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1 平成26年度 北海道産農水産品等の国際展開促進手法調査検討 調査内容説明資料 北海道開発局 港湾空港部 港湾計画課 一般社団法人 寒地港湾技術研究センター 平成273平成27年7月31日 第1回HOP推進協議会 資料2-1

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平成26年度

北海道産農水産品等の国際展開促進手法調査検討

調査内容説明資料

北海道開発局 港湾空港部 港湾計画課

一般社団法人 寒地港湾技術研究センター

平成27年3月

平成27年7月31日

第1回HOP推進協議会

資料2-1

Page 2: 平成26年度 北海道産農水産品等の国際展開促進手法調査検討 ......2 1.業務概要 業務目的 北海道産農水産品・加工品(以下、「道産品」

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1.業務概要

■業務目的

北海道産農水産品・加工品(以下、「道産品」と称す)の北海道内港湾・空港から東アジア・ASEANへの輸出促進を図るためには、鮮度保持

した輸送システムの構築や、トレーサビリティーを確保するなど、高付加価値化につながる輸送システムを構築する必要がある。

現在、国内では様々な鮮度保持やトレーサビリティーに対応したことで高付加価値化に成功した事例があることから、これらの事例を整理することで、高付加価値化した道産品の新たな輸送システムを構築するとともに、海外での試食会等を通じたニーズの把握、販路の開拓を一体的に実施し、道産品ブランド力向上や国際展開を促進する手法を検討する。

■調査対象 本業務は、香港、シンガポール、台湾(以下、「対象国(地域)」)を対象として調査を行う。

■業務内容・業務フロー

2 .基礎情報収集

5

3 .輸送システムの構築と試験輸送

1 .調査計画・準備

4 .評価、ニーズの把握

6 .報告書作成

(2)高付加価値化産品に関するアンケート調査

試食会

(2)小口混載鮮度保持

輸送システムの検討

5 .輸出促進手法の検討

(1)情報発信効果検証

(2)現地調査の実施と

結果の取りまとめ(3)試験輸送の実施と調査

別業務

情報発信結果提供

連動

初回打合せ

最終打合せ

(1)高付加価値化された農水産品等に関する情報収集

中間打合せ

(1)鮮度保持技術に関する

情報収集

※香港、台湾、シンガポールの3カ国(地域)にて実施

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3 2.高付加価値化された農水産品等のニーズを把握する基礎情報収集

(1)高付加価値化された農水産品等に関する情報収集

■概要

鮮度保持やリードタイム短縮などの高付加価値化に取り組んだ結果、販路拡大につながった実績のある農水産品等の事例について情報を収集する。

■調査結果

「輸送用容器の改善」「鮮度保持資材の利用」など比較的簡便なものから、「物流環境の整備」「国際的な認証取得」等の大規模・長期的なものまで様々である。

そのほか、「クールEMS」や「輸出

手続きから配送までのワンストップサービス」等の外部物流サービスの活用による輸出展開の事例もみられる。

○高付加価値化された農水産品等の輸出事例

分 類 取組内容 商 材

(

1)

鮮度・おいしさ志向

荷傷み(衝撃)の少ない輸送 輸送用容器の改善 イチゴ

鮮度を保持する輸送 海洋深層水の利用による鮮度保持 スケソウダラ

鮮度保持資材の利用 生鮮野菜・果物

小口の保冷配送(クール EMS) 農水産品・菓子等

CA コンテナによる長期輸送 アボカド

徹底した品質管理と物流環境の整備 バナナ

(

2)

トレーサビリティ

安全・安心に関する認証取

得とトレーサビリティ

グローバル GAP の認証取得とトレーサ

ビリティ ニンジン等

EUHACCP の認証取得とトレーサビリ

ティ 水産物

国際標準に基づいたトレー

サビリティ

GS1 の国際規格に基づいたトレーサビ

リティ シトラス(柑橘類)、

菓子類

(

3)

利便性

高速化 輸出手続き~配送のワンストップサー

ビス 生鮮食品等

国際物流ハブの活用 生鮮食品等

即日通関によるリードタイム短縮 農水産品

RORO 船を活用した高速輸送 食品

定時性 2 国間で連携した安定供給と効率的な

物流 鮮魚

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4 2.高付加価値化された農水産品等のニーズを把握する基礎情報収集

(2)対象国・地域における高付加価値化産品に関するアンケート調査

■概要

対象国・地域における高付加価値化の志向性、高付加価値化にともなう商品価格上昇への受容性および購買意欲変動のバランス等を把握する。

■調査結果

■調査対象・調査規模 香港、台湾、シンガポールに居住する20歳以上の男女 / 計300サンプル(各国・地域100ずつ)

