2020 現数 B. 問.0.1 ★★★★以下の演習問題のいくつかをレ …2020 現数B....
Transcript of 2020 現数 B. 問.0.1 ★★★★以下の演習問題のいくつかをレ …2020 現数B....
-
2020現数 B.問.0.1
� �★★★★ 以下の演習問題のいくつかをレポート課題とする予定です。 ★★★★
提出期限:各問題に記載。
提出場所:manaba コース 「現象の数理 B」
提出ファイルについて:
提出ファイルの名前には学籍番号とレポート課題番号をいれてください,例えば,
tyy00zz report1.拡張子,
などのように。
【注】 ファイル名が変更できない場合は本文中に,学籍番号と氏名,レポート課題番号,複
数ファイルの場合はその順番,を記入しておいてください。
【注】 上の「拡張子」とは pdf,jpg,HEIC,png などファイルの種類を識別するためにファ
イル名の末尾につけられる文字列です。もしファイルの種類を変換できる場合は pdf
にそろえてください。
(1) 手書きの場合:スキャナーで読み込みんだファイル,あるいはスマートフォンでとった写真をアッ
プロードしてください。写真が複数になる場合は,
tyy00zz report1-1.拡張子,tyy00zz report1-2.拡張子,
など,順番がわかるようにお願いします。
(2) ワード や TEXを使う場合:pdfをアップロードしてください。ワードの場合は docxファイルで
も構いません。
質問・希望など:manaba の掲示板か,[email protected] まで,お願いします。レポートに書いても
らっても結構です。� �
-
2020現数 B.問 1.1
� �現象の数理B 演習問題 No.1
単振動
★★★★ レポート課題1 ★★★★
出題:9月 24日 (木),提出期限:9月 29日 (火)
配点:小問各3点� �
x
( )txO 4ℓ
m k
図 1.1
問題 1-1 x 軸上をばねの力を受けて運動する質量mの質点の運動を考える。図 1.1のように質点の右側にはば
ね定数 k,自然長 3ℓのばねがつながれている。ばねの右端は x = 4ℓの位置にある壁につながれている。
(1) 次の初期条件に対する解を求めなさい:
x(0) = 2ℓ ,dx(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= −ℓ√
k
m.
(2) (1)で得た単振動を表す解 x(t)の最大値 xmax と,最小値 xmin を求めなさい。
-
2020現数 B.問 1.2
� �現象の数理B 演習問題 No.1 略解� �
解 1-1
(1) ばねが質点に及ぼす力は
k(4ℓ− x(t)− 3ℓ) = k(ℓ− x(t)) (p1.1)
なので,質点の運動方程式は
md2x
dt2(t) = −k(x(t)− ℓ) (p1.2)
となる。両辺をmで割り,ω =
√k
mとすると,
d2x
dt2(t) + ω2x(t) = ω2ℓ (p1.3)
が得られる。これは (2.7)で,平衡点 x0 が x0 = ℓの場合なので,一般解は
x(t) = ℓ+ C cos(ωt) +D sin(ωt) (p1.4)
となる。初期条件,
x(0) = ℓ+ C cos(0) +D sin(0) = ℓ+ C = 2ℓ (p1.5)
dx(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=[− Cω sin(ωt) +Dω cos(ωt)
]t=0
= Dω = −ℓω , (p1.6)
より,
C = ℓ , D = −ℓ . (p1.7)
従って,解は
x(t) = ℓ+ ℓ cos(ωt)− ℓ sin(ωt) (p1.8)
となる。
(2) (3.2)∼(3.4)より (p1.8)はx(t) = ℓ+A cos (ωt− θ) (p1.9)
と表せる。ここで
A =√ℓ2 + (−ℓ)2 =
√2ℓ . (p1.10)
θは
cos θ =ℓ√2ℓ
=1√2, sin θ = − ℓ√
2ℓ= − 1√
2(p1.11)
を満たすので,θ = −π/4となる。従って
x(t) = ℓ+√2ℓ cos
(ωt+
π
4
). (p1.12)
cos (ωt− θ)は時間とともに 1と −1の間を振動するので,
xmax =(1 +
√2)ℓ , xmin =
(1−
√2)ℓ (p1.13)
となる。
【注】 (p1.12)は
x(t) = ℓ−√2ℓ sin
(ωt− π
4
)= ℓ+
√2ℓ sin
(ωt+
3π
4
)(p1.14)
などの様にも表せる。
-
2020現数 B.問 2.1
� �現象の数理B 演習問題 No.2
2つのばねにつながれた質点の単振動
★★★★ レポート課題2 ★★★★
出題:10月 1日 (木),提出期限:10月 6日 (火)
配点:小問各3点� �
x
( )txO
m1k 2
k 2ℓ1ℓ
L
図 2.1
問題 2-1 図 2.1のように,質量 m の質点の左側にはばね定数 k1,自然長 ℓ1のばねが,右側にはばね定数 k2,
自然長 ℓ2 のばねがつながれている。左側のばねの左端は x = 0の位置にある壁に,右側のばねの右端は
x = Lの位置にある壁につながれている。 k1 = 2k , k2 = 3k,ℓ1 = 2ℓ , ℓ2 = 3ℓ,L = 4ℓの場合に:
(1) 平衡点 x0 と,そのまわりの単振動の角振動数 ωを求めなさい。
(2) 次の初期条件に対する解を求めなさい:
x(0) = ℓ ,dx(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= −ℓ√
k
m.
(3) (2)で得た単振動を表す解 x(t)の最大値 xmax と,最小値 xmin を求めなさい。
(4) (2)で得た単振動を表す解の速度dx(t)
dtの最大値 vmax と,最小値 vmin を求めなさい。
-
2020現数 B.問 2.2
� �現象の数理B 演習問題 No.2 略解� �
解 1-1
(1) 左側のばねが時刻 t に質点に及ぼす力 (の x成分),F1(t)は
F1(t) = −k1(x(t)− ℓ1
)= −2k
(x(t)− 2ℓ
)(p2.1)
となる。右側のばねが時刻 t に質点に及ぼす力 (の x成分),F2(t)は
F2(t) = k2
(L− x(t)− ℓ2
)= −3k
(x(t)− ℓ
)(p2.2)
となる。これより,質点の運動方程式は
md2x(t)
dt2= F1(t) + F2(t) = −(k1 + k2)x(t) + k1ℓ1 + k2(L− ℓ2) (p2.3)
= −5kx(t) + 7kℓ (p2.4)
となる。平衡点は (p2.3)あるいは (p2.4)右辺が 0になる位置なので
x0 =k1ℓ1 + k2(L− ℓ2)
k1 + k2=
7
5ℓ (p2.5)
となる。質点は x0 のまわりに角振動数
ω =
√k1 + k2
m=
√5k
m(p2.6)
の単振動を行う。
(2) 平衡点 x0 からの質点の変位を u(t)とする;x(t) = x0 + u(t)。u(t)の満たす運動方程式は
d2u(t)
dt2= −ω2u(t) (p2.7)
なので,一般解は
u(t) = C cos(ωt) +D sin(ωt) . (p2.8)
u(t) に対する初期条件は
u(0) = x(0)− x0 = ℓ−7
5ℓ = −2
5ℓ ,
du(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=dx(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= −ℓ√
k
m(p2.9)
なので,
C = −25ℓ , D = −ℓ
√k
m
1
ω= − ℓ√
5(p2.10)
となる。従って
u(t) = −2ℓ5cos(ωt)− ℓ√
5sin(ωt) (p2.11)
より,解は
x(t) =7
5ℓ− 2ℓ
5cos(ωt)− ℓ√
5sin(ωt) (p2.12)
となる。
-
2020現数 B.問 2.3
あるいは,単振動の振幅 A は
A =
√(−2ℓ
5
)2+
(− ℓ√
5
)2= ℓ
√4 + 5
25=
3
5ℓ (p2.13)
となるので,解は
x(t) =7
5ℓ+
3
5ℓ cos(ωt− θ) (p2.14)
とも表せる。ここで θは
cos θ = −23, sin θ = −
√5
3(p2.15)
を満たす角度である。
(3) (p2.14)より
xmax = x0 +A = 2ℓ , xmin = x0 −A =4
5ℓ . (p2.16)
(4) (p2.14)よりdx(t)
dt= −3ℓ
5ω sin(ωt− θ) (p2.17)
なので,
vmax =3ℓ
5ω =
3ℓ
5
√5k
m= 3ℓ
√k
5m, vmin = −
3ℓ
5ω = −3ℓ
5
√5k
m= −3ℓ
√k
5m. (p2.18)
【注】 (p2.12)を tで微分して
dx(t)
dt= ω
2ℓ
5sin(ωt)− ω ℓ√
5cos(ωt) = −ωℓ
√(2
5
)2+
(ℓ√5
)2sin(ωt− θ)
= −3ℓ5ω sin(ωt− θ) (p2.19)
