2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4...

59
2.7 臨床概要 - 284 - 2.7.6.3 長期投与試験(D601 試験:5.3.5.2.1) 通年性アレルギー性鼻炎患者を対象に、非盲検非対照試験を実施して、モンテルカストの 12 週間投与時の安全性及び有効性を検討した[5.3.5.2.1]。試験方法を表 2.7.6.3.1 に示す。 表 2.7.6.3.1 長期投与試験の方法(その 1) 治験の標題 モンテルカスト長期投与試験 -アレルギー性鼻炎- 治験責任医師名 合計 2 治験実施施設 合計 2 施設 2 診療科 治験期間 平成 9 29 日~翌年 2 7 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 目的 通年性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト 5mg 及び 10mg 12 週間投与時の安 全性及び有効性を検討する。 治験方法 デザイン:多施設共同、非盲検非対照試験 治験薬:モンテルカスト 5mg 錠、モンテルカスト 10mg 投与量、投与方法:モンテルカスト 5mg 錠又はモンテルカスト 10mg 1 錠を 1 1 回就 寝前に、12 週間経口投与した。 患者数 計画時:120 例(1 群あたり 60 例、合計 2 群) 解析時:投与例数 131 例、安全性解析例数 131 例、有効性解析例数 131 診断及び 主要な組入れ基準 アレルギー性鼻炎 選択基準 下記の条件をすべて満たすアレルギー性鼻炎患者を対象とする。 【治験参加同意取得時】 1) 年齢:15 歳以上 (治験参加同意取得時)。 2) 性別:不問。 3) 入院・外来: 外来。 4) 診断:アレルギーの診断で、通年性アレルギー性鼻炎の抗原に対する特異的 IgE 抗体 定量検査結果(Uni CAP-RAST)のスコアが 2 以上の患者。 5) 罹病歴:少なくとも過去 2 年間にわたり、本治験対象期間に典型的な通年性アレルギ ー性鼻症状を有する患者。 6) 同意:スクリーニング及び治験参加前に本人から文書による同意を得た患者(ただし 未成年の場合は、代諾者からも同意を得るものとする)。 【治療期開始時】 7) 観察期の症状:治験薬初回処方日前 3 日間の症状が以下の条件を両方満たす患者。 ・日中鼻症状(日中鼻閉、鼻汁、くしゃみ発作)の総合点数が 1 日平均 4 点(合計 12 点) 以上。 ・夜間鼻症状(夜間鼻閉度、入眠困難度、夜間覚醒度)の総合点数が 1 日平均 2 点(合計 6 点)以上。 除外基準 下記項目のいずれかに該当する患者は本治験から除外する。 1) 効果判定に支障となる程度の鼻疾患(鼻茸、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎等)、感染性疾 患(上気道炎、副鼻腔炎、感染性鼻炎等)を合併している患者。 2) 薬物性鼻炎、非アレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎、好酸球増多性鼻炎等)の患者。 3) 花粉(ハンノキ、スギ)を重複抗原として有している患者のうち、過去 2 年間、その花 粉の飛散期に、重症又は最重症の季節性アレルギー性鼻炎症状を有した患者。 4) 効果判定を妨げる可能性のある以下の薬剤を症状観察期開始前 2 週間以内に使用した 患者〔抗ヒスタミン薬(ただし、眼及び鼻腔内以外への塗布及び H 2 ブロッカーの使用 は可能)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗トロンボキサン A 2 薬、ケミカルメディエー ター遊離抑制薬、Th2 サイトカイン阻害薬、ステロイド製剤(ただし、局所使用の場合 のみ眼及び鼻腔内以外への塗布は可能)、血管収縮薬(点眼・点鼻)、副交感神経遮断薬 (抗コリン薬)、生物製剤(ヒスタミン加人免疫グロブリン等)及びこれらの薬剤と類 似の薬理作用を有する薬剤(例えば抗ヒスタミン・抗アレルギー作用が期待される漢方 薬等、ただし感冒薬の頓用は可能)〕。

Transcript of 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4...

Page 1: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 284 -

2.7.6.3 長期投与試験(D601 試験:5.3.5.2.1)

通年性アレルギー性鼻炎患者を対象に、非盲検非対照試験を実施して、モンテルカストの 12

週間投与時の安全性及び有効性を検討した[5.3.5.2.1]。試験方法を表 2.7.6.3.1に示す。

表 2.7.6.3.1 長期投与試験の方法(その 1)

項 目 内 容

治験の標題 モンテルカスト長期投与試験 -アレルギー性鼻炎- 治験責任医師名 、 合計 2名 治験実施施設 、 合計 2施設 2診療科 治験期間 平成 年 9月 29日~翌年 2月 7日 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 目的 通年性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト 5mg及び 10mg 12週間投与時の安

全性及び有効性を検討する。 治験方法 デザイン:多施設共同、非盲検非対照試験

治験薬:モンテルカスト 5mg錠、モンテルカスト 10mg錠 投与量、投与方法:モンテルカスト 5mg錠又はモンテルカスト 10mg錠 1錠を 1日 1回就

寝前に、12週間経口投与した。 患者数 計画時:120例(1群あたり 60例、合計 2群)

解析時:投与例数 131例、安全性解析例数 131例、有効性解析例数 131例 診断及び

主要な組入れ基準

アレルギー性鼻炎

選択基準

下記の条件をすべて満たすアレルギー性鼻炎患者を対象とする。 【治験参加同意取得時】 1) 年齢:15歳以上 (治験参加同意取得時)。 2) 性別:不問。 3) 入院・外来: 外来。 4) 診断:アレルギーの診断で、通年性アレルギー性鼻炎の抗原に対する特異的 IgE 抗体

定量検査結果(Uni CAP-RAST)のスコアが 2以上の患者。 5) 罹病歴:少なくとも過去 2 年間にわたり、本治験対象期間に典型的な通年性アレルギ

ー性鼻症状を有する患者。 6) 同意:スクリーニング及び治験参加前に本人から文書による同意を得た患者(ただし

未成年の場合は、代諾者からも同意を得るものとする)。 【治療期開始時】 7) 観察期の症状:治験薬初回処方日前 3日間の症状が以下の条件を両方満たす患者。 ・日中鼻症状(日中鼻閉、鼻汁、くしゃみ発作)の総合点数が 1日平均 4点(合計 12点)以上。

・夜間鼻症状(夜間鼻閉度、入眠困難度、夜間覚醒度)の総合点数が 1日平均 2点(合計6点)以上。

除外基準

下記項目のいずれかに該当する患者は本治験から除外する。 1) 効果判定に支障となる程度の鼻疾患(鼻茸、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎等)、感染性疾患(上気道炎、副鼻腔炎、感染性鼻炎等)を合併している患者。

2) 薬物性鼻炎、非アレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎、好酸球増多性鼻炎等)の患者。 3) 花粉(ハンノキ、スギ)を重複抗原として有している患者のうち、過去 2年間、その花粉の飛散期に、重症又は最重症の季節性アレルギー性鼻炎症状を有した患者。

4) 効果判定を妨げる可能性のある以下の薬剤を症状観察期開始前 2 週間以内に使用した患者〔抗ヒスタミン薬(ただし、眼及び鼻腔内以外への塗布及び H2ブロッカーの使用

は可能)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗トロンボキサン A2薬、ケミカルメディエー

ター遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬、ステロイド製剤(ただし、局所使用の場合のみ眼及び鼻腔内以外への塗布は可能)、血管収縮薬(点眼・点鼻)、副交感神経遮断薬

(抗コリン薬)、生物製剤(ヒスタミン加人免疫グロブリン等)及びこれらの薬剤と類

似の薬理作用を有する薬剤(例えば抗ヒスタミン・抗アレルギー作用が期待される漢方

薬等、ただし感冒薬の頓用は可能)〕。

Page 2: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 285 -

表 2.7.6.3.1 長期投与試験の方法(その 2)

項 目 内 容

診断及び

主要な組入れ基準

(続き)

5) 向精神薬(精神安定剤、抗精神病薬、不眠症治療薬、抗うつ剤)を使用中で、症状観察期開始以降にその使用が避けられない患者。

6) ステロイド製剤(内服、注射)を症状観察期開始前 4週間以内に使用した患者。 7) 症状観察期開始時に、減感作療法を開始して 6ヵ月未満の患者。 8) スクリーニング同意取得前 1 年以内に、鼻症状の治療のためにレーザー治療等による凝固法や切除手術を受けた患者。

9) コントロールされていない軽症及び中等症の気管支喘息患者、並びに重症の気管支喘息患者。

10) 肝障害、腎障害、心疾患、コントロールされていない高血圧症(>160/95mmHg)、血液疾患、及びその他重篤な合併症を有する患者。

11) 授乳中の患者、妊娠あるいは妊娠している可能性のある患者及び本治験中に妊娠を希望する患者。

12) 他の治験薬の投与を受けている患者、若しくは症状観察期開始前 3 ヵ月以内に他の治験薬の投与を受けた患者。

13) 過去にモンテルカストナトリウム(シングレア®、キプレス®)を服用したことのある

患者。 14) 鼻炎日記を適切に記載することが不可能な患者。 15) 日常生活が不規則である患者(夜間労働者、夜勤の多い業種に従事する患者等)。 16) その他、治験担当医師が本治験の対象として不適格であると判断した患者。

治験薬 剤形 1錠中の含量 ロット番号 有効期限

モンテルカスト 5mg錠

楕円形の明るい灰黄

色フィルムコーティ

ング錠

モンテルカスト

5mg(遊離酸として)

L001* 20 年 月

治験薬、剤形、含

量、ロット番号及

び有効期限

モンテルカスト

10mg錠

円形の明るい灰黄色

フィルムコーティン

グ錠

モンテルカスト

10mg(遊離酸として)

L005* 20 年 月

投与期間 観察期:4日間、治療期:12週間 併用薬及び療法 併用禁止薬

症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。 1) 下記に示すような効果判定を妨げる可能性のある薬剤。 抗ヒスタミン薬(ただし、眼及び鼻腔内以外への塗布及び H2ブロッカーの使用は可能)

ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗トロンボキサン A2薬、ケミカルメディエーター遊離

抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬、ステロイド製剤(ただし、局所使用の場合のみ眼及び鼻腔内以外への塗布は可能)、血管収縮薬(点眼、点鼻)、副交感神経遮断薬(抗コリ

ン薬)、生物製剤(ヒスタミン加人免疫グロブリン等)、向精神薬(精神安定剤、抗精神

病薬、不眠症治療薬、抗うつ剤)、上記の薬剤と類似の薬理作用を有する薬剤 (例えば抗ヒスタミン作用・抗アレルギー作用が期待される漢方薬又は感冒薬など)、

ネブライザー(鼻を洗浄するためのスプレーの使用も禁止する)、点眼剤(抗生物質及

び人工涙液は除く) 2) 他の治験薬。 併用薬における留意事項

下記薬剤及び療法は併用してもよいが、症状観察期及び治療期を通じて原則として同一成

分のものを使用し、薬剤名、使用目的、1日平均使用量、投与方法、投与開始日、投与終了日を症例報告書に記載することとした。 1) 従来から使用している合併症に対する薬剤は、アレルギー性鼻炎の症状に影響を及ぼさない場合、そのまま継続して差し支えない。ただし、原則として用法・用量を変え

ないこととする。 2) 減感作療法は、症状観察期開始 6 ヵ月以上前から継続的に実施している場合は、可とする。ただし、治験終了まで同一条件で実施する。また、新規には実施しない。

3) 鎮咳薬・去痰薬の短期間(目安として 3日程度)の使用は可能とする。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 3: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 286 -

表 2.7.6.3.1 長期投与試験の方法(その 3)

項 目 内 容

併用薬及び療法

(続き)

4) 解熱・鎮痛薬の短期間(目安として 3日程度)の使用は可能とする。 5) 抗生物質の短期間(目安として 3日程度)の使用は可能とする。 6) 人工涙液の併用は可能とする。

検査・観察項目 日中鼻症状(日中鼻閉、鼻汁、くしゃみ発作)、夜間鼻症状(夜間鼻閉度、入眠困難度、

夜間覚醒度)、IgE抗体定量検査、臨床検査[血液学的検査:赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、白血球分画、ヘマトクリット、血小板数;血液生化学検査:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALP、総ビリルビン、総蛋白、アルブミン、A/G比、BUN、血清クレアチニン、総コレステロール、Na、Cl、K;尿検査:蛋白、糖、ウロビリノーゲン、潜血]、尿中β-hCG妊娠検査(女性のみ。ただし、閉経後 3年経過している場合及び器質的に妊娠不可能な場合は必要なし。)

検査・観察時期 表 2.7.6.3.2に示す。 評価基準 <主要評価項目>

安全性

有害事象(自覚症状・他覚所見及び身体徴候の発現又は悪化、臨床検査値異常変動): 有害事象の解析に関しては、薬剤との因果関係が否定できるものを除いた場合と薬剤との

因果関係の有無を問わない場合の両方について発現率を検討した。 臨床検査値の変動に関しては、ベースライン(治験薬投与開始時)と治験薬投与終了時を

比較検討した。 <副次評価項目>

有効性

・総合鼻症状点数:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)について、

比較対照観察期の平均点数/日と、評価週である投与 2週時、4週時、6週時、8週時、10週時及び 12週時(それぞれ評価時の前 2週間)又は中止時の平均点数/日を比較した。 <探索的評価項目>

有効性

・日中鼻症状点数:日中鼻症状点数(日中鼻閉、鼻汁、くしゃみ発作の平均)について、

比較対照観察期の平均点数/日と、評価週である投与2週時、4週時、6週時、8週時、10週時及び12週時(それぞれ評価時の前2週間)又は中止時の平均点数/日を比較した。なお、日中鼻閉、鼻汁(鼻をかんだ回数)、くしゃみ発作(回数)の点数については表

2.7.6.1.3;2.7.6.1 第Ⅱ相至適用量設定試験(D211試験:5.3.5.1.1)を参照した。

・夜間鼻症状点数:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉度、入眠困難度、夜間覚醒度の平均)につ

いて、比較対照観察期の平均点数/日と、評価週である投与 2週時、4週時、6週時、8週時、10週時及び 12週時(それぞれ評価時の前 2週間)又は中止時の平均点数/日を比較した。なお、夜間鼻閉度、入眠困難度、夜間覚醒度の点数については表 2.7.6.1.5;

2.7.6.1 第Ⅱ相至適用量設定試験(D211 試験:5.3.5.1.1)を参照した。

Page 4: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 287 -

表 2.7.6.3.1 長期投与試験の方法(その 4)

項 目 内 容

統計手法 安全性

・有害事象(自覚症状・他覚所見及び身体徴候の発現又は悪化、臨床検査値異常変動):

有害事象及び副作用の発現件数と発現例数を集計し、発現率及びその 95%信頼区間を投与群ごとに算出した。更に、投与後最初に発現した有害事象及び副作用をイベントとし、

投与群ごとに、治療期を通じた有害事象及び副作用発現率を Kaplan-Meier法により推定した。また、副作用発現による中止についても中止率及びその 95%信頼区間を投与群ごとに算出した。 ・臨床検査値:定量的臨床検査項目について、各測定時点の実測値及びベースラインから

の変化量の要約統計量及び 95%信頼区間を投与群ごとに算出し、1標本 t検定によりベースラインとの比較を行った。定性的な検査項目については、ベースライン値と各測定

時点の値のクロス表を投与群ごとに作成し、その推移を検討した。 有効性

・各測定時点の実測値及びベースラインからの変化量の要約統計量及び 95%信頼区間を投与群ごとに算出した。各測定時点の変化量について、1 標本 t 検定によりベースラインとの比較を投与群ごとに行った。 ・本邦で実施された通年性アレルギー性鼻炎患者に対する類薬の長期投与試験の症例数

を参考にして、通年性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト 5mg 及び 10mgの長期投与の安全性を探索的に検討するために必要な評価症例数として、各群 60 例、計 120例を設定した。

Page 5: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 288 -

表 2.7.6.3.2 長期投与試験の検査・観察時期

症状観察期 治療期 治験来院 1 治験来院 2 治験来院 3 治験来院 4 治験来院 5 治験来院 6

スクリー

ニング゙ 症状観察期開始 投与開始 2週後 4週後 8週後 12週後又

は中止時

スクリーニング同意の取得 ●

治験参加同意の取得 ●

確認書の取得 (●)

適格性の確認 ● ● ●

症例登録通知書送付 ● ● ●

電話登録 ●

鼻炎日記の交付 ●

鼻炎日記の記載内容の確認 ● ● ● ● ●

鼻炎日記の回収(複写) ● ● ● ● ●*3

治験薬の処方 ● ● ● ●

治験薬の服薬の確認 ● ● ● ●

治験薬の残薬の回収 ● ● ● ●

患者背景 ● ●

臨床検査*1 ● ● ● ●

特異的 IgE抗体定量検査 ●

尿中β-hCG妊娠検査*2 ● ●

有害事象調査 ● ● ● ● ● ●

(●)治験来院 1より 2週間以内に治療期に移行できない場合、確認書を取得した。 *1 可能な限り、飲食等の治験薬以外の因子が評価に影響を及ぼさないよう、条件をそろえて実施した。 *2 女性のみ。ただし、閉経後 3年経過している場合及び器質的に妊娠不可能な場合は必要なし。 *3 原本も回収した。

2.7.6.3.1 用法・用量の設定根拠

2.7.6.3.1.1 用量の設定根拠

本邦の季節性アレルギー性鼻炎の患者を対象とした第Ⅱ相至適用量設定試験(D211 試験:

