平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を対象にし...

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平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を対象にした減 災農地の津波減勢効果の検証 誌名 誌名 農村工学研究所技報 ISSN ISSN 18823289 巻/号 巻/号 213 掲載ページ 掲載ページ p. 279-286 発行年月 発行年月 2012年5月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を対象にした減災農地の津波減勢効果の検証

誌名誌名 農村工学研究所技報

ISSNISSN 18823289

巻/号巻/号 213

掲載ページ掲載ページ p. 279-286

発行年月発行年月 2012年5月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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(良川技初 213)279-286, 2012

279

平成 23年 (2011年)東北地方太平洋沖地震を対象に した減災農地の津波j威勢効果の検証

桐 博英語z・丹治 肇 *福与徳文料 ・毛利栄 征 付 宇・山 本 徳司ヰ 中i:

I 祐 言 ・ 0 ・ー一 ー・・ ー一 一 ."." .. " .. " -"." .. 279

II il風災J民地の概要 ー、 ー一 一…- ー・ー・・・ 279

m 7Jd1i!脱出尖 1.ï91 に よる ~l lilli "",,".......一…..・ 280

| 水世Il+民主! 守 ・ ー 一一一ー-… ー"280

2 笑験条je¥ ・ "・ぃ… 一一- 一一…ー..-281

3 笑l験料[!f ー ー ー ・一一・・-"281

w 数1r1.O'何事「によるWfillli "ー..... 一....… 一一 ー282

I 緒言

平成 23イ|三 3) J 11 1]に発作した東北地jけぷ|ιどP!I地震

では, 1ゴ 大な;,Itý&により点Jヒ J也プJ の 7~!;城県および山手LliL

の (l~Jギι1\ をはじめとして :rIl.: ブi な被;与をもたらした。 ~dヒ

地ブJぶoYil;I/IJ¥1J.i;!::は,マグニチュード 9,0という 日本近

海では発+しないと 考えられてきた|三大なものであり

沖波対策として建設されたy1rji半JJJ':Ijjjを越水して犠牲者を

11けなと¥従来の津波対策のあり方を裂すものであった。

tl

i[-~ l平行1¥の防災対策1;1:, これまで、海岸ーJ止|坊によるiIIJ:i辛料

での|功1M!が行われてきた。その1:1'で。 岩手県の二|注沿岸

では句 lり Jitì二~ 1住. 11日午11三陸およびチリ地誌で発よ|ごしたii!t

j皮に対1;1仁、できるiiu:i.i':J)よド;jjを計四 しソフト対策とともに

津波被告に備えてきた。ーブ}, 今後の沿岸防災行|一回|の策

定にあたっては ìíïJ:i.'r':犯|坊のみで沿岸 部の防1~1! を行うの

は阿現!iであり ポ:1ヒJ也ブi太-'1勺-f沖地iR;:I'yIJi後のiilj:i,;;似(全

施設の復ILIにおいては J木学会津波特定テーマ委員会

が津波被害を数卜イ|から1'1数-1イrに I1主発生する津波を

ニ!にj初日守主全施設で刈!之、する「津波防法レベル」と‘{荷

造物のi白川限界を j也j且し ソフト対策と併せて対応する

r ;;1土波減災レベルjに分類して文れちする )jji-!を示 してい

る。

ーブj,民liJI機構では 東北地ブ〕大ミ|午P!'地震;;llyJJi被災

後の恒久彼1'-1に向けて 沿岸部のj菱地を主l1:i皮の減勢に川

いる 「減災民地」による災告に怖い農村地域恐怖を提唱

し 具イ本化しつつある。 しかし il.& ij~ JW: 1¥1J.については

本水利工学研究桁Mt沿岸1.II:7J(J![! Jlt当

判 jJ引、jすた.f!itliJf究努[域J也主主号l-nlijJ.Q主Li

仲*施設コ弓':jiJ[ヲ,tfin主主k

*仲村技術移転センタ一教授

ヰ|ぺJ&23 :'1'-[2 fJ [4 1-1受HI!

キーワー卜‘ 京 1-1本大LUよ史地i向W.,滅災jjt地 i~ti皮

i大

1 Wi,析プu1;".."."" 一 ・・ ー・・ 一…-…"-,, 282

2 モデルのf~同Il~ I :の検討iE ".一一一一 '・ 282

3 モデル地区における減災民地の効果の検証 … 283

V 結 言 一・ ・ 4 ・…ー ・ ー・・ ・ ・・ … ,, -..285

参考文献 . 285

Summary ・・-ー・・・ー ー......ーーー・・ ーーー・・".ーーー・・6 ・・・ 286

と、のi:)l'1主の津波iJ,k勢効果がflJられるのかが7l.1il:的に許1illi

されておらず 笑l訟の計四策定にあたって不明な),~,(が伐

されている。そこで.本jiJI先では.減災民地の;,I':y,皮減勢

-;"}j栄を 7Jd~j!必~~7Ji'[尖15食とを&1n主 シミュレーションにより ~f1illi

した。

H 減災農地の概要

減災};1lJ也の具体([なな内谷と考えtfについては 毛利・

汁治 (2012)を参![れすることとし‘本節では その祖先生11

のみをポオ。il,k災民地のイメージを Fig.lに示す。;1,]1(災

農地は. 淘よい駈|坊と内|箆1!!1Jに設置する 2~JjUノピおよび 31jj!

