2017/12/22 Ä - JSNDIについて,対応国際規格(ISO 2400:2012,ISO...

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JIS 意見受付 JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片 原案作成委員会 この JIS は日本非破壊検査協会規則「JIS 原案作成に関する規則」に基づき関係者に JIS の制定前の意 見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されている JIS についての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2017 12 22 日(金) 意見提出先:Email[email protected] Pubcome 2017/12/22迄

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  • JIS 意見受付

    JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片 原案作成委員会

    この JIS は日本非破壊検査協会規則「JIS 原案作成に関する規則」に基づき関係者に JIS の制定前の意 見提出期間を設けるために掲載するものです。 意見は規格原案決定の際の参考として取り扱いさせていただきます。 掲載されている JIS についての意見提出は下記メールアドレスまでお願いいたします。 意見受付締切日:2017 年 12 月 22 日(金) 意見提出先:Email: [email protected]

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    JIS Z 2345-2 超音波探傷試験用標準試験片-第 2部:A7963 形標準試験片

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    1 適用範囲 1

    2 引用規格 1

    3 用語及び定義 1

    4 名称及び主な使用目的 2

    5 製造 2

    5.1 材料 2

    5.2 形状及び寸法 2

    5.3 熱処理,機械加工,超音波探傷試験及び表面仕上げ 2

    5.4 試験片の基準目盛 3

    6 試験片の音速 4

    7 超音波測定 4

    7.1 測定 4

    7.2 測定に用いる装置 4

    7.3 測定方法及び測定条件 4

    8 合否の判定 5

    9 表示 5

    10 適合の証明 5

    11 使用方法 5

    11.1 時間軸の調整 5

    11.2 感度調整及び探触子の点検

    附属書 A A7963 形標準試験片の特性及び使用

    附属書 JA(規定)A7963 形標準試験片の音速測定方法

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    まえがき

    この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

    非破壊検査協会 (JSNDI) 及び一般財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規

    格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

    格である。

    これによって,JIS Z 2345:2000は JIS Z 2345-1, JIS Z 2345-2, JIS Z 2345-3及び JIS Z 2345-4に分割され,

    改正され,この規格に置き換えられた。

    この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

    この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

    を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

    用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。

    JIS Z 2345 の規格群には,次に示す部編成がある。

    JIS Z 2345-1 第 1 部:A1 形標準試験片

    JIS Z 2345-2 第 2 部:A7963 形標準試験片

    JIS Z 2345-3 第 3 部:垂直探傷試験用標準試験片

    JIS Z 2345-4 第 4 部:斜角探傷試験用標準試験片

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  • 日本工業規格(案) JIS

    Z 2345 - 2:0000

    超音波探傷試験用標準試験片―

    第 2部:A7963 形標準試験片

    Standard test blocks for ultrasonic testing – Part 2: A7963 Standard Test

    Block

    序文

    この規格は, 1994 年に種々の標準試験片を一括して制定され,その後 2000 年に改正された JIS Z 2345

    について,対応国際規格(ISO 2400:2012,ISO 7963:2006)との整合化を考慮して,第 1 部 A1 形標準試験

    片,第 2 部 A7963 形標準試験片,第 3 部垂直探傷試験用標準試験片,第 4 部斜角探傷試験用標準試験片と

    して分割して制定された,第 2 部 A7963 形標準試験片についてのものである。

    なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

    変更の一覧表にその説明を付けて,附属書 JB に示す。

    1 適用範囲

    この規格は,手動探傷試験に用いられる超音波試験装置を校正するための A7963 形標準試験片について

    の必要事項を規定する。

    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

    ISO 7963:2006 Non-destructive testing – Ultrasonic testing – Specification for calibration block

    No.2(MOD)

    なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“修正している”こ

    とを示す。

    2 引用規格

    次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

    引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

    JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材

    JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材

    JIS K 2238 マシン油

    JIS Z 2300 非破壊試験用語

    ASTM A105 Standard Specification for Carbon Steel Forgings for Piping Applications

