2.7.3 および 2.7.4 の略号等一覧 - 医薬品医療機器総合機構...2.7.3....

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2.7.3 および 2.7.4 の略号等一覧 略号(略称) 内容 ACQ Asthma Contorol Questionnaire、喘息コントロール質問票 ACQ7 Asthma Contorol Questionnaire (7 items) ACT 喘息コントロールテスト ALP アルカリホスファターゼ ALT アラニン・アミノトランスフェラーゼ ANCOVA 共分散分析 AQLQ Asthma Quality of Life Questionnaire AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC 血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC 0-24 投与後 0 時間から 24 時間までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC 0-t 投与後 0 時間から最終測定時点までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC 0-t' 被験者ごとの共通の最終測定時点までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AV 房室 BD 1 2 BMI ボディマス指数 C 皮質混濁 C/D 水平陥凹乳頭径比 CI 信頼区間 C max 最高血漿(血清)中濃度 COPD 慢性閉塞性肺疾患 CRF 症例報告書 CRQ-SAS Chronic Respiratory Questionnaire Self-Administered Standardized CSR 総括報告書 CT コンピュータ断層撮影 CTX 骨コラーゲン架橋 C-テロペプチド CV 変動係数 CVR 心血管系疾患の既往歴/リスク因子 CYP3A4 チトクローム P450 3A4 DB 二重盲検 EAR 即時型喘息反応 eCRF 電子症例報告書 EMA 欧州医薬品庁 EQ-5D European Quality of Life Questionnaire 5 dimensions ERS 欧州呼吸器学会 ESA Ethnic Sensitivity Assessment EU 欧州連合 FDA 米国食品医薬品局 FEV 1 1 秒量 FF フルチカゾンフランカルボン酸エステル FP フルチカゾンプロピオン酸エステル FSC FP/SALM FVC 努力性肺活量 GCP 医薬品の臨床試験の実施の基準 GINA 喘息管理国際指針 GOLD Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease GSK GlaxoSmithKline GW642444H ビランテロール α-フェニルケイ皮酸塩 GW642444M ビランテロールトリフェニル酢酸塩 HARP Harmonisation for Analysis and Reporting Program HCG ヒト絨毛性ゴナドトロピン HPA-axis 視床下部-下垂体-副腎皮質系 Sep 10 2012 20:28:04

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  • 2.7.3 および 2.7.4 の略号等一覧 略号(略称) 内容

    ACQ Asthma Contorol Questionnaire、喘息コントロール質問票 ACQ7 Asthma Contorol Questionnaire (7 items) ACT 喘息コントロールテスト ALP アルカリホスファターゼ ALT アラニン・アミノトランスフェラーゼ ANCOVA 共分散分析 AQLQ Asthma Quality of Life Questionnaire AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC 血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC0-24 投与後 0 時間から 24 時間までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC0-t 投与後 0 時間から最終測定時点までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AUC0-t' 被験者ごとの共通の最終測定時点までの血漿(血清)中濃度-時間曲線下面積 AV 房室 BD 1 日 2 回 BMI ボディマス指数 C 皮質混濁 C/D 比 水平陥凹乳頭径比 CI 信頼区間 Cmax 最高血漿(血清)中濃度 COPD 慢性閉塞性肺疾患 CRF 症例報告書 CRQ-SAS Chronic Respiratory Questionnaire Self-Administered Standardized CSR 総括報告書 CT コンピュータ断層撮影 CTX 骨コラーゲン架橋 C-テロペプチド CV 変動係数 CVR 心血管系疾患の既往歴/リスク因子 CYP3A4 チトクローム P450 3A4 DB 二重盲検 EAR 即時型喘息反応 eCRF 電子症例報告書 EMA 欧州医薬品庁 EQ-5D European Quality of Life Questionnaire 5 dimensions ERS 欧州呼吸器学会 ESA Ethnic Sensitivity Assessment EU 欧州連合 FDA 米国食品医薬品局 FEV1 1 秒量 FF フルチカゾンフランカルボン酸エステル FP フルチカゾンプロピオン酸エステル FSC FP/SALM FVC 努力性肺活量 GCP 医薬品の臨床試験の実施の基準 GINA 喘息管理国際指針 GOLD Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease GSK GlaxoSmithKline GW642444H ビランテロール α-フェニルケイ皮酸塩 GW642444M ビランテロールトリフェニル酢酸塩 HARP Harmonisation for Analysis and Reporting Program HCG ヒト絨毛性ゴナドトロピン HPA-axis 視床下部-下垂体-副腎皮質系

    Sep 10 2012 20:28:04

  • 略号(略称) 内容 HR ハザード比 IC 最大吸気量 ICH 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 ICS 吸入ステロイド薬 IDMC 独立データモニタリング委員会 IH 吸入投与 IN 点鼻投与 INR 国際標準比 IOP 眼圧 ISE Integrated Summary of Efficacy ISS Integrated Summary of Safety ITT Intent-to-Treat IU 国際単位 IV 静脈内投与 IVRS 電話による音声応答登録システム JGL Asthma 喘息予防・管理ガイドライン JGL COPD COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン JS Japan Safety Analysis population LABA 長時間作用性 β2刺激薬 LLN 基準値下限 LOCF Last Observation Carried Forward LOCSⅢ 水晶体混濁分類Ⅲ LogMAR 最小の視角の常用対数 LRTI 下気道感染 LS 最小二乗 MCHC 平均赤血球血色素濃度 MCID 臨床的に意義のある最小差 MedDRA ICH 国際医薬用語集 mMRC 英国医学研究協議会の呼吸困難評価指標 MMRM 反復測定混合モデル MRI 核磁気共鳴画像法 NA 該当なし NC 核の色調 NC 算出せず NDPI 新規ドライパウダー吸入器 NHANES 米国健康栄養試験調査 NHLBI 米国心臓・肺・血液研究所 NIH 米国国立衛生研究所 NO 核混濁 OCS 経口ステロイド薬 OD 1 日 1 回 OR オッズ比 P 後嚢下混濁 Pack-years 喫煙量の単位。1 pack-years は 1 日 1 箱(20 本)を 1 年間続けた状態を指す。 PC20 1 秒量(FEV1)をベースラインから 20%低下させる誘発濃度 PCI 臨床的に重要と考えられる PCR ポリメラーゼ連鎖反応 PD 薬力学 PEF 最大呼気流量 PG 並行群間 PK 薬物動態 PP Per-protocol

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  • 略号(略称) 内容 PPK 母集団薬物動態 PT 基本語 QOL 生活の質 QTc(B) Bazett 式で補正した QT 間隔 QTc(F) Fridericia 式で補正した QT 間隔 RAP 解析計画書 RITT Reduced Intent-to-Treat RNA リボ核酸 SABA 短時間作用性 β2刺激薬 SALM サルメテロール SC 血清コルチゾール SD 標準偏差 SDAP Summary Document Analysis Plan SE 標準誤差 SGRQ-C St. George's Respiratory Questionnaire-COPD SMQ 標準検索式 SOC 器官別大分類 SP Safety Population tmax 最高血漿(血清)中濃度到達時間 UC 尿中コルチゾール ULN 基準値上限 V1/F 中央コンパートメントの分布容積 VE 異所性心室興奮 VI ビランテロールトリフェニル酢酸塩 γ-GTP γグルタミルトランスペプチダーゼ

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  • 2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3.1. 背景および臨床的有効性の概観

    2.7.3.1.1. 喘息 喘息は、気管支収縮、気道炎症および気道過敏性の亢進の結果から生じる、喘鳴、胸部絞

    扼感、咳嗽および息切れを特徴とする慢性炎症性疾患である[GINA, 2011]。喘息は世界的な問題であり、推定患者数は 3 億人である。[Masoli, 2004; Beasley, 2004]。喘息治療のゴールは、喘息のコントロールの達成および維持することであり、将来的な増悪のリスクを減らすこと

    である。

    2.7.3.1.2. 喘息の治療 吸入ステロイド薬(ICS)は、すべての重症度の持続型喘息に対してもっとも有効な抗炎症薬と考えられている[GINA, 2011; JGL Asthma, 2009]。ICS のベネフィットは、喘息症状のコントロール、肺機能の改善、気道過敏性亢進の抑制、それにおそらくは気管壁のリモデリ

    ングの抑制である[Pedersen, 1997; Fanta, 2009]。現在上市されている ICS にはフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)およびブデソニドなどがある。 喘息管理国際指針(GINA)によって発行された国際的なガイドラインおよび本邦の喘息予防・管理ガイドライン(JGL Asthma)では、低用量から中用量の ICS では症状が消失しない患者に対する喘息の維持療法として、吸入の長時間作用性 β2刺激薬(LABA)と ICS の併用が提唱されている[GINA, 2011; JGL Asthma, 2009]。ICS 単剤よりも ICS と LABA の併用療法の方が、喘息コントロールが良好であることが臨床試験によって確認されている

    [Ducharme, 2010]。

    2.7.3.1.3. FF/VI の臨床開発プログラム

    2.7.3.1.3.1. FF/VI の開発の経緯 ICS であるフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF:GW685698)および LABA であるビランテロールトリフェニル酢酸塩(VI:GW642444M)は、それぞれ ICS/LABA 配合剤である FF/VI の配合成分である。FF/VI は、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療を適応とし、新規ドライパウダー吸入器(NDPI)を介して 1 日 1 回投与する吸入用散剤として開発された。 現在上市されている ICS/LABA 配合剤の用法は 1 日 2 回投与である。1 日 1 回投与(OD)の用法は、1 日 2 回投与(BD)より服薬遵守状況が良好であることが示されている[Price, 2010; Toy, 2011]。このように、ICS/LABA 配合剤の 1 日 1 回投与は服薬遵守を改善させ、結果として病状の管理全般が改善する可能性がある。 FF は、成人および 2 歳以上の小児の季節性および通年性アレルギー性鼻炎治療の点鼻薬として世界 108 ヵ国(本承認申請時)で販売されており、本邦では成人のアレルギー性鼻炎治療の点鼻薬としてアラミスト®という販売名で市販されている。本承認申請時において、