J)ょによる桜子行I~ な減災システムを構築し, Jよj或的な民村

J也hl(のlU明jをj生めるためのfti'九テ、ザ‘インの恭本コンセフ'

卜である。具体的には

. I'/tiJJiが堤防をある111'1主越ijf[することを許容する

.iCb 台4;!~';の安全j也子ii; にイ:iJjZ- を移転する

・民地や林地などの日l/構造物に;Wy皮減努l-;';J}県を比込む

• JJjJ:Jj .樋I"J・iill路等により ;Wi皮遡」二を防護する

. )盛期が迅速に行われるよう j長道や集洛道路を配置す

を組み合わせることで¥ 巨大津波災害を地域全体で経減

し人命および'+_i1iに最低限必要なHl訟を守ろうとする

ものである 。 j成災農地の背景には.海 J~士jノ:{I坊を JJL{-f二 より

も高くすると iiIji!(:と|制或が分[j:lrされ守海岸利mや環境。

去作誕百lでマイナスとなる以外(こ 2 示料線~i忠ii:リjJ足E およびび、 3 iÌ中彩料線M_首吹~1忠ií!リji£E訂

より|μ内人付l川|陛住1似仰側![削[Jの|防功f倒御向却lエリアを|ゆy川]日{泊能iにするほカか、' 通'ìj\ïl~j は ~;I~

幹道路咋として利jりするなど地域のと1::.活環境におjするのJ

採がある。

本'(1(で検討する減災民地は, 三 I;!~ ìf:~ i~ ' のリアス海岸の

うち.民地泊山における海岸堤防の延長が概ね 500111以

卜ーのfilT:i'r':地|ヌーへの迎JI:Jを恕定 している。これは 仙台湾

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280 IY.H 1 -'1'・ jiJf究所J支部第 2 13 '~;- (2012)

海岸堤防 3線堤

Fig.1 減災災地のイメージ

l111agc ofthc disastcr prcvcntion lar1111and

沿岸のように l海岸地区の海岸堤防延長が長い場合は??

後地の地域計画が広大 になるほか海岸JJ1:I))jの延長が短

い J~)j合には J)t r;!;j の i向い ì,lt?皮堤防による背後地の 1;1j{JIJ が!日j

f~'i できるためである 。 なお, ;1,&災民地は.あらゆるi-,I'?IY:

をド)jfd'1Iできるものではなく, ì'ln,皮普'!IÆ発令lI~jーには j生やか

に出合会G-;へ避難する必安があることを 113し添える。

皿 水理模型実験による評価

11成災jjC地による津波遡.1.:.遅延効果のギjJI止を|りJらかにす

るため.水fll!絞話rl災|検を行 った。本実験では れ手県二

|俊市沿岸に属する 1[1川i;aji~~J!免許1\の織~J:也 1><: をモデルに治

j,j":J){ 1)}J!;;j (HHilli 6.6 m)と;'¥!ylY:?皮r',,'j,背後J山の勾配をlill

r' L'rし ;J<.週刊長引の諸元を決7じした。当日幻山攻をモデル地

区に設定したのは,

・隣接する'訂111i古川Iに国=1'.交通行が GPS波i1(,¥1を設

出しており, iN皮の尖iJ!iJ1n'(がある

• Ðj{.~}也行Ij i~:,織笠なと\ì,\t波災告 や拾iJflぷ \ ~lli を検討 す

る上でポイントとなる地|ヌ:がある

• ii¥t?皮i:j(水シミュレーションを尖施1'11であり ,i,¥l?皮到

達淡泊iを設定し干すい

のためである o なお守ここで選定したモデル地区とは水

辺111英盟諸元 を決定するために使)1)したものであり 笑|努

に当該地|きへの減災炭地の述j):j)を想定 してはいない。

1 水理模型

本笑験では,農村工学研究所ダム実験械の銅製水路 (11)1,¥

0.8m X深さ I,OmX長 さ40.0m)のガラス矧iJ!i)?il¥に水耳目

棋却を設置し 隣依するコンクリート製水路 (1間1.Om

Xl栄さ 2.0111X長 さ40,Om)をi牢j皮発生1'.の!lf氷柑!兼水i立

設定に利JI:Jした。銅製水路とコンクリート製ノk路の配i丘

を Fig.2 に 7J~す。 jrl rj水路は 水路始端で給水槽を共才一jーし

ており 通常は;1<.~仙台端のスライドゲートによりいずれ

か一方のみを使)1)するが ~Irj水路のスルースゲートを開

放することで一連の系とすることができる。なお.発土1'.