    3 用語及び定義

    この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300 による。

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    4 名称及び主な使用目的

    名称及び主な使用目的は,次による。

    a) この標準試験片は,A7963 形標準試験片(STB-A7963)と称す。

    b) この標準試験片は,斜角探触子の特性の測定,斜角探触子の入射点・屈折角の測定,測定範囲の調整,

    探傷感度の調整,及び垂直探傷の測定範囲の調整に主に用いられる。

    c) この標準試験片の用途については,その特性を有効に利用し 4b)に示す項目以外の目的に使用しても

    よい。

    5 製造

    5.1 材料

    A7963 形標準試験片に用いる材料は,次の要件を備える材料とする。

    a) 試験片は次のいずれかから製造する。

    1) JIS G 3106 に規定された SM400 又は SM490

    2) JIS G 4051 などに規定された機械構造用炭素鋼鋼材

    3) ASTM A105 などに規定された圧力容器用炭素鋼鍛鋼品又は配管用炭素鋼鍛鋼品

    b) 材料は,超音波の伝搬特性を変化させるような音響異方性がないものとする[材料の厚さ方向に伝わ

    る横波の偏波(振動)方向を主圧延方向にした場合の音速と直角方向にした場合の音速との差は,1 %

    以下とする。]。

    5.2 形状及び寸法

    形状及び寸法は,次による。

    a) A7963 形標準試験片の形状,寸法及び目盛は,図 1 による。

    5.3 熱処理,機械加工,超音波探傷試験及び表面仕上げ

    熱処理,機械加工,超音波探傷試験及び表面仕上げは,次による。

    a) 熱処理は,機械加工前に行い,焼ならし及び焼入れ焼戻しを標準として実施する。

    b) 最終加工に先立って,試験片の内部に不連続部がないことを証明する。この目的のため,次に示す超音

    波探傷試験を行う。

    1) 熱処理後に,局部水浸法により,周波数 10 MHz,公称直径 10 mm の探触子を用いて両面の全面から

    垂直探傷し,STB-G V2 のエコー高さの 1/16 (-24 dB)を超えるきずエコーがないものとする。

    2) 熱処理前に超音波探傷試験を行う場合には,5.3b)1) における試験と同等にきずが検出されるよう,

    適正なきず検出しきい値をあらかじめ求めておく。

    c) 機械加工及び表面仕上げ

    1) 熱処理後,全ての表面を少なくとも 2 mm,切削除去しなければならない。寸法及び表面仕上げは,

    図 1 に示すとおりである。

    2) 妨害エコーを防止するために,彫刻目盛の深さは,0.1 mm ±0.05 mm とする。

    3) 目盛線の長さの許容差は次に示すとおりとし,目盛線の位置に関する許容差は,±0.2 mm とする。

    i. 長さ 6 mm の目盛線:±0.5 mm

    ii. 長さ 2.5 mm の目盛線:±0.25 mm

    iii. 長さ 1.5 mm の目盛線:±0.2 mm

    4) 全ての外表面を,機械仕上げにより図 1 に示した算術平均粗さ値(Rab))となるよう仕上げる。

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    5) 表面の粗さパラメータ(算術平均粗さ)の測定は,ロットごとの代表試験片について,表面粗さ測