■調査方法:インターネット調査

■調査期間:平成26年8月27日~9月8日

0%

20%

40%

60%

80%

100%

味が良いこと

安全性が確かなこと

健康に良いこと

有名なブランドで

あること

産地、原産国

洗練されている、

高級感があること

見栄えやパッケージ

の美しさ

新しさがあること

安価なこと

いろいろな料理に

使えること

手軽に使えること

手に入りやすいこと

行ったことがある、

憧れの国にもの

全体 香港 台湾 シンガポール

442

324

183

807

1,398

3,647

482

356

194

1,214

1,874

3,948

417

225

120

502

1,118

3,866

422

389

228

638

1,141

3,110

0円 500円 1,000円 1,500円 2,000円 2,500円 3,000円 3,500円 4,000円 4,500円

牛乳

(1L)

チーズケーキ

(1ピース/1人分)

とうもろこし

(1本)

メロン

(Lサイズ1玉)

ホタテ貝柱

(200g/10個前後)

タラバガニ-

(1パイ/2kg前後)

全体

香港

台湾

シンガポール

○食品の購入時に重視する点

○高付加価値化した北海道産農水産品等の購入限度額(平均)

食品の購入時、「安価であること」を重視している人は6割を超えている。

そして、高付加価値化した道産品の購入意向はあるものの、購入にあたっての支払い限度額は現地で販売されている同種品から大きくは離れていない。これらの結果は世帯年収が高い層(900万円以上)においても同様の傾向がみられる。

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5 3.鮮度保持した道産品の輸送システムの構築と試験輸送の実施

(1)既存の鮮度保持技術に関する情報収集

■概要

小口混載鮮度保持輸送システムを検討する際の参考とするため、実用化されている既存の鮮度保持技術に関する技術について情報を収集する。

■鮮度保持技術の分類と対象とする食品

鮮度保持フィルム

「Xtend」

■鮮度保持技術分類の考え方

塩水氷

■鮮度保持技術の事例

鮮度保持技術の分類 鮮度保持の対象とする食品

野菜・果物 水産品

ガス吸着剤 ○ -

フィルム・袋など ○ -

塩分を含む氷 - ○

梱包外箱 ○ ○

輸送コンテナ関連 ○ ○

その他 ○ ○

菓子類

乳製品

水産加工品

製造段階での鮮度保持対

策と賞味期限の設定

輸送段階における鮮度保持

対策が及ばない面があるた

め、試験輸送の対象から除外

【加工品】

水産品(活魚)

野菜・果物

鮮度保持に必要なこと

・呼吸抑制

・成熟ホルモンの抑制

・ガス制御

・湿度制御

・低温維持

・外的衝撃の制御

【生鮮品】

鮮度保持技術

・ガス吸着剤

・フィルム・袋など

・保冷するもの

・梱包外箱

・輸送コンテナ関連

鮮度保持に必要なこと

・水分・温度管理

・酸素の確保と炭酸ガスの

排出

・呼吸時に排出されるアン

モニア等の毒性物質の

除去

・外的衝撃の制御

鮮度保持技術

・塩分を含む氷

・梱包外箱

・輸送コンテナ関連 鮮度保持に必要なこと

・低温維持

・自己消化の抑制

・微生物の繁殖抑制

・外的衝撃の制御

水産品(鮮魚)

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6 3.鮮度保持した道産品の輸送システムの構築と試験輸送の実施

(2)小口混載鮮度保持輸送システムの検討

■概要

基礎情報を参考に、輸出促進の可能性が高いと思われる道産品を選定し、各道産品に対応する生産段階から対象国・地域の最終地点に届くまでの小口混載鮮度保持輸送システムを検討する。

■輸送手段の特徴を考慮した鮮度保持技術の要件

リードタイム

輸送単価

(大)

(小)

輸送量

(大)

(小)

海上輸送

航空輸送

(長)(短)

温度管理機能 (有)(無)

航空輸送と海上輸送の特徴の模式化

発 地 着 地

北海道側

空港

港湾

仕向国側

空港

港湾

【コールドチェーンの確保】 【リードタイムの短縮】

陸送・保管 陸送・保管航空輸送/海上輸送

簡便性:大がかりな道具立て(設備や機材など)が要らないこと、また必 要な技術の入手がしやすいこと 汎用性:商材ごとの鮮度保持特性が異なるなかで、できるだけ多様な商材 に対応できること 経済性:鮮度保持という付加価値が付くことにより価格上昇は避けられな いが、その上昇をできるだけ最小限に抑えられること

