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3-4 緩衝材の仕様設計(3.2.1.2(3))
1. はじめに
第 2 次 TRU レポートでは,3.2.1.2(3) 緩衝材仕様例の提示において,緩衝材要求機能を満足
する緩衝材仕様の検討を行っている。本根拠書では,それらの検討の根拠となったデータ群を整
理し,緩衝材設計根拠を示す。具体的には,緩衝材設計において重要な各種ベントナイトの物性
値について,クニゲル V1,クニゲル原鉱,MX-80,MX 原鉱などの Na 型ベントナイト,クニボンド,
FEBEX ベントナイトなどの Ca 型ベントナイト,粒状ベントナイトなどを対象に最新データの収
集・整理を行い,また,海水環境下での物性や Na 型ベントナイトが Ca 型化することによる物性
変化の把握も近年重要視されており,それらに関して取得されたデータも整理した。それらのデ
ータ群及び緩衝材仕様設計の詳細について以下に整理する。
2. 各種ベントナイトの物性値の整理(緩衝材の基本物性の整理)
緩衝材設計に必要な各種ベントナイトの物性値の整理を行った。対象とするベントナイトは Na
型ベントナイトとしては,クニゲル V1,クニゲル原鉱,MX-80,MX 原鉱,Ca 型ベントナイトとし
ては,クニボンド,FEBEX ベントナイトとした。また,造粒ベントナイトとして,クニゲル V1 を
用いて造粒されたベントナイトペレットも対象とした。また,海水環境下での物性や Na 型ベント
ナイトが Ca 型化することによる物性変化の把握も近年重要視されており,それらに関して取得さ
れたデータも整理した。対象とした物性は以下の通りである。
・物理・化学特性
・熱特性:熱伝導率,比熱
・水理特性:飽和透水係数
・力学特性:一軸圧縮強度
・締固め特性
(1) 物理・化学特性
表-1 に各種ベントナイトの物理・化学特性を示す。クニゲル V1,クニピア F,MX-80 について
は H12 レポート(核燃料サイクル開発機構,1999a)にしてある値である。また,FEBEX ベント
ナイトはENRESAにより実施されているGrimselにおける原位置試験に使用されているベントナイ
トで Ca 型である(ENRESA,1998) 。また,表-2 には核燃料サイクル開発機構により実施された
釜石鉱山における粘土充填・熱負荷試験において使用された OT-9607(クニゲル V1 の原鉱(粒径
2mm アンダー))のモンモリロナイト含有率の測定結果(Fujita et al,1997),表-3 にクニゲル
V1 とクニゲル原鉱(粒径 20mm アンダー)の値を示す。
2
表-1 各種ベントナイトの物理・化学特性
試料名 クニゲル V1 クニピア F MX-80 FEBEX
液性限界(%) 416 993 400 102
塑性限界(%) 21 42 70 53
塑性指数(-) 395 951 330 49
陽イオン交換容量
(meq/100g) 52 117 79 113
Na+ 54.6 114.9 56.0 25
K+ 1.3 1.1 2.3 2.2
Ca2+ 41.9 20.6 30.1 48
浸出陽イオン
(meq/100g)
Mg2+ 6.6 2.6 15.6 38
モンモリロナイト含有率(%) 46-49 98-99 75 88-96
表-2 各種ベントナイトの物理・化学特性(その2)
試料名 OT-9607 クニゲル V1 クニピア F
メチレンブルー吸着量(mmol/100g) 63.5 66.0 136.0
モンモリロナイト含有率(%) 45.5 47.3 97.5
表-3 各種ベントナイトの物理・化学特性(その3)
試料名 クニゲル V1 クニゲル原鉱
膨潤力(ml/2g) 20 17
陽イオン交換容量(meq/100g) 72.5 73.6
Na+ 58.8 52.5
K+ 2.9 2.9
Ca2+ 45.6 53.2
浸出陽イオン
(meq/100g)
Mg2+ 1.9 11.3
メチレンブルー吸着量(mmol/100g) 82 72
モンモリロナイト含有率(%) 58.6 51.4
(2) 熱特性
a. 熱伝導率
核燃料サイクル開発機構により,ベントナイトクニゲル V1 単体(乾燥密度 1.8Mg/m3)及びクニ
ゲル V1 とケイ砂の混合体(乾燥密度 1.6Mg/m3,ケイ砂混合率 30%)についての熱伝導率の測定が
行われている(核燃料サイクル開発機構,1999a)。これらは,100℃以下では温度依存性は少な
いとし,含水比の関数として整理されている(鈴木ほか,1999a)。核燃料サイクル開発機構によ
り実施された釜石鉱山における粘土充填・熱負荷試験に使用された OT-9607(クニゲル V1 の原鉱)
についても同様に含水比の関数として熱伝導率が整理されている(Fujita et al,1997)。また,
SKB の Prototype Repository Project で使用されている MX-80 (L.Börgesson et al,1999),ENRESA
3
がグリムゼルで実施中の FEBEX で使用されている FEBEX ベントナイト(ENRESA,1998)について
は飽和度の関数として,熱伝導率が整理されている。
これらの材料の熱伝導率の関数式を以下に示す。
・クニゲル V1 単体(乾燥密度 1.8Mg/m3)(Chijimatsu et al,2000)
362421 1067.91028.51017.61058.5 ωωω −−−− ×−×−×+×=TmK (1)
・ケイ砂混合体(乾燥密度 1.6Mg/m3)(Chijimatsu et al,2000)
342321 1069.11014.61038.11044.4 ωωω −−−− ×−×+×+×=TmK (2)
・クニゲル OT-9607(乾燥密度 1.65Mg/m3)(Chijimatsu et al,2000)
ω21 1000.51003.5 −− ×+×=TmK (3)
・MX-80(L.Börgesson et al,1999)
65432 793.044.81.234.1628.1221.0300.0 rrrrrrTm SSSSSSK ++−+−−= (4)
・FEBEX ベントナイト(ENRESA,1998)
11.0/)67.0(175.030.1−+
−=rSTm e
K (5)
ここで,KTmは緩衝材全体の熱伝導率(W/mK),ωは含水比(%),Srは飽和度(-)である。
図-1 には,(1)~(5)式により得られる,各緩衝材材料の熱伝導率の飽和度依存性を示す。また,
図-2 には,核燃料サイクル開発機構により実施されたクニゲル V1 の熱伝導率をケイ砂混合率,
乾燥密度,含水比(飽和度)をパラメータとして測定した結果を示す(谷口ほか,1999)。この結
果,以下の知見が得られている。
・緩衝材の熱伝導率は,含水比の増加とともに大きくなる。
・ケイ砂混合率が同じ場合,乾燥密度が大きいほど熱伝導率は大きくなる。