させる津波の波高は津波発~I ゲート上流の水位:で、 i}とまる

ため コンクリー卜製水路に給水したうえで'-!'i丸刈ljの

ゲートで水i立を設定した。

水辺!!模型の H1rfm悶を Fig.3 に牙;す。 水JJI!j~E\リはフル一

円!U に 1,'~づき, J:;) fill:)j~IJ の ~:li'ì)ミは 1/40,水平和(iJぐは背後

四角ゼキ40.0

コンクリー卜製水路

銅製水路

単位 m

Fig.2 水路の円以i/;~

Location of channcls

前浜部 沿岸部 内陸部

1,600

1/2日日

水路床ぷ

水路床#

ハUハunv

A斗

A斗

1

/

/

/,

T

1

1

尺換

〈一ピ原様

』戸

Fig. 3 7jUJjIれ~J_fj:1 削íllli[ :i! [

Cross scctionofl1ydraulic 1110dcl

地の I山!ラ勾内日を 7じに 1 /400 とし。 ìilJi'r'=堤防エ|!?後の地 ]I~'土

地 JI~勾配を îiHu俗化した一級生J閉じとした 。 減災民地と j凶7H

の地JI~勾配による Ìi\l ?&浸ノl<.iíll:\iIJ効果を刈比するため‘;1<.

JlI!松山古支出 1~:II \jを;1<.~行柑iItJr方[irJI.lrリとで仕切り 水路右j半

世!IJに;1,&災j;基地Wilf;rl, t[~ i~士 jHl)に現況 J也 31引史民!を製作ごした 。

なお 絞型!はI"I'J水ベニヤで製イヴし 表IIIIを古色ペ イント

イ':I: J:. げとした。 ;1,&災民地の j,~~~rl の全去を Fig.4に示す。

減災民一地で、は iiiJi士、iEI;;j の背後および<fìJ4土 庁 1\ と内 It~til\の

境界に 1.';μ1{~ :1 道路を 11うに した句 j',;;j さ 2.5m の 2 ~~jUÆおよ

び 3 市~~j)i: を 設計百した。 ここで, 3総堤の).;.:v:M標高は.海

岸堤防と¥iiJじとした。 これは 3~jíUl1:の天 }!rM1~~I{ ~んが出Jい

ほと?¥til主投ノ,)<'をが11i1;IJする効果がl!JHキできるが‘ jJ4地が有

する |百J;7)朱をj[二時に判定できなくなるためである oまた.

2おj!堤と 3線J)1:の11¥jにある農地の境界 (2ヶ所)にはj長

道を想定した小段を設け,ノト段の天ffiiがほJ1]jT(fiから 0.5m

)I-IJくなるように設定 した。

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倒怖!ft司 Hifi m. 品i与,I~~文毛.flj栄 \11 ・ 1 1 1 司、倍、可 :平成 23 年 (20 1 1 fn 東北地方)., ' I '.i下 il l 'llJ!;,'~を対訟に Lた被災i民地のiI行;lL威勢効!I~の検:lù

Fig.4 i},k災災地ノ'ld~1!模型の会長

Photo of hydrauliじ1l10dclof disastcr prcvcntion farmland

rahlc 1 iil':i皮浸水深一覧

Lisl M inllndation dcpth ofthc tSllnall1i

地点、 Y7':I},a (T.P.m) 巡 u以前liー(m)

山I-HillTiiliの浜 10.543 510

I11旧lIifiillのjJE 10.514 200

1 I.IIJ1 111")地17: 7.659 1,700

UJ出llij織笠 8.215 lヲ380

山J-HIIIJ織笠 9.010 1,000

IIIIIJ IIlTM'&Jt 7.944 480

2 実験条件

:;りJJWJ lj(fj'tを ý'tÜJ'1ι堤|りi下~Mi ~こ設7主し. iiu:;ド堤防かられl'il!lJ

に 14m(松型災寸 ) のf立 1'"'' に設 i宣 した;,Itý皮~&~I:.ゲートで

津波を造波した。ここで, Tablelに示す点北地方太平洋

ilj'地J支えf波合liiJ刑在グルー プ (http://www.coastal.jp/t旬t/)

による速報値 (2011年 5) J 11 日参n~t ) から利た;,11 波浸水

探データから,織笠 也区に隣接する iilìの iJ~の民/j( ii~ 傑;;与

をもとにýNjキ堤防直近のW i皮Wn,'ijの 1~11~裂 を 10.5m とした。

a il!IJ定項目

7計j-!;測!日川!川リIJ},点1,¥のf位位立立今i出EをF日ig.5に示す。古訂|打川iりl!山IJi;i• 発封生二させた;,伴iヰ車|ド1

;波皮の主泌波J之Lυ)1形|杉手を 記録するための jれ川沖Ij小lド'i波j皮主 i山出:山向=当J と堤防 11山I~山1江l一近の j片才~:ý波皮丙を

+サF一7ボiドZて、式1波皮I正尚正白肖:j青計計l'で、計{以測l!卵川[1何Ij,すするとともに守 I箆j戎では 2若干 1=[の

農道の直下 および 3ii'Jil攻11手前の浸水深を符:主i5U,皮肉計で

iil別lした。なお。現況j也'}I';税引では,由主災民J也税引と|打l

じ位:置に計;WJ}~I: を設定 した。 fd-ìl!リでは 20Hz でサンプリ

ングを行い, AD変換器を介して PCに収録した。

4000J12g

i中波高

l

水路床 A単位 mm

Fig.5 青h!!ll点、の{立 [!li

Location 01' obscrvation points

281

一一一沖波高

一一ー 岸波高

一一一減災層地上流

一一一 現況上流

減災農地下流

14

AU寸

(E)q'i胃剛山

12

10

8

(E)一恒挺

,。凋仏マ

。。-2

600 800 1000 1200 1400 1600 1800 時間 (s)