    本配合剤の成分(FF、VI)はいずれも経口吸入薬としては世界のどの地域でも承認を受けておらず、いずれの国においても上市されていない。

    2.7.3. 臨床的有効性

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  • 2.7.3.1.3.2. 喘息治療における臨床開発プログラム 本承認申請における喘息治療を適応とした FF/VI の有効性は、本邦から参加した国際共同試験を含む海外の臨床開発プログラムの試験成績を用いて評価する。 海外の喘息治療における FF/VI の臨床開発プログラムは、配合剤の有効性を評価するとともに、配合剤における FF および VI の寄与について実証することを目的とした。肺機能に加え症状指標への効果についても検討された。 配合成分である FF および VI の作用機序は異なるものの相補的であり、VI は気管支拡張剤であるのに対し、FF は抗炎症薬である。この様に配合成分の作用機序が異なることから、臨床試験プログラムで評価されたすべての評価項目について、必ずしも FF/VI が両配合成分に対して優越性を示すとは限らなかった。 海外の臨床開発プログラムは、ICS 単剤または低用量から中用量の ICS/LABA 治療でコントロール不良な 12 歳以上の青少年および成人の持続性喘息に対する 1 日 1 回の長期治療のために FF/VI の使用を検討している。短時間作用性 β2刺激薬(SABA)の頓用または低用量の ICS 単剤でコントロール可能な喘息患者は、計画の対象から除外した。FF/VI の臨床開発プログラムに使用する FF および VI の用量は、それぞれの配合成分の後期第Ⅱ相試験の成績に基づき選択された。FF/VI を対象とした試験に加え、FF と VI の各配合成分について行われた試験がサポートデータとして提供されている。 海外の喘息治療を適応とした臨床開発プログラムには、完了した 16 試験(第Ⅲ相:7 試験、第Ⅱ相:9 試験)の有効性データが含まれる。第Ⅲ相の 7 試験のうち、本邦から参加した国際共同試験は 3 試験(HZA106837、HZA106827 および HZA106829 試験)である。海外の臨床開発プログラムの試験成績を用いて FF/VI の日本人喘息患者に対する有効性を評価することの妥当性を示すため、3 試験の結果を用いて FF/VI の有効性に対する民族的要因の影響について評価を行い(Ethnic Sensitivity Assessment:ESA)、日本人被験者集団の結果と日本人以外の被験者集団の結果に一貫性が認められるか否かを検討した(2.7.3.3.5.)。さらに、国内では日本人喘息患者を対象とした長期投与試験(HZA113989)を実施し、日本人における FF/VI の長期投与時の安全性および忍容性を検討した(有効性項目も含む)。 有効性を評価した第Ⅲ相試験(7 試験)を表 2.7.3.1-1(1 日用量で表示)に示す。なお、HZA106839 試験は安全性評価のみのため、本 2.7.3.には含めず、2.7.4.に記載した。 • FF/VI 100/25 µg を FF 100 µg と比較した 24~76 週間の増悪試験(HZA106837 試験) • FF/VI 100/25 µg を FF 100 µg およびプラセボと比較した 12 週間の有効性および安全性

    試験(HZA106827 試験) • FF/VI 200/25 µg を FF 200 µg および FP 1000 µg と比較した 24 週間の有効性および安全

    性試験(HZA106829 試験) • FF/VI 100/25 µg を FP/サルメテロール(FP/SALM)500/100 µg と比較した 24 週間の有

    効性および安全性試験(HZA113091 試験) • FF/VI 100/25 µg および 200/25 µg をプラセボおよびプラセボ+プレドニゾロンと比較し

    た有効性評価項目も含む 6 週間の安全性[視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA-

    2.7.3. 臨床的有効性

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  • axis)]試験(HZA106851 試験)(プレドニゾロンは治療期間の最後の 7 日間のみ使用)

    • FF 100 µg を FP 500 µg およびプラセボと比較した 24 週間の有効性および安全性試験(FFA112059 試験)

    • VI 25 µg(+ICS)を SALM 100 µg(+ICS)およびプラセボ(+ICS)と比較した 12 週間の有効性および安全性試験(B2C112060 試験)

    第Ⅲ相試験は最終製剤および最終吸入器(NDPI)を用いて実施された。

    表 2.7.3.1-1 喘息の臨床開発プログラム – 第Ⅲ相試験 試験 (相)

    試験の種類 治療期間 投与群 (その他記載のない限り NDPI使用、1 日 1 回投与、単位

    µg)

    データの併合 (併合しない

    理由)

    有効性および安全性 HZA106827 *

    (第Ⅲ相) 層別、無作為化、DB、

    PG、プラセボ対照、FF/VIの有効性および安全性評価

    12 週間 FF/VI 100/25 夜投与群 FF 100 夜投与群

    プラセボ群

    あり

    HZA106829 * (第Ⅲ相)

    層別、無作為化、DB、PG、実薬対照、FF/VI の有効性および安全性評価

    24 週間 FF/VI 200/25 夜投与群 FF 200 夜投与群

    FP 1000 (500 BD)群

    あり

    HZA113091 (第Ⅲ相)

    無作為化、DB、PG、FF/VIと FP/SALM の有効性比較

    24 週間 FF/VI 100/25 夜投与群 FP/SALM 500/100 (250/50 BD)

    なし (併合のための共通の対照群なし)

    有効性および安全性 (増悪) HZA106837 *

    (第Ⅲ相) 無作為化、DB、PG、重度の喘息増悪に対する FF/VIと FF の有効性および安全

    性評価

    24 週間~76 週間

    FF/VI 100/25 夜投与群 FF 100 夜投与群

    あり

    HPA-Axis HZA106851

    (第Ⅲ相) 無作為化、DB、PG、プラセボおよび実薬対照、

    HPA-axis に対する FF/VIの 2 用量の効果を評価

    6 週間 FF/VI 200/25 夜投与群 FF/VI 100/25 夜投与群

    プラセボ群 プラセボ + プレドニゾロン群

    あり

    FF および VI の有効性および安全性 FFA112059

    (第Ⅲ相) 無作為化、DB、PG、プラセボ対照、FF の有効性お

    よび安全性評価

    24 週間 FF 100 夜投与群 FP 500 (250 BD)群

    プラセボ群

    あり

    B2C112060 (第Ⅲ相)

    無作為化、DB、PG、プラセボおよび実薬対照、VIの有効性および安全性評価

    12 週間 VI 25 (+ ICS)夜投与群 SALM 100 (+ ICS)(50 +ICS BD )

    群 プラセボ (+ ICS)群

    なし (併合のための共通の対照群なし)

    BD = 1 日 2 回;OD = 1 日 1 回;DB = 二重盲検;PG = 並行群間 *:本邦から参加した国際共同試験 本 2.7.3.で有効性データを示した喘息の第Ⅱ相試験(9 試験)を表 2.7.3.1-2 に示す。最終製剤および最終吸入器を使用した第Ⅲ相試験のみ併合解析の対象としたため、これらの試験

    は併合されなかった。 本 2.7.3.で VI を評価している試験は、ビランテロール α-フェニルケイ皮酸塩(GW642444H)で検討した第Ⅱ相の 1 試験(B2C106093 試験)を除き、すべてビランテロ

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 3 Aug 30 2013 13:05:20

  • ールトリフェニル酢酸塩(GW642444M)で検討した。GW642444H は味がおもわしくないため、さらなる開発は行わなかった。

    表 2.7.3.1-2 喘息の臨床開発プログラム – 第Ⅱ相試験 試験 (相)

    試験の種類 治療 期間

    投与群 (その他記載のない限り 1 日 1 回投

    与、単位 µg) 吸入器

    データの併合

    (併合しない

    理由)

    朝と夜投与の比較 FFA20001

    (前期第Ⅱ相) 無作為化、DB、PG、プラセボ対照、FF の投与時間効果、安全性および有効性

    評価

    28 日間 FF 100 朝投与群 FF 100 夜投与群 FF 250 夜投与群

    プラセボ群

    ディスクヘラー

    なし (前期第Ⅱ相;最終製剤でな

    い;ディスク

    ヘラー)

    1 日 1 回(OD)と 1 日 2 回(BD)投与の比較 FFA106783

    (前期第Ⅱ相) 無作為化、DB、PG、プラセボ対照、FF の投与時間効果、安全性および有効性

    評価

    8 週間 FF 400 (200 BD)群 FF 200 朝投与群 FF 400 朝投与群 FF 200 夜投与群 FF 400 夜投与群

    プラセボ群

    ディスカス

    なし (前期第Ⅱ相;ディスカス)

    FFA112202 (後期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、クロスオーバー、プラセボ対照、1日 1 回 FF 投与の 1 日 2 回FF 投与に対する非劣性評

    28 日間 FF 200 夜投与群 FF 200 (100 BD)群 FP 200 夜投与群

    FP 200 (100 BD)群 プラセボ群

    NDPI (FF); ディスカス (FP)

    なし (後期第Ⅱ相;クロスオーバ

    ー試験)

    HZA113310 (後期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、クロスオーバー、プラセボ対照、VIの有効性および安全性評価

    7 日間 VI 12.5 ( + ICS)(6.25 [ + ICS] BD)群 VI 6.25 ( + ICS)夜投与群 VI 12.5 ( + ICS)夜投与群 VI 25 ( + ICS)夜投与群 プラセボ ( + ICS)群

    NDPI

    なし (後期第Ⅱ相;短期クロスオ

    ーバー試験)

    安全性および有効性 B2C106093* (前期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、4-way 不完全ブロッククロスオーバ

    ー、実薬およびプラセボ対

    照、VI の安全性、忍容性、有効性、PD および PK

    の評価

    14 日間 VI 25 ( + ICS)夜投与群 VI 100 ( + ICS)夜投与群 VI 400 ( + ICS)夜投与群

    SALM 100 ( + ICS)( 50 [ + ICS] BD)群 プラセボ ( + ICS)群

    ディスカス

    なし (前期第Ⅱ相;GW642444H;クロスオーバ

    ー試験)

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 4 Aug 30 2013 13:05:20

  • 表 2.7.3.1-2 喘息の臨床開発プログラム – 第Ⅱ相試験(続き) 試験 (相)

    試験の種類 治療 期間

    投与群 (その他記載のない限り 1 日 1 回投

    与、単位 µg) 吸入器

    データの併合

    (併合しない

    理由)

    用量設定 B2C109575

    (後期第Ⅱ相) 無作為化、層別 DB、PG、プラセボ対照、VI の用量反応、安全性および有効性

    評価

    28 日間 VI 3 ( + ICS)夜投与群 VI 6.25 ( + ICS)夜投与群 VI 12.5 ( + ICS)夜投与群 VI 25 ( + ICS)夜投与群 VI 50 ( + ICS)夜投与群 プラセボ ( + ICS)群

    NDPI

    なし (後期第Ⅱ相)

    FFA109684 (後期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、PG、プラセボおよび実薬対照、FFの用量反応、安全性および

    有効性評価

    8 週間 FF 200 夜投与群 FF 400 夜投与群 FF 600 夜投与群 FF 800 夜投与群

    FP 1000 (500 BD)群 プラセボ群

    NDPI (FF); ディスカス (FP)

    なし (後期第Ⅱ相)