・同乾燥密度の場合,含水比が大きいところでは,ケイ砂混合率が大きいほど熱伝導率は大き
くなる。しかしながら,含水比が小さくなるにつれてその影響は小さくなり,含水比が 0%
の場合,熱伝導率はケイ砂混合率に依存せず,乾燥密度毎にほぼ同等の値を示す。
また,増田らにより,含水比,乾燥密度,ケイ砂混合率をパラメータにした熱伝導率の算定式
も提案されており,これを以下に示す(増田ほか,2004a)。
ba += ωλ (6)
; RsRsa dd ⋅××+××××+×= ρρ 4-3-3-2- 10684.610220.1-10021.910230.3 (7)
; Rsb d ××++= 3-10749.8239.1- ρ (8)
ここで,λは熱伝導率(W/m K),ωは含水比(%),ρdは乾燥密度(Mg/m3),Rs はケイ砂混合率
(%)である。(相関係数 R=0.82)。
4
さらに,ベントナイトペレットの熱伝導率に関する試験も実施されており,結果を図-3 に示す
(原子力環境整備促進・資金管理センター,2002a;2003)。図-3 はかさ乾燥密度と熱伝導率の関
係を示している。なお,粉末ベントナイトの値は核燃料サイクル開発機構により報告されている
もの(鈴木ほか,1999a)である。結果として,かさ乾燥密度が 1.0~1.4Mg/m3,含水比が 6~12%,
熱伝導率が 0.10~0.35W/m K 程度となっている。
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
飽和度(-)
熱伝導率(W/mK)
クニゲルV1ケイ砂混合体OT-9607MX-80FEBEX
図-1 緩衝材材料の熱伝導率の飽和度依存性
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
0 20 40 60 80 100飽和度(%)
熱伝導率(W/mK)
B/S=10/0,ρd=1.0
B/S=10/0,ρd=1.2
B/S=10/0,ρd=1.4
B/S=10/0,ρd=1.6
B/S=10/0,ρd=1.8
B/S=10/0,ρd=2.0
B/S=7/3,ρd=1.2
B/S=7/3,ρd=1.4
B/S=7/3,ρd=1.6
B/S=7/3,ρd=1.8
B/S=5/5,ρd=1.4
B/S=5/5,ρd=1.6
B/S=5/5,ρd=1.8
B/S=2/8,ρd=1.8
図-2 緩衝材材料の熱伝導率のケイ砂混合率,乾燥密度,飽和度の影響
5
0.00
0.05
0.10
0.15
0.20
0.25
0.30
0.35
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6乾燥密度(Mg/m3)
熱伝導率(W/mK)
粉末ベントナイト
Tablet型
Chunk型
Granulate型
クニゲルV1
7号珪砂
CIP型(2mm+20mm)
CIP型(2mm)
図-3 各種ペレットのかさ乾燥密度と熱伝導率の関係
b. 比熱
ベントナイトの比熱 c(kJ/kg K)に関しては,熱伝導率λ(W/m K)を線熱源法,熱拡散率α(m2/s)
を点熱源法を用いてそれぞれ取得し,次式より求めている(鈴木ほか,1999a)。
ραλ
=c (9)
ここで,ρ(kg/m3)は密度である。
しかし,熱拡散率を取得する際,点熱源法では測定誤差が生じるため,最近は面熱源法(Sugita,
et al,2002;核燃料サイクル開発機構,2002)を用いて熱伝導率,熱拡散率を同時に取得し比熱
を算出している。
また,一般には土質材料のような複合材料の比熱は,複合材料を構成する各単一材料の比熱と
単位体積当たりの質量比の積を総和して表すことができる。緩衝材の場合は,固相は粘土基質部
(ベントナイト又はベントナイトとケイ砂の混合部において間隙がないもの),液相は水,気相は
空気から構成され,次式で表すことができる。
aawwss cccc ρρρ ++= (10)
ここで添え字 s,w,a は固相,液相,気相の各相を表す。このうち,気相の項は他に比べて十分
小さいので無視することができる。したがって,粘土基質部の比熱が求まれば,その乾燥密度,
含水比依存性は求められることになる。粘土基質部の比熱は,気相の項を無視することにより,
含水比 0%の比熱となる。核燃料サイクル機構においては,(10)式より緩衝材の比熱を(11)~(13)
式のように表している(鈴木ほか,1999a;Chijimatsu et al,2000)。また,SKB においても MX-80
6
の比熱を(14)式のように表している(L.Börgesson et al,1999)。一方,ENRESA においては FEBEX
ベントナイトに関して,(15)式のように固相の比熱容量を温度の関数として設定し,緩衝材全体
の比熱(ρC)mは固相と液相の体積比率から(16)式を用いて算出している(ENRESA,1998)。
・クニゲル V1 単体
ωω
++
=100
18.43.32c (11)
・ケイ砂混合体
ωω
++
=100
18.41.34c (12)
・クニゲル OT-9607
ωω
++
=100
18.46.42c (13)
・MX-80(L.Börgesson et al,1999)
ωω
++
=100
2.40.80c (14)
・FEBEX ベントナイト
7535.000138.0 += TCvs (45℃<T<150℃) (15)
・一般材料
( ) vssvffrmv CnCnSC ρρρ )1( −+= (16)
ここで,c は緩衝材全体の定圧比熱(kJ/kg K),(ρC)mは緩衝材全体の定積比熱(kJ/m3 K),Cvfは
液相の定圧比熱(kJ/kg K),Cvsは固相の定圧比熱(kJ/kg K),ρfは液相の密度(kg/m3),ρsは固
相の密度(kg/m3),ωは含水比(%)である。
図-4 には,(11)~(15)式により得られる各ベントナイト材料の比熱の飽和度依存性を示す。
FEBEX ベントナイトに関しては,(15)式より算出した温度 45℃の時の固相の定圧比熱を用いて
(16)式より緩衝材の定積比熱を算出し,湿潤密度で除して緩衝材全体の定圧比熱とした。
さらに,鈴木・谷口(鈴木ほか,1999a)は,クニゲル V1 の固相の比熱:Cb=0.323kJ/kg K,ク
ニゲル V1/ケイ砂=7/3 の固相の比熱:0.341kJ/kg K を示している。これから,ケイ砂の固相の比
熱は,Cs = (0.341-(0.323×0.7))/0.3 = 0.383kJ/kg K と計算され,これと水の比熱(Cw = 4.18kJ/kg
K)から,単位質量(1kg)あたりの緩衝材の比熱 c は,水,ケイ砂,ベントナイトの質量割合に
応じてそれぞれの比熱を足し合わせ,次式のように表すことができる。
( )( ) ( ) )01.01/()100(01.001.01/01.001.01/01.0 ωωωω +−×++×++×= RsCRsCCc bsw (17)
7