Fig.6 浸水深とi,lti皮波尚のlI'lHJI変化Ult波紋統IWN:nが1;¥2ぃケース)

Timc scrics 01' inllndation dcpth and tSllnami wavc hcight (ShOl1 wavclcngth)

3 実験結果

本笑!検では, ;:jtýIB&~ヒゲートの ImlNJ操イ午を 三f1UJで行 っ

ているため, ;:Ityl長波日Jはある私'J立;生7江できるカ戸I':i皮継

がcll;J'IHJを|古17Eできない。このため, 7j(~li では. ;;I'y皮kiN;'e

II~J 11:1が:51い場合と長いlit-合でj主主pし. ;;I t i 主 ìli~勢効栄を検

出しfこ。

a 津波継続時聞が短いケース

手千}~,(の 浸水深と ;;I! 波 Wi. I'&:j の H寺 II:J 変化を Fig.6 に示すo

;,1'波継続II~Jllijが短い JJ)j一千j-, i1u:;ギーJJil;jJにぶつかった河口皮が

堤防"iIIf法の傾斜に沿って少しジャン プするため -11守的

に 同 1W,~波 il与j を上 |日l る状川が{催認できた。 海 J~I,-::JJ{防を越水

したi,11y,皮は海j苧JXI坊背後の 2ti波堤で'ìl,~勢され,比較的穏

やかにほJj)jを遡上し上流↑l!IJの3帝京JAに述するものの, 3

ii'Jill止をj@)i;;Jけませオヘ|人J1iJ! filjに?主ノkすることはなかった。

ーブ},芯u川県出では守海岸堤防jを越ぶした;ilti皮は ili主勢

されることなく内陸部終tilliまで日1'<けJ-.がる状iJi'.であっ

た。津波(}i妙子効果を 3ii':Ji!堤iiifluiに;iI';皮が訓述する11,¥/11]の

廷でirl'-{illiすると, 130s (実物換算値)であった。なお,

津波遡 1-距離では 44%の低減になるが これは内|生 ~\Ij

の地形勾配により係々に変化するため,参考付lである。

b 津波継続時聞が長いケ ス

津波紋五山1;¥1111が長いケースでは,海岸JXI;jJJ血/,1、で、ジャ

ンプする状況は的 認できず,深い越ifrL水jltでiJ;xしく堤防

の去法をi先う :1犬況がよLられた (Fig.7)o;,Itf,皮j受水深と j皮

i~' :j の II~JIIlJ変化を Fig.8に示す。Fig.8において, 1,200s以

降にiN皮肉が上封するのは 海jギ堤防に反射した津波が

測定を通過するためである。津波が海岸堤防を越流した

後は,Wý主継続11寺 Ilij が短いケースと|司般に 2 線堤カ\ìl,~勢

効果を発fWL, 3 ií'~í!堤前↑mにおける津波歪IJJ主1時間の迎延

は 104sであった。津波の越水量がl'円え.3 *)~JJ{ の天 tlii

に達した後は守|人JI~~~;I\が以ノkするものの氾i~};1~ 7J( は 一|一 分に

減勢されており. 1人JlfrRjjj¥における遡上向は3~~i!堤の天tillj

t~l{ !11~ :j を す'-i: :[" j回える程度であった。

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モデルの再現性の検証

a 対象領域

使用するモテつレのiiltr.皮it7J<.シミュレーションの雨明tl

を倣3とする ため. 岩手県三院内j沿岸の山1-1-1汚を対象にfiJ!I'

析を行った。!げ析符[J或の位置を Fig.l0に示す。

b 計算条件

解析では. Fig.tOに示す岩手't'ij:IS;'i'の GPS波浪計の

観iWJデータを解析官[J或の東tiiiに境界条件として.!oj_えた。

IfrU攻の地flitt泉市デー タは‘渓災後にレーザープロファ

イラ (LP) により 百li)!lJされたデータをJI-)いており. 震

災による 地羽生ii卜を合んでいる。ープJ. i!Ij:J点地羽生仏吋G

データは 5秒間l附でデジタルデータ をj実{1I1lしている

JTOP005でも111111湾内に はデー タがなかったため。泌

氏l也JI~I ;;ZIから読み11\1.った。

JiJ!í析 jiJ[ hJi.を 一:ffJJI~~号とで分剖 し i(} jギー ì'~:I)では約 10111

のtm.'.'i 1m n有で WHJí-データを約一成して ニL~:な辺路及び堤防

をPTJJLした。

その他のJiJ!HJi-に使)1)したパラメータ勾ーの一覧を Table2

に不す。

(2012) 第 213~~

2

1t村コ '~": (i Jf究所技 Hl282

,.

