平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の...

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平成 29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川 茜、 松倉隆一、山本岳男) 関:富山県農林水産総合技術センター水産研究所、石川県水産総合センター、 福井県水産試験場、京都府農林水産技術センター海洋センター、 兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター、 鳥取県水産試験場、島根県水産技術センター 本系群 A 海域(富山県以西)の資源状態について、沖合底びき網漁業の資源密度指数、 19992017 年の日本海ズワイガニ等底魚資源調査(トロール調査)およびトロール調査結 果に基づくコホート解析により評価した。資源水準の指標値である資源密度指数は、 1960 代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったが、その後 1980 年代後半には 10kg 近くまで低下した。1990 年代以降は上昇に転じた後、近年はやや減少している。2016 年の 資源密度指数は 51kg であり、資源水準を中位と判断した。トロール調査結果に基づくコホ ート解析により推定された 1999 年以降の資源量は、2003 年から 2007 年まで増加傾向にあ ったが、2008 年から 2015 年は減少傾向であった。2017 年の資源量は 21,300 トンに増加し たものの、資源が減少した 2008 年以降の平均的なレベルである。過去 5 年間(20132017 年)の資源量の推移から、資源動向は横ばいと判断した。加入量は 2018 年までは比較的良 好な一方、2020 年には大きく減少すると見込まれ、現状の漁獲圧では従来と同様な資源の 維持が困難と考えられる。今後の悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させない ことを管理目標とし、これらの状況を考慮した漁獲シナリオにより、 2018 年漁期の ABC 算定した。 ズワイガニ日本海系群A海域1531

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Page 1: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

平成 29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価

責任担当水研日本海区水産研究所(上田祐司養松郁子藤原邦浩佐久間啓吉川 茜

松倉隆一山本岳男)

参 画 機 関富山県農林水産総合技術センター水産研究所石川県水産総合センター

福井県水産試験場京都府農林水産技術センター海洋センター

兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター

鳥取県水産試験場島根県水産技術センター

要 約

本系群 A 海域(富山県以西)の資源状態について沖合底びき網漁業の資源密度指数

1999~2017 年の日本海ズワイガニ等底魚資源調査(トロール調査)およびトロール調査結

果に基づくコホート解析により評価した資源水準の指標値である資源密度指数は1960 年

代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には 10kg近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じた後近年はやや減少している2016 年の

資源密度指数は 51kg であり資源水準を中位と判断したトロール調査結果に基づくコホ

ート解析により推定された 1999 年以降の資源量は2003 年から 2007 年まで増加傾向にあ

ったが2008 年から 2015 年は減少傾向であった2017 年の資源量は 21300 トンに増加し

たものの資源が減少した 2008 年以降の平均的なレベルである過去 5 年間(2013~2017年)の資源量の推移から資源動向は横ばいと判断した加入量は 2018 年までは比較的良

好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状の漁獲圧では従来と同様な資源の

維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させない

ことを管理目標としこれらの状況を考慮した漁獲シナリオにより2018 年漁期の ABC を

算定した

ズワイガニ日本海系群A海域-1-

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漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-2-

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現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した

年 資源量

(百トン)

親魚量

(百トン)

漁獲量

(百トン) F 値

漁獲割合

()

2013 202 35 32 017 16

2014 186 33 32 019 17

2015 170 29 30 019 18

2016 180 36 30 018 16

2017 213 41 31 016 14

2018 217 - - - - 資源量は漁期開始時点(雌11 月 1 日カタガニ12 月 1 日ミズガニ2 月 1 日)漁獲

量は漁期年(7~翌年 6 月)における値親魚量は雌の漁期後の値を示す2017 年の親魚量

は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後に想定される値

(補足資料 2)である

指標 水準 設定理由 Bban 未設定

Blimit 親魚量 2002 年水準

(1500 トン) 資源が回復したことがある最も少

ない親魚量であるため

2017 年 親魚量 2002 年水準以上 (4100 トン)

2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後

に想定される値(補足資料 2)である 水準中位 動向横ばい

ズワイガニ日本海系群A海域-3-

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本件資源評価に使用したデータセットは以下のとおり データセット 基礎情報関係調査等

年別齢期別現存尾数 トロール調査(5~6 月水研) 漁獲量 県別漁法別月別雌雄別水揚量

漁業養殖業生産統計年報(農林水産省) 韓国漁業生産統計(URLhttpfsfipsgokrmainjsp) 全国底曳網漁業連合会資料

齢期別漁獲尾数 甲幅組成調査(鳥取県兵庫県京都府福井県) 市場測定

漁獲努力量 CPUE資源密度指数

沖合底びき網漁業漁獲成績報告書(水研)

自然死亡係数(M) (年当たり)

最終脱皮後 1 年以上経過した個体 M=02 未最終脱皮および最終脱皮後 1 年未満 M=035

1まえがき

ズワイガニは本州日本海沿岸における最も重要な底魚資源である中でも石川県から鳥

取県に至る底びき網漁業においてはズワイガニ漁期(11 月から翌年 3 月)の水揚げ金額

の 68を本種が占めている(全国底曳網漁業連合会 2016)本州日本海沿岸におけるズワイ

ガニ漁業では富山県以西の A 海域と新潟県以北の B 海域で異なる漁業規制が行われTACも別々に設定されている 2生態

(1)分布回遊 日本海における本系群の分布範囲は大陸棚斜面の縁辺部および日本海中央部の大和堆

であり水深 200~500m に多い(図 1)雌の最終脱皮とそれに続く初産は比較的水深の

浅い限られた海域で集中して行われることが知られている(今 1980)また成熟後は雌雄

で主分布水深が異なり260~300m を境に深い海域では主に雄ガニが浅い海域では主に雌

ガニが分布する本系群は孵化後約 2~3 ヶ月の浮遊幼生期(プレゾエア期第 1 ゾエア

期第 2 ゾエア期メガロパ期)を経て稚ガニに変態し着底する(今 1980Yamamoto et al 2014)標識放流結果から水平的に大きな移動を行う例は少ないことが知られている(尾

形 1974) (2)年齢成長 孵化から 6 齢までは 1 年間に複数回脱皮するが(伊藤 1970)以後は概ね 1 年に 1 回脱

皮する加えて日本海における本系群の主分布水温である 1degC での飼育実験の結果から

(Yamamoto et al 2015)孵化から加入(雄11 齢雌10 齢)までの期間は 7~8 年寿

命は 10 歳以上と考えられる ズワイガニでは甲幅組成等より脱皮齢期が推定できる(今ほか 1968山崎桑原 1991

山崎ほか 1992)稚ガニおよび未成熟ガニでは成長に雌雄差はなく甲幅 60mm 台で 10 齢

となる(図 2)雄では主に 11 齢から最終脱皮後の個体が出現し最終脱皮後の個体の割合

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は 111213 齢でそれぞれ約 5約 20100である最終脱皮後は体サイズに対し鉗

脚掌部(はさみ)が大きくなる(図 3)雌ではすべての個体が 10 齢までは最終脱皮前であ

り11 齢で最終脱皮後となる最終脱皮後は腹部が大きくなり外卵を持つ最終脱皮後は

体成長が止まるため雌の 11 齢と雄の 11 齢以降には複数の年級群が含まれている (3)成熟産卵 雌は10 齢の夏から秋にかけて最終脱皮し11 齢となった直後に交尾と初産卵(外卵を

持つ)を行う(図 3)初産卵後は1 年半の抱卵期間を経て翌々年の 2~3 月に幼生が孵

化する孵化後まもなく 2 回目の産卵(経産卵)を行う経産卵後の抱卵期間は 1 年であ

り毎年 2~3 月に産卵を行う外卵の色は産卵後は橙色であり幼生のふ化が近づくに

つれ茶褐色から黒紫色に変化する 初産卵直後の雌は漁期開始時(11 月)には外卵が橙色であり「アカコ」と呼ばれ1 年

後の翌漁期には外卵が茶褐色から黒紫色に変わり「クロコ」と呼ばれる ズワイガニでは性別成長および性別によって「ミズガニ」「カタガニ」「アカコ」「クロ

コ」のように呼称が変化するこれらの呼称は地域により異なる場合もある本報告書では

雄の脱皮後 1 年未満の個体を「ミズガニ」1 年以上経過した個体を「カタガニ」と定義す

る通常カタガニは最終脱皮後の(鉗脚掌部が大きい)個体であるが一部には最終脱皮

前の(鉗脚掌部が小さい)個体も存在しこれらを「モモガニ(京都府における呼称)」と

したモモガニのほとんどすべては2 年以内に脱皮することが飼育実験より明らかになっ

ている(2012 年度本報告の補足資料 6)また雌では水揚げ対象となる個体をすべて「ク

ロコ」として扱った (4)被捕食関係 本系群は脱皮時を除き周年索餌を行い底生生物を主体に甲殻類魚類イカ類多毛

類貝類棘皮動物などを捕食する(尾形 1974) 小型個体はゲンゲ類(伊藤 1968小西ほか 2012)マダラ(上田 未発表データ)などに

捕食される

3漁業の状況 (1)漁業の概要 本海域ではズワイガニの漁獲の多くが沖合底びき網(かけまわし)(以下「沖底」という)

によるものであり(図 4)小型底びき網およびかごによっても漁獲されている本海域で

ズワイガニを対象とする漁業には農林水産省令と自主規制により細かい漁獲規制が設け

られている(後述6ABC 以外の管理方策への提言)本海域における漁期は 11~翌年 3月であり漁獲対象は雄では甲幅 90mm 以上(実質 12 齢と 13 齢)のカタガニとミズガ

ニ雌ではクロコ(すべて 11 齢)である詳細については表 1 を参照のことなお大和

堆では農林水産省令により本系群の漁獲は禁止されている (2)漁獲量の推移 漁獲量(暦年)は1960 年代半ばと 1970 年頃にピークを迎え14000 トンを超えたそ

の後1970 年以降に急減し1988~1993 年には 2000 トンを下回った1990 年代半ば以降

ズワイガニ日本海系群A海域-5-

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は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

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(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

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(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

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断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

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11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

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2009

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2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 2: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-2-

-532-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した

年 資源量

(百トン)

親魚量

(百トン)

漁獲量

(百トン) F 値

漁獲割合

()

2013 202 35 32 017 16

2014 186 33 32 019 17

2015 170 29 30 019 18

2016 180 36 30 018 16

2017 213 41 31 016 14

2018 217 - - - - 資源量は漁期開始時点(雌11 月 1 日カタガニ12 月 1 日ミズガニ2 月 1 日)漁獲

量は漁期年(7~翌年 6 月)における値親魚量は雌の漁期後の値を示す2017 年の親魚量

は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後に想定される値

(補足資料 2)である

指標 水準 設定理由 Bban 未設定

Blimit 親魚量 2002 年水準

(1500 トン) 資源が回復したことがある最も少

ない親魚量であるため

2017 年 親魚量 2002 年水準以上 (4100 トン)

2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後

に想定される値(補足資料 2)である 水準中位 動向横ばい

ズワイガニ日本海系群A海域-3-

-533-

本件資源評価に使用したデータセットは以下のとおり データセット 基礎情報関係調査等

年別齢期別現存尾数 トロール調査(5~6 月水研) 漁獲量 県別漁法別月別雌雄別水揚量

漁業養殖業生産統計年報(農林水産省) 韓国漁業生産統計(URLhttpfsfipsgokrmainjsp) 全国底曳網漁業連合会資料

齢期別漁獲尾数 甲幅組成調査(鳥取県兵庫県京都府福井県) 市場測定

漁獲努力量 CPUE資源密度指数

沖合底びき網漁業漁獲成績報告書(水研)

自然死亡係数(M) (年当たり)

最終脱皮後 1 年以上経過した個体 M=02 未最終脱皮および最終脱皮後 1 年未満 M=035

1まえがき

ズワイガニは本州日本海沿岸における最も重要な底魚資源である中でも石川県から鳥

取県に至る底びき網漁業においてはズワイガニ漁期(11 月から翌年 3 月)の水揚げ金額

の 68を本種が占めている(全国底曳網漁業連合会 2016)本州日本海沿岸におけるズワイ

ガニ漁業では富山県以西の A 海域と新潟県以北の B 海域で異なる漁業規制が行われTACも別々に設定されている 2生態

(1)分布回遊 日本海における本系群の分布範囲は大陸棚斜面の縁辺部および日本海中央部の大和堆

であり水深 200~500m に多い(図 1)雌の最終脱皮とそれに続く初産は比較的水深の

浅い限られた海域で集中して行われることが知られている(今 1980)また成熟後は雌雄

で主分布水深が異なり260~300m を境に深い海域では主に雄ガニが浅い海域では主に雌

ガニが分布する本系群は孵化後約 2~3 ヶ月の浮遊幼生期(プレゾエア期第 1 ゾエア

期第 2 ゾエア期メガロパ期)を経て稚ガニに変態し着底する(今 1980Yamamoto et al 2014)標識放流結果から水平的に大きな移動を行う例は少ないことが知られている(尾

形 1974) (2)年齢成長 孵化から 6 齢までは 1 年間に複数回脱皮するが(伊藤 1970)以後は概ね 1 年に 1 回脱

皮する加えて日本海における本系群の主分布水温である 1degC での飼育実験の結果から

(Yamamoto et al 2015)孵化から加入(雄11 齢雌10 齢)までの期間は 7~8 年寿

命は 10 歳以上と考えられる ズワイガニでは甲幅組成等より脱皮齢期が推定できる(今ほか 1968山崎桑原 1991

山崎ほか 1992)稚ガニおよび未成熟ガニでは成長に雌雄差はなく甲幅 60mm 台で 10 齢

となる(図 2)雄では主に 11 齢から最終脱皮後の個体が出現し最終脱皮後の個体の割合

ズワイガニ日本海系群A海域-4-

-534-

は 111213 齢でそれぞれ約 5約 20100である最終脱皮後は体サイズに対し鉗

脚掌部(はさみ)が大きくなる(図 3)雌ではすべての個体が 10 齢までは最終脱皮前であ

り11 齢で最終脱皮後となる最終脱皮後は腹部が大きくなり外卵を持つ最終脱皮後は

体成長が止まるため雌の 11 齢と雄の 11 齢以降には複数の年級群が含まれている (3)成熟産卵 雌は10 齢の夏から秋にかけて最終脱皮し11 齢となった直後に交尾と初産卵(外卵を

持つ)を行う(図 3)初産卵後は1 年半の抱卵期間を経て翌々年の 2~3 月に幼生が孵

化する孵化後まもなく 2 回目の産卵(経産卵)を行う経産卵後の抱卵期間は 1 年であ

り毎年 2~3 月に産卵を行う外卵の色は産卵後は橙色であり幼生のふ化が近づくに

つれ茶褐色から黒紫色に変化する 初産卵直後の雌は漁期開始時(11 月)には外卵が橙色であり「アカコ」と呼ばれ1 年

後の翌漁期には外卵が茶褐色から黒紫色に変わり「クロコ」と呼ばれる ズワイガニでは性別成長および性別によって「ミズガニ」「カタガニ」「アカコ」「クロ

コ」のように呼称が変化するこれらの呼称は地域により異なる場合もある本報告書では

雄の脱皮後 1 年未満の個体を「ミズガニ」1 年以上経過した個体を「カタガニ」と定義す

る通常カタガニは最終脱皮後の(鉗脚掌部が大きい)個体であるが一部には最終脱皮

前の(鉗脚掌部が小さい)個体も存在しこれらを「モモガニ(京都府における呼称)」と

したモモガニのほとんどすべては2 年以内に脱皮することが飼育実験より明らかになっ

ている(2012 年度本報告の補足資料 6)また雌では水揚げ対象となる個体をすべて「ク

ロコ」として扱った (4)被捕食関係 本系群は脱皮時を除き周年索餌を行い底生生物を主体に甲殻類魚類イカ類多毛

類貝類棘皮動物などを捕食する(尾形 1974) 小型個体はゲンゲ類(伊藤 1968小西ほか 2012)マダラ(上田 未発表データ)などに

捕食される

3漁業の状況 (1)漁業の概要 本海域ではズワイガニの漁獲の多くが沖合底びき網(かけまわし)(以下「沖底」という)