と考えることもできる。
-
2020現数 B.問 3.1
� �現象の数理B 演習問題 No.3
単振り子の微小振動
★★★★ レポート課題3 ★★★★
出題:10月 8日 (木),提出期限:10月 13日 (火)
配点:小問各3点� �問題 3-1 配布資料の p.8の単振り子の運動を考える。単振り子の微小振動が近似的に (8.3),
d2θ(t)
dt2= −ω2θ(t) , ω =
√g
ℓ(p3.1)
で表される場合を考える。
(1) 棒の角度が鉛直下向きから θ0 (> 0)になるまで質点を動かして,時刻 t = 0で静かにはなした場合の解 θ(t)
を求めなさい。
(2) (1)で得た解について,質点が最下点を通過するときの速度の大きさを求めなさい。
-
2020現数 B.問 3.2
� �現象の数理B 演習問題 No.3 略解� �
解 3-1
(1) (p3.1)は単振動の運動方程式と同じ形なので一般解は
θ(t) = C cos(ωt) +D sin(ωt) (p3.2)
となる。初期条件は
θ(0) = θ0 ,dθ(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 (p3.3)
なので,
θ(0) = C = θ0 ,dθ(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=[− ωC sin(ωt) + ωD cos(ωt)
]t=0
= ωD = 0 (p3.4)
より,解は以下となる:
θ(t) = θ0 cos(ωt) . (p3.5)
(2) 配布資料の (9.8),
x(t) = ℓ sin θ(t) , y(t) = −ℓ cos θ(t) (p3.6)
より,dx(t)
dt= ℓ
dθ(t)
dtcos θ(t) ,
dy(t)
dt= ℓ
dθ(t)
dtsin θ(t) (p3.7)
なので,時刻 t での質点の速さ (速度の大きさ) v(t) は
v(t) =
√(dx(t)
dt
)2+
(dy(t)
dt
)2=
√ℓ2(dθ(t)
dt
)2 ((cos θ(t))2 + (sin θ(t))2
)= ℓ
∣∣∣∣dθ(t)dt∣∣∣∣ (p3.8)
となる。(p3.5)よりdθ(t)
dt= −ωθ0 sin(ωt) (p3.9)
なので,
v(t) = ℓθ0ω| sin(ωt)| (p3.10)
となる。
質点が最下点を通過する時刻を t = t1 とすると θ(t1) = 0なので
cos(ωt1) = 0 (p3.11)
つまり
ωt1 =π
2+ πn , n = 0, 1, 2, · · · . (p3.12)
その場合,| sin(ωt1)| = 1なので,質点が最下点を通過するときの速度の大きさ v1 は
v1 = v(t1) = ℓθ0ω =√
gℓ θ0 (p3.13)
となる。
-
2020現数 B.問 3.3
【注】 実は (2)の答は,単振り子の振動を単振動で近似しなくても, 力学的エネルギーの保存 から求めるこ
とができる。この系の時刻 tの運動エネルギー K(t) は
K(t) =m
2v(t)2 =
mℓ2
2
(dθ(t)
dt
)2(p3.14)
であり,時刻 tの位置エネルギー (力のポテンシャル) U(t) は
U(t) = mg(y(t)− (−ℓ)
)= mgℓ
(1− cos(θ(t))
)(p3.15)
となる。U は質点の最下点の位置を基準点とした重力による位置エネルギーである。力学的エネルギー E = K+U
は,以下に示すように時間に依存せず運動の過程で一定の値をとる:
d
dtE =
d
dt(K(t) + U(t)) =
mℓ2
2
d
dt
(dθ(t)
dt
)2+mgℓ
d
dt
(1− cos(θ(t))
)= mℓ2
dθ(t)
dt
d2θ(t)
dt2+mgℓ
dθ(t)
dtsin(θ(t))
(8.1)= mℓ2
dθ(t)
dt
(−gℓsin(θ(t))
)+mgℓ
dθ(t)
dtsin(θ(t)) = 0 . (p3.16)
t = 0では質点は静止しているのでK = 0なので,E = mgℓ(1− cos θ0) となる。質点が最下点を通過する t = t1では U = 0なので,E =
m
2v21 となる。従って
mgℓ(1− cos θ0) =m
2v21 (p3.17)
より
v1 =√
2gℓ(1− cos θ0) (p3.18)
となる。
小振幅の振動の場合,|θ0| ≪ 1なので,cos θ0 のテイラー展開,
cos θ0 = 1−1
2θ20 + · · · (p3.19)
を (p3.18)に代入すると小振幅振動の場合の近似式,(p3.13) が出てくる。
-
2020力学.問 4.1
� �現象の数理B 演習問題 No.4
安定な平衡点のまわりの微小振動
★★★★ レポート課題4 ★★★★
出題:10月 15日 (木),提出期限:10月 20日 (火)
配点:小問各3点� �問題 4-1 x軸上を運動する質量mの質点を考える。位置 xにある質点にはたらく力 (の x成分)が
Fx(x) = −x3 + 5x2 − 6x (p4.1)
とする。
(1) Fx(x)に対する力のポテンシャル U(x)を求めなさい。ただし x = 0を位置エネルギーの基準点 U(0) = 0
とする。
(2) 平衡点を全て求めて,安定な平衡点か不安定な平衡点かを判定しなさい。
(3) (2)で求めた安定な平衡点のそれぞれについて,その点のまわりの微小振動を単振動で近似する場合に単振
動の角振動数を求めなさい。
-
2020力学.問 4.2
� �現象の数理B 演習問題 No.4 略解� �
解 4-1
(1)
U(x) = −∫ x0
Fx(x′)dx′ =
∫ x0
((x′)3 − 5(x′)2 + 6x′
)dx′ =
[ (x′)44
− 53(x′)3 + 3(x′)2
]x′=xx′ 0
=x4
4− 5
3x3 + 3x2 . (p4.2)
(2)
Fx(x) = −x(x2 − 5x+ 6) = −x(x− 2)(x− 3) (p4.3)
より,平衡点は x = 0 , 2 , 3。dFx(x)
dx= −3x2 + 10x− 6 なので,
dFx(x)
dx
∣∣∣∣x=0
= −6 < 0 , dFx(x)dx
∣∣∣∣x=2
= 2 > 0 ,dFx(x)
dx
∣∣∣∣x=3
= −3 < 0 . (p4.4)
従って,x = 0と x = 3は安定な平衡点,x = 2は不安定な平衡点となる。
(3) (12.6)より安定な平衡点のまわりの微小振動を単振動で近似した場合の角振動数は
x = 0の場合は ω =
√6
m,x = 3の場合は ω =
√3
mとなる。
1 1 2 3 4
3
2
1
1
2
3
1 0 1 2 3 4
1
2
3
4
5
x
( )x xF
( )xU
x
図 4.1
-
2020現数 B.問 5.1
� �現象の数理B 演習問題 No.5
2個の質点の連成振動
★★★★ レポート課題5 ★★★★
出題:10月 22日 (木),提出期限:10月 27日 (火)
配点:小問各3点� �
xO 1( )tx 2( )tx L
1k 1ℓ 2 2k ℓ 3 3k ℓ1m 2m
図 5.1
問題 5-1 x軸上を運動する質量 m1 と質量 m2 の2つの質点を考える。2つの質点は図 5.1のように,ばね定
数と自然長がそれぞれ,k1,ℓ1,k2,ℓ2,k3,ℓ3,のばねにつながれている。時刻 tの2つの質点の座標を x1(t),
x2(t)とする。
(1) 2つの質点の運動方程式を書きなさい。
(2) 質量m1 の質点の平衡点,xeq1 と質量m2 の質点の平衡点,x
eq2 を定める連立方程式を書きなさい。
(3) 2つの質点の平衡点からの変位を
u1(t) = x1(t)− xeq1 , u2(t) = x2(t)− xeq2 (p5.1)
とする。u1(t)と u2(t)を用いて,2つの質点の運動方程式を書きなさい。
-
2020現数 B.問 5.2
� �現象の数理B 演習問題 No.5 略解� �
解 5-1
(1) ここでは配布資料の【問 18-1】のように,3つのばねに蓄えられる位置エネルギーからそれぞれの質点に
はたらく力を求める。一番左のばねの位置エネルギーを UL,中央のばねの位置エネルギーを UM,一番右
のばねの位置エネルギーを UR とすると,それぞればねの長さは x1 , x2 − x1 , L− x2 なので,
UL(x1) =k12(x1 − ℓ1)2 , UM (x1, x2) =
k22(x2 − x1 − ℓ2)2 , UR(x2) =
k32(L− x2 − ℓ3)2 (p5.2)
となる。従って,一番左のばねが左の質点におよぼす力,FLと中央のばねが左の質点におよぼす力,FM1(t)
は
FL = −∂UL(x1)
∂x1= −k1(x1 − ℓ1) , FM1 = −
∂UM (x1, x2)
∂x1= k2(x2 − x1 − ℓ2) (p5.3)
となる。また,中央のばねが右の質点におよぼす力,FM2(t)と一番右のばねが右の質点におよぼす力,FR(t)
は
FM2 = −∂UM (x1, x2)
∂x2= −k2(x2 − x1 − ℓ2) , FR = −
∂UR(x2)