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
飽和度(-)
比熱(kJ/kgK)
クニゲルV1ケイ砂混合体OT-9607MX-80FEBEX
図-4 各ベントナイト材料の比熱の飽和度依存性
(3) 水理特性
飽和透水係数は,透水試験により得られている。核燃料サイクル開発機構の場合,透水試験は
地盤工学会基準 JGS T 311 に準じて実施している(松本ほか,1997)。衝材材料を直径 50mm,高さ
10mm の透水試験用セル内に所定の乾燥密度で充填し供試体とし,恒温槽に設置し透水試験を実施
している。昇・降温過程(25→40→60→80→90→80→60→40→25℃)の各温度において,0.8MPa
の圧縮空気で蒸留水を供試体に透過させ,透過液量を電子天秤により計測している。透水係数 k
(m/s)は,単位時間あたりの透過量 Q(m3/s)から,ダルシー則に従い次式により算出している。
ここで A(m2)は供試体断面積,i(-)は動水勾配である。
kiAQ −= (18)
また,得られた透水係数 k(m/s)から,次式により固有透過度κ(m2)を算出している。
µκρgk = (19)
ここで,ρは水の密度(kg/m3),gは重力加速度(m/s),µは水の粘性係数(Pa s)である。
核燃料サイクル機構では,クニゲル V1 を対象に,ケイ砂混合率及び乾燥密度をパラメータとし
て透水係数(固有透過度)の取得を行っている。結果を図-5 に示す(核燃料サイクル開発機構,
8
1999a)。また,浸潤水が蒸留水と人工海水の場合の透水係数の比較も行っており,その結果を図
-6 に示す(核燃料サイクル開発機構,1999a)。これらより,ケイ砂混合率が小さいほど,また,
乾燥密度が大きいほど,緩衝材の透水係数(固有透過度)は小さくなることがわかる。また,緩
衝材の仕様が同じでも,浸潤水が違ってくると透水性は変わってきており,人工海水により得ら
れた透水係数は蒸留水により得られた透水係数より1オーダー程度大きくなっている。核燃料サ
イクル機構では浸潤水が蒸留水の場合と人工海水の場合のそれぞれについて,有効粘土密度と固
有透過度の関係式を次式のように得ている(核燃料サイクル開発機構,1999a;2003)。同式に基
く海水系での透水係数,固有透過度の増大の傾向を図-7,8 に示す(菊池ほか,2002)。
( )21232.21447.11.42exp ee ρρκ −+−= (20)
( )2878.7138.15155.47exp ee ρρκ −+−= (21)
ここで,κは固有透過度(m2),ρeは有効粘土密度(Mg/m3)である。なお,有効粘土密度は次式に
より算出される。
( )
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−
−=
s
d
de Rs
Rs
ρρ
ρρ
100
100 (22)
ここで, eρ は有効粘土密度(Mg/m3), dρ は乾燥密度(Mg/m3), Rsはケイ砂の乾燥質量での混合
率(%), sρ はケイ砂の土粒子密度(Mg/m3)である。ここで, sρ =2.64Mg/m3とした。
また,浸潤水のイオン強度と固有透過度の関係についても検討されており,結果を図-9 に示す
(核燃料サイクル開発機構,2004)。この結果,塩濃度が高くなると固有透過度は大きくなる傾向
を示しているが,ある一定濃度以上では固有透過度は一定の値となる傾向を示すことが分かって
いる。
また,図-10 には種々のベントナイト材料の透水係数と乾燥密度の関係を示す。データとして
は,核燃料サイクル開発機構により取得されたクニゲル V1 及びケイ砂混合体(松本ほか,1997),
電力中央研究所により取得されたクニゲル V1 及びケイ砂混合体(小峯ほか,2001),原子力環境
整備促進・資金管理センターにより取得されたクニゲル V1 と礫砂の混合体(原子力環境整備セン
ター,1997),ENRESA により取得された FEBEX ベントナイト(ENRESA,1998),核燃料サイクル開
発機構により取得されたベントナイト OT-9607(Fujita et al,1997),SKB により取得された MX-80
(L.Börgesson et al,1999),が示してある。また,ベントナイトが Ca 型化することによる性能
変化も重要な課題であり,これに関してサイクル機構では,Na 型ベントナイト(クニゲル V1)及
びクニゲル V1 を Ca 型化したベントナイトの値の測定を行い比較している(笹倉ほか,2002;前
田ほか,1998)。さらに,佛田らにより,圧密試験により Na 型及び Ca 型のそれぞれのベントナイ
9
トに対して蒸留水条件及び海水条件での透水係数の取得も行われている(佛田ほか,2004;佛田,
2004)。
乾燥密度が同じ場合,ケイ砂あるいは礫砂の混合率が高くなるほど,透水係数は大きくなって
いる。図-11 には有効粘土密度で整理した結果を示す。また,図-12 には Na 型ベントナイトにつ
いての有効粘土密度と透水係数に関係を,図-13 には Ca 型ベントナイト(クニボンド)とクニゲ
ル V1 が Ca 型化したものついての有効粘土密度と透水係数の関係を,クニゲル V1 のデータとあわ
せ示す。
Ca型ベントナイトであるFEBEXベントナイトは有効粘土密度が約1.4Mg/m3以下になると急激に
透水係数は大きくなっている。また,クニゲル V1 を Ca 型化したベントナイトは他のベントナイ
トより1桁程度値が大きい結果となっていること,有効粘土密度 1.4Mg/m3程度の Ca 型ベントナ
イトであるクニボンドは蒸留水でも人工海水でも得られる透水係数はほぼ等しいことがわかる。
Na 型のベントナイトは,蒸留水の場合と人工海水の場合で 1 桁程度透水係数が異なってくるが,
浸潤水が同じ場合(図-12 は蒸留水の場合),ほぼ直線に乗ってくることがわかる。すなわち,Na
型ベントナイトであるクニゲル V1 及び MX-80 は有効粘土密度で整理することにより,ほぼ一意的
に透水係数と関係付けることができると考えられる。しかしながらクニゲル原鉱の透水係数の値
は,既存のクニゲル V1 及びその混合材料の値と比べると若干大きくなっている。そこで,クニゲ
ル系の材料に関して,表-1~表-3 に示すモンモリロナイト含有率の値を用い,次式に示す有効モ
ンモリロナイト密度(原子力環境整備促進・資金管理センター,2002)での整理を行なった。
( ) ⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−−
=
nm
em
emem
C
C
ρρ
ρρ
100100 (23)
ここで, emρ は有効モンモリロナイト密度(Mg/m3), mC はモンモリロナイト含有率(%), nmρ は
ベントナイト内におけるモンモリロナイト以外の鉱物の土粒子密度(Mg/m3)である。ここで,ベ
ントナイト内におけるモンモリロナイト以外の鉱物の土粒子密度 nmρ は 2.81Mg/m3とした。