によるものであり(図 4)小型底びき網およびかごによっても漁獲されている本海域で

ズワイガニを対象とする漁業には農林水産省令と自主規制により細かい漁獲規制が設け

られている(後述6ABC 以外の管理方策への提言)本海域における漁期は 11~翌年 3月であり漁獲対象は雄では甲幅 90mm 以上(実質 12 齢と 13 齢)のカタガニとミズガ

ニ雌ではクロコ(すべて 11 齢)である詳細については表 1 を参照のことなお大和

堆では農林水産省令により本系群の漁獲は禁止されている (2)漁獲量の推移 漁獲量(暦年)は1960 年代半ばと 1970 年頃にピークを迎え14000 トンを超えたそ

の後1970 年以降に急減し1988~1993 年には 2000 トンを下回った1990 年代半ば以降

ズワイガニ日本海系群A海域-5-

-535-

は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

-536-

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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大臣管理漁業等の資源管理計画および資源管理措置にかかる調査 沖合底びき網漁業

の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

理指針等高度化推進事業報告書水産庁資源管理部管理課水産総合研究センター1-36

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 3: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した

年 資源量

(百トン)

親魚量

(百トン)

漁獲量

(百トン) F 値

漁獲割合

()

2013 202 35 32 017 16

2014 186 33 32 019 17

2015 170 29 30 019 18

2016 180 36 30 018 16

2017 213 41 31 016 14

2018 217 - - - - 資源量は漁期開始時点(雌11 月 1 日カタガニ12 月 1 日ミズガニ2 月 1 日)漁獲

量は漁期年(7~翌年 6 月)における値親魚量は雌の漁期後の値を示す2017 年の親魚量

は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後に想定される値

(補足資料 2)である

指標 水準 設定理由 Bban 未設定

Blimit 親魚量 2002 年水準

(1500 トン) 資源が回復したことがある最も少

ない親魚量であるため

2017 年 親魚量 2002 年水準以上 (4100 トン)

2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の平均と仮定したときの漁期後

に想定される値(補足資料 2)である 水準中位 動向横ばい

ズワイガニ日本海系群A海域-3-

-533-

本件資源評価に使用したデータセットは以下のとおり データセット 基礎情報関係調査等

年別齢期別現存尾数 トロール調査(5~6 月水研) 漁獲量 県別漁法別月別雌雄別水揚量

漁業養殖業生産統計年報(農林水産省) 韓国漁業生産統計(URLhttpfsfipsgokrmainjsp) 全国底曳網漁業連合会資料

齢期別漁獲尾数 甲幅組成調査(鳥取県兵庫県京都府福井県) 市場測定

漁獲努力量 CPUE資源密度指数

沖合底びき網漁業漁獲成績報告書(水研)

自然死亡係数(M) (年当たり)

最終脱皮後 1 年以上経過した個体 M=02 未最終脱皮および最終脱皮後 1 年未満 M=035

1まえがき

ズワイガニは本州日本海沿岸における最も重要な底魚資源である中でも石川県から鳥

取県に至る底びき網漁業においてはズワイガニ漁期(11 月から翌年 3 月)の水揚げ金額

の 68を本種が占めている(全国底曳網漁業連合会 2016)本州日本海沿岸におけるズワイ

ガニ漁業では富山県以西の A 海域と新潟県以北の B 海域で異なる漁業規制が行われTACも別々に設定されている 2生態

(1)分布回遊 日本海における本系群の分布範囲は大陸棚斜面の縁辺部および日本海中央部の大和堆

であり水深 200~500m に多い(図 1)雌の最終脱皮とそれに続く初産は比較的水深の

浅い限られた海域で集中して行われることが知られている(今 1980)また成熟後は雌雄

で主分布水深が異なり260~300m を境に深い海域では主に雄ガニが浅い海域では主に雌

ガニが分布する本系群は孵化後約 2~3 ヶ月の浮遊幼生期(プレゾエア期第 1 ゾエア

期第 2 ゾエア期メガロパ期)を経て稚ガニに変態し着底する(今 1980Yamamoto et al 2014)標識放流結果から水平的に大きな移動を行う例は少ないことが知られている(尾

形 1974) (2)年齢成長 孵化から 6 齢までは 1 年間に複数回脱皮するが(伊藤 1970)以後は概ね 1 年に 1 回脱

皮する加えて日本海における本系群の主分布水温である 1degC での飼育実験の結果から

(Yamamoto et al 2015)孵化から加入(雄11 齢雌10 齢)までの期間は 7~8 年寿

命は 10 歳以上と考えられる ズワイガニでは甲幅組成等より脱皮齢期が推定できる(今ほか 1968山崎桑原 1991

山崎ほか 1992)稚ガニおよび未成熟ガニでは成長に雌雄差はなく甲幅 60mm 台で 10 齢

となる(図 2)雄では主に 11 齢から最終脱皮後の個体が出現し最終脱皮後の個体の割合

ズワイガニ日本海系群A海域-4-

-534-

は 111213 齢でそれぞれ約 5約 20100である最終脱皮後は体サイズに対し鉗

脚掌部(はさみ)が大きくなる(図 3)雌ではすべての個体が 10 齢までは最終脱皮前であ

り11 齢で最終脱皮後となる最終脱皮後は腹部が大きくなり外卵を持つ最終脱皮後は

体成長が止まるため雌の 11 齢と雄の 11 齢以降には複数の年級群が含まれている (3)成熟産卵 雌は10 齢の夏から秋にかけて最終脱皮し11 齢となった直後に交尾と初産卵(外卵を

持つ)を行う(図 3)初産卵後は1 年半の抱卵期間を経て翌々年の 2~3 月に幼生が孵

化する孵化後まもなく 2 回目の産卵(経産卵)を行う経産卵後の抱卵期間は 1 年であ

り毎年 2~3 月に産卵を行う外卵の色は産卵後は橙色であり幼生のふ化が近づくに

つれ茶褐色から黒紫色に変化する 初産卵直後の雌は漁期開始時(11 月)には外卵が橙色であり「アカコ」と呼ばれ1 年

後の翌漁期には外卵が茶褐色から黒紫色に変わり「クロコ」と呼ばれる ズワイガニでは性別成長および性別によって「ミズガニ」「カタガニ」「アカコ」「クロ

コ」のように呼称が変化するこれらの呼称は地域により異なる場合もある本報告書では

雄の脱皮後 1 年未満の個体を「ミズガニ」1 年以上経過した個体を「カタガニ」と定義す

る通常カタガニは最終脱皮後の(鉗脚掌部が大きい)個体であるが一部には最終脱皮

前の(鉗脚掌部が小さい)個体も存在しこれらを「モモガニ(京都府における呼称)」と

したモモガニのほとんどすべては2 年以内に脱皮することが飼育実験より明らかになっ

ている(2012 年度本報告の補足資料 6)また雌では水揚げ対象となる個体をすべて「ク

ロコ」として扱った (4)被捕食関係 本系群は脱皮時を除き周年索餌を行い底生生物を主体に甲殻類魚類イカ類多毛

類貝類棘皮動物などを捕食する(尾形 1974) 小型個体はゲンゲ類(伊藤 1968小西ほか 2012)マダラ(上田 未発表データ)などに

捕食される

3漁業の状況 (1)漁業の概要 本海域ではズワイガニの漁獲の多くが沖合底びき網(かけまわし)(以下「沖底」という)

によるものであり(図 4)小型底びき網およびかごによっても漁獲されている本海域で

ズワイガニを対象とする漁業には農林水産省令と自主規制により細かい漁獲規制が設け

られている(後述6ABC 以外の管理方策への提言)本海域における漁期は 11~翌年 3月であり漁獲対象は雄では甲幅 90mm 以上(実質 12 齢と 13 齢)のカタガニとミズガ

ニ雌ではクロコ(すべて 11 齢)である詳細については表 1 を参照のことなお大和

堆では農林水産省令により本系群の漁獲は禁止されている (2)漁獲量の推移 漁獲量(暦年)は1960 年代半ばと 1970 年頃にピークを迎え14000 トンを超えたそ

の後1970 年以降に急減し1988~1993 年には 2000 トンを下回った1990 年代半ば以降

ズワイガニ日本海系群A海域-5-

-535-

は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

-536-

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

7引用文献

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1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 4: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

本件資源評価に使用したデータセットは以下のとおり データセット 基礎情報関係調査等

年別齢期別現存尾数 トロール調査(5~6 月水研) 漁獲量 県別漁法別月別雌雄別水揚量

漁業養殖業生産統計年報(農林水産省) 韓国漁業生産統計(URLhttpfsfipsgokrmainjsp) 全国底曳網漁業連合会資料

齢期別漁獲尾数 甲幅組成調査(鳥取県兵庫県京都府福井県) 市場測定

漁獲努力量 CPUE資源密度指数

沖合底びき網漁業漁獲成績報告書(水研)

自然死亡係数(M) (年当たり)

最終脱皮後 1 年以上経過した個体 M=02 未最終脱皮および最終脱皮後 1 年未満 M=035

1まえがき

ズワイガニは本州日本海沿岸における最も重要な底魚資源である中でも石川県から鳥

取県に至る底びき網漁業においてはズワイガニ漁期(11 月から翌年 3 月)の水揚げ金額

の 68を本種が占めている(全国底曳網漁業連合会 2016)本州日本海沿岸におけるズワイ

ガニ漁業では富山県以西の A 海域と新潟県以北の B 海域で異なる漁業規制が行われTACも別々に設定されている 2生態

(1)分布回遊 日本海における本系群の分布範囲は大陸棚斜面の縁辺部および日本海中央部の大和堆

であり水深 200~500m に多い(図 1)雌の最終脱皮とそれに続く初産は比較的水深の

浅い限られた海域で集中して行われることが知られている(今 1980)また成熟後は雌雄

で主分布水深が異なり260~300m を境に深い海域では主に雄ガニが浅い海域では主に雌

ガニが分布する本系群は孵化後約 2~3 ヶ月の浮遊幼生期(プレゾエア期第 1 ゾエア

期第 2 ゾエア期メガロパ期)を経て稚ガニに変態し着底する(今 1980Yamamoto et al 2014)標識放流結果から水平的に大きな移動を行う例は少ないことが知られている(尾

形 1974) (2)年齢成長 孵化から 6 齢までは 1 年間に複数回脱皮するが(伊藤 1970)以後は概ね 1 年に 1 回脱

皮する加えて日本海における本系群の主分布水温である 1degC での飼育実験の結果から

(Yamamoto et al 2015)孵化から加入(雄11 齢雌10 齢)までの期間は 7~8 年寿

命は 10 歳以上と考えられる ズワイガニでは甲幅組成等より脱皮齢期が推定できる(今ほか 1968山崎桑原 1991

山崎ほか 1992)稚ガニおよび未成熟ガニでは成長に雌雄差はなく甲幅 60mm 台で 10 齢

となる(図 2)雄では主に 11 齢から最終脱皮後の個体が出現し最終脱皮後の個体の割合

ズワイガニ日本海系群A海域-4-

-534-

は 111213 齢でそれぞれ約 5約 20100である最終脱皮後は体サイズに対し鉗

脚掌部(はさみ)が大きくなる(図 3)雌ではすべての個体が 10 齢までは最終脱皮前であ

り11 齢で最終脱皮後となる最終脱皮後は腹部が大きくなり外卵を持つ最終脱皮後は

体成長が止まるため雌の 11 齢と雄の 11 齢以降には複数の年級群が含まれている (3)成熟産卵 雌は10 齢の夏から秋にかけて最終脱皮し11 齢となった直後に交尾と初産卵(外卵を

持つ)を行う(図 3)初産卵後は1 年半の抱卵期間を経て翌々年の 2~3 月に幼生が孵

化する孵化後まもなく 2 回目の産卵(経産卵)を行う経産卵後の抱卵期間は 1 年であ

り毎年 2~3 月に産卵を行う外卵の色は産卵後は橙色であり幼生のふ化が近づくに

つれ茶褐色から黒紫色に変化する 初産卵直後の雌は漁期開始時(11 月)には外卵が橙色であり「アカコ」と呼ばれ1 年

後の翌漁期には外卵が茶褐色から黒紫色に変わり「クロコ」と呼ばれる ズワイガニでは性別成長および性別によって「ミズガニ」「カタガニ」「アカコ」「クロ

コ」のように呼称が変化するこれらの呼称は地域により異なる場合もある本報告書では

雄の脱皮後 1 年未満の個体を「ミズガニ」1 年以上経過した個体を「カタガニ」と定義す

る通常カタガニは最終脱皮後の(鉗脚掌部が大きい)個体であるが一部には最終脱皮

前の(鉗脚掌部が小さい)個体も存在しこれらを「モモガニ(京都府における呼称)」と

したモモガニのほとんどすべては2 年以内に脱皮することが飼育実験より明らかになっ

ている(2012 年度本報告の補足資料 6)また雌では水揚げ対象となる個体をすべて「ク

ロコ」として扱った (4)被捕食関係 本系群は脱皮時を除き周年索餌を行い底生生物を主体に甲殻類魚類イカ類多毛

類貝類棘皮動物などを捕食する(尾形 1974) 小型個体はゲンゲ類(伊藤 1968小西ほか 2012)マダラ(上田 未発表データ)などに

捕食される

3漁業の状況 (1)漁業の概要 本海域ではズワイガニの漁獲の多くが沖合底びき網(かけまわし)(以下「沖底」という)

によるものであり(図 4)小型底びき網およびかごによっても漁獲されている本海域で

ズワイガニを対象とする漁業には農林水産省令と自主規制により細かい漁獲規制が設け

られている(後述6ABC 以外の管理方策への提言)本海域における漁期は 11~翌年 3月であり漁獲対象は雄では甲幅 90mm 以上(実質 12 齢と 13 齢)のカタガニとミズガ

ニ雌ではクロコ(すべて 11 齢)である詳細については表 1 を参照のことなお大和

堆では農林水産省令により本系群の漁獲は禁止されている (2)漁獲量の推移 漁獲量(暦年)は1960 年代半ばと 1970 年頃にピークを迎え14000 トンを超えたそ

の後1970 年以降に急減し1988~1993 年には 2000 トンを下回った1990 年代半ば以降

ズワイガニ日本海系群A海域-5-

-535-

は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

-536-

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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京64pp 上田祐司藤原邦浩筆谷拓郎金岩 稔原田泰志岡本繁好大谷徹也太田武行 (2016)

