3.宮城県内の様々な医療機関から処方せんを応需している南吉成店、仙台愛子店、...
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集計結果から薬の重複、用法用量変更など患者様の健康被害の回避につながる疑義照会があった。その他にも漫然投与の確認や残薬確認による処方の削除があり、医療費削減に貢献できる事が考えられた。また、患者様への服薬指導の中で必要がないと思われた処方内容を疑義照会したが、変更がなかった場合、薬剤師としてもどかしさを感じるが、そのような事例も積み重ねていくことで、患者様の治療方針の改善、医療費削減につながるものと考える。
医師による、適応外である処方に対しても、治療上必要であると想定できる場合もあるが、それをいち早くチェックできるのが薬剤師であり、今後も調剤指針に則った健全な調剤を行い、患者様の治療に貢献していきたい。
期間内で、5店舗の疑義照会件数は339件であり、疑義照会を行った中でもっとも多かったのは、漫然投与確認(50%:179件/339件)であった。次いで処方変更(21%:75件/339件)、薬削除(10%:16件/339件)、薬追加(4%:16件/339件)、その他(15%:32件/339件)という結果になった。さらにそれぞれで多かった内訳の結果は下記の通りとなった。
○漫然投与⇒メチコバール、シナールなどのビタミン剤
○薬削除⇒重複による削除、残薬確認後の削除
○薬追加⇒医師による処方忘れ
○処方変更⇒日数変更、用法変更、インスリン単位変更
○その他⇒添付文書上の用法違いがあったがそのままの処方、
粉砕不可の問い合わせ、併用禁忌だが変更なしなど
疑義照会は保険薬局において薬剤師の職能を発揮する重要な業務である。疑義照会をすることにより患者様の健康被害を食い止めること、そして、より最善の治療が行われることが第一だと考えられるが、それ以外に違う視点で貢献できることがないか、また疑義照会における問題点がないかを検討するために調査を実施した。
〈薬局情報〉 1.南吉成店 平均処方枚数:20枚/日、医療機関件数:51件/月 2.仙台愛子店 平均処方枚数:40枚/日、医療機関件数:115件/月 3.塩釜店 平均処方枚数:35枚/日、医療機関件数:92件/日 4.古川南店 平均処方枚数:7枚/日、医療機関件数:24件/月 5.大街道店 平均処方枚数:15枚/日、医療機関件数:58件/月
宮城県内の様々な医療機関から処方せんを応需している南吉成店、仙台愛子店、
塩釜店、古川南店、大街道店の5薬局において平成26年9月1日から11月30日の
3ヶ月間の期間で疑義照会について下記の内容で集計を行った。さらに、特徴的な
事例も収集した。
・漫然投与
・薬剤削除
・薬剤追加
・処方変更
・その他の内訳
倫理規定:本研究は、ツルハホールディングス学術研究発表審議会の承認を得て行った(承認番号:D20160004)。
漫然投与
50%(179件)
処方変更
21%(75件)
薬削除10%
(37件)
薬追加4%(16
件)
その他15%
(32件)
事例① 抗てんかん薬イーケプラ錠と一緒にデパケン錠100 1日1錠・
朝食後が併用薬として処方。過小処方と考え、1日量・用法の
記載間違いかデパケンR錠の誤りではないかと疑義照会した。
医師より、イーケプラ錠単剤で投与したいが他の抗てんかん薬
剤と併用しないと適用外になるので患者負担が最も少なくなる
ようにデパケン錠100を処方した。患者にはデパケン錠100は、
飲まないように伝えてあるとの返答。
事例② アダラートCR錠20mg が分3毎食後の処方のため、疑義照会
を行った。医師より治療上必要なためである。上限量80mgは
超えていないため問題なしとの返答。
事例③ 皮膚科でアレロック錠とザンタック錠が処方されていた。患者様
がザンタック錠もアレルギー症状に対する薬と話していたので、
適用外処方と考え疑義照会を行った。医師より病名が胃潰瘍と
しているのでそのまま調剤するようにとの返答。