5.3.5.1.1)において、主要評価項目である総合鼻症状点数及びその他いくつかの評価項目に関し

て、モンテルカスト 10mg群及びモンテルカスト 5mg群は、プラセボ群と比較して有意な改善効

果を示した。安全性に関しては、モンテルカスト 5mg群及び 10mg群の有害事象及び副作用発現

率はプラセボと同程度であった。以上の結果から、本試験における用量を 5mg及び 10mgに設定

した。

2.7.6.3.1.2 用法の設定根拠

D211 試験:5.3.5.1.1において、モンテルカストの 1日 1回就寝前投与時の有効性及び安全性

が示された。したがって、本試験でも 1日 1回就寝前投与と設定した。

2.7.6.3.1.3 治療期間の設定根拠

治療期間は、一般診療における通年性アレルギー性鼻炎患者に対する治療が、最長で 3ヵ月程

度要することから、治療期間を 12週間に設定した。

Page 6: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 289 -

2.7.6.3.2 症例の内訳

本試験における症例の内訳を図 2.7.6.3.3に示す。安全性の解析対象例は治験薬を 1錠以上服

用した 131例とした。有効性に関しては、最大の解析対象集団(FAS:Full Analysis Set)を主要

な解析対象集団とし、131例を有効性の解析対象例とした。

投薬症例 131例

モンテルカスト 5mg群 66例 モンテルカスト 10mg群 65例

安全性解析対象例 131例

モンテルカスト 5mg群 66例 モンテルカスト 10mg群 65例

安全性解析除外例 0例

有効性解析対象例 131例

モンテルカスト 5mg群 66例 モンテルカスト 10mg群 65例

有効性解析除外例 0例

図 2.7.6.3.3 長期投与試験における症例の内訳

中止症例は 9例(6.9%)で、その内訳はモンテルカスト 5mg群が 5例、モンテルカスト 10mg

群が 4例であった。中止理由は、同意の撤回が 5例、患者の都合による服薬の中止が 1例、有害

事象の発現が 2 例(2.7.4.2.1.4 その他の重要な有害事象)、その他が 1 例であった(表

2.7.6.3.4)。

表 2.7.6.3.4 長期投与試験における中止例

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 合計 投薬症例数 66 65 131 中止例数 5 (7.6) 4 (6.2) 9 (6.9)

同意の撤回 1 (1.5) 4 (6.2) 5 (3.8) 患者の都合による服薬の中止 1 (1.5) 0 1 (0.8) 有害事象の発現 2 (3.0) 0 2 (1.5)

由 その他 1† (1.5) 0 1 (0.8)

例数(%) † 症例番号 36:治験薬を紛失してしまったため。

Page 7: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 290 -

2.7.6.3.3 患者背景

安全性及び有効性解析対象例 131例の患者背景を表 2.7.6.3.5に示す。投与群間で患者背景に

大きな偏りはなかった。

表 2.7.6.3.5 長期投与試験における患者背景

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 一様性の検定

解析対象例 66 65 P 値†

男性 38 (57.6) 42 (64.6) 0.409 性別

女性 28 (42.4) 23 (35.4) 19以下 2 (3.0) 0 0.414 20~29 38 (57.6) 40 (61.5) 30~39 14 (21.2) 17 (26.2) 40~49 5 (7.6) 6 (9.2) 50~59 6 (9.1) 1 (1.5) 60~64 1 (1.5) 0 65以上 0 1 (1.5)

年齢(歳)

平均±標準偏差 30.8 ± 10.6 29.4 ± 8.9 50未満 8 (12.1) 9 (13.8) 0.780 50~70 43 (65.2) 44 (67.7) 70以上 15 (22.7) 12 (18.5)

体重(kg)

平均±標準偏差 61.6 ± 11.9 62.2 ± 11.2 通年性+季節性 27 (40.9) 27 (41.5) 0.942

病型 通年性 39 (59.1) 38 (58.5)

アレルギー性 なし 36 (54.5) 32 (49.2) 0.543 疾患家族歴 あり 30 (45.5) 33 (50.8) アレルギー性 なし 33 (50.0) 34 (52.3) 0.792 疾患合併症 あり 33 (50.0) 31 (47.7) アレルギー性 なし 53 (80.3) 58 (89.2) 0.155 疾患既往症 あり 13 (19.7) 7 (10.8) 非アレルギー性 なし 49 (74.2) 49 (75.4) 0.880 疾患合併症 あり 17 (25.8) 16 (24.6) 非アレルギー性 なし 42 (63.6) 39 (60.0) 0.668 疾患既往症 あり 24 (36.4) 26 (40.0)

5未満 3 (4.5) 1(1.5) 0.418 5~10 11 (16.7) 20 (30.8) 10以上 52 (78.8) 44 (67.7)

罹病期間(年)

平均±標準偏差 16.8 ± 9.7 15.4 ± 8.7 ハウスダスト 1 63 (95.5) 65 (100) コナヒョウヒダニ 61 (92.4) 63 (96.9) ヤケヒョウヒダニ 65 (98.5) 65 (100) ネコ皮屑 12 (18.2) 15 (23.1) イヌ皮屑 16 (24.2) 14 (21.5) ペニシリウム 4 (6.1) 2 (3.1) クラドスポリウム 3 (4.5) 2 (3.1) アスペルギルス 6 (9.1) 4 (6.2) カンジダ 8 (12.1) 7 (10.8) アルテルナリア 10 (15.2) 3 (4.6) ゴキブリ 11 (16.7) 7 (10.8) スギ 36 (54.5) 38 (58.5)

特異的 IgE抗体 スコア 2以上

ハンノキ 10 (15.2) 13 (20.0)

例数(%) † 年齢、体重、罹病期間は ANOVA、それ以外の背景因子は χ2検定による検定結果。

Page 8: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 291 -

2.7.6.3.4 安全性

2.7.6.3.4.1 自覚症状・他覚所見及び身体徴候

投与群別の有害事象及び副作用の要約を表 2.7.6.3.6に示す。有害事象発現率はモンテルカス

ト 5mg群が 59.1%(39/66例)であり、モンテルカスト 10mg群が 49.2%(32/65例)であった。

副作用発現率はモンテルカスト 5mg群が 1.5%(1/66例)であり、モンテルカスト 10mg群では発

現しなかった。

表 2.7.6.3.6 長期投与試験における有害事象及び副作用(自覚症状・他覚所見及び身体徴候)

の要約

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 安全性解析対象例数 66 65 有害事象発現例数(%) 39 (59.1) 32 (49.2) 副作用発現例数(%) 1 (1.5) 0 重篤な有害事象発現例数(%) 0 0 重篤な副作用発現例数(%) 0 0 有害事象による中止例(%) 2 (3.0) 0 副作用による中止例(%) 0 0

例数(%)

本試験で発現した有害事象及び副作用を表 2.7.6.3.7に示す。

いずれかの投与群で発現率が 5%以上の有害事象は、「鼻咽頭炎」、「頭痛」、「咽喉頭疼痛」及び

「月経困難症」であった。「鼻咽頭炎」の発現率は、モンテルカスト 5mg群が 24.2%(16/66例)

であり、モンテルカスト 10mg 群が 30.8%(20/65 例)であった。「頭痛」の発現率は、モンテル

カスト 5mg群が 13.6%(9/66例)であり、モンテルカスト 10mg群が 9.2%(6/65例)であった。

「咽喉頭疼痛」の発現率は、モンテルカスト 5mg 群が 7.6%(5/66 例)であり、モンテルカスト

10mg群が 1.5%(1/65例)であった。「月経困難症」の発現率は、モンテルカスト 5mg群が 6.1%

(4/66例)であり、モンテルカスト 10mg群が 6.2%(4/65例)であった。

本試験で発現した副作用はモンテルカスト 5mg群の 1例に発現した「肝機能異常」のみであっ

た。担当医師は、ALT、AST、γ-GTP の上昇が認められたため、これらの事象を「肝機能異常」

と診断し、自覚症状・他覚所見及び身体徴候の有害事象として報告した。肝機能に関連する臨床

症状はなく、検査値の上昇も軽度で処置なくほぼ回復しており、臨床上問題となる所見ではなか

った。モンテルカスト 10mg群には副作用は発現しなかった。

有害事象の発現のため治験薬の投与を中止した症例はモンテルカスト 5mg 群の 2 例

(2.7.4.2.1.4 その他の重要な有害事象)であった。副作用の発現による中止例はなかった。

抗ヒスタミン剤に比較的よく見られる副作用の「傾眠(眠気)」は、モンテルカスト 10mg群の

1例に発現したが、治験薬との因果関係は否定された。この結果は、モンテルカストの 12週間投

与によりアレルギー性鼻炎患者の QOL が損なわれず、本剤の臨床的ベネフィットを裏づけるも

Page 9: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 292 -

のである。

以上の結果より、モンテルカスト 5mg 及び 10mg の 12 週間投与における安全性及び忍容性は

良好であった。なお、本邦の通年性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの安全性プロ

ファイルは、季節性アレルギー性鼻炎患者対象の第Ⅱ相至適用量設定試験(D211 試験:

5.3.5.1.1)及び第Ⅲ相二重盲検比較試験(D301 試験:5.3.5.1.2)、並びに海外で外国人を対象

として実施された試験の結果と類似していた。

表 2.7.6.3.7 長期投与試験における有害事象及び副作用(自覚症状・他覚所見及び身体徴候の

発現又は悪化)(その 1)

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 安全性解析対象例数 66 65 有害事象/副作用 有害事象 副作用 有害事象 副作用

眼障害 2 (3.0) 1 (1.5) 眼精疲労 1 (1.5) 眼乾燥 1 (1.5) 角膜炎 1 (1.5) 胃腸障害 7 (10.6) 7 (10.8) 下腹部痛 1 (1.5) 上腹部痛 2 (3.0) 1 (1.5) 口唇炎 1 (1.5) 便秘 1 (1.5) 下痢 1 (1.5) 1 (1.5) 腸炎 2 (3.0) 悪心 1 (1.5) 歯周炎 1 (1.5) 胃不快感 1 (1.5) 1 (1.5) 嘔吐 1 (1.5) 全身障害及び投与局所様態 3 (4.5) 2 (3.1) 熱感 1 (1.5) 倦怠感 2 (3.0) 1 (1.5) 末梢性浮腫 1 (1.5) 発熱 1 (1.5) 1 (1.5) 肝胆道系障害 1 (1.5) 1 (1.5) 肝機能異常 1 (1.5) 1 (1.5) 感染症及び寄生虫症 21 (31.8) 22 (33.8) 胃腸炎 2 (3.0) 帯状疱疹 1 (1.5) 麦粒腫 1 (1.5) インフルエンザ 1 (1.5) 鼻咽頭炎 16 (24.2) 20 (30.8) 咽頭炎 1 (1.5) 扁桃炎 2 (3.1) 淋菌性尿道炎 1 (1.5)

日本語版MedDRA ver.7.1 同一症例に複数の症状が発現した場合、それぞれの症状の欄で 1例と集計し、器官別の合計欄でも 1例と集計した。 発現例数(%)

Page 10: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 293 -

表 2.7.6.3.7 長期投与試験における有害事象及び副作用(自覚症状・他覚所見及び身体徴候の

発現又は悪化)(その 2)

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 安全性解析対象例数 66 65 有害事象/副作用 有害事象 副作用 有害事象 副作用

傷害、中毒及び処置合併症 2 (3.0) 1 (1.5) 挫傷 1 (1.5) 四肢損傷 1 (1.5) 皮膚損傷 1 (1.5)

筋骨格系及び結合組織障害 2 (3.0) 3 (4.6) 関節痛 1 (1.5) 背部痛 1 (1.5) 筋骨格硬直 2 (3.0) 2 (3.1)

神経系障害 9 (13.6) 8 (12.3) 顔面麻痺 1 (1.5) 頭痛 9 (13.6) 6 (9.2) 傾眠 1 (1.5) 血管迷走神経性失神 1 (1.5) 生殖系及び乳房障害 5 (7.6) 4 (6.2) 月経困難症 4 (6.1) 4 (6.2) 不正子宮出血 1 (1.5) 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 6 (9.1) 5 (7.7) 咳嗽 1 (1.5) 1 (1.5) 鼻出血 1 (1.5) 咽喉頭疼痛 5 (7.6) 1 (1.5) 咽頭不快感 1 (1.5) 痰貯留 1 (1.5) 皮膚及び皮下組織障害 1 (1.5) 面皰 1 (1.5)

日本語版MedDRA ver.7.1 同一症例に複数の症状が発現した場合、それぞれの症状の欄で 1例と集計し、器官別の合計欄でも 1例と集計した。 発現例数(%)

2.7.6.3.4.2 臨床検査値異常変動

投与群別の有害事象及び副作用の要約を表 2.7.6.3.8に示す。有害事象発現率はモンテルカス

ト 5mg群が 4.5%(3/66例)であり、モンテルカスト 10mg群が 7.9%(5/63例)であった。副作

用発現率はモンテルカスト 5mg群が 1.5%(1/66例)であり、モンテルカスト 10mg群が 1.6%(1/63

例)であった。

Page 11: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 294 -

表 2.7.6.3.8 長期投与試験における有害事象及び副作用(臨床検査値異常変動)の要約

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg 臨床検査実施例数 66 63 有害事象発現例数(%) 3 (4.5) 5 (7.9) 副作用発現例数(%) 1 (1.5) 1 (1.6) 重篤な有害事象発現例数(%) 0 0 重篤な副作用発現例数(%) 0 0 有害事象による中止例(%) 0 0 副作用による中止例(%) 0 0 発現例数(%)

本試験で発現した有害事象及び副作用を表 2.7.6.3.9に示す。

本試験で発現した主な有害事象は、「ALT増加」、「AST増加」及び「尿中蛋白陽性」であった。

「ALT増加」の発現率は、モンテルカスト 5mg群が 1.5%(1/66例)であり、モンテルカスト 10mg

群が 4.8%(3/63例)であった。「AST増加」の発現率は、モンテルカスト 10mg群が 3.2%(2/63

例)であり、モンテルカスト 5mg 群には発現しなかった。「尿中蛋白陽性」の発現率は、モンテ

ルカスト 5mg群が 3.0%(2/66例)であり、モンテルカスト 10mg群には発現しなかった。すべて

の有害事象は軽度の一過性の症状であり、処置なく回復した。

本試験で発現した副作用はモンテルカスト 5mgの「ALT増加」1.5%(1/66例)及びモンテルカ

スト 10mg群の「白血球数増加」1.6%(1/63例)であった。すべての副作用は軽度の一過性の症

状であり、処置なく回復した。

表 2.7.6.3.9 長期投与試験における有害事象及び副作用(臨床検査値異常変動)

投与群 モンテルカスト 5mg モンテルカスト 10mg臨床検査実施例数 66 63 有害事象/副作用 有害事象 副作用 有害事象 副作用

ALT増加 1 (1.5) 1 (1.5) 3 (4.8) AST増加 2 (3.2) γ-GTP増加 1 (1.5) 1 (1.6) 白血球数増加 1 (1.6) 1 (1.6) 血小板数増加 1 (1.5) 1 (1.6) 尿潜血陽性 1 (1.5) 尿中蛋白陽性 2 (3.0) 血中 ALP増加 1 (1.6) 日本語版MedDRA ver.7.1 同一症例に複数の臨床検査値異常変動が発現した場合、それぞれの測定項目の欄で 1例と集計した。 臨床検査値異常変動発現例数/投与前後に臨床検査を実施した例数(%)

2.7.6.3.4.3 死亡例

本試験において死亡例はなかった。

2.7.6.3.4.4 重篤な有害事象

本試験において重篤な有害事象は発現しなかった。

Page 12: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 295 -

2.7.6.3.5 有効性

2.7.6.3.5.1 副次評価項目:総合鼻症状点数

総合鼻症状点数の要約を表 2.7.6.3.10及び図 2.7.6.3.11に示す。総合鼻症状点数は、モンテ

ルカスト 5mg群及びモンテルカスト 10mg群のすべての評価時点において、ベースラインと比較

して有意な改善効果を示し(P < 0.001)、かつ治療期間を通して改善効果は減弱しなかった。

表 2.7.6.3.10 長期投与試験における総合鼻症状点数

投与前 投与後 ベースラインからの変化量 評価 時点 投与群 解析

例数 平均値±標準偏差 平均値±標準偏差 平均±標準偏差 95%信頼区間 P値†

モンテルカスト 5mg 66 1.56 ± 0.42 1.15 ± 0.47 -0.41 ± 0.42 (-0.52, -0.30) <0.0012週時

モンテルカスト 10mg 65 1.63 ± 0.48 1.21 ± 0.52 -0.42 ± 0.48 (-0.53, -0.30) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.56 ± 0.43 0.98 ± 0.49 -0.58 ± 0.50 (-0.70, -0.46) <0.001

4週時 モンテルカスト 10mg 63 1.64 ± 0.48 0.97 ± 0.43 -0.67 ± 0.48 (-0.79, -0.55) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.56 ± 0.43 0.92 ± 0.47 -0.65 ± 0.50 (-0.78, -0.51) <0.001

6週時 モンテルカスト 10mg 62 1.65 ± 0.48 0.90 ± 0.45 -0.75 ± 0.60 (-0.89, -0.62) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.56 ± 0.43 0.85 ± 0.44 -0.71 ± 0.49 (-0.85, -0.58) <0.001

8週時 モンテルカスト 10mg 62 1.65 ± 0.48 0.86 ± 0.43 -0.79 ± 0.59 (-0.93, -0.65) <0.001モンテルカスト 5mg 62 1.55 ± 0.43 0.83 ± 0.44 -0.73 ± 0.55 (-0.88, -0.58) <0.00110週

時 モンテルカスト 10mg 61 1.65 ± 0.48 0.78 ± 0.43 -0.87 ± 0.61 (-1.01, -0.72) <0.001モンテルカスト 5mg 61 1.56 ± 0.43 0.78 ± 0.44 -0.78 ± 0.57 (-0.93, -0.63) <0.00112週

時 モンテルカスト 10mg 61 1.65 ± 0.48 0.78 ± 0.46 -0.87 ± 0.59 (-1.02, -0.72) <0.001† ベースラインとの比較(1標本 t検定)

図 2.7.6.3.11 長期投与試験における総合鼻症状点数の推移(変化量の平均値±標準誤差)

■:モンテルカスト 5 mg群 ●:モンテルカスト 10 mg群 * P < 0.001(ベースラインとの比較。1標本 t検定。)

投与期間(週)

* *

*

*

* * *

*

* * * *

ベースラインからの変化量

(平均値±標準誤差)

Page 13: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 296 -

2.7.6.3.5.2 探索的評価項目

探索的評価項目である日中鼻症状点数の要約を表 2.7.6.3.12及び図 2.7.6.3.14に、夜間鼻症

状点数の要約を表 2.7.6.3.13及び図 2.7.6.3.14に示す。

日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数は、モンテルカスト 5mg群及びモンテルカスト 10mg群の

すべての評価時点において、ベースラインと比較して有意な改善効果を示し(P < 0.001)、かつ治

療期間を通して改善効果は減弱しなかった。

表 2.7.6.3.12 長期投与試験における日中鼻症状点数

点数の平均値 ベースラインからの変化量 評価 時点 投与群 解析

例数 投与前 投与後 平均値±標準偏差 95%信頼区間 P値†

モンテルカスト 5mg 66 1.86 1.43 -0.43 ± 0.51 (-0.56, -0.30) <0.0012週時

モンテルカスト 10mg 65 1.91 1.49 -0.42 ± 0.55 (-0.55, -0.29) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.87 1.24 -0.62 ± 0.59 (-0.76, -0.48) <0.001

