戦させたりするため、観戦用ディスプレイを使用するもの。

A.2.1.2.3

ビジュアルエフェ

クト -

状態変化などをプレイヤーに知らせる目的で表示されるビジュアル(画像、動画像)や各種の視覚的操作(点滅、反転、拡縮、回転、モザイク、レンダリング 等)に関する技術。

A.2.1.3

アニメーション

- 2 次元の動きを表現するもの。3 次元グラフィックの技術を用いながらアニメやイラスト風のシェードを付ける、トゥーンシェーデングの手法を含む。

A.2.1.4

立体視 - 両眼視差を利用して、立体的に見えるようなビジュアルを生成する技術。

A.2.1.5

仮想カメラの制御

- カメラワーク、視点切り替えなど、仮想カメラの制御や、仮想カメラによる見え方を制御するもの。

A.2.1.6

モーション

ヒト型 ヒト型のキャラクターの 3 次元の動きを表現するもの。 A.2.1.7.1

ヒト型でない生物

ヒト型でない生物キャラクターの 3 次元の動きを表現するもの。

A.2.1.7.2

自然現象 物理学的なシミュレーションを用いるなど自然現象を 3次元でリアルに再現するもの。

A.2.1.7.3

その他モーション

上記に分類されない 3 次元の動きを生成するもの。 A.2.1.7.4

画質制御 - プレイヤーが注視している箇所以外は解像度を下げるなど、動画のフレームレートや解像度を動的に変化させるもの。

A.2.1.8

その他ビジュアル

生成 - 上記に分類されないビジュアル生成技術。 A.2.1.9

サウンド生成

波形

声 キャラクターの声などの生成に関する技術。 A.2.2.1.1

BGM BGM やゲーム音楽の生成に関する技術 A.2.2.1.2

環境音 ゲーム内の動物や自然、都市、交通などの環境音の生成に関する技術。

A.2.2.1.3

サウンドエフェクト

効果音の生成やエコーなどサウンドエフェクトに関する技術。

A.2.2.1.4

プログラム合成

- 波形データをプログラムで合成して再生する技術。 A.2.2.2

空間音響の表現

空間音響のリアルタイムシミュ

レーション

空間音響シミュレーションをリアルタイムに行うことによる音源のリアルタイム再配置、遮蔽、残響情報のリアルタイム反映を行うことに特徴があるもの。

A.2.2.3.1

その他空間音響の表現

上記に分類されない空間音響の表現、つまり、音の回折を考慮した仮想音源の配置など、空間における音の伝播表現に特徴があるもの。

A.2.2.3.2

その他サウンド生

成 - 上記に分類されない音生成技術。 A.2.2.4

体感生成

振動 - 振動の生成に関する技術。 A.2.3.1

傾き・加速度

- 傾きや加速度の生成に関する技術。 A.2.3.2

反力 - 反力の生成に関する技術(フォースフィードバック、力覚提示、反力・反動提示 等)。

A.2.3.3

皮膚感覚 - 触覚ディスプレイなど、表面の粗さややわらかさなどの質感を提示するもの。

A.2.3.4

環境提示 - 温度や湿度、風の感覚など、環境の体感を生成するもの。 A.2.3.5

嗅覚 - プレイヤーの嗅覚を刺激する香りや電気嗅覚等を出力するもの。電気嗅覚をプレイヤーの違和感なく制御する技術。

A.2.3.6

その他体感生成

- 上記に分類されない体感生成技術。 A.2.3.7

複数出力の連

携 - -

コンパニオンアプリにより異なる機器でゲームプレイを継続できるようにしたり、ウェアラブルデバイスや携帯機器を補助画面として使用できるようにしたり、精密な表示は中央のディスプレイで表現し、その周辺にプロジェクションマッピングで映像の広がりを見せるなど、複数の出力を連携させるもの。

A.2.4

- 27 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

表 4-5(c) 「要素技術」の「処理」、「通信」及び「記憶」に関する技術区分

第 1 階層

第 2 階層 第 3 階層 第 4 階層 付与ルール 技術区分 コード

処理

認識

ジェスチャ - 手振りなどのジェスチャを入力に用いるもの。 A.3.1.1

視線 - 視線を入力に用いるもの。 A.3.1.2

空間把握 -

ゲーム内でプレイヤーがどこにアイテムを置いた

かを把握したり、各種のアイテムやキャラクター

間の距離がそれぞれどのくらいあるかを把握した

りするもの。

A.3.1.3

図形・文字 - 図形・文字の検出・認識のための機器や方法、それ

を利用したゲームに関する技術。 A.3.1.4

自然言語処

理 - 音声などで入力された自然言語を認識するもの。 A.3.1.5

コマンド認識

-

プレイヤーによるコントローラからの複雑な一連

の入力を受けて、それをゲームで用意された複数

のコマンドの中からどのコマンドとして認識する

かを決定するなど、コマンド認識に関するもの。

A.3.1.6

行動意図推定

-

銃の模型を使ったゲームでプレイヤーがどこを狙

っているかを検出したり、その他入力からプレイ

ヤーがどのような行動を行おうとしているのかを

推定したりするもの。

A.3.1.7

心理状態認

識 -

顔の表情や声の調子、生体情報などからプレイヤ

ーの緊張/弛緩、楽しい/退屈、依存・攻撃性等の

心理状態を識別するもの。

A.3.1.8

認証 - - ワンタイムパスワードなどユーザ認証に関する技

術。 A.3.2

通信

通信制御

負荷分散 - 通信処理を複数の機器で分散処理する技術。 A.4.1.1

同期制御 - 遅延や遅延時間の揺らぎを抑え、処理を同期させ

る技術。 A.4.1.2

切断時対応 - 通信中の予期せぬ切断に対応する技術。 A.4.1.3

圧縮通信 -

通信時にデータを圧縮する技術。ただし、記録デ

ータの圧縮に関するものは「記憶」の「圧縮・符号

化方式」に付与する。

A.4.1.4

その他通信

制御 - 上記に分類されない通信制御に関する技術。 A.4.1.5

リモートプレイ

- -

本体システムとは別の端末でプレイ状況の表示を

行ったり、別の端末から本体システムを制御した

りするもの。

A.4.2

配信

リアルタイム配信

-

ゲームプレイの状況を共有したり、e スポーツな

どで対戦状況を公衆に観戦させたりするため、リ

アルタイムに配信する技術。

A.4.3.1

その他配信 - ゲームプレイの動画を共有サイトに投稿するな

ど、上記に分類されない配信のための技術。 A.4.3.2

ローカル通信・端末間コミ

ュニケーション

- - ローカルでの端末間通信を利用するもの。 A.4.4

記憶

プレイヤーデータ

記録 - -

プレイヤーのデータを記録する媒体や方法及びそ

の利用に関する技術。 A.5.1

メディアデータ記

録 - -

画像や動画像、音声等のファイルフォーマットや

圧縮、符号化の形式や処理方法に関する技術。 A.5.2

- 28 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 4-6(a) 「ゲームコンテンツ」の「ジャンル」に関する技術区分

第 1 階層

第 2 階層 第 3 階層 第 4 階層 付与ルール 技術区分 コード

ジャンル

パズル - -

パズルを電子ゲームでプレイできるようにしたも

の。論理的思考によって問題を解決するパズルのゲ

ーム性とキャラクターやパーツ等がランダムに動く

アクション性を併せ持つアクションパズルを含む。

B.1.1

クイズ - - 問題が出題され、プレイヤーがそれに解答していく

ことで進行するタイプのゲーム。

B.1.2

ロールプ

レイング - -

課題や障害を解決した報酬として得られる成長リソ

ースの蓄積によってキャラクターを強化し、行動の

幅を広げながら用意された物語のエンディングを目

指すもの。

B.1.3

アドベン

チャー - -

物語上に配置された謎や課題を解くことを目的とす

るもので、ロールプレイングゲームと違い、キャラ

クターの成長要素が無いか比重が少ないもの。

B.1.4

シミュレ

ーション

ウォー・

シミュレ

ーショ

ン、スト

ラテジー

拠点制圧

自分の領地に侵入してくる敵を倒し、敵の領地内の

敵拠点を制圧することを目的とし、ゲームとして戦

略・戦術運営を再現するもの。

B.1.5.1.1

その他ウォ

ー・シミュ

レーショ

ン、ストラ

テジー

上記に分類されない、軍隊の司令官としてユニット

を動かして相手の軍隊を倒すなど、戦略・戦術運営

をゲームとして再現するもの。ただし、戦闘アクシ

ョン/格闘を再現するものは「アクション」の「対

戦/格闘」に付与する。

B.1.5.1.2

経営・育

成シミュ

レーショ

-

会社や組織、街を経営して発展させたり、ペットや

競馬馬などを育成したりすることをゲームとして再

現するもの。

B.1.5.2

その他シ

ミュレー

ション

-

ただし、乗り物の運転を再現するものは「アクショ

ン」の「乗り物」に付与する。

B.1.5.3

アクショ

シューテ

ィング

FPS

First Person shooter。主人公の本人(第一者)視

点でゲーム中の世界・空間を移動するシューティン

グゲーム。

B.1.6.1.1

TPS

Third Person shooter。操作キャラクター上空から

の見下ろし視点など、主人公を第三者視点から追う

形で行うシューティングゲーム。

B.1.6.1.2

その他シュ

ーティング

相手の攻撃を避けたり、ゲーム世界内を動き回った

り、ゲーム進行に応じて画面などが変動する中で、

ゲームとしての射撃武器で敵や標的を狙い撃つも

の。

B.1.6.1.3

対戦/格

闘 -

戦闘アクションや格闘をゲームとして再現するも

の。

B.1.6.2

スポーツ -

野球やサッカー、バスケットボール、ボウリングな

どの球技、陸上競技、釣りなどプレイヤーにゲーム

としてのスポーツやアウトドア活動などの技能を発

揮させるもの。

B.1.6.3

乗り物 -

自動車、オートバイ、飛行機、船などの乗り物を運

転したり、乗馬など動物を乗りこなしたり、スキー

やスケートなどで滑走したり、他のプレイヤーやコ

ンピュータとレースをするなどプレイヤーにゲーム

としての運転・滑走の技能を発揮させるもの。

B.1.6.4

音楽 - プレイヤーにリズムや音楽、楽譜に追随する技能を

発揮させるゲーム。

B.1.6.5

その他ア

クション -

上記に分類されない、キャラクターをコントローラ

で操作し、ゲーム内でリアルタイムに起こる様々な

障害や課題を攻略していくもの。

B.1.6.6

- 29 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

表 4-6(b) 「ゲームコンテンツ」の「ゲーム方式」に関する技術区分

第 1 階層

第 2階層

第 3 階層 第 4 階層 付与ルール 技術区分 コード

ゲーム方式

マルチプレイ

マッチング機能

- ネットワーク上の知り合いの登録を行ったり、SNS と連携したり、複数の参加者が行うゲームにおいて参加者のマッチングを行ったりするもの。

B.2.1.1

対戦方式

MOBA Multiplayer online battle arena。チームに分かれ、チーム内で協力しながら敵チームの本拠地を破壊するなど設定された勝利基準を目指して戦うもの。

B.2.1.2.1

バトルロイヤル

多数のプレイヤーが参加し、武器や防具、乗り物などのアイテムを収集しながら、敵を全て倒し、最後の生き残りになるなどの勝利を目指して戦うもの。

B.2.1.2.2

協力プレイ - レイドバトルなど共通の目的を達成するために複数のプレイヤーが協調的な行動をとる方式に特徴があるもの。 B.2.1.3

MMO - Massively Multiplayer Online。主に数百人以上など大人数が一度に同じサーバにログインし、同じ空間を共有して遊ぶタイプのオンラインゲームに関するもの。

B.2.1.4

その他マルチプレイ

- 上記に分類されない、多人数同時接続などオンラインゲームなどで複数プレイヤーが同時にゲームを楽しむ方式に関するもの。

B.2.1.5

制御方法

ステータス判定

スタミナ ゲーム状況に応じてプレイヤーやキャラクターの寿命等を増減させる判定の仕方に関するもの。 B.2.2.1.1

キャラクターのパラメ

ーター

ゲーム状況に応じてプレイヤーやキャラクターの強さ等のパラメーターをどのように変動させるかの判定の仕方に関するもの。

B.2.2.1.2

ゲーム要素の合成・進

化 -

アイテムやキャラクター等のゲーム要素を他のゲーム要素と組み合わせることにより強化したり新たなゲーム要素を生成したりするなど、複数のゲーム要素を組み合わせるもの。

B.2.2.2

シナリオ分岐

- ゲームシナリオの分岐のさせ方に関するもの。 B.2.2.3

現実の世界との連動

空間・場所的連動

GPS データを用いるなど現実の世界の空間や場所と連動して、イベントを発生させたり、キャラクターを出現させたり、報酬を与えたりすることでゲームを進行させるもの。

B.2.2.4.1

時間・期間的連動

現実の世界の時間や期間と連動して、イベントを発生させたり、キャラクターを出現させたり、報酬を与えたりすることでゲームを進行させるもの。

B.2.2.4.2

代替現実

ARG(Alternate Reality Game)。ゲーム内外のコミュニケーションやメディアを通じ、不特定多数のプレイヤーが協力して、リアルタイムに進行する状況の中で、与えられた謎解きやミッションを解決していくなど、ゲーム世界に日常世界を交差させることでゲームを進行させるもの。

B.2.2.4.3

報酬の与え方

- 協力プレイや対戦などにおいて目的達成に対する貢献度や特定の指標に対する達成度などにより各プレイヤーに与える報酬を決めるなど、報酬の与え方に関するもの。

B.2.2.5

プレイヤー間でのゲーム要素の移

- プレイヤー間でアイテムやキャラクター等のゲーム要素を交換したり、売買したり、譲渡したり、奪い合ったりするなど、移動させるもの。

B.2.2.6

難易度調整 - 難易度調整の方法に関するもの。 B.2.2.7

通信遅延対策

-

オンラインゲームにおいて、操作側の時間進行を遅らせるなど、操作を行った側のプレイヤーが見ているゲーム状況と、受信したデータに基づきその反映を行う遠隔側のプレイヤーが見ているゲーム状況のずれを調整するもの。

B.2.2.8

ローディング時の処理

- ゲームのローディング時に別のミニゲームを楽しめるようにするなど、ローディング時の処理方法に関するもの。 B.2.2.9

その他制御方法

- 上記に分類されないゲームの進行やイベントにおける設定、選定、判定、決定、評点などの処理方法に関するもの。 B.2.2.10

ゲームルール

カードゲーム

- カードゲームのルールを電子ゲームに導入するもの。 B.2.3.1

盤上ゲーム - 盤上ゲームのルールを電子ゲームに導入するもの。 B.2.3.2

カジノ

パチンコ、スロット

パチンコやスロットのルールを電子ゲームに導入するもの。 B.2.3.3.1

その他カジノ

上記に分類されない、カジノの遊び方やルール、その他競馬ゲームなど賭け事の勝ち負けをゲームとして遊ぶルールを電子ゲームに導入するもの。

B.2.3.3.2

その他ゲームルール

- 上記に分類されないゲームルールに特徴があるもの。 B.2.3.4

xR

VR - Virtual Reality。ゲーム世界として、CG 等の仮想世界に入り込んだかのような体験をさせるバーチャルリアリティの技術を用いるもの。

B.2.4.1

AR - Augmented Reality。ゲーム世界として、現実世界に CG 等の仮想世界を重ねて提示する拡張現実の技術を用いるもの。 B.2.4.2

その他 xR - 上記に分類されない、VR や AR、MR 等の技術を用いるもの。 B.2.4.3

- 30 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 4-6(c) 「ゲームコンテンツ」の「ビジネス基盤」に関する技術区分

第 1

階層

第 2

階層 第 3 階層 第 4 階層 付与ルール

技術区分

コード

ビジネス基盤

課金・決済・収益方

アイテム課金 - ガチャシステムなど、ゲーム内で利用できるアイテムに課金する方法を用いるもの。 B.3.1.1

広告 - どの広告を表示するのがよいかを決める方法など、広告収益方法に関するもの。 B.3.1.2

イベント -

プレイヤーに新たなリプレイモチベーションを与えるためにイベント企画・運営を行うなど、ゲームとイベントを連携させるもの。また、e スポーツのチケットの配布方法やリーグ対戦の組み方の工夫など、イベントの企画・運営方法に関するもの。

B.3.1.3

その他課金・決済・収益方法

- 上記に分類されない課金・決済・収益方法に関するもの。 B.3.1.4

情報セキュリティ

サーバの保護 - サーバ側での処理を伴うゲームシステムなどにおけるハッキング対策やデータ消失対策に関する技術。 B.3.2.1

不正通信検出 - オンラインゲームで通常にゲームをするのではなく、不正に改変したデータを送りこんでゲームを有利に進めたりする、不正通信を検出、防止するもの。

B.3.2.2

規約違反防止 - 規約違反を検出し防止するもの。 B.3.2.3

コンテンツ管

著作権保護 - コピー防止や解析防止など、著作権保護に関する技術。 B.3.3.1 ソフトウェア更

新 -

ソフトウェアの更新に関する技術。追加コンテンツのダウンロード配信などを含む。 B.3.3.2

コンテンツ配布方法

- ダウンロードサーバーの配置方法やプレイヤー間で P2P 配信する方法など、コンテンツ配布方法に関するもの。 B.3.3.3

プログラマブルなゲーム登場物

-

ゲーム内の固有の記述言語を作り、ゲームの登場物をその記述言語で記述することにより、ゲームプログラム全体を改変しなくても、登場物の記述言語による記述内容を変更することで登場物を改変できるようにする技術。

B.3.3.4

ユーザージェネレーテッドコン

テンツ -

プレイヤーが生成・編集したキャラクターなどのコンテンツをプレイヤー間で共有したり、自らゲーム内で使えるようにしたりするもの。 B.3.3.5

ブロックチェーンゲーム

- ゲーム内のアイテムやキャラクターのユニーク性をブロックチェーン技術で担保するなどして、価値を確立し、仮想通貨でその交換ができるようにしたりするもの。

B.3.3.6

データマイニング

逐次改良 - プレイログを運営時にリアルタイムに解析し、リプレイモチベーションを高めたり、より長い期間プレイしてもらえるようにしたりする要因分析、その結果のゲーム改良への逐次反映、アジャイル開発を行うもの。

B.3.4.1

その他データマイニング

- 上記に分類されない、プレイヤーのゲーム利用状況データなどをマーケティングや開発、プレイヤー満足度向上、リアルタイムコミュニケーション等に用いる手法。

B.3.4.2

開発・運営環

プラットフォームの種類

据え置き型ゲーム機

据え置き型ゲーム機、コンシューマゲーム機向けゲームに関するもの。 B.3.5.1.1

携帯型ゲーム機

携帯型ゲーム機(コンシューマゲーム機)向けゲームに関するもの。 B.3.5.1.1a

スマートフォン

スマートフォン向けゲームに関するもの。 B.3.5.1.2

PC PC 向けゲームに関するもの。 B.3.5.1.3

アーケード アーケードゲームに関するもの。 B.3.5.1.4

ソーシャルゲーム

SNS をプラットフォームとして展開され、SNS 上の名前やアバターを使い、友達をゲームに招待したり、ゲームの中で友達を作ったりして、協力したり競ったりするゲームに関するもの。

B.3.5.1.5

異なる種類のゲーム機間の

連携

アーケードゲームとスマートフォンゲームとの連携や、スマートフォンゲームと据え置き型ゲーム機の連携など、異なる種類のゲーム機間の連携をプレイ環境として用いるもの。

B.3.5.1.6

開発環境

クラウド開発環境

大容量ファイルサイズへの対応やプラグインによる先進技術の即時対応を容易にするために、また、複数人で共同して開発を進められるように、クラウド開発環境を用いるもの。

B.3.5.2.1

マルチプラットフォーム開

発環境

マルチプラットフォーム展開に対応可能な開発環境を用いるもの。 B.3.5.2.2

開発物の可視化

地続きのエリアの色分け、各種クエリーが何回呼び出されたかなど、複雑な制作物としてのゲームの内容を可視化する手法を用いるもの。 B.3.5.2.3

その他開発環境

上記に分類されないゲームの開発環境に関する技術。 B.3.5.2.4

AI による開発

AI による制作 ビジュアルやサウンド制作に AI を用いるもの。 B.3.5.3.1 AI による NPC

制御 NPC(プレイヤーが操作しないキャラクター)制御に AI を用いるもの。 B.3.5.3.2

AI によるルート制御

地形・障害物の状況を踏まえ、目的地まで進むルート制御に AI を用いるもの(ナビゲーション AI)。 B.3.5.3.3

AI によるゲームバランス制

プレイヤーが楽しめるように難易度やイベント発生等のゲームバランスを自動調整するために AI を用いるもの(メタ AI)。 B.3.5.3.4

AI による品質保証

キャラクターが条件をクリアしないと行けないところにクリアしていないのに侵入してしまわないか、どこかにトラップされてしまわないかなどを、自動的に、テストプレイ・エラー検出・デバッグするなど、品質保証に AI を用いるもの。