    定機を用いて実施する。

    5.4 試験片の基準目盛

    試験片の基準目盛は,次による。

    a) A7963 形標準試験片の目盛及び角度数値は,図 1 のとおり付与する。

    単位 ㎜

    注記 特に規定した箇所以外の寸法許容差は,±0.1 mm とする。

    図 1-STB-A7963の形状寸法及び目盛

    A面

    B面

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    6 試験片の音速

    試験片の音速測定方法及び音速の許容値は,次による。

    a) 試験片の超音波音速の測定は,附属書 JA による。

    b) 試験片の縦波及び横波の音速の測定頻度は,製造ロットごとに 1 回以上とする。

    c) 音速測定の最大許容誤差は,0.2 %とする。すなわち,測定値の誤差は,縦波について±12 m/s,横波

    について±6 m/s 以内である。

    d) A7963 形標準試験片の縦波の音速は,5 920 m/s ±30 m/s,横波音速は,3 245 m/s±15 m/s とする。

    7 超音波測定

    7.1 測定

    製作した試験片について,次に示す測定を実施する。

    7.2 測定に用いる装置

    試験片の測定に用いる装置は,表 1 による。

    表 1-測定装置

    装 置 仕 様

    超音波

    探傷器

    周波数 周波数切替え機能をもつ探傷器で,必要とする周波数範囲を含むものとする。

    リジェクション 使用しない。

    超音波

    探触子

    種類 斜角探触子

    振動子材料 セラミックス

    周波数(MHz) 5

    振動子寸法(mm) 10×10

    屈折角(度) 70

    接触媒質 マシン油 a)

    探触子安定用おもり 測定精度を保つための適切な押付圧を与えるものとする。

    測定用基準片 STB-A1 との関係を明らかにした STB-A7963 の中から選んだもの。

    注 a) マシン油は,JIS K 2238 の ISO VG10 とする。

    7.3 測定方法及び測定条件

    試験片の測定方法及び測定条件は,表 2 による。

    表 2-測定方法及び測定条件

    項 目 内 容

    反射源 R50 面

    感度調整 測定用基準片の反射面からのエコー高さを 60~80 %に合わせる。

    入射点測定位置

    R50 面のエコー高さが最大となるように探触子を前後走査し,最大エコー高さの

    位置に探触子を止め,探触子の入射点と R 面の中心との偏差を読み取る。偏差は,

    R 面の中心から前方をプラス,後方をマイナスとして,+α mm 又は,-α mm の

    ように記録する。

    測定回数 試験片と測定用基準片について,それぞれ 2 回測定する。

    読取りの単位 入射点測定位置の読取りは,0.2 mm とする。

    再測定を必要とす

    る 2回の測定値の差

    入射点測定

    位置 0.4 mm を超える場合

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    8 合否の判定

    次に示す条件を満足する試験片を A7963 形標準試験片とする。ただし,入射点の測定値は,2 回の測定

    値の平均値とする。

    なお,2 回の測定値に,表 2 の再測定を必要とする 2 回の測定値の差を超える差がある場合には,再測

    定を行い,前記規定値を超えない二つの測定値を用いる。

    a) 試験片の R50 面による入射点測定位置の測定値が,測定用基準片を基にして定めた基準値に対して

    ±1.0 mm 以内である。

    b) 試験片の寸法及び表面粗さが図 1 に示す値の許容差以内である。

    c) 測定した音速が,6 d)に示す値の範囲内である。

    9 表示

    測定値に基づく合否判定に合格した試験片には,図 1 に示す位置に刻印又は彫刻により次の内容を表示

    する。

    a) トレードマーク及び A7963 形標準試験片記号(例 JSNDI-STB-A7963)

    b) 試験片ごとの製造番号

    10 適合の証明

    製造業者は,それぞれの試験片について製造番号を付した上で,試験片ごとに次の項目について記載し

    た証明書を発行しなければならない。

    a) A7963 標準試験片が,この規格に適合していることの証明

    b) 測定された縦波音速 VLの値

    c) 測定された横波音速 VSの値

    11 使用方法

    11.1 時間軸の調整

    時間軸を調整するには,繰返しエコーの立上り(左端)が,測定装置表示器の適当な目盛に一致するよ

    うに調整を行う。

    ビーム路程は,試験される材料における超音波の音速に依存する。

    11.1.1 縦波垂直探触子による測定範囲 50 mmまでの調整

    探触子を,繰返しエコーが観察可能な面へ図 2a)のように配置する。図 2b)は,装置の測定範囲を 50 mm

    に調整するための A スコープ表示を示している。

    注記 使用する探触子と周波数とによって,試験片板厚の 10 倍以上の距離を校正する場合,困難が

    生じることがある。

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    図 2-縦波垂直探触子を用いた測定範囲 50 mmの時間軸の調整