∂x2= k3(L− x2 − ℓ3) (p5.4)
となる。以上より2つの質点の運動方程式は以下となる:
m1d2x1(t)
dt2= −k1(x1(t)− ℓ1) + k2(x2(t)− x1(t)− ℓ2) , (p5.5)
m2d2x2(t)
dt2= −k2(x2(t)− x1(t)− ℓ2) + k3(L− x2(t)− ℓ3) . (p5.6)
(2) 平衡点ではそれぞれの質点にはたらく力が 0になるので,平衡点を決める連立方程式は
−k1(xeq1 − ℓ1) + k2(xeq2 − x
eq1 − ℓ2) = 0 , (p5.7)
−k2(xeq2 − xeq1 − ℓ2) + k3(L− x
eq2 − ℓ3) = 0 (p5.8)
となる。あるいは xeq1 と xeq2 でまとめて
(k1 + k2)xeq1 − k2x
eq2 = k1ℓ1 − k2ℓ2 , (p5.9)
k2xeq1 − (k2 + k3)x
eq2 = −k3(L− ℓ3)− k2ℓ2 (p5.10)
でも,もちろん構いません。
(3) (p5.5)と (p5.6)に
x1(t) = u1(t) + xeq1 , x2(t) = u2(t) + x
eq2 (p5.11)
を代入する。左辺は
m1d2x1(t)
dt2= m1
d2u1(t)
dt2, m2
d2x2(t)
dt2= m2
d2u2(t)
dt2(p5.12)
となる。(p5.5)の右辺は
−k1(x1(t)− ℓ1) + k2(x2(t)− x1(t)− ℓ2)
= −k1(u1(t) + xeq1 − ℓ1) + k2(u2(t) + xeq2 − (u1(t) + x
eq1 )− ℓ2)
= −(k1 + k2)u1(t) + k2u2(t)− k1(xeq1 − ℓ1) + k2(xeq2 − x
eq1 − ℓ2)
(p5.7)= −(k1 + k2)u1(t) + k2u2(t) (p5.13)
となる。最後の等式では (p5.7)を用いた。また,(p5.6)の右辺は
-
2020現数 B.問 5.3
−k2(x2(t)− x1(t)− ℓ2) + k3(L− x2(t)− ℓ3)
= −k2(u2(t) + xeq2 − (u1(t) + xeq1 )− ℓ2) + k3(L− (u2(t) + x
eq2 )− ℓ3)
= k2u1(t)− (k2 + k3)u2(t)− k2(xeq2 − xeq1 − ℓ2) + k3(L− x
eq2 − ℓ3)
(p5.8)= k2u1(t)− (k2 + k3)u2(t) (p5.14)
となる。最後の等式では (p5.8)を用いた。以上より,平衡点からの変位,u1(t) , u2(t)を用いると運動方程
式は
m1d2u1(t)
dt2= −(k1 + k2)u1(t) + k2u2(t) , m2
d2u1(t)
dt2= k2u1(t)− (k2 + k3)u2(t) (p5.15)
となる。この式は,質量が違っていることを除けば配布資料の (18.6),(18.7)と同じである。
(参考) この問題では,xeq1 ,xeq2 を求める必要なないが,連立方程式 (p5.7),(p5.8)の解は
xeq1 =k1(k2 + k3)ℓ1 − k2k3ℓ2 + k2k3(L− ℓ3)
k1k2 + k2k3 + k1k3, xeq2 =
k1k2ℓ1 + k1k2ℓ2 + (k1 + k2)k3(L− ℓ3)k1k2 + k2k3 + k1k3
(p5.16)
となる。
-
2020現数 B.問 6.1
� �現象の数理B 演習問題 No.6
2個の質点の連成振動 (左右対称な場合)
★★★★ レポート課題6 ★★★★
出題:10月 29日 (木),提出期限:11月 3日 (火)
配点:小問各3点� �
x
O
m m
1( )tx 2( )tx
1k ℓℓ ℓ2k
3ℓ
1k
図 6.1
問題 6-1 配布資料の【問 17】で k1 = k3 の場合を考える。それぞれの質点の平衡点からの変位を
u1(t) = x1(t)− ℓ , u2(t) = x2(t)− 2ℓ (p6.1)
とする。また,基準モードの角振動数を
ω(1) =
√k1m
, ω(2) =
√k1 + 2k2
m(p6.2)
とする。初期条件
x1(0) = ℓ+ 2a ,dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= a ω(1) , x2(0) = 2ℓ− 2a ,dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= a ω(1) (p6.3)
に対する解を考える。
(1) 基準座標
U1(t) =u1(t) + u2(t)√
2, U2(t) =
u2(t)− u1(t)√2
(p6.4)
の初期値,
U1(0) ,dU1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
, U2(0) ,dU2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
(p6.5)
を求めなさい。
(2) 初期条件 (p6.3)に対する解,x1(t) , x2(t)を求めなさい。
-
2020現数 B.問 6.2
� �現象の数理B 演習問題 No.6 略解� �
解 6-1
(1)まず,平衡点からの変位,u1(t) = x1(t)− ℓ,u2(t) = x2(t)− 2ℓ,の初期値は
u1(0) = x1(0)− ℓ = 2a ,du1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= a ω(1) ,
u2(0) = x2(0)− 2ℓ = −2a ,du2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= a ω(1) (p6.6)
となる。これらより,基準座標の初期値は以下となる:
U1(0) =u1(0) + u2(0)√
2= 0 ,
dU1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√2
(du1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
+du2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
)=
√2a ω(1) ,
U2(0) =u2(0)− u1(0)√
2= −2
√2a ,
dU2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√2
(du2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
− du2(t)dt
∣∣∣∣t=0
)= 0 . (p6.7)
(2) U1(t)と U2(t)の一般解は (19.4),(19.5)より
U1(t) = C(1) cos(ω(1)t) +D(1) sin(ω(1)t) , U2(t) = C
(2) cos(ω(2)t) +D(2) sin(ω(2)t) (p6.8)
となる。(p6.7)と (p6.8)より
U1(0) = C(1) = 0 ,
dU1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= ω(1)D(1) =√2a ω(1) → D(1) =
√2a ,
U2(0) = C(2) = −2
√2a ,
dU2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= ω(2)D(2) = 0 → D(2) = 0 (p6.9)
となるので,以下が得られる:
U1(t) =√2a sin(ω(1)t) , U2(t) = −2
√2a cos(ω(2)t) . (p6.10)
x1(t) = ℓ+ u1(t) = ℓ+1√2
(U1(t)− U2(t)
)x2(t) = 2ℓ+ u2(t) = 2ℓ+
1√2
(U1(t) + U2(t)
)(p6.11)
なので,2つ質点の時刻 tの座標はそれぞれ以下となる:
x1(t) = ℓ+ a sin(ω(1)t) + 2a cos(ω(2)t) ,
x2(t) = 2ℓ+ a sin(ω(1)t)− 2a cos(ω(2)t) . (p6.12)
(参考)
2つの質点が弱く結合している場合の u1(t) , u2(t)のグラ
フを図 6.2示す。2つの正弦波の振幅が異なっているの
で,配布資料の p.20の場合ほどきれいなうなりの波形に
はなっていない。
1( )u t
2( )u t
t
t
50 100 150 200 250
3
2
1
1
2
3
50 100 150 200 250
3
2
1
1
2
3
図 6.2
m = 1 , k1 = 1 , k2 = 0.1 , a = 1
-
2020現数 B.問 7.1
� �現象の数理B 演習問題 No.7
2個の質点の連成振動:固有値と固有ベクトル
★★★★ レポート課題7 ★★★★
出題:11月 05日 (木),提出期限:11月 10日 (火)
配点:小問各4点� �
x
O
m m
1( )tx 2( )tx
1k ℓℓ ℓ2k 3k