B.3.5.3.5

その他 AI による開発

上記に分類されない AI によるゲーム開発。 B.3.5.3.6

モデリング

モーションキャプチャー

リアルタイムスキャンやキャプチャー用スーツを着た撮影などにより、ゲームの登場物のモーションデータを制作するもの。 B.3.5.4.1

プロシージャルモデリング

数式、スクリプト、設定データなどに基づき計算、レンダリングによってアニメーションやテクスチャなどのデータを自動生成するもの。 B.3.5.4.2

その他モデリング

上記に分類されないモデリングに関する技術。 B.3.5.4.3

- 31 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

表 4-7 「課題」に関する技術区分

第 1 階層 第 2 階層 第 3

階層

第 4

階層 付与ルール

技術区分

コード

エンターテイ

メント性

リプレイモチベ

ーション - -

プレイヤーがゲームに感じる面白さを追求するな

ど、飽きさせず何度もプレイしてもらうことを課題

とするもの。

C.1.1

ナラティブ - -

テキストなどで直接的に物語を示すのではなく、ビ

ジュアルやサウンド、状況によるほのめかし等でプ

レイヤーに感覚的に感じ取らせることで物語を示す

ことを課題とするもの。

C.1.2

リアリティ

高画質・高音質 - -

高画質なビジュアル提示、高音質なサウンド提示に

よって没入感を高め、リアリティを向上させること

を課題とするもの。

C.2.1

インタラクティ

ブ - -

プレイヤーの操作やゲーム内での活動に対してリア

ルに反応して、ビジュアル、サウンド、体感を出力

するなど、プレイヤーに自己主体感(自らが操作し

たというリアルな感覚)を持たせることを課題とす

るもの。

C.2.2

身体所有感 - -

アバターを好きなようにカスタマイズできるように

したり、ゲーム内でアバターに起こったことがプレ

イヤー自身にも起こっているかのように感じさせた

りするなど、ゲーム内のプレイヤーキャラクターを

自分と思えるようにすることを課題とするもの。

C.2.3

酔い防止 - - 没入感を高めた際などにプレイヤーが酔いを感じて

しまうのを防止することを課題とするもの。 C.2.4

その他リアリテ

ィ - -

上記に分類されない、没入感などゲームのリアリテ

ィを高めることやそれに付随することを課題とする

もの。

C.2.5

個別性 - - -

プレイヤーのライフログを使うなど、プレイヤー個

人に対するパーソナルカスタマイズを行うことを課

題とするもの。

C.3

操作性 - - - 直観的なインターフェイスなど、操作性を高めるこ

とを課題とするもの。 C.4

応答性 - - -

据置型ゲーム機のコントローラや PC ゲームのキー

ボード、マウス等、入力デバイスの反応速度を高め

るなど、プレイヤーが体感するレスポンスをよくす

ることを課題とするもの。

C.5

高速性 - - - 計算や通信を高速化するなど、処理の高速化を課題

とするもの。 C.6

経済性 - - -

製造の低コスト化、開発容易性など、経済性を高め

ることを課題とするもの。ただし、省電力やバッテ

リーの小型化に関するものは「携帯性」に付与する。

C.7

信頼性

健全性 - -

ゲームプレイのやりすぎなどによりプレイヤーの健

康を損なったり、依存症になったり、不健全な心理

を助長したりすることを防止し、安全性を高めるこ

とを課題とするもの。

C.8.1

個人情報保護 - - 個人のプライバシー保護を強化することを課題とす

るもの。 C.8.2

機器の信頼性 - -

機器の検査、エラー検知等、エラー防止を課題とす

るもの。ただし、情報に関するものは「情報セキュ

リティ」に付与する。

C.8.3

耐環境性

騒音 - - 騒音環境下でもゲームプレイを楽しめるようにする

ことを課題とするもの。 C.9.1

その他耐環境性 - -

上記に分類されない、特徴ある環境条件下でもゲー

ムプレイを楽しめるようにすることを課題とするも

の。

C.9.2

携帯性 - - -

据置型ゲーム機向けからスマホ向けにタイトルを移

植するなどのために、小型化、薄型化、軽量化、省

電力化など、携帯性を高めることを課題とするもの。

C.10

- 32 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 4-8 「目的・効果」に関する技術区分

第 1 階

層 第 2 階層

第 3

階層

第 4

階層 付与ルール

技術区分

コード

分野

教育・訓練 - - ゲームを教育目的あるいはその効果を狙って活用する

もの。 D.1.1

フィジカ

ル・ヘルス

ケア

- - ゲームを、スポーツ、リハビリなど、フィジカル・ヘル

スケア目的あるいはその効果を狙って活用するもの。 D.1.2

メンタル・

ヘルスケア - -

ゲームを、高齢者の老化防止、脳機能の向上など、メン

タル・ヘルスケア目的あるいはその効果を狙って活用す

るもの。

D.1.3

防災 - - ゲームを、防災訓練など、防災目的あるいはその効果を

狙って活用するもの。 D.1.4

クラウドソ

ーシング - -

画像へのタグ付けなど、多くの人々に協力してもらった

方が、達成量が増え、精度を高められるような仕事を、

ゲームの形態を活用することで効果的に行うもの。

D.1.5

その他 - -

その他、ゲームのエンターテインメント以外の目的・効

果を狙って活用するもの。概要/目的・効果に関するキ

ーワードをメモする。

D.1.6

対象

子供向け - - 子供の学習に資するゲームなど、子供向けのゲーム活用

の効果を謳うもの。 D.2.1

高齢者向け - - 認知症予防など、高齢者向けのゲーム活用の効果を謳う

もの。 D.2.2

その他 - - その他、特定のプレイヤーセグメントを対象とした効果

を謳うもの。 D.2.3

3. 調査対象特許件数

調査対象は、検索結果から調査対象外の技術に関する特許を除いたものとし、調査対

象の特許ファミリーに含まれる出願に対して、上記の技術区分(表 4-5~表 4-8)を用い

て分類した。調査対象の出願先国別出願件数を表 4-9 に示す。なお、登録特許は検索日

時点で公報がデータベースに収録されたものを対象とし、公開特許と登録特許が重複す

る場合等は 1 件の出願とカウントした。

表 4-9 対象とした出願先国別特許出願件数

出願先国 分析対象の出願件数

PCT 出願 7,316

日本 9,922

米国 17,828

欧州 4,626

中国 8,365

韓国 5,059

ASEAN 各国 405

日米欧中韓 ASEAN 各国への出願 合計 46,205

- 33 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

第 2 節 全体動向調査

1. 出願先国別出願動向

日米欧中韓 ASEAN 各国への出願における出願先国別の出願件数推移と出願件数比率を

図 4-1 に示す。

出願先国ごとの全出願件数に対する比率は、米国への出願が 38.6%(17,828 件)と最

も高く、次いで日本への出願が 21.5%(9,922 件)、中国への出願が 18.1%(8,365 件)

と続いている。

全体の出願件数は 2010 年から 2011 年の間増加しており、2012 年以降 2014 年までは

ほぼ横ばい、その後は減少傾向となっている。

国籍別の推移では、2010 年より米国が他の国や地域より突出していたが、年々減少傾

向にあり 2016 年には日本、中国と同水準となっている。また、日本はほぼ横ばい、中国

は 2012 年以降増加傾向となっており、韓国は減少傾向となっている。

図 4-1 出願先国別出願件数推移及び出願件数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010-2016 年)

2. 出願人国籍別出願動向

日米欧中韓 ASEAN 各国への出願における出願人国籍別のファミリー件数推移及びファ

ミリー件数比率を図 4-2 に示す。

出願人国籍としては米国籍が 11,498 件(34.0%)で最も多く、次いで日本国籍が 9,943

件(29.4%)、中国籍が 4,902 件(14.5%)、韓国籍が 3,998 件(11.8%)と続いている。

出願件数全体の推移は、ほぼ横ばいであるが 2013 年以降はやや減少傾向にある。

国籍別の推移では、2010 年から 2014 年の間は、米国籍と日本国籍が他の国籍に比べて

突出している。また、中国籍が 2010 年以降に顕著な増加傾向となっており 2016 年には

最多となっている。韓国籍は 2011 年にピークに達して以降減少傾向である。

6,987 7,527

6,985 6,852 6,895

5,808

5,151

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN各国 合計

出願先国(地域)

優先権主張

2010-2016年日本

9,922件

21.5%

米国

17,828件

38.6%

欧州

4,626件

10.0%

中国

8,365件

18.1%

韓国

5,059件

10.9%

ASEAN各国

405件

0.9%

合計

46,205件

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 34 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-2 出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への

出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

4,556

5,209 5,030 5,086

4,740 4,572 4,586

0

600

1,200

1,800

2,400

3,000

3,600

4,200

4,800

5,400

6,000

0

300

600

900

1,200

1,500

1,800

2,100

2,400

2,700

3,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN各国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

日本国籍

9,943件

29.4%

米国籍

11,498件

34.0%

欧州国籍

1,932件

5.7%

中国籍

4,902件

14.5%

韓国籍

3,998件

11.8%

ASEAN各国

の国籍

66件0.2%

その他

1,440件

4.3%

合計

33,779件

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 35 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

第 3 節 技術区分別動向調査

1.技術区分「要素技術」に関する動向

(1) 技術区分別ファミリー件数推移

技術区分「要素技術」の第 1 階層及び第 2 階層におけるファミリー件数推移を図 4-3

に示す。

調査期間を通じて「入力」の件数が最も多く、「通信」及び「出力」が同水準で続いて

いる。次いで「記憶」、「処理」となっている。いずれも 2011 年から 2014 年まではほぼ

横ばいで推移しており、2015 年以降はやや減少している。

図 4-3 技術区分「要素技術(第 1 階層及び第 2 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧中韓

ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

入力 3,204 3,759 3,972 3,923 3,808 3,276 2,729

・ユーザーインターフェイス 2,092 2,555 3,374 3,196 3,065 2,399 1,593

・センシング 2,474 2,805 2,868 2,736 2,875 2,368 1,982

出力 2,752 3,147 2,969 3,232 3,272 2,907 2,698

・ビジュアル生成 2073 2268 2074 2238 2337 2184 2190

・サウンド生成 1213 1461 1339 1669 1874 1276 842

・体感生成 786 846 654 817 1083 883 608

・複数出力の連携 435 552 593 959 1218 849 463

処理 1796 2155 1904 2051 2143 1730 1259

・認識 1545 1733 1487 1694 1835 1501 1095

・認証 472 676 640 531 573 431251

通信 2718 3303 2981 3219 3319 2659 1670

・通信制御 1144 1574 1480 1609 1944 1699 1284

・リモートプレイ 1058 1133 493 677 892 558300

・配信 1301 1542 1198 1434 1382 942 546

・ローカル通信/端末間コ

ミュニケーション1435 1680 1699 1683 1703 1119 593

記憶 2112 2638 2262 2483 2598 1849 1007

・プレイヤーデータ記録 1836 2230 1820 1966 2077 1437 725

・メディアデータ記録 559 746 596 845 1034 648260

要素技術(第1・2階層)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

- 36 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

技術区分「要素技術-入力」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層におけるファミリー

件数推移を図 4-4 に示す。

2012 年から 2015 年の間は「ユーザーインターフェイス」の件数が多く、その他の年

では「センシング」が多い。

「ユーザーインターフェイス」は、2010 年から 2012 年間増加傾向であったが、その

後横ばいとなり、2015 年以降は減少傾向となっている。

「センシング」は、2010 年から 2014 年までほぼ横ばいで 2015 年以降やや減少して

いる。「センシング」の下位区分では「画像」が最も多い。「画像」の下位区分の「2 次

元」及び「3 次元」は、2010 年以降は終始減少傾向を示しており、特徴的である。「そ

の他センシング」には、「磁気」「温度」「赤外線」等が含まれる。

図 4-4 技術区分「要素技術-入力(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐ファミリー件数推

移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

・ユーザーインターフェイス 2,092 2,555 3,374 3,196 3,065 2,399 1,593

・・物理コントローラー 1,388 1,807 2,989 2,821 2,672 1,980 1,188

・・・着脱式175 248 188 311

518 357 276

・・・模型91 119 111 120 187 133 129

・・・その他物理コントロー

ラー 3 8 6 2 4 2・・ソフトウェアインターフェ

イス 146 123 210 310488

312 108

・・・仮想コントローラー104 74 197 218 246 126 84

・・・その他ソフトウェアイン

ターフェイス 1 3・・カード、フィギュア等の

玩具体

72 58 106 147 128 112 130

・・タッチパネルの操作方

法1249 1613 2103 1902 1936 1308 661

・・その他ユーザーインター

フェイス2 1 1

・センシング 2474 2805 2868 2736 2875 2368 1982

・・音声 1019 1176 1017 1078 1157 817 541

・・画像 1432 1519 1822 1787 1931 1442 906

・・・赤外線229 257

356 454 544 411219

・・・可視光45 53 118 158 186 137 53

・・・2次元 1073 1024226 169 197 207 196

・・・3次元 835 795 365 400 473308 155

・・接触/圧力 456 591 951 867 1026 722 435

・・傾き/加速度 495 559 685 712 881 650 591

・・生体情報281

328267

313 452269 172

・・GPS 713 836 708 763 844 540 420

・・その他センシング16 53 99 216

601 333100

要素技術(入力)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

- 37 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「要素技術-出力」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層におけるファミリー

件数推移を図 4-5 に示す。

調査期間を通じて「ビジュアル生成」の件数が最も多い。

「ビジュアル生成」は 2010 年以降ほぼ横ばいで推移している。「ビジュアル生成」の

下位区分では、「アニメーション」と「立体視」の件数が比較的多い。「アニメーション」

は 2015 年以降やや減少傾向となっている。

「サウンド生成」は「ビジュアル生成」に次いで件数が多い。2010 年から 2014 年の

間は増加傾向にあるが、2015 年以降は減少に転じている。

「体感生成」はほぼ横ばいで推移している。

- 38 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-5 技術区分「要素技術-出力(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐ファミリー件数推

移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・ビジュアル生成 2,073 2,268 2,074 2,238 2,337 2,184 2,190

・・プロジェクタ198

220 262 315 422 333 200

・・特殊ディスプレイ 291 253 230 521 626 667 767

・・・HMD 281 252 215 505 616 661 715

・・・凹面/ドーム型1 6 6 1 2 14

・・・観戦用1 2 3 2 4

・・ビジュアルエフェクト 408 407 492 466 533 502 736

・・アニメーション 804 945 889 784 807 576 434

・・立体視 776 753 367 490 636 584 497

・・仮想カメラの制御 383 334 229 228 287 279 258

・・モーション 464 492 456 553 643 600 462

・・・ヒト型 345 284194

233 272 277 277

・・・ヒト型でない生物9 19 45 37 41 28 8

・・・自然現象62 57 52 62 122 78 56

・・・その他モーション3 14 90 35 1 1

・・画質制御126 136 146 201

302 238149

・・その他ビジュアル生成 1 3 14 11 8 2 1

・サウンド生成 1213 1461 1339 1669 1874 1276 842

・・波形 999 1150 978 1062 1190 817 530

・・・声 515 630 543 584 786 541 316

・・・BGM152 121 152 195 177 104 70

・・・環境音 228 28178 195

261159 121

・・・サウンドエフェクト 446 446 458 446 428 264147

・・プログラム合成55 64 67 111 218 138 122

・・空間音響の表現41 50 152 203 209 124 80

・・・空間音響のリアルタイ

ムシミュレーション 1 1 79 37 3 6 21・・・その他空間音響の表

現 1

・・その他サウンド生成5 2

・体感生成 786 846 654 817 1083 883 608

・・振動246

248140 172

335 285215

・・傾き・加速度 410 360213 245

333229 159

・・反力39 51 63 104 173 132 46

・・皮膚感覚68 91 85 179

322 246199

・・環境提示 194 268 294 381 502 383 247

・・嗅覚14 27 8 5 29 26 19

・・その他体感生成 1 2

・複数出力の連携 435 552 593 959 1218 849 463

要素技術(出力)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 39 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「要素技術-処理」の第 2 階層及び第 3 階層におけるファミリー件数推移を

図 4-6 に示す。

調査期間を通じて「認識」の件数が多く、「認証」が続いている。いずれも 2011 年か

ら 2014 年まではほぼ横ばいで推移し、2015 年以降やや減少している。

「認識」の下位区分では「ジェスチャ」の件数が最も多く、ほぼ横ばいで推移してい

る。また、「図形/文字」が 2010 年から 2014 年の間で大きく増加しており、特徴的であ

る。

図 4-6 技術区分「要素技術-処理(第 2 階層及び第 3 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧

中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

・認識 1,545 1,733 1,487 1,694 1,835 1,501 1,095

・・ジェスチャー 636 757 819 949 965 783 560

・・視線 505 477 287 441 587 429 275

・・空間把握 513 445 252 323 406 268 145

・・図形/文字 98 129 187 278 478 326 111

・・自然言語処理26 19 30 60 118 59 31

・・コマンド認識 440 458 180 296 430 265103

・・行動意図推定 119 16461 97

14672 42

・・心理状態認識66 66 33 68

14155 50

・認証 472 676 640 531 573 431 251

要素技術(処理)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

- 40 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

技術区分「要素技術-通信」の第 2 階層及び第 3 階層におけるファミリー件数推移を

図 4-7 に示す。

調査期間を通じて「通信制御」、「配信」及び「ローカル通信/端末間コミュニケーシ

ョン」の件数が多く、「リモートプレイ」がやや少ない。

「通信制御」は 2011 年から 2015 年の間の件数が多い。「通信制御」の下位区分では

「負荷分散」及び「同期制御」の件数が比較的多く、いずれもほぼ横ばいで推移してい

る。

「配信」は 2010 年から 2014 年までは件数の増減を繰り返しているが、2015 年以降

は減少傾向である。下位区分の「その他配信」の殆どを占める「CDN(コンテンツ・デリ

バリー・ネットワーク)」は、2012 年と 2013 年で増加が見られる。

「ローカル通信/端末間コミュニケーション」は 2010 年から 2014 年の間の件数が多

く、2015 年以降は減少している。

図 4-7 技術区分「要素技術-通信(第 2 階層及び第 3 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧

中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

・通信制御 1,144 1,574 1,480 1,609 1,944 1,699 1,284

・・負荷分散 346 456 429 336 403 338 262

・・同期制御 290 344 203 241 336 252 159

・・切断時対応 79 87 79 92 103

84 52

・・圧縮通信 184 198 180 210 211 158102

・・その他通信制御6 8 2 1 1

・リモートプレイ 1058 1133 493 677 892 558 300

・配信 1301 1542 1198 1434 1382 942 546

・・リアルタイム配信 207 194 161 215 285 280 225

・・その他配信33 52

470 22722 4 1

・ローカル通信/端末間コ

ミュニケーション1435 1680 1699 1683 1703 1119 593

要素技術(通信)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

- 41 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(2) 技術区分別-出願人国籍別ファミリー件数

技術区分「要素技術」の第 1 階層及び第 2 階層における出願人国籍別のファミリー件

数を図 4-8 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「入力」の件数が最も多い。次いで日本国

籍、中国籍及び韓国籍では「出力」、米国籍、欧州国籍及び ASEAN 各国籍では「通信」

が多くなっている。どの区分もおしなべて件数が多く、区分間の差は比較的小さい。

図 4-8 技術区分「要素技術(第 1 階層及び第 2 階層)」‐出願人国籍別‐ファミリー件数(日

米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

入力 7,725 9,426 1,455

3,205 1,742 43 1,075

・ユーザーインター

フェイス6,775 7,689

1,078 1,002

920 32 778

・センシング 5,255 7,139 1,111

2,392 1,453 31 727

出力 6,337 8,283 1,196

2,820 1,475 39 827

・ビジュアル生成 4,473 5,939 808

2,292 1,220 31 601

・サウンド生成 3,537 4,381 475 583 350 18 330

・体感生成1,445

2,636 403 607 339 9 238

・複数出力の連携 842 3,338 323 142 157 9 258

処理 4,215 5,513 688 1,163 956 18 485

・認識 3,436 4,670 580 1,107 664 15 418

・認証1,228

1,597 148 80 398 4 119

通信 4,445 9,206 1,260

2,538 1,464 40 916

・通信制御 2,558 4,714 613

1,635 791 24 399

・リモートプレイ394

3,609 299 365 113 13 318

・配信 1,934 4,366 515 789 397 21 323

・ローカル通信/端末

間コミュニケーション2,077 5,781

696 487 419 19 433

記憶 4,012 8,239 951 340 699 24 684

・プレイヤーデータ記

録3,209 6,769

691 255 591 22 554

・メディアデータ記録1,481

2,507 268 75 182 7 168

要素技術(第1・2階

層)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 42 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

技術区分「要素技術-入力」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層における出願人国籍

別のファミリー件数を図 4-9 に示す。

「ユーザーインターフェイス」では、米国籍及び日本国籍が突出している。「ユーザ

ーインターフェイス」の下位区分では、各国籍とも「物理コントローラ」が最多である

が、他には日本国籍で「タッチパネルの操作方法」、米国籍で「ソフトウェアインター

フェイス」が比較的多いのが特徴的である。

「センシング」では、米国籍及び日本国籍が突出しているが、中国籍及び韓国籍の件

数もやや多くなっている。「センシング」の下位区分では、いずれの国籍でも「画像」が

最も多い。また、他には米国籍で「GPS」が多い。

- 43 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 4-9 技術区分「要素技術-入力(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐出願人国籍別‐フ

ァミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・ユーザーインター

フェイス6,775 7,689

1,078 1,002 920

32 778

・・物理コントロー

ラー5,700 6,329 886 754

573 24 579

・・・着脱式625 1,076 117 84 76 8 87

・・・模型

359 261 44 81 105 3 37 ・・・その他物理コント

ローラー 5 9 7 4

・・ソフトウェアイン

ターフェイス 271 951

117 141 108 2 107 ・・・仮想コントロー

ラー 114 676 68 74 45 72 ・・・その他ソフトウェ

アインターフェイス 4

・・カード、フィギュア

等の玩具体

231 327

37 103 37 18

・・タッチパネルの操

作方法4,880 4,154

542 261 520 16 399 ・・その他ユーザーイ

ンターフェイス1

1 1 1

・センシング 5,255 7,139

1,111

2,392 1,453 31

727

・・音声 1,785 3,346 415

708 294 12 245

・・画像 3,586 4,584 712 926 577 20 434

・・・赤外線629

1,228 124 280 91 2 116

・・・可視光267 414 28 4 14 2 21

・・・2次元 1,276 921 158 391 260 3 83

・・・3次元1,077

1,479 232 223 167 7 146

・・接触・圧力1,315

1,906 329 741 575 6 176

・・傾き・加速度 2,005 1,401 209 537 281 6 134

・・生体情報 853 889 72 118 90 1 59

・・GPS 827 2,734 298 421 346 9 189

・・その他センシング442 674 79 66 89 4 64

要素技術(入力)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 44 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

技術区分「要素技術-出力」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層における出願人国籍

別のファミリー件数を図 4-10 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「ビジュアル生成」の件数が最も多い。他

には「サウンド生成」、「体感生成」が上位である。いずれの区分も米国籍が最も多く、

次いで日本国籍が多い。

「ビジュアル生成」の下位区分では、日本国籍では「仮想カメラの制御」を筆頭に 6

程度の区分が同水準で並んでいる。欧州国籍及び米国籍では「アニメーション」が最も

多く、特に米国籍で顕著である。中国籍では「モーション」、韓国籍では「ビジュアルエ

フェクト」が最も多い。

「サウンド生成」の下位区分では、いずれの国籍でも「波形」の件数が最も多い。

「複数出力の連携」では、他の区分と比較して件数が少ないが、米国籍の件数が突出

している。

- 45 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 4-10 技術区分「要素技術-出力(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐出願人国籍別‐フ

ァミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・ビジュアル生成 4,473 5,939 808 2,292 1,220 31

601

・・プロジェクタ421

921 126 286 99 7 90

・・特殊ディスプレイ 1,118 1,565 146 207 204 115

・・・HMD1,107 1,549

142 157 181 109

・・・凹面/ドーム型4 5 1 12 6 2

・・・観戦用6 1 5

・・ビジュアルエフェク

ト960 1,112

120 669 567

15 101 ・・アニメーション 1,215 2,670

322 408 353 13 258

・・立体視 1,040 1,705 236

574 357 10 181

・・仮想カメラの制御 1,414 407 66 37 31 3 40

・・モーション 516 1,631 200

866 287 6 164

・・・ヒト型224 563 88

727 202 4 74

・・・ヒト型でない生物37 114 18 1 10 7

・・・自然現象 69 252 39 80 21 1 27

・・・その他モーション12 123 5 3 1

・・画質制御387

643 78 54 61 2 73

・・その他ビジュアル

生成 12 11 2 1 12 2

・サウンド生成 3,537 4,381 475

583 350 18 330

・・波形 3,187 2,329 225 505 277 13 190

・・・声 2,346 869 93 357 164 7 79

・・・BGM460 328 93 27 28 2 33

・・・環境音148

982 62 28 47 56

・・・サウンドエフェク

ト1,399 892

56 114 96 8 70

・・プログラム合成67 556 52 16 42 1 41

・・空間音響の表現150 552 82 26 23 1 25

・・・空間音響のリアルタ

イムシミュレーショ ン 43 45 39 14 4

3

・・・その他空間音響の

表現 1

・・その他サウンド生

成 1 1 5

・体感生成 1,445 2,636 403

607 339 9 238

・・振動407

699 104 168 191 4 68

・・傾き/加速度 654 698 142 306 61 3 85

・・反力94 316 28 83 55 2 30

・・皮膚感覚122

789 76 84 79 2 38

・・環境提示578

1,271 171 60 80 4 105

・・嗅覚61 29 5 22

6 5

・・その他体感生成1

2

・複数出力の連携 842 3,338 323 142 157 9 258

要素技術(出力)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 46 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