    FFA109685 (後期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、PG、プラセボおよび実薬対照、FFの用量反応、安全性および

    有効性評価

    8 週間 FF 100 夜投与群 FF 200 夜投与群 FF 300 夜投与群 FF 400 夜投与群

    FP 500 (250 BD)群 プラセボ群

    NDPI (FF); ディスカス (FP)

    なし (後期第Ⅱ相)

    FFA109687 (後期第Ⅱ相)

    無作為化、DB、PG、プラセボおよび実薬対照、FFの用量反応、安全性および

    有効性評価

    8 週間 FF 25 夜投与群 FF 50 夜投与群 FF 100 夜投与群 FF 200 夜投与群

    FP 200 (100 BD)群 プラセボ群

    NDPI (FF); ディスカス (FP)

    なし (後期第Ⅱ相)

    BD = 1 日 2 回;OD = 1 日 1 回;DB = 二重盲検;PG = 並行群間;ディスクヘラー = DISKHALER;ディスカス = DISKUS/ACCUHALER;PD = 薬力学;PK= 薬物動態 *B2C106093 試験は臨床薬理試験として 2.7.2.に記載されている 日本人喘息患者に対し、FF/VI および FF を 52 週間長期投与した際の安全性および忍容性を評価した国内長期投与試験(HZA113989 試験)を表 2.7.3.1-3 に示す。本試験では、有効性評価項目も併せて設定した。本試験は併合解析に含めておらず、方法(被験者集団、試験

    デザイン、評価項目)および結果の要約については 2.7.3.1.8.および 2.7.3.2.5.に記載した。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 5 Aug 30 2013 13:05:20

  • 表 2.7.3.1-3 喘息の臨床開発プログラム – 国内長期投与試験 試験

    (相) 試験の種類 治療

    期間 投与群(コホート)

    (NDPI 使用、1 日 1 回、単位 µg)

    データ

    の併合

    国内長期投与試験(安全性) HZA113989 (第Ⅲ相)

    非対照、並行、非盲検、日本人患

    者に FF/VI と FF を長期投与した際の安全性および忍容性評価(有

    効性評価項目も設定)

    52 週間 FF/VI 100/25 夜投与群 FF/VI 200/25 夜投与群

    FF 100 夜投与群

    なし

    健康被験者、特殊患者グループ、喘息および COPD の被験者を対象としたすべての臨床薬理試験については、2.7.2.に記載する。 なお、FF/VI の有効性を補完する情報が得られた 2 つの臨床薬理試験[アレルゲンチャレンジ試験(HZA113126 試験)、朝投与と夜投与の比較試験(HZA114624 試験)]については、2.7.3.2.、2.7.3.3.および 2.7.3.4.でさらに議論する。 また、COPD 患者を対象とした B2C111045 試験(VI の用量設定試験)からも補完する情報が得られており、2.7.3.2.および 2.7.3.4.でさらに議論する。

    2.7.3.1.3.3. 試験のグループ化 本 2.7.3.では、喘息患者を対象とした有効性試験について被験者レベルでデータを併合し、要約および解析を行った(喘息試験の併合解析)。喘息試験の併合解析には、FF/VI の第Ⅲ相並行群間試験の 4 試験(HZA106827、HZA106829、HZA106837 および HZA106851 試験)および FF 単剤の第Ⅲ相並行群間試験の 1 試験(FFA112059 試験)を含めた(表 2.7.3.1-4)。併合対象の喘息試験のすべてで、最終製剤/吸入器(NDPI)が用いられた。FFA112059 試験には FF/VI 群が含まれていなかったが、プラセボと同様に FP 500 µg(1 日用量)と FF 100 µg の比較に関する情報を提供しているため、併合解析に含めた。 第Ⅱ相の 9 試験および第Ⅲ相の 2 試験に関しては、併合解析には含めなかった(表 2.7.3.1-4)。第Ⅲ相の B2C112060 および HZA113091 試験は、試験併合のための共通の対照群を含まないため併合解析には含めなかった。併合対象の喘息試験および併合対象としない

    喘息試験から得られた有効性データを本 2.7.3.に示し、すべてのデータを統合的に評価するのを容易にするためにフォレストプロットを含める。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 6 Aug 30 2013 13:05:20

  • 表 2.7.3.1-4 喘息試験のグループ化 試験の種類 治験薬 試験

    併合対象の喘息試験 (第Ⅲ相試験: 5 試験) 有効性および安全性 FF/VI HZA106827, HZA106829 FF FFA112059 増悪 FF/VI HZA106837 HPA-Axis FF/VI HZA106851 併合対象としない喘息試験 (前期第Ⅱ相、後期第Ⅱ相および第Ⅲ相試験: 11 試験) 朝 vs. 夜投与 FF FFA20001 1 日 1 回 vs. 1 日 2 回投与 FF FFA112202, FFA106783* VI HZA113310 用量設定 FF FFA109684, FFA109685, FFA109687 VI B2C109575 有効性および安全性 FF/VI HZA113091 VI B2C106093, B2C112060 *FFA106783 試験では、朝投与と夜投与の比較評価もしている

    2.7.3.1.4. 被験者集団

    2.7.3.1.4.1. 併合対象の喘息試験 併合対象の喘息試験の被験者集団は、肺機能低下、喘息症状および/またはサルブタモー

    ルの使用に基づき、治療対象患者の代表集団として選択された。喘息の既往歴は GINA の定義[GINA, 2011]に沿っており、スパイロメトリーの予測値は人種で調整された米国健康栄養試験調査(NHANES)Ⅲの参照式[Hankinson, 1999]を用いて算出した。併合するすべての喘息試験では、スクリーニングの 12 ヵ月以内の可逆性の記録が許容されていた HZA106851 試験を除いて、スクリーニング時のサルブタモール吸入後の 1 秒量(FEV1)が 12%かつ200 mL の可逆性を必要とした。すべての併合対象の喘息試験では、年齢上限を 65 歳としたHZA106851 試験を除き、12 歳以上の男性および女性を組み入れた。妊娠可能な女性は認められた避妊法を使用することを要件とした。 以下に、併合対象の喘息試験の組み入れ基準を示す(表 2.7.3.1-5)。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 7 Aug 30 2013 13:05:20

  • 表 2.7.3.1-5 併合対象の喘息試験の組み入れ基準 試験 投与群

    投与期間 投与例数/ 完了例数

    ベースライ

    ンの 喘息治療

    (µg/日)

    FEV1の予測値に

    対する割合

    喘息増悪歴 喘息症状/ 救済薬の使用

    HZA106827 FF/VI 100/25 OD, IH FF 100 OD, IH プラセボ, IH 84 日

    201/179 205/185 203/151

    FP 200~500、

    FP/SALM 200/100

    または同等

    40~90% スクリーニング前 12週以内に OCS を要するまたは 6 ヵ月以内に入院を要する増悪

    がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上および/またはサルブタモ

    ールを使用した日が 4日以上

    HZA106829 FF/VI 200/25 OD, IH FF 200 OD, IH FP 500 BD, IH 168 日

    197/169 194/146 195/161

    FP 1000、FP/SALM 500/100

    または同等

    40~90% スクリーニング前 12週以内に OCS を要するまたは 6 ヵ月以内に入院を要する増悪

    がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 3 以上および/またはサルブタモ

    ールを使用した日が 4日以上

    HZA106837 FF/VI 100/25 OD, IH FF 100 OD, IH 最長 532 日

    1009/885 1010/863

    FP 200~1000、

    FP/SALM 200/100~500/100

    または同等

    50~90% スクリーニング前 12ヵ月以内に全身性ス

    テロイド薬を要する

    増悪が 1 回以上

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上および/またはサルブタモ

    ールを使用した日が 3日以上

    HZA106851 FF/VI 200/25 OD, IH FF/VI 100/25 OD, IH プレドニゾロ

    ン 10 mg OD, 経口投与 プラセボ, IH 42 日

    56/55 56/54 15/13 58/55

    スクリーニ

    ング前 4 週以内に ICS未使用

    50%以上 スクリーニング前 12週以内に OCS を要するまたは 6 ヵ月以内に入院を要する増悪

    がない

    前観察期間中、サルブ

    タモール 1 日 12 吸入以上を 3 日以上使用していない

    FFA112059 FF 100 OD, IH FP 250 BD, IH プラセボ, IH 168 日

    114/92 114/88 115/75

    FP 100~500または同等

    40~90% スクリーニング前 6ヵ月以内に OCS を要するまたは入院を要

    する増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上および/またはサルブタモ

    ールを使用した日が 4日以上

    OCS =経口ステロイド薬

    2.7.3.1.4.2. 併合対象としない喘息試験 併合対象としない喘息試験の被験者集団は、肺機能低下、喘息症状および/またはサルブ

    タモール使用に基づき、治療対象患者の代表集団として選択された。喘息の既往歴は GINAの定義[GINA, 2011]に沿っており、スパイロメトリーの予測値は人種で調整した NHANESⅢの参照式[Hankinson, 1999]を用いて算出したが、FFA106783 および B2C106093 試験については Standardisation of Lung Function Tests[ERS, 1993]の予測値、FFA20001 試験については最大呼気流量(PEF)の予測値に対する割合に基づいた患者を対象とした。すべての併合対象としない喘息試験では、15%の PEF の可逆性が必要とされた FFA20001 試験および 12%かつ300 mL の可逆性が必要とされた B2C106093 試験を除き、サルブタモール吸入後に 12%かつ200 mL の可逆性が必要とされた。また、すべての併合対象としない喘息試験では 12 歳以上の男性および女性を組み入れたが、例外的に FFA20001 試験は年齢 16~55 歳、B2C106093

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 8 Aug 30 2013 13:05:20

  • 試験は 18~70 歳とした。妊娠可能な女性は認められた避妊法を使用することを要件とした。B2C106093 試験の参加女性は妊娠不能であることとした。 以下に、併合対象としない喘息試験の組み入れ基準を示す(表 2.7.3.1-6)。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 9 Aug 30 2013 13:05:21

  • 表 2.7.3.1-6 併合対象としない喘息試験の組み入れ基準 試験 投与群

    投与期間 投与例数/完了例数

    ベースラ

    インの 喘息治療

    (µg/日)