4週時 モンテルカスト 10mg 63 1.92 1.24 -0.68 ± 0.56 (-0.82, -0.54) <0.001

モンテルカスト 5mg 64 1.87 1.18 -0.69 ± 0.56 (-0.84, -0.54) <0.0016週時

モンテルカスト 10mg 62 1.93 1.15 -0.78 ± 0.66 (-0.93, -0.63) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.87 1.10 -0.77 ± 0.58 (-0.92, -0.62) <0.001

8週時 モンテルカスト 10mg 62 1.93 1.12 -0.80 ± 0.65 (-0.96, -0.65) <0.001

モンテルカスト 5mg 62 1.85 1.07 -0.77 ± 0.66 (-0.94, -0.60) <0.00110週時

モンテルカスト 10mg 61 1.93 1.04 -0.89 ± 0.69 (-1.06, -0.72) <0.001モンテルカスト 5mg 61 1.85 1.00 -0.85 ± 0.67 (-1.02, -0.68) <0.001

12週時 モンテルカスト 10mg 61 1.93 1.03 -0.91 ± 0.69 (-1.08, -0.73) <0.001

† ベースラインとの比較(1標本 t検定)

表 2.7.6.3.13 長期投与試験における夜間鼻症状点数

点数の平均値 ベースラインからの変化量 評価 時点 投与群 解析

例数 投与前 投与後 平均値±標準偏差 95%信頼区間 P値†

モンテルカスト 5mg 66 1.26 0.87 -0.39 ± 0.44 (-0.50, -0.27) <0.0012週時

モンテルカスト 10mg 65 1.35 0.94 -0.41 ± 0.49 (-0.53, -0.30) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.26 0.72 -0.54 ± 0.53 (-0.67, -0.41) <0.001

4週時 モンテルカスト 10mg 63 1.36 0.70 -0.66 ± 0.51 (-0.79, -0.53) <0.001

モンテルカスト 5mg 64 1.26 0.66 -0.61 ± 0.54 (-0.75, -0.46) <0.0016週時

モンテルカスト 10mg 62 1.37 0.64 -0.73 ± 0.62 (-0.87, -0.58) <0.001モンテルカスト 5mg 64 1.26 0.61 -0.66 ± 0.49 (-0.80, -0.52) <0.001

8週時 モンテルカスト 10mg 62 1.37 0.60 -0.77 ± 0.64 (-0.92, -0.63) <0.001

モンテルカスト 5mg 62 1.26 0.58 -0.69 ± 0.52 (-0.84, -0.54) <0.00110週時

モンテルカスト 10mg 61 1.37 0.53 -0.84 ± 0.65 (-0.99, -0.69) <0.001モンテルカスト 5mg 61 1.27 0.56 -0.71 ± 0.56 (-0.85, -0.56) <0.001

12週時 モンテルカスト 10mg 61 1.37 0.54 -0.83 ± 0.61 (-0.98, -0.68) <0.001

† ベースラインとの比較(1標本 t検定)

Page 14: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要

- 297 -

日中鼻症状点数 夜間鼻症状点数

図 2.7.6.3.14 長期投与試験における日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数の推移(変化量の平均

値±標準誤差)

■:モンテルカスト 5 mg群 ●:モンテルカスト 10 mg群 * P < 0.001(ベースラインとの比較。1標本 t検定。)

2.7.6.3.6 結論

成人通年性アレルギー性鼻炎患者において、

1) モンテルカスト 5mg 及び 10mg の 12 週間投与において、安全性及び忍容性は良好であ

った。

2) 副次評価項目である総合鼻症状点数は、モンテルカスト 5mg 群及び 10mg 群において、

ベースラインと比較して有意な改善効果を示し、治療期間を通して改善効果は減弱しな

かった。

3) 探索的評価項目である日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数は、モンテルカスト 5mg群及

び 10mg 群において、ベースラインと比較して有意な改善効果を示し、治療期間を通し

て改善効果は減弱しなかった。

以上の成績に基づき、通年性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト 5mg及び 10mgの

12週間の長期投与による安全性及び有効性が示され、モンテルカストは有用なアレルギー性鼻炎

治療薬であることが示唆された。

*

*

* *

*

*

*

* *

*

*

*

*

*

*

* *

* * *

* * * * * *

ベースラインからの変化量

(平均値±標準誤差) ベ

ースラインからの変化量

(平均値±標準誤差)

投与期間(週) 投与期間(週)

Page 15: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 298 -

2.7.6.4 後期第Ⅱ相試験-1(068 試験:5.3.5.1.3)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.3]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験、068 試験:5.3.5.1.3。

治験責任医師/

治験実施施設

治験責任医師 12名/米国 12施設

治験期間 19 年 月~19 年 月。症例報告書の社内締め切り日は 19 年 月 日。 開発のフェーズ 後期第Ⅱ相臨床試験 投与期間 観察期:1週間、治療期:2週間 目的 1) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、季節性アレルギー性鼻

炎に対するモンテルカストとプラセボの有効性の差を検討する。

2) モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びモンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg併用の有効性を比較する。

3) ロラタジン 10mgの有効性をプラセボと比較する。 4) モンテルカスト 10mg、モンテルカスト 20mg、ロラタジン 10mg 及びモンテルカスト

10mg+ロラタジン 10mg併用の安全性及び忍容性をプラセボと比較する。 治験デザイン 二重盲検、無作為化、プラセボ及び実薬(ロラタジン)対照、並行群間比較試験。

プラセボモンテルカ

スト 10mgモンテルカ

スト 20mgロラタジン

10mg

モンテルカス

ト 10mg+ロラタジン 10mg

投与症例:合計† 91 95 90 92 90 男性(年齢範囲) 45 (15~60) 40 (15~70) 33 (18~59) 43 (15~64) 44 (15~73)

女性(年齢範囲) 46 (16~75) 55 (16~71) 57 (16~68) 49 (15~66) 46 (16~74) 完了症例 85 (93.4%) 90 (94.7%) 84 (93.3%) 87 (94.6%) 86 (95.6%) 中止症例:合計 6 (6.6%) 5 (5.3%) 6 (6.7%) 5 (5.4%) 4 (4.4%) 臨床上の有害事象 3 (3.3%) 0 2 (2.2%) 2 (2.2%) 1 (1.1%) 臨床検査の有害事象 0 0 0 0 0

来院せず 1 (1.1%) 1 (1.1%) 1 (1.1%) 1 (1.1%) 0 治験実施計画書から

の逸脱 0 4 (4.2%) 1 (1.1%) 0 1 (1.1%)

効果不十分 1 (1.1%) 0 2 (2.2%) 2 (2.2%) 0 同意の撤回 1 (1.1%) 0 0 0 2 (2.2%)

患者の内訳

† 割付け症例 460例。そのうち 1施設( )で 2例の成績を確認できなかった。 用量/ロット番号 観察期:モンテルカストプラセボ錠(L010*)及びロラタジンプラセボカプセル(L011*)

を、1日 1回就寝前投与。 治療期:モンテルカスト 10mgフィルムコーティング錠(L012*)、プラセボ錠、ロラタジン 10mg錠を含むカプセル(L013*)及びプラセボカプセルを、1日 1回就寝前投与。

診断/選択基準 ・季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つ及びヒスタミン陽性対照に対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

評価基準 有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数

副次評価項目:鼻閉点数、各日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、

くしゃみ点数)、患者及び医師の印象、QOL、アレルギー性鼻炎の悪化による中止 探索的評価項目:夜間鼻症状点数、患者及び医師の週ごとの印象

追加評価項目:日中眼症状点数、総合鼻症状点数Ⅰ(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の

平均)、総合鼻症状点数Ⅱ(日中鼻症状点数、日中眼症状点数及び夜間鼻症状点数の平均)

安全性

有害事象発現率。特定の臨床検査項目において、あらかじめ規定した範囲以上の変動を示

した患者の割合。バイタルサイン及び QTc間隔。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 16: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 299 -

概要(その 2)

統計計画及び解析 有効性

ベースラインからの変化量を解析に用いた。群間比較には投与群及び施設を因子とする分

散分析(ANOVA)モデルを用いた。最小二乗平均(LS Mean)を用いて、群内のベースラインからの変化量及びその群間差の 95%信頼区間を算出した。主要評価項目におけるベースラインからの変化量の群間差 0.25 点を、有意水準 5%(両側)、検出力 80%で検出するための必要症例数として 400例(各群 80例)と設定した。 安全性 有害事象発現率及び特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を

示した患者の割合に関し、Fisherの直接確率法を用いて群間比較を実施した。 有効性

主要評価項目において、モンテルカスト 10mg 及びロラタジン 10mg はそれぞれ、プラセボと比較して有意な改善を示さなかった。しかし、モンテルカスト 10mgはプラセボと比較して、総合鼻症状点数(Ⅰ及びⅡ)を有意に改善した(P < 0.050)。モンテルカスト 10mg及びロラタジン 10mgはどちらもプラセボと比較して、QOL、患者及び医師の印象を有意に改善した(P < 0.050)。モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgはプラセボと比較して、日中鼻症状、夜間鼻症状、日中眼症状(以上 P < 0.001)、QOL、患者及び医師の印象(以上 P < 0.050)を有意に改善した。

主要評価項目:日中鼻症状点数

ベースラインからの変化量‡ プラセボとの差

投与群 N§平均 LS Mean LS Mean 95%信頼区間 P値

プラセボ 89 -0.24 -0.25 - - - モンテルカスト 10mg 94 -0.34 -0.36 -0.11 (-0.26, 0.04) 0.149 モンテルカスト 20mg 89 -0.27 -0.29 -0.03 (-0.18, 0.12) 0.676 ロラタジン 10mg 91 -0.32 -0.34 -0.08 (-0.23, 0.07) 0.279 Mnt 10mg + Lrt 10mg† 90 -0.60 -0.61 -0.36 (-0.51, -0.21) <0.001

† モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg

‡ 評価スケールは 0~3 § 解析対象例数 安全性

5投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な副作用は発現しなかった。

有害事象の要約(その 1)

<臨床上の有害事象> プラセボ

(N=91)

モンテルカスト

10mg+20mg(N=185)

ロラタジン10mg (N=92)

モンテルカスト

10mg+ロラタジン 10mg (N=90)

n (%) n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 24 (26.4) 39 (21.1) 20 (21.7) 18 (20.0) 有害事象なしの例数 67 (73.6) 146 (78.9) 72 (78.3) 72 (80.0) 副作用

†発現例数

3 (3.3)

3 (1.6)

4 (4.3)

2 (2.2)

重篤な有害事象発現例数 2 (2.2) 0 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 0 死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 3 (3.3) 2 (1.1) 2 (2.2) 1 (1.1) 副作用†

による中止例数 0 0 1 (1.1) 0 重篤な有害事象による中止例数 1 (1.1) 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 0

結果

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 本表は投与前に発現した有害事象を含まない。

Page 17: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 300 -

概要(その 3)

結果(続き) 有害事象の要約(その 2)

<臨床検査の有害事象> プラセボモンテルカスト

10mg+20mgロラタジン

10mg モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg

臨床検査実施例数 (N=90) (N=182) (N=90) (N=90) n (%) n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 3 (3.3) 0 0 0 有害事象なしの例数 87 (96.7) 182 (100) 90 (100) 90 (100) 副作用†

発現例数 2 (2.2) 0 0 0 重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 0 死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 0 副作用†

による中止例数 0 0 0 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 0 † 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

本表は投与前に発現した有害事象を含まない。

結論 1) モンテルカスト 10mgはアレルギー性鼻炎を改善した。モンテルカスト 20mgは臨床的効果を増強しなかった。

2) モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg の併用はプラセボ及び各薬剤単独と比較して、日中鼻症状、日中眼症状、夜間鼻症状などのアレルギー性鼻炎症状を有意に改善

した。これらの効果はモンテルカスト及びロラタジン単独と比較すると少なくとも相

加的であった。 3) ロラタジン 10mgはアレルギー性鼻炎を改善した。 4) モンテルカスト 10mg、20mg及びロラタジン 10mgの忍容性は良好であった。 5) モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgの併用は忍容性が良好であり、安全性プロファイルはプラセボと類似していた。

Page 18: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 301 -

2.7.6.5 後期第Ⅱ相試験-2(077 試験:5.3.5.1.4)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.4]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストとロラタジンの併用治療と、ベクロメタゾン点鼻薬を比較するための多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験、077 試験:5.3.5.1.4。

治験責任医師/ 治験実施施設

治験責任医師 17名/米国 17施設

治験期間 19 年 月 日~19 年 月 日。症例報告書の社内締め切り日は19 年 月 日。開発のフェーズ 後期第Ⅱ相臨床試験 投与期間 観察期:1週間、治療期:2週間 目的 1) 主要評価項目(総合鼻症状点数)及び副次評価項目において、モンテルカスト+ロラ

タジンとプラセボの有効性の差を検討する。

2) 主要評価項目及び副次評価項目において、モンテルカスト+ロラタジンの有効性をベクロメタゾン点鼻薬と比較する。

3) 主要評価項目及び副次評価項目において、モンテルカスト+ロラタジンの有効性をモンテルカスト単剤及びロラタジン単剤と比較する。

4) 主要評価項目及び副次評価項目において、モンテルカストの有効性をプラセボと比較する。

5) モンテルカスト単剤及びモンテルカスト+ロラタジンの安全性及び忍容性をプラセボと比較する。

治験デザイン 二重盲検、無作為化、プラセボ及び実薬(ベクロメタゾン)対照、並行群間比較試験

プラセボ モンテル

カスト ロラタジン

モンテルカ

スト+ロラ

タジン ベクロメタゾン 合計

投与症例:合計 57 112 116 174 173 632 男性(年齢範囲) 21 (15~62) 42 (15~80) 41 (15~59) 67 (15~67) 67 (15~73) 238 (15~80)

女性(年齢範囲) 36 (15~74) 70 (16~70) 75 (15~72) 107 (15~68) 106 (15~72) 394 (15~74)

完了症例 55 (96.5%) 107 (95.5%) 115 (99.1%) 168 (96.6%) 172 (99.4%) 617 (97.6%)

中止症例:合計 2 (3.5%) 5 (4.5%) 1 (0.9%) 6 (3.4%) 1 (0.6%) 15 (2.4%)

臨床上の有害事象 0 1 (0.9%) 0 3 (1.7%) 0 4 (0.6%) 臨床検査の有害事象 0 1 (0.9%) 0 0 0 1 (0.2%)

治験実施計画書か

らの逸脱

1 (1.8%) 1 (0.9%) 0 2 (1.1%) 0 4 (0.6%)

同意の撤回 1 (1.8%) 2 (1.8%) 1 (0.9%) 0 1 (0.6%) 5 (0.8%)

患者の内訳

来院せず 0 0 0 1 (0.6%) 0 1 (0.2%) 用量/ロット番号 観察期:モンテルカストプラセボ錠(L010*)、ロラタジンプラセボカプセル(L014*)は

1日 1回、就寝前投与。ベクロメタゾンプラセボ点鼻薬(L015*)は 1日 2回(朝、就寝前)、両鼻孔に各々2回噴霧。 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L016*)又はモンテルカストプラセボ錠、ロラタジン 10mg含有カプセル(L017*)又はロラタジンプラセボカプセルは 1日 1回、就寝前投与。ベクロメタゾン点鼻薬(50μg/1回噴霧)(L018*)又はベクロメタゾンプラセボ点鼻薬は 1日 2回(朝、就寝前)、両鼻孔に各々2回噴霧。

診断/選択基準 ・季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3 mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

評価基準 有効性 主要評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均) 副次評価項目:日中鼻症状点数、日中眼症状点数、夜間鼻症状点数、各日中鼻症状点数、患者及び医師の印象、QOL 安全性 有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合。バイタルサイン。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 19: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 302 -

概要(その 2)

統計計画及び解析 有効性

ベースラインからの変化量を解析に用いた。群間比較には投与群及び施設を因子とする分

散分析(ANOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の 95%信頼区間を算出した。本試験の完了症例数を 550例(モンテルカスト+ロラタジン群 150例、ベクロメタゾン群 150 例、モンテルカスト群 100 例、ロラタジン群 100 例、プラセボ群 50例)と設定した。総合鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、プラセボ群

とモンテルカスト+ロラタジン群の群間差 0.27 点を、有意水準 5%(両側)、検出力 95%で検出する例数として設定した。 安全性

有害事象発現率及び特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を

示した患者の割合に関し、Fisherの直接確率法を用いて群間比較を実施した。 結果

有効性

モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg群はプラセボ群と比較して、主要評価項目及び副次評価項目を改善した(P < 0.050)。ベクロメタゾン点鼻薬群はモンテルカスト+ロラタジン群と比較して、大部分の評価項目を有意に改善した(P < 0.050)。しかし、QOLの改善は、両群間で類似していた。 主要評価項目において、モンテルカスト+ロラタジン群はロラタジン 10mg 群と比較して統計学的な有意差はなかったが、モンテルカスト 10mg 群と比較して有意に改善した。一方、QOLにおいては、モンテルカスト+ロラタジン群はロラタジン群及びモンテルカスト群と比較して、有意に改善した(P < 0.050)。

主要評価項目:総合鼻症状点数

ベースラインからの変化量‡ プラセボとの差

投与群 N†

平均 LS Mean LS Mean 95%信頼区間 P値 プラセボ 57 -0.12 -0.12 - - - モンテルカスト 10mg 111 -0.31 -0.31 -0.18 (-0.35, -0.02) 0.027 ロラタジン 10mg 115 -0.42 -0.42 -0.30 (-0.46, -0.14) <0.001 モンテルカスト+ロ

ラタジン§

174 -0.43 -0.43 -0.31 (-0.46, -0.15) <0.001

ベクロメタゾン 172 -0.56 -0.57 -0.44 (-0.60, -0.29) <0.001† 解析対象症例数

‡ 評価スケールは 0~3 § モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mg 安全性

5投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な副作用は発現しなかった。 有害事象の要約(その 1)

<臨床上の有害事象> プラセボ

(N=57) モンテルカスト

(N=112) ロラタジン

(N=116)

モンテルカ

スト+ロラ

タジン (N=174)

ベクロメタ

ゾン (N=173)

n (%) n (%) n (%) n (%) n (%)

有害事象発現例数 15 (26.3) 26 (23.2) 29 (25.0) 44 (25.3) 47 (27.2)

有害事象なしの例数

42 (73.7)

86 (76.8)

87 (75.0)

130 (74.7)

126 (72.8)

副作用†発現例数 5 (8.8) 8 (7.1) 6 (5.2) 17 (9.8) 10 (5.8)