技術区分「要素技術-処理」の第 2 階層及び第 3 階層における出願人国籍別のファミ

リー件数を図 4-11 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「認識」が「認証」の件数を上回っている。

また、いずれも米国籍及び日本国籍が突出している。

「認識」の下位区分では、いずれの国籍でも「ジェスチャ」の件数が最も多い。また、

米国籍では「コマンド認識」も比較的多い。

「認証」では、米国籍及び日本国籍以外では韓国籍の件数が比較的多い。

図 4-11 技術区分「要素技術-処理(第 2 階層及び第 3 階層)」‐出願人国籍別‐ファミリー件

数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・認識 3,436 4,670 580 1,107 664 15

418

・・ジェスチャ 1,568 2,697 238

500 284 7 175

・・視線 1,483 1,167 95 73 115 68

・・空間把握 1,004 955 127 47 133 1 85

・・図形・文字 471 791 97 65 100 3 80

・・自然言語処理168 117 16 15 20 2 5

・・コマンド認識323

1,387 161 62 114 4 121

・・行動意図推定66

488 68 19 16 44

・・心理状態認識105

288 22 16 19 1 28

・認証 1,228 1,597 148 80 398 4 119

要素技術(処理)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 47 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「要素技術-通信」の第 2 階層及び第 3 階層における出願人国籍別のファミ

リー件数を図 4-12 に示す。

出願人国籍別に見ると、日本国籍、中国籍、韓国籍および ASEAN 各国籍では「通信制

御」が、米国籍及び欧州国籍では「ローカル通信/端末間コミュニケーション」の件数

が最も多い。

「通信制御」の下位区分では、「同期制御」及び「圧縮通信」で米国籍が、「負荷分散」

で中国籍が、「切断時対応」で日本国籍が最多となっている。

「リモートプレイ」、「配信」及び「ローカル通信/端末間コミュニケーション」では

米国籍が突出している。

図 4-12 技術区分「要素技術-通信(第 2 階層及び第 3 階層)」‐出願人国籍別‐ファミリー件

数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・通信制御 2,558 4,714 613 1,635 791 24 399

・・負荷分散 430 729 134

979 217 3 78

・・同期制御257

963 112 318 103 10 62

・・切断時対応177 151 44 90 92 22

・・圧縮通信347

529 90 155 70 3 49

・・その他通信制御7

5 2 1 3

・リモートプレイ394

3,609 299 365 113 13 318

・配信 1,934 4,366 515

789 397 21 323

・・リアルタイム配信214

483 78

605 128 4 55

・・その他配信105

550 76 20 28 30

・ローカル通信/端末

間コミュニケーション2,077 5,781 696 487 419

19 433

要素技術(通信)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 48 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

2.技術区分「コンテンツ」に関する動向

(1) 技術区分別ファミリー件数推移

技術区分「コンテンツ」の第 1 階層及び第 2 階層におけるファミリー件数推移を図 4-

13 に示す。

「ジャンル」においては、「アクション」が最も多く、次いで「シミュレーション」が

続いている。

「ゲーム方式」においては、「制御方法」が最も多く、特に「xR」が近年急増してい

る。

「ゲーム基盤」においては、「開発/運営環境」が最も多く、次いで「コンテンツ管理」

が続いている。「データマイニング」の件数は他区分と比較すると少ない。

図 4-13 技術区分「コンテンツ(第 1 階層及び第 2 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧中韓

ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

ジャンル 2,813 3,271 2,934 3,064 3,148 2,642 1,809

・パズル230 346 353 386 315 259 146

・クイズ272 324 185 239 236 166 89

・ロールプレイング197 301 309 282 262 231 126

・アドベンチャー167 186 189 186 178 99 53

・シミュレーション 840 965 967 1,098 1,183 946 524

・アクション 2,444 2,865 2,514 2,646 2,735 2,282 1,488

ゲーム方式 3,323 4,004 3,919 4,062 3,727 3,233 3,120

・マルチプレイ 816 1,147 1,496 1,679 1,565 1,153 748

・制御方法 2,756 3,374 3,394 3,508 3,267 2,568 1,785

・ゲームルール 1,177 1,437 1,831 1,611 1,396 906 472

・xR 704 677 574 870 867 918 1,462

ゲーム基盤 3,028 3,726 4,064 4,073 3,864 3,321 2,670

・課金・決済・収益方法 1,184 1,560 1,815 1,690 1,472 890 567

・情報セキュリティ 554 579 572 654 602 356 152

・コンテンツ管理 1,624 1,997 1,938 2,183 2,265 1,864 1,215

・データマイニング19 19

24 32 49 3524

・開発・運営環境 1,613 2,126 3,368 3,316 3,109 2,497 1,878

コンテンツ

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 49 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ジャンル」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層におけるファ

ミリー件数推移を図 4-14 に示す。

調査期間を通じて「アクション」の件数が最も多く、次いで「シミュレーション」が

多い。

「アクション」は 2010 年から 2014 年の間の件数が多く、2015 年以降は減少してい

る。「アクション」の下位区分では、「スポーツ」と「乗り物」が同水準で多く、「音楽」

が続いている。いずれも上位区分「アクション」と同様の傾向で推移している。

「シミュレーション」は、2010 年から 2014 年の間はやや増加傾向にあるが、2015 年

以降は減少傾向に転じている。「シミュレーション」の下位区分では「ウォー・シミュ

レーション、ストラテジー」が突出して多いが、2011 年にピークに達して以降は減少傾

向である。

- 50 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-14 技術区分「コンテンツ-ジャンル(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐ファミリー

件数推移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・パズル 230 346 353 386 315 259 146

・クイズ 272 324 185

239 236 166 89

・ロールプレイング197

301 309 282 262 231 126

・アドベンチャー 167 186 189 186 178 99 53

・シミュレーション 840 965 967 1098 1183 946 524

・・ウォー・シミュレーショ

ン、ストラテジー474 554 443 489 457 269

138

・・・拠点制圧9 10 20 54 47 35 22

・・・その他ウォー・シミュ

レーション、ストラテジー 3 3 2 2 5 6 5

・・経営・育成シミュレーショ

ン 86 89243 232 240 208

88

・・その他シミュレーション15 14 84 50 8 2

・アクション 2444 2865 2514 2646 2735 2282 1488

・・シューティング 363 474 512 584 610 435 252

・・・FPS173

225 200 254 221142 93

・・・TPS91 135 65 71 56 70 31

・・・その他シューティング2 3 1 1 3

・・対戦/格闘 505 630 499 735 726 614 324

・・スポーツ 1165 1312 1084 963 1036 697 467

・・乗り物 1234 1442 899 993 1165 810 549

・・音楽 928 1094 885 930 906 733 467

・・その他アクション6 3 1

コンテンツ(ジャンル)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 51 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ゲーム方式」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層におけるフ

ァミリー件数推移を図 4-15 に示す。

調査期間を通じて「制御方法」が最も件数が多く、「ゲームルール」、「マルチプレイ」

と続いている。

「制御方法」は 2010 年から 2013 年まではやや増加傾向であるが、2014 年以降は減

少傾向となっている。「制御方法」の下位区分では「報酬の与え方」の件数が最も多く、

上位区分の「制御方法」と同様の傾向で推移している。

「ゲームルール」は 2012 年にはピークに達し、以降は減少傾向となっている。「ゲー

ムルール」の下位区分では、「カードゲーム」の件数が比較的多く、上位区分の「ゲーム

ルール」と同様の傾向である。

また、「xR」は 2013 年以降増加傾向の上、2016 年には特に大きく増加しており、特徴

的である。「xR」の下位分類である「その他 xR」はその殆どが「MR(複合現実)」である。

- 52 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-15 技術区分「コンテンツ-ゲーム方式(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐ファミリ

ー件数推移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・マルチプレイ 816 1,147 1,496 1,679 1,565 1,153 748

・・マッチング機能196 239 211 477

528 383 252

・・対戦方式250 312 435

531 416 379 210

・・・MOBA1 4 15 70 14 33 14

・・・バトルロイヤル4 12 23 30 19 5 1

・・協力プレイ203 358

818 640 540389 205

・・MMO

137 180 262 237 154 86 56

・・その他マルチプレイ10 25 133 62 6 1

・制御方法 2756 3374 3394 3508 3267 2568 1785

・・ステータス判定 818 1144 1505 1489 1327 990 624

・・・スタミナ311 383 182 183 296 222 139

・・・キャラクターのパラメー

ター465 744 1289 1227 1026 767 455

・・ゲーム要素の合成/進

化 317 400606 867 1024 749

325

・・シナリオ分岐179 190 321 369 223 169 127

・・現実の世界との連動194 195 375 323 349 237 165

・・・空間・場所的連動98 93 150 90 87 54 98

・・・時間・期間的連動67 75 123 79 101 63 80

・・・代替現実20 15 57 105 93 84 74

・・報酬の与え方 1541 1921 2088 2031 1825 1172 670

・・プレイヤー間でのゲー

ム要素の移動919 1102 927 1038 925 592

379

・・難易度調整 536 777 1022 1056 771443 204

・・通信遅延対策218 151 112 149 154 84 84

・・ローディング時の処理101 89 139 152 144 118 97

・・その他制御方法1 5 4 3 2 3

・ゲームルール 1177 1437 1831 1611 1396 906 472

・・カードゲーム 644 778 1065 952 810 496202

・・盤上ゲーム323 385

631 546 527253 88

・・カジノ 795 944 881 783 593329 253

・・・パチンコ、スロット 619 739 718 599 464231 173

・・・その他カジノ 400 444166 153 128 86 76

・・その他ゲームルール9 4 11 26 9 9 9

・xR 704 677 574 870 867 918 1,462

・・VR410 342 322

566 633 725 1221

・・AR 524 511 429 648 607 497 619

・・その他xR109 72 67 90 82 82 128

コンテンツ(ゲーム方式)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 53 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤」の第 2 階層及び第 3 階層におけるファミリー件

数推移を図 4-16 に示す。

調査期間を通じて「開発/運営環境」の件数が上位にあり、2011 年以降は最多である。

次いで「コンテンツ管理」が多い。「データマイニング」の件数は極めて少ない。

「開発/運営環境」は 2012 年から 2014 年の間の件数が増加している。「開発/運営環

境」の下位区分では、「プラットフォームの種類」が突出しており、上位区分の「開発/

運営環境」と同様の傾向である。

「コンテンツ管理」は 2010 年から 2014 年の間はやや増加の傾向にあったが、2015 年

以降は減少している。「コンテンツ管理」の下位区分では、件数はそれほど多くないが

「プログラマブルなゲーム登場物」が 2010 年から 2014 年にかけて大きく増加してい

る。

- 54 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-16 技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤(第 2 階層及び第 3 階層)」‐ファミリー件数推

移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・課金/決済/収益方法 1,184 1,560 1,815 1,690 1,472 890 567

・・アイテム課金297 464

876 833 726 456 279

・・広告 949 1,178 991 912 876 476 280

・・イベント52 107 219 301 235 151 47

・・その他課金・決済・収益

方法 11 13 38 57 26 6 17

・情報セキュリティ 554 579 572 654 602356 152

・・サーバーの保護190 180 346 281 208 134 45

・・不正通信検出

75 109 225 173 92 67 41

・・規約違反防止15 17 31 38 25 20 13

・コンテンツ管理 1,624 1,997 1,938 2,183 2,265 1,864 1,215

・・著作権保護249 323 134 148 123 64 40

・・ソフトウェア更新 585 681 515 592 695 429228

・・コンテンツ配布方法275 377

752 732 493 424267

・・プログラマブルなゲーム

登場物 97 115 208 337 467 401 169・・ユーザージェネレーテッ

ドコンテンツ826 912 647 934 1,175 1,109 657

・・ブロックチェーンゲーム2 3 4 12 9 3

・データマイニング19 19 24 32 49 35 24

・・逐次改良10 3 6 8 7 22 12

・・その他データマイニング 5 8 1

・開発/運営環境 1,613 2,126 3,368 3,316 3,109 2,497 1,878

・・プラットフォームの種類 1,289 1,673 3,055 2,936 2,678 2,031 1,388

・・開発環境378

579 664 934 1,191 820 500

・・AIによる開発87 130 216 299 267 164 65

・・モデリング123 133 173 210 224 215 144

コンテンツ(ビジネス基盤

第2・3階層)

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 55 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤」の第 3 階層及び第 4 階層におけるファミリー

件数推移を図 4-17 に示す。

調査期間を通じて「プラットフォームの種類」の件数が突出しており、最多となって

いる。次いで「開発環境」が多い。「AI による開発」及び「モデリング」は比較的少な

い。

「プラットフォームの種類」は、2012 年に件数が急増しているが、その後は減少傾向

にある。「プラットフォームの種類」の下位区分では、「スマートフォン」及び「PC」の

件数が比較的多く、上位区分の「プラットフォームの種類」と同様の推移である。

「開発環境」は 2010 年から 2014 年の間で増加傾向にあったが、2015 年以降は減少

傾向となっている。「開発環境」の下位区分では、「開発物の可視化」の件数が最も多く、

2012 年から 2014 年の間の増加が顕著である。

「AI による開発」は、2012 年から 2014 年の間の件数が比較的多い。

- 56 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-17 技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤(第 3 階層及び第 4 階層)」‐ファミリー件数推

移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・・プラットフォームの種類 1,289 1,673 3,055 2,936 2,678 2,031 1,388

・・・据え置き型ゲーム機 317 410 1,015 950 747 387 219

・・・携帯型ゲーム機228

358 795 805 761 442 281

・・・スマートフォン 729 1,107 2,215 2,204 2,064 1,561 964

・・・PC 660 1,014 2,234 2,192 2,097 1,442 673

・・・アーケード

98 118 228 270 150 166 186

・・・ソーシャルゲーム241

467 925 809 619 394190

・・・異なる種類のゲーム機

間の連携12 18 48 61 97 79 40

・・開発環境 378 579 664 934 1,191 820 500

・・・クラウド開発環境33 150

291 343 335 197 78

・・・マルチプラットフォーム

開発環境 73 89 63 82 109 103 68

・・・開発物の可視化209 282 248

494 806 531289

・・・その他開発環境11 14

・・AIによる開発87 130 216 299 267 164 65

・・・AIによる制作2 2 6 5 3 16 20

・・・AIによるNPC制御4 16 38 24 14 17 12

・・・AIによるルート制御4 11 16

・・・AIによるゲームバラン

ス制御 3 3 53 3 3 12

・・・AIによる品質保証1 7 5 2 1 2

・・・その他AIによる開発18 15 2

・・モデリング123 133 173 210 224 215 144

・・・モーションキャプチャー68 60 109 133 99 70 48

・・・プロシージャルモデリン

グ 32 45 39 66 106 112 71

・・・その他モデリング1

コンテンツ(ビジネス基盤

第3・4階層 )

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 57 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(2) 技術区分別-出願人国籍別ファミリー件数

技術区分「コンテンツ-ジャンル」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層における出願

人国籍別のファミリー件数を図 4-18 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「アクション」の件数が最も多く、次いで

「シミュレーション」となっている。

「アクション」は米国籍の件数が最も多く、次いで日本国籍が多い。「アクション」の

下位区分では、米国籍、欧州国籍及び韓国籍では「スポーツ」、日本国籍では「対戦/格

闘」、中国籍では「音楽」、ASEAN 各国では「乗り物」が最も多く、国籍ごとの特徴が出

ている。

「シミュレーション」は、米国籍の件数が最も多く、次いで日本国籍が多い。「シミュ

レーション」の下位区分では、いずれの国籍でも「ウォー・シミュレーション、ストラ

レテジー 」が最も多い。

- 58 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-18 技術区分「コンテンツ-ジャンル(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐出願人国籍

別‐ファミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016

年)

・パズル552 993 108 54 234 5 89

・クイズ358 863 77 20 128 6 59

・ロールプレイング912 431 41 62 200 2 60

・アドベンチャー281 627 56 21 32 41

・シミュレーション 1,936 2,976 357 622 359 13 260

・・ウォー・シミュレー

ション、ストラテジー 820 1,371

151 227 159 5 91

・・・拠点制圧114 59 4 2 11 1 6

・・・その他ウォー・シミュ

レーショ ン、ストラテジー 14 8 2 2 ・・経営/育成シミュ

レーション 686 318 50 28 77 1 26 ・・その他シミュレー

ション17 109

14 4 11 1 17

・アクション 4,796 7,052 959

2,141 1,337 29 660

・・シューティング850 1,506 180 338 223 9 124

・・・FPS180 821 93 48 109 8 49

・・・TPS296 170 20 8 21 4

・・・その他シューティ

ング 3 2 1 2 1 1

・・対戦/格闘 2,042 1,449 125 193 144 3 77

・・スポーツ 1,556 3,572 414 285 572 9 316

・・乗り物 1,768 3,385 389 956 304 14 276

・・音楽1,541

2,561 257 1,007 335 10 232

・・その他アクション5 1 4

コンテンツ(ジャンル)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 59 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ゲーム方式」の第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層における出

願人国籍別のファミリー件数を図 4-9 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「制御方法」の件数が最も多い。次いで多

いのが、日本国籍、米国籍及び欧州国籍では「ゲームルール」、中国籍、韓国籍及び ASEAN

各国籍は「マルチプレイ」となっている。

「制御方法」は、米国籍の件数が最も多く、日本国籍が続いている。この 2 国籍が突

出して多い。「制御方法」の下位区分では、米国籍では「報酬の与え方」が、日本国籍で

は「ステータス判定」が最多となっている。

「xR」は米国籍の件数が突出しており、次いで中国籍が多い。

- 60 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-19 技術区分「コンテンツ-ゲーム方式(第 2 階層、第 3 階層及び第 4 階層)」‐出願人国

籍別‐ファミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016

年)

・マルチプレイ 2,825 3,409 377 787 850 19 337

・・マッチング機能495 895 117 515 150 7 107

・・対戦方式1,140 963 66 72 195 8 89

・・・MOBA42 76 28 4 1

・・・バトルロイヤル28 64 2

・・協力プレイ1,668 1,099 102 138 78 1 67

・・MMO218 573 65 49 150 3 54

・・その他マルチプレ

イ 16 168 20 10 18 5

・制御方法 6,000 9,317 1,265 1,753 1,321 40 956

・・ステータス判定 3,345 2,943 275 689 401 6 238

・・・スタミナ483 931 73 57 70 2 100

・・・キャラクターのパ

ラメーター2,523 2,145

194 631 321 3 156 ・・ゲーム要素の合

成/進化 1,816 1,604 220 296 185 3 164

・・シナリオ分岐664 668 57 71 56 62

・・現実の世界との連

動 662 799 116 59 122 3 77 ・・・空間/場所的連

動 283 274 41 17 24 1 30 ・・・時間/期間的連

動 196 286 35 8 32 2 29

・・・代替現実40 291 57 12 27 21

・・報酬の与え方 2,633 6,485 705 297 524 22 582 ・・プレイヤー間での

ゲーム要素の移動1,036

3,491 357 338 349 17 294

・・難易度調整1,346

2,692 264 99 168 6 234

・・通信遅延対策232 470 67 96 56 1 30

・・ローディング時の

処理 125 178 25 421 64 3 24

・・その他制御方法11 2 2

3

・ゲームルール 3,165 4,137 474 309 337 14 394

・・カードゲーム 2,055 2,361 171 99 102 4 155

・・盤上ゲーム501

1,624 224 163 109 5 127

・・カジノ1,353

2,519 248 90 143 9 216

・・・パチンコ、スロット1,222

1,879 154 82 71 6 129

・・・その他カジノ141 1,149 59 5 40 2 57

・・その他ゲームルー

ル 39 7 11 1 16 3

・xR886

3,085 431

938 442 6 284

・・VR513

2,180 292 734 300 4 196

・・AR584

2,264 290 273 245 3 176

・・その他xR50 463 61 8 27 2 19

コンテンツ(ゲーム方

式)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 61 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤」の第 2 階層及び第 3 階層における出願人国籍

別のファミリー件数を図 4-20 に示す。

出願人国籍別に見ると、中国籍以外の国籍で「開発/運営環境」の件数が最も多く、中

国籍は「コンテンツ管理」が最も多い。

「開発/運営環境」では、米国籍及び日本国籍が突出しており、その件数も僅差であ

る。「開発/運営環境」の下位区分では、いずれの国籍でも「プラットフォームの種類」

が大部分を占めている。その他では米国籍、中国籍及び欧州国籍で「開発環境」がやや

多い。

「コンテンツ管理」では、米国籍の件数が最多であり、次いで中国籍及び日本国籍が

僅差で並んでいる。「コンテンツ管理」の下位区分では、米国籍では「ソフトウェア更

新」、中国籍及び日本国籍では「ユーザージェネレーテッドコンテンツ」の件数が最も

多い。特に中国籍では「ユーザージェネレーテッドコンテンツ」の比率が極めて高く、

件数でも米国籍を上回っており、特徴的である。

「データマイニング」の件数は、いずれの国籍でもごくわずかである。米国籍以外で

は韓国籍の件数が多くなっている。

- 62 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-20 技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤(第 2 階層及び第 3 階層)」‐出願人国籍別‐フ

ァミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・課金/決済/収益方

法1,984 5,194

559 367 651 18 405

・・アイテム課金 1,236 1,950 193 202 244 1 105

・・広告595

3,899 378 161 350 16 263

・・イベント114

789 80

13 51 1

64

・・その他課金/決済

/収益方法 93 30 2 15 21 7

・情報セキュリティ 800 2,041 229 99 174 5 121

・・サーバーの保護295

756 120 53 101 1 58

・・不正通信検出329 269 46 30 89 19

・・規約違反防止63

51 3 12 26 4

・コンテンツ管理 2,861 5,371 691 2,870 780 25 488

・・著作権保護27

881 52 13 62 1 45

・・ソフトウェア更新530

2,230 220 463 154 10 118

・・コンテンツ配布方

法1,084 1,509

217 143 284 6 77

・・プログラマブルな

ゲーム登場物759 733

122 46 77 3 54 ・・ユーザージェネ

レーテッドコンテンツ1,189 1,616

239 2,623

349 8 236

・・ブロックチェーン

ゲーム 8 20 3 1 1

・データマイニング15 100 14 21 46 6

・・逐次改良5 16 3 12 31 1

・・その他データマイ

ニング4 4

5 1

・開発/運営環境 6,446 6,500 910 1,818 1,526 31 676

・・プラットフォームの

種類6,139 5,218 707 1,080 1,324

27 555

・・開発環境 751 2,699 325

779 264 8 240

・・AIによる開発273 659 102 82 61 51

・・モデリング328 500 52 223 77 2 40

コンテンツ(ビジネス

基盤-第2・3階層)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 63 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤」の第 3 階層及び第 4 階層における出願人国籍

別のファミリー件数を図 4-21 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「プラットフォームの種類」が最も多く、

次いで「開発環境」となっている。「AI による開発」及び「モデリング」は比較的少な

い。

「プラットフォームの種類」では、日本国籍の件数が最も多く、次いで米国籍となっ

ている。この 2 国籍が他を大きく上回っており、韓国籍、中国籍、欧州国籍と続いてい

る。「プラットフォームの種類」の下位区分では、いずれの国籍でも「PC」及び「スマー

トフォン」が上位となっている。

「開発環境」では、米国籍の件数が突出している。「開発環境」の下位区分では中国籍

及び ASEAN 各国籍を除いて「開発物の可視化」が最も多くなっている。中国籍及び ASEAN

各国籍では「クラウド開発環境」が最も多い。

- 64 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-21 技術区分「コンテンツ-ビジネス基盤(第 3 階層及び第 4 階層)」‐出願人国籍別‐フ

ァミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・・プラットフォームの

種類6,139 5,218 707 1,080 1,324

27 555 ・・・据え置き型ゲー

ム機1,776 1,742

183 84 118 8 134

・・・携帯型ゲーム機 1,492 1,618 200 90 103 3 164

・・・スマートフォン 4,660 3,786 489

728 844 19 318

・・・PC 4,212 4,060 552 475

598 18 397

・・・アーケード 723 319 18 8 108 2 38

・・・ソーシャルゲーム 1,298 1,556 172 147 386 3 83

・・・異なる種類の

ゲーム機間の連携 138 115 9 6 75 12

・・開発環境 751 2,699 325

779 264 8 240

・・・クラウド開発環境210

865 84 173 46 5 44

・・・マルチプラット

フォーム開発環境 73 266 41 143 35 29

・・・開発物の可視化509

1,746 214 98 107 3 182

・・・その他開発環境15 3 1 1 4 1

・・AIによる開発273

659 102 82 61 51

・・・AIによる制作7 20 1 19 6 1

・・・AIによるNPC制

御 55 20 3 30 13 4 ・・・AIによるルート制

御 8 10 6 5 1 1

・・・AIによるゲーム

バランス制御 4 48 5 12 8

・・・AIによる品質保

証 13 3 1 1 ・・・その他AIによる

開発 5 28 1 1

・・モデリング328 500 52 223 77 2 40

・・・モーションキャプ

チャー 122 326 23 60 28 28 ・・・プロシージャルモ

デリング 204 162 25 38 30 2 10

・・・その他モデリング1

コンテンツ(ビジネス

基盤-第3・4階層)

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 65 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

3.技術区分「課題」に関する動向

(1) 技術区分別ファミリー件数推移

技術区分「課題」の第 1 階層及び第 2 階層におけるファミリー件数推移を図 4-22 に

示す。

調査期間を通じて「エンターテインメント性」の件数が上位にあり 2012 年以降は最

多である。次いで「操作性」、「応答性」がほぼ同水準で並んでいる。また、「耐環境性」

が最も少なく、件数はごくわずかである。

「エンターテインメント性」は、2010 年から 2013 年の間は増加傾向にあったが、2014

年以降は減少傾向となっている。

「操作性」は 2011 年の件数が最も多い。「応答性」は 2010 年及び 2011 年が多く、

2012 年以降は件数を減じて横ばいで推移している。

- 66 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-22 技術区分「課題(第 1 階層及び第 2 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧中韓 ASEAN

各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

エンターテインメント性 959 1,267 1,994 2,047 1,821 1,462 978

・リプレイモチベーション 164 304 759 632 465 354 193

・ナラティブ7 14 25 58 37 20 6

リアリティ 671 795 843 993 1,133 1,027 1,073

・高画質/高音質57 85

233 259 311 239144

・インタラクティブ 513 595 456 530 601 590 709

・身体所有感78 80 110 122 202 128 136

・酔い防止20 30 22 64 78 68 56

・その他リアリティ1 13 43 33 4 1

個別性107 171 164

227 276 203124

操作性 1052 1303 926 967 965 1038 895

応答性 1145 1229 667 678 736 810 712

高速性 319 325 340 515 599 459 329

経済性 254 376 494 468 510 444 447

信頼性

146 191551 428 290

171 142

・健全性13 24 59 70 99 29 25

・個人情報保護77 86 105 70 44 34 33

・機器の信頼性17 15 32 38 49 53 49

耐環境性38 40 64 83 100 91 67

・騒音 12 933 37 47 48 28

・その他耐環境性1 5 9 4 5 6

携帯性 505 470 335 441 596 550 410

課題

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 67 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(2) 技術区分別-出願人国籍別ファミリー件数

技術区分「課題」の第 1 階層及び第 2 階層における出願人国籍別のファミリー件数を

図 4-23 に示す。

出願人国籍別に見ると、日本国籍、米国籍、韓国籍及び ASEAN 各国籍で「エンターテ

インメント性」の件数が最も多い。中国籍では「応答性」が最も多く、欧州国籍では「リ

アリティ」が最も多い。

「エンターテインメント性」では、日本国籍の件数が最も多く、僅差で米国籍が続い

ている。「エンターテインメント性」の下位区分では、いずれの国籍でも「リプレイモ

チベーション」が最も多い。

「リアリティ」では、米国籍の件数が最も多く、次いで中国籍が多い。「リアリティ」

の下位区分ではいずれの国籍でも「インタラクティブ」が最も多くなっている。

「応答性」、「操作性」及び「携帯性」では、中国籍の件数が他国籍を上回っており、

最多となっている。

- 68 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 4-23 技術区分「課題(第 1 階層及び第 2 階層)」‐出願人国籍別‐ファミリー件数(日米欧

中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

エンターテインメント

性3,637 3,619

413 1,518 997

21 323 ・リプレイモチベー

ション1,489 1,002

110 90 108 2 70

・ナラティブ12

128 7 1 11 8

リアリティ 868 2,674 425

1,528 733 15 292

・高画質・高音質251

637 94 136 131 3 76

・インタラクティブ274

1,422 235

1,337 537 10 179

・身体所有感137

534 62 37 40 2 44

・酔い防止103 177 21 14 9 2 12

・その他リアリティ12 57 5 5 7 9

個別性 152 646 96

123 188 3 64

操作性 1,642 1,950 356

2,211 719 10 258

応答性 423 1,828 302

2,321 819 9 275

高速性 515 1,230 174

594 217 7 149

経済性431

1,428 183

543 280 8 120

信頼性 497 858 128 167 190 4 75

・健全性63 131 24 31 33 37

・個人情報保護120 174 17 44 81 13

・機器の信頼性58 84 13 52 37 2 7

耐環境性110 271 48 10 11 2 31

・騒音26 127 30 4

2 1 24

・その他耐環境性14 9 2 3

2

携帯性221

1,010 221

1,145 539 5 166

課題

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 69 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

4.技術区分「目的・効果」に関する動向

(1) 技術区分別ファミリー件数推移

技術区分「目的・効果」の第 1 階層及び第 2 階層におけるファミリー件数推移を図 4-

24 に示す。

調査期間を通じて「分野」の件数が多く、「対象」は少ない。

「分野」はほぼ横ばいで推移しており、2014 年の件数が最も多い。「分野」の下位区

分では、件数は少ないが「クラウドソーシング」が 2010 年から 2013 年の間で大きく増

加している。

「対象」は 2010 年から 2014 年にかけて増加傾向を示しているが、2015 年以降は減

少している。「対象」の下位分類である「その他」は、殆どが「障碍者/傷病者」を対象

としたものである。

図 4-24 技術区分「目的・効果(第 1 階層及び第 2 階層)」‐ファミリー件数推移(日米欧中韓

ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

分野 318 434 425 542 599 525 412

・教育/訓練 190 241 205 270 303 260 271

・フィジカル/ヘルスケア 69 89 129 155 180 113 63

・メンタル/ヘルスケア 60 78 40 60 80 89 47

・防災25 31 21

40 57 49 37

・クラウドソーシング7 32

59 98 92 9834

・その他1 2 2

対象 36 48 105 131 140 70 59

・子供向け26 32

61 67 86 40 44

・高齢者向け8 15 24 25 25 21 12

・その他2 5 29

5037 18 4

目的・効果

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

- 70 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

(2) 技術区分別-出願人国籍別ファミリー件数

技術区分「目的・効果」の第 1 階層及び第 2 階層における出願人国籍別のファミリー

件数を図 4-25 に示す。

出願人国籍別に見ると、いずれの国籍でも「分野」の件数が多い。

「分野」では米国籍の件数が最も多く、次いで中国籍が多い。「分野」の下位区分では

いずれの国籍でも「教育/訓練」が最も多い。

「対象」では米国籍の件数が最も多く、次いで欧州国籍が多い。「対象」の下位区分で

はいずれの国籍でも「子供向け」が最も多い。

図 4-25 技術区分「目的・効果(第 1 階層及び第 2 階層)」‐出願人国籍別‐ファミリー件数

(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

分野 237 1,417 238 787 393 11

172

・教育/訓練 83 628 128 535 272 6 88

・フィジカル/ヘルス

ケア73 417

65 125

73 45 ・メンタル/ヘルスケ

ア 41 175

16 167

39 16

・防災21

121 19 59 23 17

・クラウドソーシング53

292 28 8 4 4 31

・その他3 2

対象49

344 56 40 43 6 51

・子供向け29

192 38 31 30 3 33

・高齢者向け16

92 12 4 3 1 2

・その他8

87 13 5 11 2 19

目的・効果

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 71 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

第 4 節 出願人別動向調査

日米欧中韓 ASEAN 各国へのファミリー件数の合計が多い出願人の上位 30 位までを表

4-10 に示す。

最も多いのがコナミ(1,566 件)、次いでソニー(1,313 件)、マイクロソフト(1,039

件)と続いている。上位 30 者を国籍別に見ると、日本国籍が 13 者、米国籍が 12 者、韓

国籍 3 者、中国籍 2 者となっており、欧州国籍はランクインしていない。

表 4-10 全体のファミリー件数上位出願人ランキング(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願

年(優先権主張年):2010-2016 年)

順位 出願人名称 出願件数

1 コナミ 1,566

2 ソニー 1,313

3 マイクロソフト(米国) 1,039

4 任天堂 901

5 グリー 774

6 バンダイナムコ 760

7 IGT(米国) 601

8 ディー・エヌ・エー 505

9 サイエンティフィックゲームズ(米国) 500

10 スクウェア・エニックス 474

11 ネオウィズ(韓国) 430

12 コロプラ 425

13 ジンガ(米国) 422

14 セガサミー 376

15 ユニバーサルエンターテインメント 285

16 グーグル(米国) 273

17 テンセント(中国) 269

18 ディズニー(米国) 268

19 カプコン 243

20 マジックリープ(米国) 227

21 アクティビジョン・ブリザード(米国) 217

22 サムスン(韓国) 213

23 ネットイース(中国) 203

24 セイコーエプソン 202

24 カバム(米国) 202

26 インテル(米国) 178

27 エヌ・シー・ソフト(韓国) 176

28 タイトー 173

29 アマゾン(米国) 168

30 エンパイア・テクノロジー(米国) 164

- 72 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

第 5 章 非特許文献調査

第 1 節 調査対象範囲と調査方法

1. 調査対象範囲

電子ゲームに関する非特許文献動向について、全体動向、技術区分別動向、製品開発

者別動向の調査を行った。

(1) 調査対象

本調査にあたっては、印刷体のゲーム雑誌ではなく、インターネット上で電子的に公

開されるオンラインゲーム誌を対象とした。これは、昨今ゲーム業界における新製品や

新機能等の発表が冊子体よりも早くウェブサイトでなされることが多くなり、ゲーム雑

誌の性格も新製品や新機能等の発表の場から、より詳細なレビューやゲーム文化を含む

ユーザの嗜好に合わせた内容に変化していることを考慮したためである。

調査対象となるオンラインゲーム誌は網羅性や地域性を考慮し、表 5-1 に示す国内及

び海外の主要な電子ゲーム関連ニュースを提供する 7 つのウェブサイトを選択した。

表 5-1 調査対象オンラインゲーム誌

情報源 概要 URL

国内

ファミ通 KADOKAWA グループの Gz ブレインが運営す

る国内の代表的な総合ゲームサイト

https://www.famitsu.com/

https://app.famitsu.com/

4Gamer ハーツユナイテッドグループの Aetas が運

営する日本最大級の総合ゲームサイト

https://www.4gamer.net/

Game Watch ITメディア企業のインプレスが運営する総

合ゲームサイト

https://game.watch.impress.

co.jp/

GameBusiness インターネットニュースメディア企業のイ

ードが運営するゲーム業界メディア

https://www.gamebusiness.jp

/

海外

Gamespot 米 CBS Interactive が運営する米国の代表

的な総合ゲームサイト

https://www.gamespot.com/

Eurogamer 英 Gamer Network が運営する欧州の代表的

な総合ゲームサイト

https://www.eurogamer.net/

GAMASUTRA 米国最大のビデオゲーム開発者向け情報サ

イト

https://www.gamasutra.com/

(2) 調査対象文献の選定

オンラインゲーム誌の記事件数は非常に多く、かつ本調査の対象とする技術的な内容

を含まないものが大部分であるため、表 5-2 に示すキーワードによる絞込みを行い調査

対象文献の絞込みを実施した。なお、製品レビュー記事は個人による感想を含む場合も

多いため、除外対象とした。

調査対象文献は、記事見出しに新しい機能や技術に関するキーワードを含み、プロモ

ーションや攻略等に関するキーワードを含まないものを選定した。

- 73 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

表 5-2 各情報源の絞込み条件と件数

情報源 調査件数

(抽出数)

絞込みキーワード 除外キーワード

国内

ファミ通 4,744

(3,871)

新機能,大型アップデート,体

感,プレビュー,発売開始,販売

開始,技術,手法,【新作

スタンプ ,インタビュー ,攻

略 ,T シャツ ,コラボ,事前登

録,DVD,CD,グッズ,Blu-ray,出

演,公演,コンサート,チケッ

ト,【PR】 4Gamer 4,482

(3,965)

新機能,大型アップデート,体

感,プレビュー,発売開始,販売

開始,技術

Game Watch 768

(641)

新機能,大型アップデート,体

感,プレビュー,発売開始,販売

開始,技術,手法

GameBusiness 309

(154)

新機能,大型アップデート,体

感,プレビュー,発売開始,販売

開始,技術,手法,性能

海外

Gamespot 4,210

(3,151)

feature, update, develop,

tech, announce

how to play, release date,

soundtrack, price, free,

[UPDATE

Eurogamer 3,032

(2,511)

how to play, release date,

soundtrack, price, free

GAMASUTRA 2,969

(749)

how to play, release date,

soundtrack, price,

get a job:

2. 調査方法

1.で示した条件で抽出した記事の件数は 20,514 件である。これらの詳細調査を行って

電子ゲーム技術に関連がある記事 15,042 件を抽出し、特許出願技術動向調査と同じ技術

区分(表 4-5~8)及び表 5-3 に示すプラットフォーム区分を用いて技術区分の付与を行

った。

- 74 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

表 5-3 プラットフォーム区分

第 1 階層 第 2 階層 第 3 階層 区分コード

プラットフォーム

据置型家庭用ゲーム機 P.1

PlayStation P.1.1

PS4 P.1.1.1

PS3 以前 P.1.1.2

Xbox P.1.2

Xbox One P.1.2.1

Xbox 360 以前 P.1.2.2

Nintendo P.1.3

Switch P.1.3.1

Wii U P.1.3.2

Wii 以前 P.1.3.3

その他 P.1.4

携帯型家庭用ゲーム機 P.2

PlayStation P.2.1

PS Vita P.2.1.1

PSP 以前 P.2.1.2

Nintendo P.2.2

3DS P.2.2.1

2DS 以前 P.2.2.2

その他 P.2.3

スマートフォン/タブレット P.3

iOS P.3.1

Android P.3.2

フューチャーフォン P.3.3

Windows P.3.4

その他 P.3.5

パソコン P.4

その他 P.5

アーケード P.5.1

その他 P.5.2

- 75 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

第 2 節 調査結果

1. 記事件数推移

2010 年から 2017 年までにおける製品開発者国籍別の記事件数推移と記事件数比率を、

図 5-1 に示す。

製品開発者国籍の割合では、日本国籍が最も多く 53.1%(6,878 件)であり、米国籍

が 23.2%(2,999 件)で続いている。

記事件数全体の推移は、2010 年から 2016 年の間に増加しているが、2017 年はほぼ横

ばいとなっている。

国籍別の推移では、調査期間を通じて日本国籍が最も多く、次いで米国籍が多い。2012

年以降は日本国籍が大きく増加し、件数の差が拡大している。

図 5-1 製品開発者国籍別記事件数推移及び記事件数比率(発行年:2010-2017 年)

日本国籍

6,878件

53.1%米国籍

2,999件

23.2%

欧州国籍

1,206件

9.3%

中国籍

307件

2.4%

韓国籍

1,174件

9.1%

ASEAN各国

の国籍

24件

0.2%

その他

360件

2.8%

合計

12,948件

854

1,168

1,369

1,573 1,737

1,886

2,209 2,152

0

250

500

750

1,000

1,250

1,500

1,750

2,000

2,250

2,500

0

150

300

450

600

750

900

1,050

1,200

1,350

1,500

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

合計

記事件数

発行年

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN国籍 その他 合計

製品開発者国籍(地域)

発行年

2010-2017年

注)製品開発者が不明な記事(2,094 件)は除外した。また、その他

(360 件)には、製品開発者の国籍が不明な記事(29 件)を含む。

- 76 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

2. プラットフォーム別動向

(1) 記事件数推移

技術区分「プラットフォーム」の第 1 階層、第 2 階層及び第 3 階層における記事件数

推移を図 5-2 に示す。

調査期間を通じて「据置型家庭用ゲーム機」、「パソコン」の件数が上位を占めるが、

2012 年以降は「スマートフォン/タブレット」の件数が急増し、2016 年以降に最多とな

った。「スマートフォン/タブレット」の下位区分では「iOS」と「Andoroid」が共に多く

二分している。

「据置型家庭用ゲーム機」の下位区分では「PlayStation」が最も多く、次いで「Xbox」

が続いている。「PlayStation」の下位区分では「PS4」が、「Xbox」の下位区分では「Xbox

One」がいずれも 2013 年以降、件数の大半を占めている。また、「Switch」が 2017 年に

大きく件数を伸ばしている。

「パソコン」は 2012 年から 2013 年にかけて一時的に減少するが、その後は増加傾向

にある。

「携帯型家庭用ゲーム機」の下位区分では「PlayStation」と「Nintendo」が二分し、

ほぼ横ばいで推移している。

- 77 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 5-2 「プラットフォーム区分(第 1 階層、第 2 階層及び第 3 階層)」‐記事件数推移(発行

年:2010-2017 年)

据置型家庭用ゲーム機 484 695 475 473 609 723 838 827

・PlayStation 371 503 340 315 439 563 681 628

・・PS42

145 327 506 655 622

・・PS3以前 370 503 338 227 246 225 150 57

・Xbox 251 414 330 275 401 493 538 471

・・Xbox One 111 327 450 524 462

・・Xbox 360以前 251 413 329 211 204 17383 20

・Nintendo51

87 92 109 92 10155

151

・・Switch1 3 10

133

・・Wii U3 18

70103

88 9846 24

・・Wii以前48

7036 24 9 6 10 5

・その他

携帯型家庭用ゲーム機 73 171 131 123 150 167 155110

・PlayStation46

85 88 73104 103 107

70

・・PS Vita1 31

79 71 103 103 106 70

・・PSP以前45 58 15 6 5 1 1

・Nintendo31

9252 55 45

7656 41

・・3DS11

8644 55 42 75 55 41

・・2DS以前22 23 14 3 4 2 2

・その他1 1

スマートフォン/タブレット52

129 251 462 647 792 1,056 949

・iOS38

95 200 380 554 716 936 899

・Android6 41 112

289 502 668 902 843

・フューチャーフォン2 6 4 7 5

・Windows5 6 1 1 4 2 2

・その他2 5 2 5 5

3 1

パソコン 560 753 572 330 595 915 1,041 847

その他21 27 18 15 25 58

143 84

・アーケード7 5 11 2 11 24 61 36

・その他13 21 7 13 14 34 83 48

プラットフォーム

発行年

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

- 78 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

(2) 製品開発者国籍別記事件数

技術区分「プラットフォーム」の第 1 階層、第 2 階層及び第 3 階層における製品開発

者国籍別の記事件数を図 5-3 に示す。

製品開発者国籍別に見ると、日本国籍では「スマートフォン/タブレット」の件数が

最も多く、次いで「パソコン」、「据置型家庭用ゲーム機」が続く。米国籍と欧州国籍で

は「据置型家庭用ゲーム機」、「パソコン」の件数が多く、「スマートフォン/タブレット」

は比較的少ない。韓国籍は「パソコン」、「スマートフォン/タブレット」が多く、「据置

型家庭用ゲーム機」は比較的少ないのが特徴的である。

「据置型家庭用ゲーム機」の下位区分では、日本国籍では「PlayStation」が多く、米

国籍と欧州国籍では「PlayStation」と「Xbox」が同規模である。「Nintendo」は日本国

籍で特徴的に多い。いずれの国籍でも「スマートフォン/タブレット」の下位区分で「iOS」

と「Andoroid」が拮抗している。

- 79 -

資料編

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第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 5-3 技術区分「プラットフォーム(第 1 階層、第 2 階層及び第 3 階層)」‐製品開発者国籍

別‐記事件数(発行年:2010-2017 年)

据置型家庭用ゲーム機 1,793 1,784 628 26 51 1 41

・PlayStation 1,457 1,308 546 26 43 1 35

・・PS4 769 815 353 19 22 21

・・PS3以前 914 734 236 7 22 1 17

・Xbox 602 1,592 503 13 28 1 28

・・Xbox One200

1,026 346 10 26 18

・・Xbox 360以前 441 835 210 3

2 1 12

・Nintendo 381 133 87 1

1 1 4

・・Switch69 26 10

・・Wii U257 74 53 1

1 1 3

・・Wii以前107 36 31 1 1 1

・その他

携帯型家庭用ゲーム機 753 109 47 10 1 4

・PlayStation 457 91 36 10 1

・・PS Vita 407 72 18 1

・・PSP以前60 26 18 10

・Nintendo 309 46 14 1 3

・・3DS287 40 10 1 3

・・2DS以前35 11 9

・その他 1

スマートフォン/タブレット 2,782 413 297 99

310 8 81

・iOS 2,513 391 271 94

293 8 79

・Android 2,316 297 201 75

283 3 51

・フューチャーフォン20 1 2

・Windows3 7 4

・その他 6 1 3

パソコン 1,857 1,559 630 118

654 10 193

その他205 26 8 2

4 3

・アーケード133 1

1

・その他72 26 8 1 3 3

プラットフォーム

製品開発者国籍(地域)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

- 80 -

資料編

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第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

3. 製品開発者別動向

(1) 製品開発者別記事件数上位ランキング

記事中に登場した製品開発者(パブリッシャー)の上位 30 位までを表 5-4 に示す。

最も多いのがスクウェア・エニックス(636 件)、次いでエレクトロニック・アーツ

(578 件)、カプコン(561 件)と続いている。上位 30 者を国籍・地域別に見ると、日

本国籍が 13 者、米国籍が 8 者、韓国籍 4 者、欧州国籍 3 者、中国籍 1 者、台湾籍 1 者

となっており、ASEAN 各国の国籍はランクインしていない。

表 5-4 製品開発者(パブリッシャー)別記事件数上位ランキング(発行年:2010-2017 年)