輸送商材 鮮度保持技術 適用理由

農産品 鮮度保持フィルム

[Xtend]

・日本に導入されたばかりであるが、海外での使用実績が豊富なこと

・青果物を Xtend 袋に入れるだけで、取扱いが簡単なこと

・道内(札幌)に代理店があり、技術的アドバイス・サポートなどの協力が得

やすいこと

水産品 人工海水氷

[塩水氷]

・微量の塩分を含むことにより、一般的な蓄冷材よりも低温状態を長続き

させられること

・道内(札幌)にメーカーがあり、技術的アドバイス・サポートなどの協力が

得やすいこと

■試験輸送への適用

*航空輸送:輸送中低温状態が一定程度維持できる技術の適用が必要

*海上輸送:長期間の輸送でも鮮度を劣化させないための技術の適用が必要

鮮度保持輸送における基本的要件

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7 3.鮮度保持した道産品の輸送システムの構築と試験輸送の実施

(3)試験輸送の実施と輸送状況の調査(航空輸送)

■調査概要

検討した輸送システムのうち、複数種類の道産品を混載して航空試験輸送を実施する。

■輸送結果

■輸送先 (各1回)

シンガポール、

香港、台湾

■輸送品 (120サイズの発泡スチロールに梱包)

農産品:トマト、ホウレン草、キャベツ、ニンジン(全てむかわ町産)

水産品:サンマ、サバ、カレイ、キンキ、活タコ、活カニ、活ホッキ、

活ホタテ、活ツブ

(道内産品を札幌中央卸売市場にて梱包)

■輸送方法 HOP1サービス(北海道国際輸送プラットホーム推進協議会)

■鮮度保持技術 農産品:鮮度保持フィルム「Xtend」(フィルム無しの梱包と比較)

水産品:塩水氷(保冷剤入りの梱包と比較)

香港 (香港国際空港)

新千歳 空港

羽田空港

台湾 (台湾桃園国際空港)

シンガポール (チャンギ国際空港)

○輸送リードタイム(集荷から配送)

シンガポール: 2日(平成26年10/7集荷→10/9到着・配送)

香港:3日(平成26年10/29集荷→10/31日到着 →11/1配送)

台湾:6日(平成26年11/1集荷→11/4日到着 →11/6配送)

※香港は試食の都合上配送を1日遅らせた。通常は2日。

■実施期間 平成26年10月~11月

○1箱あたりの輸送コスト(HOP利用料+諸税)

シンガポール:約20,000円(付加価値税7%含む)

香港:約12,000円(諸税なし)

台湾:約16,000~26,000円(営業税・関税30%含む)

○温度管理 集荷~SIACT【冷蔵管理】 コンテナ搭載~現地通関【常温】 通関終了後~配送【冷蔵管理】

○鮮度保持の状況

農産品:トマト、ホウレン草はフィルム使用の方に優位性がみられた。一方、キャベツ、ニンジンには大きな違いはみられなかった。

水産品:サンマやサバの青魚に塩水氷の優位性がみられた。一方、キンキは保冷剤入りの方が状態は良好。活モノは全て死滅していた。

実績 農産品は約0~5℃、水産品(塩水氷)は-1~1℃

程度で安定して推移。

管理 状況

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8 3.鮮度保持した道産品の輸送システムの構築と試験輸送の実施

(4)試験輸送の実施と輸送状況の調査(海上輸送)

■調査概要

検討した輸送システムのうち、コンテナ1個に複数種類の道産品を混載して海上試験輸送を実施する。

■輸送先:香港 (1回)

■輸送品 ○試験輸送品(農産品は段ボール、水産品は発泡スチロールに梱包)

農産品:トマト、ホウレン草、キャベツ、ニンジン、カボチャ(計13箱)

(全てむかわ町産)

水産品:活ホッキ、活ホタテ、活ツブ、マグロ(計4箱)

(道内産品を札幌中央卸売市場にて梱包)

○商用品:ジャガイモ (20kg×段ボール100箱)

○輸送リードタイム(バンニングから香港配送まで)

16日(平成26年10月14日→30日)

■輸送結果

○温度管理

○鮮度保持の状況 農産品:フィルム使用の方が鮮度は良好。一方でトマトは

未熟、ホウレン草は“しおれ”がみられた。

水産品:貝類は全て死滅、マグロは腐敗していた。

実績 農産品は約2℃、水産品(塩水氷)は-1~2℃

程度で安定して推移。

■輸送ルート (京浜港経由の国際フィーダー利用)