重篤な有害事象発現例数 1 (1.8) 0 0 0 0

重篤な副作用†発現例数 0 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 0

有害事象による中止例数 0 1 (0.9) 0 3 (1.7) 0

副作用†による中止例数 0 0 0 1 (0.6) 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 0

重篤な副作用†による中止例数 0 0 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 本表は投与前に発現した有害事象を含まない。

Page 20: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 303 -

概要(その 3)

結果(続き) 有害事象の要約(その 2)

<臨床検査の有害事象> プラセボ

(N=57)

モンテル カスト (N=112)

ロラタジン

(N=116)

モンテルカ

スト+ロラ

タジン (N=174)

ベクロメタ

ゾン (N=173)

n (%) n (%) n (%) n (%) n (%)

臨床検査実施例数

57

111

116

173

172

有害事象発現例数 1 (1.8) 0 2 (1.7) 1 (0.6) 2 (1.2)

有害事象なしの例数

56 (98.2)

111 (100)

114 (98.3)

172 (99.4)

170 (98.8)

副作用†発現例数 1 (1.8) 0 1 (0.9) 0 1 (0.6)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 0

有害事象による中止例数 0 0 0 0 0 † 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

本表は投与前に発現した有害事象を含まない。

結論 1) モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgの併用投与は、プラセボと比較して、季節性アレルギー性鼻炎を有意に改善した。

2) ベクロメタゾン点鼻薬は、モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgと比較して、季節性アレルギー性鼻炎の症状を有意に改善した。QOLの改善は類似していた。

3) モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgは、ロラタジン単剤と比較して、アレルギー性鼻炎の症状の改善において類似しており、QOLにおいて有意に改善した。

4) モンテルカスト 10mg+ロラタジン 10mgは、モンテルカスト単剤と比較して、有意に改善した。

5) プラセボを含む全投与群の安全性プロファィルは類似していた。

Page 21: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 304 -

2.7.6.6 後期第Ⅱ相試験-3(102 試験:5.3.5.1.5)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.5]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

喘息の既往のある季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストとロラタジンの

配合剤の有効性を検討するための多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験、102 試

験:5.3.5.1.5。

治験責任医師/

治験実施施設

米国 21施設

治験期間 19 年 月 日~19 年 月 日。社内締め切り日は 19 年 月 日。治験完了。開発のフェーズ 後期第Ⅱ相臨床試験 投与期間 観察期:1週間、単盲検、プラセボ投与。治療期:2週間、二重盲検(社内盲検)。 治験の目的 1) 喘息の既往のある季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト 10mg とロラ

タジン 10mgの配合剤(以下、モンテルカスト/ロラタジン)とロラタジン 10mgの有効性の差を検討する。

2) モンテルカスト/ロラタジンの有効性をモンテルカスト 10mg 及びプラセボと比較する。同様に、モンテルカスト 10mg及びロラタジン 10mgの有効性をプラセボと比較する。

3) 喘息の既往のある季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト/ロラタジンの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

治験デザイン 多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間(4群[モンテルカスト/ロラタジン、モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])比較試験。社内盲検。 モンテルカスト

/ロラタジン モンテルカスト

10mg ロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例:合計 209 103 164 54 530

男性(年齢範囲) 81 (15~75) 39 (14~79) 65 (15~60) 17 (15~44) 202 (14~79)

女性(年齢範囲) 128 (15~65) 64 (15~65) 99 (15~58) 37 (16~74) 328 (15~74)

スクリーニング 不適格症例

- - - - 318

完了症例 207 99 160 52 518

中止症例:合計 2 4 4 2 12

臨床上の有害事象 1 1† 1 0 3

来院せず 0 0 1 0 1

同意撤回 0 1 2 2 5

治験実施計画書から

の逸脱

1 2 0 0 3

患者の内訳

† 本症例は割付け前に発現した臨床上の有害事象のため、割付け後に中止した。割付け後に発現し

た臨床上の有害事象のためにモンテルカスト投与を中止した症例はなかった。 用量/ロット番号 治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。

観察期:プラセボ(L019*、 L010*、L020*) 治療期:モンテルカスト/ロラタジン錠(L021*)又はそのプラセボ(L019*)、モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L016*)又はそのプラセボ(L010*)、ロラタジン10mg錠(L022*)又はそのプラセボ(L020*)。

診断/選択基準 ・2年以上の季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴及び 1年以上の短時間作用型吸入β刺激薬(間欠使用)を必要とする喘息の罹病歴が有る非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3 mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状の総合点数が規定値以上の患者。

評価基準

有効性

主要評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均) 副次評価項目:日中鼻症状点数、日中眼症状点数、夜間鼻症状点数、各日中鼻症状点数、

夜間鼻閉点数、患者及び医師の印象、QOL 探索的評価項目:鼻所見及び眼所見、喘息症状に対する患者の印象(割付け前に喘息症状

があった患者)

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 22: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 305 -

概要(その 2)

評価基準(続き)

安全性

有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示し

た患者の割合。バイタルサイン。 統計計画及び解析 有効性

群間比較には、投与群、施設及び喘息に対する吸入副腎皮質ステロイド薬の使用有無を因

子とする分散分析(ANOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の95%信頼区間を算出した。本試験の完了症例数を 500例(モンテルカスト/ロラタジン群200例、モンテルカスト群 100例、ロラタジン群 150例、プラセボ群 50例)と設定した。総合鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、モンテルカスト/ロラタジン

群とロラタジン群の群間差 0.20点を検出力 94%で検出する例数として設定した。 安全性

有害事象、副作用、重篤な有害事象及び器官別有害事象の発現率について、Fisherの直接確率法を用いて群間比較を実施した。特定の有害事象を発現した患者の割合及び特定の臨

床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合の群間差に

ついて 95%信頼区間を算出した。 結果 有効性

モンテルカスト/ロラタジン群はロラタジン群と比較して、主要評価項目の総合鼻症状点

数(P = 0.072)、日中鼻症状点数(P = 0.061)、日中鼻閉点数(P = 0.092)において改善傾向を示した。モンテルカスト/ロラタジン群はロラタジン群と比較して、日中鼻汁点数(P = 0.007)及び患者の印象(P = 0.050)を有意に改善したが、他の評価項目において有意差はなかった。モンテルカスト/ロラタジン群はモンテルカスト群と比較して、主要評価項

目(P = 0.545)に有意差はなかったが、日中鼻症状点数において改善傾向を示した(P = 0.080)。

総合鼻症状点数及び日中鼻症状点数-投与群内の比較

ベースラインからの変化量

主要評価項目: 総合鼻症状点数

副次評価項目: 日中鼻症状点数

投与群 N 平均 平均 モンテルカスト/ロラタジン 209 -0.35 -0.47 モンテルカスト 10mg 103 -0.32 -0.36 ロラタジン 10mg 162 -0.27 -0.36 プラセボ 53 -0.25 -0.29

総合鼻症状点数及び日中鼻症状点数-投与群間の比較

主要評価項目: 総合鼻症状点数

副次評価項目: 日中鼻症状点数

投与群間の比較 LS

Mean95%

信頼区間 P値 LS Mean

95% 信頼区間 P値

モンテルカスト/ロラタジン-ロラタジン

-0.09 (-0.18, 0.01) 0.072 -0.11 (-0.22, 0.00) 0.061

モンテルカスト/ロラタジン-モンテルカスト

-0.03 (-0.14, 0.08) 0.545 -0.11 (-0.24, 0.01) 0.080

モンテルカスト/ロラタジン-プラセボ

-0.10 (-0.24, 0.04) 0.152 -0.19 (-0.35, -0.02) 0.025

モンテルカスト 10mg -プラセボ

-0.07 (-0.22, 0.08) 0.383 -0.07 (-0.25, 0.10) 0.422

ロラタジン 10mg -プラセボ

-0.01 (-0.16, 0.13) 0.841 -0.08 (-0.25, 0.09) 0.345

Page 23: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 306 -

概要(その 3)

結果(続き) 安全性

臨床上の有害事象は投与症例 530例中 127例(24%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な有害事象及び死亡例はなかった。各項目において投与群間に

有意差はなかった。 有害事象の要約

<臨床上の有害事象>

モンテルカス

ト/ロラタジ

ン (N=209)

モンテルカス

ト 10mg (N=103)

ロラタジン 10mg

(N=164)

プラセボ (N=54)

n (%) n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 48 (23.0) 23 (22.3) 40 (24.4) 16 (29.6) 有害事象なしの例数 161 (77.0) 80 (77.7) 124 (75.6) 38 (70.4) .

副作用†発現例数

12 (5.7)

8 (7.8)

8 (4.9)

5 (9.3)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 0 死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 1 (0.5) 0‡ 1 (0.6) 0 副作用†

による中止例数 1 (0.5) 0 1 (0.6) 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 0 <臨床検査の有害事象> (N=209) (N=103) (N=164) (N=54)

n (%) n (%) n (%) n (%)

臨床検査実施例数 209 102 163 54

有害事象発現例数

2 (1.0)

1 (1.0)

2 (1.2)

1 (1.9)

有害事象なしの例数 207 (99.0) 101 (99.0) 161 (98.8) 53 (98.1)

副作用†発現例数

1 (0.5)

0

2 (1.2)

0

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 0 死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 0 副作用†

による中止例数 0 0 0 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 0 † 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

‡ 割付け後に発現した臨床上の有害事象のためにモンテルカスト投与を中止した症例はいなかっ

た。1例は割付け前に発現した臨床上の有害事象のために割付け後に中止した。

結論 喘息の既往のある季節性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト/ロラタジン(配合剤)1日 1回投与はロラタジン 10mgと比較して、主要評価項目(総合鼻症状点数)において改善傾向を示した。モンテルカスト/ロラ

タジンはロラタジン 10mg と比較して、大部分の副次評価項目において数値的に上回ったが群間に有意差はなかった。

2) モンテルカスト/ロラタジンはモンテルカスト 10mg 及びプラセボと比較して、主要評価項目及び大部分の副次評価項目において、数値的に上回ったが群間に有意差はな

かった。 3) モンテルカスト/ロラタジンの忍容性は良好であり、有害事象に関する安全性プロファイルはプラセボと類似していた。また、モンテルカスト単剤及びロラタジン単剤の

忍容性も良好であった。

Page 24: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 307 -

2.7.6.7 第Ⅲ相試験-1(117 試験:5.3.5.1.6)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.6]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストとロラタジン配合剤の有効性を検

討するための多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験(秋試験)、117 試験:

5.3.5.1.6。

治験責任医師/

治験実施施設

米国 40施設

治験期間 19 年 月 日~19 年 月 日。ワークシートの社内締め切り日は 19 年 月 日。治験完了。

開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:1週間、プラセボ投与。治療期:2週間 目的 1) 主要評価項目及び副次評価項目において、季節性アレルギー性鼻炎に対する 2週間投

与の有効性を以下の投与群間で比較する。(a) モンテルカスト 10mg とロラタジン10mg配合剤(以下、モンテルカスト/ロラタジン)とロラタジン 10mg、(b) モンテルカスト/ロラタジンとモンテルカスト 10mg、(c) モンテルカスト/ロラタジンとプラセボ、(d) ロラタジン 10mgとプラセボ、(e) モンテルカスト 10mgとプラセボ

2) 季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカスト/ロラタジンの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、並行群間(4群[モンテルカスト/ロラタジン、モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])比較試験。社内盲検。観察期は単盲検プラセボ投与。

モンテルカスト

/ロラタジン

モンテルカ

スト 10mgロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例 302 155 301 149 907 男性(年齢範囲) 94 (16~70) 53 (15~65) 110 (15~69) 63 (16~72) 320 (15~72)

女性(年齢範囲) 208 (15~78) 102 (15~62) 191 (15~82) 86 (15~81) 587 (15~82) スクリーニング 不適格症例

- - - - 721

完了症例 288 149 292 143 872 中止症例:合計 14 6 9 6 35 臨床上の有害事象 2 0 1 2 5 その他 12 6 8 4 30 効果不十分 4 2 1 0 7

来院せず 1 1 1 0 3

同意の撤回 3 1 3 2 9

治験実施計画書

からの逸脱

4 2 3 2 11

患者の内訳

用量/ロット番号 治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。

観察期:モンテルカスト/ロラタジンのプラセボ(L023*)、モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠のプラセボ(L010*)、ロラタジン 10mg圧縮錠のプラセボ(L020*)治療期:モンテルカスト/ロラタジン錠(L021*)又はそのプラセボ(L023*)、モンテルカスト 10mgフィルムコーティング錠(L024*)又はそのプラセボ(L010*)、ロラタジン10mg圧縮錠(L022*)又はそのプラセボ(L020*)。

診断/選択基準 ・治験実施期間中に症状が増悪する季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2 年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1 つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3 mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状の総合点数が規定値以上の患者。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 25: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 308 -

概要(その 2)

評価基準

有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数

の平均)

副次評価項目:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数)、総合鼻

症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、日中眼症状点数(流涙点数、眼の

かゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、各日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、

鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、夜間鼻閉点数、患者及び医師の印象、QOL 探索的評価項目:鼻所見及び眼所見(鼻ポリープの有無、鼻粘膜浮腫、鼻汁、眼瞼結膜の

色調、眼漏)

安全性

有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示し

た患者の割合。バイタルサイン。 統計計画及び解析 有効性

主要評価項目及び副次評価項目についてベースラインからの変化量を解析に用いた。群間

比較には、投与群及び施設を因子、ベースラインの値を共変量とする共分散分析

(ANCOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の 95%信頼区間を算出した。 本試験の完了症例数を 1080 例(モンテルカスト/ロラタジン群 360 例、モンテルカスト群 180例、ロラタジン群 360例、プラセボ群 180例)と設定した。日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、標準偏差を 0.55と仮定して、モンテルカスト/ロラタジン群とロラタジン群との群間差 0.12 点を有意水準 5%(両側)、検出力 83%で検出する例数として設定した。 安全性

次の項目に関し、群間差の 95%信頼区間を算出した。:有害事象、副作用、重篤な有害事象の各発現率及び有害事象による中止率、特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定し

た範囲以上の変動を示した患者の割合、バイタルサイン。 結果

有効性

モンテルカスト/ロラタジン群はロラタジン群と比較して、大部分の評価項目において数

値的に上回ったが有意差はなく、QOLの睡眠項目において、改善傾向を示した(P = 0.073)。モンテルカスト/ロラタジン群はモンテルカスト群と比較して、主要評価項目において改

善傾向を示し(P = 0.086)、鼻そう痒点数(P = 0.045)及びくしゃみ点数(P = 0.002)を有意に改善した。 モンテルカスト/ロラタジン群はプラセボ群と比較して、大部分の評価項目を有意に改善

した。 モンテルカスト群及びロラタジン群はプラセボ群と比較して、すべての症状点数及び QOLのいくつかの項目を有意に改善した(P < 0.05)。患者及び医師の印象において、ロラタジン群はプラセボ群と比較して有意に改善したが、モンテルカスト群はプラセボ群と比較し

て有意差はなかった。

日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数におけるベースラインからの変化量

主要評価項目:

日中鼻症状点数‡副次評価項目:

夜間鼻症状点数‡

投与群

N† 平均変化量 N† 平均変化量 モンテルカスト/ロラタジン 298 -0.54 299 -0.28 モンテルカスト 151 -0.47 151 -0.30 ロラタジン 300 -0.51 300 -0.26 プラセボ 148 -0.22 148 -0.06 † 解析対象例数 ‡ 評価スケールは 0~3

Page 26: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 309 -

概要(その 3)

結果(続き) 日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数におけるベースラインからの変化量-投与群間の比較

主要評価項目:日中鼻症状点数 副次評価項目:夜間鼻症状点数 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト/ロラタ

ジン-ロラタジン -0.05 (-0.14, 0.03) 0.215 -0.03 (-0.10, 0.05) 0.492

モンテルカスト/ロラタジ

ン-モンテルカスト -0.09 (-0.20, 0.01) 0.086 0.01 (-0.08, 0.10) 0.869

モンテルカスト/ロラタ

ジン-プラセボ -0.32 (-0.42, -0.21) < 0.001 -0.16 (-0.26, -0.07) < 0.001

モンテルカスト-プラセ

ボ -0.23 (-0.35, -0.11) < 0.001 -0.17 (-0.28, -0.07) 0.002

ロラタジン-プラセボ -0.26 (-0.37, -0.16) < 0.001 -0.14 (-0.23, -0.05) 0.003 安全性

臨床上の有害事象は投与症例 907例中 160例(17.6%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。プラセボ群の 1例が妊娠のため治験を中止した。これは、本治験における唯一の重篤な有害事象であった。重篤な副作用及び死亡例はなかった。

臨床上の有害事象の要約

モンテルカスト

/ロラタジン(N=302)

モンテルカス

ト 10mg (N=155)

ロラタジン10mg

(N=301)

プラセボ (N=149)

n (%) n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 52 (17.2) 26 (16.8) 52 (17.3) 30 (20.1) 有害事象なしの例数

250 (82.8)

129 (83.2)

249 (82.7)

119 (79.9)

副作用†発現例数 16 (5.3) 7 (4.5) 12 (4.0) 9 (6.0)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 1‡ (0.7) 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 2 (0.7) 0 1 (0.3) 2 (1.3) 副作用

†による中止例数 1 (0.3) 0 0 1 (0.7)

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 1 (0.7) 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 ‡ 妊娠。 臨床検査の有害事象の要約

モンテルカスト

/ロラタジン(N=302)

モンテルカス

ト 10mg (N=155)

ロラタジン10mg

(N=301)

プラセボ (N=149)

n (%)† n (%)† n (%)† n (%)† 臨床検査実施例数

299

153

299

148

有害事象発現例数 6 (2.0) 1 (0.7) 1 (0.3) 1 (0.7) 有害事象なしの例数

293 (98.0)

152 (99.3)

298 (99.7)

147 (99.3)

副作用‡発現例数 0 0 0 0

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 重篤な副作用‡

発現例数 0 0 0 0 死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 0 副作用‡

による中止例数 0 0 0 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 重篤な副作用‡

による中止例数 0 0 0 0 † %=臨床検査値異常変動発現例数/臨床検査実施例数。

‡ 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 投与群間に有意差はなかった。

Page 27: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 310 -

概要(その 4)

結論 アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト/ロラタジン 1日 1回投与はロラタジン 10mgと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)において有意差はなかった。モンテルカスト/ロラタジンは

ロラタジン 10mg と比較して、主要評価項目及び大部分の副次評価項目において、数値的に上回ったが、有意差はなかった。

2) モンテルカスト/ロラタジン 1日 1回投与はモンテルカスト 10mg と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)において改善傾向が認められた。モンテルカスト/ロラ