順位 製品開発者 記事件数

1 スクウェア・エニックス 636

2 エレクトロニック・アーツ(米国) 578

3 カプコン 561

4 セガサミー 500

5 マイクロソフト(米国) 486

6 アクティビジョン・ブリザード(米国) 475

7 バンダイナムコ 404

8 ソニー 374

9 ユービーアイソフト(フランス) 348

10 テイクツー・インタラクティブ(米国) 347

11 ベクター 340

12 任天堂 315

13 ガンホー・オンライン・エンターテイメント 264

14 コーエーテクモ 252

15 ゼニマックス・メディア(米国) 239

16 ネクソン(韓国) 209

17 ユーザージョイ・テクノロジー(台湾) 199

18 ネオウィズ(韓国) 190

19 コナミ 178

20 GMO インターネット 140

21 エヌ・シー・ソフト(韓国) 134

22 パーフェクト・ワールド(中国) 133

23 NHN エンターテインメント(韓国) 126

24 ワーナー・ブラザース(米国) 115

25 THQ ノルディック(オーストリア) 112

26 バルブ・コーポレーション(米国) 104

27 ヴィヴェンディ(フランス) 101

28 DMM.com 92

29 ナイアンティック(米国) 83

30 カドカワ 81

- 81 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(2) 製品名別記事件数上位ランキング

記事中に登場した製品名の上位 30 位までを表 5-5 に示す。

最も多いのが、カプコンの「モンスターハンター シリーズ」(214 件)、次いでスクウ

ェア・エニックスの「ファイナルファンタジー シリーズ」(182 件)、アクティビジョ

ン・ブリザードの「Destiny シリーズ」(163 件)と続いている。

表 5-5 製品名別記事件数上位ランキング(発行年:2010-2017 年)

順位 製品名 記事件数

1 モンスターハンター シリーズ 214

2 ファイナルファンタジー シリーズ 182

3 Destiny シリーズ 163

4 グランド・セフト・オート シリーズ 147

5 ファンタシースターオンライン シリーズ 121

6 Halo シリーズ 119

7 バトルフィールド シリーズ 104

8 Call of Duty シリーズ 90

9 信長の野望 シリーズ 83

10 ドラゴンクエスト シリーズ 81

10 ポケモン GO 81

10 ラグナロク シリーズ 81

13 The Elder Scrolls シリーズ 75

14 アサシンクリード シリーズ 71

15 Fallout シリーズ 68

15 燐光のレムリア 68

17 FIFA シリーズ 61

18 Minecraft シリーズ 60

18 Overwatch 60

20 ストリートファイター シリーズ 59

21 ArcheAge 58

21 Star Wars Battlefront シリーズ 58

23 Gears of War シリーズ 57

24 バイオハザード シリーズ 56

24 リネージュ シリーズ 56

24 真・三國無双 シリーズ 56

27 Witcher シリーズ 52

28 タイタンフォール シリーズ 49

28 ポケットモンスター シリーズ 49

28 マビノギ シリーズ 49

- 82 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

第 6 章 総合分析と提言

第 1 節 総合分析

1. 技術全体の動向に関する分析

(1) 国内外全体の出願動向

オランダのゲーム市場調査会社 NewZoo1によると、2018 年の電子ゲームの世界市場規

模は前年比 13.3%増の 1,379 億ドルとされ、中でもモバイルゲームは前年比 25.5%増の

703 億ドルに達し、初めてゲーム市場全体の過半数を超えると見られている。その他の

プラットフォームでは、家庭用ゲームが 346 億ドル、パソコンゲームが 329 億ドルと拮

抗しているが、今後もモバイルゲームが市場を牽引するように成長し、ゲーム市場は

2021 年に 1,801 億ドルに達すると予測されている。

国内市場も同様に、モバイルゲームを中心とするオンラインプラットフォームのゲー

ムが市場を牽引している(図 6-1)。

図 6-1 国内 家庭用/オンラインプラットフォーム ゲーム市場規模推移(再掲)

出典:「ファミ通ゲーム白書 2018」Gzブレイン発行、「国内 家庭用/オンラインプラットフォーム ゲー

ム市場規模推移(p40)」のデータを基に作成。

1 NewZoo, "Global Market Report", https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-

reaches-137-9-billion-in-2018-mobile-games-take-half/(accessed 2018-11-06)

- 83 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

日本国籍

9,943件

29.4%

米国籍

11,498件

34.0%

欧州国籍

1,932件

5.7%

中国籍

4,902件

14.5%

韓国籍

3,998件

11.8%

ASEAN各国

の国籍

66件0.2%

その他

1,440件

4.3%

合計

33,779件

4,556

5,209 5,030 5,086

4,740 4,572 4,586

0

600

1,200

1,800

2,400

3,000

3,600

4,200

4,800

5,400

6,000

0

300

600

900

1,200

1,500

1,800

2,100

2,400

2,700

3,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN各国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

電子ゲームに関する技術全体の特許ファミリー件数推移を見ると、ほぼ横ばいとなっ

ている(図 6-2)。市場規模は拡大しているが、特許出願の推移は横ばいとなっている。

図 6-2 出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への

出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)(再掲)

プラットフォーム別に、ファミリー件数推移を見ると(図 6-3)、スマートフォン向け

の出願も市場に先行して 2012 年から急激に増加している。このデータは、特許公報上、

仕向け先プラットフォームが読み取れるかどうかで判別しているため、これ以外にもス

マートフォン向けの技術に関する出願はあり得るが、少なくとも、スマートフォンとい

うプラットフォームを意識した出願が増えているということは言える。ただし、PC 向け

の出願が同じ傾向で推移していることからも分かるように、必ずしもスマートフォン特

有の技術に関する出願が多い訳ではなく、そのことが市場規模推移ほどに特許出願が増

えていない要因の一つになっていると考えられる(スマートフォン向けの出願のうち、

PC 向けでもあるものが 75.2%)。

図 6-3 プラットフォーム別 – ファミリー件数推移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010-2016 年)

日本国籍

9,943件

29.4%

米国籍

11,498件

34.0%

欧州国籍

1,932件

5.7%

中国籍

4,902件

14.5%

韓国籍

3,998件

11.8%

ASEAN各国

の国籍

66件0.2%

その他

1,440件

4.3%

合計

33,779件

4,556

5,209 5,030 5,086

4,740 4,572 4,586

0

600

1,200

1,800

2,400

3,000

3,600

4,200

4,800

5,400

6,000

0

300

600

900

1,200

1,500

1,800

2,100

2,400

2,700

3,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN各国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

出願件数

出願年(優先権主張年)

据え置き型ゲーム機 携帯型ゲーム機 PC スマートフォン

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移

行のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で、

全データを反映していない可能性がある。

- 84 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

出願人国籍別に見ると(図 6-2)、米国籍の出願が最も多く、日本国籍が僅差でそれに

続いている。米国籍が緩やかな減少傾向またはほぼ横ばいなのに対し、日本国籍はほぼ

横ばいまたは緩やかな増加傾向にあり、近年では米国籍を上回る状況となっており、電

子ゲーム市場における日本の強みを表している 。

ただし、2014 年以降、中国籍が顕著な増加傾向を示しており、中国籍の出願技術の特

徴に着目 する必要があると考えられる。背景には、中国におけるスマートフォンアプ

リ市場の大きさがあると考えられる(図 6-4)。

図 6-4 スマートデバイスゲームアプリの世界市場規模(2017 年)

出典:「2018 CESA ゲーム白書」一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会発行、

「スマートデバイスゲームアプリ市場動向(p158-168)」のデータを基に作成

図 6-2 を、電子ゲームに関する特許分類(IPC/CPC=A63F 9/24、A63F 13/)が付与さ

れているものに限定すると、図 6-5 のように、日本国籍はほぼ横ばいまたは緩やかな増

加傾向のままで、外国籍と比較した場合の比率が高くなっているが、米国籍は出願を大

きく減少させている。

本調査でゲームに関する特許として抽出したもののうち、電子ゲームに関する特許分

類が付与されていないものは、VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、各種入出

力インターフェイスなど、電子ゲーム以外の技術分野に関する発明であって、電子ゲー

ムにも活用できるものという位置づけのものである。

日本国籍がこれまでどおり定常的に電子ゲーム分野に出願しているのに対し、米国籍

は電子ゲーム以外の技術分野を電子ゲームに関連付けた出願にシフトしてきている様

子が読み取れる。

¥0 ¥5,000 ¥10,000 ¥15,000 ¥20,000 ¥25,000

その他

欧州

米国

中国

韓国

日本

iOS Android

(単位 億円)

- 85 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-5 出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への

出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年) ※ 電子ゲームに関する IPC/CPC に限定(A63F

9/24、A63F 13/)

(2) 国際出願の傾向

出願人国籍別の出願先国数別ファミリー件数を見ると、米国籍、中国籍、韓国籍は、

8 割以上が 1 か国のみの出願であるが、日本国籍、欧州国籍、ASEAN 国籍は、出願先が

2 か国以上の出願が比較的多くなっており、対照的である(図 6-6)。

図 6-6 出願人国籍別‐出願先国数別ファミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010-2016 年)

4 22 7 12 3 1 5

79 247 65 34 65 13

364 259 74 28 109 5 24

809 387 122 51 156 3 64

1,404 461 253 157 333 12 153

7,283 10,122

1,411

4,620 3,332 45 1,181

出願先国数

出願人国籍(地域)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他ASEAN

各国

1

3

4

5

6

2

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移

行のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

日本国籍

7,954件

40.1%

米国籍

6,696件

33.7%

欧州国籍

1,020件

5.1%

中国籍

1,710件

8.6%

韓国籍

1,597件

8.0%

ASEAN国籍

47件

0.2%

その他

825件

4.2%

合計

19,849

2,533

3,076 3,105 3,130

2,716 2,676 2,613

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

0

300

600

900

1,200

1,500

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

- 86 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

出願件数収支を見ると、出願先が 2 か国以上の出願が比較的多い日本国籍や欧州国籍

の出願先として多いのは、米国である。米国は、いずれの国籍からも圧倒的に多くの国

際出願がなされており、かつ、いずれの出願先国へも最も多くの国際出願をしている国

となっている。日本国籍も米国籍に次いで国際出願が多い。なお、ASEAN 各国へは、ASEAN

各国籍よりも外国籍の出願が多いのが特徴的である(図 6-7)。

日本国籍の国際出願の割合・国際出願数が諸外国と比べて高い水準にあることを踏

まえ、日本国籍をはじめとする各国籍が圧倒的に多く出願している出願先国である米国

への出願の技術の特徴を捉える ことが重要であると考える。

図 6-7 出願先国別‐出願人国籍別出願件数収支(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張

年):2010-2016 年)

日本国籍

332件

6.6% 米国籍

659件

13.0%

欧州国籍

123件

2.4%

中国籍

76件

1.5%

韓国籍

3,822件

75.5%

ASEAN各国の国籍

2件

0.0%

その他

45件

0.9%

韓国への出願

5,059件

日本国籍

3,616件

20.3%

米国籍

10,767件

60.4%

欧州国籍

1,163件

6.5%

中国籍

403件

2.3%

韓国籍

711件

4.0%

ASEAN各国の国籍

44件

0.2%その他

1,124件

6.3%

米国への出願

17,828件

日本国籍

1,080件

23.3%

米国籍

1,472件

31.8%

欧州国籍

1,501件

32.4%

中国籍

120件

2.6%

韓国籍

239件

5.2%

ASEAN各国の国籍

14件

0.3% その他

200件

4.3%

欧州への出願

4,626件

日本国籍

1,261件

15.1%

米国籍

1,343件

16.1%

欧州国籍

328件

3.9%

中国籍

4,757件

56.9%

韓国籍

314件

3.8%

ASEAN各国の国籍

15件

0.2%

その他

347件

4.1%

中国への出願

8,365件

日本国籍

8,537件

86.0%

米国籍

793件

8.0%

欧州国籍

169件

1.7%

中国籍

72件

0.7%

韓国籍

231件

2.3%

ASEAN各国の国籍

4件

0.0%その他

116件

1.2%

日本への出願

9,922件

日本国籍

46件

11.4%

米国籍

172件

42.5%欧州国籍

70件

17.3%

中国籍

26件

6.4%

韓国籍

11件

2.7%

ASEAN各国の国籍

35件

8.6%

その他

45件

11.1%

ASEAN各国への出願

405件

3,616

1,080件

793件169件

72件

4件

1,472件

1,163件

123件

120件

239件

46件

172件70件

11件

2件

26件

1,343件

403件

44件

659件

711件

14件

332件

76件

314件

231件

15件

1,261件

328件

- 87 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(3) 出願の質

出願の質を客観的に分析することは難しいが、被引用回数はその一つの指標となり得

る。出願人国籍別の被引用回数比率を見ると、米国籍が圧倒的に多く、日本国籍がそれ

に続いている(図 6-8)。

米国籍の被引用回数の多さが顕著であり、米国籍の被引用回数の多い出願技術の特

徴に注目 する必要がある。

図 6-8 出願人国籍別 – 被引用回数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主

張年):2010-2016 年)

日本国籍

20,864回

22.8%

米国籍

60,452回

66.0%

欧州国籍

3,938回

4.3%

中国籍

324回

0.4%

韓国籍

2,320回

2.5%

ASEAN各国の国籍

44回

0.0%

その他

3,718回

4.1%

合計

91,660回

- 88 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

2. 技術区分別の動向に関する分析

(1) 日本国籍の出願技術の特徴

技術全体の動向分析から、電子ゲームに関する日本国籍の強さが示された。日本国籍

の強みを維持・強化し、弱みを克服する観点で、日本国籍の出願技術の特徴を把握する

ことが有益である。

ここでは、日本国籍の出願技術の特徴を分析する。

日本国籍の出願技術の特徴を分析するため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願全体に占

める日本国籍のファミリー件数比率(以下「日本国籍出願比率」と呼ぶ。)をヨコ軸に、

日米欧中韓 ASEAN 各国への出願全体のファミリー件数のデータベース収録の遅れ、PCT

出願の各国以降のずれ等の影響を受けない 2010 年から 2014 年の間の年平均成長率(以

下「出願増加率」と呼ぶ。)をタテ軸にとり、技術区分をプロットした 1。

要素技術の入力に関する技術区分をプロットしたのが図 6-9、要素技術の出力に関す

る技術区分をプロットしたのが図 6-10、要素技術の処理・通信・記憶に関する技術区分

をプロットしたのが図 6-11、ゲームコンテンツのジャンルに関する技術区分をプロッ

トしたのが図 6-12、ゲームコンテンツのゲーム方式に関する技術区分をプロットした

のが図 6-13、ゲームコンテンツのビジネス基盤に関する技術区分をプロットしたのが

図 6-14、開発・運営環境に関する技術区分をプロットしたのが図 6-15、課題に関する

技術区分をプロットしたのが図 6-16、目的・効果に関する技術区分をプロットしたのが

図 6-17 である。

出願増加率が大きい技術区分(図の上側の領域)は、今後も同様な出願傾向が続くと

仮定すれば、今後も技術的な競争領域として重要な分野であると考えることができる。

日本国籍出願比率が高い技術区分(図の右側の領域)は日本国籍に強みがある分野、低

い技術区分(図の左側の領域)は弱い分野と考えることができる。

なお、全技術区分での出願増加率は 0.01 程度、日本国籍出願比率は 0.29 程度であ

る。

重要な技術分野として出願増加率が 0.01 程度以上のものを採り、日本国籍に強みが

ある技術分野として日本国籍出願比率が 0.29 程度以上のもの(図の赤の網掛け部分)、

弱い分野として 0.29 程度未満のものを採ると(図の灰色の網掛け部分)、要素技術に関

して、重要かつ強い分野は、入力に関する「着脱式」コントローラ、「模型」コントロー

ラ、「カード・フィギュア等の玩具体」、「タッチパネルの操作方法」、「可視光」、「傾き・

加速度」、「生体情報」、出力に関する「特殊ディスプレイ」、「画質制御」、「声」、「BGM」、

「嗅覚」、処理に関する「視線」、「自然言語処理」、「認証」、通信に関する「切断時対応」、

記憶に関する「メディアデータ記録」である。重要だが弱い分野は、入力に関する「仮

想コントローラ」、「音声」、「赤外線」、「接触・圧力」、「GPS」、出力に関する「プロジェ

クタ」、「ビジュアルエフェクト」、「モーション」、「環境音」、「プログラム合成音」、「空

間音響の表現」、「振動」、「反力」、「皮膚感覚」、「環境提示」、「複数出力の連携」、処理に

関する「ジェスチャ」、「図形・文字」、「行動意図推定」、「心理状態認識」、通信に関する

「負荷分散」、「同期制御」、「圧縮通信」、「リアルタイム配信」、「ローカル通信・端末間

1 ただし、統計的振る舞いが見られるもののみに絞るため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願件数が全体で

100 件を超えるもののみとしている。

- 89 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

コミュニケーション」、記憶に関する「プレイヤーデータ記録」である。

ゲームコンテンツに関して、重要かつ強い分野は、ジャンルに関する「ロールプレ

イング」、「経営・育成シミュレーション」、「対戦/格闘」、ゲーム方式に関する「対戦方

式」、「協力プレイ」、「ステータス判定」、「ゲーム要素の合成・進化」、「シナリオ分岐」、

「時間・期間的連動」、「カードゲーム」、ビジネス基盤に関する「アイテム課金」、「不正

通信検出」、「規約違反防止」、「コンテンツ配布方法」、「プログラマブルなゲーム登場物」

である。重要だが弱い分野は、ジャンルに関する「パズル」、「アドベンチャー」、「FPS」、

ゲーム方式に関する「マッチング機能」、「MMO」、「ARG(代替現実ゲーム)」、「報酬の与え

方」、「難易度調整」、「盤上ゲーム」、「VR(バーチャルリアリティ)」、「AR(拡張現実)」、

ビジネス基盤に関する「イベント」、「ソフトウェア更新」、「ユーザージェネレーテッド

コンテンツ」、「データマイニング」である。

開発・運営環境に関して、重要かつ強い分野は、「据置型ゲーム機」、「携帯型ゲーム

機」、「PC」、「スマートフォン」、「ソーシャルゲーム」、「アーケード」、「異なる種類のゲ

ーム機間の連携」、「プロシージャルモデリング」である。重要だが弱い分野は、「クラ

ウド開発環境」、「マルチプラットフォーム開発環境」、「開発物の可視化」、「AI による開

発」、「モーションキャプチャ」である。

課題に関して、重要かつ強い分野は、「リプレイモチベーション」、「酔い防止」であ

る。重要だが弱い分野は、「ナラティブ」、「高画質・高音質」、「インタラクティブ」、「身

体所有感」、「個別性」、「高速性」、「経済性」、「健全性」、「機器の信頼性」、「耐環境性」、

「携帯性」である。

目的・効果に関して、重要かつ強い分野はなく、日本国籍にとって、目的・効果に関

する技術分野は、全般的に、重要だが弱い 分野である。

- 90 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-9 「要素技術」の「入力」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」×「出願件数

増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):

2010 年-2016 年)

図 6-10 「要素技術」の「出力」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」×「出願件数

増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):

2010 年-2016 年)

着脱式

模型

仮想

コント

ローラ

カード、フィギュア

等の玩具体

タッチパネル

の操作方法音声

赤外線可視光

2次元画像

3次元画像

接触・

圧力

傾き・加速度生体情報

GPS

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

プロジェクタ

特殊ディスプレイ

ビジュアルエフェクト

アニメーション

立体視

仮想カメラの制御

モーション

画質制御

BGM

環境音

サウンドエフェクト

プログラム

合成音

空間

音響

の表

振動

傾き・加速度

反力

皮膚感覚

環境提示 嗅覚

複数出力の連携

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

- 91 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-11 「要素技術」の「処理・通信・記憶」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」

×「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先

権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-12 「ゲームコンテンツ」の「ジャンル」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」

×「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先

権主張年):2010 年-2016 年)

ジェスチャー

視線

空間把握

図形・文字

自然言語処理

コマンド認識

行動意図推定

心理状態認識

認証

負荷分散

同期制御

切断時対応

圧縮通信

リモートプレイ

リアルタイム配信

ローカル通信・端末間コミュニケーション

プレイヤーデータ記録

メディアデータ記録

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

パズル

クイズ

ロールプレイング

アドベンチャー

ウォーシミュレーション・ストラテジー

経営・育成シミュレーション

FPS

TPS

対戦/格闘

スポーツ

乗り物

音楽

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

- 92 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-13 「ゲームコンテンツ」の「ゲーム方式」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比

率」×「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-14 「ゲームコンテンツ」の「ビジネス基盤」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比

率」×「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010 年-2016 年)

マッチング機能

対戦方式

協力プレイ

MMO

ステータス判定

ゲーム要素の合成・進化

シナリオ分岐

空間・場所的連動

時間・期間的連動

代替現実

報酬の与え方

プレイヤー間でのゲーム要素の移動

難易度調整

通信遅延対策

ローディ

ング時の

処理

カードゲーム

盤上ゲーム

カジノ

VR

AR

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

アイテム課金

広告

イベント

サーバーの保護

不正通信検出

規約違反防止

著作権保護

ソフトウェア更新

コンテンツ配布方法

プログラマブルなゲーム登場物ユーザージェネレー

テッドコンテンツ

データマイニング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

- 93 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-15 「開発・運営環境」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」×「出願件数増加

率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010

年-2016 年)

図 6-16 「課題」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」×「出願件数増加率」(ファ

ミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016

年)

据置型ゲーム機

携帯型ゲーム機

スマートフォン

PC

アーケード

ソーシャルゲーム

異なる種類のゲーム機間の連携クラウド開発環境

マルチ

プラット

フォー

ム開発

環境

開発物の可視化

AIによる開発

モーションキャプチャ

プロシージャルモデリング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

リプレイモチベーション

ナラティブ

高画質・高音質

インタラクティブ

身体所有感

酔い防止

個別性

操作性

応答性

高速性

経済性

健全性

個人情報保護

機器の信頼性

耐環境性

携帯性

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

- 94 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-17 「目的・効果」に関する技術区分 - 「日本国籍出願件数比率」×「出願件数増加率」

(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-

2016 年)

教育・訓練

フィジカル・ヘルスケア

メンタル・ヘルスケア

防災

クラウ

ドソー

シング

子供向け

高齢者向け

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

出願

増加

日本国籍出願比率

- 95 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(2) 中国籍の出願技術の特徴

技術全体の動向分析から、2014 年以降、中国籍の出願が顕著な増加傾向を示してお

り、中国籍の出願技術の特徴に着目する必要があると考えられる。

ここでは、中国籍の出願技術の特徴を分析する。

中国籍の出願技術の特徴を分析するため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願全体に占め

る中国籍のファミリー件数比率(以下「中国籍出願比率」と呼ぶ。)をヨコ軸に、日米欧

中韓 ASEAN各国への出願全体のファミリー件数の 2010年から 2014年の間の年平均成長

率(以下「出願増加率」と呼ぶ。)をタテ軸にとり、技術区分をプロットした 1。

要素技術の入力に関する技術区分をプロットしたのが図 6-18、要素技術の出力に関

する技術区分をプロットしたのが図 6-19、要素技術の処理・通信・記憶に関する技術区

分をプロットしたのが図 6-20、ゲームコンテンツのジャンルに関する技術区分をプロ

ットしたのが図 6-21、ゲームコンテンツのゲーム方式に関する技術区分をプロットし

たのが図 6-22、ゲームコンテンツのビジネス基盤に関する技術区分をプロットしたの

が図 6-23、開発・運営環境に関する技術区分をプロットしたのが図 6-24、課題に関す

る技術区分をプロットしたのが図 6-25、目的・効果に関する技術区分をプロットしたの

が図 6-26 である。

出願増加率が大きい技術区分(図の上側の領域)は、今後も同様な出願傾向が続くと

仮定すれば、今後も技術的な競争領域として重要な分野であると考えることができる。

中国籍出願比率が高い技術区分(図の右側の領域)は中国籍の出願に特徴的な分野と考

えることができる。なお、全技術区分での出願増加率は 0.01 程度、中国籍出願比率は

0.15 程度である。

重要な技術分野として出願増加率が 0.01 程度以上のものを採り、中国籍の出願に特

徴的な技術分野として中国籍出願比率が 0.15 程度以上のものを採ると(図の赤色の網

掛け部分)、要素技術に関して、中国籍に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、出

力に関する「プロジェクタ」、「ビジュアルエフェクト」、「モーション」、「嗅覚」、通信に

関する「負荷分散」、「同期制御」、「切断時対応」、「リアルタイム配信」である。

ゲームコンテンツに関して、中国籍に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、ゲ

ーム方式に関する「マッチング機能」、「ローディング時の処理」、「VR(バーチャルリア

リティ)」、ビジネス基盤に関する「ユーザージェネレーテッドコンテンツ」である。

開発・運営環境に関して、中国籍に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、「マル

チプラットフォーム開発環境」である。

課題に関して、中国籍に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、「インタラクティ

ブ」、「高速性」、「経済性」、「機器の信頼性」、「携帯性」である。

目的・効果に関して、中国籍に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、「教育・訓

練」、「フィジカル・ヘルスケア」、「メンタル・ヘルスケア」、「防災」である。

1 ただし、統計的振る舞いが見られるもののみに絞るため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願件数が全体で