    肺機能 喘息増悪歴 喘息症状/ 救済薬の使用

    HZA113091 FF/VI 100/25 OD, IH FP/SALM 250/50 BD,IH 168 日

    403/358 403/357

    FP 500または同

    FEV1の予測値に対

    する割合

    40~85%

    スクリーニン

    グ前 12 週以内に OCS を要するまたは

    入院を要する

    増悪がない

    NA

    FFA20001 FF 100 OD (朝), IH FF 100 OD (夜), IH FF 250 OD (朝), IH プラセボ, IH 28 日

    144/133 146/135 142/134 143/124

    スクリー

    ニング前

    4 週間以内に ICS未使用で

    SABA のみを使用

    FEV1の予測値に対

    する割合

    50~90%

    スクリーニン

    グ前 6 ヵ月以内に OCS を要するまたは

    入院を要する

    増悪が 2 回以上

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上の日が 4 日以上

    FFA106783 FF 200 OD (朝), IH FF 200 OD (夜), IH FF 400 OD (朝), IH FF 400 OD (夜), IH FF 200 BD, IH プラセボ, IH 56 日

    105/85 103/82 111/96 113/96 113/96 101/65

    FP 250または同

    FEV1の予測値に対

    する割合

    50~80%

    スクリーニン

    グ前 4 週以内に増悪がない

    スクリーニン

    グ前 12 週以内に OCS を要するまたは

    6 ヵ月以内に入院を要する

    増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上またはサルブタモー

    ルを使用した日が 4日以上

    FFA112202 FF 200 OD, IH FF 100 BD, IH FP 200 OD, IH FP 100 BD, IH プラセボ, IH クロスオーバ

    ー, 各 28 日

    FF:147/134FP:43/41

    スクリー

    ニング前

    8 週以内に ICS 未使用であ

    り、非ス

    テロイド

    性の喘息

    長期管理

    薬または

    SABA のみを使用

    FEV1の予測値に対

    する割合

    40~85%

    スクリーニン

    グ前 8 週以内に OCS を要するまたは 6ヵ月以内に入

    院を要する増

    悪がない

    直前の 7 日間に ・FEV1の予測値に対する割合が 40~80%未満;喘息症状スコアが 1 以上 またはサルブタモー

    ルを使用した日が 4日以上 ・FEV1の予測値に対する割合が 80~85%;喘息症状スコアが 1 以上 またはサルブタモー

    ルを使用した日が 7日

    FFA109684 FF 200 OD, IH FF 400 OD, IH FF 600 OD, IH FF 800 OD, IH FP 500 BD, IH プラセボ, IH 56 日

    99/81 101/93 107/94 102/85 110/97 103/65

    FP 200超~500 または同

    FEV1の予測値に対

    する割合

    40~85% (朝)または 40~90% (夜)

    スクリーニン

    グ前 12 週以内に OCS を要するまたは

    6 ヵ月以内に入院を要する

    増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1 以上またはサルブタモー

    ルを使用した日が 4日以上

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 10 Aug 30 2013 13:05:21

  • 表 2.7.3.1-6 併合対象としない喘息試験の組み入れ基準(続き) 試験 投与群

    投与期間 投与例数/完了例数

    ベースライ

    ンの喘息治

    療(µg/日)

    肺機能 喘息増悪歴 喘息症状/ 救済薬の使用

    FFA109685 FF 100 OD, IH FF 200 OD, IH FF 300 OD, IH FF 400 OD, IH FP 250 BD, IH プラセボ, IH 56 日

    105/88 101/87 103/92 99/86

    100/81 107/66

    FP 250 以下または同等

    FEV1の予測値に対す

    る割合 40~85% (朝)または40~90% (夜)

    スクリーニング前

    12 週以内に OCSを要するまたは 6ヵ月以内に入院を

    要する増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1以上またはサルブ

    タモールを使用し

    た日が 4 日以上

    FFA109687 FF 25 OD, IH FF 50 OD, IH FF 100 OD, IH FF 200 OD, IH FP 100 BD, IH プラセボ, IH 56 日

    97/83 100/91 110/98 95/86

    102/84 94/76

    スクリーニ

    ング前 6 週以内に ICS未使用であ

    り、非ステ

    ロイド性の

    喘息長期管

    理薬または

    SABA のみを使用

    FEV1の予測値に対す

    る割合 40~85% (朝)または40~90% (夜)

    スクリーニング前

    12 週以内に OCSを要するまたは 6ヵ月以内に入院を

    要する増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1以上またはサルブ

    タモールを使用し

    た日が 4 日以上

    HZA113310 VI 6.25 OD, IH VI 12.5 OD, IH VI 25 OD, IH VI 6.25 BD, IH プラセボ, IH 5 期クロスオーバー, 各 7 日

    75/72 FP 1000 以下 または同等

    FEV1の予測値に対す

    る割合 40~85%

    スクリーニング前

    8 週以内に OCS を要するまたは 6 ヵ月以内に入院を要

    する増悪がない

    直前の 7 日間に FEV1の予測値に対する割合が 80~85%;喘息症状スコアが 1 以上またはサルブタモール

    を使用した日が 3日以上

    B2C109575 VI 3 OD, IH VI 6.25 OD, IH VI 12.5 OD, IH VI 25 OD, IH VI 50 OD, IH プラセボ, IH 28 日

    101/84 101/91 100/88 101/93 102/97 102/86

    FP 1000 以下 または同等

    FEV1の予測値に対す

    る割合 40~90%

    スクリーニング前

    4 週以内に増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1以上またはサルブ

    タモールを使用し

    た日が 4 日以上

    B2C106093 GW642444H 25 OD, IH GW642444H 100 OD, IH GW642444H 400 OD, IH SALM 50 BD, IH プラセボ, IH 4 期不完全クロスオーバー, 各14 日

    55/51 FP 200~500 または同等

    FEV1の予測値に対す

    る割合 60~90%

    スクリーニング前

    12 週以内に OCSを要する増悪がな

    く、6 ヵ月以内に2 回以上または 1年以内に入院を要

    する増悪がない

    NA

    B2C112060 VI 25 OD, IH SALM 50 BD, IH プラセボ, IH 84 日

    115/101 116/98 116/99

    FP 200~1000 または同等

    FEV1の予測値に対す

    る割合 40~90%

    スクリーニング前

    12 週以内に OCSを要するまたは救

    急診療部の受診を

    要する、または 6ヵ月以内に入院を

    要する増悪がない

    直前の 7 日間に喘息症状スコアが 1以上またはサルブ

    タモールを使用し

    た日が 4 日以上

    NA=該当なし

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 11 Aug 30 2013 13:05:21

  • 2.7.3.1.5. 有効性試験のデザイン

    2.7.3.1.5.1. 併合対象の喘息試験 併合対象の喘息試験における FF/VI および FF または VI は、NDPI(上市予定の最終製剤および吸入器)を用いて夜に投与された。すべての試験で、通常使用していた救済薬をスク

    リーニング以後中止し、試験期間を通して必要に応じて使用するための救済薬としてサルブ

    タモールが提供された。第Ⅲ相試験における用量設定の根拠は 2.7.3.4.に示す。 以下に、併合対象の喘息試験の試験デザインを示す(表 2.7.3.1-7)。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 12 Aug 30 2013 13:05:21

  • 表 2.7.3.1-7 併合対象の喘息試験の試験デザイン 試験

    デザイン 前観察期間

    治療期間 後観察期間 投与群

    (µg;その他記載のない限り NDPI使用、1 日 1 回、夜投与)

    HZA106827 無作為化、 層別 1、

    二重盲検、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 12 週間 2 週間 FF/VI 100/25 群 FF 100 群 プラセボ群

    HZA106829 無作為化、 層別 1、

    二重盲検、 ダブルダミー、

    実薬対照、 並行群間

    4 週間 24 週間 1 週間 FF/VI 200/25 群 FF 200 群

    FP 1000 (500 BD) ディスカス群 プラセボ群

    プラセボ ディスカス群

    HZA106837 無作為化、 二重盲検、 並行群間

    2 週間 24~76 週間

    1 週間 FF/VI 100/25 群 FF 100 群

    HZA106851 無作為化、 二重盲検、

    プラセボ対照、 実薬対照、 並行群間

    1~2 週間 6 週間 1 週間 FF/VI 100/25 群 FF/VI 200/25 群 プラセボ群

    プレドニゾロン カプセル 10 mg (最終の 7 日間)

    FFA112059 無作為化、 二重盲検、

    ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 24 週間 1 週間 FF 100 群 FP 500 (250 BD) ディスカス群

    プラセボ群 プラセボ ディスカス群

    1. ベースラインの喘息治療(ICS 単独または ICS/LABA 併用)に基づき層別

    2.7.3.1.5.2. 併合対象としない喘息試験 併合対象としない喘息試験における FF/VI および FF または VI は特に記述がない場合、NDPI を用いて夜に投与された。すべての試験で、通常使用していた救済薬使用をスクリーニング以後中止し、試験期間を通して必要に応じて使用するための救済薬としてサルブタモ

    ールが提供された。 以下に、併合対象としない喘息試験デザインを示す(表 2.7.3.1-8)。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 13 Aug 30 2013 13:05:21

  • 表 2.7.3.1-8 併合対象としない喘息試験の試験デザイン 試験

    デザイン 前観察期間

    治療期間 後観察期間 投与群

    (µg;その他記載のない限りNDPI 使用、1 日 1 回、夜投与)

    HZA113091 無作為化、 二重盲検、

    ダブルダミー、 並行群間

    4 週間 1 24 週間 1 週間 FF/VI 100/25 群 FP/SALM 500/100 (250/50 BD) ディ

    スカス群 プラセボ群

    プラセボ ディスカス群 FFA20001 無作為化、

    二重盲検、 ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    1~3 週間 4 週間 1 週間 FF 100 朝投与 ディスクヘラー群FF 100 夜投与 ディスクヘラー群FF 250 夜投与 ディスクヘラー群

    プラセボ ディスクヘラー群

    FFA106783 無作為化、 二重盲検、

    プラセボ対照、 並行群間

    2 週間 8 週間 1 週間 FF 400 (200 BD) ディスカス群 FF 200 朝投与 ディスカス群 FF 400 朝投与 ディスカス群 FF 200 夜投与 ディスカス群 FF 400 夜投与 ディスカス群

    プラセボ ディスカス群 FFA112202 無作為化、

    二重盲検、 クロスオーバー

    2 週間 4 週間 2 1 週間 FF 200 (100 BD)群 FF 200 群

    FP 200 (100 BD) ディスカス群 FP 200 ディスカス群

    プラセボ群 プラセボ ディスカス群

    FFA109684 無作為化、 二重盲検、

    ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 8 週間 1 週間 FF 200 群 FF 400 群 FF 600 群 FF 800 群

    FP 1000 (500 BD) ディスカス群プラセボ NDPI 群

    プラセボ ディスカス群 FFA109685 無作為化、

    二重盲検、 ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 8 週間 1 週間 FF 100 群 FF 200 群 FF 300 群 FF 400 群