タジンはモンテルカスト 10mg と比較して、大部分の副次評価項目において数値的に上回ったが、有意差はなかった。

3) モンテルカスト/ロラタジン 1日 1回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)及び大部分の副次評価項目を有意に改善した。

4) モンテルカスト 10mg及びロラタジン 10mg 1日 1回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)及び多くの副次評価項目を有意に改善した。

5) モンテルカスト/ロラタジンの忍容性は良好で、有害事象の安全性プロファイルはプラセボと類似していた。モンテルカスト単剤及びロラタジン単剤の忍容性も良好であ

った。

Page 28: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 311 -

2.7.6.8 第Ⅲ相試験-2(162 試験:5.3.5.1.7)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.7]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化並行群間比較試験(春試験)、162 試験:5.3.5.1.7。

治験責任医師/

治験実施施設

50施設(米国 43施設、カナダ 7施設)

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日。データ固定日は 20 年 月 日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:3~5日、プラセボ投与。治療期:2週間、二重盲検。 目的 主要目的:

1) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、季節性アレルギー性鼻炎患者にモンテルカスト 10mgを 2週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。

2) 季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカストの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

副次目的: 季節性アレルギー性鼻炎患者に 2週間投与したとき、 1) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、ロラタジン 10mg の有効性をプラセボと比較する。

2) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、モンテルカスト 10mgの有効性をロラタジン 10mgと比較する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、並行群間(治療期1 は 3群[モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])比較試験。社内盲検。春のアレルギー性鼻炎シーズンに実施。

1 本治験は、当初、モンテルカスト/ロラタジン配合剤群を含んでいた。米国メルク社の開発方針が、季節性アレルギー性鼻炎におけるモンテルカスト単剤療法の有効性及び安全性を評価することに変更されたため、治験実施計画書を改訂し、本治

験からモンテルカスト/ロラタジン群を除外した(治験は盲検下で進行中であった)。モンテルカスト/ロラタジン群に割り

付けられた症例は治験を中止し、他の投与群に割り付けられた症例は治験を継続した。治験総括報告書は改訂済み治験実施

計画書を反映している。治験総括報告書に記載された本治験の仮説、目的、治験計画、解析された患者集団及びデータセッ

ト、有効性評価、安全性評価、考察、有効性及び安全性の結論は、改訂済み治験実施計画書を反映している。モンテルカス

ト/ロラタジン群の有効性データは公式データとして解析されなかった。

Page 29: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 312 -

概要(その 2)

モンテルカスト

10mg ロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例 348 602 352 1302 男性(年齢範囲) 115 (15~76) 212 (15~74) 123 (15~66) 450 (15~76)

女性(年齢範囲) 233 (15~73) 390 (15~74) 229 (15~81) 852 (15~81) モンテルカスト/ロラタジン投与症例

- - - 275

スクリーニング不適格症例 - - - 1102 完了症例 336 573 334 1243 中止症例 12 29 18 59 臨床上の有害事象 3 9† 1 13 効果不十分 4 8 8 20 その他 5 12 9 26 来院せず 1 2 1 4 同意の撤回 1 1 2 4 治験実施計画書からの逸脱

2 7 2 11

患者の内訳

その他 1‡ 2§ 4 7

† 本表は治験に参加した患者の内訳を示す。1例は割付け前に発現した臨床上の有害事象のため、割付け後に中止した。したがって、割付け後に発現した臨床上の有害事象のため中止したロラ

タジン群の症例は 8例であった。 ‡ 症例番号 37 :間違いによる(医師は当該患者をモンテルカスト/ロラタジン群と考えていた)。§ 症例番号 38 :効果不十分。 症例番号 39 :国外へ移ったため。

症例番号 40 :服薬遵守違反。 症例番号 41 :州外へ移ったため。 症例番号 42 :休暇を取得したため。 症例番号 43 :割付け直前に臨床検査値が上昇したため。

用量/ロット番号 治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。 観察期:プラセボ(L025*、 L026*、 L019*、 L027*) 治療期:モンテルカストフィルムコーティング錠(L024*)又はそのプラセボ(L025*)、ロラタジン圧縮錠(L028*)又はそのプラセボ(L026*)、モンテルカスト/ロラタジンのプラセボ2(L019*、 L027*)

診断/選択基準 ・季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状の総合点数が規定値以上の患者。

評価基準 有効性 主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均) 副次評価項目:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、日中眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、患者及び医師の印象、QOL その他の評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、各日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、夜間鼻閉点数 安全性 有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合。バイタルサイン。

2 モンテルカスト/ロラタジン群は投与中止となったが、モンテルカスト群、ロラタジン群及びプラセボ群においてモンテルカスト/ロラタジンのプラセボの投与は継続された。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 30: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 313 -

概要(その 3) 統計計画及び解析 有効性

主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目についてベースラインからの変化量を解析に用いた。群間比較には、投与群及び施設を因子、ベースラインの値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の 95%信頼区間を算出した。本試験の完了症例数を 930例(モンテルカスト群 250例、ロラタジン群 430例、プラセボ群 250例)と設定した。日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、モンテルカスト群とプラセボ群との群間差 0.15 点を検出力 88%で検出する症例数として設定した。ロラタジン群 430例及びプラセボ群 250例については、日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、ロラタジン群とプラセボ群との群間差 0.15点を検出力 94%で検出する症例数として設定した。 安全性 有害事象及び副作用(器官別及び特定の症状)、重篤な有害事象の各発現率、有害事象による中止率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合についても同様の方法で解析した。

有効性 日記より得られたすべての症状点数において、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、治療期 2週間におけるベースラインからの平均変化量を有意に改善した(主要評価項目及び副次評価項目:P < 0.001、日記のデータをもとにしたその他の評価項目:P < 0.050)。 ロラタジン群はプラセボ群と比較して、日記より得られたすべての症状点数を有意に改善した(主要評価項目及び副次評価項目:P < 0.010、日記のデータをもとにしたその他の評価項目:P < 0.050)。モンテルカスト群とプラセボ群との比較及びロラタジン群とプラセボ群との比較においては、実薬投与群が QOL の大部分の項目と患者及び医師の印象を有意に改善した。

日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数-投与群内の変化 ベースラインからの変化量

主要評価項目:日中鼻症状点数 副次評価項目:夜間鼻症状点数 投与群

N Mean N Mean モンテルカスト 10mg 344 -0.39 345 -0.27 ロラタジン 10mg 599 -0.46 598 -0.23 プラセボ 351 -0.26 351 -0.15

結果

日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数-投与群間の差の解析

主要評価項目: 日中鼻症状点数

副次評価項目: 夜間鼻症状点数

投与群間の比較 LS

Mean95%

信頼区間

P値 LS

Mean 95%

信頼区間

P値モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.13 (-0.21, -0.06) < 0.001 -0.14 (-0.20, -0.07) < 0.001ロラタジン 10mg-プラセボ -0.24 (-0.31, -0.17) < 0.001 -0.09 (-0.15, -0.03) 0.003モンテルカスト 10mg-ロラタジン 10mg

0.11 (0.04, 0.18) - -0.04 (-0.11, 0.02) -

安全性

臨床上の有害事象は投与症例 1302例中 262例(20.1%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。妊娠中の投与(プラセボ群、データベース上は重篤な有害事象)

が 1例あった。死亡例はなかった。

Page 31: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 314 -

概要(その 4)

有害事象の要約

<臨床上の有害事象> モンテルカスト

10mg (N=348) ロラタジン

10mg (N=602) プラセボ (N=352)

n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 66 (19.0) 128 (21.3) 68 (19.3) 有害事象なしの例数

282 (81.0)

474 (78.7)

284 (80.7)

副作用†

発現例数 16 (4.6) 50 (8.3) 16 (4.5) 重篤な有害事象発現例数 0 0 1 (0.3) 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 3 (0.9) 8‡ (1.3) 1 (0.3) 副作用†

による中止例数 1 (0.3) 3 (0.5) 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0

結果(続き)

<臨床検査の有害事象> モンテルカスト

10mg (N=348) ロラタジン 10mg

(N=602) プラセボ (N=352)

n (%) n (%) n (%) 臨床検査実施例数 345 596 347 有害事象発現例数 2 (0.6) 6 (1.0) 3 (0.9) 有害事象なしの例数

343 (99.4)

590 (99.0)

344 (99.1)

副作用†発現例数 1 (0.3) 2 (0.3) 1 (0.3)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0

死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 副作用

†による中止例数 0 0 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 ‡ 割付け後に発現した有害事象について記載し、割付け前に発現した有害事象は含まれない。8例は、割付け後に発現した有害事象のためロラタジン投与を中止した。1例は、割付け前に発現した有害事象のため割付け後にロラタジン投与を中止した。

結論 成人季節性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト 10mg の 1 日 1 回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。モンテルカスト 10mg はプラセボと比較して、大部分の副次評価項目を改善した。

2) ロラタジン 10mg の 1 日 1 回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。ロラタジン 10mg はプラセボと比較して大部分の副次評価項目を改善した。

3) モンテルカスト 10mg の忍容性は良好で、有害事象の安全性プロファイルはプラセボと類似していた。ロラタジン 10mgの忍容性も良好であった。

Page 32: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 315 -

2.7.6.9 第Ⅲ相試験-3(192 試験:5.3.5.1.8)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.8]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化並行群間比較試験(秋試験)、192 試験:5.3.5.1.8。

治験責任医師/

治験実施施設

米国 29施設

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日。症例報告書の社内締め切り日は 20 年 月 日。治験完了。

開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:3~5日、プラセボ投与。治療期:2週間、二重盲検。 目的 1) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、季節性アレルギー性鼻

炎患者にモンテルカスト 10mgを 2週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。2) 季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカストの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、実薬及びプラセボ対照、並行群間(治療期は 3群[モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])比較試験。社内盲験。秋のアレルギー性鼻炎シーズンに実施。 モンテルカスト

10mg ロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例 326 170 333 829 男性(年齢範囲) 99 (15~75) 51 (15~63) 111 (15~75) 261 (15~75)

女性(年齢範囲) 227 (15~74) 119 (15~66) 222 (15~82) 568 (15~82) スクリーニング不適格症例 - - - 413 完了症例 309 163 323 795 中止症例 17 7 10 34 臨床上の有害事象 8 2 4 14 効果不十分 4 2 3 9 その他 5 3 3 11 来院せず 0 0 1 1 同意の撤回 2 1 1 4

患者の内訳

治験実施計画書からの逸脱

3 2 1 6

用量/ロット番号 治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。 観察期:プラセボ(L029*、 L026*) 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L024*)又はそのプラセボ(L029*)、ロラタジン 10mg圧縮錠(L028*)又はそのプラセボ(L026*)

診断/選択基準 ・治験実施期間中に症状が増悪する季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状の総合点数が規定値以上の患者。

評価基準 有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数

の平均)

副次評価項目:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、

日中眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、患

者及び医師の印象、QOL その他の評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、各日中

鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、夜間鼻閉点数

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 33: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 316 -

概要(その 2)

評価基準(続き) 探索的評価項目:末梢血中好酸球数、服薬 24時間後の鼻症状点数(服薬 24時間後の鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均)、服薬 24時間後の眼症状点数(服薬 24時間後の流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均) 安全性

有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示し

た患者の割合。バイタルサイン。

統計計画及び解析 有効性

主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目についてベースライ

ンからの変化量を解析に用いた。群間比較には、投与群及び施設を因子、ベースラインの

値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の 95%信頼区間を算出した。日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、標準偏差を 0.53 と仮定して、モンテルカスト群とプラセボ群との群間差 0.15 点を検出力 93%で検出するため、本試験の完了症例数を 750例(モンテルカスト群 300例、ロラタジン群 150例、プラセボ群 300例)と設定した。 安全性

有害事象及び副作用(器官別及び特定の症状)、重篤な有害事象の発現率、有害事象によ

る中止率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合についても同様の方法で解析した。 有効性

モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)において改

善傾向を示した(P = 0.100)。モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、副次評価項目である夜間鼻症状点数(P = 0.008)を有意に改善し、日中眼症状点数(P = 0.073)、患者の印象(P = 0.099)及び医師の印象(P = 0.088)においては改善傾向を示した。QOLの改善については、モンテルカスト群とプラセボ群とに有意差はなかった(P = 0.215)。Per-Protocol Set(PPS)による解析結果は Intention-to-Treat 解析結果とおおむね一致したが、PPS による解析結果では、主要評価項目(日中鼻症状点数)において有意差がみられた(P = 0.041)。ロラタジン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を有意に改善し

た(P < 0.001)。ロラタジン群はプラセボ群と比較して、副次評価項目である夜間鼻症状点数において改善傾向を示し(P = 0.064)、日中眼症状点数(P = 0.006)、患者の印象(P = 0.012)、医師の印象(P = 0.029)及び QOL(P = 0.019)を有意に改善した。

日中鼻症状点数

ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 326 -0.38 -0.38 ロラタジン 10mg 168 -0.45 -0.47 プラセボ 331 -0.30 -0.32

投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.06 (-0.14, 0.01) 0.100 ロラタジン 10mg-プラセボ -0.16 (-0.25, -0.06) < 0.001 モンテルカスト 10mg-ロラタジン 10mg 0.09 (-0.00, 0.18) -

結果

夜間鼻症状点数

ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 326 -0.26 -0.28 ロラタジン 10mg 169 -0.26 -0.26 プラセボ 331 -0.18 -0.18

投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.10 (-0.17, -0.03) 0.008 ロラタジン 10mg-プラセボ -0.08 (-0.17, 0.00) 0.064 モンテルカスト 10mg-ロラタジン 10mg -0.02 (-0.10, 0.07) -

Page 34: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 317 -

概要(その 3)

安全性

臨床上の有害事象は投与症例 829 例中 139 例(16.8%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な有害事象の詳細は概要(その 4)に示した。死亡例はなか

った。

結果(続き)

<臨床上の有害事象>

モンテルカスト10mg (N=326)

ロラタジン 10mg (N=170)

プラセボ (N=333)

n (%) n (%) n (%)

有害事象発現例数 50 (15.3) 32 (18.8) 57 (17.1) 有害事象なしの例数

276 (84.7)

138 (81.2)

276 (82.9)

副作用†

発現例数 18 (5.5) 8 (4.7) 9 (2.7) 重篤な有害事象発現例数 1 (0.3) 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 8 (2.5) 2 (1.2) 4 (1.2) 副作用†

による中止例数 2 (0.6) 1 (0.6) 0 重篤な有害事象による中止例数 1 (0.3) 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 <臨床検査の有害事象> (N=326) (N=170) (N=333) n (%) n (%) n (%)

臨床検査実施例数

325 169 333

有害事象発現例数 1 (0.3) 2 (1.2) 5 (1.5) 有害事象なしの例数

324 (99.7)

167 (98.8)

328 (98.5)

副作用†

発現例数 1 (0.3) 1 (0.6) 4 (1.2) 重篤な有害事象発現例数 0 0 0 重篤な副作用†

発現例数 0 0 0 死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 副作用†

による中止例数 0 0 0 重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用†

による中止例数 0 0 0 † 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 結論 成人季節性アレルギー性鼻炎患者において、

1) モンテルカスト 10mg の 1 日 1 回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)において数値的に大きな改善傾向を示した。モンテルカスト 10mg はプラセボと比較して、いくつかの副次評価項目を改善した。

2) ロラタジン 10mg の 1 日 1 回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。ロラタジン 10mg はプラセボと比較して、多くの副次評価項目を改善した。

3) モンテルカスト 10mg の忍容性は良好で、有害事象の安全性プロファイルはプラセボと類似していた。ロラタジン 10mgの忍容性も良好であった。

Page 35: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 318 -

概要(その 4)

重篤な有害事象の詳細

割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害

事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

投与群:モンテルカスト 44 女性 黒人 45歳 モンテル

カスト 10 mg 2日 うつ

病 2日 7日 重度 たぶんなし 治験薬投与

中止 回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 割付番号 44、45 歳女性。季節性及び通年性アレルギー性鼻炎、頭痛、双極性うつ病、甲状腺障害の既往歴があり、divalproex sodiumを服用中であった。二重盲検治療期間にモンテルカスト群に無作為割付された。無作為割付 2 日後にうつ病が発現し、患者は入院した。2 日後、うつ病エピソードは患者のベースラインの状態である軽症うつ病まで回復し、患者は退院した。治験薬の投与は第 8日に中止された。治験担当医師は、うつ病エピソードについて、その他の重大な医学的事象であり、治験薬との因果関係は「たぶんなし」と判定した。

Page 36: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 319 -

2.7.6.10 第Ⅲ相試験-4(235 試験:5.3.5.1.9)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.9]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化並行群間比較試験(20 年春試験)、235 試験:5.3.5.1.9。 治験責任医師/

治験実施施設

カナダ及び米国の 32施設

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日。データ固定日は 20 年 月 日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:3~5日間、単盲検、プラセボ投与。治療期:2週間、二重盲検。 目的 1) 主要評価項目、副次評価項目及びその他の評価項目において、季節性アレルギー性鼻

炎患者にモンテルカスト 10mgを 2週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。2) 季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカストの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、実薬及びプラセボ対照、並行群間比較(治療期は 3群[モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])試験。社内盲検。春のアレルギー性鼻炎シーズンに実施。 モンテルカスト

10mg ロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例:合計 522 171 521 1214 男性(年齢範囲) 196 (15~67) 71 (15~70) 183 (15~77) 450 (15~77)

女性(年齢範囲) 326 (15~82) 100 (15~72) 338 (15~73) 764 (15~82)

スクリーニング不適格症例 - - - 564 完了症例 501 165 492 1158

中止症例:合計 21 6 29 56

臨床上の有害事象 7 1 8† 16 臨床検査の有害事象 0 0 0 0 効果不十分 5 1 11 17 その他 9 4 10 23 来院せず 1 0 1 2 転居 0 0 1 1 同意の撤回 5 1 4 10 治験実施計画書からの逸脱

2 1 3 6

患者の内訳

その他 1‡ 2§ 1 4

† 本表は治験に参加した患者の内訳を示す。2例は割付け前に発現した有害事象のため、割付け後に中止した。したがって、割付け後に発現した臨床上の有害事象のため中止したプラセボ群の症

例は 6例であった。 ‡ 症例番号 45 :治験開始時から継続していた重度の背部痛に対してプレドニゾンの服用を

開始したため。 § 症例番号 46 :規定された地域を一定期間以上離れる必要があったため。 症例番号 47 :来院スケジュール不遵守。

症例番号 48 :治験薬及び日記が火事により消失したため。 用量/ロット番号 治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。