3ℓ
図 7.1
問題 7-1 質量 m = 1の2つの質点が,図 7.1のように,自然長 ℓ,ばね定数がそれぞれ k1 = 7,k2 = 2,k3 = 4
のばねにつながれている。2つの質点の運動方程式の特解は,配布資料の p.21に示すように次の行列,
K =1
m
(k1 + k2 −k2−k2 k2 + k3
)=
(9 −2−2 6
), (p7.1)
の固有値と固有ベクトルを用いて表すことができる。
(1) (p7.1)の行列の固有値 λ1 と λ2 を求めなさい。λ1 < λ2 となるように定めてください。
(2) λ1と λ2に属する固有ベクトル a(1) と a(2)を求めなさい。固有ベクトルは大きさが 1になるように正規化し
てください:
|a(1)| = 1 , |a(2)| = 1 . (p7.2)
-
2020現数 B.問 7.2
� �現象の数理B 演習問題 No.7 略解� �
解 7-1
(1) K の固有値 λ を求める式は
0 = det
(K − λ
(1 0
0 1
))=
∣∣∣∣∣ 9− λ −2−2 6− λ∣∣∣∣∣ = (9− λ)(6− λ)− 4
= λ2 − 15λ+ 50 = (λ− 5)(λ− 10) (p7.3)
なので,
λ1 = 5 , λ2 = 10 (p7.4)
となる。
(2) λ1 = 5 に属する固有ベクトルを a(1) = (a1 , a2)T とすると,固有ベクトルの定義式,(9 −2−2 6
)(a1
a2
)= 5
(a1
a2
), (p7.5)
より a2 = 2a1 という関係式が得られる。従って固有ベクトルは
a1
(1
2
)(p7.6)
となる。|(1, 2)T | =√12 + 22 =
√5 なので,ベクトルの大きさを 1とするには a1 = ±
1√12 + 22
= ± 1√5
とすればよい。従って,
a(1) =1√5
(1
2
)あるいは a(1) = − 1√
5
(1
2
)(p7.7)
となる。
同様に,λ2 = 10 に属する固有ベクトルを a(2) = (a1 , a2)T とすると,固有ベクトルの定義式,(9 −2−2 6
)(a1
a2
)= 10
(a1
a2
), (p7.8)
より a1 = −2a2 という関係式が得られる。従って固有ベクトルは
a2
(−21
)(p7.9)
となる。|(−2, 1)T | =√
(−2)2 + 12 =√5なので,ベクトルの大きさを1とするにはa2 = ±
1√12 + 22
= ± 1√5
とすればよい。従って,
a(2) =1√5
(−21
)あるいは a(2) =
1√5
(2
−1
)(p7.10)
となる。
-
2020現数 B.問 8.1
� �現象の数理B 演習問題 No.8
2個の質点の連成振動:与えられた初期条件に対する解
★★★★ レポート課題8 ★★★★
出題:11月 12日 (木),提出期限:11月 17日 (火)
配点:小問各4点� �
x
O
m m
1( )tx 2( )tx
1k ℓℓ ℓ2k 3k
3ℓ
図 8.1
問題 8-1 問題 7-1と同じく,質量 m = 1 の2つの質点が,図 8.1のように,自然長 ℓ,ばね定数がそれぞれ
k1 = 7,k2 = 2,k3 = 4 のばねにつながれている場合を考える。2つの質点の運動は角振動数が
ω(1) =√5 , ω(2) =
√10 (p8.1)
の2つの基準モード (固有モード)の重ね合わせで表される。
(1) 初期条件
x1(0) = ℓ ,dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=ℓ
5, x2(0) = 2ℓ ,
dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= − ℓ10
に対する解を求めなさい。
(2) 初期条件
x1(0) = ℓ (1 + α) ,dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 , x2(0) =9
4ℓ ,
dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 (p8.2)
に対しては角振動数が ω(1) の基準モードのみが現れた。αを求めなさい。
-
2020現数 B.問 8.2
� �現象の数理B 演習問題 No.8 略解� �
解 8-1 【問 25】を参照。(24.2),(24.3)より一般解は
u(t) =
(u1(t)
u2(t)
)=
2∑j=1
a(j)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p8.3)
となる。ただし,
ω(1) =√5 , a(1) =
1√5
(1
2
), ω(2) =
√10 , a(2) =
1√5
(−21
)(p8.4)
である。また,(p8.3)を微分して
du(t)
dt=
(du1(t)/dt
du2(t)/dt
)=
2∑j=1
ω(j) a(j)(− C(j) sin
(ω(j)t
)+D(j) cos
(ω(j)t
))(p8.5)
が得られる。
(1) 初期条件より,
u(0) =
(0
0
),
du(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=ℓ
10
(2
−1
)(p8.6)
なので,(26.8)∼(26.11)と同様に,
C(1) = (a(1))T u(0) =1√5(1 , 2)
(0
0
)= 0 , (p8.7)
C(2) = (a(2))T u(0) =1√5(−2 , 1)
(0
0
)= 0 , (p8.8)
ω(1)D(1) = (a(1))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√5(1 , 2)
ℓ
10
(2
−1
)= 0 ⇒ D(1) = 0 , (p8.9)
ω(2)D(2) = (a(2))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√5(−2 , 1) ℓ
10
(2
−1
)= − ℓ
2√5
⇒ D(2) = − ℓ10√2(p8.10)
が得られる。上の結果を (p8.3)に代入して
u(t) = −a(2) ℓ10
√2sin(ω(2)t
)= − ℓ
10√10
(−21
)sin(√
10 t)
(p8.11)
が得られる。以上より
u1(t) =ℓ
5√10
sin(√
10 t), u2(t) = −
ℓ
10√10
sin(√
10 t). (p8.12)
これより解は以下の様になる;
x1(t) = ℓ+ℓ
5√10
sin(√
10 t), x2(t) = 2ℓ−
ℓ
10√10
sin(√
10 t). (p8.13)
-
2020現数 B.問 8.3
(2) 初期条件より,
u(0) = ℓ
(α14
),
du(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=
(0
0
)(p8.14)
なので,(26.8)∼(26.11)と同様に,
C(1) = (a(1))T u(0) =1√5(1 , 2) ℓ
(α14
)=
ℓ√5
(α+
1
2
), (p8.15)
C(2) = (a(2))T u(0) =1√5(−2 , 1) ℓ
(α14
)=
ℓ√5
(−2α+ 1
4
), (p8.16)
ω(1)D(1) = (a(1))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√5(1 , 2)
(0
0
)= 0 ⇒ D(1) = 0 , (p8.17)
ω(2)D(2) = (a(2))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√5(−2 , 1)
(0
0
)= 0 ⇒ D(2) = 0 (p8.18)
が得られる。角振動数がω(1)の基準モードのみが現れるのは,C(2) = 0 , D(2) = 0となる場合なので,(p8.16)
より,
α =1
8(p8.19)
となる。
なお,この場合 (p8.15)より
C(1) =
√5
8ℓ (p8.20)
となるので上の結果を (p8.3)に代入して
u(t) = a(1)ℓ√5
8cos(ω(1)t
)=
ℓ
8
(1
2
)cos(√
5 t)
(p8.21)
が得られる。以上より
u1(t) =ℓ
8cos(√
5 t), u2(t) =
ℓ
4cos(√
5 t). (p8.22)
これより解は以下の様になる;
x1(t) = ℓ+ℓ
8cos(√
5 t), x2(t) = 2ℓ+
ℓ
4cos(√
5 t). (p8.23)
-
2020現数 B.問 9.1
� �現象の数理B 演習問題 No.9
3個の質点の連成振動:与えられた初期条件に対する解
★★★★ レポート課題9 ★★★★
出題:11月 19日 (木),提出期限:11月 24日 (火)
配点:小問各4点� �
x
O
m m
1( )tx 2( )tx
ℓk mℓk ℓk ℓk
3( )tx 4ℓ
図 9.1
問題 9-1 配布資料の p.28と同じく,図 9.1のように,質量 m の3つの質点が,自然長 ℓ,ばね定数 k のばね
