位置図P 11 P 2 A2 気7径間連続鋼箱桁橋+3径間連続鋼箱桁橋 3径間連続鋼斜張橋 仙 沼 市 松 崎 北 沢 (大川) 小 々 汐 i=+1.573% i=+2.137% i=-0.472%
平成28年度 酒田管内橋梁補修設計業務 報告書 【 田麦川橋 ·...
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平成28年度
酒田管内橋梁補修設計業務
報告書
【 田麦川橋 】
平成29年2月
株式会社 復建技術コンサルタント
【 目 次 】
1. 設計概要 ................................................................................................................................................ 1
1.1. 橋梁概要 ......................................................................................................................................... 1
1.2. 橋梁諸元 ......................................................................................................................................... 1
1.3. 補修・補強履歴の整理 ................................................................................................................... 1
1.4. 橋梁位置図 ..................................................................................................................................... 2
1.5. 橋梁の状況 ..................................................................................................................................... 3
2. 現地踏査 ................................................................................................................................................ 4
2.1. 現地踏査概要 .................................................................................................................................. 4
2.2. 現地踏査結果 .................................................................................................................................. 5
3. 橋梁設計 ................................................................................................................................................ 7
3.1. 補修設計項目 .................................................................................................................................. 7
3.2. 橋梁補修計画一般図 ....................................................................................................................... 8
3.3. 鋼橋の亀裂損傷 .............................................................................................................................. 9
3.3.1. 損傷状況(平成 28 年 定期点検結果の速報) ..................................................................... 9
3.3.2. 亀裂補修設計の方針 .............................................................................................................. 11
3.3.3. 検討結果及び補修対策 .......................................................................................................... 13