結果を,図-14 に示す。ここでは,核燃料サイクル機構により取得されたデータ,電力中央研
究所により取得されたデータのうち比較的データのバラツキが少ないベントナイトの配合率が小
さい時のデータ,クニゲル原鉱のデータを用いてプロットした。同図より,クニゲル系のベント
ナイトを有効モンモリロナイト密度で整理すると,ほぼ直線に乗ってくることがわかる。
10
10-21
10-20
10-19
10-18
0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0
ケイ砂混合率 = 0wt%
ケイ砂混合率 = 30wt%
ケイ砂混合率 = 50wt%
ケイ砂混合率 = 70wt%
固有透過度 [m2]
乾燥密度 [Mg/m3] 図-5 ベントナイト(クニゲル V1)の固有透過度のケイ砂混合率,乾燥密度依存性
10-21
10-20
10-19
10-18
10-17
0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0
人工海水, ベントナイト単体
蒸留水, ベントナイト単体
人工海水, ケイ砂混合体
蒸留水, ケイ砂混合体
乾燥密度 [Mg/m3]
固有透過度 [m2 ]
図-6 ベントナイト(クニゲル V1)の固有透過度の浸潤水の影響
11
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.0 1.2 1.4 1.6 1.8
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
海水系:k =exp(-25.64+8.29ρ e -5.689ρ e2)
降水系:k =exp(-26.535+2.5197ρ e -2.7755ρ e2)
図-7 ベントナイト(クニゲル V1)の有効粘土密度と透水係数
1E-22
1E-21
1E-20
1E-19
1E-18
1E-17
1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8
有効粘土密度(Mg/m3)
固有透過度(m2)
蒸留水
人工海水
図-8 サイクル機構が提案している関数式による固有透過度の有効粘土密度の関係
12
10-20
10-19
10-18
10-17
10-16
10-15
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0
蒸留水NaCl水溶液(0.34mol/kg)人工海水 (0.64mol/kg)NaCl水溶液(0.72mol/kg)NaCl水溶液(0.86mol/kg)NaCl水溶液(3.42mol/kg)
固有透過度[m2 ]
イオン強度[mol/kg]
図-9 浸潤水のイオン強度とベントナイトの固有透過度の関係
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
乾燥密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
K-V1:100%(松本ほか,1997) K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:50%+砂(松本ほか,1997) K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:100%(小峯・緒方,2001) K-V1:80%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:70%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:50%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:30%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:20%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:5%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:12.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:15.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:17.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:20.0%+礫砂(原環センター,1997) FEBEX:100%(enresa,1998)
OT-9607;100%(Fujita et al.,1997) MX-80;100%(Borgesson et al.,1999)
Na型ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998) Ca型化ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)
K-V1:100%(佛田ほか,2004) クニボンド:100%(佛田ほか,2004)
MX-80:100%(佛田ほか,2004) ボルクレイ:100%(佛田ほか,2004)
K-V1:100%:海水(菊池・棚井,2002) K-V1:100%:海水(佛田ほか,2005)
クニボンド:100%:海水(佛田ほか,2005) MX-80:100%:海水(佛田,2004)
図-10 各種ベントナイトの乾燥密度と透水係数の関係
注 1:凡例の K-V1はクニゲル V1を示す
13
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
K-V1:100%(松本ほか,1997) K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:50%+砂(松本ほか,1997) K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:100%(小峯・緒方,2001) K-V1:80%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:70%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:50%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:30%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:20%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:5%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:12.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:15.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:17.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:20.0%+礫砂(原環センター,1997) FEBEX:100%(enresa,1998)