12

(E)隠挺

8

6

4

10

Fig. 7 r1,j:1.t~:堤防の越流:1太 j兄

Photo of tSlInal11i ovcrtlows lhc coaslal c1ikc

二一一一

4

2

(E)隣耗剛、

6町議通計飯置位置

t岩手中館沖】•

o 5'"羽L..-I

2000

Fig.8 波J)く深とw波波,'::jO)II':i1i¥J変化(津波継続11-!ili¥Jが長いケース)

Timc scrics of inllndation c1cplh and ISlInami wavc hcight (Long wavclcnglh)

W

1800 1600

数値解析による評価

1200 1400

時間 (s)

1000 800 60。

Fig. 10 1 [11]1 itjの!伴析符l域

Analysis arca 01' thc Yam‘,da bay

Tablc 2 ~ìHう 条件

Lisl 01' paramctcrs

ノTラメータ土手

f'(~ j:ギ jJ定地氾dli シミュレー シ ョ ンモデル

山手'"剖;;", GPS iJJ(iJ日1・デPータ

.n~卒条件

解析モデル

津波i!主計j境界条1'1

iiiJJt( 地JI~ 1/50,000海底地)1三l'iil 1;fi 6370 J'3 1 r山111汚」

LPデー タ(れず保提供)

i ~q;タト ー 200ー 1 ,000m

ì~l人J : 20-200111

|俊主主計 d~ ');lí : 8-10m

|控域内|住吉li: 20 200m

降JiJ;: J也1r~

自ii点IIfJ陥

i/,リ主主 0.025

j見j血 0.020

1 解析方法

解析には.民村仁学1i)f先Jvrが 1m発した沿岸良地の i~i出

シミュレーシヨンモデルfl司ら (2004)をJI)いた。使)1)し

たモデjレの概裂を Fig.9に示す。本モデルは. i1IJJDxおよ

び1巴i~f;-ê域の ìfJcれと水b'併やノl、;nr) 11 の jたれを分 i)JIí~し. 1日jぞ?を

'niliifrcfiJ州i-.走者ーを Ii欠7心不lt'ifJUiJ!HJi'で'fijJ!析し本11:)の

越iAc公式で1宇注した越jjfLJilをも とに両者を統合する。

fIl J.it 1,fd;~ 氾,監i謹レイヤー

Fig.9 W淡淡水モデルの概念|支|

Conじcptof thc tSlInami f100d modc1

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11'11 !,lriA. Hi古 車 偏11・~文毛利栄むE 山本役,~liJ 平成231[' (2011 イn 点 |七地方 j、 1';引中地位を対 U~にした減災J~J血 O)i lリム減勢ilJ~~の検証 283

2.0

1.0 /

0.0 同色 }器ム「

マ カーは,海波浸水痕の鯛査地点を示す・J

Fig.11 織fi:地[3におけるi,lti&:浸水深の解析結来

Simlllatcd il1l日ldationdcpth in Orikasa district

C 解析結果

JJ.l H I 汚の湾奥部に位ÎITする織笠j也|三の津波浸7)(i~~分イ1I

のIWiJi'結果を Fig.11に示す。Fig.11において,手伝色のマー

カーは. r東北地方太、 l'一 iWi 1 11j也)~津波合同制査グループ

(The 2011 Tohokll Earthqllake TSllnami Joint Sllrvey GrollP,

2011) J による jえ水痕跡1:;I: 日誌の間,Hf地点であ る 。 i~!:z皮浸

水域のj桂7)(は, ちと7)df,i:末21l;で、iilti&:浸水痕のi!lリ点より 上流

↑[[1)に迷しているのが見られるものの。それ以外では津波

浸水伎の削在結集と ほぼ控令するがi梨がれJられているこ

とがTi!I認された。ここで,津波;受水}jxのjiJ平和ik:古来が市r1ij1f

結果よりも上iA[i!llJ に達 しているのは • W(析にmいた地舵

』忠商 LPデータがi支災後に許hJ[lJしたものであり 津波袈

米J/~J とは予!なること.地 )1三勾配が小さく.モデルが氾Üf:t

rYxをj品大ii‘Hilliしていること などが考えられる。

3 モデル地区における滅災農地の効果の検証

a モデル地区の概要

減災民地の五9J染のf;J~~i[ のため 4 岩手県大船;1主111 "7 1,'浜地

区をモデルにfIl!l'析を行った。告以i巧のN干析領域を Fig.12

に示す。当該地|更は.riiftii'iで1iJ!i析対象とした山田湾から

約 35kmi'i:rの古ijE湾の湾奥古1¥. 'i長浜川のiiIfI1に位置する

G同捜埠針鼠置位.