大臣管理漁業等の資源管理計画および資源管理措置にかかる調査 沖合底びき網漁業

の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

理指針等高度化推進事業報告書水産庁資源管理部管理課水産総合研究センター1-36

上田祐司藤原邦浩志村 健大谷徹也木下貴裕 (2014) ズワイガニの保護区設置状況

と資源の分布の関係東北底魚研究34119-122 Ueda Y M Ito T Hattori Y Narimatsu and D Kitagawa (2009) Estimation of terminal molting

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Yamamoto T T Yamada H Fujimoto and K Hamasaki (2014) Effect of temperature on snow crab (Chionoecetes opilio) larval survival and development under laboratory conditions J Shellfish Res 33 19-24

Yamamoto T T Yamada T Kinoshita Y Ueda H Fujimoto A Yamasaki and K Hamasaki (2015) Effect of temperature on growth of juvenile snow crabs Chionoecetes opilio in the laboratory J Crustacean Biol 35 140-148

山崎 淳 (1994) ズワイガニの生態特性にもとづく資源管理に関する研究京都海セ研究論

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直後の生残率水産技術5141-149 山崎 淳宮嶋俊明藤原邦浩 (2011) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ水ガニ

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底曳網漁業連合会東京

ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 5: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

は 111213 齢でそれぞれ約 5約 20100である最終脱皮後は体サイズに対し鉗

脚掌部(はさみ)が大きくなる(図 3)雌ではすべての個体が 10 齢までは最終脱皮前であ

り11 齢で最終脱皮後となる最終脱皮後は腹部が大きくなり外卵を持つ最終脱皮後は

体成長が止まるため雌の 11 齢と雄の 11 齢以降には複数の年級群が含まれている (3)成熟産卵 雌は10 齢の夏から秋にかけて最終脱皮し11 齢となった直後に交尾と初産卵(外卵を

持つ)を行う(図 3)初産卵後は1 年半の抱卵期間を経て翌々年の 2~3 月に幼生が孵

化する孵化後まもなく 2 回目の産卵(経産卵)を行う経産卵後の抱卵期間は 1 年であ

り毎年 2~3 月に産卵を行う外卵の色は産卵後は橙色であり幼生のふ化が近づくに

つれ茶褐色から黒紫色に変化する 初産卵直後の雌は漁期開始時(11 月)には外卵が橙色であり「アカコ」と呼ばれ1 年

後の翌漁期には外卵が茶褐色から黒紫色に変わり「クロコ」と呼ばれる ズワイガニでは性別成長および性別によって「ミズガニ」「カタガニ」「アカコ」「クロ

コ」のように呼称が変化するこれらの呼称は地域により異なる場合もある本報告書では

雄の脱皮後 1 年未満の個体を「ミズガニ」1 年以上経過した個体を「カタガニ」と定義す

る通常カタガニは最終脱皮後の(鉗脚掌部が大きい)個体であるが一部には最終脱皮

前の(鉗脚掌部が小さい)個体も存在しこれらを「モモガニ(京都府における呼称)」と

したモモガニのほとんどすべては2 年以内に脱皮することが飼育実験より明らかになっ

ている(2012 年度本報告の補足資料 6)また雌では水揚げ対象となる個体をすべて「ク

ロコ」として扱った (4)被捕食関係 本系群は脱皮時を除き周年索餌を行い底生生物を主体に甲殻類魚類イカ類多毛

類貝類棘皮動物などを捕食する(尾形 1974) 小型個体はゲンゲ類(伊藤 1968小西ほか 2012)マダラ(上田 未発表データ)などに

捕食される

3漁業の状況 (1)漁業の概要 本海域ではズワイガニの漁獲の多くが沖合底びき網(かけまわし)(以下「沖底」という)

によるものであり(図 4)小型底びき網およびかごによっても漁獲されている本海域で

ズワイガニを対象とする漁業には農林水産省令と自主規制により細かい漁獲規制が設け

られている(後述6ABC 以外の管理方策への提言)本海域における漁期は 11~翌年 3月であり漁獲対象は雄では甲幅 90mm 以上(実質 12 齢と 13 齢)のカタガニとミズガ

ニ雌ではクロコ(すべて 11 齢)である詳細については表 1 を参照のことなお大和

堆では農林水産省令により本系群の漁獲は禁止されている (2)漁獲量の推移 漁獲量(暦年)は1960 年代半ばと 1970 年頃にピークを迎え14000 トンを超えたそ

の後1970 年以降に急減し1988~1993 年には 2000 トンを下回った1990 年代半ば以降

ズワイガニ日本海系群A海域-5-

-535-

は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

-536-

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

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11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

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2009

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2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 6: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

は増加傾向に転じ2007 年には 5000 トン近くとなったものの以後は減少している(図

4補足資料 5) 1999 年以降の漁獲量(漁期年)について各府県集計の統計資料をもとに漁期年別雌

雄別に集計した(図 5補足表 2-6)ミズガニの漁獲量は2007 年までは 1000 トン前後で

ほぼ横ばいであったがその後は漁業者によるミズガニ保護の取り組み等により2016 年

には 359 トンまで減少しているカタガニは 2008 年の約 1900 トンまで増加傾向を示し

2009 年に減少して以降は 1500 トン前後で安定していたが2016 年は 1244 トンに減少し

た雌ガニは 2001 年から毎年増加し2007 年には 2100 トン近くとなった後2008 年は

1500 トン近くに大きく減少したその後は 1500~1800 トンで推移していたが2013 年以

降 1300 トン台に減少し2016 年は 1360 トンであったなお2016 年の雌雄込みの漁獲量

は 2963 トンであった (3)漁獲努力量 沖底の雄に対する有効漁獲努力量には 1970 年代以降雌に対しては 1984 年以降長期

的な減少傾向がみられる2016 年の有効漁獲努力量は雄で 56136 回雌で 35913 回とい

ずれもピーク時の半分以下であった(図 6表 3) 4資源の状態

(1)資源評価の方法 資源水準の判断については長期間の情報が得られる沖底の漁獲成績報告書から求めた

1970 年以降の雌雄海区合計の資源密度指数を資源量指標値として用いた(補足資料 6) 資源動向についてはトロール調査結果に基づくコホート解析を用いて推定した各年の

漁期開始時点における漁獲対象資源量から判断したなお漁獲対象資源量は雄では 12齢以上のミズガニとカタガニ雌では 11 齢のクロコの値とした(補足資料 2補足資料 3)若齢の現存尾数を用いて雄 11 齢雌 10 齢の加入予測を行った これ以降年の記述は断りが無い限り漁期年(7 月~翌年 6 月)を示す

(2)資源量指標値の推移 雌雄海区合計の資源密度指数は 1970 年に 116kg と最高となったが1974 年まで大きく減

少したその後も減少傾向が続き1985~1992 年は 10~13kg と低い値であった1993 年以

降は増加傾向となり2006 年には 59kg まで増加したその後 2011 年には 49kg まで減少し

たが再び 50kg を超え2016 年は 51kg であった(図 7表 4) (3)漁獲物の齢期組成 鳥取県兵庫県京都府の主要港における雄の齢期別ミズガニカタガニ別の漁獲尾数

を求めこれらと A 海域における各府県の漁獲量を用いてA 海域全体の齢期別漁獲尾数

を推定した(図 8) カタガニでは2010 年から 13 齢の漁獲尾数が大きく減少しているこれに対し12 齢の

漁獲尾数は 2011 年から多くなり2013 年はさらに増加したが2016 年は 2010 年レベルま

で減少したミズガニの漁獲尾数は自主規制の強化等により全体に減少傾向であるが

2015~2016 年は 13 齢で特に少なかった

ズワイガニ日本海系群A海域-6-

-536-

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 7: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

(4)トロール調査から推定された甲幅組成 トロール調査結果から推定された甲幅組成を図 910 に示す各年の甲幅組成ともに複数

のモードが存在しそれぞれが齢期群に相当すると考えられているなお2015 年のトロ

ール調査から新型網を用いているが2015~2016 年には旧型網との明確な採集効率の違い

がみられなかった2017 年のトロール調査では小型サイズで旧型網との採集効率に違いが

あると判断されたため10 齢期以下の採集効率を補正し面積密度法により甲幅組成を推

定した(補足資料 4) トロール調査の実施時期は 5~6 月であり漁期開始は 11 月である(図 3)7 齢以降は 1

年に 1 回脱皮を行うことから2017 年の調査時点で最終脱皮前の個体は2017 年漁期ま

でに最大 1 回2018 年漁期までに最大 2 回の脱皮を行う 2017 年の調査結果では雄の 12 齢(概ね甲幅 100mm)および 13 齢(概ね甲幅 120mm 以

上)の現存尾数が比較的多く2017 年漁期には 12 齢の多くはミズガニ13 齢はカタガニと

して漁獲される2017 年漁期に漁獲対象となる雌の 11 齢は2016 年よりやや少なかった

2018 年漁期に漁獲加入する 10 齢は雄雌ともに前年並みであったが2019 年漁期に加入す

る 9 齢はやや少なく2020 年漁期に加入する 8 齢はかなり少なかった(補足表 2-1) (5)資源量と漁獲割合の推移 漁期開始時点の資源量についてトロール調査時点の年別齢期別現存尾数を用いたコホ

ート解析結果より求めた(補足資料 2)漁期開始時点の資源量(図 11)は2002 年に 12800トンであったが2007 年には 30200 トンまで増加した2008 年以降は減少を続け2015 年

には 17000 トンとなったが2017 年には 21300 トンに増加したなお2018 年の資源量は

21700 トンになると予測される(補足表 2-6) 漁期開始時点の資源量と当該漁期の漁獲量より漁獲割合と漁獲係数(F)を求めた(図 12補足表 2-6)漁獲割合と F はカタガニの値が最も高くミズガニの値はかなり低い2016年の漁獲割合(F 値)はミズガニでは 3(003)カタガニでは 56(083)雄全体では

12(013)雌では 28(032)雌雄全体では 17(018)であった2005 年頃まで漁

獲割合F ともに低下傾向であったが資源が減少した 2008 年以降カタガニでは上昇し

ている (6)Blimit の設定

本評価では再生産関係は使われていないそこで資源量が推定されている 1999 年以

降で資源が回復したことがある最も少ない親魚量(2002 年水準1500 トン)を Blimit とした(図 13)なお2017 年の親魚量は 4100 トンでありBlimit を上回っている (7)資源の水準動向 資源水準の区分は雌雄海区合計の資源密度指数の最高値(116kg)と 0 の間を三等分し

39kg 未満を低位39kg 以上 78kg 未満を中位78kg 以上を高位とした2016 年の資源密度

指数は 51kg であることから資源水準は中位と判断した(図 7表 4) 資源動向は直近 5 年間(2013~2017 年)の漁期開始時点における資源量の推移から

横ばいと判断した(図 11)

ズワイガニ日本海系群A海域-7-

-537-

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 8: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

(8)今後の加入量の見積もり 2017 年のトロール調査結果およびコホート解析から推定された齢別現存尾数よりABC算定対象である 2018 年漁期以降の加入尾数を求めたこの際2018 年漁期の加入尾数は

雄では 2017 年の 10 齢から遷移率を用いて計算した 11 齢の予測値雌では 2017 年の 10 齢

の現存尾数とした2019 年漁期の加入尾数は 2017 年の 9 齢2020 年漁期は同様に 2017 年

の 8 齢の現存尾数から遷移率を用いてそれぞれ予測した(補足資料 2)なお2017 年の 8齢はコホート解析では扱われないので雄雌の現存尾数の平均値を雄雌それぞれに適用し

た 2017 年の雄 11 齢の現存尾数は 2016 年よりやや増加し 23 百万尾であった2018 年には

22 百万尾2019 年には 18 百万尾と推移し2020 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少

すると予測される(図 14補足表 2-3) 2017 年の雌 10 齢の現存尾数は 2016 年よりやや減少し21 百万尾であった2018 年には

17 百万尾2019 年には 1999 年以降最少の 8 百万尾に減少すると予測される(図 14補足

表 2-5) 資源の将来予測の際は20182019 および 2020 年漁期については上記で予測される加入

尾数を用い2021 および 2022 年漁期については 2016~2020 年漁期の平均加入尾数(雄

2016~2020 年の 11 齢の平均雌2015~2019 年の 10 齢の平均)を用いた 本系群の長期的な資源変動は寒冷期には資源が減少して低水準となり温暖期には増加

傾向となっている(木下 2009)また海洋数値輸送モデルによるシミュレーションの結果

ズワイガニ幼生の孵出海域への帰還率と加入尾数の年変動は概ね一致しており加入量変

動には幼生の浮遊期の流況が大きな影響を与えていると考えられる(本多ほか 2016) (9)生物学的管理基準(漁獲係数)と現状の漁獲圧の関係 ズワイガニの最終脱皮を組み込んだ齢構成モデル(Ueda et al 2009)を用い雌雄別の YPRと雌のSPR を求めた(図 1516)この際雌雄とも 8 齢から資源計算を行い雄では 11齢まで雌では 10 齢までが水揚げ対象個体(雄12~13 齢雌11 齢クロコ)と同様の

F で混獲放流され放流後の生残率を 05 と仮定して計算したこのとき生理的寿命は

考慮していない 雄の Fmax および F01 はそれぞれ 028 および 016 である雄の Fcurrent は 015 でFmaxおよび F01 より小さかった 雌ではFmax および F01 はそれぞれ 023 および 016 である雌の Fcurrent は 035 であ

り漁獲圧はやや過大と判断される雌の Fcurrent におけるSPR は 21であった 52018 年 ABC の算定

(1)資源評価のまとめ 本海域における長期間の資源量指標値である沖合底びき網漁業の資源密度指数は1960

年代から 1970 年代初めには 100kg 以上で高位水準にあったがその後 1980 年代後半には

10kg 近くまで低下した1990 年代以降は上昇に転じ2002 年以降の資源水準は中位で推移

しているトロール調査結果に基づくコホート解析により推定された 1999 年以降の資源量

は2003~2007 年は増加傾向にあったが2008~2015 年は減少傾向であった2017 年の資

源量は2008 年以降の平均的なレベルであるものの増加しており資源動向を横ばいと判

ズワイガニ日本海系群A海域-8-

-538-

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

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11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

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2009

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2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 9: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

断した 加入量は 2018 年までは比較的良好な一方2020 年には大きく減少すると見込まれ現状

の漁獲圧では従来と同様な資源の維持が困難と考えられる今後の悪い加入を考慮した場

合でも資源を大きく減少させないように漁獲するべきである (2)漁獲シナリオに対応した漁獲量の算定 本海域では資源水準は中位動向は横ばいであり加入予測に基づく将来予測により資

源水準が維持できると考えられるしたがってABC 算定規則 1-3)-(2)を適用して以下の

式により 2018 年 ABC を算定した Flimit =(基準値か現状の F)times β1 Ftarget = Flimit times α

ここで β1 は 1αは安全率であり標準値の 08 を用いた 本海域では今後悪い加入を考慮した場合でも資源を大きく減少させないことを管理目

標とし漁獲シナリオとして「現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)」「現状の親魚量の維持(Fsus1)」および「近年の平均親魚量の維持(Fsus2)」を設定した 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降で親魚量が最も少ないのは 2015 年でありコホート解析の不確実性も考慮