OT-9607;100%(Fujita et al.,1997) MX-80;100%(Borgesson et al.,1999)
Na型ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998) Ca型化ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)
K-V1:100%(佛田ほか,2004) クニボンド:100%(佛田ほか,2004)
MX-80:100%(佛田ほか,2004) ボルクレイ:100%(佛田ほか,2004)
K-V1:100%:海水(菊池・棚井,2002) K-V1:100%:海水(佛田ほか,2005)
クニボンド:100%:海水(佛田ほか,2005) MX-80:100%:海水(佛田,2004)
図-11 各種ベントナイトの有効粘土密度と透水係数の関係
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
K-V1:100%(松本ほか,1997) K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:50%+砂(松本ほか,1997) K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:30%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:20%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10%+砂(小峯・緒方,2001) K-V1:5%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:12.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:15.0%+礫砂(原環センター,1997) K-V1:17.5%+礫砂(原環センター,1997)
K-V1:20.0%+礫砂(原環センター,1997) OT-9607;100%(Fujita et al.,2000)
MX-80;100%(Borgesson et al.,1999) Na型ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)
K-V1:100%(佛田ほか,2004) MX-80:100%(佛田ほか,2004)
ボルクレイ:100%(佛田ほか,2004)
図-12 各種ベントナイトの有効粘土密度と透水係数の関係(Na 型:蒸留水)
注 1:凡例の K-V1はクニゲル V1を示す
注 1:凡例の K-V1はクニゲル V1を示す
14
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
Ca型化ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)クニボンド:100%(佛田ほか,2004)
クニボンド:100%:海水(佛田ほか,2005)K-V1:100%(松本ほか,1997)
K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)K-V1:50%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
関数式;Ca型化ベントナイト
関数式;クニゲルV1
関数式;クニゲルV1降水系
:k =exp(-26.535+2.5197ρ e -2.7755ρ e2)
関数式;Ca型化ベントナイト降水系
:k =exp(-4.4741-20.176ρ e +3.3941ρ e2)
図-13 Ca 型化ベントナイトの有効粘土密度と透水係数の関係
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
有効モンモリロナイト密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
K-V1:100%(松本ほか,1997)
K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:50%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:30%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:20%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:10%+砂(小峯・緒方,2001)
K-V1:5%+砂(小峯・緒方,2001)
OT-9607;100%(Fujita et al.,1997)
Na型ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)
図-14 各種ベントナイトの有効モンモリロナイト密度と透水係数の関係
注 1:凡例の K-V1はクニゲル V1を示す
注 1:凡例の K-V1はクニゲル V1を示す
15
(4) 力学特性
図-15 には,ベントナイト含水比が 7%,12%,18%における有効粘土密度と一軸圧縮強度の関係
を示す(原子力環境整備促進・資金管理センター,2002a)。ベントナイトはクニゲル V1 である。
同図より,有効粘土密度と一軸圧縮強度の関係はケイ砂混合率に関係なくほぼ一意的になると考
えられる。図-16 には,クニゲル原鉱とクニゲル V1 単体の一軸圧縮強度の比較を示す(日本原然,
2003)。両者とも含水比の増加とともに一軸圧縮強度は低下する結果となっている。また,クニゲ
ル V1 単体に比べクニゲル原鉱の方が一軸圧縮強度は低いという結果となっている。
図-17 には,Ca 型化クニゲル V1 とケイ砂の混合材料の一軸圧縮強度(前田ほか,1998)をクニ
ゲル V1 とケイ砂の混合材料の一軸圧縮強度(前田ほか,1998)及びクニゲル原鉱の一軸圧縮強度
(日本原然,2003)と比較した結果を示す。凡例に示しているパーセンテージはベントナイトの混
合率である。若干,Ca 型化クニゲル V1 混合材料の方がクニゲル V1 混合材料より一軸圧縮強度は
小さくなっているが,それほど大きな差は無い。また,クニゲル原鉱は他に比べ一軸圧縮強度は
小さくなっている。