3.3.4. 補修対策工 ............................................................................................................................ 14
3.4. 落橋防止の照査 ............................................................................................................................ 15
3.4.1. 落橋防止システムの考え方 ................................................................................................... 15
3.4.2. 本橋梁の落橋防止システムの照査 ........................................................................................ 21
3.5. 支承補修 ....................................................................................................................................... 24
3.5.1. 損傷状況 ................................................................................................................................ 24
3.5.2. 対策方針 ................................................................................................................................ 24
3.6. 検査路の補修 ................................................................................................................................ 25
3.6.1. 損傷状況 ................................................................................................................................ 25
3.6.2. 対策方針 ................................................................................................................................ 25
4. 施工計画(案) ................................................................................................................................... 26
4.1. 施工方法 ....................................................................................................................................... 26
4.2. 周辺状況の確認 ............................................................................................................................ 27
4.3. 施工順序及び工程 ......................................................................................................................... 28
4.4. 施工計画図(案) ......................................................................................................................... 29
4.5. 施工要領 ....................................................................................................................................... 30
4.6. 施工時留意事項 ............................................................................................................................ 31
5. 概算工事費 ........................................................................................................................................... 32
1. 設計概要
1.1. 橋梁概要
田麦川橋[タムギカワハシ]は一般国道 112 号、山形県鶴岡市田麦俣字六十里山地内に架橋する橋長
L=234.40m の橋梁である。本橋の上部工形式は 2 径間連続非合成鈑桁+単純ローゼアーチ橋+単
純非合成鈑桁であり、適用示方書が昭和 47 年道路橋示方書の供用後 38 年が経過した橋梁である。
本設計では平成 28 年度の橋梁定期点検結果により確認された損傷に基づき、延命化のための橋
梁補修設計を実施したものである。
1.2. 橋梁諸元
本橋の諸元を下記「表 1-1」に示す。
表 1-1.橋梁諸元一覧表
橋 長 234.40m
有 効 幅 員 9.000m
斜 角 90°00′00″
交 差 物
橋 種 2 径間連続非合成鈑桁+単純ローゼアーチ橋+単純非合成鈑桁
竣 工 年 昭和 53 年(1978 年)
適 用 基 準 昭和 47 年 道路橋示方書
点 検 年 次 平成 28 年度
設 計 荷 重 TT-43
1.3. 補修・補強履歴の整理
本橋の補修・補強履歴を「表 1-2」に示す。
表 1-2.補修・補強履歴一覧表
実施年 箇所 工事内容
1999 A1~A2 再塗装、支承防錆
2000 A1~A2 防護柵交換、舗装打替え、点検施設設置
2003 支承 交換
2005 A1~A2 落橋防止装置、橋脚耐震補強
2009 上部工 舗装打替え、床版防水
2014 伸縮装置 交換
1
1.4. 橋梁位置図
下記「図 1-1」に橋梁位置図を示す。
図 1-1.橋梁位置図
田麦川橋
【R112_68.1kp】
2
1.5. 橋梁の状況
下記に現況の状況写真を示す。
写真 1-1. 橋梁全景 写真 1-2. 橋梁側面
写真 1-3. 鋼材(アーチ部) 写真 1-4. A1 橋台
写真 1-5. 支承設置状況 写真 1-6. 桁下面検査路
3
2. 現地踏査
2.1. 現地踏査概要
現地踏査では既往資料との現地整合性、自然条件、周辺条件などについて確認を実施した。
また、橋梁定期点検結果と現状の損傷部位、損傷状況の把握を実施した。
4
2.2. 現地踏査結果
下記より既往資料及び周辺状況調査、定期点検結果の損傷状況確認結果を示す。
5
3. 橋梁設計
3.1. 補修設計項目
橋梁定期点検が本年度同時に行われており、速報結果で問題となった亀裂対策と、合同現地調
査において問題となったA2橋台の支承、及び手摺を設計項目として行った。
表-3.1 設計項目一覧表
設計項目 内容
上部工補修 亀裂補修
支承補修 歯車の交換等
下部工検査路補修 手摺り嵩上げ
図-3.1.定期点検結果総括
6
3.2. 橋梁補修計画一般図
7
3.3. 鋼橋の亀裂損傷
3.3.1. 損傷状況(平成 28 年 定期点検結果の速報)
●アーチ垂直材接合部(上下端[補剛桁側,アーチ側])の溶接部に亀裂が確認されました。
・平成 21年度に補修を実施している箇所の溶接部(追加がセット溶接部)にも亀裂が再発して
いる
※H23 定期点検では「亀裂」は報告されていない(未実施)
※H21 定期点検ではアーチクラウン付近(前後 2 支柱)で亀裂が報告
その後の H19 補修設計業務において前後 3支柱に対し詳細調査(磁粉探傷試験)を実施し亀
裂を検出
H21 に補修した垂直材:補剛桁控材溶接部、及び H21 補強材溶接部において亀裂が確認される
今回新たに亀裂が確認された垂直材:垂直材接合部の溶接部において亀裂が確認される
表-1.亀裂発生状況(上り線側[G2])
表-2.亀裂発生状況(上り線側[G2])
8
9
3.3.2. 亀裂補修設計の方針
1.発生原因の推定
・上路式アーチでは車両の走行により補剛桁とアーチリブに水平変位差が生じ、垂直材の上下
端部に曲げが作用する。この部位は両端ピンとしているため設計上考慮していない曲げモー
メントが作用することで亀裂が発生しやすい。特に部材長の短い部材では部材端の曲げモー
メントが大きくなるため亀裂が発生しやすい(部材長が長い場合は部材の変形により曲げモ
ーメントは小さい)。
垂直材接合部の応力性状の把握が必要
2.対策工の選定
・H21 補修区間においては、補強部材の溶接部に亀裂が発生しており、補修設計時に期待した効
果が十分でないことが考えられえる。
発生応力に対し補強効果が得られる対策の選定
※補修工法の選定にあたっては、現道交通開放下における施工性に配慮
10
11
3.3.3. 検討結果及び補修対策
(1)調査結果及び亀裂発生原因の推定
a)磁粉探傷試験・切削調査結果
・塗膜割れ発生箇所、全 40箇所のうち 35箇所実施した結果、6箇所で亀裂の発生が確認された
・発生部材は「補剛桁控え材下端×2,垂直材上端(補修)×2,垂直材下端(補修)×2」であり
平成 21 年度に補修を実施した箇所が多く確認される。これは、補修した部材は現場溶接によ
る接合であるため、「狭小な箇所」や「上向き施工」により溶接の品質低下が想定される
・切削調査の結果、一部(2箇所)は表面 1mm 程度の切削により亀裂は消失している
→全般的に損傷の程度は軽微であり、溶接不良により応力集中が発生し、亀裂が発生してい
ると想定される(溶接部の十分な端部仕上げを行っていないと考えられる)
b)応力頻度測定
・現況における 72時間の応力頻度測定結果から、発生応力範囲、繰り返し回数を測定し、溶接
部の疲労寿命を算出した結果、補剛桁控材や垂直材上端・下端とアーチ部連結部において、
小でも約 300 年以上の疲労寿命が確認された
・平成 21年に補修を実施した箇所は特に発生応力が小さく、補修により既設部材の荷重分担効
果が少なからず期待できると思われる