100 件を超えるもののみとしている。

- 96 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-18 「要素技術」の「入力」に関する技術区分 – 「中国籍出願件数比率」×「出願件数増

加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):

2010 年-2016 年)

図 6-19 「要素技術」の「出力」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×「出願件数増

加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):

2010 年-2016 年)

着脱式

模型

仮想コントローラ

カード、フィギュア等の玩具体

タッチパネルの操作方法

音声

赤外線

可視光

2次元画像3次元画像

接触・圧力

傾き・加速度

生体情報

GPS

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

プロジェクタ特殊ディスプレイ

ビジュアルエフェクト

アニメーション

立体視

仮想カメラの制御

モーション

画質制御

BGM

環境音

サウンドエフェクト

プログラム合成音

空間音響の表現

振動

傾き・加速度

反力

皮膚感覚

環境提示

嗅覚

複数出力の連携

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願増加率

中国籍出願比率

- 97 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-20 「要素技術」の「処理・通信・記憶」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×

「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権

主張年):2010 年-2016 年)

図 6-21 「ゲームコンテンツ」の「ジャンル」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×

「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権

主張年):2010 年-2016 年)

ジェスチャー

視線

空間把握

図形・文字自然言語処理

コマンド認識

行動意図推定

心理状態認識

認証

負荷分散

同期制御

切断時対応

圧縮通信

リモートプレイ

リアルタイム配信

ローカル通信・端末間コミュニケーション

プレイヤーデータ記録

メディアデータ記録

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願増加率

中国籍出願比率

パズル

クイズ

ロールプレイング

アドベンチャー

ウォーシミュレーション・ストラテジー

経営・育成シミュレーション

FPS

TPS

対戦/格闘

スポーツ

乗り物 音楽

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

- 98 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-22 「ゲームコンテンツ」の「ゲーム方式」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」

×「出願件数増加率」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(ファミリー件数ベース)(優先

権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-23 「ゲームコンテンツ」の「ビジネス基盤」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比

率」×「出願件数増加率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年

(優先権主張年):2010 年-2016 年)

マッチング機能

対戦方式協力プレイ

MMO

ステータス判定

ゲーム要素の合成・進化

シナリオ分岐

空間・場所的連動

時間・期間的連動

代替現実

報酬の与え方

プレイヤー間でのゲーム要素の移動

難易度調整

通信遅延対策

ローディング時の処理

カードゲーム

盤上ゲーム

カジノ

VR

AR

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

アイテム課金

広告

イベント

サーバーの保護

不正通信検出

規約違反防止

著作権保護

ソフトウェア更新

コンテンツ配布方法

プログラマブルなゲーム登場物

ユーザージェネレー

テッドコンテンツデータマイニング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

- 99 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-24 「開発・運営環境」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×「出願件数増加

率」(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010

年-2016 年)

図 6-25 「課題」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×「出願件数増加率」(ファミ

リー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

据置型ゲーム機

携帯型ゲーム機

スマートフォン

PC

アーケード

ソーシャルゲーム

異なる種類のゲーム機間の連携

クラウド

開発環境

マルチプラットフォーム開発環境

開発物の可視化

AIによる開発

モーションキャプチャ

プロシージャルモデリング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

リプレイモチベーション

ナラティブ

高画質・高音質

インタラクティブ

身体所有感

酔い防止

個別性

操作性

応答性

高速性

経済性

健全性

個人情報保護

機器の信頼性

耐環境性

携帯性

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

- 100 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-26 「目的・効果」に関する技術区分 - 「中国籍出願件数比率」×「出願件数増加率」

(ファミリー件数ベース)(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-

2016 年)

教育・訓練

フィジカル・ヘルスケア

メンタル・ヘルスケア

防災

クラウドソーシング

子供向け

高齢者向け

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

出願

増加

中国籍出願比率

- 101 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(3) 米国への出願の出願技術の特徴

技術全体の動向分析から、電子ゲームに関する日本国籍の国際出願の割合・国際出願

数は諸外国と比べて高い水準にあることが分かった。そこで、日本国籍をはじめとする

各国籍が圧倒的に多く出願している出願先国米国への出願の技術の特徴を捉えること

が重要であると考えられる。

ここでは、米国への出願の出願技術の特徴を分析する。

米国への出願の出願技術の特徴を分析するため、当該技術の米国への出願が、世界へ

の平均的な出願に比べてどれだけの割合の差を持つかを示す「米国への出願偏差」 1を

ヨコ軸に、米国への出願全体の出願件数の 2010 年から 2014 年の間の年平均成長率(以

下「出願増加率(米国への出願)」と呼ぶ。)をタテ軸にとり、技術区分をプロットした2。

要素技術の入力に関する技術区分をプロットしたのが図 6-27、要素技術の出力に関

する技術区分をプロットしたのが図 6-28、要素技術の処理・通信・記憶に関する技術区

分をプロットしたのが図 6-29、ゲームコンテンツのジャンルに関する技術区分をプロ

ットしたのが図 6-30、ゲームコンテンツのゲーム方式に関する技術区分をプロットし

たのが図 6-31、ゲームコンテンツのビジネス基盤に関する技術区分をプロットしたの

が図 6-32、開発・運営環境に関する技術区分をプロットしたのが図 6-33、課題に関す

る技術区分をプロットしたのが図 6-34、目的・効果に関する技術区分をプロットしたの

が図 6-35 である。

出願増加率(米国への出願)が大きい技術区分(図の上側の領域)は、今後も同様な

出願傾向が続くと仮定すれば、今後も技術的な競争領域として米国への出願において重

要な分野であると考えることができる。米国への出願偏差が高い技術区分(図の右側の

領域)は米国籍への出願に特徴的な分野と考えることができる。なお、全技術区分での

出願増加率は-0.04 程度である。

重要な技術分野として出願増加率(米国への出願)が正のものを採り、米国籍の出願

に特徴的な技術分野として米国への出願偏差が正のものを採ると(図の赤色の網掛け部

分)、要素技術に関して、米国への出願に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、入

力に関する「着脱式」コントローラ、「仮想コントローラ」、「カード、フィギュア等の玩

具体」、「タッチパネルの操作方法」、「音声」、「赤外線」、「可視光」、「接触・圧力」、「生

体情報」、「GPS」、出力に関する「プロジェクタ」、「特殊ディスプレイ」、「モーション」、

「画面制御」、「BGM」、「環境音」、「プログラム合成音」、「空間音響の表現」、「振動」、「反

力」「皮膚感覚」、「環境提示」、「複数出力の連携」、処理に関する「ジェスチャ」、「図形・

文字」、「行動意図推定」、「心理状態認識」、通信に関する「圧縮通信」、「ローカル通信・

端末間コミュニケーション」、記憶に関する「メディアデータ記録」である。

ゲームコンテンツに関して、米国への出願に特徴がありかつ今後も重要な技術分野

は、ジャンルに関する「パズル」、「FPS」、ゲーム方式に関する「マッチング機能」、「対

1 米国への出願偏差は、①「米国への当該技術の出願件数の、米国への出願件数に対する割合」と②「日

米欧中韓 ASEAN 各国への当該技術の出願件数の、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願件数に対する割合」の差

を②で除したものとした。ある技術に対する出願割合が、米国への出願では、世界全体の平均に比べて、

より多く出願されていればプラスに、世界平均より少ない割合であればマイナスの値になる。 2 ただし、統計的振る舞いが見られるもののみに絞るため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願件数が全体で

100 件を超えるもののみとしている。

- 102 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

戦方式」、「協力プレイ」、「MMO」、「ステータス判定」、「時間・期間的連動」、「ARG(代替

現実ゲーム)」、「報酬の与え方」、「難易度調整」、「盤上ゲーム」、「VR(バーチャルリアリ

ティ)」、「AR(拡張現実)」、ビジネス基盤に関する「アイテム課金」、「イベント」、「サー

バの保護」、「ソフトウェア更新」、「コンテンツ配布方法」、「プログラマブルなゲーム登

場物」、「データマイニング」である。

開発・運営環境に関して、米国への出願に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、

「据置型ゲーム機」、「携帯型ゲーム機」、「PC」、「ソーシャルゲーム」、「クラウド開発環

境」、「マルチプラットフォーム開発環境」、「開発物の可視化」、「AI による開発」、「モー

ションキャプチャ」である。

課題に関して、米国への出願に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、「リプレイ

モチベーション」、「ナラティブ」、「高画質・高音質」、「身体所有感」、「酔い防止」、「個

別性」、「高速性」、「経済性」、「健全性」、「耐環境性」である。

目的・効果に関して、米国への出願に特徴がありかつ今後も重要な技術分野は、「フ

ィジカル・ヘルスケア」、「防災」、「クラウドソーシング」、「子供向け」、「高齢者向け」

である。

図 6-27 「要素技術」の「入力」に関する技術区分 – 「米国への出願偏差」×「出願件数増加

率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016

年)

着脱式

模型

仮想コントローラ

カード、フィギュア等の玩具体

タッチパネルの操作方法

音声

赤外線

可視光

2次元画像

3次元画像

接触・圧力

傾き・加速度

生体情報

GPS

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

- 103 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-28 「要素技術」の「出力」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×「出願件数増加

率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016

年)

図 6-29 「要素技術」の「処理・通信・記憶」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×

「出願件数増加率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張

年):2010 年-2016 年)

プロジェクタ

特殊ディスプレイビジュアルエフェクト

アニメーション

立体視

仮想カメラの制御

モーション

画質制御

BGM 環境音

サウンドエフェクト

プログラム合成音

空間音響の表現

振動

傾き・加速度

反力

皮膚感覚

環境提示

嗅覚複数出力の連携

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

ジェスチャー

視線

空間把握

図形・文字

自然言語処理

コマンド認識

行動意図推定

心理状態認識

認証

負荷分散

同期制御

切断時対応

圧縮通信

リモートプレイ

リアルタイム配信

ローカル通信・端末間コミュニケーション

プレイヤーデータ記録

メディアデータ記録

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

- 104 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-30 「ゲームコンテンツ」の「ジャンル」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×

「出願件数増加率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張

年):2010 年-2016 年)

図 6-31 「ゲームコンテンツ」の「ゲーム方式」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×

「出願件数増加率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張

年):2010 年-2016 年)

パズル

クイズ

ロールプ

レイング

アドベンチャー

ウォーシミュレーション・ストラテジー

経営・育

成シミュ

レーション

FPS

TPS

対戦/格闘

スポーツ

乗り物

音楽

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

マッチング機能

対戦方式

協力プレイ

MMO

ステータス判定

ゲーム要

素の合

成・進化

シナリオ分岐

空間・場所的連動

時間・期間的連動

代替現実

報酬の与え方

プレイヤー

間での

ゲーム要

素の移動

難易度調整

通信遅延対策

ローディング時の処理

カードゲーム

盤上ゲーム

カジノ

VR

AR

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願増加率(米国への出願)

米国への出願偏差

- 105 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-32 「ゲームコンテンツ」の「ビジネス基盤」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」

×「出願件数増加率(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張

年):2010 年-2016 年)

図 6-33 「開発・運営環境」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×「出願件数増加率

(米国への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016

年)

アイテム課金

広告

イベント

サーバーの保護

不正通信検出

規約違反防止

著作権保護

ソフトウェア更新

コンテンツ配布方法

プログラマブルなゲーム登場物

ユーザー

ジェネレー

テッドコンテ

ンツ

データマイニング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願増加率(米国への出願)

米国への出願偏差

据置型ゲーム機携帯型ゲーム機

スマートフォン

PC

アーケード

ソーシャルゲーム

異なる種類

のゲーム機

間の連携 クラウド開発環境

マルチプラットフォーム開発環境

開発物の可視化

AIによる開発

モーションキャプチャ

プロシー

ジャルモ

デリング

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願増加率(米国への出願)

米国への出願偏差

- 106 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-34 「課題」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×「出願件数増加率(米国への出

願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-35 「目的・効果」に関する技術区分 - 「米国への出願偏差」×「出願件数増加率(米国

への出願)」(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

リプレイモチベーション

ナラティブ

高画質・高音質

インタラクティブ

身体所有感

酔い防止

個別性

操作性

応答性

高速性

経済性

健全性

個人情報保護

機器の信頼性

耐環境性

携帯性

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

教育・訓練

フィジカル・ヘルスケア

メンタル・

ヘルスケ

ア 防災

クラウドソーシング

子供向け

高齢者向け

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

-0.5 0 0.5 1 1.5

出願

増加

率(米

国へ

の出

願)

米国への出願偏差

- 107 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(4) 米国籍の被引用回数の多い出願技術の特徴

米国籍の被引用回数の多さが顕著であり、米国籍の被引用回数の多い出願技術の特徴

に注目する必要があると考えられる。

米国籍の被引用回数の多い出願技術の特徴を分析するため、日米欧中韓 ASEAN 各国へ

の出願全体に占める米国籍のファミリー件数比率(以下「米国籍出願比率」と呼ぶ。)

をヨコ軸に、米国籍の日米欧中韓 ASEAN 各国への出願の 1 ファミリー当たりの被引用回

数をタテ軸にとり、技術区分をプロットした 1。

要素技術の入力に関する技術区分をまとめたのが図 6-36、要素技術の出力に関する

技術区分をまとめたのが図 6-37、要素技術の処理・通信・記憶に関する技術区分をまと

めたのが図 6-38、ゲームコンテンツのジャンルに関する技術区分をまとめたのが図 6-

39、ゲームコンテンツのゲーム方式に関する技術区分をまとめたのが図 6-40、ゲームコ

ンテンツのビジネス基盤に関する技術区分をまとめたのが図 6-41、開発・運営環境に関

する技術区分をまとめたのが図 6-42、課題に関する技術区分をまとめたのが図 6-43、

目的・効果に関する技術区分をまとめたのが図 6-44 である。

米国籍出願比率が高い技術区分(図の右側の領域)は米国籍の出願が量的に多い分野、

米国籍の被引用回数が多い技術区分(図の上側の領域)は米国籍の出願技術の内容が質

的に高い分野であると考えることができる。なお、全技術区分での 1 ファミリーあたり

の被引用回数は、5.3 件程度、米国籍出願比率は 0.34 程度である。

米国籍の出願が量的に多い分野として米国籍出願比率が 0.34 程度以上のものを採り、

質的に高い分野として 1 ファミリー当たりの被引用回数が 5.3 件程度以上のものを採

ると(図の赤色の網掛け部分)、要素技術に関して、米国籍の出願が量的もに多く質的

にも高い技術分野は、入力に関する「仮想コントローラ」、「3 次元画像」、「GPS」、「音

声」、「可視光」、出力に関する「傾き・加速度」、「環境音」、「振動」、「特殊ディスプレ

イ」、「立体視」、「アニメーション」、「環境提示」、処理に関する「行動意図推定」、「空間

把握」、「視線」、「コマンド認識」、「認証」、「ジェスチャ」、「心理状態認識」、通信に関す

る「同期制御」、「リモートプレイ」、「ローカル通信・端末間コミュニケーション」、記憶

に関する「プレイヤーデータ記録」である。

ゲームコンテンツに関して、米国籍の出願が量的にも多く質的にも高い技術分野は、

ジャンルに関する「アドベンチャー」、「対戦/格闘」、「FPS」、「ウォーシミュレーショ

ン・ストラテジー」、「乗り物」、「音楽」、「クイズ」、「スポーツ」、「パズル」、ゲーム方式

に関する「通信遅延対策」、「AR(拡張現実)」、「VR(バーチャルリアリティ)」、「ARG(代

替現実ゲーム)」、「MMO」、「プレイヤー間でのゲーム要素の移動」、「時間・期間的連動」、

「空間・場所的連動」、「ステータス判定」、ビジネス基盤に関する「サーバの保護」、「ソ

フトウェア更新」、「広告」、「著作権保護」である。

開発・運営環境に関して、米国籍の出願が量的にも多く質的にも高い技術分野は、「モ

ーションキャプチャ」、「AI による開発」である。

課題に関して、米国籍の出願が量的にも多く質的にも高い技術分野は、「個人情報保

護」、「耐環境性」である。

1 ただし、統計的振る舞いが見られるもののみに絞るため、日米欧中韓 ASEAN 各国への出願件数が全体で

100 件を超えるもののみとしている。

- 108 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

目的・効果に関して米国籍の出願が量的にも多く質的にも高い技術分野は特にない。

図 6-36 「要素技術」の「入力」に関する技術区分 – 米国籍の被引用回数/ファミリー(日米

欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-37 「要素技術」の「出力」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/ファミリー(日米

欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

着脱式模型

仮想コントローラ

カード、フィギュア等の玩具体

タッチパネルの操作方法

音声

赤外線

可視光

2次元画像

3次元画像

接触・圧力

傾き・加速度生体情報

GPS

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

プロジェクタ

特殊ディスプレイビジュアルエフェクト

アニメーション

立体視

仮想カメラの制御 モーション

画質制御

BGM

環境音サウンドエフェクト

プログラム合成音

空間音響の表現

振動

傾き・加速度

反力皮膚感覚

環境提示

嗅覚複数出力の連携

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

- 109 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-38 「要素技術」の「処理・通信・記憶」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/ファ

ミリー(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-39 「ゲームコンテンツ」の「ジャンル」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/ファ

ミリー(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

ジェスチャー視線

空間把握

図形・文字

自然言語処理

コマンド認識

行動意図推定

心理状態認識

認証

負荷分散

同期制御

切断時対応圧縮通信

リモートプレイリアルタイム配信

ローカル通信・端末

間コミュニケーション

プレイヤー

データ記録メディアデータ記録

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

パズル

クイズ

ロールプレイング

アドベンチャー

ウォーシミュレーション・ストラテジー

経営・育成シミュレーション

FPS

TPS

対戦/格闘

スポーツ

乗り物

音楽

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

- 110 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-40 「ゲームコンテンツ」の「ゲーム方式」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/フ

ァミリー(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-41 「ゲームコンテンツ」の「ビジネス基盤」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/

ファミリー(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

マッチング機能

対戦方式

協力プレイ

MMO

ステータス判定

ゲーム要素の合成・進化

シナリオ分岐

空間・場所的連動

時間・期間的連動

代替現実

報酬の与え方

プレイヤー間での

ゲーム要素の移動

難易度調整

通信遅延対策

ローディ

ング時の

処理

カードゲーム

盤上ゲーム

カジノ

VRAR

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

アイテム課金

広告

イベント

サーバーの保護

不正通信検出

規約違反防止

著作権保護

ソフトウェア更新

コンテンツ配布方法

プログラマブルなゲーム登場物

ユーザージェネレー

テッドコンテンツ

データマイニング

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

- 111 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

図 6-42 「開発・運営環境」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/ファミリー(日米欧中

韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

図 6-43 「課題」に関する技術区分 - 米国籍の被引用回数/ファミリー(米国への出願)」(日

米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

据置型ゲーム機

携帯型ゲーム機スマートフォン

PC

アーケード

ソーシャルゲーム

異なる種類のゲーム機間の連携

クラウド開発環境マルチプラットフォーム開発環境

開発物の可視化

AIによる開発

モーションキャプチャ

プロシージャルモデリング0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

リプレイモチベーション

ナラティブ

高画質・高音質

インタラクティブ

身体所有感

酔い防止

個別性

操作性

応答性

高速性

経済性

健全性

個人情報保護

機器の信頼性

耐環境性

携帯性

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

- 112 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

図 6-44 「目的・効果」に関する技術区分 – 米国籍の被引用回数/ファミリー(日米欧中韓

ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010 年-2016 年)

教育・訓練

フィジカル・ヘルスケア

メンタル・ヘルスケア

防災

クラウドソーシング子供向け

高齢者向け

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

被引

用回

数/

ファミリ件

数(米

国籍

米国籍出願比率

- 113 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

(5) その他特徴的な技術区分

ここでは、特許出願動向、非特許文献動向調査(国内外の主要ゲーム雑誌/ゲーム

業界誌に関する調査)の結果のうち、特徴的な技術区分や、「1.~4.」までの統計的

な見方では取り上げられなかった細目における動向を取り上げる。

① 皮膚感覚

技術区分「皮膚感覚」は、特許出願において米国籍がほぼ独占 しているような状況

となっている(図 6-45)。

出願先国別出願件数上位出願人ランキングを見ると、日本への出願においてすら、

イマージョン(米国)が 1 位であり、米国籍が過半のランクイン をしているのが特徴

的である(表 6-1)。

図 6-45 技術区分「皮膚感覚」‐出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率

(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

表 6-1 要素技術「皮膚感覚」‐出願件数上位出願人ランキング(出願先国別、出願年(優先権

主張年):2010-2016 年)

日本への出願

順位

出願人名称 出願件数

1 イマージョン(米国) 62

2 ソニー 37

3 ギャンブリットゲーミング(米国) 32

4 マジックリープ(米国) 17

5 ホンインターナショナル(韓国) 14

6 マイクロソフト(米国) 11

7 ハイスピードボーイズ 7

8 クアルコム(米国) 6

9 任天堂 5

10 セイコーエプソン 4

10 ユニバーサルシティスタジオズ(米国) 4

日本国籍

122件

10.3%

米国籍

789件

66.3%

欧州国籍

76件

6.4%

中国籍

84件

7.1%

韓国籍

79件

6.6%

ASEAN各国の国籍

2件

0.2%

その他

38件

3.2%

合計

1,190件

68 91 85

179

322

246

199

0

40

80

120

160

200

240

280

320

360

400

0

30

60

90

120

150

180

210

240

270

300

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍

韓国籍 ASEAN国籍 その他国籍 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 114 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

非特許文献で見ると、日本国籍の製品開発者による記事も特許よりは存在感があり、

日本においても皮膚感覚出力の電子ゲームへの活用に関するニーズや関心の高まり が

うかがえる。ただし、2011 年をピークに減少しており、米国籍の方が持続的に電子ゲ

ームへの適用を工夫しているのではないかと思われる(図 6-46)。

図 6-46 技術区分「皮膚感覚」‐製品開発者国籍別記事件数推移及び記事件数比率(発行年:

2010-2017 年)

② 環境提示

技術区分「環境提示」の 特許出願 も、「皮膚感覚」と同様に、日本への出願におい

てすら、マイクロソフト、イマージョン、クアルコム、マジックリープなどの米国籍が

過半のランクイン をしているのが特徴的である(表 6-2)。

表 6-2 要素技術「環境提示」‐出願件数上位出願人ランキング(出願先国別、出願年(優先権

主張年):2010-2016 年)