    11.1.2 小型斜角探触子を用いた測定範囲 100 mm又は 125 mmの調整

    測定範囲を 125 mm に調整する場合の小型横波斜角探触子の試験片上での位置を図 3a)に,また測定範

    囲を 100 mm に調整する場合の探触子位置を図 3b)に示す。これらの二つの測定範囲調整における A スコ

    ープ表示を概略的に図 3a)及び図 3b)に示す。

    図 3-小型斜角探触子の標準試験片上の位置

    a) 測定範囲125mm

    b) 測定範囲100mm

    0 50 125

    0 10025

    12

    .5

    a) 試験片上の探触子位置

    0 12.5 25 37.5 50

    b) 測定範囲を50 mmに校正するときのAスコープ表示

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    11.2 感度調整及び探触子の点検

    11.2.1 一般

    感度調整には,多くの因子が影響を与える(附属書 A.2 参照)。

    11.2.2 縦波垂直探触子の感度調整

    探触子を図 4 位置“a”に置き,繰返しエコーの A スコープ表示を感度調整の基準として用いる。

    直径 5 mm の穴からの反射も感度調整の基準として用いてよい。図 4 位置“b”のように,探触子をエコ

    ーの振幅が最大になる位置に置く。

    図 4-垂直探触子の感度調整

    11.2.3 小型斜角探触子

    11.2.3.1 感度調整

    直径 5 mm の穴からの最大エコーを感度調整の基準として用いる(図 5,位置“a”参照)。

    代わりに,円筒面からの反射を利用することも可能である。利用可能な円筒面の半径は 50 mm及び25 mm

    である。その場合,2 つの方法が可能である。

    a) はじめに円筒面エコーの振幅を表示器の 80 %に合わせ,その後,望ましいレベルに調整する(図 5,

    位置“b”参照)。

    b) 円筒面からの繰返しエコーを用いることもできる(図 6 参照)。

    探触子をチェックするときには,音響結合が重要な因子である。また,探触子を比較するときには,同

    じ接触媒質を使用する。

    図 5-小型斜角探触子の感度調整

    a) 位置“a” b) 位置“b”

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    図 6-円筒面反射を利用した小型斜角探触子の感度調整

    11.2.3.2 探触子入射点位置の決定

    小型斜角探触子を図 3a) 又は図 3b)に示される位置に配置して,前後に移動させ,円筒面エコーが最大

    となる位置に止めれば,探触子入射点は,試験片のミリメートルスケールの中央目盛と一致する。

    11.2.3.3 屈折角の測定

    直径 5 mm の穴から得られるエコーを用いて,屈折角を決定する。

    小型横波斜角探触子を,標準試験片の平面部分に沿って前後に移動させ,直径 5 mm の穴からのエコー

    が最大となる位置に止め,屈折角を以下の a)又は b)によって求める。

    a) 探触子の入射点と合致している目盛がある場合:標準試験片に彫られた目盛から直接読み取る。

    b) 探触子の入射点がどの目盛とも合致しない場合:補間法によって読み取る。

    図 7 に示した位置において,屈折角 45°,60°及び 70°の探触子の屈折角をチェックできる。

    図 7-小型斜角探触子の屈折角の測定方法

    0 50 125

    ABA

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    附属書 A

    (規定)