t岩手開銀'"】•

0 ・M'----1

Fig. 12 :f:fr.Ei:有のjrJ'i'1if''fu'i域

Analysis arca of thc Yoshihama bay

JFk}也 ihJJ字で、あり.海岸は 71-;'i:兵 NiJ 7)く ?{ij~jーとして平IJIF) されて

いる。7fI浜地区のi1u:];';':保全胞設は 570mの海岸堤防が技

術されているが, T.P.+ 14.30mの計画提防11',)に対 して現

況は T.P.+7.15l11であった。官民地区は,過去に被災した

津波によ り居。lヌの市内移転をすすめ,東北地方太平河

il¥1 J也 í~i,1主j皮の I~去 には人J'I'J被害を披小 1;長にとどめたことが

知|られている。このように 古浜地区は, 1也九三やが'I}j羊ヰ1)

miflIのほか。地区の防災意識の尚さなとの点からも減災

j民地のモデルとして適当と考えた。

b 計算条件

言 i引戸に使):1:) し た沖 iJJi. i皮高と海底l也 JI'~データソースの一

覧を Table3 に示す。 ~(iJ~~l常においても 海底地 'JI三のデジ

タルデー タはなかったため, ilíj )þ'f地JI~ [~Iからデータ を読

み取った。 なお. 本枚~J F. ~-I 鈴.でm したモデ Jレや|注城地形

データおよび他の計算条{elは.Table2に示したものと

I riJ じである 。 外泊~J位の境界条件にしようした岩手商 M\il\ '

の GPS彼if日 |のデータを Fig.13に示す。岩手前古1¥7'['で

は.15 J/守から 10分間で 7mの波高のW:iJ主が来襲している。

GPS 波浪計の設ii5:位 iilは, Fig.12に示すように釜石のil¥1

合い約 20kmの佐世にあり この地点の水深は 200mで

ある。

検討ケ ースの一覧を Table4 に示す。 本 f;J~ n:) で は 現

況の地形およ び、iiOi4'・J){I ~方傑 I'I-:::J による東北地方太平洋 il\ 1

i血痕津波の:fJfJJ!.を行うとともに 平成 15年度に策定

された三 [~\ï'h 沿岸海岸似合行 I-nlli における i1iJ i,;~堤防線高

(T.P十 14.31ll)でiOf1-1 ;'; 1 \ に津波 |功 i~1J樋門を建設 し たもの白

減災民地を迎j目した場合の 3ケースを比較した。本計t1ー

に)11いた ili!y:災民地を適JlJしたii-jnm案の概裂を Fig.14に

ポす。

Tablc 3 津波波 1\::'1えぴiiijli\J也 )I~データソ ス一覧

しistof c1ata sOllrcc 01' tSllnami ¥¥'uvc hcight and sca bottom clcvation

骨["N条例 i史ltJデータ

ii!J:it!(法的'jit2W条例岩手Ififfl¥ii['GrS 波M言|データ

泌氏地形 1/50,000 iíij:}l(地 JI~図第 6370 サ 7 r大fm波汚J

1 {50β00海底地MI支IW 6370号7r釜石湾」

8

6

4

、乙

{E正ド)沼野山 。

-2

-4

14:30 14:40 14:50 15:00 15:10 15:20 15:30 15:40

時五 (2011~幻月 11 日)

Fig.13 IS'2'j平におけるi:I'波波高

T引 111日mihcight givcn [0 tl1c boundary

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284 農村T.学研究所技報第 213号 (2012)

T:lblc 4 検討ケ ス一党

LISI of cascs

ケース 地検鰐~i 海伴堤防標法 防考

l)i.i)[ 現iJè地鍛傑 ì~:j T.P.+7.15m JJ[泌irlii怯の1呼rJ:l.針l'町堤防 現況地熊原高 T.P.叶 4.3m 河口部に津波紡湖水J"fを建設

減災拠地 i滅災民地tt断書~ T.P.+7.15m ほ場傑潟は瞥定怖を使JH

Fig.14 "t(iE地区の解析にmいた減災j災地計画家

Plan 01' thc disastcr prcvcntion farmland uscd for thc simulation

C 解析結果

現況地)1三および堤防自による津波遡上 のjlj:f)l結果を

Fig.t5に示す。今|百lのシミュレーシヨンでは 15--浜川の

{日iJI"f-:楳,',':jデータを入7会することができず.近傍の地撚M:

!おより 3m低いと仮?とした。 このため. ij[!iJJ(が災li京より

も多く河川を遡」二 し, 上iオ['Nljで、il!.i¥立が先生 しているが,

被災状iJ~の航主写真 との対比からこれは過ス許制ijだと考

えられる。

一)j. 1;虻i止剖凶e下1¥7防:り坊j力lit拡椋椋;』f点j1kl1日:

1:. (.~目高主守も:j を F日i旬g.t6に示す。E骨計一↑|四ヲ天¥J立刈端;J品出ii品l;什i川汁1椋:J翠:主rJi尚:白向今当iは' 明治三|民 11日