し2014~2016 年の平均値を採用した「現状の漁獲圧の維持」では近年の平均親魚量の

維持が困難なため算定漁獲量扱いとした 上記の各漁獲シナリオにおいて「現状の漁獲圧の維持」は 2014~2016 年の平均の F「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」は 2022 年の親魚量がそれぞれ

2017 年および 2014~2016 年の平均と同値となる F とそれぞれ定義した 以上の各シナリオについて「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定した加入条件に基

づき雌の資源の将来予測を行い各漁獲シナリオを達成する F を求めたその結果「現状

の親魚量の維持(Fsus1)」では F=008(Fcurrent に対し-61)「近年の平均親魚量の維持

(Fsus2)」では F=018(同-9)となったなお2014~2016 年の平均の F(Fcurrent)は

020 であった 2018 年の資源量は 21700 トンと予測されることから2018 年の ABC(Limit 値)は「現

状の親魚量の維持」では 1700 トン「近年の平均親魚量の維持」では 3600 トンとそれぞれ

算定された 2022 年までの将来予測の結果漁獲量は 2019 年以降いずれのシナリオでも 2020 年に

大きく減少した後横ばいである(図 17)資源量および雌の親魚量ともにいずれのシナリ

オでも 2020 年に大きく減少するが2021 および 2022 年は増加する雌の親魚量はいず

れのシナリオでも 2022 年には Blimit を 1000 トン以上上回る(図 18) (3)2017 年 ABC加入量の不確実性を考慮した検討シナリオの評価 上述の各シナリオについて加入量の不確実性を考慮した将来予測を行ったこの際

2020 年までの加入尾数はトロール調査結果から得られた加入前の齢期別現存尾数に基づ

く遷移率の変動を考慮した予測値以降は「4(8)今後の加入量の見積もり」で設定し

た平均加入量に不確実性を考慮した予測値とした(補足資料 2)漁獲シナリオごとにF 値

の変化に対応した 2022 年までの資源量漁獲量および親魚量計算を 1000 回試行した

ズワイガニ日本海系群A海域-9-

-539-

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 10: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

各シナリオとも予測幅の違いは小さかった中央値の 80信頼区間は 2020 年までは広

がり2021 年以降安定していたが(図 19)これは不確実性を考慮してから 2 年程度で齢

期別資源尾数のほぼすべてが将来予測によって与えられた値に置き換わるからである 「現状の親魚量の維持」および「近年の平均親魚量の維持」では5 年後に 2017 年の親

魚量を維持できる確率は 19以上近年の平均親魚量を維持できる確率は 50以上Blimitを維持できる確率は 96以上であった「現状の漁獲圧の維持」では同様に 154496であった加入量が大きく減少する 2020 年に親魚量が Blimit を上回る確率は「現状の親

魚量の維持」「近年の平均親魚量の維持」および「現状の漁獲圧の維持」でそれぞれ 98

89および 85であった

ズワイガニ日本海系群A海域-10-

-540-

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 11: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

漁獲シナリオ(管理基準) F値 漁獲量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 30 31 14 14 11 10 10

Limit 008 30 31 17 17 13 13 12

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 30 31 30 29 22 21 21

Limit 018 30 31 36 34 26 25 25

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 30 31 33 31 24 23 22

Limit 020 30 31 39 37 28 27 27

資源量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 180 213 217 201 139 145 173

Limit 008 180 213 217 201 138 145 172

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 180 213 217 198 135 143 170

Limit 018 180 213 217 197 134 142 169

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 180 213 217 198 135 142 170

Limit 020 180 213 217 197 133 141 169

親魚量(百トン)

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

現状の親魚量の維持(Fsus1)

Target 007 36 41 49 46 28 39 43

Limit 008 36 41 48 44 27 38 41

近年の平均親魚量の維持(Fsus2)

Target 015 36 41 43 38 22 32 35

Limit 018 36 41 40 35 20 30 33

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)

Target 016 36 41 42 37 21 31 34

Limit 020 36 41 39 33 19 29 31

資源量は漁期開始時点の値を親魚量は漁期後の雌の値をそれぞれ示す F 値漁獲量資源量はいずれも雌雄込みの値である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大または維持が期待される F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 年は漁期年(7~翌年 6 月)を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-11-

-541-

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 12: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

漁獲シナリオ (管理基準)

Target Limit

2018 年 漁期 ABC

(雄 雌) (百ト

ン)

漁獲 割合 (雄 雌) ()

F 値 (ミズガニ カタガニ 雌)(現状

の F 値から

の増減)

2022 年漁期の 親魚量 (百トン)

(80区

間)

確率評価() 2022 年漁期に 2017 年漁期 親魚量を維持

2022 年漁期に 近年の平均 親魚量を維持

2022 年漁期にBlimitを維持

現状の親魚量 の維持 (Fsus1)

Target 14 (9 6)

7 (5 10)

007 (0011 0218

0109) (-69)

43 (26~60) 55 79 99

Limit 17 (10 7)

8 (6 13)

008 (0013 0272

0136) (-61)

41 (25~58) 50 76 98

近年の 平均親魚量の

維持 (Fsus2)

Target 30 (18 12)

14 (11 22)

015 (0025 0507

0253) (-27)

35 (21~50) 29 62 97

Limit 36 (21 15)

17 (13 27)

018 (0031 0634

0316) (-9)

33 (19~46) 19 50 96

2018 年 漁期 算定 漁獲量

現状の漁獲圧 の維持

(Fcurrent)

Target 33 (19 13)

15 (12 24)

016 (0028 0559

0279) (-20)

34 (20~48) 25 57 96

Limit 39 (23 16)

18 (14 29)

020 (0035 0699

0349) (plusmn0)

31 (18~44) 15 44 96

コメント 本系群の ABC 算定には規則 1-3)-(2)を用いた 海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画第 3 に記載されている本系群の中期的管

理方針では「資源の維持若しくは増大を基本方向として安定的な漁獲量を継続できる

よう管理を行うものとする」とされている維持すべき親魚量を近年の平均(2014~2016年)水準とし同方針に合致する漁獲シナリオにはを付した

現状の漁獲圧の維持(Fcurrent)では近年の平均親魚量の維持が困難なため算定漁獲

量扱いとした Target は資源変動の可能性やデータ誤差に起因する評価の不確実性を考慮し各漁獲シ

ナリオの下でより安定的な資源の増大が期待される F 値による漁獲量である Limit は各漁獲シナリオの下で許容される最大レベルの F 値による漁獲量である Ftarget = α Flimit としαには標準値 08 を用いた 漁期年は 7~翌年 6 月 Fcurrent は2014~2016 年漁期の漁獲係数の平均を示す

ズワイガニ日本海系群A海域-12-

-542-

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

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ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 13: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

現状の親魚量は 2017 年の漁期後に想定される 11 齢雌資源量(4100 トン)をBlimit は2002 年の漁期後 11 齢雌資源量(1500 トン)をそれぞれ示すまた近年の平均親魚量

(2014~2016 年)は 3300 トンである 漁獲シナリオ(管理基準)の設定については以下の通りである 親魚量の維持2022 年の親魚量が現状(Fsus1)もしくは近年の平均(Fsus2)と同値とな

る F 値で漁獲する 近年の平均親魚量を「資源が減少に転じた 2008 年以降における少ない親魚量」と定義し

た2008 年以降では親魚量は 2015 年まで減少傾向の後20162017 年は増加したそ

こで資源を大きく減少させないためにも親魚量が減少から増加に転じた 2015 年ころ

の水準を維持するべきと考えた親魚量が増加に転じた 2015 年ころの水準として本評

価ではコホート解析の不確実性も考慮し2014~2016 年の平均値を採用した (4)ABC の再評価 昨年度評価以降追加された

データセット 修正更新された数値

2017年調査時点現存量 1999~2017年漁期開始時点資源量 2016 年漁期漁獲量確定値 2016 年漁期漁獲量

評価対象年 (当初再評価)

管理 基準

F値 資源量 (百トン)

ABClimit (百トン)

ABCtarget (百トン)

漁獲量 (百トン) (実際の

F値)

2016 年漁期(当初) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 183 38 32

2016 年漁期

(2016 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

024 171 36 30

2016 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2rsquo (115Fcurrent)

021 180 35 29 30 (018)

2017 年漁期(当初) Fsus2 (114Fcurrent)

023 184 37 31

2017 年漁期

(2017 年再評価) Fsus2 (114Fcurrent)

023 213 43 36

20162017年ともTAC設定の根拠となった管理基準について行った は TAC設定の根拠となった値である 資源量は漁期開始時点の値である いずれも雌雄込みの値である

本海域では昨年度本評価まではトロール調査による資源量直接推定値を ABC 算定に用

いており2016 年の資源量は2016 年再評価時点で確定したが本年度からトロール調査

結果に基づくコホート解析を導入したことにより2017 年再評価においても更新された

2016 年の漁獲量は 3000 トンであった2017 年の資源量は当初評価時には直接推定値であり

ズワイガニ日本海系群A海域-13-

-543-

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

7引用文献

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その分布について 日水研報1943-50 伊藤勝千代 (1970) 日本海におけるズワイガニの生態に関する研究 III 甲幅組成および甲

殻硬度の季節変化から推測される年令と成長について 日水研報2281-116 木下貴裕 (2009) ズワイガニ日本海系群 平成 20 年度資源変動要因分析調査報告書水産庁

増殖推進部漁場資源課水産総合研究センター86-91 今 攸 (1980) ズワイガニ Chionoecetes opilio (O Fabricius)の生活史に関する研究新潟大学

理学部附属佐渡臨海実験所特別報告21-64 今 攸丹羽正一山川文男 (1968) ズワイガニに関する研究minusII甲幅組成から推定した脱

皮回数日水誌34138-142 小西光一養松郁子廣瀬太郎南 卓志 (2012) 日本海の中深層底棲魚に捕食されたズワイ

ガニ属幼生と稚ガニの水深分布について 日水誌78976-978 本多直人井桁庸介山本岳男上田祐司白井 滋 (2015) ズワイガニ幼生の分布特性の

解明および加入量予測モデルの開発 平成 27 年度資源変動要因分析調査報告書 水産

庁増殖推進部漁場資源課水産総合研究センター70-71 三浦 浩伊藤 靖下山宗生澤田竜美本田耕一 (2014) 日本海西部地区におけるズワ

イガニアカガレイ保護育成礁の効果漁港漁場漁村総合研究所調査研究論文集2455-60

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京64pp 上田祐司藤原邦浩筆谷拓郎金岩 稔原田泰志岡本繁好大谷徹也太田武行 (2016)

大臣管理漁業等の資源管理計画および資源管理措置にかかる調査 沖合底びき網漁業

の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

理指針等高度化推進事業報告書水産庁資源管理部管理課水産総合研究センター1-36

上田祐司藤原邦浩志村 健大谷徹也木下貴裕 (2014) ズワイガニの保護区設置状況

と資源の分布の関係東北底魚研究34119-122 Ueda Y M Ito T Hattori Y Narimatsu and D Kitagawa (2009) Estimation of terminal molting

probability of snow crab Chionoecetes opilio using instar- and state-structured model in the waters off the Pacific coast of northern Japan Fish Sci 75 47-54

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Yamamoto T T Yamada T Kinoshita Y Ueda H Fujimoto A Yamasaki and K Hamasaki (2015) Effect of temperature on growth of juvenile snow crabs Chionoecetes opilio in the laboratory J Crustacean Biol 35 140-148

山崎 淳 (1994) ズワイガニの生態特性にもとづく資源管理に関する研究京都海セ研究論

文41-53 Yamasaki A (2002) Establishment of preserved area for snow crab Chionoecetes opilio and

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1839-1844 山崎 淳宮嶋俊明 (2013) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ混獲量とリリース

直後の生残率水産技術5141-149 山崎 淳宮嶋俊明藤原邦浩 (2011) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ水ガニ

の入網数とリリース直後の生残率日水誌77372-380 山崎 淳篠田正俊桑原昭彦 (1992) 雄ズワイガニの最終脱皮後の生残率推定について

日水誌58181-186 全国底曳網漁業連合会 (2016) 平成 27 年度日本海ズワイガニ漁獲結果総まとめ資料全国

底曳網漁業連合会東京

ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 14: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

2017年再評価時にはコホート解析による推定値に更新された資源量が更新される際カタガニ

ミズガニ雌ガニの資源量の比率が変わるので同じ管理基準でも再評価時の雌雄合計の F値は変化する場合がある

2017 年の資源量は2016 年当初評価時の 18400 トンから2017 年再評価時に 21300 トンへ上方修正されたこの要因としてはトロール調査の観測誤差や混獲死亡の多寡による生残率の

年変化等が挙げられ修正の内訳はミズガニで+2900 トン(+29)カタガニで+500 トン(+18)雌で-400 トン(-7)全体で+2900 トン(+16)であった 本海域における再評価では再評価時に F 値を更新せず資源量のみを予測値から確定値に

更新して ABC を再計算している資源量に加え F 値も更新した場合2020 年に予測される加入の減少が考慮されるため2017年漁期の Fsus2は 014ABCは 2700 トンに下方修正される 6ABC 以外の管理方策の提言

(1)省令及び自主規制などによる資源の保護 ズワイガニは農林水産省令において漁期や甲幅制限また雌の未成熟個体や日本海大和

堆における採捕禁止等が定められている加えて A 海域では漁期やサイズ規制について

漁業者の自主的な取り組みによって省令よりも厳しい制限を設けている(表 1)さらに

単価が安く再生産に関与しにくいミズガニや解禁直後に集中的に漁獲される雌ガニにつ

いては1 航海当たりの漁獲量の上限を設定している(表 2) またズワイガニの産卵育成場を確保するため県や国によるコンクリートブロック等

を用いた保護育成礁が A 海域の広い範囲に設置されており(Yamasaki 2002森山 2011三

浦ほか 2014)加えてズワイガニの脱皮時期と重なる底びき網漁業解禁(9 月)からズワイ

ガニ解禁(11 月 6 日)まではA 海域における水深 200~350m の大部分で操業が自粛され

ている(上田ほか 2014) 今後も以上のような規制措置を継続的に遵守していくことが資源を持続的に利用する

ために重要である (2)混獲死亡の低減 以上に述べたさまざまな規制が遵守される際相当量の水揚げ対象外個体が入網後に放

流され死亡していると考えられる(山崎ほか 2011山崎宮嶋 2013) 従来から石川県福井県および京都府ではズワイガニ漁期外にアカガレイ等を漁獲対

象とする際のズワイガニの混獲死亡を低減するために底びき網の改良網が導入されてき

ている改良網とは底びき網のコッドエンドに漁獲物が到達する前に遊泳力のあるアカ

ガレイと遊泳力のないズワイガニを分離する構造を設けた網のことであるこの改良網は

その後鳥取県および兵庫県の沖底船への導入が完了し現在さらに効果的な魚網の仕立

て等の改良への検討が進められているこれらの改良網の使用を徹底し混獲死亡を低減す

ることがミズガニや小型個体等の生残率を高めるためには不可欠である A 海域のズワイガニは解禁直後である 11 月の漁獲量や努力量が最も多く12 月以降は

減少する一方でミズガニを入網後に放流した場合の生残率は11 月が低く 12 月以降は

上昇しており(山崎ほか 2011)11 月においてミズガニの混獲死亡が多くなっている(上

田ほか 2016)11 月をはじめとして混獲死亡を低減するための漁期の変更や操業方法等

を検討していくことが必要である

ズワイガニ日本海系群A海域-14-

-544-

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

7引用文献

伊藤勝千代 (1968) 日本海におけるズワイガニの生態に関する研究 II 稚蟹期の形態および

その分布について 日水研報1943-50 伊藤勝千代 (1970) 日本海におけるズワイガニの生態に関する研究 III 甲幅組成および甲

殻硬度の季節変化から推測される年令と成長について 日水研報2281-116 木下貴裕 (2009) ズワイガニ日本海系群 平成 20 年度資源変動要因分析調査報告書水産庁