観察期:プラセボ(L029*、L026*) 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L030*)又はそのプラセボ(L029*)、ロラタジン 10mg圧縮錠(L031*)又はそのプラセボ(L026*)

診断/選択基準 ・治験実施期間中に症状が増悪する季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 37: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 320 -

概要(その 2)

評価基準

有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数

の平均)

副次評価項目:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、

日中眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、患

者及び医師の印象、QOL その他の評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、各日中

鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、夜間鼻閉点数

探索的評価項目:服薬 24時間後の鼻症状点数(服薬 24時間後の鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均);統計解析計画書にあらかじめ明記した評価項目は、

末梢血中好酸球数及び服薬 24時間後の眼症状点数(服薬 24時間後の流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均) 安全性

有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示し

た患者の割合。バイタルサイン。 統計計画及び解析 有効性

主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目についてベースライ

ンからの変化量を解析に用いた。群間比較には、投与群及び施設を因子、ベースラインの

値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用いた。最小二乗平均を用いて、投与群間の差の 95%信頼区間を算出した。日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、標準偏差を 0.53 と仮定して、モンテルカスト群とプラセボ群との群間差 0.15 点を検出力 93%で検出するため、本試験の完了症例数を 700例(モンテルカスト群 300例、ロラタジン群 100例、プラセボ群 300例)と設定した。 安全性

有害事象及び副作用(器官別及び特定の症状)、重篤な有害事象の発現率、有害事象によ

る中止率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合についても同様の方法で解析した。 有効性

2 週間の投与において、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)(P = 0.003)及びすべての副次評価項目(P < 0.050)を有意に改善した。ロラタジン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(P < 0.001)及び大部分の副次評価項目を有意に改善した。更に、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、事前に規定したそ

の他の評価項目及び探索的評価項目(総合鼻症状点数、日中鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃ

み点数、夜間鼻閉点数及び末梢血中好酸球数)を有意に改善した。モンテルカスト群は、

服薬 24時間後の鼻症状点数において改善傾向(P = 0.056)を示した。鼻そう痒点数及び服薬 24時間後の眼症状点数において有意差はなかった。

日中鼻症状点数

ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 519 -0.39 -0.38 ロラタジン 10mg 170 -0.50 -0.47 プラセボ 521 -0.31 -0.29

投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.09 (-0.16, -0.03) 0.003 ロラタジン 10mg-プラセボ -0.19 (-0.28, -0.10) < 0.001 モンテルカスト 10mg-ロラタジン 10mg 0.09 (0.00, 0.18) -

結果

Page 38: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 321 -

概要(その 3)

夜間鼻症状点数

ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 519 -0.29 -0.28 ロラタジン 10mg 170 -0.29 -0.28 プラセボ 521 -0.20 -0.20

投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.08 (-0.13, -0.02) 0.009 ロラタジン 10mg-プラセボ -0.07 (-0.15, 0.01) 0.073 モンテルカスト 10mg-ロラタジン 10mg 0.00 (-0.08, 0.08) -

結果(続き)

安全性

臨床上の有害事象は投与症例 1214例中 198例(16.3%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な有害事象はなかった。死亡例はなかった。

<臨床上の有害事象> モンテルカスト

10mg (N=522)

ロラタジン 10mg

(N=171)

プラセボ (N=521)

n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 89 (17.0) 26 (15.2) 83 (15.9) 有害事象なしの例数 433 (83.0) 145 (84.8) 438 (84.1) 副作用

†発現例数

12 (2.3)

7 (4.1)

18 (3.5)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0

死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 7 (1.3) 1 (0.6) 6‡(1.2) 副作用

†による中止例数 0 0 1 (0.2)

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0

<臨床検査の有害事象> (N=522) (N=171) (N=521) n (%) n (%) n (%) 臨床検査実施例数 516 171 515 有害事象発現例数

5 (1.0)

3 (1.8)

2 (0.4)

有害事象なしの例数 511 (99.0) 168 (98.2) 513 (99.6) 副作用

†発現例数

5 (1.0)

2 (1.2)

1 (0.2)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0

死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 0 副作用

†による中止例数 0 0 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

‡ 割付け後に発現した有害事象について記載し、割付け前に発現した有害事象は含まれない。6 例は、割付け後に発現した有害事象のためプラセボ投与を中止したが、2 例は割付け前に発現した有害事象のため割付け後にプラセボ投与を中止した。

Page 39: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 322 -

概要(その 4)

結論 成人季節性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト 10mgの 1日 1回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。モンテルカスト 10mgはプラセボと比較して、すべての副次評価項目を改善した。

2) ロラタジン 10mgの 1日 1回投与はプラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。ロラタジン 10mgはプラセボと比較して、大部分の副次評価項目を改善した。

3) モンテルカスト 10mgの忍容性は良好で、有害事象の安全性プロファイルはプラセボと類似していた。ロラタジン 10mgの忍容性も良好であった。

Page 40: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 323 -

2.7.6.11 第Ⅲ相試験-5(240 試験:5.3.5.1.10)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.10]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカスト 4週間投与の有効性を検討するための多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験(20 年秋)、240 試験:5.3.5.1.10。

治験責任医師/

治験実施施設

米国 47施設

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日。データ固定日は 20 年 月 日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:3~5日間、単盲験、プラセボ投与。治療期:4週間、二重盲験。 目的 主要目的:

1) 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目において、季節性アレルギー性鼻炎患者にモンテルカスト 10mg を 4 週間朝投与したときの、最初の2週間における有効性を、プラセボと比較する。

2) 季節性アレルギー性鼻炎患者に対するモンテルカストの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

副次目的: 1) 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目において、モンテルカスト 10mgを 4週間朝投与したときの、全 4週間における有効性を、プラセボと比較する。

2) 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目において、ロラタジン 10mgを 4週間朝投与したときの、最初の 2週間及び全 4週間における有効性を、プラセボと比較する。

3) 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目において、モンテルカスト 10mgを 4週間朝投与したときの、最初の 2週間及び全 4週間における有効性を、ロラタジン 10mgと比較する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、並行群間(治療期は 3 群[モンテルカスト 10mg、ロラタジン 10mg及びプラセボ])比較試験。社内盲験。秋のアレルギー性鼻炎シーズンに実施。朝投与。 モンテルカスト

10mg ロラタジン

10mg プラセボ 合計

投与症例:合計 448 180 451 1079 男性(年齢範囲) 147 (15~82) 61 (15~70) 150 (15~67) 358 (15~82)

女性(年齢範囲) 301 (15~71) 119 (17~79) 301 (15~82) 721 (15~82)

完了症例 420 170 410 1000

中止症例:合計 28 10 41 79

臨床上の有害事象 13† 1 15† 29† 臨床検査の有害事象 0 0 1 1 効果不十分 7 2 10 19 その他 8 7 15 30 来院せず 1 0 1 2 転居 0 0 1 1 同意の撤回 1 1 4 6 治験実施計画書からの逸脱

5 3 5 13

患者の内訳

治験実施施設の終了‡

1 3 4 8

† 本表は治験に参加した患者の内訳を示す。3例(2例:モンテルカスト群、1例:プラセボ群)は、割付け前に発現した有害事象のため、割付け後に中止した。したがって、割付け後に発現した臨

床上の有害事象のために中止した症例は、モンテルカスト群 11例及びプラセボ群 14例であった。‡ 当該地域の花粉飛散時期に治験が終了するよう、事前に最終治験開始日、最終割付け日及び最終治験終了日を施設毎に規定した。事前に規定した日付を超過した施設は治験終了とした。

Page 41: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 324 -

概要(その 2)

用量/ロット番号

治験薬は 1日 1回朝に投与した。 観察期:プラセボ(L029*、 L026*) 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L032*)又はそのプラセボ(L029*)、ロラタジン 10mg圧縮錠(L033*)又はそのプラセボ(L026*)

診断/選択基準 ・治験実施期間中に症状が増悪する季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~82歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3 mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

評価基準

有効性 主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均) 副次評価項目:夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、日中眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、患者及び医師の印象、QOL総合点数 その他の評価項目:各日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、各夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数)、QOLの各項目(日頃の活動、睡眠、鼻の症状、目の症状、目・鼻の諸症状以外、実生活上のわずらわしさ、感情)点数、末梢血中好酸球数 探索的評価項目:朝(服薬 24 時間後)の鼻症状点数(鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均)、朝(服薬 24 時間後)の眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数の平均)、朝(服薬 24 時間後)の各鼻症状点数。朝(服薬 24時間後)の症状はすべて、患者が治験薬服薬直前に評価した。 安全性 有害事象発現率。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定した範囲以上の変動を示した患者の割合。バイタルサイン。

統計計画及び解析 有効性 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目について、治療期の最初の 2週間及び全 4週間(治療期の最初の 2週間及び最後の 2週間を含む)におけるベースラインからの変化量を解析に用いた。主要な解析は治療期の最初の 2週間について実施することを事前に規定した。投与群(モンテルカスト群、ロラタジン群及びプラセボ群)及び施設を因子、ベースラインの値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて統計的検定を実施した。群間比較は、ANCOVA モデルを用いた対比の検定により実施し、主要な比較は、モンテルカスト群とプラセボ群との比較とした。日中鼻症状点数におけるベースラインからの変化量に関し、標準偏差を 0.52点と仮定して、モンテルカスト群とプラセボ群との群間差 0.13点を有意水準 5%(両側)、検出力 90%で検出するため、本試験の完了症例数をモンテルカスト群 360例、プラセボ群 360例と設定した。 安全性 有害事象及び副作用(器官別及び特定の症状)、重篤な有害事象、有害事象による中止の各発現率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。特定の臨床検査項目においてあらかじめ規定された範囲以上の変動を示した患者の割合についても同様の方法で解析した。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 42: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 325 -

概要(その 3)

結果

有効性 主要解析ポイントである治療期の最初の 2週間において、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)(P = 0.003)及びすべての副次評価項目(P < 0.050)を有意に改善した。更に、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、大部分のその他の評価項目及び探索的評価項目を有意に改善した。ロラタジン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(P < 0.001)及び大部分の副次評価項目を有意に改善した。 治療期の全 4週間において、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)(P = 0.003)及びすべての副次評価項目(P < 0.050)を有意に改善した。更に、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、大部分のその他の評価項目及び探索的評価項目を有意に改善した。ロラタジン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(P < 0.001)及び大部分の副次評価項目を有意に改善した。

日中鼻症状点数 治療期の最初の 2週間 (主要解析ポイント)

治療期の全 4週間 (副次解析ポイント)

ベースラインからの変化量 ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 445 -0.32 -0.33 445 -0.42 -0.43

ロラタジン 10mg 180 -0.45 -0.45 180 -0.51 -0.50 プラセボ 448 -0.20 -0.23 448 -0.30 -0.33

投与群間の差 投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.10 (-0.16, -0.03) 0.003 -0.10 (-0.17, -0.04) 0.003

ロラタジン 10mg -プラセボ

-0.22 (-0.31, -0.13) < 0.001 -0.17 (-0.26, -0.08) < 0.001

モンテルカスト 10mg-ロラタジン10mg

0.12 (0.03, 0.21) - 0.07 (-0.02, 0.16) -

夜間鼻症状点数

治療期の最初の 2週間 (主要解析ポイント)

治療期の全 4週間 (副次解析ポイント)

ベースラインからの変化量 ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean N Mean LS Meanモンテルカスト

10mg 445 -0.27 -0.28 445 -0.35 -0.36

ロラタジン 10mg 180 -0.27 -0.25 180 -0.34 -0.32 プラセボ 448 -0.16 -0.18 448 -0.23 -0.26

投与群間の差 投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト

10mg-プラセボ -0.10 (-0.16, -0.04) 0.002 -0.09 (-0.15, -0.03) 0.002

ロラタジン 10mg -プラセボ

-0.07 (-0.15, 0.01) 0.080 -0.06 (-0.14, 0.02) 0.165

モンテルカスト

10mg-ロラタジン10mg

-0.03 (-0.10, 0.05) - -0.04 (-0.12, 0.04) -

Page 43: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 326 -

概要(その 4)

結果(続き) 安全性

臨床上の有害事象は、投与症例 1079例中 289例(26.8%)に発現した。各投与群の有害事象発現率は類似していた。重篤な臨床上の有害事象は 2例に発現し(妊娠及び虫垂炎)、どちらもモンテルカスト群であった。詳細は概要(その 5)に示した。重篤な臨床検査の

有害事象及び死亡例はなかった。

<臨床上の有害事象> モンテルカスト

10mg (N=448)

ロラタジン 10mg

(N=180)

プラセボ (N=451)

n (%) n (%) n (%) 有害事象発現例数 133 (29.7) 45 (25.0) 111 (24.6) 有害事象なしの例数

315 (70.3)

135 (75.0)

340 (75.4)

副作用†発現例数 15 (3.3) 10 (5.6) 21 (4.7)

重篤な有害事象発現例数 2 (0.4) 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0

死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 11‡ (2.5) 1 (0.6) 14‡ (3.1) 副作用

†による中止例数 0 0 1 (0.2)

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0

<臨床検査の有害事象> (N=448) (N=180) (N=451) n (%) n (%) n (%) 臨床検査実施例数

446

179

450

有害事象発現例数 6 (1.3) 1 (0.6) 5 (1.1) 有害事象なしの例数

440 (98.7)

178 (99.4)

445 (98.9)

副作用†発現例数 2 (0.4) 0 3 (0.7)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0

死亡例数 0 0 0 有害事象による中止例数 0 0 1 (0.2) 副作用

†による中止例数 0 0 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

‡ 割付け後に発現した有害事象について記載し、割付け前に発現した有害事象は含まれない。割付け

前に発現した有害事象のために中止した 3例(2例:モンテルカスト群、1例:プラセボ群)は表に含まれない。

結論

成人季節性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト 10mgの 1日 1回朝投与は、プラセボと比較して、2週間及び 4週間の治療期を通して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。モンテルカストはプ

ラセボと比較して、すべての副次評価項目及び大部分のその他の評価項目を改善した。

2) モンテルカスト 10mg は、プラセボと比較して、24 時間にわたりアレルギー性鼻炎の症状を改善し、服薬 24時間後に評価した鼻症状を改善した。

3) ロラタジン 10mgの 1日 1回投与は、プラセボと比較して、2週間及び 4週間の治療期を通して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を改善した。ロラタジンはプラセボと比

較して、大部分の副次評価項目を改善した。 4) モンテルカスト 10mgの忍容性は良好で、安全性プロファイルはプラセボと類似していた。ロラタジン 10mgの忍容性も良好であった。

Page 44: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 327 -

概要(その 5)

重篤な有害事象の詳細

割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害

事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

49 女性 白人 22歳 モンテルカスト休

薬40日間

- 68日 妊娠 継続 28日 該当

なし

なし 治験薬に 対する処置

なし

未回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 割付番号 49。月経不順の既往歴があり、受胎調節のためエチニルエストラジオール・ノルゲストレル配合剤を服用していた。試験完了後に妊娠が報告された。超音波検査で推定された受胎日は、モンテルカスト最終投与から

約 3~4日後であった。治験担当医師は、妊娠について、治験薬との因果関係は「なし」と判定した。データ固定日後の追跡調査報告では、妊娠に伴う一般的愁訴であるつわりの持続を除き、合併症又は健康上の問題はなかっ

た。

割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害

事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

50 男性 白人 40歳 モンテルカスト

10 mg 19日 虫垂炎 3日 26日 中等度 たぶんなし 治験薬に 対する処置

なし

回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 割付番号 50。虫垂炎を発症し、虫垂切除術を受けた。この有害事象は 3日間持続した。手術日当日の 1日は、患者はモンテルカストを服用しなかった。患者は回復し、試験を完了した。治験担当医師は、虫垂炎について、重

症度は中等度であり、治験薬との因果関係は「たぶんなし」と判定した。

Page 45: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 328 -

2.7.6.12 第Ⅲ相試験-6(246 試験:5.3.5.1.11)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.11]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

通年性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較試験、246 試験:5.3.5.1.11。

治験責任医師/

治験実施施設

米国 74施設

治験期間 20 年 11月 27日~翌年 5月 5日。データ固定日は 20 年 月 日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:5~7日間、プラセボ投与。治療期:6週間 目的 1) 主要評価項目、副次評価項目、その他/探索的評価項目において、通年性アレルギー

性鼻炎患者にモンテルカスト 10mgを 6週間投与したときの、最初の 4週間の有効性をプラセボと比較する。

2) 通年性アレルギー性鼻炎患者に対する、モンテルカスト 10mgの忍容性プロファイルを検討する。

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、実薬及びプラセボ対照、並行群間比較試験。観察期は

単盲検、プラセボ投与。治療期はモンテルカスト 10mg、セチリジン 10mg又はプラセボのいずれかを投与。社内盲験。通年性アレルギー性鼻炎患者を対象。 モンテルカスト

10mg セチリジン

10mg プラセボ 合計

投与症例:合計 630 122 613 1365 男性(年齢範囲) 211 (15~74) 37 (16~67) 195 (15~77) 443 (15~77)

女性(年齢範囲) 419 (15~76) 85 (15~75) 418 (15~82) 922 (15~82)

スクリーニング 不適格症例

- - - 1198

完了症例 562 (89.2) 106 (86.9) 530 (86.5) 1198 (87.8)

中止症例:合計 68 (10.8) 16 (13.1) 83 (13.5) 167 (12.2)

臨床上の有害事象 29† (4.6) 4 (3.3) 24 (3.9) 57 (4.1) 臨床検査の有害事象 2 (0.3) 0 3 (0.5) 5 (0.4) 効果不十分 3 (0.5) 2 (1.6) 9 (1.5) 14 (1.0)

患者の内訳

その他 34 (5.4) 10 (8.2) 47 (7.7) 91 (6.7)

来院せず 2 (0.3) 1 (0.8) 2 (0.3) 5 (0.4) その他‡ 4 (0.6) 0 (0.0) 10 (1.6) 14 (1.0) 転居 1 (0.2) 0 (0.0) 1 (0.2) 2 (0.1) 同意の撤回 14 (2.2) 5 (4.0) 16 (2.6) 35 (2.6) 治験実施計画書

からの逸脱 13 (2.5) 4 (3.3) 18 (2.9) 35 (2.6)

† 割付け前に発現した有害事象のため、割付け後に中止したモンテルカスト群の 1例(割付番号:51)を含む。

‡ その他の理由についてのデータは記録なし。 用量/ロット番号

治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。 観察期:プラセボ(L034*、 L035*) 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L032*)又はそのプラセボ(L034*)、セチリジン 10mgフィルムコーティング錠(L036*)又はそのプラセボ(L035*)