につながれている場合を考える。それぞれの質点の x座標を x1 , x2 , x3,平衡点 (力のつりあいの位置) からの変
位を
u1 = x1 − ℓ , u2 = x2 − 2ℓ , u3 = x3 − 3ℓ (p9.1)
とすると,u1 , u2 , u3を用いた運動方程式は (29.1)と (29.2)となる。また,運動方程式に現れる行列 K̂ の正規化
された固有ベクトルは (31.5)となる。3つの質点の運動は角振動数が
ω(1) =
√k
m
(2−
√2), ω(2) =
√2k
m, ω(3) =
√k
m
(2 +
√2)
(p9.2)
の3つの基準モード (固有モード)の重ね合わせで表される。
(1) 初期条件
x1(0) = ℓ ,dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 , x2(0) =9
4ℓ ,
dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 , x3(0) = 3ℓ ,dx3(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 (p9.3)
に対する解を求めなさい。
(2) 初期条件
x1(0) = ℓ ,dx1(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=ℓ
10
√k
m, x2(0) = 2ℓ ,
dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 ,
x3(0) = 3ℓ ,dx2(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= v0 (p9.4)
に対しては角振動数が ω(2) の基準モードのみが現れた。v0 を求めなさい。
-
2020現数 B.問 9.2
� �現象の数理B 演習問題 No.9 略解� �
解 9-1 一般解は
u(t) =
u1(t)u2(t)u3(t)
= 3∑j=1
a(j)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p9.5)
となる。ただし,
a(1) =1
2
1√21
, a(2) = 1√2
10−1
, a(3) = 12
1−√21
(p9.6)である。また,(p9.5)を微分して
du(t)
dt=
du1(t)/dtdu2(t)/dtdu3(t)/dt
= 3∑j=1
ω(j) a(j)(− C(j) sin
(ω(j)t
)+D(j) cos
(ω(j)t
))(p9.7)
が得られる。
(1) 初期条件より,
u(0) =ℓ
4
010
, du(t)dt
∣∣∣∣t=0
=
000
(p9.8)なので,
C(1) = (a(1))T u(0) =ℓ
8(1 ,
√2 , 1)
010
= √28
ℓ , (p9.9)
C(2) = (a(2))T u(0) =ℓ
4√2(1 , 0 , −1)
010
= 0 , (p9.10)
C(3) = (a(3))T u(0) =ℓ
8(1 , −
√2 , 1)
010
= −√28
ℓ , (p9.11)
ω(1)D(1) = (a(1))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 ⇒ D(1) = 0 , (p9.12)
ω(2)D(2) = (a(2))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 ⇒ D(2) = 0 , (p9.13)
ω(3)D(3) = (a(3))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
= 0 ⇒ D(3) = 0 (p9.14)
が得られる。上の結果を (p9.5)に代入して
u(t) =
√2ℓ
8cos(ω(1)t
)−
√2ℓ
8cos(ω(3)t
)
=ℓ√2
16
1√21
cos(ω(1)t)− ℓ√216
1−√21
cos(ω(3)t) (p9.15)
-
2020現数 B.問 9.3
が得られる。以上より
u1(t) = u3(t) =ℓ√2
16
(cos(ω(1)t
)− cos
(ω(3)t
)), u2(t) =
ℓ
8
(cos(ω(1)t
)+ cos
(ω(3)t
)). (p9.16)
これより解は以下の様になる:
x1(t) = ℓ+ℓ√2
16
(cos(ω(1)t
)− cos
(ω(3)t
)), (p9.17)
x2(t) = 2ℓ+ℓ
8
(cos(ω(1)t
)+ cos
(ω(3)t
)), (p9.18)
x3(t) = 3ℓ+ℓ√2
16
(cos(ω(1)t
)− cos
(ω(3)t
)). (p9.19)
(2) 初期条件より,
u(0) =
000
, du(t)dt
∣∣∣∣t=0
=
ℓ10
√km
0
v0
(p9.20)なので,
C(1) = (a(1))T u(0) = 0 , C(2) = (a(2))T u(0) = 0 , C(3) = (a(3))T u(0) = 0 , (p9.21)
ω(1)D(1) = (a(1))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1
2(1 ,
√2 , 1)
ℓ10
√km
0
v0
= 12( ℓ10√
k
m+ v0
), (p9.22)
ω(2)D(2) = (a(2))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1√2(1 , 0 , −1)
ℓ10
√km
0
v0
= 1√2( ℓ10
√k
m− v0
), (p9.23)
ω(3)D(3) = (a(3))Tdu(t)
dt
∣∣∣∣t=0
=1
2(1 , −
√2 , 1)
ℓ10
√km
0
v0
= 12( ℓ10√
k
m+ v0
)(p9.24)
が得られる。
角振動数が ω(2) の基準モードのみが現れるのは,C(1) = 0 , D(1) = 0 , C(3) = 0 , D(3) = 0となる場合な
ので (p9.22)と (p9.24)より
v0 = −ℓ
10
√k
m(p9.25)
となる。
なお,この場合 (p9.23)より
D(2) =ℓ
10(p9.26)
となるので上の結果を (p9.5)に代入して
u(t) = a(2)ℓ
10sin(ω(2)t
)=
ℓ
10√2
10−1
sin(ω(2)t) (p9.27)が得られる。以上より
u1(t) =ℓ
10√2sin(ω(2)t
), u2(t) = 0 , u3(t) = −
ℓ
10√2sin(ω(2)t
). (p9.28)
これより解は以下の様になる;
x1(t) = ℓ+ℓ
10√2sin(ω(2)t
), x2(t) = 2ℓ , x3(t) = 3ℓ−
ℓ
10√2sin(ω(2)t
). (p9.29)
-
2020現数 B.問 10.1
� �現象の数理B 演習問題 No.10
3個の質点の連成振動:自由端の境界条件
★★★★ レポート課題10 ★★★★
出題:11月 26日 (木),提出期限:12月01日 (火) 05日 (土)
配点:小問各4点� �
xO
m m
1( )tx 2( )tx
mℓk ℓk
3( )tx
図 10.1
問題 10-1 図 10.1のように,質量 m の3つの質点が,自然長 ℓ,ばね定数 k のばねにつながれて,摩擦のない
水平面上を x軸方向に運動する場合を考える。配布資料の p.28とは違って壁はなく,壁と質点をつなぐばねはな
い。それぞれの質点の x座標を x1 , x2 , x3,とし,(28.2)にならって座標 u1 , u2 , u3 を
u1 = x1 − ℓ , u2 = x2 − 2ℓ , u3 = x3 − 3ℓ (p10.1)
で定義する。u1 , u2 , u3 を用いると運動方程式は
d2
dt2u(t) = − k
mK̃u(t) (p10.2)
と表せる。ここで u(t) = (u1(t), u2(t), u3(t))T であり,K̃ は 3行 3列の行列である。
(1) 3行 3列の行列 K̃ を書きなさい。
運動方程式 (p10.2)の解は,K̃ の固有値と固有ベクトルを用いて書き表せる。
(2) K̃ の固有値,λ1 , λ2 , λ3 を求めなさい。λ1 < λ2 < λ3 となるように定めてください。
(3) λ1 , λ2 , λ3 に属する固有ベクトル a(1),a(2) と a(3)を求めなさい。固有ベクトルは大きさが 1になるように
正規化してください:
|a(1)| = 1 , |a(2)| = 1 , |a(3)| = 1 . (p10.3)
-
2020現数 B.問 10.2
� �現象の数理B 演習問題 No.10 略解� �
解 10-1 運動方程式は
md2x1(t)
dt2= k(x2(t)− x1(t)− ℓ) , (p10.4)
md2x2(t)
dt2= −k(x2(t)− x1(t)− ℓ) + k(x3(t)− x2(t)− ℓ) , (p10.5)
md2x3(t)
dt2= k(x3(t)− x2(t)− ℓ) (p10.6)