増殖推進部漁場資源課水産総合研究センター86-91 今 攸 (1980) ズワイガニ Chionoecetes opilio (O Fabricius)の生活史に関する研究新潟大学

理学部附属佐渡臨海実験所特別報告21-64 今 攸丹羽正一山川文男 (1968) ズワイガニに関する研究minusII甲幅組成から推定した脱

皮回数日水誌34138-142 小西光一養松郁子廣瀬太郎南 卓志 (2012) 日本海の中深層底棲魚に捕食されたズワイ

ガニ属幼生と稚ガニの水深分布について 日水誌78976-978 本多直人井桁庸介山本岳男上田祐司白井 滋 (2015) ズワイガニ幼生の分布特性の

解明および加入量予測モデルの開発 平成 27 年度資源変動要因分析調査報告書 水産

庁増殖推進部漁場資源課水産総合研究センター70-71 三浦 浩伊藤 靖下山宗生澤田竜美本田耕一 (2014) 日本海西部地区におけるズワ

イガニアカガレイ保護育成礁の効果漁港漁場漁村総合研究所調査研究論文集2455-60

森山 充 (2011) ズワイガニアカガレイ保護礁の効果について水産工学47223-225 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp 上田祐司藤原邦浩筆谷拓郎金岩 稔原田泰志岡本繁好大谷徹也太田武行 (2016)

大臣管理漁業等の資源管理計画および資源管理措置にかかる調査 沖合底びき網漁業

の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

理指針等高度化推進事業報告書水産庁資源管理部管理課水産総合研究センター1-36

上田祐司藤原邦浩志村 健大谷徹也木下貴裕 (2014) ズワイガニの保護区設置状況

と資源の分布の関係東北底魚研究34119-122 Ueda Y M Ito T Hattori Y Narimatsu and D Kitagawa (2009) Estimation of terminal molting

probability of snow crab Chionoecetes opilio using instar- and state-structured model in the waters off the Pacific coast of northern Japan Fish Sci 75 47-54

Yamamoto T T Yamada H Fujimoto and K Hamasaki (2014) Effect of temperature on snow crab (Chionoecetes opilio) larval survival and development under laboratory conditions J Shellfish Res 33 19-24

Yamamoto T T Yamada T Kinoshita Y Ueda H Fujimoto A Yamasaki and K Hamasaki (2015) Effect of temperature on growth of juvenile snow crabs Chionoecetes opilio in the laboratory J Crustacean Biol 35 140-148

山崎 淳 (1994) ズワイガニの生態特性にもとづく資源管理に関する研究京都海セ研究論

文41-53 Yamasaki A (2002) Establishment of preserved area for snow crab Chionoecetes opilio and

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1839-1844 山崎 淳宮嶋俊明 (2013) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ混獲量とリリース

直後の生残率水産技術5141-149 山崎 淳宮嶋俊明藤原邦浩 (2011) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ水ガニ

の入網数とリリース直後の生残率日水誌77372-380 山崎 淳篠田正俊桑原昭彦 (1992) 雄ズワイガニの最終脱皮後の生残率推定について

日水誌58181-186 全国底曳網漁業連合会 (2016) 平成 27 年度日本海ズワイガニ漁獲結果総まとめ資料全国

底曳網漁業連合会東京

ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 15: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

(3)韓国による漁獲状況の把握 日本海では韓国も本系群を漁獲している韓国の漁獲量(暦年)は 1990 年代後半から急

増し2007 年には 4800 トンとなったがその後減少し 2016 年は 1570 トンであった(図

20補足表 5-1)これらには韓国東岸や日韓暫定水域内に加え我が国 EEZ 内(暫定水域

外)における違法操業(水産庁境港漁業調整事務所 HP1)による漁獲も含まれていると考え

られる また本評価で行っているトロール調査では日韓暫定水域内の調査点で韓国の漁獲サイ

ズ(甲長 90mm 以上)に相当する雄ガニがほとんど採集されず本水域における雄ガニの資

源状態は非常に悪いことが示唆されている 以上のことから日韓漁業協定に基づき両国間で建設的な協議が行われ日韓暫定水域

等における適切な資源管理措置が講じられることが必要である

7引用文献

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その分布について 日水研報1943-50 伊藤勝千代 (1970) 日本海におけるズワイガニの生態に関する研究 III 甲幅組成および甲

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大臣管理漁業等の資源管理計画および資源管理措置にかかる調査 沖合底びき網漁業

の資源管理計画に係る調査(対象魚種ズワイガニアカガレイ)平成 27 年度資源管

1 httpwwwjfamaffgojpsakaiminatopresskantoku160630_1html (2017 年 8 月 8 日参照)

ズワイガニ日本海系群A海域-15-

-545-

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ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 16: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

理指針等高度化推進事業報告書水産庁資源管理部管理課水産総合研究センター1-36

上田祐司藤原邦浩志村 健大谷徹也木下貴裕 (2014) ズワイガニの保護区設置状況

と資源の分布の関係東北底魚研究34119-122 Ueda Y M Ito T Hattori Y Narimatsu and D Kitagawa (2009) Estimation of terminal molting

probability of snow crab Chionoecetes opilio using instar- and state-structured model in the waters off the Pacific coast of northern Japan Fish Sci 75 47-54

Yamamoto T T Yamada H Fujimoto and K Hamasaki (2014) Effect of temperature on snow crab (Chionoecetes opilio) larval survival and development under laboratory conditions J Shellfish Res 33 19-24

Yamamoto T T Yamada T Kinoshita Y Ueda H Fujimoto A Yamasaki and K Hamasaki (2015) Effect of temperature on growth of juvenile snow crabs Chionoecetes opilio in the laboratory J Crustacean Biol 35 140-148

山崎 淳 (1994) ズワイガニの生態特性にもとづく資源管理に関する研究京都海セ研究論

文41-53 Yamasaki A (2002) Establishment of preserved area for snow crab Chionoecetes opilio and

consequent recovery of the crab resources Fish Sci 68 suppl II 1699-1702 山崎 淳桑原昭彦 (1991) 日本海における雄ズワイガニの最終脱皮について日水誌57

1839-1844 山崎 淳宮嶋俊明 (2013) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ混獲量とリリース

直後の生残率水産技術5141-149 山崎 淳宮嶋俊明藤原邦浩 (2011) 京都府沖合における底曳網によるズワイガニ水ガニ

の入網数とリリース直後の生残率日水誌77372-380 山崎 淳篠田正俊桑原昭彦 (1992) 雄ズワイガニの最終脱皮後の生残率推定について

日水誌58181-186 全国底曳網漁業連合会 (2016) 平成 27 年度日本海ズワイガニ漁獲結果総まとめ資料全国

底曳網漁業連合会東京

ズワイガニ日本海系群A海域-16-

-546-

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 17: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 1 ズワイガニ日本海系群 A 海域の分布

図 2 ズワイガニの年齢脱皮齢期および

甲幅の関係 数字は脱皮齢期を示す 10 齢までは雌雄共通である

図 3 ズワイガニの生活史と漁獲の模式図 ミズガニ脱皮後 1 年未満の雄 カタガニ脱皮後 1 年以上経過した雄 アカコ橙色の外卵を腹部に有する雌 クロコ茶褐色から黒紫色の外卵を持つ雌

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 5 10

甲幅

(mm

)

年齢

6 78

910

11

12

13雄

雄最終脱皮後

雌最終脱皮後

ズワイガニ日本海系群A海域-17-

-547-

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 18: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 4 A 海域全体の漁獲量(暦年)および沖合底びき網漁業による漁獲量(漁期年)

図 5 雌雄別(雄はカタガニミズガニ別)の漁獲量(漁期年)

図 6 沖合底びき網の有効漁獲努力量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

A海域のうち沖底

0

10

20

30

40

50

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

有効漁獲努力量(千回)

ズワイガニ日本海系群A海域-18-

-548-

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 19: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 7 沖底漁績から求めた資源密度指数(雌雄海区合計)

赤線は最高値(116kg1970 年)と 0 の間を三等分した値であり高位と中位の境 界は 78kg中位と低位の境界は 39kg をそれぞれ示す点線は漁獲量を示す

図 8 主要港における雄の齢期別カタガニミズガニ別漁獲尾数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

20

40

60

80

100

120

140

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

漁獲量(千トン)

資源密度指数(

kg)

高位

中位

低位

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲尾数(千尾)

12齢 ミズガニ

12齢カタガニ

13齢 ミズガニ

13齢カタガニ

ズワイガニ日本海系群A海域-19-

-549-

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 20: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 9 トロール調査から推定された雄の甲幅組成

現存尾数(百万尾)

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2003年 最終脱皮前

最終脱皮後

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2004年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2005年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2006年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2007年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160甲幅(mm)

2008年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2009年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2010年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2011年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2012年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2013年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2014年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2015年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2016年

012345678

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

2017年

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-20-

-550-

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 21: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 10 トロール調査から推定された雌の甲幅組成

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2003年 9齢以下 10齢 11齢

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2004年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2005年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2006年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2007年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100甲幅(mm)

2008年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2009年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2010年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2011年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2012年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2013年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2014年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2015年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2016年

0

2

4

6

8

10

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

2017年

現存尾数(百万尾)

甲幅(mm)

甲幅(mm)

ズワイガニ日本海系群A海域-21-

-551-

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 22: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 11 トロール調査結果に基づくコホート解析により推定された漁期開始時点における資

源量 ミズガニとカタガニは 12 齢と 13 齢の合計を雌は 11 齢をそれぞれ示す 2018 年は2017 年の 10 齢以上の齢期別資源尾数等から求めた予測値

図 12 漁獲割合(上図)と漁獲係数(F)(下図)

0

50

100

150

200

250

300

350

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

資源量(百トン)

カタガニ

ミズガニ

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

漁獲割合(

) ミズガニ

カタガニ

全体

0010203040506070809

1

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

F

ミズガニ

カタガニ

全体

ズワイガニ日本海系群A海域-22-

-552-

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 23: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 13 雌の親魚量 親魚量は各年の漁期後の値すなわち漁期開始時点の親魚量から漁獲

量を除した値である2017 年の親魚量は2017 年の雌の漁獲量が 2014~2016 年の

平均と仮定したときの漁期後に想定される予測値赤線は Blimit(15 百トン)を

示す

図 14 2017 年漁期に漁獲加入する年級群(雄 11 齢)および 2018 年漁期に漁獲加入する

年級群(雄雌とも 10 齢)の現存尾数 縦棒は 95信頼区間を示す点線は資源の

将来予測に用いる予測値を示し2017 年の 8 齢および 9 齢の現存尾数からそれぞ

れ求めたトロール調査の 5~6 月時点に採集された雌 11 齢のうち2017 年漁期

に漁獲加入する個体と 2016 年漁期以前に漁獲加入していた個体の判別は不可能で

あることから2017 年漁期の雌の漁獲加入尾数は不明である

0

10

20

30

40

50

60

70

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

親魚量(百トン)

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

現存尾数(百万尾)

雄11齢未熟

0

10

20

30

40

50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

現存尾数(百万尾)

雄10齢未熟

0

10

20

30

40

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018

雌10齢

ズワイガニ日本海系群A海域-23-

-553-

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 24: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 15 F と YPR の関係 図 16 F とSPR の関係

図 17 各漁獲シナリオにおける漁獲量の予測

図 18 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)および雌の親魚量(右図)の予測

親魚量は各年の漁期後の値である 親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

10

20

30

40

50

60

70

00 01 02 03 04 05

YPR(

g)

F

Fmax

Fcur

rent

F01

Fmax

Fcur

rent

F01

0102030405060708090

100

00 01 02 03 04 05

SP

R

F

Fcur

rent

F30

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

0

50

100

150

200

250

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

0

10

20

30

40

50

60

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン) Fsus1

Fsus2

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-24-

-554-

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

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11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

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2009

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2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 25: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 19 各漁獲シナリオにおける資源量(左図)漁獲量(中図)および雌の親魚量の将来

予測 資源量と漁獲量については黒色が雄雌合計青色が雄赤色が雌を2018 年

以降の実線は 1000 回の試行のうち中央値を破線は上側 10下側 10を灰色

は 1000 回の試行のうち任意の 10 回をそれぞれ示す親魚量は漁期後の値である

親魚量の赤線は Blimit(15 百トン)を示す

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus1

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus1

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus1

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fsus2

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fsus2

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fsus2

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

08Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

08Fcurrent

0

100

200

300

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

資源量(百トン)

Fcurrent

0

10

20

30

40

50

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

漁獲量(百トン)

Fcurrent

010203040506070

2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

親魚量(百トン)

Fcurrent

ズワイガニ日本海系群A海域-25-

-555-

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

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補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

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2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

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補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 26: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

図 20 A 海域および韓国における漁獲量(暦年集計)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1954 1959 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 2004 2009 2014

漁獲量(百トン)

A海域合計

韓国

ズワイガニ日本海系群A海域-26-

-556-

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 27: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

表 1 A 海域におけるズワイガニの漁期規制およびサイズ規制(2016 年)

表 2 A 海域におけるズワイガニの 1 航海あたり漁獲量規制(2016 年)

省令

(ミズガニ) (カタガニ) (ミズガニ) (カタガニ)

鳥取兵庫島根

1月20日~2月末日 省令に同じ 105mm以上 95mm以上

京都 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

福井 2月9日~3月20日 省令に同じ 100mm以上 省令に同じ

石川 禁漁 省令に同じ 禁漁 省令に同じ

省令

自主規制鳥取兵庫島根福井京都石川

漁期 漁獲規制(サイズは甲幅)

11月6日~3月20日

11月6日~1月20日

90mm以上

成熟ガニ

自主規制

11月6日~12月31日 クロコ70mm以上

ミズガニ クロコ

24時間未満 800尾 5000尾

48時間未満 1600尾 8000尾

48時間以上 2300尾 16000尾

漁獲量上限航海時間

ズワイガニ日本海系群A海域-27-

-557-

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 28: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

表 3 A 海域における沖合底びき網の有効漁獲努力量

漁期年 雄 雌

1970 114223 720191971 124530 783781972 151020 886501973 137288 776921974 136372 681841975 120915 664111976 107409 648481977 112818 659471978 112376 849931979 118133 796001980 123839 795981981 131444 795491982 114006 805481983 114285 987471984 118754 1021121985 120892 802981986 126009 828641987 119322 809561988 114592 814441989 114162 860591990 111532 616091991 104668 699721992 94306 578881993 86501 585351994 89255 659781995 88167 460731996 95009 588441997 100166 577071998 87936 557791999 88589 623472000 86732 614242001 83742 565472002 85305 604812003 77661 568062004 87392 615862005 78785 500482006 83846 482012007 83078 565012008 82508 408272009 72592 416012010 76453 504312011 72339 527972012 68488 469832013 63539 334632014 67386 338082015 69060 324022016 56136 35913