    FP 500 (250 BD) ディスカス群 プラセボ NDPI 群

    プラセボ ディスカス群 FFA109687 無作為化、

    二重盲検、 ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 8 週間 1 週間 FF 25 群 FF 50 群

    FF 100 群 FF 200 群

    FP 200 (100 BD) ディスカス群 プラセボ NDPI 群

    プラセボ ディスカス群 HZA113310 無作為化、

    二重盲検、 プラセボ対照、 クロスオーバー

    1 週間 1 週間 3 1 週間 VI 6.25 群 VI 12.5 (6.25 BD)群

    VI 12.5 群 VI 25 群

    プラセボ群

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 14 Aug 30 2013 13:05:21

  • 表 2.7.3.1-8 併合対象としない喘息試験の試験デザイン(続き) 試験

    デザイン 前観察期間 治療期間 後観察期間 投与群

    (µg;その他記載のない限りNDPI 使用、1 日 1 回、夜投与)

    B2C109575 無作為化、 層別 4、

    二重盲検、 プラセボ対照、

    並行群間

    2 週間 4 週間 1 週間 VI 3 群 VI 6.25 群 VI 12.5 群 VI 25 群 VI 50 群

    プラセボ群 B2C106093 無作為化、

    二重盲検、 プラセボ対照、 クロスオーバー

    4 週間 2 週間 5 1 週間 GW642444H 25 ディスカス群 GW642444H 100 ディスカス群 GW642444H 400 ディスカス群

    SALM 100 (50 BD) ディスカス群プラセボ ディスカス群

    B2C112060 無作為化、 層別 6、

    二重盲検、 ダブルダミー、 プラセボ対照、

    並行群間

    4 週間 12 週間 2 週間 VI 25 群 SALM 100 (50 BD) ディスカス群

    プラセボ群 プラセボ ディスカス群

    1. 被験者は FP 500 µg (250 µg BD)を投与 2. 各治療期間の間に 2 週間のウォッシュアウト期間 3. 各治療期間の間に 1 週間のウォッシュアウト期間 4. ベースラインの FEV1の予測値に対する割合(40~65%または 65 超~90%)に基づき層別 5. 各治療期間の間に 6~14 日間のウォッシュアウト期間 6. ベースラインの喘息治療(FP 100~250 µg/日、FP 250 超~500 µg/日または FP 500 超~1000 µg/日)に基づき層別

    2.7.3.1.6. 有効性の評価およびデータの併合 併合対象の喘息試験の各試験で評価された有効性の評価項目は表 2.7.3.1-9 に、併合対象としない喘息試験の各試験で評価された有効性の評価項目は表 2.7.3.1-10 に示す。 以下の評価項目に関しては、被験者レベルでデータを併合した。 • 主要評価項目:投与 2、12 および 24 週目の FEV1トラフ値のベースラインからの変化

    量 • 副次評価項目:効果不十分による中止被験者の割合 さらに、本 2.7.3.に記した 16 試験について、下記評価項目について統合的に評価するためにフォレストプロットを試験レベルで示した。 • FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量 • FEV1 加重平均値[0~24 時間(時)]のベースラインからの変化量 • 24 時間救済薬未使用期間の割合(%)のベースラインからの変化量 • 24 時間無症状期間の割合(%)のベースラインからの変化量 • 朝の PEF のベースラインからの変化量 • 夜の PEF のベースラインからの変化量 • Asthma Quality of Life Questionnaire(AQLQ)の総スコアのベースラインからの変化量

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 15 Aug 30 2013 13:05:22

  • 重度の喘息増悪の最初の発現までの時間を主要評価項目とした HZA106837 試験に加え、いくつかの試験では重度の喘息増悪をその他の評価項目とした。これらの試験は、増悪への

    影響を観察するには期間が短いか規模が小さ過ぎたこと、喘息増悪は有効性、安全性のどち

    らの報告にもなり得ることから重複記述を避けるため、本情報は臨床的安全性の 2.7.4.に記載することとした。 FEV1 加重平均値(0~24 時間)のデータに関しては、12 週投与終了時(HZA106827 試験)または 24 週投与終了時(HZA106829 試験)の本評価項目のデータを収集している試験には併合する用量がなかったため、併合しなかった。 患者日記データ(サルブタモールの救済使用、喘息症状スコアおよび PEF)または AQLQデータは、これらのデータが利用できる 3 試験(FFA112059、HZA106827 およびHZA106829 試験)で共通の投与群を持っていたのが 2 試験のみであり、FFA112059 およびHZA106827 試験では併合できる用量がなかったため、併合しなかった。

    2.7.3.1.6.1. 併合対象の喘息試験 併合対象の喘息試験の各試験における有効性の評価項目について表 2.7.3.1-9 に示す。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 16 Aug 30 2013 13:05:22

  • 表 2.7.3.1-9 併合対象の喘息試験の有効性の評価項目 有効性の評価項目 HZA106827 HZA106829 HZA106837 HZA106851 FFA112059 FEV1トラフ値 P P S O P 投与 12 時間後 FEV1値 O O FEV1加重平均値(0~24 時間) P P FEV1加重平均値(0~4 時間) O O 気管支拡張剤の効果発現までの時間 O 24 時間救済薬未使用期間の割合(%) S S S 24 時間無症状期間の割合(%) S S S 喘息症状と救済薬の使用における Global Assessment of Change O O O 朝の PEF O O S 夜の PEF O O S 予定外の医療機関の利用 O O O QOL 評価[Asthma Quality of Life Questionnaire (AQLQ)] S S S 喘息コントロールテスト[Asthma Control Test (ACT)] O O O 喘息コントロール質問票[Asthma Control Questionnaire (ACQ)] O 効果不十分により治験を中止した被験者数 S O O 重度の喘息増悪の最初の発現までの時間 P 重度の喘息増悪の患者 1 人あたりの年間頻度 S 重度の喘息増悪の発現頻度 O O O 重度の喘息増悪の特性評価 O 吸入器の使用評価 O 吸入器の使いやすさの評価(被験者によるアンケート) O P =主要評価項目;S =副次評価項目;O =その他の評価項目

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 17

    Aug 30 2013 13:05:22

  • 2.7.3.1.6.2. 併合対象としない喘息試験 併合対象としない喘息試験の各試験における有効性の評価項目について表 2.7.3.1-10 に示す。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 18 Aug 30 2013 13:05:22

  • 表 2.7.3.1-10 併合対象としない喘息試験の有効性の評価項目 有効性の評価項目

    HZA 113091

    FFA 20001

    FFA 106783

    FFA 112202

    FFA 109684

    FFA 109685

    FFA 109687

    HZA 113310

    B2C 109575

    B2C 106093

    B2C 112060

    FEV1トラフ値 S S P P P/O P/O P/O P P/O P/S FEV1のベースラインからの増加が 12%以上かつ 200 mL 以上の被験者の割合(%)

    S O O O

    FEV1(0~4 時間)の最大増加量 O FEV1加重平均値(0~24 時間) P S S S P FEV1加重平均値(0~12 時間) O FEV1加重平均値(12~24 時間) O FEV1加重平均値(0~4 時間) S S FEV1加重平均値(0~2 時間) S 0~24 時間の各時点の FEV1評価 S S 気管支拡張剤の効果発現までの時間 S 24 時間救済薬未使用期間の割合(%) S S/O S/O S/O S S 昼間の救済薬未使用の割合(%) S O O O O 夜間の救済薬未使用の割合(%) S O O O O 24 時間救済薬使用状況 O O O 24 時間無症状期間の割合(%) S S/O S/O S/O S S 昼間の無症状の割合(%) S O O O O 夜間の無症状の割合(%) S O O O O 24 時間症状スコア O O O 覚醒しなかった夜間の割合(%) S 喘息症状と救済薬の使用における Global Assessment of Change

    O

    朝の PEF S S/O S/O S/O S/O S O 夜の PEF P/S S/O S/O S/O S/O S O 予定外の医療機関の利用 O AQLQ O 喘息コントロールテスト (ACT) O QOL 評価[European Quality of Life Questionnaire 5 dimensions (EQ-5D)]

    O

    効果不十分により治験を中止した被験者数 S S S S O P =主要評価項目;S =副次評価項目;O =その他の評価項目

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 19

    Aug 30 2013 13:05:22

  • 2.7.3.1.7. 統計学的考察 本項では、2.7.3.で用いた統計学的手法を要約する。2.7.3.で用いた統計学的手法には、併合対象の喘息試験(5 つの第Ⅲ相試験)について被験者レベルで併合したデータの要約と解析方法、ならびに、個々の試験結果および併合解析結果のフォレストプロットが含まれてい

    る。2.7.3.で用いた併合解析の詳細は、付録 2.7.3.6.3 に添付する Summary Document Analysis Plan(SDAP)に示す。個々の試験で用いた統計解析手法は各試験の解析計画書[Reporting and Analysis plans(RAP)]に示す。 治験責任医師 1 名(HZA106827 および HZA106837 試験の責任医師番号 171806)に医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)の問題(施設の記録作成体制に関する問題)が、さらに治験責任医師 1 名(HZA113091 試験の喘息プログラムの責任医師番号 079672)でトレーニング問題がそれぞれ判明した。開鍵前に感度分析の実施、その結果を総括報告書(CSR)に記載することを決定した。治験実施医療機関の監査にて GCP の問題が判明したため、治験責任医師(責任医師番号 040688)によって登録された全被験者を除外した感度分析については盲検解除後に実施が決定された。責任医師番号 040688 の治験実施医療機関における GCPの問題は、B2C112060 試験および他の臨床開発プログラムにおける 2 つの COPD の臨床試験における監査で認められており、同治験責任医師が参加した喘息プログラムのすべての臨

    床試験における個々の患者のデータについては、監査による調査は行われてない。しかしな

    がら、本監査の一環でベースライン時の FEV1 測定結果の品質に問題が認められており、さらに、すべての第Ⅲ相試験には同治験責任医師が関与していたことから、主要評価項目が定

    義されていない安全性試験の HZA106839 試験を除く第Ⅲ相試験すべてで感度分析を実施した。責任医師番号 040688 の治験実施医療機関で認められた GCP の問題を以下に示す。 • 一部の被験者について病歴の記録が、治験実施計画書で必要とされている対象疾患の診

    断結果を示すのに不適切であったこと • スクリーニング時の FEV1 値が COPD の診断と合致しない被験者が COPD 試験に登録さ

    れていたこと • COPD 患者集団において、有害事象の被験者からの報告が想定より少なかったこと • COPD の複数の試験において、組み入れ基準の確認時の FEV1 値の測定結果が、被験者