となる。(p10.1)で定義された座標 u1 , u2 , u3 を用いると運動方程式は以下となる:
md2u1(t)
dt2= −k(u1(t)− u2(t)) , (p10.7)
md2u2(t)
dt2= −k(−u1(t) + 2u2(t)− u3(t)) , (p10.8)
md2u3(t)
dt2= −k(u3(t)− u2(t)) . (p10.9)
(1)(p10.7)∼(p10.9)より以下となる:
K̃ =
1 −1 0−1 2 −10 −1 1
. (p10.10)(2) 固有値 λを求める式は
0 = det
λ 1 0 00 1 0
0 0 1
− K̃ =
∣∣∣∣∣∣∣λ− 1 1 01 λ− 2 10 1 λ− 1
∣∣∣∣∣∣∣ (p10.11)となる。右辺の行列式を行の変形で求めることにする:∣∣∣∣∣∣∣
λ− 1 1 01 λ− 2 10 1 λ− 1
∣∣∣∣∣∣∣(1)= −
∣∣∣∣∣∣∣1 λ− 2 1
λ− 1 1 00 1 λ− 1
∣∣∣∣∣∣∣(2)= −
∣∣∣∣∣∣∣1 λ− 2 10 1− (λ− 1)(λ− 2) −(λ− 1)0 1 λ− 1
∣∣∣∣∣∣∣(3)=
∣∣∣∣∣∣∣1 λ− 2 10 1 λ− 10 −λ2 + 3λ− 1 −(λ− 1)
∣∣∣∣∣∣∣(4)=
∣∣∣∣∣∣∣1 λ− 2 10 1 λ− 10 0 (λ− 1)(λ2 − 3λ+ 1− 1)
∣∣∣∣∣∣∣=
∣∣∣∣∣∣∣1 λ− 2 10 1 λ− 10 0 λ(λ− 1)(λ− 3)
∣∣∣∣∣∣∣ = λ(λ− 1)(λ− 3) (p10.12)となる。ここで
(1) (1行)と (2行)を交換, (2) (2行)− (λ− 1)× (1行), (3) (2行)と (3行)を交換,
(4) (3行)− (λ2 − 3λ+ 1))× (2行)
という変形を行った。また,最後の等式では�� ��三宅線形 定理 3.3.4 を用いた。これより K̃の固有値は以下となる:
λ1 = 0 , λ2 = 1 , λ3 = 3 . (p10.13)
-
2020現数 B.問 10.3
(3) λ1 = 0に属する固有ベクトル,a(1) = (a1 , a2 , a3)T,を求める。固有ベクトルの定義式K̃ − λ1 1 0 00 1 0
0 0 1
a1a2
a3
= 00
0
(p10.14)の左辺に現れる行列
K̃ − λ1
1 0 00 1 00 0 1
= 1 −1 0−1 2 −1
0 −1 1
(p10.15)を行について変形する: 1 −1 0−1 2 −1
0 −1 1
(1)−→ 1 −1 00 1 −1
0 −1 1
(2)−→ 1 −1 00 1 −1
0 0 0
. (p10.16)ここで
(1) (2行)に (1行)を加える, (2) (3行)に (2行)を加える,
という変形を行った。(p10.16)により,(p10.14)が行の変形により 1 −1 00 1 −10 0 0
a1a2
a3
= 00
0
(p10.17)と変形できることがわかる。これより
a1 − a2 = 0 , a2 − a3 = 0 (p10.18)
なので,固有ベクトル
a(1) = a2(1 , 1 , 1)T (p10.19)
が得られる。|(1, 1, 1)T | =√
12 + 12 + 12 =√3 なので,ベクトルの大きさを 1とするには a2 = ±
1√3とす
ればよい。従って,
a(1) =1√3
111
あるいは a(1) = 1√3
−1−1−1
. (p10.20)
λ2 = 1に属する固有ベクトル,a(2) = (a1 , a2 , a3)T,を求める。固有ベクトルの定義式K̃ − λ2 1 0 00 1 0
0 0 1
a1a2
a3
= 00
0
(p10.21)の左辺に現れる行列
K̃ − λ2
1 0 00 1 00 0 1
= 0 −1 0−1 1 −1
0 −1 0
(p10.22)を行について変形する:
-
2020現数 B.問 10.4
0 −1 0−1 1 −10 −1 0
(1)−→ −1 1 −10 −1 0
0 −1 0
(2)−→ −1 1 −10 −1 0
0 0 0
(3)−→ −1 0 −10 −1 0
0 0 0
. (p10.23)ここで
(1) (1行)と (2行)を交換 , (2) (3行)に (2行)を加える, (3) (1行)に (2行)を加える,
という変形を行った。(p10.23)により,(p10.21)が行の変形により −1 0 −10 −1 00 0 0
a1a2
a3
= 00
0
(p10.24)と変形できることがわかる。これより
− a1 − a3 = 0 , a2 = 0 (p10.25)
なので,固有ベクトル
a(2) = a1(1 , 0 , −1)T (p10.26)
が得られる。|(1, 0,−1)T | =√12 + (−1)2 =
√2 なので,ベクトルの大きさを 1とするには a1 = ±
1√2と
すればよい。従って,
a(2) =1√2
10−1
あるいは a(2) = 1√2
−101
(p10.27)となる。
λ3 = 3に属する固有ベクトル,a(3) = (a1 , a2 , a3)T,を求める。固有ベクトルの定義式K̃ − λ3 1 0 00 1 0
0 0 1
a1a2
a3
= 00
0
(p10.28)の左辺に現れる行列
K̃ − λ3
1 0 00 1 00 0 1
= −2 −1 0−1 −1 −1
0 −1 −2
(p10.29)を行について変形する: −2 −1 0−1 −1 −1
0 −1 −2
(1)−→ −1 −1 −1−2 −1 0
0 −1 −2
(2)−→ −1 −1 −10 1 2
0 −1 −2
(3)−→ −1 −1 −10 1 2
0 0 0
(4)−→ −1 0 10 1 2
0 0 0
. (p10.30)
-
2020現数 B.問 10.5
ここで
(1) (1行)と (2行)を交換 , (2) (2行)に (1行)×(−2)を加える, (3) (3行)に (2行)を加える,
(4) (1行)に (2行)を加える,
という変形を行った。(p10.30)により,(p10.28)が行の変形により −1 0 10 1 20 0 0
a1a2
a3
= 00
0
(p10.31)と変形できることがわかる。これより
− a1 + a3 = 0 , a2 + 2a3 = 0 (p10.32)
なので,固有ベクトル
a(3) = a3(1 , −2 , 1)T (p10.33)
が得られる。|(1,−2, 1)T | =√12 + (−2)2 + 12 =
√6 なので,ベクトルの大きさを 1とするには a3 = ±
1√6
とすればよい。従って,
a(3) =1√6
1−21
あるいは a(3) = 1√6
−12−1
(p10.34)となる。
運動方程式,(p10.2)の特解を K̃ の固有ベクトルを用いて
u(j)(t) = f (j)(t)a(j) (p10.35)
と表す。
d2
dt2u(j)(t) =
d2f (j)(t)
dt2a(j) , − k
mK̃u(j)(t) = − k
mf (j)(t)K̃a(j) = − k
mλjf
(j)(t)a(j) (p10.36)
より f (j)(t)の満たすべき方程式はd2f (j)(t)
dt2= − k
mλjf
(j)(t) (p10.37)
となる。以上より,一般解は
u(t) = a(1)(C(1) +D(1)t
)+
3∑j=2
a(j)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p10.38)
となる。ここで,角振動数は以下となる:
ω(2) =
√k
m, ω(3) =
√3k
m. (p10.39)
また,(p10.38)右辺の第 1項は 3つの質点の並進運動を表している。
-
2020現数 B.問 11.1
� �現象の数理B 演習問題 No.11
N個の質点の連成振動:自由端の境界条件
★★★★ レポート課題11 ★★★★
出題:12月 03日 (木),提出期限:12月 23日 (水)
配点:小問各4点� �
xO
ℓkm
1( )x t
2( )x t
1( )
nx t−
( )nx t
1( )
nx t+ 1
( )Nx t
−( )Nx t
図 11.1
問題 11-1 図 11.1のように,質量 m の N 個の質点が,自然長 ℓ,ばね定数 k のばねにつながれて,摩擦のな
い水平面上を x軸方向に運動する場合を考える。配布資料の p.33の場合とは違って壁はなく,壁と質点をつなぐ
ばねはない。それぞれの質点の x座標を x1 , x2 , · · · , xN,とし,(33.3)にならって座標 u1 , · · · , uN を
un = xn − nℓ , n = 1, 2, · · · , N (p11.1)
で定義する。{un;n = 1, · · · , N}を用いると運動方程式は
d2
dt2u(t) = − k
mK̃u(t) , (p11.2)
u(t) =
u1(t)
u2(t)
u3(t)...
uN−1(t)
uN (t)
, K̃ =
1 −1 0 0 · · · 0−1 2 −1 0 · · · 00 −1 2 −1 · · · 0...
.... . .
. . .. . .
...