苫小牧港~横浜港~東京港T/S~香港港

■船社・使用コンテナ・設定温度 商船三井 20ftリーファーコンテナ(2℃設定)

3

5

4

3

3

3

4

4

1

1

15

16

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

予定

実績

バンニング後CY蔵置 苫小牧港~横浜港 トランシップ 東京港~香港港 香港港~配送 合計

香港港

苫小牧港

京浜港

■鮮度保持技術 農産品:鮮度保持フィルム「Xtend」(フィルム無しの梱包と比較)

水産品:塩水氷(比較品なし)

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9 4.輸送した道産品の評価、現地ニーズの把握

■調査概要 「3.試験輸送の実施と輸送状況の調査」で実施し

た試験輸送した道産品を現地関係者に試食・評価いただき、付加価値に対する現地ニーズと輸出促進に可能性のある道産品を把握する。

■評価・感想等の概要 ※【 】は評価が出た国・地域

国・地域 場所 日時 試食評価者

1 シンガ

ポール

日本料理店「石巻」 平成 26 年 10 月 9 日

(集荷から 2 日後)

飲食店関係者

2 香港 九州料理居酒屋

「神屋流 博多道場」尖沙咀店

平成 26 年 11 月 1 日

18:00~

(集荷から 3 日後)

HOP 商談会に参加した、現地

飲食店バイヤー

3 台湾 「北海道蕎麦さくら」 平成 26 年 11 月 7 日

(集荷から 6 日後)

道産品の輸入卸を行っている

日本人および蕎麦店の現地ス

タッフ

○実施場所等(航空輸送)

国・地域 場所 日時 試食評価者

1 香港 新華日本食品有限公司 平成 26 年 10 月 30 日

(集荷から 17 日後)

同社社員等

○実施場所等(海上輸送)

輸送した水産品(左) と 農産品(右)

○農産品

○水産品

・トマトは赤くて甘いものが人気があるので、今回のものでは売れないだろう。【香港】

・ホウレン草は味が良く、調理して食べるには問題ないが小売用としては難しいだろう。【3カ国・地域】

・道産野菜は現地のものに比べると大変美味しいが、現地で安い野菜がたくさんあるため輸出は難しそうだ。ただ、カボチャについては価格が多少高くとも買いたいとの青果業者がいた。 【台湾】

・発注単位やコストが障壁となり、ビジネスとしては難しいだろう。

【 3カ国・地域】

・鮮度抜群とまでは言えないものの、青魚の鮮度保持に塩水氷は効果的と思われる。【香港】

・活モノ(カニ、貝類、タコ)は死滅してしまうと味が良くとも価値が大きく下がるため、活で輸送できなければ意味がない。【香港・シンガポール】

・カレイは珍しくて美味しい。新鮮であれば売れるかもしれない。【香港】

・活イカは仕入れたいが現状では物流面や鮮度保持面で難しい。今後に期待したい。 【シンガポール】

・冷蔵の道産品は魅力的だが、通関の仕組み上難しい。【台湾】

・マグロが腐敗した理由は、長期間の輸送や梱包方法など色々考えられる。【香港海上】

日本料理店

日本料理店

日本料理店

日本食材輸入企業

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10 5.高付加価値化した道産品の輸出促進手法の検討

(1)効果的な情報発信を実現する情報媒体の効果検証

■目的

高付加価値化した道産品の輸出促進を図るためには、海外において効果的に情報発信することが必要なことから、対象国・地域向けの各種情報媒体を活用した広報効果を検証する。

■実施内容 「海外おみやげ宅配便」のPRを各媒体掲載後に検証用データの収集を行い、発送実績と照らし合わせて効果について分析を行う。

対象広告媒体 実 施 時 期

紙媒体(香港、台湾、シンガポール) 平成 26年 9月発刊~

SNS①(シンガポール) 平成 27年 1月 22日 6:00~

SNS②(香港) 平成 27年 1月 23日 16:30~

テレビ(シンガポール) 平成 27年 2月 7日 19:30~再放送多数

■実施結果(発送個数) 情報発信の開始時期と発送実績からその効果を検証した。紙媒体では効果が現れるまでに時間は掛かるが各国で効果が見られた。SNSについては「いいね!」集計数から閲覧されたことが確認でき、発送実績は香港が伸びた。シンガポールで実施した、テレビによる広告の効果は検証期間が短いこともあるが、発送実績は1個に留まっていた。

<テレビ>

<紙媒体> <SNS(Facebook)> ■各媒体での広告内容

012345678

(個)