また,サイクル機構は幌延地下水環境を想定した緩衝材の力学試験を実施している(核燃料サイ
クル開発機構,2004)。有効粘土密度 1.4Mg/m3,ケイ砂混合率 30%の試料を,NaCl 濃度を変化させ
た溶液で飽和させ一軸圧縮試験を実施している。その結果,蒸留水に比較してイオン強度
0.4mol/dm3の NaCl 溶液では,強度,剛性が 2割程度低下することが報告されている(図-18)。ベ
ントナイトの化学ポテンシャルの低下量は浸潤水の組成に影響される。今後,水理-化学と力学
の連成系を視野において,海水系地下水における緩衝材の力学特性についてのデータを蓄積する
ことが重要である。
16
1.0E+02
1.0E+03
1.0E+04
1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0
ρb(g/cm3)
qu(kN/m2)
B:S=10:0,ベントナイト含水比7%B:S=7:3,ベントナイト含水比7%B:S=5:5,ベントナイト含水比7%B:S=10:0,ベントナイト含水比12%B:S=7:3,ベントナイト含水比12%B:S=5:5,ベントナイト含水比12%B:S=10:0,ベントナイト含水比18%B:S=7:3,ベントナイト含水比18%B:S=5:5,ベントナイト含水比18%
図-15 有効粘土密度と一軸圧縮強度の関係
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
10000
0 5 10 15 20 25 30
w(%)
qu(kN/m2)
クニゲル原鉱:1.6クニゲル原鉱:1.7クニゲル原鉱:1.8クニゲルV1:1.6クニゲルV1:1.7クニゲルV1:1.8
図-16 クニゲル原鉱とクニゲル V1 単体の一軸圧縮強度の比較
有効粘土密度(Mg/m3)
一軸圧縮強度(kN/m2)
含水比(%)
一軸圧縮強度(kN/m2)
17
1.0E+01
1.0E+02
1.0E+03
1.0E+04
0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0
有効粘土密度(Mg/m3)
一軸圧縮強度(kN/m2)
Ca型:100%Ca型:70%Ca型:50%Ca型:30%Na型:100%Na型:70%Na型:50%クニゲル原鉱
図-17 Ca 型化,Na 型クニゲル V1 及びクニゲル原鉱の一軸圧縮強度の比較
図-18 NaCl イオン強度と一軸圧縮強度の関係
18
(5) 膨潤特性
図-19 に種々のベントナイト材料の平衡膨潤圧と有効粘土密度の関係を示す。ここに示してあ
るのはクニゲル V1・MX-80・クニピア Fの測定結果(鈴木ほか,1992),クニゲル V1 及びケイ砂混
合体に蒸留水・人工海水を浸潤させた際の測定結果(鈴木ほか,1999),ケイ砂混合体と MX-80 に
異なる濃度の NaCl 溶液を浸潤させた際の結果(早川ほか,2003)である。有効粘土密度を用いる
ことによりベントナイトが同じ場合(ここではクニゲル V1),ケイ砂の有無に関係なく有効粘土
密度が同じであれば,同じ膨潤圧の値になることがわかる。しかし,ベントナイトが異なる場合,
モンモリロナイト含有率の差により平衡膨潤圧の値が大きく異なり,モンモリロナイト含有率が
最も高いクニピア F が最も発生する膨潤圧の値が高くなっている。そこで,有効モンモリロナイ
ト密度ρemでの整理を行うと図-20 のようにベントナイトの種類及びケイ砂の混合率に関係なく,
平衡膨潤圧との関係が一意的に決まることがわかる。また,原子力環境整備促進・資金管理セン
ターにおいては,ベントナイトペレットの膨潤圧の測定が行われている(原子力環境整備促進・資
金管理センター,2002)。図-21 には,ベントナイトペレットにより得られた平衡膨潤圧の値を,
図-19に示すクニゲル V1で作製したベントナイトブロックに蒸留水を浸潤させた際に得られた平
衡膨潤圧のデータ(核燃料サイクル開発機構,1999)と比較した結果を示す。同図より,ベントナ
イトペレットにより得られた膨潤圧の値は,ブロックで得られた膨潤圧の値とほぼ同じ傾向を示
している。そこで,核燃料サイクル開発機構によりベントナイトブロックを用いて得られた膨潤
圧の値と原子力環境整備促進・資金管理センターによりベントナイトペレットを用いて得られた
膨潤圧のすべての値を用い有効モンモリロナイト密度との相関式が得られている。結果を図に破
線で示し,得られた関数式も図に示している。この関数を用いることにより,ブロック,ペレッ
トに関係なく,すべての範囲において良好な相関性を示している。
1.0E-02
1.0E-01
1.0E+00
1.0E+01
1.0E+02
1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2.0
有効粘土密度(Mg/m3)
膨潤圧(MPa)
ケイ砂混合体 NaCl 0%(早川ほか、2003)
ケイ砂混合体 NaCl 1%(早川ほか、2003)
ケイ砂混合体 NaCl 3%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 0%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 1%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 3%(早川ほか、2003)
クニゲルV1(鈴木ほか、1992)
MX-80(鈴木ほか、1992)
クニピアF(鈴木ほか、1992)
クニゲルV1;蒸留水(鈴木・藤田、1999)
ケイ砂混合体;蒸留水(鈴木・藤田、1999)
クニゲルV1;人工海水(鈴木・藤田、1999)
ケイ砂混合体;人工海水(鈴木・藤田、1999)
図-19 各種ベントナイトの有効粘土密度と平衡膨潤圧の関係
19
y = 0.0013e5.6917x
1.0E-02
1.0E-01
1.0E+00
1.0E+01
1.0E+02
0.9 1.1 1.3 1.5 1.7 1.9 2.1
有効モンモリロナイト密度(Mg/m3)
膨潤圧(MPa) ケイ砂混合体 NaCl 0%(早川ほか、2003)
ケイ砂混合体 NaCl 1%(早川ほか、2003)
ケイ砂混合体 NaCl 3%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 0%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 1%(早川ほか、2003)
MX-80 NaCl 3%(早川ほか、2003)
クニゲルV1(鈴木ほか、1992)
MX-80(鈴木ほか、1992)
クニピアF(鈴木ほか、1992)
クニゲルV1;蒸留水(鈴木・藤田、1999)
ケイ砂混合体;蒸留水(鈴木・藤田、1999)
クニゲルV1;人工海水(鈴木・藤田、1999)
ケイ砂混合体;人工海水(鈴木・藤田、1999)
図-20 各種ベントナイトの有効モンモリロナイト密度と平衡膨潤圧の関係