午11 =::r~キおよびチリ地震津波の !I之 I手:j{fil をもとに決定されて

いるが. W北地方太平i~(ôi'i'地震津波では行|回天端標高 を

;也えてi@k水し Jメオくすiß jJl1 は JJ,W~ (JJ{ 1¥7j ~:j さ 7.15m) より

も若干狭くなるものの, 大 きな浸水は免れられないと 考

えられる。なお. Fig.t6 の inJ 口部右岸川で渋;J(1早川':jがf1~

くなっているのはi-,It波防 ;~i)j JJtの効果であるが, このj劾令

でも海岸堤防を越水した氾?1W!:水が河川に流入し 浸水す

る状況がよLられfニ。

ilii¥:災民地(堤防日iさ 7.15mと 2~~Íl堤の1~j:m) における

i'l!波浸水市 さを Fig.t7に示す。減災民地では.地区の

北il!lJの「受水t''-:jさが他のケースより高くなっているが, こ

れは地flÆt~rji誌が , " .:J い tí:l)分に水 ìJJ;l と WJII了 J:J)j を 設けており.

外}f'Hが|企|まれていることで、以水するためである。il北災lit-

j也として整備する農地区町によって浸水深が小さくなっ

ており,津波減勢が有効に働いて,集第への遡」ょを|り'j1卜会

しているo2お.jl段 (標高 20m)でほぼ;il'il主遡上は|りIjJLで、

きているが, 1..i:岸集孫TIIiのー'i'il¥で、わずかな浸水のJ1J能七!

があるo この古1¥分|ねな浸水は,減災民地の配iti!':やj民地段

J}~の lli,Cり ブj なとごで、 l!ll 避で、きるJ1J 能性がある。

Fig.15 津波浸水1"::1さ (標"';'j)の分,{ji(JJ1i兄)

Distribution 01' tsunami run-up hcight (Prcscnt)

Fig.16 津波浸水市さ (t泉市)のう},{Ii(則的ルt{lijj)

Distribution 01' tsunami run-up hcight (Planncd dikc hcight)

Fig.17 津波浸水市さ(標高)のう}1'li(減災農地)

Distributionof tsunami run-up height (Disastcrprevention fannland)

現況地31三 計画提|坊および減災農地の各ケースについ

て. Fig.t4の地入'T1 ~ 3の評価地点における浸水深のH寺

山l変化を示 したのが Fig.18~ Fig.20である。浸水深の

最大イrUは. JJW-C地)1三では 8mに達している -)j"で,計画

JJi:1りjおよびil&'.災民地では 6m~~,'J主に jJ[Jえられている 。 ま

た.現況j也)1三および計画駈肋では,地点、lと地点、2のi![t

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仲Jjll,' Vt . Jlifi Iy千 九';1)-f~b文 毛布j栄liE. 111本徳百J:'1乙lι23!or(2011 "1> 点 It地プj太平d\'1'地点在 N~! に した減災民地のiltilli.&勢効県の柳田 285

9

8

7

6

.s 5

照争町4民 4

。 /¥l a・・晶 晶 ...ド+

15:15 15:20 15:25 15:30 15:35 15:40

Fig.18 訓 (ilI i地点の法;;J(i~~ の H寺 1111変化 (JJW~地形)

Timc scrics 01' inundation dcpth at thc cv日luationpoints (Prcscnt)

9

B

7

fo

必斗

(E)山m者剛…

2

。15:15 15:20 15:25 15:30 15:35 15:40

Fig. 19 gF(illi地点の浸水深のIk.¥'II¥j変化 (背lTI!IiJ足|坊)

Timc scrics 01' im日ldationdcpth al thc cvaluation poinls (Planncd dikc

hcight)

9

8

6

5

4

(E)山内之官耐…

2

。15:15 15:20 15:40 15:25 15:30 15:35

Fig. 20 ~'F úlli地点の没水深の II~J 間変化 (減災戊J也)

Timc scrics of inundation dcpth日tthc cvaluation points (Disastcr-

prcvcntion LlrIllland)