0 · · · 0 −1 2 −10 · · · 0 0 −1 1
(p11.3)
と表せる。ここで K̃ は N 行 N 列の行列である。
運動方程式 (p11.2)の解は,K̃ の固有値と固有ベクトルを用いて書き表せる。以下の手順で K̃ の固有値と固有
ベクトルを求めよう。
(1) 固有値を λ,固有ベクトルを a = (a1 a2 · · · aN )T とする。固有ベクトルの定義の式 K̃a = λa の各成分は
(1− λ)a1 − a2 = 0 , (p11.4)
−an−1 + (2− λ)an − an+1 = 0 , n = 2 , 3 , · · · , N − 1 , (p11.5)
−aN−1 + (1− λ)aN = 0 (p11.6)
となる。変数 a0 と aN を付け加えて,(p11.6)∼(p11.8)を
− an−1 + (2− λ)an − an+1 = 0 , n = 1 , 2 , · · · , N (p11.7)
と書き表す場合,a0 と a1,及び aN と aN+1 が満たすべき境界条件を書きなさい。これは 自由端 の境
界条件となる。
-
2020現数 B.問 11.2
(2)差分方程式 (p11.7)の一般解は (34.3)と同じく A,B を任意定数として,
an = Acn1 +Bc
−n1 (p11.8)
となる。ここで,c1 は固有値 λと以下の関係がある:
λ = 2− c1 − c−11 . (p11.9)
(1)で求めた境界条件を (p11.8)が満たすように c1 を決めると,(p11.9)から固有値が求まる。(34.13)と同
じく j 番目の固有値を
λ(j) = 4 sin2(p(j)
2
)(p11.10)
と表すとき,p(j) を求めなさい。j の範囲はこの場合は j = 0, 1, · · · , N − 1とするのが自然です。
(3) (2)で求めた p(j)を用いて (35.3)のように固有値 λ(j)に属する固有ベクトル a(j)表しなさい。固有ベクトル
は正規化する (大きさを 1にする)必要はありません。
-
2020現数 B.問 11.3
� �現象の数理B 演習問題 No.11 略解� �
解 11-1
(1) (p11.7)に n = 1を代入した
− a0 + (2− λ)a1 − a2 = 0 (p11.11)
の左辺は
− a0 + (2− λ)a1 − a2 = −a0 + a1 + (1− λ)a1 − a2 (p11.12)
となるので,(p11.11)が (p11.4)と一致するためには a0 = a1 であればよい。また,(p11.7)に n = N を代
入した
− aN−1 + (2− λ)aN − aN+1 = 0 (p11.13)
の左辺は
− aN−1 + (2− λ)aN − aN+1 = 0 = −aN−1 + (1− λ)aN + aN − aN+1 (p11.14)
となるので,(p11.13)が (p11.6)と一致するためには aN = aN+1 であればよい。以上より,この場合の境
界条件は以下となる:
a0 = a1 , aN = aN+1 . (p11.15)
(2) (p11.8)を (p11.15)に代入すると
A+B = Ac1 +Bc−11 , Ac
N1 +Bc
−N1 = Ac
N+11 +Bc
−(N+1)1 (p11.16)
となる。(p11.16)の第 1式は B(1− c−11 ) = A(c1 − 1) と書けるので,
B = Ac1 − 11− c−11
= Ac1(c1 − 1)c1 − 1
= A c1 (p11.17)
が得られる。(p11.17)を (p11.16)の第 2式に代入すると
AcN1 +Ac1 c−N1 = Ac
N+11 +Ac1 c
−(N+1)1 (p11.18)
より c1 についての方程式,
cN1 + c−N+11 = c
N+11 + c
−N1 , (p11.19)
が得られる。これを変形すると
cN+11 − cN1 = c−N+11 − c
−N1 → cN1 (c1 − 1) = c
−N1 (c1 − 1) (p11.20)
より (c2N1 − 1
)(c1 − 1) = 0 (p11.21)
となるので,c1 が満たすべき条件として以下が得らえれる:
c2N1 = 1 . (p11.22)
j を整数とすると 1 = e2πij なので,
c2N1 = e2πij (p11.23)
の両辺を 1/(2N)乗して
c1 = ei πN j , j は整数 (p11.24)
を得る。
-
2020現数 B.問 11.4
(p11.24)を (p11.9)に代入すると
λ = 2− c1 − c−11 = 2− eiπN j − e−i πN j = 2
(1− cos
( πN
j))
= 4 sin2( π2N
j)
(p11.25)
となる。(p11.25)の 3番目の等式ではオイラーの公式,
e±iθ = cos θ ± i sin θ , (p11.26)
を使った。(p11.10)と (p11.25)を比較して
p(j) =πj
N(p11.27)
となる。j の範囲はこの場合は j = 0, 1, · · · , N − 1となる。
(3) (p11.8)に (p11.17)と (p11.24)を代入して
an = Acn1 +Bc
−n1 = A
(cn1 + c
−n+11
)(p11.28)
となる。(p11.27)と (p11.24)より,
c1 = eip(j) (p11.29)
なので,j 番目の固有値に属する固有ベクトルの第 n成分は
a(j)n = A(eip
(j)n + e−ip(j)(n−1)
)(p11.30)
となる。これが答となるが,形を整えるために以下のように変形する:
a(j)n = Aeip(j)/2
(eip
(j)(n−1/2) + e−ip(j)(n−1/2)
)= 2Aeip
(j)/2 cos
(p(j)
(n− 1
2
))(p11.31)
となる。以上より,固有値 λ(j) = 4 sin2(p(j)
2
)に属する固有ベクトル a(j) は
a(j) =定数×(cos
(1
2p(j))
, cos
(3
2p(j))
, · · · , cos(2N − 1
2p(j)))T
(p11.32)
となる。
固有値 λ(j) と固有ベクトル a(j) を用いて運動方程式 (p11.2)の一般解を表す。特解を
u(j)(t) = f (j)(t)a(j) (p11.33)
とすると,
d2
dt2u(j)(t) =
d2f (j)(t)
dt2a(j) , − k
mK̃u(j)(t) = − k
mf (j)(t)K̃a(j) = − k
mλ(j)f (j)(t)a(j) (p11.34)
より f (j)(t)の満たすべき方程式はd2f (j)(t)
dt2= − k
mλ(j)f (j)(t) (p11.35)
となる。(p11.35)の解は,j = 0の場合は λ(0) = 0なので,
f (0)(t) = C(0) +D(0)t , (p11.36)
j = 1 , · · · , N − 1の場合は
f (j)(t) = A(j) cos(ω(j)t− θ(j)
)= C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
)(p11.37)
となる。以上より,一般解は
u(t) = a(0)(C(0) +D(0)t
)+
N−1∑j=1
a(j)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p11.38)
となる。ここで,角振動数は以下となる:
ω(j) = 2
√k
msin
(p(j)
2
). (p11.39)
尚,(p11.38)右辺の第 1項はN 個の質点が全て同じ速度で動く並進運動を表している。
-
2020現数 B.問 12.1
� �現象の数理B 演習問題 No.12
3個の質点の連成振動:自由端の境界条件 ばねと質点系のパラメータと弾性体の棒のパラメータの対応関係
★★★★ レポート課題10 12★★★★
出題:12月 10日 (木),提出期限:12月 15日 (火)
配点:小問各4点� �
1m
2m
Nm
L
S ,Eρ
,k ℓ
図 12.1
問題 12-1 図 12.1に示すように,長さ L = 0.1m,断面積 S = 10−4m2,密度 ρ = 104kg/m3,ヤング率 E =
1011kg/(s2m) の弾性体の棒を,ばね定数 k,自然長 ℓ のばねでつながれた N 個の質点でモデル化する。質点の
質量は全て等しい ( m1 = m2 = · · · = mN = m)とする。このとき,以下の問に答えなさい。尚,N は大きいと考えて,N ± 1 ≃ N とみなしてかまいません。
(1) N = 100の場合に,m, ℓ, k の値をどう設定すればよいかを答えなさい。
(2) 質点の個数を 5倍のN = 500個にした場合には,k, ℓ,m の値はN = 100の場合の値のそれぞれ何倍とする
のが適当かを答えなさい。
x
L0
( , )u x t
1x
2x
3x
図 12.2
問題 12-2 配布資料の図 41-1のように,x軸に沿って置かれた棒状の弾性体を考える。u(x, t)は棒の各位置 x
の時刻 tでの x方向の変位を表す関数である。(棒に振動が生じていないときに xの位置にある棒の一部分の時刻
tの位置が x+ u(x, t)となる。) 図 12.2にはある時刻 tの u(x, t)が描かれている。このとき,棒の密度が,振動
が生じていないときの密度より大きくなっている位置を x1,x2,x3から全て選びなさい。また,棒の密度が,振
動が生じていないときの密度より小さくなっている位置を x1,x2,x3 から全て選びなさい。
-
2020現数 B.問 12.2
� �現象の数理B 演習問題 No.12 略解� �
解 12-1
(1) (39.1) より
ℓ =L
N + 1≃ L
N=
0.1
100m = 10−3 m . (p12.1)
(39.2) より
m =SLρ
N=
10−4 10−1 104
100kg = 10−3 kg . (p12.2)
(40.13)より
k =SE
LN =
10−4 1011
0.1100 kg/s2 = 1010 kg/s2 . (p12.3)
(2) (p12.1)∼(p12.3)より,kはN に比例し ℓとmは 1/N に比例する。従って,N を 5 倍にする場合,ℓ と m は
1
5倍の値,k は 5 倍の値を使うのが適当である。
解 12-2 配布資料 p.41,図 41-2の右側の状況なので,
振動が生じていないときと比べて棒の密度が大きくなっている位置は x2 ,
振動が生じていないときと比べて棒の密度が小さくなっている位置は x1 と x3 ,
となる。
-
2020現数 B.問 13.1
� �現象の数理B 演習問題 No.13
進行波の山の位置と波長,速度
★★★★ レポート課題13 ★★★★
出題:12月 17日 (木),提出期限:2021年 1月 05日 (火)
配点:小問各4点� �問題 13-1 x軸に沿って置かれた無限に長い弾性体の棒を考える。配布資料の p.41での説明のように,棒に振動
が生じていないときに xの位置にある棒の一部分が時刻 tにどの位置に変位しているかを表す関数,u(x, t)が以
下で与えられるとする:
u(x, t) = 7 cos(3x+ 5t+ 2) . (p13.1)