10-1
100
101
102
0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
JNC実測値
JNC関数Tablet-1
Tablet-2
Chunk-1
Chunk-2
Granulate-1
Granulate-2
膨潤圧 σ(MPa)
有効モンモリロナイト密度 ρem(g/cm3)
σ = exp(1.8165ρem
2 + 1.2722ρem -3.3375)
図-21 各種ベントナイトペレットの平衡膨潤圧
20
(6) 締固め特性
突固めによる土の締固めを行うことにより各材料の締固め性の比較が行われている。供試体の
作製,試験と試験結果の整理は,日本工業規格(JIS A 1210)に準拠している。締固めエネルギ
ーは標準締固め仕事量 1Ec(558.1kJ/m3)である。クニゲル系材料に対する締固め曲線を図-22 に
示す(雨宮ほか,2003)。クニゲル原鉱はクニゲル V1 に比べ締固め性が向上していることがわかる。
また,図-23 には MX 系材料の締固め曲線を示す(雨宮ほか,2003)。クニゲル系の材料に比べ全体
的に最大乾燥密度が低いことがわかる。また,MX 原鉱は MX-80 に比べ締固め性が悪いことがわか
る。
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
1.6
1.7
1.8
0 10 20 30 40 50
No.1 粒状クニゲル-F
No.2 粒状クニゲル-C
No.3 粒状クニゲル-20mm
No.4 粒状クニゲル-10mm
No.5 粒状クニゲル-5mm
No.6 粒状クニゲル-2mm
No.7 クニゲル原鉱
クニゲルV1
乾燥密度(g/cm3)
含水比(%)
Sr=100%
Sr=80%Sr=90%
ゼロ空隙曲線(ρs=2.7g/cm3)
図-22 締固め曲線(クニゲル系;1Ec)
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
1.6
1.7
1.8
0 10 20 30 40 50
No.8 MX-80原鉱-01
No.9 MX-80原鉱-01F
No.10 MX-80原鉱-02
No.11 MX-80原鉱-02C
No.12 Lovell原鉱
MX-80
乾燥密度(g/cm3)
含水比(%)
Sr=100%
Sr=80%Sr=90%
ゼロ空隙曲線(ρs=2.7g/cm3)
図-23 締固め曲線(MX 系;1Ec)
21
3. 緩衝材の仕様例の提示
(1) 緩衝材設計要件
性能評価の観点から示された緩衝材の設計要件とする項目は以下のとおりである。
力学的支持性の要件;廃棄体及び構造躯体を所定の位置に保持し長期的に有意な沈下が発生
しないこと
地下水移動の抑制の要件;処分坑道を通過する地下水流量を抑制すること
変質後の性能の担保の要件;人工バリアの相互作用を考慮に含めた設計を行うこと
これらを具体化し以下の設計要件が導かれる。
要件 1 緩衝材の必要厚さを損なうような構造躯体の沈下が生じないこと(力学的支持性の要件
から)
要件 2 緩衝材内部が拡散支配となること(地下水移動の抑制の要件から)
要件 3 自己シール性を持ち有害な水みちを生じさせないこと(地下水移動の抑制の要件から)
要件 4 Ca 型化後も所定の低透水性が確保されていること(変質後の性能の担保の要件から)
(2) 緩衝材仕様の設定
上記 4つの設計要件から緩衝材の仕様(乾燥密度,ケイ砂混合率,厚さ)を設定する。ここで,
地下水組成は,降水系と海水系の 2 種類を検討する。また,緩衝材の必要厚さは「処分施設から
の核種の拡散フラックスの低減効果の検討」の検討から 1m の厚さが示されている。
i. 降水系地下水の場合
要件 1 緩衝材の必要厚さを損なうような構造躯体の沈下が生じないこと
本要件の対象は底部緩衝材である。緩衝材の沈下量について,緩衝材の乾燥密度と厚さをパラ
メータとした算定が,第 1 次 TRU レポート(共同作業チーム,2000)で示されている。ここでの
算定条件は,核燃料サイクル開発機構の実験値に基づいた初期間隙比,圧密指数,膨潤圧力及び
弾性係数を推定するとともに,結晶質岩系岩盤の馬蹄型空洞における廃棄体・内部充填材等の重
量である 0.43MPa の圧密荷重を想定したものである。また,圧密の計算は,e-log(p)曲線より
圧密沈下量の支配的因子である 1 次圧密を対象としており,2 次圧密については長期健全性評価
で照査をしている。
はじめに,乾燥密度をパラメータ(緩衝材厚さ 1.0m)として,総沈下量(圧密及び弾性沈下量
の合計)の算定した結果を図-24 に示す。乾燥密度が 1.6(Mg/m3)より低い密度では,総沈下量が
大きくなる傾向が予測された。このことから,緩衝材の乾燥密度は 1.6(Mg/m3)とすることが妥
当であると考えられる。
次に,緩衝材の厚さをパラメータ(緩衝材の乾燥密度を 1.6Mg/m3)として,総沈下量を算定し
た結果を図-25 に示す。沈下後の緩衝材厚さを 1m 確保するためには,約 20cm の厚さの余裕が必
要であると予測されている。
22
以上の結果に基づき,底部緩衝材に対して乾燥密度 1.6Mg/m3以上,厚さ 1.2m(圧密沈下余裕し
ろ 0.2m を考慮)を設定する。
0
10
20
30
40
50
1.5 1.6 1.7 1.8
乾燥密度(Mg/m3)
総沈下量(cm)
0
10
20
30
40
50
0 50 100 150 200 250
沈下後の緩衝材厚さ(cm)
総沈下量(cm)
要件 2 緩衝材内部が拡散支配となること
本検討書でペクレ数の計算による拡散支配条件の検討が行われ,透水係数 10-11m/s 以下,健全
な緩衝材厚さ 0.2m 以上のとき,地下水流動方向によらずペクレ数は 1より十分小さくなり拡散支
配の水理場が得られることが示されている。この知見から,透水係数 10-11m/s 以下,厚さ 0.2m 以
上を設定する。
要件 3 自己シール性を持ち有害な水みちを生じさせないこと
自己シール性では,ブロック型緩衝材の定置時に生じる隙間のシールが要求される。(核燃料サ
イクル開発機構,1999a)おいて,ブロック間に隙間のある状態で乾燥密度 1.8Mg/m3の緩衝材(ケ
イ砂 30%混合,膨潤後 1.68Mg/m3)の隙間シールと止水性を確認している。試験では,直径 50cm,
厚さ 5.3cm の容器内にブロックを設置し,厚さ方向に合計 3mm,直径方向に合計 4mm の隙間のあ
る状態で通水が行われている。後述する人工海水での隙間シール試験の結果もふまえ,ケイ砂量
30%,乾燥密度 1.8Mg/m3 程度のブロック(このときの有効粘土密度は 1.58Mg/m3)は十分な自己
シール性を持つと考えられる。これより小さい有効粘土密度での隙間シール試験は未だ発表され
ていないため,現時点では,ブロック方式の場合,「ブロック自体の有効粘土密度が 1.58Mg/m3あ