    の手持ちの機器で測定した測定値と整合していないとみられること なお、Serum Cortisol Population が主要な解析対象集団である HZA106851 試験を除き、個々の試験における解析および推定結果の表示については、Intent-to-Treat(ITT)を主要な解析対象集団とする感度分析を実施する前に決定し文書化した。主要評価項目/複合主要評

    価項目および検出力を持つ副次評価項目については、主要な解析対象集団から治験責任医師

    (責任医師番号 040688)のデータを除外し(事前に除外したその他のデータ/治験実施医療機関を除外)、感度分析を実施した。

    2.7.3.1.7.1. 解析対象集団 すべての有効性評価項目において、主要な解析対象集団は ITT であり、無作為化され、無作為化二重盲検試験の治験薬を少なくとも 1 回服用した被験者と定義した。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 20 Aug 30 2013 13:05:22

  • Per-protocol(PP)集団の併合解析は当初計画しなかった。個々の CSR のいずれにおいても ITT と PP の解析結果に違いが見られた場合、PP は主要有効評価項目(FEV1トラフ値のベースラインからの変化量)の確認のみに用いることとした。PP 集団における FEV1トラフ値の解析は、FFA112059、HZA106827 および HZA106829 試験の結果報告の一部として実施した。 これらの個々の試験の PP 解析は FEV1トラフ値の ITT 解析と一致しているため、PP の解析は FEV1トラフ値に関する主要評価項目の併合解析は実施しなかった。2.7.3.1.7.に示した個々の試験の事後的な感度分析では、治験責任医師(責任医師番号 040688)が登録した被験者を除外したうえで、個々の有効性試験から一つでも評価項目のアウトカムが推定アウト

    カムを変える可能性がある(SDAP で特定された)場合、有効性の併合解析を実施することとした。個々の試験への影響がまったくない場合、すべての有効性の併合解析に影響を与え

    る恐れはないと考えられた。試験結果は個々の CSR に記載することとした。FEV1 トラフ値が主要評価項目である併合対象の試験(FFA112059、HZA106827 および HZA106829 試験)については、治験責任医師(責任医師番号 040688)を除外した FEV1トラフ値が ITT 集団で認められた結果と一致していた。したがって、併合解析に関して感度分析は実施しなかった。

    2.7.3.1.7.2. 投与群の比較

    2.7.3.1.7.2.1. 併合解析 主要評価項目(投与 2、12 および 24 週目の FEV1トラフ値のベースラインからの変化量)に対し主要な投与群の比較を以下に示す。

    • FF/VI 100/25 µg vs.プラセボ • FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg • FF 100 µg vs.プラセボ

    投与 24 週目に FEV1 トラフ値を収集した 3 試験(FFA112059、HZA106829 およびHZA106837 試験)の間では、FFA112059 および HZA106837 試験で FF 100 µg 群が共通していただけであった(表 2.7.3.1-11)。そのため、上記の投与群の比較を目的とした投与 24 週目における FEV1 トラフ値の併合解析は実施しなかった(SDAP の 10.1.1 項)。

    表 2.7.3.1-11 被験者レベルでの併合解析に含まれる各試験における投与量 試験

    プラセボ群 FF/VI

    100/25 群FF/VI

    200/25 群FF 100 群 FF 200 群 FP 500 群 FP 1000 群

    FFA112059 ○ ○ ○ HZA106827 ○ ○ ○ HZA106829 ○ ○ ○ HZA106837 ○ ○ HZA106851 ○ ○ ○

    プラセボ+ OCS 群は、有効性に関心のあるいずれの比較にも寄与しないため本表には含まれていない。 投与量; 1 日用量

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 21 Aug 30 2013 13:05:23

  • その他の着目したおもな投与群の比較(FF/VI 200/25 µg vs. FF/VI 100/25 µg、vs. FF 200 µg、vs.プラセボ、ならびに FF 200 µg vs.プラセボ)は、下記の理由により被験者レベルの併合解析から除外した(SDAP の 6.1.1 項)。 • FF/VI 200/25 µg vs.プラセボ:個々の試験で比較を行った試験はない。安全性試験の 1

    試験(HZA106851 試験)で両群が含まれており、主要評価項目の評価は 2 週目のみ可能。HZA106829 試験で FF/VI 200/25 µg 群、HZA106827 および FFA112059 試験でプラセボ群があるが対象集団は異なる。

    • FF/VI 200/25 µg vs. FF 200 µg:比較を行ったのは 1 試験(HZA106829 試験)である。HZA106851 試験の FF/VI 200/25 µg 群とは対象集団が異なる。主要評価項目の評価は 2週目のみ可能。

    • FF 200 µg vs.プラセボ:個々の試験で比較を行った試験はない。 • FF/VI 200/25 µg vs. FF/VI 100/25 µg:個々の試験で比較を行った試験はない。安全性試

    験の 1 試験(HZA106851 試験)で両群が含まれており、主要評価項目の評価は 2 週目のみ可能。HZA106829 試験で FF/VI 200/25 µg 群、HZA106827 および HZA106837 試験で FF/VI 100/25 µg 群があるが対象集団は異なる。

    いずれの試験においても FF 100 µg vs. FP 500 µg(1 日用量)の投与群の比較は評価されなかったため、被験者レベルの併合解析に関しては FF 100 µg vs. FP 500 µg(1 日用量)による投与群の比較は考慮しなかった[FF 100 µg と FP 500 µg(1 日用量)が FFA112059 試験に含まれているが、本試験は FF 100 µg の FP 500 µg(1 日用量)に対する非劣性を示す試験デザインではないためである]。また、FP 500 µg 群の併合データはない(表 2.7.3.1-11)。 FF 200 µg vs FP 1000 µg(1 日用量)の非劣性は HZA106829 試験で評価されたため、FF 200 µg と FP 1000 µg(1 日用量)の投与群の比較は、被験者レベルの併合解析に関しては考慮されなかった。また、FP 1000 µg 群の併合データはない(表 2.7.3.1-11)。 副次評価項目(効果不十分による中止被験者の割合)に対する主たる投与群の比較は、主

    要評価項目と同じであった(FF/VI 100/25 µg vs.プラセボ、FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg および FF 100 µg vs.プラセボ)。しかしながら、本評価項目を収集した試験(FFA112059、HZA106829、HZA106837)では、FFA112059 および HZA106837 試験において、FF 100 µg およびプラセボだけ共通していた。したがって、副次評価項目の併合解析が可能なのは FF 100 µg 群 vs.プラセボ群の比較のみであった(SDAP の 10.2.1 項)。

    2.7.3.1.7.2.2. 統合的に評価するのための個々の試験/併合データのフォレストプロット

    全試験を統合して評価するため、2.7.3.1.7.8.1.に示した評価項目に関して、試験レベルのフォレストプロットを作成した。注目すべき個々の評価項目/投与群の比較については、

    CSR に示した結果は CSR から引用し、一つの図(フォレストプロット)に表示した。個々の CSR に結果が示されていないものは、フォレストプロットは作成しなかった。さらに、FEV1 トラフ値の主要評価項目は、2.7.3.1.7.2.1.に示した併合解析の結果をフォレストプロットにも示した。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 22 Aug 30 2013 13:05:23

  • 主要な投与群の比較は以下のとおり。 • FF/VI 100/25 µg vs.プラセボ • FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg • FF 100 µg vs.プラセボ • FF/VI 200/25 µg vs.プラセボ • FF/VI 200/25 µg vs. FF 200 µg • FF 200 µg vs.プラセボ 単剤の併用療法への寄与を説明する上で以下の比較にも着目した。 • VI 25 µg+ICS vs.プラセボ+ICS FF 200 µg vs FP 1000 µg(1 日用量)の非劣性比較は、HZA106829 試験においてのみ評価した。FF vs. FP の正式な統計学的比較は、FF および FP(1 日用量)投与を含む試験(FP 200 µg:FFA112202 および FFA109687 試験、FP 500 µg:FFA109685 および FFA112059 試験、FP 1000 µg:FFA109684 試験)の CSR 以外で評価した。これらの試験が FP に対する FF の非劣性を示す試験デザインではなく、フォレストプロットに含めることができないからであ

    る。 比較に寄与する試験が 2 試験以上ある場合に限り、評価項目ごと、投与群ごとにフォレストプロットを作成した。試験に共通する投与群の数が限られることから、着目した投与群の

    比較のそれぞれに対するプロットを作成することはできなかった(SDAP の 10.3 項)。

    2.7.3.1.7.3. データ解析に関する一般的考察 すべてのプログラム作成は、Harmonisation for Analysis and Reporting Program(HARP)環境下で Version 9.1.3 以降の SAS を用いて行った。

    2.7.3.1.7.3.1. 多施設共同試験 無作為化は、HZA106837 試験では施設毎に行われ、他の第Ⅲ相試験では中央で一括して行われた。無作為化のスケジュールは、HZA106851 試験では試験全体で同一の無作為化スケジュールを用い、HZA106827、HZA106829 および FFA112059 試験では国により異なる無作為化スケジュールが用いられた。 試験レベルの解析に関しては、国のグループ化(地域)が統計解析モデルの因子として加

    えられた。国のグループ化については、各試験の盲検解除前に定義し文書化した。 有効性の併合解析のため、各国は表 2.7.3.1-12 のとおり地域にグループ化され[米国、欧州連合(EU)、その他]、地域はモデルの一つの因子とされた。主要評価項目に関しては、本グループ化は、地域で効果に偏りがないことを評価するために、地域のサブグループの定

    義に用いられた。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 23 Aug 30 2013 13:05:23

  • 表 2.7.3.1-12 各試験の参加国および地域 地域 HZA106827 HZA106829 HZA106837 HZA106851 FFA112059米国 ○ ○ ○ ○ ○ EU ベルギー ○ ドイツ ○ ○ ○ ○ ○ ポーランド ○ ○ ○ ○ ○ ルーマニア ○ ○ ○ ○ その他 アルゼンチン ○ オーストラリア ○ 日本 ○ ○ ○ メキシコ ○ フィリピン ○ ロシア ○ ○ ウクライナ ○ ○

    2.7.3.1.7.3.2. 多重比較および多重性 個々の試験において、投与群間の比較および重要な評価項目での多重性を回避するために、

    併合する有効性試験の 4 試験(HZA106827、HZA106829、HZA106837 および FFA112059 試験)でステップダウン閉検定法(事前に定義した階層内での検定における推測は、先に行っ

    た検定での統計学的有意性に依存する)を適用した。階層内の任意の時点で、比較および/またはエンドポイントで、統計的有意性を示さなかった場合、階層にあらかじめ指定された