→現況の活荷重(供用荷重)による疲労亀裂の発生は生じにくいと想定される
c)構造解析結果
・アーチ部材及び垂直材の連結部に曲げモーメントが発生するように構造解析した結果、許容
応力大きく超過する応力度が確認される
・「活荷重時の構造解析結果」と「応力頻度測定結果」を比べた場合、補修を実施していない
箇所については構造解析結果と同等の応力度が確認されるが、発生応力は許容値に比べ小さ
い値
→橋梁全体構造としては高い応力の発生は考えられるが、現況状態では疲労亀裂の発生確率
は小さいと想定される
12
3.3.4. 補修対策工
・現況の亀裂は溶接部の端部処理が不十分であることにより、比較的小さい活荷重応力でも亀裂
が発生したものであると考えることができるため、溶接部の現況復旧及び端部処理による疲労
等級の改善、及び施工による溶接品質低下を考慮した補修方法とする。
①亀裂が短い(亀裂が浅い)場合;補剛桁控材下端、垂直材上端・下端(5 箇所)
②亀裂が長い(亀裂が深い)場合;垂直材下端(1 箇所)
③部分当て板補修[垂直材];現場溶接による施工品質が確保されない場合を考慮
【参考】実務者のための鋼橋疲労対策技術資料_平成 24年 3月_国土交通省道路局国道・防災課
13
3.4. 落橋防止の照査
3.4.1. 落橋防止システムの考え方
道路橋示方書・同解説 Ⅴ耐震設計編(平成 24 年 3 月)においての落橋防止システムの考え方
は下記としている。(※下記以降の頁数は道示Ⅴの該当頁を示す)
落橋防止システムを構成する各要素(p.294)
①桁かかり長 :支承部が破壊したときに、上部構造が下部構造の頂部から逸
脱することを防止する機能
②落橋防止構造 :支承部が破壊したときに、橋軸方向の上下部構造間の相対変
位が桁かかり長を超えないようにする機能
③横変位拘束構造:支承部が破壊したときに、橋の構造的要因等によって上部構
造が橋軸直角方向に変位することを拘束する機能
14
<桁かかり長>
(1)桁かかり長は、レベル2地震動が作用した場合に桁端部に生じる上下部構造間の 大応答変
位と地盤ひずみを基本にして算出[式(16.2.1)]
・式(16.2.1)の値が式(16.2.2)による桁かかり長の 小値を下回る場合におい
ては、桁かかり長は式(16.2.2)により算出する値以上(p.305)
・斜橋や曲線橋のように橋軸方向と橋台に働く土圧の作用方向が一致しない場
合においては、桁かかり長は支承線に直角な方向に確保(p.305)
・橋に影響を与える地盤の流動化が生じると判定される場合にはこの水平変位
を考慮(p.307)
(2)16.1(4)1)の条件に該当する橋の場合においては、桁かかり長は(1)の規定を満たすとと
もに、式(16.2.4)により算出する値以上(p.305)
・上部構造の回転による落橋が生じる可能性があるため、回転の影響を考慮して必要桁かか
り長を設定(p.309)
15
<落橋防止構造の設置を省略してもよい条件>
橋軸方向に大きな変位が生じにくい構造特性を有する橋
1)両端が橋台に支持された一連の上部構造を有する橋(p.298)
※橋脚と同様の振動特性を有する橋台の場合には該当しない(背面土等がない特殊な形
式、橋台背面土に軽量盛土を用いた橋台等)
2)橋軸方向に4基以上の下部構造において弾性支持又は固定支持される一連の上部構造を
有する橋(p.299)
3)2基以上の下部構造が剛結される上部構造を有するラーメン橋(p.300)
端支点鉛直支持が失われても上部構造が落下しない構造特性を有する橋(p.301)
1)活荷重及び衝撃を除く主荷重による作用のみを考慮する場合に支点反力が生じない端支
点部や負反力が生じている端支点部(張出し架設によるラーメン橋の端支点部など)
16
<上部構造の橋軸直角方向への移動により落橋する可能性のある橋
(16.1(4)の 1)または 2)に該当)>
1)上部構造の構造条件や幾何学的条件から、支承部の破壊後に上部構造が隣接桁や橋台の拘束
を受けずに回転できる橋かつ、径間数が1径間又は2径間の一連の上部構造を有する橋
(p.295)
・以下の橋では横変位拘束構造の設置を省略してもよい(p.301)
①径間数が3径間以上の一連の上部工を有する橋(橋軸直角方向に4基以上の下部構造に
おいて支持される橋に相当)
②ラーメン橋(1 橋脚の場合にも中央橋脚は上部構造に剛結されるために上部構造が回転
しにくい構造)
2)下部構造の頂部幅が狭い橋(p.295)
・上部構造の端支点に加えて中間支点にも橋軸直角方向の変位制限を設ける必要がある(p.302)
・1支承線上支承数が少ない橋は、一般には、ランプ部の橋のように下部構造の頂部幅が狭い
場合が多い(p.303)
17
<既設橋の耐震補強設計に関する技術資料>
(平成 24年 11 月 国土技術政策総合研究所、土木研究所)下記頁は技術資料の該当頁を表す。
既設橋に対する耐震補強においては、レベル1地震動に対してまでは抵抗するように設計され
た支承部が既に設置されている(p.7)
・平成 24年 2月の道路橋示方書に示される計算方法や考え方がそのまま適用できない
(H24 道示Ⅴでは、変位制限構造と補完しあって抵抗するタイプAの支承部の規定を削除)
・技術資料では、支承部の補強対策及び落橋防止対策並びに鉄筋コンクリート橋脚の補強対策
に関する耐震補強設計の考え方が示されている
支承部の設計地震力の考え方
①耐震補強において追加で設置するレベル2地震動によって生じる水平力を分担する構造の
設計地震力は H24 道示の 15.4 の規定による(p.9)
・レベル2地震動の慣性力に相当する水平力
・鉄筋コンクリート橋脚に塑性化を考慮する場合においては橋脚の終局水平耐力に相当する
水平力
・基礎に塑性化を考慮する場合においては橋脚基礎の変形による上部構造の慣性力の作用位