ズワイガニ日本海系群A海域-28-

-558-

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 29: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

表 4 沖合底びき網の資源密度指数

雄   雌   雄雌

A海域全体

中区 西区A海域全体

中区 西区A海域合計

1970 68 32 85 48 23 61 1161971 62 26 78 40 17 49 1021972 40 20 52 22 11 29 621973 33 14 42 16 8 20 481974 23 13 29 12 8 15 361975 21 16 23 12 11 13 341976 19 22 19 15 13 16 351977 18 15 20 17 12 20 351978 17 13 19 14 9 17 321979 18 12 21 14 8 16 311980 15 11 17 13 13 13 281981 14 14 14 13 11 13 261982 13 16 12 10 10 10 231983 11 12 11 10 10 10 221984 11 13 10 6 5 6 171985 8 12 6 5 6 5 131986 8 10 7 4 5 4 121987 8 12 6 5 7 4 131988 7 12 5 4 6 4 111989 6 10 5 4 4 5 111990 6 10 5 6 9 6 121991 6 10 4 4 5 4 101992 7 12 5 5 7 5 121993 9 17 5 8 11 6 171994 10 19 6 8 11 7 181995 12 21 8 11 16 9 231996 11 18 8 10 13 9 211997 12 15 11 13 10 15 251998 14 17 13 21 10 26 351999 16 15 17 21 11 25 372000 17 16 17 17 8 22 332001 17 19 17 19 13 22 362002 19 19 19 21 10 26 402003 22 17 24 26 12 32 472004 23 16 26 26 11 33 492005 24 20 26 30 15 36 542006 25 18 27 34 20 40 592007 26 20 28 31 19 36 572008 23 21 24 30 22 32 532009 20 20 20 32 14 40 532010 20 22 20 30 15 36 502011 22 21 23 27 12 33 492012 21 21 22 29 23 31 502013 22 19 23 32 26 33 542014 20 16 21 33 20 38 532015 18 16 18 33 36 32 512016 20 15 21 32 18 35 51

漁期年

ズワイガニ日本海系群A海域-29-

-559-

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 30: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足資料 1 資源評価の流れ

(1)雄

(2)雌

生残

常脱皮

終脱皮

生残

通常脱皮

10-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢ミズガニ資源尾数

齢別最終脱皮率ミズガニM

齢別体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(

ABC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(カタガニ 12月1日)(ミズガニ 2月1日)

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

11-12齢(鉗脚小)現存尾数

12-13齢(鉗脚大)現存尾数

12-13齢カタガニ資源尾数

12-13齢ミズガニ漁獲尾数

12-13齢カタガニ漁獲尾数

齢別最終脱皮率遷移率

カタガニM

齢別t年漁獲尾数遷移率

コホート解析

生残

生残

最終脱皮

10齢現存尾数

t年漁獲尾数遷移率

11齢(クロコ)資源尾数

体重

(t+1)年漁期ABC算定漁獲量

シナリオ別F

t 年(t+

1) 年(A

BC算定年)

再評価

トロール調査(6月1日)

トロール調査(6月1日)

漁期開始(11月1日)

11齢現存尾数

11齢現存尾数

11齢(クロコ)漁獲尾数

遷移率

M

コホート解析

ズワイガニ日本海系群A海域-30-

-560-

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 31: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足資料 2 資源計算方法

2-1 トロール調査による年別齢期別現存尾数を用いたコホート解析

ズワイガニではトロール調査による直接推定法により資源量を推定している直接推定

は漁業と独立に資源量が推定可能である一方推定値はトロール調査の観測誤差の影響を

受けており観測誤差の影響を受けた資源量推定値に基づいて算定される ABC に対して不

確実性を与えているそこで観測誤差の影響を低減するためトロール調査による年別齢

期別現存尾数(補足表 2-1)を用いてコホート解析を行った 本方法では解析期間の 1 年目の齢期別現存尾数および各年の加入尾数を起点とし最終

脱皮を考慮して前進計算を行う計算過程を模式的に補足図 2-1 に示す

補足図 2-1 資源計算の模式図 上図は雄下図は雌を細線は脱皮による齢期の遷移太

線は最終脱皮後の同一齢期の遷移「未」は未熟(最終脱皮前)「成」は成熟

(最終脱皮後)をそれぞれ示す 性別 it 年a 齢脱皮状態 j の現存尾数を Niajtとする脱皮状態 j と未熟成熟ミズ

ガニカタガニの関係を以下のように定義する 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

1999(t)年の 9~12 齢の現存尾数( iajtR )および 2000~2016 年(t)の 9 齢の現存尾数

( ia1tR )を用いて2000(t+1)年の 10~13 齢(雌は 9~11 齢)および 2001~2017(t+1)

年の 10 齢の現存尾数を以下の式を用いて前進計算した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ 1i a t i a i a t i a t i aN R C S (1)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ

i a t i a i a t i a t i a i a t i a t i aN R C S R C S

(2) 上式で γia は a 齢に脱皮するときの最終脱皮率Ciajt は t 年a 齢脱皮状態 j の漁獲尾数で

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 20179齢未10齢未11齢未11齢成12齢未12齢成13齢成

1999 2000 2001 2002 2013 2014 2015 2016 2017

9齢未10齢未

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-31-

-561-

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 32: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

ある Sia は t 年a 齢の資源尾数から(t+1)年①(a+1)齢もしくは②a 齢の資源尾数への遷

移率である①のとき遷移率は生残率に加えa 齢と(a+1)齢のトロール網の採集効率の

違いによる影響も込みにした係数であり②のときは生残率のみを示した係数である資

源計算の際齢別漁獲尾数と M 等から翌年の資源尾数を求めるのが通常であるがA 海域

では漁獲を除いた生残率に混獲死亡や日韓暫定水域内の韓国の漁獲量を考慮する必要が

ある現状では十分に考慮することが不可能であるため遷移率を用いた計算を行っている γia および Sia はすべての年で一定とした漁獲尾数(Ciajt)は雄では 12~13 齢成熟(カ

タガニ)雌では 11 齢について用い他の齢期については 0 とした実際には雄 12 齢未熟

ではミズガニとして漁獲されており他の齢期でも混獲死亡があるがこれらはすべて遷移

率に含めてパラメータとして推定した 2001~2017 年の 11~13 齢(雌は 11 齢)の現存尾数を以下の式を用いて順次前進計算

した

未熟 11 1 1 1 1 1ˆ ˆ1i a t i a i a t i a t i a tN N C S (3)

成熟 12 3 1 1 1 1 1 12 3 2 3 12 3ˆ ˆ ˆ

i a t i a i a t i a t i a t i a t i a t i a tN N C S N C S

(4)

計算された現存尾数( iajtN )とトロール調査による現存尾数の観測値(Niajt)に関する

尤度関数(L)を(5)式に示す1999(t)年の 9~13 齢の現存尾数( iajtR )2000~2017

年(t)の 9 齢の現存尾数( ia1tR )最終脱皮率(γia)および遷移率(Siaj)を推定パラメー

タとしMS-excel のソルバーを用いて尤度関数(L)を最大化する各パラメータを求めた 2

22

ˆln ln1 exp22

i a j t i a j t

i a j t ii a j t i

N NL

N (5)

22

1 ˆln lni i a j t i a j t

a j tN N

AJT (6)

9 齢と 10 齢は雄雌ともに未熟個体であり未熟個体では雌雄の分布の違いはみられていな

いしたがってパラメータ推定の際9 齢と 10 齢の現存尾数は雌雄で同値とした 雄の 13 齢についてはトロール調査の観測誤差の影響は小さいと考えられることまた

遷移率に年変化があると考えられることから本解析から除き観測値を ABC 算定に用い

たなお雄 13 齢を解析から除いた場合でも2018 年の現存尾数および将来予測のため雄

12 齢未熟の遷移率(S121)が必要であるそこで遷移率の年変化が小さいと考えられる直

近 5 年(2013~2017 年)のみ(5)式による 13 齢の尤度計算を行いS121を推定した

現存尾数の推定値( iajtN )の 90信頼区間(loweriajtN

upperiajtN )を以下のパラメトリッ

クブートストラップ法によって求めた

ズワイガニ日本海系群A海域-32-

-562-

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 33: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

ˆlnb b

i a j t i a j t i a j tN (7)

2 0b

i a j t iN (8)

expb bi a j t i a j tN (9)

ここでb はブートストラップ標本を示す変数である(b=1 hellip B)得られたbiajtN を用い

て再び(3)~(6)式によりパラメータ推定を行い iajtNbを得たこれを 1000 回繰り返

し(B=1000)得られた iajtNbのうち下から 50 番目を

loweriajtN 上から 50 番目を

upperiajtN とし

た 解析に用いられた漁獲尾数(C)推定された遷移率(S)および雄の最終脱皮率(γ)を補

足表 2-2 に推定された各年の 9 齢および 1999 年の 10 齢の加入尾数(R)を補足表 2-3 お

よび 2-5 にそれぞれ示すまた解析に用いられた齢期別現存尾数の観測値および推定値

を補足図 2-2 にこれらの残差を補足図 2-3 にそれぞれ示す 2-2 漁期開始時点の資源尾数および ABC の計算および資源の将来予測の方法

計算にあたり調査(6 月 1 日)および漁獲(ミズガニ2 月 1 日カタガニ12 月 1 日

雌11 月 1 日)は短期間のうちに行われると仮定した自然死亡係数 M はミズガニでは

035(山崎 1996)10 齢雌も脱皮後 1 年未満であるため 035最終脱皮後であるカタガニと

11 齢雌は 02 とそれぞれ仮定した脱皮は調査直後に起こると仮定した ① 雄

雄の脱皮状態(j)と未熟成熟ミズガニカタガニの関係を以下のようである 脱皮状態 1 未熟ミズガニ 脱皮状態 2 成熟ミズガニ 脱皮状態 3 成熟カタガニ

2017(t)年調査時点の 10~13 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 12~13 齢成熟

(カタガニ)の漁獲尾数はそれぞれ 2014~2016 年の平均とした 2018(t+1)年調査時点の 11~13 齢の現存尾数から2018(t+1)年漁期開始時点の 12~13 齢の資源尾数(Nrsquo)および資源量(B)を次式より求めた

ミズガニ 11 2 1 1 1 18exp

12a t a tN N M (10)

カタガニ 13 1 12 3 1 2 36exp

12a t a tN N M (11)

a j t a j t a jB N w (12)

ズワイガニ日本海系群A海域-33-

-563-

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 34: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

上式で wajは体重を表し甲幅組成解析で推定された齢別の甲幅組成とミズガニカタガニ

別の甲幅-体重関係から以下のような値を求めた 12 齢ミズガニ(w121-2)373gカタガニ(w123)403g 13 齢ミズガニ(w131-2)728gカタガニ(w133)799g 求めた漁期開始時点の資源尾数および資源量を補足表 2-3 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)をミズガニカタガニ別(j)にまとめこれと漁獲尾数

(C)より漁獲率(E)と F を次式よりそれぞれ求めた(補足表 2-4)

12 13 12 13 12 13

12 13 12 13

j t j tj t

j t j t

C YE

N B (13)

12 13 12 13 ln 1j t j tF E (14)

(13)式において Y は漁獲量を示す雄では 1213 齢ともに同じ F で漁獲されると仮定

しているしたがってカタガニとミズガニそれぞれについて漁獲率(尾数ベース)と漁

獲割合(重量ベース)は等しくなる 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い次式よりミズガニカタガ

ニ別に ABC を求めた

ABC 1 expa j a ja

N F w (15)

各漁獲シナリオにおける雌の F 値の Fcurrent に対する比を雄の Fcurrent に乗じた値を

雄の F 値とした 漁獲物の齢期組成から重量変換した漁獲量と実際の漁獲量は完全には一致しないので

両者の差を補正する係数を求め(1082012~2016 年の平均)この係数を 2018 年の漁獲量

に乗じたものを ABC とした シナリオ別に資源量や漁獲量の将来予測を行う際Fajt の変化に応じ 12 齢と 13 齢の遷移

率 Sajt も変化させる必要があるFajt の変化に対応した遷移率pajtS を以下のように求めた

121 121 121exppt t tS S F

121 121 12114 16expt tS S F より 121 121 12114 16expt tS S F

121 0279S 12114 16 0035F より

121 121 12114 16 121 121

121

exp exp 0279 exp 0035 exp

0289exp

pt t t t

t

S S F F F

F (16)

また(4)式における(N-C)を Nexp(-F)として扱い

122 3 132 3 12 132 3 12 132 3 12 132 3exp 0064expp pt t t t tS S S F F (17)

② 雌 雌の脱皮状態(j)と最終脱皮アカコクロコとの関係は次のようになる

脱皮状態 1 最終脱皮前アカコ 脱皮状態 2-3 最終脱皮後クロコ

ズワイガニ日本海系群A海域-34-

-564-

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 35: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

2017(t)年調査時点の 10 齢の現存尾数(Najt)から2018(t+1)年調査時点の 11 齢の

現存尾数(Na+1jt+1)を(3)(4)式より求めたこの際2017 年の 11 齢の漁獲尾数は2014~2016 年の平均とした 2018 年調査時点の 11 齢の現存尾数から2018 年漁期開始時点の 11 齢の資源尾数(Nrsquo)を(18)式より資源量(B)を(12)式よりそれぞれ求めた

113 1 112 3 1 2 35exp

12t tN N M (18)

以上により得られた漁期開始時点の資源量と漁獲量から(13)(14)式を用いて漁獲

割合と F をそれぞれ求めた(補足表 2-5) ミズガニカタガニ雌および雄雌合計の資源量漁獲量漁獲割合および F 値を補足表

2-6 に示す 漁期開始時点の資源尾数(Nrsquo)と漁獲シナリオ別の F を用い(15)式を用いて ABC を

求めた ③ 加入の設定 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測を行う際加入を次のように設定した雌の

加入尾数は 10 齢雄の加入尾数は 11 齢未熟(最終脱皮前)の現存尾数とした雄の 2019年と 2020 年の 11 齢未熟雌の 2018 年と 2019 年の 10 齢の現存尾数(N)についてそれ

ぞれ 2017 年の 9 齢と 8 齢の現存尾数より以下の式で計算した

雄 111 2 91 91t t tN N S および 111 3 81 81t t tN N S (19)

雌 101 1 91 91t t tN N S および 101 2 81 81t t tN N S (20)

上式で S は遷移率である補足表 2-7 に2003 年以降の S を示す 今後の加入量の見積りおよび資源の将来予測ではSを2003年以降の値の平均値とした

雄の 2021~2022 年の 11 齢未熟雌の 2020~2021 年の 10 齢についてはそれぞれ 2016~2020年2015~2019 年の平均現存尾数を用いた 加入量の不確実性を考慮した将来予測では資源の将来予測に用いた雄の 2019~2022

年の最終脱皮前の 11 齢雌の 2018~2021 年の 10 齢の現存尾数にそれぞれ平均 1標準偏

差 v の正規乱数を乗じた値を加入尾数としたこの際標準偏差 v は雄では 8 齢~11 齢

の S の変動係数(CV)雌では 8 齢~10 齢の S の CV と同値とした(補足表 2-7) 以上の加入条件で漁獲シナリオごとにF 値の変化に対応した 2022 年までの資源量