    すべてのさらなる統計分析は、完全に CSR に記載されるが厳密に推測ではない。 HZA106827 試験では、階層の最上位(FF/VI 100/25 µg vs.プラセボおよび FF 100 µg vs.プラセボにおける複合主要評価項目である FEV1 のトラフ値および加重平均値)で指定されている 6 つの比較中 4 つの比較で有意水準 5%で統計学的に有意となったが、FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg の主要な比較においては複合主要評価項目に関して統計学的に有意とはならなかった。このため、ステップダウン閉検定法の条件は満たされなかった。したがって、副次

    およびその他の評価項目に関して、および既定の治療についてのその他の対応のある比較に

    関してさらに実施した統計解析すべての結果は個別の CSR に記載しているが、統計的推定に厳格に基づくものではない。 HZA106829 試験では、FF/VI 200/25 µg vs. FF 200 µg の主要な比較において、複合主要評価項目および階層の上位 2 つの副次評価項目に関して有意水準 5%で統計学的に有意となったが、階層の最下位の副次評価項目(AQLQ)に関しては統計学的に有意とはならなかった。このため、その他の評価項目に関してさらに実施した統計解析すべての結果は個別の報告書

    に記載しているが、統計的推定に厳格に基づくものではない。 FFA112059 試験では、FF 100 µg vs.プラセボの主要な比較においては主要評価項目および階層の上位 2 つの副次評価項目に関して有意水準 5%で統計学的有意となったが、第 3 の副次評価項目(夜の PEF 値)に関しては統計学的に有意とはならなかった。このため、階層におけるこれより下位の副次評価項目およびその他の評価項目に関してさらに実施した統計

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 24 Aug 30 2013 13:05:23

  • 解析すべての結果は個別の CSR に記載しているが、統計的推定に厳格に基づくものではない。 HZA106837 試験では、FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg の主要な比較においては階層のすべての評価項目に関して有意水準 5%で統計学的に有意となったため、本試験に関して統計的推定上の制約はない。 本 2.7.3.中のデータに関しての透明性を確保するため、精緻な統計検定戦略へ言及はしないものの、個々の試験の結果については完全な形[すなわち、投与群間差、最小二乗

    (LS)平均値、95%信頼区間(CI)、p 値]で報告する。これらのデータを全体として見た場合、結果が頑健で、複数の試験で再現されているならば、ここでの知見は個々の試験にお

    ける厳格な検定階層に勝るものであると考える。 正式な多重性の基準は有効性の併合解析には適応しなかった。

    2.7.3.1.7.4. データの取扱い規定 併合解析に関する全データの取扱い規定は、該当する個々の試験の RAP または CSR の記載に沿った。 主要な規定を本項に記載する。 すべての CI は 95%信頼水準を用いた。有意差検定を要する解析は、特に断りがない場合、有意水準 0.05 で両側検定を用いた。

    2.7.3.1.7.4.1. ベースライン FEV1 トラフ値の解析でのベースラインは、無作為化来院時に測定した投与前 FEV1 とした。

    2.7.3.1.7.4.2. 早期中止および欠測値

    2.7.3.1.7.4.2.1. FEV1 トラフ値 投与期間終了時の投与前 FEV1 が欠測している場合は、最終データで欠測値を補完した(Last Observation Carried Forward: LOCF)。これは予定来院時の測定に限定して行った。詳細は SDAP に示した。 LOCF と反復測定解析の両方を実施した個別の試験の報告書のいずれかで、これらの結果に齟齬が生じている場合には、主要評価項目である FEV1 のトラフ値の確認解析としての有効性の併合解析において、反復測定混合モデル(MMRM)解析を用いるものとする。 FEV1 のトラフ値に関して LOCF と MMRM 解析の両方を実施した個別の試験(FFA112059、HZA106827、HZA106829 および HZA106837 試験)の報告書のそれぞれで、これらの結果が一貫していたことから、主要評価項目である FEV1 のトラフ値の有効性の併合解析としてLOCF 解析のみを実施した。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 25 Aug 30 2013 13:05:23

  • 2.7.3.1.7.4.3. 導き出され変換されたデータ

    2.7.3.1.7.4.3.1. 服薬順守 服薬順守は、個々の試験の RAP に記載された方法に従い算出した。具体的には、吸入回数の合計と、本来すべきであった吸入回数に基づいた。詳細は SDAP に示した。

    2.7.3.1.7.5. サブグループおよび共変数の定義

    2.7.3.1.7.5.1. 性別 要約および解析表は、主要評価項目(FEV1トラフ値のベースラインからの変化量)について性別(男性/女性)で層別して作成した。

    2.7.3.1.7.5.2. 年齢 要約表は、主要評価項目(FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量)について年齢区分(12~17、18~64、65 歳以上)で層別して作成した。 また、年齢による治療効果の偏りは、モデルおよび年齢と投与群の交互作用を共変量とし

    て調整し、有効性主要評価項目に関して検討を行った。

    2.7.3.1.7.5.3. 人種 要約表は、主要評価項目(FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量)について人種(アフリカ系アメリカ人/アフリカ系統、アメリカ先住民またはアラスカ先住民、アジア人、

    ハワイ先住民または他の太平洋諸島の先住民、白人、Mixed Race)により層別して作成した。

    2.7.3.1.7.5.4. 地域 要約および解析表は、主要評価項目(FEV1トラフ値のベースラインからの変化量)について 2.7.3.1.7.3.1.に示す地域で層別して作成した。 さらに、要約表は米国とそれ以外の地域で層別して作成した。

    2.7.3.1.7.6. 試験の母集団 計画した要約の詳細は、SDAP の 9 項に示した。

    2.7.3.1.7.7. 有効性の解析 すべての併合解析は ITT 集団を対象に実施した(2.7.3.1.7.1.)。

    2.7.3.1.7.7.1. 主要な有効性の解析-FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量 併合対象の喘息試験の全 5 試験のデータを 2 週目の主要評価項目(FEV1トラフ値のベースラインからの変化量)の要約に用いた。HZA106829 試験の投与群は、2.7.3.1.7.2.1.に示すように投与群の比較には利用できなかったことから、本試験は、主要評価項目の解析にも用

    いなかった。したがって、解析に用いたのは HZA106827、HZA106837、HZA106851 およびFFA112059 試験の 4 試験試験である。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 26 Aug 30 2013 13:05:23

  • HZA106827、HZA106829、HZA106837 および FFA112059 試験を 12 週の要約に、HZA106827、HZA106837 および FFA112059 試験を 12 週の主要評価項目の解析に用いた。 HZA106829、HZA106837 および FFA112059 試験を 24 週の要約に用いた。24 週の来院を設定しなかった試験では、24 週の前後の来院(投薬期間中の来院)の平均値を用いた。したがって、HZA106837 試験では、この評価項目に 20 週と 28 週の来院時の値の平均を用いた。2.7.3.1.7.2.1.に記述したように、HZA106829 試験の投与群は投与群の比較には用いず、また HZA106837 および FFA112059 試験に共通なのは FF 100 µg だけであったことから、投与 24 週目の主要評価項目については解析せず、データの要約のみとした。 投与 2、12 および 24 週目の FEV1トラフ値のベースラインからの変化量は、2.7.3.1.7.4.2.1.に示したように LOCF を用いて算出した。 投与 2、12 および 24 週目の生データおよび FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量の要約統計量については、投与群別に表を作成した。これらは、また 2.7.3.1.7.5.に示すサブグループの分類について投与群別に表を作成した。 投与 2 および 12 週目の LOCF データの解析は、ベースライン FEV1、地域、性別、年齢、投与群および試験を共変量として、共分散分析(ANCOVA)モデルにより行った。各投与群に関する調整済平均値およびベースラインからの平均変化量を算出し、標準誤差(SE)と共に示した。投与 2 週目および 12 週目について、2.7.3.1.7.2.1.に示した投与群の比較に関する投与群間の差の推定値と差の 95% CI および p 値を示した。投与 2 および 12 週目の各群の調整済平均値および 95% CI もプロットした。投与 2 および 12 週目の調整済平均値の投与群間差および 95% CI もプロットした。 また、2.7.3.1.7.5.に示した性別および地域サブグループの各レベルに関し、投与群の比較を示した。これらは、追加のモデルを、追加のサブグループと投与群の交互作用項で調整す

    ることにより算出した。これらのモデルから、サブグループの各レベルに対し投与 2 および12 週目の各投与群の比較の推定値と 95% CI を算出した。 年齢による治療効果の偏りについて、モデルを年齢および年齢の交互作用項で調整するこ

    とにより検討した。後者の検定は有意水準 10%で実施した。交互作用が 10%の有意水準で検出された場合にはさらなる検討を行った。 追加の試験と投与群の交互作用項を含む、別の追加モデルについては、試験の不均質性を

    評価するために調整された。

    2.7.3.1.7.7.2. 副次的有効性解析-効果不十分による試験中止被験者数 HZA106827、HZA106829 および FFA112059 試験を、効果不十分による試験中止被験者数の要約に用いた。試験対象集団および中止基準が異なるため、HZA106837 試験は要約および本評価項目の解析から除外した。 2.7.3.1.7.2.1.に記述したように HZA106829 試験は投与群の比較には利用できなかったので、この試験は副次評価項目の解析から除外した。HZA106827 および FFA112059 試験のみが解析に利用された。FF 100 µg およびプラセボ群のみが両試験に共通だったため、FF 100 µg とプラセボ群の比較のみで併合解析を行った。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 27 Aug 30 2013 13:05:24

  • 効果不十分による試験中止被験者の割合は Fisher の直接確率法で解析した。おもな中止理由が効果不十分であった被験者の数および割合(%)ならびに上述の投与群の比較の p 値を示した表を作成した。試験ごとに層別を含む独立した追加モデルが適用された。 中止までの期間に関する累積発現頻度曲線を示す Kaplan-Meier プロットをすべての投与群について作成した。中止の各理由に対して Kaplan-Meier プロットを作成した。

    2.7.3.1.7.8. すべての試験結果を評価するためのアウトプット

    2.7.3.1.7.8.1. 統合的に評価するための個々の試験結果のフォレストプロット 上述の併合解析に加え、個々の喘息試験結果を統合的に評価するためにフォレストプロッ

    トを作成した。2.7.3.1.7.2.2.に示す投与群の比較ごとにフォレストプロットを一つ作成した。比較に用いた試験が 2 つ以上あった場合に限り、一つの比較に複数のフォレストプロットを作成した。 下記のフォレストプロットを作成した。 • FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量:

    • FF/VI 100/25 µg vs. FF 100 µg • FF 100 µg vs.プラセボ • FF 200 µg vs.プラセボ • VI 25 µg+ICS vs.プラセボ+ICS