診断/選択基準 ・通年性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・通年性アレルギーの抗原の 1つに対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より

3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 46: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 329 -

概要(その 2)

評価基準 有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数

の平均)

副次評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、夜間鼻症状

点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、患者及び医師の印象

その他の評価項目:日中眼症状点数(流涙点数と眼のかゆみ点数の平均)、各日中鼻症状

点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数)、日中喉症状点数及び各

日中喉症状点数(鼻水が喉に落ちる/後鼻漏及び咳払い)、各夜間鼻症状点数(夜間鼻閉

点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数)、QOL総合点数及び QOLの各項目(日頃の活動、睡眠、鼻の症状、目の症状、目・鼻の諸症状以外、実生活上のわずらわしさ、感情)の点

数、通年性アレルギー性鼻炎質問票の総合点数及び各項目の点数、末梢血中好酸球数 探索的評価項目:服薬 24 時間後の鼻症状点数(鼻閉点数、鼻汁点数、鼻そう痒点数、くしゃみ点数の平均)

安全性

有害事象発現率。患者から報告されたよくみられる有害事象の発現率。

統計計画及び解析 有効性

主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目及び探索的評価項目について、治療期の

最初の 4週間及び全 6週間におけるベースラインからの変化量を解析に用いた。主要解析は、最初の 4週間に対して実施した。投与群(モンテルカスト群、セチリジン群及びプラセボ群)及び施設を因子、ベースラインの値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用い、統計的検定を実施した。群間比較は、ANCOVA モデルを用いた対比の検定により実施した。モンテルカスト群とプラセボ群との比較を主要な比較とした。本試験の完

了症例数をモンテルカスト群 500例、プラセボ群 500例と設定した。治療期の最初の 4週間の主要評価項目において、標準偏差を 0.51 と仮定し、モンテルカスト群とプラセボ群との差 0.10点を有意水準 5%(両側)、検出力 88%で検出する例数として設定した。 安全性

有害事象及び副作用(器官別及び特定の症状)、重篤な有害事象の発現率、有害事象によ

る中止率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。バイタルサイン及び臨床検査値の投与前値からの変動について、要約統計量を算出した。

結果

有効性 治療期の最初の 4週間(主要解析ポイント)において、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)の改善において数値的には上回っていたが、有意差はなかった(P = 0.150)。モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、副次評価項目である患者の印象を有意に改善した(P = 0.010)。副次評価項目である夜間鼻症状点数(P = 0.255)、総合鼻症状点数(P = 0.139)及び医師の印象(P = 0.289)については、モンテルカスト群とプラセボ群では有意差はなかった。PPS解析の結果は modified ITT解析の結果と概ね一致したが、PPS解析においては、日中鼻症状点数(主要評価項目、P = 0.083)及び夜間鼻症状点数(副次評価項目、P = 0.064)については改善傾向を示し、総合鼻症状点数(副次評価項目、P = 0.042)を有意に改善した。 治療期の最初の 4週間(主要解析ポイント)において、セチリジン群はプラセボ群と比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)を有意に改善した(P = 0.038)。セチリジン群はプラセボ群と比較して、副次評価項目である患者の印象を有意に改善し(P = 0.050)、副次評価項目である総合鼻症状点数については改善傾向を示した(P = 0.062)。副次評価項目である夜間鼻症状点数(P = 0.266)及び医師の印象(P = 0.293)については、セチリジン群とプラセボ群とで有意差はなかった。 治療期の全 6週間における結果は治療期の最初の 4週間の結果と類似していた。

Page 47: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 330 -

概要(その 3)

結果(続き)

日中鼻症状点数

治療期の最初の 4週間 (主要解析ポイント)

治療期の全 6週間 (副次解析ポイント)

ベースラインからの変化量 ベースラインからの変化量 投与群

N Mean LS Mean N Mean LS Mean モンテルカスト 10mg 626 -0.39 -0.39 626 -0.45 -0.46

セチリジン 10mg 120 -0.47 -0.45 120 -0.49 -0.48 プラセボ 609 -0.35 -0.36 609 -0.40 -0.41

投与群間の差 投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト 10mg-プラセボ -0.04 (-0.09, 0.01) 0.150 -0.05 (-0.10, 0.01) 0.086

セチリジン 10mg -プラセボ

-0.10 (-0.19, -0.01) 0.038 -0.07 (-0.17, 0.02) 0.133

モンテルカスト 10mg-セチリジン10mg

0.06 (-0.03, 0.15) - 0.03 (-0.07, 0.12) -

治療期の最初の 4週間における印象

患者の印象 医師の印象 スコア スコア 投与群

N Mean LS Mean N Mean LS Meanモンテルカスト

10mg 617 2.20 2.22 603 2.24 2.26

セチリジン 10mg 117 2.15 2.15 115 2.20 2.20 プラセボ 602 2.40 2.41 583 2.32 2.33

投与群間の差 投与群間の差 投与群間の比較

LS Mean 95%信頼区間 P値 LS Mean 95%信頼区間 P値 モンテルカスト

10mg-プラセボ -0.19 (-0.33, -0.05) 0.010 -0.07 (-0.21, 0.06) 0.289

セチリジン 10mg -プラセボ

-0.26 (-0.51, -0.00) 0.050 -0.13 (-0.37, 0.11) 0.293

モンテルカスト

10mg-セチリジン10mg

0.07 (-0.19, 0.32) - 0.05 (-0.18, 0.29) -

低スコアほど良い印象を表す。スコアは 0(大変良くなった)~6(大変悪くなった)。

Page 48: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 331 -

概要(その 4)

結果(続き)

安全性

有害事象は投与症例 1365例中 516例(37.8%)に発現した。臨床検査値の副作用を除き、各投与群の有害事象発現率は類似していた。モンテルカスト 10mg 群に発現した重篤な有害事象の詳細は概要(その 5)に示した。死亡例はなかった。

<臨床上の有害事象> モンテルカスト

10mg (N=630)

セチリジン 10mg

(N=122)

プラセボ (N=613)

n (%) n (%) n (%)有害事象発現例数 242 (38.4) 43 (35.2) 231 (37.7)有害事象なしの例数

388

(61.6)

79

(64.8)

382

(62.3)

副作用†発現例数 38 (6.0) 12 (9.8) 35 (5.7)

重篤な有害事象発現例数 2 (0.3) 0 0 3 (0.5)重篤な副作用

†発現例数 0 0 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 0 0 有害事象による中止例数 28‡ (4.4) 4 (3.3) 24 (3.9)副作用

†による中止例数 2 (0.3) 1 (0.8) 3 (0.5)

重篤な有害事象による中止例数 1 (0.2) 0 0 1 (0.2)重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0 0 0 0

<臨床検査の有害事象> (N=630) (N=122) (N=613) n (%) n (%) n (%)臨床検査実施例数 620 (98.4) 119 (97.5) 604 (98.5)有害事象発現例数 16 (2.6) 4 (3.4) 10 (1.7)有害事象なしの例数

604

(97.4)

115

(96.6)

594

(98.3)

副作用†発現例数 6 (1.0)§ 3 (2.5)§ 0 0

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 0 0 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 0 0 有害事象による中止例数 2 (0.3) 0 0 3 (0.5)副作用

†による中止例数 1 (0.2) 0 0 0 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 0 0 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

‡ モンテルカスト群の 1 例(割付番号 51)が、割付け前に発現した有害事象のため、割付け後に中止した。

§ モンテルカスト群-プラセボ群(群間差 1.0%、差の 95%信頼区間[0.1, 2.1])及びセチリジン群-プラセボ群(群間差 2.5%、差の 95%信頼区間[0.7, 7.2])との間に顕著な群間差が認められた。

結論

成人通年性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト 10mgの 1日 1回投与は、プラセボと比較して、4週間及び 6週間の治療期を通して、主要評価項目(日中鼻症状点数)について数値的に改善した。モンテ

ルカスト 10mgはプラセボと比較して、いくつかの副次評価項目を改善した。 2) セチリジン 10mgの 1日 1回投与は、プラセボと比較して、主要評価項目(日中鼻症状点数)について、4週間においては改善し、6週間においては数値的に改善した。セチリジン 10mgはプラセボと比較して、いくつかの副次評価項目を改善した。

3) モンテルカスト 10mgの忍容性は良好であった。セチリジン 10mgの忍容性も良好であった。

Page 49: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 332 -

概要(その 5)

重篤な有害事象の詳細(モンテルカスト 10mg 群)

割付 番号 性別 人種 年齢 発現日† 有害事象 持続期間 中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

52 男性 白人 15歳 2日 裂傷 45日 45日‡ 重度 なし 治験薬投与

中断 回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出) ‡患者は試験を完了した。

有害事象の詳細

割付番号 52、15歳男児。通年性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性結膜炎、頭痛の既往歴があった。二重盲検治療期間にモンテルカスト群に無作為割付された。無作為割付 2日後、魚釣りに出かけてナイフを落とし、そのナイフで右ふくらはぎを切った。救急治療室に来院した後、帰宅した。第 4日に腓骨神経の外科的修復のため入院し、本試験の治療を中断した。翌日、退院し、本試験の治療を再開した。裂傷は 44 日間持続し、その後回復した。無作為割付 15日後に嘔吐のエピソードが発現した。嘔吐は 12時間持続し、その後回復した。患者は試験を完了した。治験担当医師は、裂傷及び嘔吐の有害事象について、治験薬との因果関係は「なし」と判定し

た。

割付 番号 性別 人種 年齢 発現日† 有害事象 持続期間 中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

53‡ 女性 ヒスパニック

27歳 26日 妊娠 継続 26日 該当

なし

なし 治験薬投与

中止 未回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出) ‡データ固定後に受領した情報によれば、健康な三つ子の女児を出産し、合併症はなかった。

有害事象の詳細

割付番号 53、27歳女性。通年性アレルギー性鼻炎及び季節性アレルギー性鼻炎、季節性及び通年性アレルギー性結膜炎、副鼻腔炎、頭痛の既往歴があった。二重盲検治療期間にモンテルカスト群に無作為割付された。無

作為割付 26日後、患者は治験担当医師に妊娠したことを伝え、治験薬の投与を中止した。第 27日に、血清及び尿中 β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン検査が実施され、両検査とも陽性であった。患者は気分について「良好だが軽い悪心がある」と報告した。これは妊娠の典型的な症状である。その後、患者は三胎妊娠であることを報告し、

予防措置として絶対安静とされた。問題は報告されなかった。治験担当医師は、妊娠について、治験薬との因果

関係は「なし」と判定した。 追跡調査では、患者が帝王切開で健康な一卵性の三つ子女児を出産したことがわかった。報告によれば 3児とも退院後の状態は良好とのことである。

Page 50: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 333 -

2.7.6.13 第Ⅲ相試験-7(265 試験:5.3.5.1.12)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.12]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

通年性アレルギー性鼻炎患者におけるモンテルカストの有効性を検討するための多施設

共同二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較試験、265 試験:5.3.5.1.12。

治験責任医師/

治験実施施設

117施設(米国、カナダ及びヨーロッパの数ヵ国を含む 12ヵ国)

治験期間 20 年 10月 27日~翌年 5月 3日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:5~7日間、プラセボ投与。治療期:6週間 目的 主要目的:

1) 主要評価項目[日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点数の平均)]において、通年性アレルギー性鼻炎患者にモンテルカスト 10mg を 6 週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。

2) 通年性アレルギー性鼻炎患者に対する、モンテルカスト 10mg の忍容性プロファイルを検討する。

副次目的: 以下の副次評価項目において、通年性アレルギー性鼻炎患者にモンテルカスト 10mg を 6週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。 1) 患者の印象 2) QOL 総合点数[7 項目(日頃の活動、睡眠、目・鼻の諸症状以外、実生活上のわずらわしさ、鼻の症状、目の症状、感情)の平均]

治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、並行群間比較試験。観察期は単盲検、

プラセボ投与。治療期はモンテルカスト 10mg又はプラセボのいずれかを投与。社内盲験。通年性アレルギー性鼻炎患者を対象。 モンテルカスト

10mg プラセボ 合計

スクリーニング不適格症例 - - 1409 投与症例: 1002 990 1992

男性(年齢範囲) 358 (15~79) 358 (15~74) 716 (15~79)

女性(年齢範囲) 644 (15~81) 632 (15~79) 1276 (15~81)

完了症例 913 906 1819

中止症例: 89 84 173

臨床上の有害事象† 32 35 67

臨床検査の有害事象 0 0 0

その他 57 49 106

効果不十分 14 12 26

来院せず 3 4 7

その他‡ 5 6 11

同意の撤回 10 4 14

患者の内訳

治験実施計画書からの逸脱

25 23 48

† 割付け前に発現した臨床上の有害事象のため、割付け後に中止した 3 例(モンテルカスト群-割付番号 54及び 55、プラセボ群-割付番号 56)を含む。

‡ その他の理由についてのデータは記録なし。 用量/ロット番号

治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。 観察期:プラセボ(L034*) 治療期:モンテルカスト10mgフィルムコーティング錠(L037*)又はそのプラセボ(L034*)

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 51: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 334 -

概要(その 2)

診断/選択基準 ・通年性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。・通年性アレルギーの抗原の 2つ以上に対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の日中鼻症状点数が規定値以上の患者。

評価基準 有効性

主要評価項目:日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点数の平均)

副次評価項目:患者の印象、QOL 総合点数(日頃の活動、睡眠、目・鼻の諸症状以外、実生活上のわずらわしさ、鼻の症状、目の症状、感情の平均)

その他の評価項目:服薬 24 時間後の鼻症状点数(鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点数の平均)、夜間鼻症状点数(夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数の平均)、総合鼻

症状点数(日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数の平均)、日中鼻症状点数と鼻そう痒点数の

合計、服薬 24時間後の鼻症状点数と鼻そう痒点数の合計、各日中鼻症状点数、服薬 24時間後の各鼻症状点数(鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点数、鼻そう痒点数)、各夜間鼻症

状点数及び QOLの各項目 安全性

有害事象発現率。患者から報告されたよくみられる有害事象の発現率。

統計計画及び解析 有効性

主要評価項目及び日記のデータをもとにしたその他のすべての評価項目については、治

療期の全 6 週間におけるベースラインからの変化量を解析に用いた。投与群及び施設を因子、ベースラインの値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用い、統計的検定を実施した。群間比較は、このモデルに基づく両側 F 検定により行った。主要評価項目において群間差-0.075点を有意水準 5%(SD=0.46)、検出力 90%で検出する症例数として、各投与群の症例数を 800例と設定した。QOLに基づく評価項目については、主要評価項目の解析と同様のモデルを用い、治療期の全 6 週間におけるベースラインからの変化量を解析に用いた。患者の印象については、投与群及び施設を因子とする分散分析

(ANOVA)モデルを用い、6週時の値を解析に用いた。 安全性

有害事象、副作用(MedDRAの器官別大分類及び基本語として定義)、重篤な有害事象の各発現率、有害事象による中止率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。

結果

有効性

主要な有効性の結果を以下に示す。

日中鼻症状点数及び各日中鼻症状点数 ベースラインからの変化量

モンテルカスト 10mg プラセボ 投与群間の差 点数 N Mean (SD) N Mean (SD) LS Mean 95%信頼区間

日中鼻症状点数 1000 -0.42 (0.51) 980 -0.35 (0.48) -0.08 (-0.12, -0.04) ***日中鼻閉点数 1000 -0.38 (0.58) 980 -0.34 (0.53) -0.05 (-0.09, -0.00) * 鼻汁点数 1000 -0.44 (0.63) 980 -0.37 (0.60) -0.08 (-0.13, -0.03) ***くしゃみ点数 1000 -0.44 (0.63) 980 -0.33 (0.62) -0.10 (-0.15, -0.05) ***

*:P < 0.050、***:P < 0.001

患者の印象 モンテルカスト 10mg プラセボ 投与群間の差

点数 N Mean (SD) N Mean (SD) LS Mean 95%信頼区間 患者の印象 977 2.28 (1.29) 969 2.44 (1.29) -0.15 (-0.27, -0.04) **

**:P < 0.010

QOL ベースラインからの変化量

モンテルカスト 10mg プラセボ 投与群間の差 点数 N Mean (SD) N Mean (SD) LS Mean 95%信頼区間

総合点数 977 -0.81 (1.14) 969 -0.68 (1.14) -0.15 (-0.24, -0.06) ******:P < 0.001

Page 52: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 335 -

概要(その 3)

結果(続き) 安全性

有害事象は投与症例 1992例中 557例(28.0%)に発現した。両投与群の有害事象発現率は類似していた。モンテルカスト群に発現した重篤な有害事象の詳細を概要(その 4~6)

に示した。死亡例はなかった。

モンテルカスト (N=1002)

プラセボ (N=990) <臨床上の有害事象>

n (%) n (%) 有害事象発現例数 269 (26.8) 288 (29.1) 有害事象なしの例数 733 (73.2) 702 (70.9) 副作用

†発現例数

37

( 3.7)

44

( 4.4)

重篤な有害事象発現例数 4 ( 0.4) 1 ( 0.1) 重篤な副作用

†発現例数 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 30‡ ( 3.0) 34‡ ( 3.4) 副作用

†による中止例数 2 ( 0.2) 6 ( 0.6)

重篤な有害事象による中止例数 1 ( 0.1) 1 ( 0.1) 重篤な副作用

†による中止例数 0 0 0 0

† 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。

‡ 3例(モンテルカスト群-割付番号 54 及び 55、プラセボ群-割付番号 56)は、割付け前に発現した有害事象のため、割付け後に中止した。

結論

成人通年性アレルギー性鼻炎患者において、 1) モンテルカスト 10mgの 1日 1回 6週間投与は、プラセボと比較して、主要評価項目[日中鼻症状点数(日中鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点数の平均)]を改善した。

2) モンテルカスト 10mgの 1日 1回 6週間投与は、プラセボと比較して、副次評価項目(患者の印象及び QOL総合点数)に基づくと、患者が自覚するアレルギー性鼻炎を改善した。

3) モンテルカスト 10mgの 1日 1回 6週間投与の忍容性は良好であり、安全性プロファイルはプラセボと類似していた。

Page 53: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 336 -

概要(その 4)

重篤な有害事象の詳細(モンテルカスト 10mg 群)