(1) 時刻 t の山の位置,つまり u(x, t) = 7となる xの値,を求めなさい。山は無限個あるので,nを整数として,
nを含む式で山の位置を表してください。
(2) 山の動く速度 vを求めなさい。正負の符号も含めて求めてください。(v > 0の場合は山は x軸の正の向きに
動き,v < 0の場合は山は x軸の負の向きに動く,とします。)
(3) 波長 λ (山から山までの距離の最小値)を求めなさい。
-
2020現数 B.問 13.2
� �現象の数理B 演習問題 No.13 略解� �
解 13-1 【問 42】の類題。
(1) cos (3x+ 5t+ 2) = 1となる x を求める。cos(α) = 1となるのは nを整数とすると α = 2πn。従って
3x+ 5t+ 2 = 2πn (p13.2)
より, 時刻 t での n 番目の山の位置を xn(t)とすると
xn(t) = −5
3t− 2
3+
2π
3n (p13.3)
となる。
(2) (p13.3)より,( n 番目の)山は速度
v = −53
(p13.4)
で x軸の負の向きに進むことがわかる。
(3) (p13.3)より,n 番目の山と n+ 1 番目の山の間隔 (波長 λ)は
λ = xn+1(t)− xn(t) =2π
3(p13.5)
であることがわかる。
-
2020現数 B.問 14.1
� �現象の数理B 演習問題 No.14
有限区間の固有モード:種々の境界条件
★★★★ レポート課題14 ★★★★
出題:01月 07日 (木),提出期限:01月 12日 (火)
配点:小問各4点� �問題 14-1 p.46∼50では区間 (0, L)での波動方程式 (43.7)
∂2u(x, t)
∂t2= v2
∂2u(x, t)
∂x2(p14.1)
の,固定端の境界条件 (50.3),
u(0, t) = 0 , u(L, t) = 0 (p14.2)
に対する解について説明したが,この問題では他の境界条件に対する解を考える。解の形を
u(x, t) = a(x)b(t) (p14.3)
と仮定して (p14.1)の特解を求めると,
a(x) = A cos(kx) +B sin(kx) , b(t) = C cos(ωt− θ)) (p14.4)
となる。ここで ω = vkである。
(1) 長さ Lの弾性体の棒の左端 (x = 0)が固定されているが,右端 (x = L)は固定されていない場合の境界条件は
u(0, t) = 0 ,∂u(x, t)
∂x
∣∣∣∣x=L
= 0 (p14.5)
となる。(p14.5)の最初の式より A = 0が導かれる:
a(x) = B sin(kx) . (p14.6)
(p14.5)の 2番目の式を満たすように kを定めなさい。そのような kは無限個あるので,j = 0, 1, · · · として,(j 番目の k,) k(j) を j を含む式で表してください。
(2-1) 棒の両端が固定されていない場合の境界条件 (自由端の境界条件)(44.9)は
∂u(x, t)
∂x
∣∣∣∣x=0
= 0 ,∂u(x, t)
∂x
∣∣∣∣x=L
= 0 (p14.7)
となる。da(x)
dx= −kA sin(kx) + kB cos(kx) (p14.8)
なので,(p14.7)の最初の式より B = 0が導かれる:
a(x) = A cos(kx) . (p14.9)
(p14.5)の 2番目の式を満たすように kを定めなさい。そのような kは無限個あるので,j = 0, 1, · · · として,(j 番目の k,) k(j) を j を含む式で表してください。
(2-2) (2-1)で求めた k(j)と ω(j) = vk(j) を用いて自由端の境界条件に対する区間 (0, L)での波動方程式の一般解
を書き表しなさい。(p11.38)も参考にしてください。
-
2020現数 B.問 14.2
� �現象の数理B 演習問題 No.14 略解� �
解 14-1
(1) (p14.3)を (p14.5)の 2番目の条件式に代入すると
∂u(x, t)
∂x
∣∣∣∣x=L
=da(x)
dx
∣∣∣∣x=L
b(t) = 0 (p14.10)
となる。これより kはda(x)
dx
∣∣∣∣x=L
= Bk cos(kL) = 0 (p14.11)
を満たす必要がある。cos θ = 0となるのは θ =π
2+ π ×整数なので,j を整数として
k(j) =(π2+ πj
) 1L
=2j + 1
2Lπ (p14.12)
となる。尚,j の範囲は
j = 0 , 1 , · · · (p14.13)
とするのが適当となる。
尚,k = 0も条件 (p14.11)を満たすが,この場合 a(x) = B sin(0 · x) = 0となり,意味のある解を与えない。
(2-1) この場合は (p14.9)をda(x)
dx
∣∣∣∣x=L
= 0に代入するので,kは
da(x)
dx
∣∣∣∣x=L
= −Ak sin(kL) = 0 (p14.14)
を満たす必要がある。sin θ = 0となるのは θ = π ×整数なので,j を整数として
k(j) =π
Lj (p14.15)
となる。尚,j の範囲は
j = 0 , 1 , · · · (p14.16)
とするのが適当となる。
(2-2) 解の形を (p14.3)としているので,b(t)は微分方程式 (47.7)
d2b(t)
dt2= −
(ω(j)
)2b(t) (p14.17)
の解となる。j ̸= 0 に対しては解は
b(t) = C(j) cos(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
)(p14.18)
となる。j = 0に対しては ω(0) = 0なので,解は
b(t) = C(0) +D(0)t (p14.19)
となる。以上より,自由端の境界条件に対する区間 (0, L)での波動方程式の一般解は
u(x, t) = C(0) +D(0)t+∞∑j=1
A(j) cos(k(j)x
)cos(ω(j)t− θ(j)
)(p14.20)
= C(0) +D(0)t+
∞∑j=1
cos(k(j)x
)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p14.21)
となる。尚,(p14.20)あるいは (p14.21)右辺の第 1項は棒が速度D(0)で x方向へ平行移動する並進運動を
表している。
-
2020現数 B.問 15.1
� �現象の数理B 演習問題 No.15
与えられた初期条件に対する波動方程式の解
★★★★ レポート課題15 ★★★★
出題:01月 14日 (木),提出期限:01月 19日 (火)
配点:小問各4点� �問題 15-1 区間 (0, L)で固定端の境界条件を満たす次の波動方程式を考える (v > 0 は定数):
∂2u(x, t)
∂t2= v2
∂2u(x, t)
∂x2, (0 < x < L), u(0, t) = u(L, t) = 0 . (p15.1)
次の初期条件に対する解を求めなさい;
(1)
u(x, 0) = a sin
(3π
Lx
),
∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
= 0 . (p15.2)
ただし,a (> 0) は定数である。
(2)
u(x, 0) = 0 ,∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
=2πav
Lsin
(2π
Lx
). (p15.3)
ただし,a (> 0) は定数である。
問題 15-2 区間 (−∞ ,∞)での波動方程式,
∂2u(x, t)
∂t2= v2
∂2u(x, t)
∂x2, (−∞ < x < ∞) (p15.4)
を考える。 ここで v > 0 は定数である。次の初期条件に対する解を求めなさい;
(1)
u(x, 0) =a2x
3x2 + 2a2,
∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
= 0 . (p15.5)
ただし,a (> 0) は定数である。
(2)
u(x, 0) = 0 ,∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
=6a3xv
(3x2 + 2a2)2
(= − d
dx
(a3v
3x2 + 2a2
)). (p15.6)
ただし,a (> 0) は定数である。
-
2020現数 B.問 15.2
� �現象の数理B 演習問題 No.15 略解� �
解 15-1【問 49】と同様に考える。一般解
u(x, t) =
∞∑j=1
sin(k(j)x)(C(j) cos
(ω(j)t
)+D(j) sin
(ω(j)t
))(p15.7)
とその時間微分∂u(x, t)
∂t=
∞∑j=1
sin(k(j)x)ω(j)(− C(j) sin
(ω(j)t
)+D(j) cos
(ω(j)t
))(p15.8)
に t = 0を代入すると
u(x, 0) =
∞∑j=1
sin(k(j)x)C(j) ,∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
=
∞∑j=1
sin(k(j)x)D(j)ω(j) (p15.9)
が得られる。ここで
k(j) =π
Lj , ω(j) = vk(j) . (p15.10)
(1) 初期条件,(p15.2)
u(x, 0) = a sin(k(3)x
),
∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
= 0 , (p15.11)
と比べると
C(3) = a , , 他の C(j), D(j) は 0 (p15.12)
であることがわかる。以上より次式が得られる:
u(x, t) = a sin(k(3)x
)cos(ω(3)t
)= a sin
(3π
Lx
)cos
(3π
Lvt
). (p15.13)
(2) 初期条件,(p15.3)
u(x, 0) = 0 ,∂u(x, t)
∂t
∣∣∣∣t=0
= aω(2) sin(k(2)x
), (p15.14)
と比べると
D(2) = a , , 他の C(j), D(j) は 0 (p15.15)
であることがわかる。以上より次式が得られる:
u(x, t) = a sin(k(2)x
)sin(ω(2)t
)= a sin
(2π
Lx
)sin
(2π
Lvt
). (p15.16)
解 15-2【問 53】と同様に考える。
(1)(53.5)に
F (x) =a2x
3x2 + 2a2, G(x) = 0 (p15.17)
を代入して
u(x, t) =a2
2
(x+ vt
3(x+ vt)2 + 2a2+
x− vt3(x− vt)2 + 2a2
). (p15.18)
(2)(53.5)に
F (x) = 0 , G(x) =6a3xv
(3x2 + 2a2)2(p15.19)
を代入して
u(x, t) =1
2v
∫ x+vtx−vt
6a3zv
(3z2 + 2a2)2dz = −a
3
2
∫ x+vtx−vt
d
dz
(1
3z2 + 2a2
)= −a
3
2
[1
3z2 + 2a2
]z=x+vtz=x−vt
=a3
2
(1
3(x− vt)2 + 2a2− 1
3(x+ vt)2 + 2a2
). (p15.20)