海外お土産宅配便(香港)

マイナビ発行 SNS掲載

8月

2014年 2015年

9月 10月 11月 12月 1月 2月

012345678

(個)

海外お土産宅配便(シンガポール)

マイナビ発行 SNS掲載 TV広告放送

8月

2014年 2015年

9月 10月 11月 12月 1月 2月

マイナビ発行 SNS掲載 TV広告放送

8月

2014年 2015年

9月 10月 11月 12月 1月 2月

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11 5.高付加価値化した道産品の輸出促進手法の検討

(2)海外の物流・商流動向を把握する現地調査の実施と結果のとりまとめ

■概要

高付加価値化した道産品の輸出促進を図るため、対象国・地域における物流・商流動向を的確に把握した上で方策を検討する必要があることから、対象国・地域に有識者を派遣して現地調査を実施し、その結果をとりまとめる。

調査内容 派遣先 有識者

1 航空小口混載輸送「HOP1 サービス」に

関する市場調査

シンガ

ポール

鳥取 義之氏

(HOP 協議会事務局/ヤマト運輸㈱北海道支社 国際

物流企画推進室 室長)

2 航空小口混載輸送「HOP1 サービス」で

輸送した道産品の試食商談会

香港 鳥取 義之氏

(HOP 事務局/ヤマト運輸㈱北海道支社 国際物流企

画推進室 室長)

3 航空小口混載輸送「HOP1 サービス」の

課題と水産品を中心とした現地ニーズ

香港 古屋 温美氏 ((大) 室蘭工業大学 准教授)

松尾 優子氏

((独)国立高等専門学校機構 苫小牧工業高等専門学

校准教授)

4 日系企業へのヒアリング調査と「海外お

みやげ宅配便」に関するニーズ調査

台湾 千葉 博正氏

(札幌大学経営学部 教授/HOP 協議会事務局)

5 海上小口混載輸送「HOP2 サービス」に

関する現地ヒアリング調査

香港 中川 徹氏

((一社)北海道運輸交通研究センター 主任研究員)

ヒアリングの様子(台湾) HOP商談会でのヒアリングの様子(香港) ヒアリングの様子(香港)

■派遣時期

平成26年10月~12月

○派遣した有識者と調査内容

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12 6.まとめ

■高付加価値化した道産品の輸出促進に向けた今後の課題取組方策(案)

課題 取組方策(案)

課題1:鮮度保持輸送に関する磨き上げ

本業務で実施した小口混載鮮度保持輸送では、鮮度保持技術に一部効果がみられたものの、ビジネスでの利用にあたっては改善点や検討事項が多く存在し、即時的な実用化は困難と考えられる。例えば、航空輸送は短期間での輸送であるため、差が確実に現れる商材選定や梱包方法等の検討が必要である。そして海上輸送については、混載品の相性(においやエチレンガス等)

や適温帯の違いを考慮した温度設定等、更なる検討や試験が必要と考えられる。

取組1:鮮度保持輸送に関する情報共有・連携 鮮度保持輸送の実現に向けては、長期・複数回にわ

たる試験が必要であり、多くの人的資源や経済的資源を必要とする。中小規模の生産者等が単独で取り組むには負担が大きいことから、各者が有する経験や情報を共有し連携することで、鮮度良い農水産品等の輸出を北海道全体で拡大していくことが期待される。

なお、これらの経験や情報は各者のノウハウとされていることも多くあることから、コミュニケーションをとりながら許容範囲を確認することが重要である。

課題2:小口混載海上輸送サービスの構築

対象国・地域における消費者アンケート調査の結果では、食品の購入時において「安価であること」を重視している人が半数以上みられた。そして、高付加価値化した道産品の購入ニーズがみられる一方で高価格帯での販売を受容する人は少なく、富裕層であっても同様の傾向がみられた。

有識者調査の中で北海道港湾からの直接輸出への期待もみられ、小口混載海上輸送により販売価格を抑えた道産品の輸出が可能となる体制・サービスが必要であると考えられる。

取組2:小口混載海上輸送サービス実用化に

向けた体制の構築

小口混載海上輸送サービスの実用化にあたっては、海外側との商流構築が必須である。有識者による現地調査等を通じ、香港における主要食品商社等に対する初期段階のアプローチは完了しており、この関係が絶たれないうちに次なる段階の提案・交渉が必要であると考えられる。それと並行し、道内側においても創貨や仕組みづくりに向けた取り組みも重要である。

以上のことから、国内外において継続的かつできるだけ細やかな動きが取れる体制を早い段階で構築することが望ましい。