れば自己シール性を持つ」と設定する。
要件 4 Ca 型化後も所定の低透水性が確保されていること
図-25 緩衝材の乾燥密度と総沈下量
との関係
図-24 沈下後の緩衝材厚さと
総沈下量との関係
23
前田ほか(前田ほか,1998)は,有効粘土密度 1.0~1.8Mg/m3の範囲で,クニゲル V1 を Ca 型
化させたベントナイトの透水係数を測定している(図-26)。同図から,Ca 型化によってクニゲル
V1 の透水係数は増大すること,有効粘土密度 1.34Mg/m3のとき透水係数 10-11m/s 以下となること
がわかる。この知見から,セメントから溶出する Ca イオンによって,Na 型ベントナイトのイオ
ン型が Ca 型に変換しても,有効粘土密度が 1.34Mg/m3以上であれば目標透水係数 10-11m/s 以下を
得ると考えられる。
1.00E-16
1.00E-15
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.00E-09
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
Ca型化ベントナイト(笹倉ほか,2002,前田ほか,1998)クニボンド:100%(佛田ほか,2004)
クニボンド:100%:海水(佛田ほか,2005)K-V1:100%(松本ほか,1997)
K-V1:70%+砂(松本ほか,1997)K-V1:50%+砂(松本ほか,1997)
K-V1:30%+砂(松本ほか,1997)
関数式;Ca型化ベントナイト
関数式;クニゲルV1
関数式;クニゲルV1降水系
:k =exp(-26.535+2.5197ρ e -2.7755ρ e2)
関数式;Ca型化ベントナイト降水系
:k =exp(-4.4741-20.176ρ e +3.3941ρ e2)
図-26 各種ベントナイトの有効粘土密度と透水係数の関係(Ca 型)
以上の検討から,降水系地下水の場合の緩衝材の仕様は次のように設定される。
厚さ;底部 1.2m,側部,頂部は 1.0m
透水係数;10-11m/s 以下
有効粘土密度;1.34Mg/m3以上
底部の乾燥密度; 1.6Mg/m3以上
ブロック方式の場合のブロック自体の有効粘土密度;1.58Mg/m3以上
ii. 海水系地下水の場合
海水系地下水は,ベントナイトイオン型の変化と海水のイオン強度による電気化学的変化をも
たらす。その結果透水係数は増加し自己シール性は低下する。
クニゲル V1 の人工海水通水での透水係数はサイクル機構(核燃料サイクル開発機構,2003;菊
地, 2002)によって取得され,図-27 のとおり透水係数が有効粘土密度との関係で与えられている。
24
一方,「海水イオン交換ベントナイト」では層間の Mg イオンが増加するが,海水通液で測定され
る透水係数は,海水イオン交換ベントナイトとクニゲル V1 は同様であることが報告されている
(九石ほか,2004)。よって,サイクル機構で取得された実験式に従い海水系地下水の透水係数を
計算すると,有効粘土密度 1.42Mg/m3のとき 10-11m/s 以下となる。
1.00E-14
1.00E-13
1.00E-12
1.00E-11
1.00E-10
1.0 1.2 1.4 1.6 1.8
有効粘土密度(Mg/m3)
透水係数(m/s)
海水系:k =exp(-25.64+8.29ρ e -5.689ρ e2)
降水系:k =exp(-26.535+2.5197ρ e -2.7755ρ e2)
図-27 有効粘土密度と透水係数の関係(降水系,海水系)
一方,海水系地下水環境での自己シール性について報告(九石ほか,2004)(産業創造研究所,
2004)されている。ここでは,人工海水環境下でも,5mmの隙間を 45mmHの試料(乾燥密度1.8Mg/m3,
ケイ砂 30%,有効粘土密度は 1.58Mg/m3)が膨潤シールすることが確認され,シール後試料の透
水試験の結果から,シールされた部分は水みちにはならないことが報告されている。この知見か
ら,海水系地下水のときの自己シール性についても降水系地下水と同様に,ブロック自体の有効
粘土密度が 1.58Mg/m3あれば性能上問題ないと判断できる。
以上の検討から,海水系地下水の場合の緩衝材の仕様は次のように設定される。
厚さ;底部 1.2m,側部,頂部は 1.0m
透水係数;10-11m/s 以下
有効粘土密度;1.42Mg/m3以上
底部の乾燥密度;1.6Mg/m3以上
ブロック方式の場合のブロック自体の有効粘土密度;1.58Mg/m3以上
25
ただし,海水系地下水の力学特性への影響については,前節「緩衝材に資する既知のデータ群
の整理」で示したように,海水で飽和した緩衝材の一軸強度と弾性係数の低下(20%程度)が報告
されているにとどまっている。今後のデータ整備に伴い上記の仕様が力学的支持性の要件を満足
することを確認することが必要である。
以上の考察から緩衝材の仕様を各部位ごとに具体化すると,表-4 のようになる。底部緩衝材に
ついては乾燥密度が 1.6Mg/m3以上(支持性の要件から)と規定されるため,ケイ砂を混合し乾燥
密度を上昇させている。
表-4 緩衝材の仕様例
底部 側部 頂部
厚さ(m) 1.2 1.0
有効粘土密度(Mg/m3) 1.36
乾燥密度(Mg/m3) 1.60 1.36
降
水
系 ケイ砂混合率(%) 30 0
厚さ(m) 1.2 1.0
有効粘土密度(Mg/m3) 1.45
乾燥密度(Mg/m3) 1.60 1.45
海
水
系 ケイ砂混合率(%) 20 0
注 1:有効粘土密度の目標値は降水系地下水の場合 1.34Mg/m3以上,海水系地下水の場合 1.42Mg/m3以上
注 2:底部には乾燥密度 1.6Mg/m3以上の要件があるため,ケイ砂を混合し密度を増大させている
4. 結論
緩衝材設計に必要な各種ベントナイトの物性値の整理を行った。対象とするベントナイトは Na
型ベントナイトとしては,クニゲル V1,クニゲル原鉱,MX-80,MX 原鉱,Ca 型ベントナイトとし
ては,クニボンド,FEBEX ベントナイトとした。造粒ベントナイトとして,クニゲル V1 を用いて
造粒されたベントナイトペレットも対象とした。また,海水環境下での物性や Na 型ベントナイト
が Ca 型化することによる物性変化の把握も近年重要視されており,それらに関して取得されたデ
ータも整理した。整理した物性値は,物理・化学特性,熱特性(熱伝導率,比熱),水理特性,力
学特性,膨潤特性,締固め特性である。本章では,その整理した結果に対して,4つの緩衝材の
設計要件を設定し,その要件を十分に満足する緩衝材の仕様を検討した。物性値の整理結果では
特に,水理特性(透水係数)と力学特性を使い,降水系と海水系それぞれに対して,施工部位ご
と(底部,側部,頂部)に,厚さ,有効粘土密度,乾燥密度,ケイ砂混合率を例示した。
26
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