置における応答変位に相当する水平力
・橋台に設置される支承部においては構造物特性補正係数を算出するときの許容塑性率を 3
と仮定し設計水平震度を算出し照査を行ってもよい
②レベル2地震動に対してRu が負とならない場合であれば、既設橋の耐震補強においては上
揚力対策は不要とすることができる(p.10)
18
構造条件に応じた落橋防止対策の考え方
①落橋防止構造の後施工による設置が難しい場合には、桁かかり長を大きく確保することに
より、上部構造の落下防止対策とする考え方もある
・H24道示Ⅴの16.2の規定により設定される必要桁かかり長の1.5倍以上を確保する等(p.10)
②H24 道示Ⅴ16.1(3)に規定する橋軸方向に大きな変位が生じにくい構造特性を有する橋又は端
支点の鉛直支持が失われても上部構造が落下しない構造特性を有する橋に該当する場合にお
いては、落橋防止構造の設置を省略することができる。(p.10)
・支承部の耐震補強対策としてレベル2地震動によって生じる水平力を分担する構造を追加
で設置し、上揚力が生じないことが条件
(一連の上部構造を有する橋としてレベル2地震によって生じる水平力に対して水平力の
伝達機能が確保されているとみなす)
③H14 道示における構造特性により橋軸方向の変位が生じにくい橋の条件を満たす場合は落橋
防止構造の設置を省略できる(p.11)
・両端が剛性の高い橋台に支持された橋のうち、桁の長さが 25m以下(Ⅰ種地盤の場合は桁
の長さが 50m以下)の一連の上部構造を有する橋
で、上部構造が回転できる幾何学的な条件に該当しない場合
・この省略可能の判断は橋台が地震時に不安定となる地盤上にあるかどうかに影響を受けな
い
19
3.4.2. 本橋梁の落橋防止システムの照査
(1)基本条件
【上部工形式】2 径間連続非合成鈑桁橋+単純ローゼアーチ橋+単純非合成鈑桁橋
【橋長】234.4m、支間長 26.50m+26.50m+150.00m+30.00m
【竣工年】1978 年(S53)
【竣工時の耐震基準】S47 鋼道路橋設計示方書
【一連の上部構造の長さ】L=234.00m(桁長)
【上部構造の全幅員】b=10.20m
【斜角】A1:θ=90.0° A2:θ=90.0°
図-1.側面図
▽ 46 9 . 9 2 1
深礎杭 φ =2 0 0 0
L = 1 3 0 0 0
深礎杭 φ =2 0 0 0L = 8 0 0 0
▽ 4 5 6 . 4 4 6
▽ 4 6 7 . 6 3 3
深礎杭 φ= 2 6 0 0L = 1 2 0 0 0 m
深礎杭φ= 2 6 0 0L = 9 0 0 0 m
▽ 4 4 7 . 7 8 1 ▽ 4 47 .7 81
4 7 9 . 9 2 1
▽ 4 6 2 . 6 3 3
▽ 4 4 9 . 0 0 3
10000
1 8 0 0 4 4 0 0 1 8 0 01 0 0 1 0 08 0 0 0
3 5 0 02 5 0 0
2 0 0 0
2 0 0 0
20000
4 8 0 0 1 6 0 01 6 0 08 0 0 0 1 0 01 0 0
1500
250
3 1 5 0 3 1 5 0
1 5 0 0
16000
3050
1500
9450
2000
1 1 5 0 01 5 0 0 5 0 0 9 5 0 0
11000
6 5 0 0 6 5 0 0
7000
7000
2 0 0 2 6 5 0 0 2 6 5 0 0 1 5 0 0 0 0 3 0 0 0 0 2 0 0
橋長 2 3 4 4 0 0
26621
27473
支 間長
桁長 23 4 0 0 0
A 1 P 1 P 2P 3 A 2
MM
H
HH
H
M
図-2.断面図
1 . 5 0 % 1 . 5 0 %
2000
1 0 2 0 0
6 0 0 9 0 0 0 6 0 0
1 0 0 0 3 5 0 0 3 5 0 0 1 0 0 0
鉄 筋コ ンク リー ト床 版 厚 t = 2 2 0 m m
ア スフ ァル ト舗 装厚 t = 5 0 m m
3 @ 2 7 0 0 = 8 1 0 01 0 5 0 1 0 5 0
写真-1.橋梁全景 写真-2.橋面状況
20
(2)照査結果
①桁かかり長 :A1 橋台、A2橋台ともに現況の沓座幅で必要となる桁かかり長を満足している
SEM=0.7+0.005×支間長(m)
A1橋台:SEM=0.833m < 現況桁かかり長 1.800m 判定 ok
A1橋台:SEM=0.850m < 現況桁かかり長 1.300m 判定 ok
②水平力分担構造:レベル 2 地震動に対応できる支承
(現況支承+羽根突きアンカーバー(施工済み H17))
P2,P3 はレベル 2 地震動(直角)に対してピンの引張応力度が超過
⇒直角方向固定装置(過年度設計済み)
P2,P3 はレベル 2 地震動(直角)に対してアーチリブの取付ボルトの引張応力度超過
⇒浮上がり防止装置(過年度設計済み)
③落橋防止構造 :両端が橋台に支持された一連の上部構造を有する橋であることから、落橋防
止構造を省略できる(現況に設置されている落橋防止(チェーンタイプ)を
撤去)
④横変位拘束構造:16.1(4)の 1)又は 2)に該当しないことから横変位構造の設置は不要
単位
sin2θ/2
斜橋ではない
A1A2
L m 234.000
b m 10.200
θ 度 90.0
0.000
b/L 0.044
判定sin2θ/2<b/L
21
図-1.落橋防止システムの見直し概要表
22
3.5. 支承補修
3.5.1. 損傷状況
ピンローラーのカバーが外れ、および歯車の腐食見受けられるが、他の部材は比較的綺麗な状
態であることから、外観のメンテナンスや一部交換にて延命できると考えられる。全体的にきれ
いで、周囲にごみも無く、ボルト等の腐食が無いことから定期的にメンテナンスが行われている