日本への出願

順位

出願人名称 出願件数

1 ソニー 139

1 コナミ 139

3 マイクロソフト(米国) 66

4 任天堂 52

5 イマージョン(米国) 31

6 クアルコム(米国) 30

7 マジックリープ(米国) 22

8 セイコーエプソン 18

9 カプコン 16

10 ギャンブリットゲーミング(米国) 15

なお、非特許文献では、「環境提示」に関する記事は見られなかった。

4

21

9

13 14

9 10

15

0

3

6

9

12

15

18

21

24

27

30

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

合計

記事件数

発行年

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN国籍 その他 合計

製品開発者国籍(地域)

発行年

2010-2017年

日本国籍

25件

26.3%

米国籍

48件

50.5%

欧州国籍

17件

17.9%

中国籍

1件

1.1%

韓国籍

2件

2.1%

ASEAN各国の国籍

0件

0.0%その他

2件

2.1%

合計

95件

- 115 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

87

130

216

299

267

164

65

0

40

80

120

160

200

240

280

320

360

400

0

30

60

90

120

150

180

210

240

270

300

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 ASEAN国籍 その他国籍 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

③ AI による開発

「AI による開発」に関する特許出願は、データベース収録の遅れ、PCT 出願の各国

以降のずれ等の影響を受けない 2010 年から 2014 年で見ると、日本国籍には増加の兆

しがみられるが、米国籍が先行しており比率で圧倒 している(図 6-47)。

図 6-47 技術区分「AI による開発」‐出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比

率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

一方、非特許文献で見ると、「AI による開発」に関する記事は、2011 年までは米国

籍の方が日本国籍の製品開発者によるものよりも多かったが、2013 年以降日本国籍は

急激に発表数を伸ばしてきており、むしろ米国籍よりも多くなっている(図 6-48)。日

本においても AI による開発に対するニーズや関心は高まっている と考えることがで

きる。

図 6-48 技術区分「AI による開発」‐製品開発者国籍別記事件数推移及び記事件数比率(発行

年:2010-2017 年)

5 7

5

3

13

18 20

21

0

5

10

15

20

25

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

合計

記事件数

発行年

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN国籍 その他 合計

製品開発者国籍(地域)

発行年

2010-2017年

日本国籍

57件

62.0%

米国籍

22件

23.9%

欧州国籍

7件

7.6%

中国籍

2件

2.2%

韓国籍

3件

3.3%

ASEAN各国の国籍

1件

1.1%その他

0件

0.0%

合計

92件

日本国籍

273件

22.2%

米国籍

659件

53.7%

欧州国籍

102件

8.3%

中国籍

82件

6.7%

韓国籍

61件

5.0%

ASEAN各国の国籍

0件

0.0%

その他

51件

4.2%

合計

1,228件

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 116 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

・・AIによる開発 273 659 102 82 61 51

・・・AIによる制作 7 20 1 19 6 1

・・・AIによるNPC制御 55 20 3 30 13 4

・・・AIによるルート制御 8 10 6 5 1 1

・・・AIによるゲームバランス制御 4 48 5 12 8

・・・AIによる品質保証 13 3 1 1

出願人国籍

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

「AI による開発」に関する特許出願の細目 を見ると、「AI による制作」、「AI によ

る NPC 制御」、「AI によるルート制御」、「AI によるゲームバランス制御」、「AI による品

質保証」に関する出願が見られる。

推移を見ると、「AI による NPC 制御」、「AI によるルート制御」は減少傾向、「AI に

よる制作」は増加傾向、「AI によるゲームバランス制御」には増加の兆し が見られる

(図 6-49)。

出願人国籍別に見ると、日本国籍の出願は「AI による NPC 制御」に集中しているの

に対し、米国籍は「AI による NPC 制御」よりもむしろ「AI によるゲームバランス制御」

の出願が多く、その他、「AI による制作」の出願も多い (図 6-50)。

図 6-49 技術区分「AI による開発」‐ファミリー件数推移(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、

出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

図 6-50 技術区分「AI による開発」‐出願人国籍別ファミリー件数(日米欧中韓 ASEAN 各国へ

の出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

・・AIによる開発 87 130 216 299 267 164 65

・・・AIによる制作 2 2 6 5 3 16 20

・・・AIによるNPC制御 4 16 38 24 14 17 12

・・・AIによるルート制御 4 11 16

・・・AIによるゲームバランス制御 3 3 53 3 3 12

・・・AIによる品質保証 1 7 5 2 1 2

出願年(優先権主張年)

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 117 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

・・AIによる開発 56 19 6 2 3 1

・・・AIによる制作

・・・AIによるNPC制御 54 14 6 2 3 1

・・・AIによるルート制御 1

・・・AIによるゲームバランス制御 1

・・・AIによる品質保証

製品開発者国籍(地域)

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN

各国

その他

非特許文献における「AI による開発」の細目を見ると、そのほとんどは「AI による

NPC 制御」に関するものである(図 6-51)。

特許動向と併せて考えると、世の中の広くいきわたった関心としては電子ゲームへ

の AI 活用は NPC 制御がメインとなっており、一部、先行的な開発者の間で、AI による

制作やゲームバランス制御、品質保証などの取り組みが進められている のではないか

と思われる。

図 6-51 技術区分「AI による開発」‐製品開発者国籍別記事件数(発行年:2010-2017 年)

国内最大のゲーム開発者団体が主催するイベント CEDEC2018 では、「ゲーム AI 技術

20 年の進化とこれから」と題した講演が行われ、電子ゲームにおける AI 活用は、黎明

期から発展期(事例の蓄積)、大規模拡大路線の完成期(大型有名タイトルで意識的に

活用)、分散期(さまざまなスケールのゲームへのダイバージェンス)、停滞期(ゲー

ムエンジンへの取り込み、新しい技術開発)を経て、現在は、ゲームの中で動作する

キャラクターAI(「AI による NPC 制御」)、ナビゲーション AI(「AI によるルート制御」)

などから、ゲームコンテンツの「AI による制作」や、「AI によるゲームバランス制御」、

ゲームの動作テスターとして AI を活用する「AI による品質保証」など、ゲームの外で

の活用が増えていく移行期 にあるとしている。また、最近の傾向として、膨大な量と

なっている開発作業を効率化するために AI を取り入れたいというニーズが多く、例え

ば、声優付きのゲームが多くなっているが、シナリオライターがいちからセリフを書

いていると間に合わないので、会話を自動生成するのに AI を使いたいなどの方向性

が出ている(「AI による制作」)。

- 118 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

④ ゲーム方式:VR(バーチャルリアリティ)

ゲーム方式「VR(バーチャルリアリティ)」に関する特許出願は 2013 年以降増加傾

向となっており、米国籍が突出している(図 6-52)。

図 6-52 技術区分「VR(バーチャルリアリティ)」‐出願人国籍別ファミリー件数推移及びファ

ミリー件数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

一方、非特許文献で見ると、「VR(バーチャルリアリティ)」に関する記事は、2014 年

以降米国籍は横ばいであるのに対し、日本国籍は急激に記事数を増やしている(図 6-

53)。VR(バーチャルリアリティ)についても日本でもニーズや関心は高まっている状

況 と捉えることができる。

図 6-53 技術区分「VR(バーチャルリアリティ)」‐製品開発者国籍別記事件数推移及び記事件

数比率(発行年:2010-2017 年)

1 1 1 4

18 25

61

53

0

10

20

30

40

50

60

70

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

合計

記事件数

発行年

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN国籍 その他 合計

製品開発者国籍(地域)

発行年

2010-2017年

日本国籍

94件

57.3%

米国籍

41件

25.0%

欧州国籍

14件

8.5%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

11件

6.7%

ASEAN各国の国籍

0件

0.0%

その他

4件

2.4%

合計

164件

410 342 322

566 633

725

1,221

0

150

300

450

600

750

900

1,050

1,200

1,350

1,500

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍

韓国籍 ASEAN国籍 その他国籍 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年日本国籍

513件

12.2%

米国籍

2,180件

51.7%

欧州国籍

292件

6.9%

中国籍

734件

17.4%

韓国籍

300件

7.1%

ASEAN各国の国籍

4件

0.1%

その他

196件

4.6%

合計

4,219件

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 119 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

⑤ クラウド開発環境

「クラウド開発環境」に関する 特許出願は米国籍が突出 している(図 6-54)。

図 6-54 技術区分「クラウド開発環境」‐出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件

数比率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

非特許文献で見ても、米国籍による記事件数が突出している(図 6-55)。クラウド開

発環境に関するニーズや関心は、AI による開発や皮膚感覚の出力、VR(バーチャルリ

アリティ)に比べ、日本では表出化していない状況 と捉えることができる。

図 6-55 技術区分「クラウド開発環境」‐製品開発者国籍別記事件数推移及び記事件数比率

(発行年:2010-2017 年)

日本国籍

10件

17.9%

米国籍

39件

69.6%

欧州国籍

5件

8.9%

中国籍

1件

1.8%

韓国籍

0件

0.0%

ASEAN各国の国籍

0件

0.0%その他

1件

1.8%

合計

56件

4

6

7

14

9 8

6

2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

2

4

6

8

10

12

14

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

合計

記事件数

発行年

日本 米国 欧州 中国 韓国 ASEAN国籍 その他 合計

製品開発者国籍(地域)

発行年

2010-2017年

日本国籍

210件

14.7%

米国籍

865件

60.6%

欧州国籍

84件

5.9%

中国籍

173件

12.1%

韓国籍

46件

3.2%

ASEAN各国の国籍

5件

0.4%

その他

44件

3.1%

合計

1,427件

33

150

291

343 335

197

78

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0

40

80

120

160

200

240

280

320

360

400

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍

韓国籍 ASEAN国籍 その他国籍 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2010-2016年

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれ等で、全データを反映していない可能性がある。

- 120 -

資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

ただし、開発におけるクラウド利用では、開発中のコンテンツが社外に置かれるこ

とになる場合もあるため、開発情報が外に漏れないように情報セキュリティには十分

留意する必要がある。

実際に、特許出願に関するクロス分析で見ると、技術区分「情報セキュリティ」とそ

の下位区分「サーバ保護」、「不正通信検出」への付与率は、「クラウド開発環境」に関

する特許文献の群において相対的に高くなっており、「クラウド開発環境」の開発にお

いては情報セキュリティ性が重視されている(図 6-56)。

図 6-56 開発環境に関する技術区分別‐技術区分「情報セキュリティ」とその下位区分への付

与率(日米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

0% 10% 20% 30% 40%

全対象特許

うち、「開発環境」に関する特許(◆)

◆のうち、「クラウド開発環境」に関

する特許

◆のうち、マルチプラットフォーム開

発環境」に関する特許

◆のうち、「開発物の可視化」に関

する特許

「情報セキュリティ」(★)への付与率

0% 5% 10% 15% 20%

全対象特許

うち、「開発環境」に関する特許(◆)

◆のうち、「クラウド開発環境」に関

する特許

◆のうち、マルチプラットフォーム開

発環境」に関する特許

◆のうち、「開発物の可視化」に関

する特許

★の下位区分「サーバ保護」への付与率

0% 2% 4% 6% 8%

全対象特許

うち、「開発環境」に関する特許(◆)

◆のうち、「クラウド開発環境」に関

する特許

◆のうち、マルチプラットフォーム開

発環境」に関する特許

◆のうち、「開発物の可視化」に関

する特許

★の下位区分「不正通信検出」への付与率

0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0%

全対象特許

うち、「開発環境」に関する特許(◆)

◆のうち、「クラウド開発環境」に関す

る特許

◆のうち、マルチプラットフォーム開

発環境」に関する特許

◆のうち、「開発物の可視化」に関す

る特許

★の下位区分「規約違反防止」への付与率

- 121 -

資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

⑥ リアルタイム配信

「配信」に関する特許出願が減少傾向にある中で、「配信」のうち「リアルタイム配

信」に関する特許出願は、少なくともデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行の

ずれ等の影響を受けない 2010 年~2014 年で見ると、増加傾向 にある(図 6-1-57)。

図 6-57 技術区分「配信」と「配信」のうち「リアルタイム配信」のファミリー件数推移(日

米欧中韓 ASEAN 各国への出願、出願年(優先権主張年):2010-2016 年)

0

50

100

150

200

250

300

0200400600800

10001200140016001800

2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

「リアルタイム配信」の出願件数

「配信」の出願件数

「配信」 「配信」のうち「リアルタイム配信」

注)2015 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行

のずれなどで、全データを反映していない可能性がある。

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資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

第 2 節 提言

〔方向性 1〕 新たな技術や方式を採用したゲーム開発を推進し新たなユーザ層を取り込

1. 近年、電子ゲームに関する新たなビジネスモデルとして、電子ゲームの観戦型ビ

ジネスモデル(e スポーツなど)が注目されるようになってきている。

2. e スポーツを観戦するための新たな配信手段(「リアルタイム配信」)は特許にもな

り得る新たな技術であり、取得した特許によるライセンス収入も期待できる。特

許出願で見ると、「配信」に関する特許出願が減少傾向にある中で、「配信」のうち

「リアルタイム配信」に関する特許出願は、少なくともデータベース収録の遅れ、

PCT 出願の各国移行のずれ等の影響を受けない 2010 年~2014 年で見ると、増加傾

向にある(図 6-57)。ゲーム業界における電子ゲームの観戦型ビジネスモデル(e

スポーツなど)への注目を裏付けていると見ることができる。

3. 一方、据置型ゲームの市場と対比して、国内スマホゲームの市場はこれまで急速

な拡大を見せていたが、このところ市場規模は成熟段階にきている。

4. 実際に、例えば、東洋経済の調査によると、「スマホゲームを展開する主要 24 社」

のうち 2018 年第 1 四半期の業績で「18 社が前年同期比で減益、もしくは赤字とな

っ」ている。「一方で増益となった 6 社は、新型ゲーム機『ニンテンドースイッチ』

が牽引する任天堂や、家庭用ゲーム機向けソフト『モンスターハンター:ワール

ド』がヒットしたカプコンなど、スマホゲームへの依存率が低い会社が大半」であ

る(東洋経済オンライン(2018)「ヒットが出ない!「スマホゲーム」業界の憂鬱」)。

5. 電子ゲームに関する特許分類コード(IPC/CPC=A63F 9/24、A63F 13/)が付与さ

れた特許出願の件数推移を見ると、日本国籍はほぼ横ばいあるいは緩やかな増加

傾向なのに対し、米国籍は出願を大きく減少させている(図 6-5)。一方、電子ゲ

ームに関する特許分類コード(IPC/CPC=A63F 9/24、A63F 13/)が付与されたも

のに加えて、VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、各種入出力インターフ

ェイスなど、電子ゲーム以外の技術分野に関する発明であって、電子ゲームにも

活用できるものも含めた電子ゲームに関連する技術の特許出願全体の件数推移を

見ると、日本国籍はほぼ横ばいまたは緩やかな増加傾向のままであるが、米国籍

は緩やかな減少またはほぼ横ばいとなる(図 6-2)。つまり、日本国籍がこれまで

どおり定常的に電子ゲーム分野に出願しているのに対し、米国籍は従来の電子ゲ

ーム分野の枠組みを超えた技術の出願を強化している。

6. 米国は次の時代を狙い、従来の電子ゲーム以外の技術を積極的に取り込んで活用

していると考えられる。

7. 日本も今後、新たな技術や方式を採用したゲーム開発を推進し新たなユーザ層を

取り込むべきである。

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資料編

第7部

第6部

第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

【提言 1-1】ビジネスモデルを多角化することによる新たなユーザ層の取り込み

日本企業は、スマートフォンの普及に伴うスマホゲームの広がりの中で、市場を開拓

してきた強みを活かし、今後の収益方法として、広告やイベントを活用したビジネス

モデル(特に e スポーツなどの観戦型ビジネスモデル)への多角化を図り、より広い

ユーザ層への訴求を強化すべきである。

1. 日本はスマホゲーム内で利用できるアイテムの購入額が、諸外国に比べて突出し

ている。これは、日本のゲーム業界が、スマホゲームを中心として、アイテムの取

得に課金(アイテム課金)するビジネスモデルを開拓してきた結果と考えること

ができる。

2. 例えば、マーケティング調査の Sensor Tower によると、2012 年から 2017 年にか

けて、App Store で有料アプリ購入/アプリ内購入した 1 人当たりの金額を国別

に見ると日本が最も多い。2017 年は米国が 28 米ドルに対し日本は 68 米ドル、日

本の課金の約 90%(61 米ドル)はゲームによるものだとしている(Apple Store

(Sensor Tower(2018)「Japan Leads Per Capita App Store Spending at More

Than $200 Per Person Since 2012」)。

3. 一方で、アイテム取得への課金の中でもランダム型アイテム提供方式(いわゆる

有料ガチャ)について、海外の動向を見ると、例えば、英国ギャンブリング委員会

が 2018年 9月にギャンブルとゲームの境界線の曖昧さに関する懸念を宣言するな

ど、世界的にルートボックス(有料ガチャの一種)がギャンブルに該当するか否

か、該当するなら規制が必要との議論が高まっている。この宣言には、フランス、

スペイン、ポルトガル、ノルウェー、オランダ、イギリス、米国ワシントン州など

の規制当局が加わっている(Gambling Commission(2018)「Declaration of

gambling regulatiors on their concerns related to the blurring of lines

between gambling and gaming」)。

4. したがって、アイテム取得への課金の中でも、特に、ランダム型アイテム提供方式

を目的とした課金については、規制当局の方針次第で海外への市場展開が難しく

なるというリスクをはらんでいる。

5. 収益方法に関する「アイテム課金」、「広告」、「イベント」についての特許出願を見

ると、日本国籍は「アイテム課金」の出願比率が高い一方、「広告」、「イベント」

の出願比率は低いのに対し(図 6-14)、米国籍はいずれの出願比率も高く、「アイ

テム課金」よりも「広告」、「イベント」の出願比率の方が高い(図 6-41)。

6. このように、日本はアイテム取得への課金で稼ぐビジネスモデルに注力する一方、

米国はそれに加え、広告、イベントで稼ぐビジネスモデルを強化していると見る

ことができる。

7. 電子ゲームに関する新たなビジネスモデルとして、電子ゲームにおける対戦を一

種のスポーツ競技として捉え、イベントを開催し観戦集客することでスポンサー

からの広告収入を得たり、ゲームプレイの様子をリアルタイム配信して有料サイ

トで視聴させたりする「観戦型ビジネスモデル」が注目を集めている。

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資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

第1部

本編

要約

目次

第4部

8. 国内の e スポーツ市場は黎明期にあるのが現状であるが、海外では急成長してい

る。実際に、総務省の調査によると、2017 年の海外 e スポーツ市場規模は約 700

億円、2021 年には 1,700 億円に大きく成長すると見られている。一方、2017 年の

国内の e スポーツ市場規模は 5 億円未満と、黎明期にあるのが現状であるが、2018

年には e スポーツ関連団体が集結した「日本 e スポーツ連合(JeSU)」が設立され、

注目を集めているところである(総務省(2018)「e スポーツ産業に関する調査研

究報告書」)。

9. 出願動向では、「リアルタイム配信」に関する日米欧中韓への特許出願件数が 1,567

件(出願年(優先権主張年):2010-2016 年)と比較的多く、また増加傾向にある。

今後、e スポーツなどの観戦型ビジネスモデルの発展に伴い、リアルタイム配信に

関係する新たな配信手段に関する出願の更なる増加や、特許によるライセンス収

入が期待できる。

10. 国内外のこうした事情を鑑みると、日本企業は、スマホゲームにおけるユーザ層

の広がりの中で、「アイテム課金」を中心としたビジネスモデルで、そのユーザ層

を取り込み、市場を開拓してきた強みを活かし、今後、「アイテム課金」に加え、

「広告」や「イベント」を活用したビジネスモデル、特に電子ゲームの観戦型ビジ

ネスモデル(e スポーツなど)のようなビジネスモデルへの多角化を図り、これら

のユーザ層への更なる展開、より広いユーザ層への訴求を強化すべきである。

【提言 1-2】 新たなゲーム出力インターフェイスを採用したゲーム開発による新たなユ

ーザ層の取り込み

日本企業は、「反力」、「皮膚感覚」、「環境提示」、「空間音響表現」、「特殊ディスプレイ」、

「複数出力の連携」など、新たなゲーム出力インターフェイスに係る技術を採用した

ゲーム開発を推進し、新たなユーザ層を取り込むべきである。また、コンテンツ産業

や通信・放送、ゲーム関連の展示会などでの先行技術の発表・交流の機会を増やして

いくなど、産学連携強化の取り組みを推進するべきである。

1. 出力インターフェイスとして、力、振動、動きなどを使用する皮膚感覚フィードバ

ックを提示するハプティクス技術の市場は、2017 年から 2023 年にかけて、年平均

成長率 16%で成長し、2023 年には約 220 億米ドル規模になると予測されている

(Market Research Future「Haptic Technology Market Research Report – Global Forcast 2023」)。

2. 電子ゲーム市場における製品動向を見ると、Nintendo Switch で触覚フィードバッ

クをプレイヤーに与える「HD振動」機能が内蔵された他、ウェアラブル端末の Apple

Watch の「Taptic Engine」や iPhone 6s 以降の「3D Touch」機能として搭載され

たりしている。

3. 非特許文献動向調査(国内外の主要ゲーム雑誌/ゲーム業界誌に関する調査)

によると、日本国籍の製品開発者による記事も存在感があり、日本においても皮

膚感覚出力の電子ゲームへの活用に関するニーズや関心が高まっている(図 6-46)。

4. ゲーム市場はこれまでスマホなどのモバイルを中心に成長してきたが(図 6-1)、

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資料編

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第1部

本編

要約 目次

第4部

スマホでは出力インターフェイスが主に小さいスクリーンとスピーカに限定され

ている。

5. 今後は、反力、皮膚感覚、環境提示、空間音響表現、特殊ディスプレイなど、新た

な面白さを作り出すために出力インターフェイスの幅を広げることが期待される。

6. 空間音響表現は、音の回折を考慮した仮想音源の配置など、空間における音の伝

播表現を高度化するもので、ゲーム世界への没入感、リアル感を高める技術とし

て期待される。

7. 特殊ディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイ、凹面・ドーム型スクリーンな

ど、VR(バーチャルリアリティ)・AR(拡張現実)向けを含む新たなディスプレイ

形態である。現状のヘッドマウントディスプレイは装着の負担感が未だ大きいが、

今後、装着の負担感が小さく、視野角が広いものができるとより利用が進むと考

えられる。

8. こうした「反力」、「皮膚感覚」、「環境提示」、「空間音響表現」、「特殊ディスプレ

イ」、さらにそれらを組み合わせた「複数出力の連携」など、新たなゲーム出力イ

ンターフェイス技術のゲームへの適用についての特許出願を見ると、いずれも出

願が増加しており、国際出願が集中している米国への出願が多い重要な技術分野

であるが(図 6-28)、「特殊ディスプレイ」を除いて日本国籍の出願比率は低く日

本の出願は遅れているのに対し(図 6-10)、米国籍の出願比率は高く技術適用が進

んでいる(図 6-37)。「特殊ディスプレイ」については日本国籍の出願比率は高く

なっている(図 6-10)。

9. 出願先国別出願件数上位出願人ランキングを見ると、「皮膚感覚」については、イ

マージョン(米国)が日本への出願においても 1 位であり、過半数に米国籍がラ

ンクインをしている(表 6-1)。また、「環境提示」でも上位 10 社中 5 社が米国籍

である(表 6-2)。

10. 日本企業は、「反力」、「皮膚感覚」、「環境提示」、「空間音響表現」、「特殊ディスプ

レイ」、「複数出力の連携」など、新たなゲーム出力インターフェイスに係る技術を

採用したゲーム開発を推進し、新たなユーザ層を取り込むべきである。

11. 一方で、要素技術としては、日本にも先行研究がある。例えば、熊本大学、東京大

学、キヤノンなどの研究チームは、超音波を使い、何もない空中に触れることので

きる立体形状を作り出す技術を開発している(Takayuki Hoshi ら(2010)