漁獲量および雌(11 齢クロコ)の漁期後資源量を 1000 回試行した 引用文献 山崎 淳 (1996) 日本海における雄ズワイガニの漁獲サイズ日水誌62623-630

ズワイガニ日本海系群A海域-35-

-565-

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 36: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足図 2-2トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(青点)および推定値(赤実線) 左図は雄右図は雌を赤点線は推定値の 90信頼区間を縦軸は現存尾数(千

尾)を「未」は未熟(最終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞ

れ示す

補足図 2-3トロール調査による年別齢別現存尾数の観測値(対数)に対する推定値(対数)

の残差 左図は雄右図は雌を赤線は 0 を縦軸は残差を「未」は未熟(最

終脱皮前)を「成」は成熟(最終脱皮後)をそれぞれ示す

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

0

10000

20000

30000

40000

50000

1999

2001

2003

2005

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2013

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2017

11齢未

0

5000

10000

15000

20000

25000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

01000200030004000500060007000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

0

1000

2000

3000

4000

5000

1999

2001

2003

2005

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11齢成

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

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2009

2011

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2015

2017

9齢未

0

10000

20000

30000

40000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

010000200003000040000500006000070000

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-08

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

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2013

2015

2017

9齢未

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

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2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

06

1999

2001

2003

2005

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2013

2015

2017

11齢未

-10

-05

00

05

10

15

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

-06-04-020002040608

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢未

-10

-05

00

05

10

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

12齢成

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

9齢未

-03

-02

-01

00

01

02

03

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

10齢未

-06

-04

-02

00

02

04

1999

2001

2003

2005

2007

2009

2011

2013

2015

2017

11齢成

ズワイガニ日本海系群A海域-36-

-566-

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 37: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足表2-1 直接推定(面積密度法)によるトロール調査時点の現存尾数

雄の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 0 22 150 898 3960 1485 1776 553 1069 1023 890 717 4917齢 未 702 699 1393 6322 12432 7193 3985 6254 2835 3825 9022 3437 49738齢 未 3714 2082 4835 18942 11401 11239 14348 12433 11615 6285 15900 10095 118009齢 未 6566 4930 9937 12309 25621 12541 35047 26863 23101 13883 16333 21291 14531

未 11297 10271 10548 15322 15189 27359 28492 41899 22348 20013 20576 24133 20279成 103 98 943 276 263 977 529 357 703 471 1247 1209 508未 17696 13456 11090 13313 15779 19466 28992 23697 32490 21517 24493 32526 23502成 1231 985 3919 1251 1294 2732 3858 3004 3174 1682 4191 3818 2976未 7559 5464 4958 8413 10271 11696 16199 13234 14899 11516 9592 14186 10312成 2372 2223 3188 2364 2707 5545 3854 2913 3253 2166 3106 4809 2769

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1978 2715 1403 799 498 6457齢 未 5137 8527 7708 3247 2611 16868齢 未 10541 13174 13575 10748 8220 39199齢 未 16581 12955 17590 21296 19786 15117

未 16774 18649 12681 22456 18889 17550成 200 361 122 238 399 636未 13792 21696 16396 19115 18837 16186成 1390 1969 1203 2018 2168 1942未 8937 11134 7253 8986 6843 8426成 2522 2269 1678 2610 2490 1891

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723

雌の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20116齢 未 121 143 35 621 2987 1344 1441 323 972 983 407 566 2477齢 未 723 735 610 5326 13787 7686 5216 6967 3231 3773 9419 3132 38208齢 未 3832 1712 3704 17069 10502 11981 13640 11562 10432 6223 16780 9959 124759齢 未 8111 7362 15137 16261 29117 12539 35017 26209 23848 12001 18947 23035 1952610齢 未 13466 10928 10000 18777 20784 29805 24245 37239 22388 18786 20125 26791 2409711齢 成 31423 20398 19806 23877 36351 44839 43212 38532 60364 32854 25999 33543 38432

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 20176齢 未 1481 2145 1240 361 672 5307齢 未 5153 7296 6338 3606 2261 18478齢 未 10794 13713 13303 10026 6913 42079齢 未 18776 15631 20100 23914 18671 1451810齢 未 15855 16978 12984 23214 25501 1997711齢 成 26210 35501 29539 24200 32198 26368

10齢

11齢

12齢

2002年までは切断法による齢期分解齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である

10齢

11齢

12齢

ズワイガニ日本海系群A海域-37-

-567-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 38: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011雄12齢カタガニ 1253 1442 1626 1756 1836 1413 1579 2203 2054 2150 1541 2075 2405雄13齢カタガニ 626 721 813 878 918 1345 1029 1088 1223 1224 1084 670 584

雌11齢 8990 7141 7393 8485 9754 10520 10297 10988 11777 8561 9380 10056 93952012 2013 2014 2015 2016 2017

雄12齢カタガニ 2364 2837 2219 2150 2147 2172雄13齢カタガニ 614 437 596 506 390 497

雌11齢 9192 7215 7832 7360 7681 7625

齢期 成熟

雄雌9齢 未

雄雌10齢 未

雄11齢 未

雄12齢 未

雄11-13齢 成

雌11齢 成

齢期

11齢 009112齢 0220

各年の9齢および1999年の10齢の加入尾数(R)については補足表2-3および2-5を参照のこと

最終脱皮率

2017年の漁獲尾数は2018年の資源尾数の計算に用いられ(補足表2-32-5)それぞれ2014~2016年の平均である

漁獲尾数

漁獲尾数

補足表2-2 コホート解析に用いた漁獲尾数(C)推定された齢期別遷移率(S)      および 雄の最終脱皮率(γ)

遷移率

1153

0363

1189

006402790611

ズワイガニ日本海系群A海域-38-

-568-

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 39: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足表2-3 コホート解析による雄のトロール調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数および資源量

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 1523710齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 19887

未 14970 13489 13258 12280 20731 23246 31523 22727 35337 23652 25325 21038 23922成 1211 1424 1414 1316 2153 2458 3303 2480 3685 2596 2693 2272 2533未 7559 7135 6429 6319 5852 9881 11079 15024 10832 16842 11273 12070 10027成 2390 2088 1857 1800 1656 2779 3217 4349 3197 4831 3356 3526 2926

13齢 成 1117 1454 1841 2605 4615 5114 4728 5110 6250 4577 3212 3822 2838

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 9244 8329 8186 7582 12801 14353 19465 14033 21820 14604 15637 12991 14771成 ミズガニ 2611 2353 2312 2142 3616 4054 5498 3964 6163 4125 4417 3670 4172成 カタガニ 2162 1890 1681 1628 1498 2515 2911 3935 2893 4371 3037 3190 2647成 ミズガニ 5986 5650 5091 5004 4635 7824 8773 11897 8577 13337 8927 9558 7940成 カタガニ 1010 1316 1666 2357 4176 4627 4278 4623 5655 4142 2906 3458 2568

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011未 ミズガニ 3448 3107 3053 2828 4775 5354 7260 5234 8139 5447 5833 4845 5510成 ミズガニ 974 878 863 799 1349 1512 2051 1479 2299 1539 1648 1369 1556成 カタガニ 871 762 677 656 604 1014 1173 1586 1166 1762 1224 1286 1067成 ミズガニ 4358 4113 3706 3643 3374 5696 6387 8661 6244 9709 6499 6958 5780成 カタガニ 807 1051 1331 1883 3337 3697 3418 3694 4518 3309 2322 2763 2052

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20209齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 1468710齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928

未 21492 18980 18892 16341 21559 23147 22168 18295 8220成 2307 2042 2016 1760 2264 2455 2369未 11401 10243 9046 9004 7788 10275 11032成 3254 2951 2563 2565 2227 2908 3163

13齢 成 3383 3934 3054 2625 1934 2723 3010

漁期開始時点の資源尾数(千尾)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 13271 11720 11665 10090 13312 14293 13688成 ミズガニ 3749 3310 3295 2850 3760 4037 3866成 カタガニ 2944 2670 2319 2321 2015 2631 2862成 ミズガニ 9028 8112 7163 7130 6167 8137 8736成 カタガニ 3061 3560 2763 2375 1750 2463 2723

漁期開始時点の資源量(トン)

齢期 成熟 銘柄 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018未 ミズガニ 4950 4371 4351 3764 4965 5331 5106成 ミズガニ 1398 1235 1229 1063 1403 1506 1442成 カタガニ 1187 1076 934 935 812 1060 1154成 ミズガニ 6573 5905 5215 5191 4490 5923 6360成 カタガニ 2446 2844 2208 1897 1398 1968 2176

11齢

12齢

12齢

13齢

13齢

11齢

12齢

12齢

13齢

12齢

12齢

13齢

イタリックは予測値13齢は直接推定による値である齢期別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の資源尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は11齢未熟の現存尾数である

ズワイガニ日本海系群A海域-39-

-569-

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 40: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足表2-4 銘柄別の雄の漁期開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

合計 10458 9910 9630 9809 13438 17273 20289 20654 22366 21766 17525 17221 15965

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

合計 1942 2004 2176 2284 2387 2641 2625 2848 2826 2539 2299 2134 2151

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

全体 0186 0202 0226 0233 0178 0153 0129 0138 0126 0117 0131 0124 0135

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

全体 0205 0226 0256 0265 0196 0166 0139 0148 0135 0124 0141 0132 0145

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

合計 16554 15432 13937 12850 13068 15789 16237

2012 2013 2014 2015 2016 2017ミズガニ 558 358 361 356 359 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244 1350

合計 2116 1942 1833 1691 1603 1709

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

全体 0128 0126 0132 0132 0123

2012 2013 2014 2015 2016 F 13-15 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0596 0699

全体 0137 0135 0141 0141 0131

漁獲割合

漁獲係数

(F)

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数

(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-40-

-570-

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 41: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20119齢 未 10643 9858 16643 18662 25307 18245 28369 18988 20331 16890 19204 17254 15237

10齢 未 12481 12267 11362 19183 21509 29168 21029 32697 21885 23433 19467 22135 1988711齢 成 30626 22695 20231 18168 26318 31582 42320 36628 48177 39236 38995 33896 34969

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011資源尾数 11齢 28177 20880 18613 16716 24214 29057 38936 33699 44325 36098 35877 31186 32173資源量 11齢 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20111591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 16630319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 02920384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345

親魚量(トン)

齢期 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 201111齢 3396 2432 1986 1457 2559 3281 5069 4020 5761 4874 4690 3740 4032

調査時点の現存尾数(千尾)

齢期 成熟 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 20199齢 未 15166 13118 17307 18583 17796 14687

10齢 未 17562 17480 15120 19948 21418 20512 16928 763811齢 成 32927 29496 28871 25614 30341 33689 33848

漁期開始時点の11齢(クロコ)の資源尾数(千尾)および資源量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018資源尾数 11齢 30295 27138 26563 23566 27915 30995 31142資源量 11齢 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512

2012 2013 2014 2015 2016 2017 F 13-15 F 14-161627 1277 1386 1303 1360 13500303 0266 0295 0312 02750362 0309 0349 0374 0322 0344 0349

親魚量(トン)

齢期 2012 2013 2014 2015 2016 201711齢 3735 3526 3315 2868 3581 4137

イタリックは予測値F 13-15 とF 14-16は2013~2015年と2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す親魚量は漁期後の資源量を示す

漁獲割合

漁獲係数(F)

齢別現存尾数はトロール網のサイズ別採集効率を一定として推定した値であり若齢ほど実際の現存尾数より過小である各年の9齢および1999年の10齢の現存尾数は雄雌同値である加入尾数は10齢の現存尾数である

漁獲量(トン)

漁獲割合

漁獲係数(F)

補足表2-5 コホート解析による雌の調査時点の現存尾数漁期開始時点の資源尾数資源量漁獲量       (漁期年)漁獲割合および漁獲係数(F)

漁獲量(トン)

ズワイガニ日本海系群A海域-41-

-571-

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 42: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 8780 8097 7622 7270 9497 12562 15698 15374 16682 16695 13979 13172 12846カタガニ 1679 1813 2008 2539 3940 4711 4591 5280 5684 5071 3546 4049 3118

雌 4987 3696 3295 2959 4286 5143 6892 5965 7846 6389 6350 5520 5695合計 15446 13606 12925 12768 17724 22416 27181 26619 30212 28156 23875 22741 21659

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 1029 891 955 1002 919 865 1113 1018 939 604 727 618 619カタガニ 913 1114 1220 1282 1469 1776 1512 1829 1887 1935 1572 1516 1532

雌 1591 1264 1309 1502 1726 1862 1823 1945 2085 1515 1660 1780 1663合計 3533 3268 3484 3786 4114 4503 4447 4793 4911 4055 3959 3914 3814

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0117 0110 0125 0138 0097 0069 0071 0066 0056 0036 0052 0047 0048カタガニ 0544 0614 0608 0505 0373 0377 0329 0346 0332 0382 0443 0374 0491

雌 0319 0342 0397 0508 0403 0362 0264 0326 0266 0237 0261 0322 0292全体 0229 0240 0270 0297 0232 0201 0164 0180 0163 0144 0166 0172 0176

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011ミズガニ 0125 0117 0134 0148 0102 0071 0074 0069 0058 0037 0053 0048 0049カタガニ 0785 0953 0936 0703 0466 0473 0399 0425 0403 0481 0586 0469 0676

雌 0384 0419 0506 0708 0516 0449 0307 0395 0309 0271 0303 0389 0345全体 0260 0275 0314 0352 0264 0224 0179 0199 0177 0156 0181 0189 0194

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018ミズガニ 12921 11511 10795 10017 10858 12761 12908カタガニ 3633 3920 3142 2833 2210 3029 3329

雌 5362 4803 4702 4171 4941 5486 5512合計 21916 20235 18639 17021 18009 21275 21749

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 558 358 361 356 359カタガニ 1558 1585 1472 1335 1244

雌 1627 1277 1386 1303 1360合計 3743 3219 3219 2993 2963

2012 2013 2014 2015 2016ミズガニ 0043 0031 0033 0036 0033カタガニ 0429 0404 0469 0471 0563

雌 0303 0266 0295 0312 0275全体 0171 0159 0173 0176 0165

2012 2013 2014 2015 2016 F 14-16ミズガニ 0044 0032 0034 0036 0034 0035カタガニ 0560 0518 0632 0637 0827 0699

雌 0362 0309 0349 0374 0322 0349全体 0187 0173 0190 0193 0180 0188

補足表2-6 ミズガニカタガニ雌および合計の漁獲開始時点の資源量漁獲量(漁期年)漁獲割合        および漁獲係数(F)

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

資源量(トン)

漁獲量(トン)

漁獲割合

F

イタリックは予測値F 14-16 は2014~2016年のFの平均をそれぞれ示す

ズワイガニ日本海系群A海域-42-

-572-

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 43: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足表2-7 同一年級群の遷移率(網の選択率と生残率を込みにした係数)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 20138齢-11齢 208 304 169 211 191 383 132 189 156 153 1609齢-11齢 125 125 125 125 125 125 125 125 125 125 1258齢-10齢 192 282 156 195 177 354 122 175 144 142 1489齢-10齢 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115 115