    • FEV1 加重平均値(0~24 時間)のベースラインからの変化量: • VI 25 µg+ICS vs.プラセボ+ICS

    • 24 時間救済薬未使用期間の割合(%)のベースラインからの変化量: • FF 100 µg vs.プラセボ • FF 200 µg vs.プラセボ • VI 25 µg+ICS vs.プラセボ+ICS

    • 24 時間無症状期間の割合(%)のベースラインからの変化量: • FF 100 µg vs.プラセボ • FF 200 µg vs.プラセボ • VI 25 µg +ICS vs.プラセボ+ICS

    • PEF(朝)のベースラインからの変化量: • FF 100 µg vs.プラセボ • FF 200 µg vs.プラセボ • VI 25 µg+ICS vs. プラセボ+ICS

    • PEF(夜)のベースラインからの変化量: • FF 100 µg vs. プラセボ • FF 200 µg vs. プラセボ • VI 25 µg+ICS vs.プラセボ+ICS

    • AQLQ 合計のベースラインからの変化量:FF 100 µg vs.プラセボ

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 28 Aug 30 2013 13:05:24

  • 2.7.3.1.7.8.2. 効果の持続、耐薬性およびリバウンドの発現 FF および FF/VI の短期~中期の効果(最長 6 ヵ月間)を 2.7.3.1.7.7.1.に示す FEV1 トラフ値の併合解析により検討した。FEV1トラフ値を測定した初回の投与後測定ポイントは 2 週目であった。より長期の有効性を検討したのは HZA106837 試験で、被験者は最短 24~最長76 週間(大部分の被験者の投与期間は 52 週間以上)の投与を受け、その期間の間に多くの来院で FEV1 トラフ値が測定されており、長期間の有効性の持続に関する情報が収集できた。 LABA の慢性的な使用は SABA の気管支拡張効果に対する耐薬性につながると考えられてきたため、B2C109575 試験(第Ⅱ相試験)では、VI の投与前、初回投与後および 4 週間の投与後にサルブタモールに対する反応性の検討を行った。サルブタモール投与後の FEV1(サルブタモール 400 µg 単回投与 30 分後に FEV1を測定)について、下記の測定ポイント間で VI 群とプラセボ群を比較した。 • 1 日目および 28 日目の投与 24 時間後 • スクリーニングおよび 1 日目の投与 24 時間後 • スクリーニングおよび 28 日目の投与 24 時間後 PEF 値についても、HZA106827 試験の全試験期間中および治験薬投与中止後 2 週間、毎日、モニタリングを行った。治験薬投与中止後 2 週間の間に被験者が通常の既存治療薬に変更したことで、FF/VI を中止した際に肺機能に現れるあらゆる反跳効果に関して評価が可能となった。

    2.7.3.1.7.8.3. 気管支拡張効果の発現 FEV1 の改善に対する FF/VI の作用発現に関する情報は、HZA106827 および HZA113091試験にて提供される。加えて、HZA106827 および HZA106829 試験において毎日測定されたPEF により、FF/VI および FF の両方に対して、それぞれ投与 1 日目からの 12 および 24 週時における気管支拡張の効果発現の評価を可能にする。また、FFA109687 試験ではステロイド未使用の患者を組み入れたため FF の効果発現に関する評価に適している。

    2.7.3.1.8. 国内長期投与試験 日本人喘息患者を対象として FF/VI または FF を長期投与した際の安全性および忍容性を評価した HZA113989 試験において、有効性の評価項目も併せて設定した。 本試験は、多施設共同、非対照、並行、非盲検試験である。治験期間は、前観察期間 2 週間、治療期間 52 週間、後観察期間 1 週間の、最大 55 週間とした。前観察期間終了後、組み入れ基準(スクリーニング前 12 週以内に OCS を要する喘息増悪がない、FEV1 が予測値の50%以上、等)を満たした被験者は、表 2.7.3.1-13 に示すとおり既存治療に応じて 3 つのコホートのいずれかに割り付け、FF/VI または FF を 52 週間投与した。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 29 Aug 30 2013 13:05:24

  • 表 2.7.3.1-13 既存治療により割り付けられた各コホートの治療内容 (HZA113989 試験)

    コホート 既存治療の ICS 用量 用量・用法 コホート A 低用量の ICS/LABA 配合剤(アドエア®100 相当)を使用している、

    または ICS(FP 200 µg/日相当)+LABA を併用している、または ICS(FP 400 µg/日相当)を使用している(LABA 不使用)被験者

    FF/VI 100/25 µg、 1 日 1 回、夜投与 (NDPI 使用)

    コホート B 中用量の ICS/LABA 配合剤(アドエア®250 相当)を使用している、または ICS(FP 400 µg/日相当)+LABA を併用している、または ICS(FP 800 µg/日相当)を使用している(LABA 不使用)被験者

    FF/VI 200/25 µg、 1 日 1 回、夜投与 (NDPI 使用)

    コホート C 低用量の ICS(FP 200 µg/日相当)を使用している(LABA 不使用)、または ICS を使用していない被験者

    FF 100 µg、 1 日 1 回、夜投与 (NDPI 使用)

    有効性の評価項目は以下のとおりとし、要約統計量をコホートごとに算出した。有効性の

    解析対象集団は、割り付けされ治験薬を少なくとも 1 回投与された被験者集団である ITT 集団とした。 • 朝と夜の PEF 値の変化量 • 喘息症状(症状スコアの変化量、24 時間無症状日数の割合) • 救済薬の使用(噴霧回数、24 時間使用しなかった日数の割合)

    2.7.3.2. 個々の試験結果の要約 本項では、併合対象の喘息試験および併合対象としない喘息試験について、被験者集団、

    曝露量、主要な有効性の結果を示す。 さらに、有効性を補完する臨床薬理試験(HZA113126 および HZA114624 試験)、有効性を補完する COPD 試験(B2C111045 試験)および国内長期投与試験(HZA113989 試験)についても、被験者集団および主要な有効性の結果を示す。 なお、FF/VI 配合剤の安全性プロファイルに検討に使用したおもな安全性試験成績の概略は、2.7.4.に示す。

    2.7.3.2.1. 併合対象の喘息試験

    2.7.3.2.1.1. FF/VI 配合剤試験

    2.7.3.2.1.1.1. 最長 76 週間の増悪試験(HZA106837 試験) HZA106837 試験は、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間試験で、FF 100 µg 1 日1 回夜投与と比較し、FF/VI 100/25 µg 1 日 1 回夜投与で重度の喘息増悪のリスクが有意に低下するか否かを重度の喘息増悪の初回発現までの期間により検討した。ベースライン時に

    FP 200~1000 µg、FP/SALM 200/100~500/100 µg またはそれと同等量で治療されており、症状のある患者を対象とした。安全性評価には、有害事象、入院の回数、重度の喘息増悪によ

    る救急外来の受診、予定外の医療機関の受診および重度の喘息増悪による気管挿管、バイタ

    ルサインの評価が含まれていた。 合計 2020 例の持続型喘息患者が無作為割り付けされ、治験薬を 1 回以上服用した 2019 例が ITT 集団とされた。治験薬の曝露期間の中央値は投与群を通じて 366~369 日であった。

    2.7.3. 臨床的有効性

    2.7.3 - p. 30 Aug 30 2013 13:05:24

  • 両群の人口統計学的特性は類似しており、大部分の被験者は女性および白人で、平均年齢

    42 歳であった。ベースラインにおける FEV1の予測値に対する割合の平均値は 71.9%であった。 主要評価項目は、重度の喘息増悪の初回発現までの期間とした。重度の喘息増悪とは、3日間以上の全身性ステロイド薬の投与(錠剤、懸濁液または注射)を必要とする、あるいは

    全身性ステロイド薬の投与を必要とする入院または救急診療部の受診を伴う喘息の悪化とし

    た[Reddel, 2009]。FF/VI 100/25 µg 群と FF 100 µg 群の重度の喘息増悪の初回発現までの時間の解析に関する Cox モデルのハザード比は、0.795(95% CI: 0.642, 0.985)であった。これは、FF/VI 100/25 µg 群では FF 100 µg 群に比べ、重度の喘息増悪の発現リスクが 20%低下していることを意味する(p = 0.036)。FF/VI 100/25 µg 群では、FF 100 µg 群に比較して 25%の重度の喘息増悪率の低下が認められた。患者一人あたり年間の重度の喘息増悪発現率は FF 100 µg 群でおよそ 5 年毎に 1 回であり、FF/VI 100/25 µg 群ではおよそ 7 年毎に 1 回であった。投与 36 週終了時では、FF/VI 100/25 µg 群は FF 100 µg 群に比べ副次評価項目の FEV1 トラフ値が有意に改善した(調整済投与群間差 83 mL、95% CI: 44, 123; p < 0.001)。 本試験のその他の評価項目では、Asthma Control Questionnaire(ACQ7)のスコア≤0.75 の被験者の割合を評価した。投与 12、36 週および終了時では、FF/VI 100/25 µg 群は FF 100 µg群よりも優れていた(p < 0.001)。個々の評価時点において FF/VI 100/25 µg 群の被験者はFF 100 µg 群の被験者と比べ、約 50%は well controlled(ACQ7 ≤0.75)であった。ベースライン時で well controlled でない(ACQ7 >0.75)被験者のうち、well controlled(ACQ7 ≤0.75)になった被験者の割合は、すべての評価時点において FF 100 µg 群よりも FF/VI 100/25 µg 群で高かった(FF/VI 100/25 µg; 35~44%、FF 100 µg; 27~35%)。

    2.7.3.2.1.1.2. 12 週間の有効性および安全性試験(HZA106827 試験) HZA106827 試験は、持続型喘息患者を対象とした 12 週間の多施設共同、層別、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験で、FF/VI 100/25 µg、FF 100 µg およびプラセボの 1日 1 回夜投与の有効性および安全性を比較検討した。ベースライン時に FP 200~500 µg/日、FP/SALM 200/100 µg/日またはそれと同等量で治療されており、症状のある患者を対象とした。安全性評価には、有害事象および重度の喘息増悪、口腔咽頭検査、臨床検査、24 時間尿中コルチゾール、バイタルサインおよび 12-誘導心電図の評価が含まれていた。 合計 610 例の被験者が無作為割り付けされ、治験薬を 1 回以上投与した 609 例が ITT 集団とされた。治験薬の曝露期間の中央値は投与群を通じて 84~85 日であった。3 群の人口統計学的特性は類似しており、大部分の被験者は女性および白人で、平均年齢は 40 歳であった。ベースラインにおける FEV1 の予測値に対する割合の平均値は 70.4%であった。 複合主要評価項目は、全被験者の来院時 FEV1 トラフ値のベースラインからの変化量および一部の被験者で算出された FEV1加重平均値(0~24 時間)のベースラインからの変化量であ