「Noncontact Tactile Display Based on Radiation Pressure of Airborne

Ultrasound」)。

12. 先行研究の知見をゲーム制作の現場で活かせるように、産学連携の推進や新しい

技術をゲームの企画に取り込んで反映させていく取り組みをより強化していくこ

とも重要と考えられる。

13. コンテンツ産業や通信・放送、ゲーム関連の展示会などでの先行技術の発表・交流

の機会を増やしていくなども一つの方策と考えられる。

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本編

要約

目次

第4部

【提言 1-3】 新たなゲーム方式を採用したゲーム開発による新たなユーザ層の取り込み

日本企業は、「VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)」、「AR(Augmented Reality:

拡張現実)」、「ARG(Alternate Reality Game:代替現実ゲーム)」、「AI によるゲーム

バランス制御」など、新たなゲーム方式を採用したゲーム開発を推進し、新たなユー

ザ層を取り込むべきである。

1. 米金融グループのゴールドマン・サックスは、2016 年時点の VR(バーチャルリア

リティ)関連ソフトウェア市場規模を約 32 億米ドルと見積もっている、その内、

約 46%が電子ゲームである。2025 年には 950 億米ドルの市場に拡大すると予測し

ている(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(2016)「世界の常識

を変える AR(拡張現実)VR(仮想現実)」市場について)。

2. VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、ARG(代替現実ゲーム)、AI による

ゲームバランス制御は、今後のゲームデザインの方向性を示す新たなゲーム方式

の有力候補となっている。

3. VR(バーチャルリアリティ)について、国内最大のゲーム開発者団体が主催するイ

ベント CEDEC2017 で、ビジュアル・アーツ部門優秀賞に選ばれた enhance games 社

は、「まだまだ黎明期の VR(仮想現実)において VR(仮想現実)の特性を活かした

空間の広がりを体感できるビジュアルデザインを非常に高度なレベルで行ってい

る。リアルに偏りがちなビジュアルデザインに対する別の可能性を提示すること

ができている」と評された。

4. AR(拡張現実)は、例えば、提言 1-1 で言及した e スポーツなどで、一般の観客

が一見して選手の競技の“すごさ”が分からない場合、その技に関する解説を示し

たりする使い方もあるだろう。ゲーム以外の分野での活用も含め、ユーザ層、観客

層の裾野を広げ、新たなユーザ、観客がゲームその他を楽しむためのキーテクノ

ロジーとして期待される。

5. 例えば、ゲーム方式として AR(拡張現実)を採用した Pokémon GO は、ゲームデザ

イン部門優秀賞に選ばれている。

6. ARG(代替現実ゲーム)は、ゲーム内外のコミュニケーションやメディアを通じ、

不特定多数のプレイヤーが協力して、リアルタイムに進行する状況の中で、与え

られた謎解きやミッションを解決していくなど、ゲーム世界に日常世界を交差さ

せながらゲームを進行させるものである。こちらも新しい概念であり、今後様々

な形での実用化が期待される技術だといえる。

7. これら新たなゲーム方式に関する「VR(バーチャルリアリティ)」、「AR(拡張現実)」、

「ARG(代替現実ゲーム)」についての特許出願を見ると、いずれも出願が増加して

おり、国際出願が集中している米国への出願が多い重要な技術分野であるが(図

6-31)、日本国籍の出願比率は低く日本の出願は遅れているのに対し(図 6-13)、

米国籍の出願比率は高く技術適用が進んでいる(図 6-40)。

8. また、AI によるゲームバランス制御は、プレイヤーがゲームをより楽しめるよう

に難易度やイベント発生、報酬の与え方等の様々なゲームバランスを自動で調整

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本編

要約 目次

第4部

するために AI を用いるものである(メタ AI)。

9. 「AI による開発」に関する特許出願の細目を見ると、日本国籍の出願は「AI によ

る NPC 制御」に集中しているのに対し、米国籍は「AI による NPC 制御」よりもむ

しろ「AI によるゲームバランス制御」の出願が多くなっている(図 6-50)。

10. 日本企業は、「VR(バーチャルリアリティ)」、「AR(拡張現実)」、「ARG(代替現実ゲ

ーム)」、「AI によるゲームバランス制御」など新たなゲーム方式を採用したゲーム

開発を推進し、新たなユーザ層を取り込むべきである。

〔方向性 2〕 開発生産性向上を目指す

1. 電子ゲーム業界では、高精細・高機能なゲーム開発が主流となってきており、開発

規模、開発期間、費用が高騰し、人材不足が深刻化している。

2. 例えば、東洋経済の調査によると、「新作のヒット率が下がる一方で、ゲームに求

められる品質は高まり、開発費の高騰が止まらない。黎明期は 1 億円以下が多数

だった 1 本当たりの開発費は、今や 5 億円以上になることも珍しくない」(東洋経

済オンライン(2018)「ヒットが出ない!「スマホゲーム」業界の憂鬱」)。

3. 開発の低コスト化、開発容易性など、開発生産性に関する「経済性」を課題とした

特許出願を見ても、世界的に出願が増加しており、技術蓄積が進んでいる(図 6-

16、図 6-34、図 6-42)。

4. 日本のゲーム業界も、より一層、開発生産性向上を目指すべき状況となっている。

【提言 2-1】 AI によるゲーム開発の効率化

日本企業は、開発生産性向上のために、ゲームコンテンツの「AI による制作」や、ゲ

ームの動作テスターとして AI を活用する「AI による品質保証」など、「AI による開

発」の効率化を推進すべきである。

1. 今後の更なる開発生産性向上のため、AI を活用したゲーム開発の効率化が期待さ

れる。

2. 非特許文献動向調査(国内外の主要ゲーム雑誌/ゲーム業界誌に関する調査)に

よると、「AI による開発」の記事は、2011 年までは米国籍の方が日本国籍の製品

開発者によるものよりも多かったが、2013 年以降日本国籍は急激に発表数を伸ば

してきており、むしろ米国籍よりも多くなっている(図 6-48)。日本においても「AI

による開発」に対するニーズや関心は高まっていると考えることができる。

3. 電子ゲーム開発で今後期待される AI 活用方法としては、AI によるコンテンツ制

作、AI による品質保証などがある。

4. 実際に、「AI による開発」に関する特許出願の細目を見ると、「AI による NPC 制

御」、「AI によるルート制御」、「AI によるゲームバランス制御」の他、「AI による

制作」、「AI による品質保証」に関する出願が見られる。推移を見ると、「AI による

NPC 制御」、「AI によるルート制御」が減少傾向にあるのに対し、「AI による制作」

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資料編

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第6部 第5部

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第1部

本編

要約

目次

第4部

は増加傾向にある(図 6-49)。

5. 出願人国籍別に見ると、日本国籍の出願は「AI による NPC 制御」に集中している

のに対し、米国籍は「AI による NPC 制御」や「AI によるルート制御」に匹敵する

程度に「AI による制作」や「AI による品質保証」の出願も多い(図 6-50)。

6. 国内最大のゲーム開発者団体が主催するイベント CEDEC2018 で行われた講演「ゲ

ーム AI 技術 20 年の進化とこれから」によると、電子ゲームにおける AI 活用は、

ゲームの中で動作するキャラクターAI(「AI による NPC 制御」)、ナビゲーション AI

(「AI によるルート制御」)などから、ゲームコンテンツの「AI による制作」や、

ゲームの動作テスターとして AI を活用する「AI による品質保証」などが増えてい

く移行期にあるとしている。

7. 「AI による品質保証」とは、例えば、あらゆる操作状況や条件に応じて可能な限

り網羅的にテストプレイするために、多くのテストプレイヤーと多大な費用を掛

けることなく、そのテストプレイを AI で自動的に実行するような技術である。

8. こうした開発の場面で活用される AI 技術の蓄積は、広くデジタルコンテンツの制

作やシステムのデバッグといったシステム開発一般にも転用できる可能性がある。

9. 「AI による開発」全体の特許出願を見ると、出願が増加しており、国際出願が集

中している米国への出願が多い重要な技術分野であるが(図 6-33)、日本国籍の出

願比率は低く日本の出願は遅れているのに対し(図 6-15)、米国籍の出願比率は高

く技術活用が進んでいる(図 6-42)。

10. 日本企業は、開発生産性向上のために、「AI による制作」や「AI による品質保証」

など、「AI による開発」の効率化を推進すべきである。

【提言 2-2】 開発生産性向上のためのゲーム開発基盤の開発・有効活用

日本企業は、開発生産性向上のために、「情報セキュリティ」に留意しつつ、遠隔地を

含めた複数人で協働して開発を進められるようにする「クラウド開発環境」や、ゲー

ムの動作結果を可視化する「開発物の可視化」に関する技術開発及び有効活用に取り

組むべきである。

1. クラウド開発環境は、大容量ファイルサイズへの対応やバージョンアップへの対

応を容易にし、また、遠隔地も含め、複数人で協働して開発を進められるようにす

るなど、開発生産性を向上させることができる。

2. 地続きのエリアの色分け、各種クエリーが何回呼び出されたかを可視化するなど、

複雑な制作物としてのゲームの動作結果を可視化するツールは、動作検証やデバ

ッグなどの品質保証のプロセスで活用することにより、開発生産性を高めること

ができる。また、企画段階のプロセスにおいても、検討中のプロトタイプを可視化

することで、デザイン例や企画イメージを共有でき、企画部門の生産性向上が期

待できる。

3. 開発生産性向上に関する「クラウド開発環境」、「開発物の可視化」についての特許

出願を見ると、出願が増加しており、国際出願が集中している米国への出願が多

い重要な技術分野であるが(図 6-33)、日本国籍の出願比率は低く日本の出願は遅

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資料編

第7部

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第2部

第1部

本編

要約 目次

第4部

れているのに対し(図 6-15)、米国籍の出願比率は高く技術活用が進んでいる(図

6-42)。

4. 非特許文献動向調査(国内外の主要ゲーム雑誌/ゲーム業界誌に関する調査)

によると、米国籍による記事件数が突出しており日本国籍の記事は少ない(図 6-

55)。「クラウド開発環境」に関するニーズや関心は、日本では表出化していない状

況と捉えることができる。

5. ただし、開発におけるクラウド利用では、開発中のコンテンツが社外に置かれる

こととなる場合もあるため、開発情報が外に漏れないように情報セキュリティに

は十分留意する必要がある。

6. 実際に、技術区分「情報セキュリティ」とその下位区分「サーバ保護」、「不正通信

検出」への付与率は、「クラウド開発環境」に関する特許文献の群において相対的

に高くなっており、「クラウド開発環境」の開発においては情報セキュリティ性が

重視されている(図 6-56)。

7. 日本企業は、開発生産性向上のために、「情報セキュリティ」に留意しつつ「クラ

ウド開発環境」、また「開発物の可視化」に関する技術開発、有効活用に取り組む

べきである。

〔方向性 3〕ゲームの健全性向上と他分野への戦略的展開

1. WHO(世界保健機関)は、2018 年 6 月、オンラインゲームやテレビゲームのやり過

ぎによって日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新しい疾病として認定し、国際

疾病分類の最新版に加える方針を示した。このように、ゲームプレイには依存症

の弊害もあると広く認識されるようになっている。

2. また、ゲームのやり過ぎで眼精疲労の他、VR(バーチャルリアリティ)など映像酔

いによる自律神経失調などの健康障害もあり得る。実際に、ゲームに関する特許

出願でも、「酔い防止」を課題とするものがある(日米欧中韓への出願、出願年(優

先権主張年):2010-2016 年で 338 件)。

3. このような背景の中、海外ではゲームに対する規制を強化する国も出てきている。

例えば中国は、青少年の教育に悪影響を与えるという理由で、2015 年に解禁され

るまで家庭用ゲーム機の製造・販売を禁止していた。加えて、2018 年 8 月には、

近視が社会問題化していることを理由に、人気オンラインゲームの販売中止の決

定が発表されている。また、韓国においても、ゲーム依存症をはじめとする社会問

題に対応するため、2011 年に、16 歳未満の青少年が午前 0 時から 6 時にオンライ

ンゲームで遊ぶことを禁じるシャットダウン法が制定されている。

4. このように、ゲームプレイによる弊害が取り沙汰される中、今後ゲームがより世

界的に幅広いユーザ層から受け入れられるためには、係る弊害を解消するような

仕組みを構築し、ユーザや政府に対してゲームの健全なイメージを定着させてい

く必要がある。

5. 一方、ゲームは、無論、悪い影響のみを人に与えるものではない。ゲームの楽しみ

を演出して人を引き込む特性を利用し、教育・訓練や防災、フィジカル及びメンタ

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資料編

第7部

第6部 第5部

第3部

第2部

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要約

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ルのヘルスケアの増進に役立てるという方向もある。

6. これは、ゲームのコンテンツとしての楽しさの演出手法の活用の他、ゲームの世

界で培われてきた親しみやすく面白い入出力インターフェイス技術の活用という

意味で、ゲームの付加価値の他分野への展開ということができる。

7. ゲーム市場の健全かつ持続可能な成長のため、ゲームプレイに伴う弊害を解消す

る仕組み作りと、従来の電子ゲームの枠組みにとらわれない多目的かつ他分野へ

の戦略的展開が求められる。

【提言 3-1】 センシング技術や認識技術を活用したゲームの健全性向上

日本企業は、「生体情報」センシングや「酔い防止」に関する技術の強みを活かし、「心

理状態認識」、「難易度調節」、「健全性」を高める技術にも今後より注力していき、ゲ

ームプレイによる弊害を解消する取り組みを進めることで、ゲームに対する健全なイ

メージを定着させるよう努めるべきである。

1. ゲームに対する否定的な見方もある中で、ゲーム市場の持続可能な成長のために

は、これまで以上に健全性を担保する仕組みが必要と考えられる。

2. 技術的にも、脈拍など血流、視線、脳波など健康状態をセンシングしたり、心理状

態を捉えたりすることで、アラームを発したり、休息を促したり、自動的にゲーム

難易度を調節したりする仕組みが考えられる。

3. 実際に、生体情報センシングにより、ストレスや生産性を測定し、スポーツ選手の

緊張状態やドライバーの覚醒状態、仕事への集中度を計測する実証もなされてい

る。

4. 例えば、パナソニックは、スポーツイベントにおける新たな競技観戦の楽しみを

創出・提供することを狙いとして、ゴルフ向けの実証実験を行い、カメラに写る選

手の顔の映像から心拍数を測定し、選手の緊張状態を可視化して視聴者が今まで

にない緊迫感ある放送を楽しめるようにしている(パナソニック(2017)「『パナソ

ニックオープン 2017』で、ICT を活用した競技観戦ソリューション、セキュリテ

ィソリューションの実証実験を実施」)。

5. また、JINS は、3 点式眼電位センサーと 6 軸センサーを用いて、ドライバーの疲

労や眠気に伴うまばたき、視線の変化と頭の動きなどを捕捉することで、ドライ

バーの覚醒度の変化を検知し、アプリを通じて眠気の可能性を知らせるメガネ

「JINS MEME」を開発し、安全運転施策の導入が進むタクシーやバス、運輸会社と

共同で実証事業を展開している(JINS「JINS MEME DRIVE」アプリを使って、楽し

く安全なドライブへ)。

6. JINS MEME はまた、「簡便に集中力を測定し、個人のパフォーマンスの向上につな

げる」ニーズに応えるため、「鼻が当たる部分に搭載されたセンサーでまばたきや

黒目の動きを把握。耳の当たる部分にあるセンサーで体の傾きなどを読み取る」

ことで、「集中力の指標となる」「まばたきの数」や「集中力を長続きさせるために

重要な指標となる」「リラックスの度合いと姿勢」を測るのにも使うことができる

(週刊ダイヤモンド(2017)「特集 仕事・勉強に効く『集中力』&記憶術・速読

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術」)。

7. 「生体情報」センシングや「酔い防止」についての特許出願を見ると、出願が増加

しており、国際出願が集中している米国への出願が多い重要な技術分野であり(図

6-27、図 6-34)、日本国籍と米国籍の出願比率が共に高く日米が拮抗した技術分野

となっている(図 6-9、図 6-16、図 6-36、図 6-43)。

8. 同じく出願が増加しており、国際出願が集中している米国への出願が多い重要な

技術分野である「心理状態認識」や「難易度調節」、「健全性」についての特許出願

を見ると(図 6-29、図 6-31、図 6-34)、日本国籍の出願比率は低く日本の出願は

遅れているのに対し(図 6-11、図 6-13、図 6-16)、米国籍の出願比率は高く技術

適用が進んでいる(図 6-38、図 6-40、図 6-43)。

9. 日本企業は、「生体情報」センシングや酔い防止に関する技術の強みを活かし、「心

理状態認識」、「難易度調節」、「健全性」を高める技術にも今後より注力していき、

ゲームプレイによる弊害を解消する取り組みを進めることで、ゲームに対する健

全なイメージを定着させるよう努めるべきである。

【提言 3-2】ゲームの演出方法や入出力インターフェイス技術等の他分野への戦略的展開

日本企業は、ゲーム市場の健全かつ持続可能な成長のため、提言 3-1 のゲームの健全

性向上の取り組みと併せ、ゲームのコンテンツとしての楽しさの演出やゲームの世界

で培われてきた親しみやすく面白い入出力インターフェイス技術の活用を、「教育・訓

練」、「防災」、「フィジカル・ヘルスケア」、「メンタル・ヘルスケア」など、従来の電

子ゲーム以外の他分野へ戦略的に展開する取り組みを進めるべきである。

1. ゲームの楽しさや競争意識を引き出す演出、円滑なコミュニティづくりなどの仕

掛けは、教育・訓練や防災、フィジカル及びメンタルのヘルスケアなどにおいて、

ユーザの継続的なモチベーション維持・向上に役立てることができると考えられ

る。

2. こうしたゲームの他分野での活用による効果に関しては、国内外で研究が進んで

おり、シリアスゲームと呼ばれ、国際学会 DiGRA(デジタルゲーム学会)でも報告

が寄せられている。教育の他、リハビリや医療、高齢者の脳の老化防止や肉体機能

維持・回復、政治、経済、公共政策などの分野での有効性が期待されている(一般

社団法人コンピュータエンターテインメント協会 ゲーム研究者インタビュー

(馬場章インタビュー))。

3. 実際の活用では、例えば、総務省が、「若年層に対するプログラミング教育の普及

推進事業」として、小学生向けプログラミング教育に教育版マインクラフト(全世

界で 1 億人以上が利用する世界で最も多く利用されているオープンワールド型の

仮想空間を提供するゲーム)を活用するモデル実証を行っている。

4. バンダイナムコホールディングスは、2004 年頃から、子会社を通じて、ゲーム事

業で培った「遊び」のノウハウを高齢者向け介護サービスに活用する事業を展開

している。エレクトロメカニカルマシンと呼ばれるジャンルのゲーム機を導入し、

運動機能の改善や脳の活性化に効果があるとされている(株式会社かいかや「リ

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ハビリサポートマシンの紹介」)。

5. また、米国では、2007 年頃に、子どもの肥満を防止する目的で、少なくとも 10 の

州の数百の学校が体育のカリキュラムにダンスゲームを導入している(New York

Times(2018)「P.E. Classes Turn to Video Game That Works Legs」)。

6. 最近では、VR(バーチャルリアリティ)を使ったリハビリ機器の開発も進んでい

る。ヘッドマウントディスプレイと専用のコントローラを用いて、頭上から落ち

てくるように見えるアイテムを拾う動作によってリハビリを実践する取り組み等

である。アイテムを拾うために腕を伸ばす距離など、言葉による指示よりも、自然

な形で示せる(日経デジタルヘルス(2018)「VR を使ったリハビリ機器、mediVR」)。

7. ゲームのエンターテインメント性を、エンターテインメント以外の目的・効果に

活かす、「教育・訓練」、「防災」、「フィジカル・ヘルスケア」、「メンタル・ヘルス

ケア」の特許出願は増加しており、ゲームに対する否定的な見方が少なからず見

られる中国においても出願比率が高い技術分野となっている(図 6-26)。特に、「防

災」、「フィジカル・ヘルスケア」は、国際出願が集中している米国への出願も多く

重要な技術分野と言える(図 6-35)。一方で、日本国籍による出願は少ないのが現

状である(図 6-17)。

8. こうした他分野への展開は、ゲームのコンテンツとしての楽しさの演出手法の活

用の他、ゲームの世界で培われてきた親しみやすく面白い入出力インターフェイ

ス技術の活用という意味で、ゲームの付加価値の他分野への展開ということがで

きる。

9. 日本企業は、ゲーム市場の健全かつ持続可能な成長のため、提言 3-1 のゲームの

健全性向上の取り組みと併せ、ゲームのコンテンツとしての楽しさの演出やゲー

ムの世界で培われてきた親しみやすく面白い入出力インターフェイス技術の活用

を、「教育・訓練」、「防災」、「フィジカル・ヘルスケア」、「メンタル・ヘルスケア」

など、従来の電子ゲーム以外の他分野へ戦略的に展開する取り組みを進めるべき

である。

平成30年度特許出願技術動向調査 -電子ゲーム- アドバイザリーボード名簿

(敬称略、所属・役職等は平成31年2月現在)

委員長 遠藤 雅伸 東京工芸大学 芸術学部ゲーム学科 教授 委員 三部 幸治 株式会社タイトー 技術顧問

鳴海 拓志 東京大学大学院 情報理工学系研究科 講師

南野 真太郎 株式会社 Cygames プロジェクト共通基盤 サブマネージャー

三宅 陽一郎 株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部

リード AIリサーチャー

𥱋𥱋瀬 洋平 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社

プロダクト・エヴァンジェリスト

*委員は五十音順に記載

オブザーバ 松下 公一 特許庁 審査第一部 自然資源(電子ゲーム・学習)室長

池谷 香次郎 (前)特許庁 審査第一部 自然資源(電子ゲーム・学習)室長

上田 泰 特許庁 審査第一部 自然資源 審査官

東 芳隆 特許庁 審査第一部 自然資源 審査官補

最首 祐樹 特許庁 審査第一部 調整課 審査調査室 専門官

野口 聖彦 特許庁 審査第一部 調整課 審査調査室 専門官

川瀬 正巳 (前)特許庁 審査第一部 調整課 審査調査室 専門官

薄井 義明 特許庁 総務部 企画調査課 知財動向班長

小堺 行彦 特許庁 総務部 企画調査課 知財動向班 技術動向係長

関塚 千晃 特許庁 総務部 企画調査課 知財動向班 技術動向係

吉丸 尚宏 経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課 課長補佐

緑川 菜月 経済産業省 コンテンツ産業課 総括係員

三島 崇 経済産業省 産業技術環境局 国際電気標準課 課長補佐

服部 元隆 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

技術戦略研究センター 電子・情報・機械システムユニット 研究員

*五十音順に記載

○本調査の実施と報告書の作成に当たっては、本調査のために設置された上記委員から構成さ

れるアドバイザリーボードからの助言を活用した。