1)支の到達|時11¥]にほとんど廷がないのに対し 減災民地で

は 90sUリ立の津波到達遅延効来が得られているのが確認

できるoまた. ijlt波浸水深の低下スピードは りliJUω|三

に比べて減災民地で、は緩やかで、あり 津波;PlLL後の戻 り

流jしがJ欣勢されていると考えられる。 ここ で.青I.mn堤防

で浸水深がなかなか低卜ーしないのは. i;l!y&:来襲後でも|山

湖水I"Jがj作欣されないと 設定したことによる 。なお. 1也

.'.':( 3の浸水深がil長勢民地で、低下 しないのは長J也の)fiJ1泊

の段差により凶坊がプール状になるためである 。

V 結百

本報では司東北地)j太平洋yljl地震で発と1:.した津波被告

からの恒久復旧対策のメニューとして. J~nïJf機構が提案

している il,え災 jJ幻自の ìilt ?i主 J成勢効月L を水草i羽生:話'l ';jO~失と数イrf[

シミュレーションで検討 した。

水型l'模型尖験では 淘r,':J)i:1坊のみでの|約制lを行う現iJL

地形では,海j"I':JJ.E1坊に衝突 した津波がili記事与されずに内|笠

-(~:15 を駆け|ーがる一方で,減災;%1也では守ほj劾の段差(高

さ 1.5m)で、(.;ti:ltyJ}の11,&勢効栄は小さいものの.2 ~JjWÊ (市

さ 2.5m)でj成事うがj弁とを作られる可能性があることがわ

かった。 また, 津波の継が',:11'¥I:¥jが長くなると減勢農地で、

も!大j際部にi'ltiJ}が遡|するが. これは主IlY皮越j皮量がjj在地

のバッファーを j也えるためである。以|二の結架からlJiIX.勢

民地の効栄を22翌日すると以下のとおりである。

• i;1リ主の浸水li;ljJj二 2市川止と 3~JiW止の jr:.rj さと海岸堤防

との I I\J の行員を大きく取ることがm~Wである 。

• i*i皮減努L 21jj!堤と j欣災民地によってi1re;iliを低減で

き. iI':ri:l1ととしてi;lti皮j遡Li¥"なさをド11fljlJできる。

-H5ゴ を適切な位i百に複数列配[11,することによって,

大きな津波浸水が1li!;1以カ来がある。

数値シミュレーションによる解析で、は見村T学liJf究

所て、 IJfJ発した良一地の氾Üfii シミュレーションモデルで、ì~t波

遡止のIFHilliが行えることを的。認するとともに.沿岸;¥1¥の

農地をバッファーとしてJ8げとな容i査 を的d~~することで,

|ゴブ〈な津波によ'Jしでも}毎日ー堤防を向くするのに遜色のな

いがJ栄が刊一られると ;W{illiされた。なお, tl地区間.公|主1.

河川の配i世によって浸水範|社1. 呈水深は42なると考えら

れ。 ;1'&災民地をJ4イ小イヒする|経にはより 詐利11なシミュレー

ションを行う必変がある。

参考文献

1)毛利l栄iiE・Hiti ~íf (2012)海山堤防の後背良一地によ

るは!:i皮j成勢 ;1'&災炭地の考え7JとJjt笑, 農工fiJf技報

213. 105-116

2) The 2011 Tohoku Earthquake Tsunami Joint Survcy

Group (2011)“NATIONWID EFIELD SURVEY OF

THE 2011 OFF THE PACIFIC COAST OF TOHOKU

EARTHQUAKE TSUNAMI" ,こL木学会論文集 B2(海

j半二1:学).67 (I), 63-66

3)桐 |リ/英・久保田富次郎 .11:坂:車:好-灯ifi!dif. 1.1-'矢哲

郎 (2004)有|保安京法による小水路を考慮した農地氾

舵モデル, J,i:.;JoI:J力学論文集守 7(1).423-430

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286 WH,J' , 年 /ijf究j~í j主平1< ;j'; 213り (2012)

Evaluation of the effect of Tsunami Energy Dissipation of

Disaster-Prevention Farmland

KIRI Hirohide, TANJI Hajim久 FUKUYONarufumi, MOHRI Yoshiyuki and YAMAMOTO Tokuji

Summary

The effect of tsunal1li energy dissipation of disaster-prevention farl1lland was evaluated by ahydraulic l1l0del test

and a nUl1lerical simulation. The Tohoku earthquake on II March, 2011 caused a huge tsunami disasterヲ especially

along the coast of the Tohoku region of Japan. NARO has proposed using disaster-prevention farmland to mitigate

damage caused by tsunamiin coastal farmlands, but its effectivcness for dissipating tsunami巴11巳rgyhas not been

clarificdW巳 conductedhydraulic model tests to evaluate the delay of tsunami run-up to a residential area, and found

th巴 tsunamiwas delayed by 130 s for short-wavelength tsunami, The short-wav巴lengthtsunal1li did not reach the

r巴sidentialarea in the case of disaster-prevention farmland, but 1巴achedthe top of the 1巳sidentialarea in the case

of normal farmland, In the case of long-wav巴lengthtsunam i, the volum巴 oftsunami that overftowed th巴 coastal

dike巴xceededthe capacity between the coastal dike and a third dike and reached the residential area, However, the

cnergy of the long-wavclcngth tsunami that reached thc 1巴sidentialarea was dissipated by the second and third dikes,

A numerical simulation evaluat巴dthe effects of disaster-prev巴ntionfarmland in a mod巳1district Thc simulated

inundation area of existing farmland, the case with a higher coastal dike, and the disaster-prcvcntion farmland

were compared. The area inundatedby the tsunami i n the high巴1・coastaldike was narrower than that of the巴xisting

farl1lland, Howev巴r,the difference of the inundation area was sl1lall. The inundation area of the disaster-prevention

farmland was similar to that ofth巳巴xistingfarmland b巴causeth巴heightsof th巴coastaldik巳sw巴rethe sam巴 Howcver,

th巴velocityof tsunami run-up was slowcr in the disaster-prevention farl1lland, Thus, it is concluded that disaster-

prevention farmland is an effective rcvival plan for the model district

Keywords : The 2011 off the Pacific coast of Tohoku earthquakeヲ coastalぬrmland,disaster prevention farmland,

tsunaml