2014 2015 2016 平均 SD CV8齢-11齢 172 202 072 0359齢-11齢 125 1258齢-10齢 159 197 188 064 0349齢-10齢 115 115 115

例えば2003年の208は2003年の雄8齢と2006年の雄11齢の現存尾数の比を示す

各年の8齢の現存尾数は雄雌の平均9齢以上はコホート解析による推定値をそれぞれ用いたしたがって9齢-11齢および9齢-10齢の遷移率はコホート解析のパラメータでありすべての年で一定である

ズワイガニ日本海系群A海域-43-

-573-

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 44: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足資料 3 直接推定法による現存量推定

2017 年 5 月 9 日~6 月 27 日に日本海西部海域の水深 190~550m において但州丸(兵庫

県所属)による着底トロール調査を行った本海域を沖底小海区と同様の 8 海区(浜田沖は

さらに東西に分けた)と3 水深帯に区分し計 23 層に 135 調査点を配置した(補足図 3-1)曳網時の袖先間隔が約 17m のトロール網を用い曳網時間を原則 30 分とした 漁獲物のうちズワイガニでは全数(雄6980雌7259 個体)の測定を行った雄で

は甲幅に加え鉗脚掌部幅を測定し成熟状態(最終脱皮前後)の判別を行った雌では

甲幅に加え腹節の状態内卵の有無等を記録し未熟10 齢(初産前)11 齢(経産)を判

別した 調査点ごとの雌雄別成熟状態別の漁獲尾数より面積密度法を用いて甲幅組成を推定し

た(甲幅階級幅は 2mm採集効率は 0442)なお2015 年から新型トロール網を用いてい

るが今年から新型網の採集効率を従来型網に対し 9 齢以下10 齢11 齢以上でそれぞれ

06081 と仮定した(補足資料 4)推定された雌雄別成熟状態別の甲幅組成に複合正規

分布をそれぞれ当てはめ齢期に分解した(補足表 2-1) 海域別雌雄別の甲幅組成を補足図 3-2 に示す鉗脚大や 11 齢雌のような成熟個体(最

終脱皮後)は例年浜田沖など西側の海域に多い トロール調査から推定された 2017 年の雄の現存量(甲幅 90mm 以上)は2016 年より増

加し1999 年以降 19 年間で 17 番目2014 年とほぼ同様であった(補足図 3-3)雌(11 齢)

は 2016 年より減少し1999 年以降 19 年間で 13 番目2012 年と同程度であった 雄は隠岐以西(浜田沖隠岐北方隠岐周辺)の現存量が大きく変化していたのに対し

但馬以東(但馬沖若狭沖加賀沖能登沖)の変化は小さかった2004 年までの増加と

2008 年以降の減少も隠岐以西の変化によるところがほとんどである現存量に占める隠

岐以西の割合は2005 年が 76とピークであったが2017 年は 62であった雌ではこの

割合は雄よりもかなり高く2017 年は 2004 年と 2007 年と並ぶ 94であった 2011 年より浜田沖と隠岐周辺西側の水深 160~190m の海域において(補足図 3-1)日

水研(但州丸)と島根県水産技術センター(島根丸)によるトロール調査を行っている齢

期別現存尾数では漁獲対象の齢期は非常に少なく漁獲対象前の齢期が多い(補足図 3-4)ABC 算定には雌雄とも 10 齢以上の現存尾数を用いる水深 190m 以浅の現存量を A 海

域に含めた場合2018 年の ABC は約 5増加するしかし2017 年以前も同様の分布状況

だった場合Fcurrent などの漁獲シナリオでは過去の F 値が数下がるのでABC への影響

は極めて小さい水深 190m 以浅の海域の資源分布は浜田沖冷水の分布の影響を受けてい

るがこの海域の資源のほとんどは成熟とともにより深い水深へ移動すると考えられる今

後もこの海域の調査を継続しズワイガニの分布の年変化等を把握していく必要がある 日本海西部海域にはコンクリートブロックを設置して底びき網の操業を不可能にした

保護区が設置されている現状ではすべての保護区内の現存量を推定することは困難であ

る一方で保護区内の雌ガニの増加により想定される再生産関係を経た加入の増加はト

ロール調査で把握されておりまた保護区から染み出してくる資源の一部もトロール調査

で把握されている保護区によるこれらの効果については本評価における ABC の算定

に反映されている

ズワイガニ日本海系群A海域-44-

-574-

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 45: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足図 3-1 トロール調査海域 数字は調査点を沿岸寄りの黄線は 200m 等深線を示す

1

23

46 7

8

10

11

12

13

16

1718

20

2325

27

29

31

3233

34

35

3637

3839

40 41 4243

4445

46

4748 49

50

51 52

53

5455

5657

58

59

60

6162

6364

65

66

67

68

6970

71

72

73

7475

76

77

78

79

80

81

8283 84

8586

8788

89

90

91

92

93

94

95

96

97

98

99100

101

102

103

104

105

106

107108

109

110

111

112

113

114

115

116

117

118

119120

121122

123

124

125

126

127

128

129

130

131

132

133

134135

136

137

138139

140

141 142

143

521

528

529

801

804

811812

816

817

819

821

822

823

824

825

851

852

853

854855

856857 859

860

814

38deg

37deg

36deg

38deg

37deg

36deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

131deg 132deg 133deg 134deg 135deg 136deg 137deg

浜田沖

隠岐北方

隠岐周辺

但馬沖

若狭沖

能登沖

加賀沖

ズワイガニ日本海系群A海域-45-

-575-

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 46: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足図 3-2 トロール調査より推定された海域別甲幅組成(左雄右雌)

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

浜田沖 最終脱皮前

最終脱皮後

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

浜田沖 9齢以下

10齢

11齢

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐北方

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160

能登沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

隠岐周辺

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

但馬沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

若狭沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

加賀沖

0

1

2

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

能登沖

甲幅(mm)

現存尾数(百万尾)

2079 2193

ズワイガニ日本海系群A海域-46-

-576-

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 47: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足図 3-3 トロール調査から推定された海域別現存量

雄は甲幅 90mm 以上の雌は 11 齢の現存量をそれぞれ示す

補足図 3-4 水深 190m 以浅の現存尾数の齢期組成

0

20

40

60

80

100

120

140

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雄能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0

20

40

60

80

100

120

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

現存量(百トン)

雌能登沖

加賀沖

若狭沖

但馬沖

隠岐周辺

隠岐北方

浜田沖

0005

01015

02025

03035

04

雄6齢

雄7齢

雄8齢

雄9齢

雄10齢

雄11齢

雄12齢

雄13齢

雌6齢

雌7齢

雌8齢

雌9齢

雌10齢

雌11齢

頻度 190m以浅

A海域

ズワイガニ日本海系群A海域-47-

-577-

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 48: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足資料 4 新型トロール網の旧型に対する採集効率の違いについて

(協力東北区水産研究所)

日本海ズワイガニ等底魚資源調査は2014 年まで但州丸(499 トン)によりNT-4 型着

底トロール網(旧網)を用いて行われてきたが2015 年からは但州丸代船(358 トン)を含

む 350 トンクラスの調査船によっても円滑な漁撈作業が可能な小型の NOB-81 型着底ト

ロール網(新網)を使用している新網と旧網の採集効率の違いを明らかにするため2014および 2015 年に新網と旧網による並行調査を行った 並行調査は2014 年と 2015 年の 9 月下旬に隠岐諸島東西の海域の 16 調査点で行われ

た2014 年は旧網で調査を実施した後入港して新網に交換し引き続き調査を実施した

2015 年は新網の調査を先に行った両網の曳網ラインは互いに隣接する同一水深とした 新網と旧網ともに雄では甲幅 10mm 台から 150mm 台の雌では 10mm 台から 90mm の

個体が採集された雌雄別網別の甲幅組成に同一調査点において両網が遭遇するズワイガ

ニの分布の違いを考慮したガウス関数を当てはめ両網の甲幅別の採集効率の違いに一般

化ロジスティック式を仮定しパラメータ推定を行った その結果旧網に対する新網の採集効率の比率(fx)は甲幅 70mm 以上(11~13 齢)で

は 1すなわち両網の違いはなかったが70mm 以下(6~10 齢)では 06 であった(補足図

4-1 の黒実線および式)これに対し実際のトロール調査による年別齢期別資源尾数を用

いて年別遷移率(y年 i齢期の資源尾数に対する(y+1)年(i+1)齢期の資源尾数の比)を計算し

旧網で調査が行われた 2004~2014 年までの遷移率に対する新網に変更した 2015 年の遷移

率の違いを求めた(補足図 4-1 の赤丸)7 齢および 8 齢の遷移率は 2014 年までに対し 2015年はそれぞれ 046065 に低下しておりモデルによる推定値と近い値であった一方で 9齢および 10 齢ではそれぞれ 096104 でありモデルによる推定値と異なっていた11~13 齢については実際のトロール調査の値にばらつきがあるが1 前後と推察される

9 齢および 10 齢においてモデルと実際のトロール調査により両網の採集効率の違いを

示す値が異なったこれはモデルでは海底が固く安定した曳網が容易な海域で行われた並

行操業データを用いたのに対し実際のトロール調査は泥底などの曳網が容易ではない海

域も多く含むため泥などが入網した際の採集効率が高くなっていた影響が考えられるそ

の後2016 年のトロール調査までに新網を多様な底質において安定的に曳網するための

ワープ繰り出し長等の検討および調整が終了したしたがって2017 年のトロール調査デ

ータから新網の採集効率を補正することとしたその際9 齢については並行操業の結果

の通り旧網に対する新網の採集効率の比率は 06 とした10 齢については並行操業の結

果では大部分が 06 である一方その他は 1 であること(補足図 4-1)また 2017 年のトロ

ール調査でも採集効率が高くなっていたと考えられる 2016 年までの資源尾数に対し大き

く減少していないことを考慮し06 と 1 の中間的な値として08 と仮定した 以上のように決定した齢期別の旧網に対する新網の採集効率の比率および齢期別採集

効率を補足表 4-1 に示す

ズワイガニ日本海系群A海域-48-

-578-

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 49: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

040705931 exp 687 0998xf

x

補足図 4-1並行調査および実際のトロール調

査結果から推定された旧網に対

する新網の採集効率の比率 黒

実線は並行調査による一般化ロ

ジスティック式赤丸は 2015 年の

実際のトロール調査による齢期

別の値をそれぞれ示す 補足表 4-1齢期別の旧網の採集効率旧網に対する新網の採集効率の比率および新網

の採集効率

値はすべて雌雄共通である

6齢 7齢 8齢 9齢 10齢 11齢 12齢 13齢

旧網の採集効率 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442 0442旧網に対する新網の

採集効率の比率06 06 06 06 08 1 1 1

新網の採集効率 0265 0265 0265 0265 0354 0442 0442 0442

ズワイガニ日本海系群A海域-49-

-579-

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

Page 50: 平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の …平成29(2017)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価 責任担当水研:日本海区水産研究所(上田祐司、養松郁子、藤原邦浩、佐久間啓、吉川

補足資料 5 日本海A海域におけるズワイガニ漁獲量

日本海 A 海域におけるズワイガニの漁獲量をまとめた(補足表 5-1)

A 海域の漁獲量における 1960 年代と 1970 年代のピークの間には漁獲物の銘柄組成に変

化がみられており当時から主漁場であった隠岐諸島周辺では1960 年代半ばに多かった

大型のカタガニの割合が低下しそれまで海中投棄されていた安価な小型のカタガニやミ

ズガニの割合が 1970 年にかけて上昇した(尾形 1974)この安価な銘柄への依存度の上昇

から1970 年のピーク時には 1960 年代よりも資源状態が悪化していたことが推察される

引用文献 尾形哲男 (1974) 日本海のズワイガニ資源水産研究叢書26日本水産資源保護協会東

京64pp

補足表 5-1 日本海 A 海域におけるズワイガニ漁獲量(トン)

A海域全体 A海域沖底 韓国 A海域全体 A海域沖底 韓国

(暦年) (漁期年) (暦年) (暦年) (漁期年) (暦年)

1954 8573 1991 1691 903 21955 8501 1992 1621 935 111956 7721 1993 1880 1215 941957 9079 1994 2424 1424 981958 10274 1995 2490 1541 791959 10039 1996 2631 1602 1331960 12468 1997 2938 1959 8151961 12041 1998 3282 2418 4591962 13841 1999 3415 2733 11341963 14568 2000 3521 2472 7561964 14600 2001 3501 2514 10011965 10228 271 2002 3735 2891 8961966 9641 403 2003 4155 3132 18891967 9275 756 2004 4698 3600 26051968 10811 435 2005 4120 3402 32401969 11194 253 2006 4841 3706 40621970 14234 11265 247 2007 4978 3891 48171971 12172 10834 494 2008 4434 3115 30191972 12056 7980 132 2009 3913 2808 23721973 8205 5689 355 2010 4058 3060 26061974 6434 4024 340 2011 3810 3016 25671975 4767 3378 100 2012 3822 2822 23171976 4308 3091 9 2013 3550 2458 18681977 4619 3162 144 2014 3271 2439 24111978 4367 3158 228 2015 3123 2284 19171979 4424 3185 155 2016 3016 2242 15701980 4035 2911 1931981 4187 2813 125 2016年のA海域全体は概数値1982 3529 2329 73 韓国の漁獲量のうちA海域の割合は1983 3577 2307 183   不明である1984 3015 1885 61985 2932 1361 141986 2591 1278 91987 2096 1334 41988 1929 1131 101989 1863 1081 31990 1806 1044 3

年 年

ズワイガニ日本海系群A海域-50-

-580-

補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

-581-

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補足資料 6 沖底漁獲成績報告書を用いた資源量指標値の算出方法

沖底漁獲成績報告書を基にした資源量指標値をまとめた(補足図 6-1表 4) 沖底漁獲成績報告書では月別漁区(緯度経度 10 分枡目)別の漁獲量と網数が集計され

ているこれらより月 i 漁区 j における CPUE(U)は次式で表される

i ji j

i j

CU

X

上式で C は漁獲量をX は努力量(網数)をそれぞれ示す 集計単位(年または漁期など)における資源量指数(P)は CPUE の合計として次式で表

される

1 1

I J

i ji j

P U

集計単位における有効漁獲努力量(Xrsquo)と漁獲量(C)資源量指数(P)の関係は次式のよ

うに表される

CJPX

すなわち CJXP

上式で J は有漁漁区数であり資源量指数(P)を有漁漁区数(J)で除したものが資源密度

指数(D)である

P CDJ X

本系群では努力量には漁績の有漁データによる網数を合計したものを用いている本系

群は沖底の最重要種であることに加え漁期が限られていることから漁期中の曳網の多く

は有漁網でありこれらは狙い操業によるものが多い(井上原田 未発表データ)したが

って努力量に有漁網数と漁期中の全網数のいずれを用いても資源密度指数等の計算値の

違いは小さい 本種では資源量の変化にともなう分布域の拡大または縮小等の変化は小さいと考えら

れ漁区数を考慮しない資源密度指数を長期的な資源量指標値として用いている

補足図 6-1 A 海域における資源密度指数(西区但馬沖以西中区若狭沖以東)

0102030405060708090

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雄 A海域全体中区

西区

0

10

20

30

40

50

60

70

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

資源密度指数

(kg)

雌 A海域全体中区

西区

ズワイガニ日本海系群A海域-51-

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