ように見受けられる。
その中でも歯車の腐食は、このまま放置した場合に機能不良(橋軸方向の温度収縮への追随性)
に陥ることから補修を実施する。
3.5.2. 対策方針
対策工としては、歯車の交換を実施する。サイドブロックを外し、新品の歯車(はめ込んでい
る部品溶接等では固定されていない)と端片を取り替え、カバーを再度設置する工程となる。
ローラーには若干の腐食が見られるが、取り出すことが出来れば、少し磨くくらいで問題ない
と考える。(磨きすぎると真円度が損なわれるため適度に実施)
補修時、グリスアップをするケースもあるが、塵芥を巻き込む可能性があるため、グリスは推
奨致しないこととする。
写真-1.A2橋台 G1支承 写真-2.G1支承 歯車の腐食
図-1.対策工
23
3.6. 検査路の補修
3.6.1. 損傷状況
現況のA1,A2橋台に設置されている検査路は、幅 60cm手摺の高さ 60cmとなっており、
「道路橋検査路設計ガイドライン(平成 18.8)」を満足していない状態である。(上部工に設置さ
れている橋軸方向の検査路は現行規準を満足している)
幅員については問題ないが、手摺が低いと橋梁点検や日常点検において落下の可能性があるこ
とから補修を実施する。
3.6.2. 対策方針
現況の手摺は腐食や欠損もないことから、有効利用し嵩上げの手摺を現況に設置する構造とす
る。
写真-1.現況の検査路
図-1. 道路橋検査路設計ガイドライン(平成 18.8)
24
4. 施工計画(案)
4.1. 施工方法
本橋の補修工種及び工事実施における条件等を下記表に記載する。
表-4.1. 補修工種一覧表
部材 工種 工事条件等
主桁 亀裂補修桁下作業
※桁下に河川有
支承 歯車交換、防錆処理 上記同様
下部工検査路 手摺り嵩上げ 上記同様
写真-1.橋面状況 写真-2.橋梁側面状況
25
4.2. 周辺状況の確認
420 4
25
410
415
410
415
420
425
430
435
440
445
450
455
460
465
470
475
430
435
440
445
450
455
460465
47 0
410 4
15
420
425
430
435 440 4
4 5
450
455
460
465 47
0
475
480
410
4 1 5420
425
430
435
440
445
450
455
460
465
470
475
8 0 0 01 6 0 04 8 0 01 6 0 0
8 0 0 0
1 8 0 0 4 4 0 0 1 8 0 08 0 0 0
1 3 5 0 01 0 0 01 5 0 0
5 0 0
8 0 0 01 5 0 01 0 0 0
17507
1001
750
10600
3 5 0 0
5 0 01 5 0 0 2 5 0 0
1800
7000
1800 10600 1600
8800
1600 1
2000
20000
5000
10000
5000
6 5 0 02 5 0 0 2 0 0 0 2 0 0 0
20000
5000
10000
5000
6 0 0 02 0 0 0 2 0 0 0 2 0 0 0
2 0 0 2 6 5 0 0 2 6 5 0 0 1 5 0 0 0 0 3 0 0 0 0 2 0 0
橋 長 2 3 4 4 0 0
支 間 長
桁 長 2 3 4 0 0 0
A 1 P 1 P 2P 3 A 2
田麦川橋
⑦
③
⑤
⑥
施工仮設ヤード
写真‐①.橋面状況(起点側より) 写真‐②.施工仮設ヤード候補 写真‐③.橋梁側面 写真‐④.周辺状況
写真‐⑤.交差物件(田麦川) 写真‐⑥.添架管(情報管他) 写真‐⑦.規制時状況出典:Google 航空写真
②
①至 山形
26
4.3. 施工順序及び工程
支所の歯車は受注生産であるため、工程の延伸が考えられるため留意すること。
検査路補修工 kg 70 30.0
支承補修工
亀裂補修工 箇所 4 10.0
1
10
1ヶ月 2ヶ月
基 15.0
日数
準備工 式 1
工種・種別・細目 単位 数量3ヶ月
備考10 20 30 10 20 30 20 30
27
4.4. 施工計画図(案)
28
4.5. 施工要領
以下に施工要領を記載する。
支承補修
ローラー部が健全であるためジャッキアップは行わない施工となる。施工の要領は下記の
順番で施工するものとする。
29
4.6. 施工時留意事項
以下に施工時における留意事項を記載する。
・補修設計図は点検調書、既存図面、現地計測等より復元設計しているため現地と不整合の箇
所が生じる可能性がある。そのため、施工時には再度現地計測を実施し設計図との整合をチ
ェックすること。
・支承補修時はローラー部の変状に留意する必要がある。もし、脱落の可能性がある場合は、
鋼製支保工を沓座全面に配置し施工することで、作業員の安全を確保する。
・亀裂補修は橋梁点検車を用いて施工することから、天候や風速などに留意い作業員の安全を
確保するものとする。(降雨量○mmm、風速○m/s以上で作業中止などの規準を設置)
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5. 概算工事費
下記に今回設計内容の概算工事費を記載する。
工種 細目 単位 数量 単価(千円) 工事費(千円) 備考
亀裂補修工 400
箇所 4.00 100.0 400
支承補修工 850
支承補修 基 1.00 850.0 850
下部工検査路補修工 490
新設鋼材重量 kg 70.0 7.0 490
※経費率 1.80
直接工事費(千円) 1,740
工事費(千円) 3,132
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