割付 番号 性別 人種 年齢 治療

1日 投与

量 発現日† 有害事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

57 女性 黒人 31歳 モンテルカス

ト休薬 5日間

- 43日 脱水 4日 38日 重度 なし 治験薬に 対する処置

なし

回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 併発疾患:アレルギー性結膜炎、胃食道逆流、季節性アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎に伴う頭痛 既往歴:生児出産、妊娠中絶(選択的) 叙述: 治験担当医師から受領した情報。アレルギー性結膜炎、胃食道逆流、副鼻腔炎に伴う頭痛、季節性アレルギー

性鼻炎が発現した 31歳女性。3回の妊娠歴あり(2回は生児出産、1回は選択的妊娠中絶)。20 年 月 日、標記の試験に参加。試験参加後 10日目、「正常な」月経があった。試験参加時、治験実施計画書に従った試験前の尿妊娠反応検査は陰性であった。試験参加後 19日目、本試験のプラセボ投与導入期間(run-in phase)に参加。試験参加翌月(詳細な日付は報告されていない)、月経時小出血があった。試験参加後 25日目、患者は試験の導入期間を完了した。試験参加後 26 日目、通年性アレルギー性鼻炎の治療のため、モンテルカストナトリウム錠(1日 1回 10mg)又はプラセボのいずれかの投与に無作為に割り付けられた。割付後 35日目、嘔吐が出現した。報告した治験担当医師は、この嘔吐について、重篤ではなく、治験薬との因果関係は「なし」と判定した。割付

後 36日目、患者は妊娠検査を受け(種類は不明)、陽性であった。割付後 37日目、治験実施計画書に従って、妊娠反応陽性を理由に治験薬の投与を中止した。投与中止後 5日目、患者は重度の間欠的嘔吐のため入院した。脱水と診断され、投与中止後 5日目~投与中止後 8日目に静脈内輸液治療が行われた。患者は脱水から回復し、投与中止後 8日目に退院した。投与中止後 9日目、妊婦用ビタミン剤( )の服用を開始した。投与中止後 11日目、さらに 2回の妊娠検査(尿検査及び血清検査)が行われ、いずれも陽性であった。その後、患者は試験を中止した。出産予定日は投与中止後 227日目であった。報告した治験担当医師は、妊娠及び脱水について、治験薬との因果関係は「なし」と判定した。投与中止後 34 日目、産婦人科の予約のため来院し、経膣超音波検査を受けた。超音波検査結果は正常であり、妊娠 12 週であることが判明した。患者は妊婦用ビタミン剤の服用を継続するよう指導された。 投与中止後 76日目に受領した追跡調査情報では、投与中止後 69日目に子宮超音波検査を受けたとのことであった。結果は正常であり、患者には胎児が女児であることが告げられた。この時点で患者は妊娠 18週であった。患者は妊婦用ビタミン剤の服用を継続し、状態は良好であった。 投与中止後 104日目に受領した追跡調査情報。投与中止後 95日目、患者は産科を受診し、「すべて順調」であった。患者は妊娠 22週であり、妊婦用ビタミン剤の服用を継続していた。 投与中止後 111日目、本患者の記録の盲検性が解除された。患者はモンテルカストナトリウム 10mg錠(就寝

時 10 mg)群であった。 投与中止後 137日目に受領した追跡調査情報。投与中止後 4ヵ月目、膣小出血があった。投与中止後 123日目、産科を受診。このとき、通常のブドウ糖負荷試験を受け、結果は正常であった。胎盤の検査のため超音波検査を

受け、結果は正常であった。患者は妊婦用ビタミン剤の服用を継続していた。投与中止後 131日目、片頭痛に対し、アセトアミノフェン( )1000mg 1日 4回投与が開始された。この片頭痛は妊娠の合併症とは考えられなかった。投与中止後 137日目、患者は妊娠 27週であり、膣小出血は持続していた。

日数の記載は新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 54: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 337 -

概要(その 5)

重篤な有害事象の詳細(モンテルカスト 10mg 群) 割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との 因果関係 処置 転帰

58 女性 黒人 72歳 モンテルカス

ト休薬 1日間

- 6日 不安障害 3日 28日 中等度 たぶんなし 治験薬に 対する処置

なし

回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 併発疾患:不安、関節炎、背部痛、アレルギー性結膜炎、高血圧、失禁、不眠症、季節性アレルギー性鼻炎、薬

物特異的アレルギー 既往歴:子宮摘出、肩回旋筋腱板修復 叙述: 治験担当医師から受領した情報。失禁(試験参加約 4年前*)、高血圧、不眠症(試験参加約 1年前*)、不安(試験参加約 1年前*)、季節性アレルギー性鼻炎(試験参加約 8年前*)、アレルギー性結膜炎(試験参加約 8年前*)、コデインアレルギー(試験参加約 13年前*)、関節炎/背部痛(試験参加約 27年前*)が発現した 72歳女性。左肩回旋筋腱板修復(試験参加約 6年前*)及び子宮摘出(試験参加約 27年前*)の既往歴あり。標記の試験に参加。20 年 月 日、通年性アレルギー性鼻炎の治療のため、モンテルカスト 10mg 錠(就寝時 10mg)又はプラセボのいずれかの投与に割り付けられた。併用療法は、酒石酸トルテロジン( )、アスピリン、アテノロール、temazepam( )であった。割付後 5 日目、心筋梗塞の疑いを除外するための心臓の検査/評価を目的に入院した。検査結果はすべて陰性であり、心筋梗塞の疑いは除外された。割付後 5日目日と割付後 6日目、患者は治験薬の服用を行わず、割付後 7日目日に治験薬の服用を再開した。割付後 7日目、不安及び極度の消耗と診断され退院した。その後、患者は不安及び極度の消耗から回復した。治験薬の投与は継続された。

治験責任医師は、不安及び極度の消耗について、治験薬との因果関係は「たぶんなし」と判定した。 追跡調査において、医師はこの診断について、不安と極度の消耗を合併した徴候であると判断した。 割付後 176日目、本患者の記録の盲検性が解除された。患者はモンテルカストナトリウム 10mg錠(就寝時 10mg)群であった。

割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との

因果関係 処置 転帰

59 男性 白人 21歳 モンテルカスト

10 mg 20日 関節損傷 5日 47日 中等度 なし 治験薬に

対する処置

なし

回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 併発疾患:喘息、アレルギー性結膜炎、膝損傷 叙述: 治験担当医師から受領した情報。喘息、アレルギー性結膜炎、膝損傷が発現した 22 歳男性。標記の試験に参

加。20 年 月 日、アレルギー性鼻炎の治療のため、モンテルカストナトリウム 10mg錠(1日 1回)又はプラセボのいずれかに割り付けられた。併用療法はアルブテロールであった。投与開始 3ヵ月前、膝を負傷し、それ以来膝関節の不快感があった。割付後 26日目、先在する膝関節損傷が悪化した。割付後 27日目、患者は入院し、同日、関節鏡検査が実施された。盲検下投与は継続され、NSAID 療法が 2 日間行われた。その後、患者は膝関節損傷の悪化から回復し、割付後 30 日目に退院した。報告した治験担当医師は、膝関節外傷の悪化について、治験薬との因果関係は「なし」と判定した。割付後 114日目、本患者の記録の盲検性が解除された。患者はモンテルカストナトリウム 10mg群であった。

日数の記載は新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 55: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 338 -

概要(その 6)

重篤な有害事象の詳細(モンテルカスト 10mg 群) 割付 番号 性別 人種 年齢 治療 1日

投与量 発現日† 有害事象

持続

期間中止日† 重症度

治験薬との 因果関係 処置 転帰

60 女性 白人 51歳 モンテルカス

ト休薬 1日間

- 7日 喘息 2日 6日 重度 たぶんなし 併用療法 中止

回復

†治験薬投与開始日からの日数(投与開始日を 1として算出)

重篤な有害事象の詳細 併発疾患:更年期不快感、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、甲状腺腫、裂孔ヘルニア、高血圧 既往歴:虫垂切除、子宮頚部切除、人工股関節挿入、椎間板手術、鼻ポリープ切除、扁桃摘出 叙述: 治験担当医師から受領した情報。裂孔ヘルニア、高血圧、甲状腺腫、更年期不快感、アレルギー性結膜炎、ア

トピー性皮膚炎が発現した 51 歳女性。鼻ポリープ切除、椎間板手術、人工股関節挿入、子宮頚部切除、虫垂切除、扁桃摘出の既往歴あり。標記の試験に参加。

20 年 月 日、通年性アレルギー性鼻炎の治療のため、モンテルカスト 10 mg錠(1日 1回 10 mg)又はプラセボのいずれかに割り付けられた。併用療法は、レボチロキシンナトリウム・ヨウ化カリウム配合剤

( )、HCTZ/トリアムテレン( )、エストラジオール( )、pantoprazole sodium( )であった。 割付後 6日目、アレルギー性喘息が発現し、同日入院した。同日、治験薬の投与を中断した。また、慢性気管支炎及び慢性副鼻腔肺症候群(sinopulmonary syndrom)(いずれも重篤でない有害事象と判定)と診断された。その後、患者は回復した。治験薬の投与再開についての情報は得られなかった。 投与中止後 1日目、患者は退院した。 報告した治験担当医師は、アレルギー性喘息について、治験薬との因果関係は「たぶんなし」と判定した。

投与中止後 99日目、本患者の記録の盲検性が解除された。患者はモンテルカスト 10 mg群(10 mg 1日 1回就寝時)であった。

日数の記載は新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 56: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 339 -

2.7.6.14 第Ⅲ相試験-8(269 試験:5.3.5.1.13)[外国試験]

治験総括報告書[5.3.5.1.13]の概要を以下に示す。

概要(その 1)

治験実施計画書の

標題/番号

季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者におけるモンテルカストのアレルギ

ー性鼻炎に対する有効性を検討するための多施設共同二重盲検無作為化試験、269 試験:

5.3.5.1.13。

治験責任医師/

治験実施施設

フランス、イタリア及び米国の 51施設

治験期間 20 年 3月 26日~同年 10月 20日。データ固定日は 20 年 月 日。治験完了。 開発のフェーズ 第Ⅲ相臨床試験 投与期間 観察期:3~5日間、プラセボ投与。治療期:2週間。 目的 主要目的:

1) 主要評価項目(総合鼻症状点数)において、季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者にモンテルカスト 10mg を 2 週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。

2) 季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者に対するモンテルカストの安全性及び忍容性プロファイルを検討する。

副次目的: 副次評価項目(QOL総合点数、アレルギー性鼻炎症状に対する患者の印象及び医師の印象)において、季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者にモンテルカス

トを 2週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。 その他の目的: その他の評価項目において、季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者にモ

ンテルカストを 2週間投与したときの有効性をプラセボと比較する。 治験デザイン 多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験。観察期は単盲検、プラセボ投与。

治療期はモンテルカスト 10mg又はプラセボ投与。社内盲験。季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する患者を対象。

モンテルカスト

10mg プラセボ 合計

投与症例:合計 415 416 831 男性(年齢範囲) 150 (15~78) 147 (15~69) 297 (15~78)

女性(年齢範囲) 265 (15~73) 269 (15~80) 534 (15~80) スクリーニング不適格症例 - - 424 完了症例 400 399 799 中止症例:合計 15 17 32 臨床上の有害事象 2 4 6 効果不十分 3 3 6 来院せず 1 2 3 同意撤回 3 1 4 治験実施計画書からの逸脱 4 6 10

患者の内訳

その他† 2 1 3 † その他の理由についてのデータは記録なし。 用量/ロット番号

治験薬は 1日 1回就寝前に投与した。 観察期:プラセボ(L034*、L038*) 治療期:モンテルカスト 10mg フィルムコーティング錠(L039*)又はそのプラセボ(L038*)

診断/選択基準 ・治験実施期間中に症状が増悪する季節性アレルギー性鼻炎の罹病歴が 2 年以上の非喫煙患者(年齢 15~85歳の男女)。 ・治験実施期間に飛散する抗原の 3つ以上に対する皮膚テストが陽性の患者(生理食塩液対照より 3mm以上大きい膨疹)。 ・観察期の総合鼻症状点数が規定値以上の患者。 ・慢性喘息の罹病歴が 1年以上の患者(あらかじめ規定した活動性喘息の基準 4項目のうち 1項目以上に合致する患者)。

*:新薬承認情報提供時に置き換えた。

Page 57: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 340 -

概要(その 2)

診断/選択基準

(続き)

・低用量かつ一定用量の吸入副腎皮質ステロイド薬使用患者の組入れは可能とした。

評価基準

有効性

主要評価項目:総合鼻症状点数(日中鼻症状点数[日中鼻閉点数、鼻汁点数、くしゃみ点

数、鼻そう痒点数の平均]と夜間鼻症状点数[夜間鼻閉点数、入眠困難点数、夜間覚醒点数

の平均]の平均)。日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数は主要評価項目の構成項目として個々

に評価された。

副次評価項目:QOL総合点数、アレルギー性鼻炎症状に対する患者及び医師の印象 その他の評価項目:日中鼻症状点数と夜間鼻症状点数を構成する各項目の点数、日中眼症

状点数及び各日中眼症状点数(流涙点数、眼のかゆみ点数、眼の充血点数、眼瞼腫脹点数)、

QOLの各項目点数、喘息症状に対する患者及び医師の印象 探索的評価項目:短時間作用型β刺激薬の 1日平均吸入回数、短時間作用型β刺激薬吸入を行わなかった日の割合

統計計画及び解析 有効性 日記より得られた評価項目及び QOL については、ベースラインからの変化量を解析に用いた。患者及び医師の印象については、治療期のデータを解析に用いた。群間比較には、投与群、施設、観察期の吸入副腎皮質ステロイド薬の使用有無及び季節を因子とし、ベースラインの値を共変量とする(患者及び医師の印象を除く)共分散分析(ANCOVA)モデルを用いた。群間差及び 95%信頼区間の推定値は、最小二乗平均を用いて算出した。modified ITT 解析の対象集団を主要解析集団とした。総合鼻症状点数の差 -0.11 点(SD=0.46)を検出力 90%で検出する例数として、本試験の完了症例数を各群 380例と設定した。 安全性 有害事象及び副作用(器官別分類及び各投与群において発現率が 2%以上の有害事象)、重篤な有害事象、有害事象による中止の各発現率に関して、群間差の 95%信頼区間を算出した。

結果

有効性

2週間の投与期間にわたり、モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、主要評価項目の総合鼻症状点数(P < 0.001)及びそれを構成する主要な 2つの評価項目[日中鼻症状点数(P < 0.001)及び夜間鼻症状点数(P < 0.001)]を有意に改善した。モンテルカスト群は、副次評価項目の 3項目[QOL総合点数(P = 0.002)、アレルギー性鼻炎症状に対する患者の印象(P < 0.001)及びアレルギー性鼻炎症状に対する医師の印象(P < 0.001)]についても有意に改善した。モンテルカスト群はプラセボ群と比較して、その他の評価項目の大

部分、特に喘息症状に対する患者の印象(P = 0.008)及び喘息症状に対する医師の印象(P = 0.037)についても有意に改善した。本治験参加時に一定量の吸入副腎皮質ステロイド薬を使用していた患者についてサブグループ解析を行った結果、モンテルカスト群はプラセ

ボ群と比較して、総合鼻症状を有意に改善することが示された[差の最小二乗平均及び

95%信頼区間は-0.16(-0.26, -0.05)]。

Page 58: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 341 -

概要(その 3)

結果(続き)

2 週間の投与期間におけるベースラインからの平均変化量、

投与群間の差と 95%信頼区間及び P値 (Modified ITT 解析) 投与群 投与群間の比較

モンテルカスト プラセボ モンテルカスト-プラセボ N Mean N Mean LS Mean 95%信頼区間 P値

主要評価項目及び主要な 2つの評価項目 総合鼻症状点数 412 -0.35 413 -0.24 -0.12 (-0.18, -0.06) < 0.001日中鼻症状点数 412 -0.42 413 -0.29 -0.14 (-0.21, -0.07) < 0.001夜間鼻症状点数 412 -0.28 413 -0.20 -0.10 (-0.16, -0.04) < 0.001副次評価項目 QOL総合点数 403 -0.73 398 -0.55 -0.22 (-0.36, -0.08) 0.002 アレルギー性鼻炎症状に対する患者の印象

412 2.39 406 2.77 -0.36 (-0.57, -0.15) < 0.001

アレルギー性鼻炎症状に対する医師の印象

413 2.41 411 2.76 -0.33 (-0.53, -0.14) < 0.001

その他の評価項目(抜粋) 日中眼症状点数 412 -0.29 413 -0.24 -0.08 (-0.15, -0.01) 0.024 喘息症状に対する患者の印象

† 412 2.28 408 2.52 -0.24 (-0.41, -0.06) 0.008

喘息症状に対する医師の印象

† 411 2.34 411 2.52 -0.17 (-0.33, -0.01) 0.037 † 結果は治療期のデータを示す(印象の評価項目はベースラインの値なし)。 安全性

<臨床上の有害事象†>

モンテルカスト

10mg (N=415)

プラセボ (N=416)

n (%) n (%) 有害事象発現例数 49 (11.8) 54 (13.0) 有害事象なしの例数

366

(88.2) 362

(87.0)

副作用‡発現例数 5 (1.2) 13 (3.1)

重篤な有害事象発現例数 0 0 0 0 重篤な副作用

‡発現例数 0 0 0 0

死亡例数 0 0 0 0 有害事象による中止例数 2 (0.5) 4 (1.0) 副作用

‡による中止例数 1 (0.2) 0 0

重篤な有害事象による中止例数 0 0 0 0 重篤な副作用

‡による中止例数 0 0 0 0

† 本治験では臨床検査の有害事象は報告されなかった。

‡ 因果関係あり、たぶんあり、否定できない。 結論 季節性アレルギー性鼻炎及び慢性喘息を有する成人患者において、

1) モンテルカスト 10mg はプラセボと比較して、主要評価項目(総合鼻症状点数)及びそれを構成する主要な 2つの評価項目(日中鼻症状点数及び夜間鼻症状点数)を改善した。

2) モンテルカスト 10mgはプラセボと比較して、副次評価項目の 3項目(QOL総合点数、アレルギー性鼻炎症状に対する患者の印象及びアレルギー性鼻炎症状に対する医師の

印象)を改善した。 3) モンテルカスト 10mg はプラセボと比較して、喘息症状に対する患者の印象及び喘息症状に対する医師の印象を含めたその他の評価項目を改善した。

4) モンテルカスト 10mgの忍容性は良好であった。

Page 59: 2.7.6.3 長期投与試験(D601試験:5.3.5.2.1)...L005* 20 年 月 投与期間 観察期:4 日間、治療期:12 週間 併用薬及び療法 併用禁止薬 症状観察期及び治療期を通じて以下の薬剤は使用禁止とした。

2.7 臨床概要 - 342 -