    A7963形標準試験片の特性及び使用

    A.1 大型探触子校正のための試験片の厚さ

    大型探触子を使用する場合,例えば,20 mm 又は 25 mm の厚さの厚い試験片を使用することができる。

    A.2 感度調整に考慮される要因

    次に示す四つにグループ分けされる因子を,感度調整において考慮する。

    a) 装置:パルスエネルギ,周波数,パルス波形,増幅度など

    b) 使用探触子:型式,寸法,音響インピーダンス,ダンパー,分極など

    c) 試験材:表面状態(音響結合に関して),材料の種類(その減衰)など

    d) 欠陥分析:形状,方向,性状など

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    附属書 JA (規定)

    A7963形標準試験片の音速測定方法

    JA.1 一般

    この附属書は,試験片の 12.5 mm 厚さ方向の縦波及び横波の音速を測定する方法について規定する。

    JA.2 音速測定の一般事項

    試験片の音速測定は,次による。

    a) 最初に,音速測定部の試験片の寸法を 0.01 mm の精度で機械的に測定する。

    b) 測定を行う部位には,探触子面の範囲に厚さ 0.01 mm 以上の変動がないことを確認する。

    c) 垂直探触子と計測機器とを用いて,伝搬時間を測定する(伝搬時間差の測定誤差は,0.2 %以内のこと)。

    d) 測定した伝搬時間と厚さを用いて音速を計算する(音速=伝搬距離/時間)。

    e) 伝搬時間は,12.5 mm 厚さを通過する方向について測定する。

    f) 測定時の室温は,20 °C ~26 °C の温度範囲とする。

    JA.3 縦波音速の測定

    使用する垂直探触子は,公称周波数が 5 MHz 以上,広帯域パルスで,振動子直径が 6~15 mm とする。

    第 1 回底面エコーと第 2 回底面エコーとの時間差を測定する。

    JA.4 横波音速の測定

    使用する垂直横波探触子は,公称周波数 4~5 MHz,広帯域パルスで,振動子直径が 6~15 mm とする。第

    1 回底面エコーと第 2 回底面エコーとの時間差を測定する。

    横波は偏波しているので,二つの測定を行う(図 A.1 参照)。1 回目の測定における偏波方向は,試験片

    の一つの側面の方向 P に平行になるようにし,2 回目の測定における偏波方向は,P に直角な方向 Q に平

    行になるようにする。したがって,試験片ごとに少なくとも 2 個の横波速度測定値が得られる。

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    図 JA.1-横波音速測定時の横波の偏波方向説明図

    参考文献 JIS Z 2344 金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則

    JIS Z 2350 超音波探触子の性能測定方法

    JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法

    ISO 2400 Non-destructive testing-Ultrasonic testing-Specification for calibration block No. 1

    ASTM E 428 Standard Practice for Fabrication and Control of Steel Reference Block Used in

    Ultrasonic Inspection

    Pに直角な方向Q

    横波偏波方向

    横波偏波方向

    横波伝搬方向

    横波伝搬方向

    振動の方向

    垂直横波探触子

    偏波方向が1つの側面の方向Pに平行

    偏波方向が直角な方向Qに平行

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  • 附属書 JB

    (参考)

    JISと対応国際規格との対比表

    JIS Z 2345-2:0000 超音波探傷試験用標準試験片-第 2部 A7963形標準試験片 ISO 7963:2006 Non-destructive testing – Ultrasonic testing – Specification for

    calibration block No.2

    (Ⅰ)JISの規定 (Ⅱ)

    国 際 規

    格番号

    (Ⅲ)国際規格の規定 (Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

    ごとの評価及びその内容

    (Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異

    の理由及び今後の対策

    箇条番号

    及び題名

    内容 箇条番号 内容 箇条ごと

    の評価

    技術的差異の内容

    2 引 用

    規格

    4 名称及

    び主な使

    用目的

    名称及び主な使用

    目的

    規定なし。 追加 従来からの呼称を継承し,さ

    らに使用目的を明記した。

    国内では,従来からの JIS呼称が一

    般的になっており,従来の呼称を

    継続する。

    5 製造

    5.1 材料

    5 Material 使用材料は JIS とほぼ同

    変更 EN 10025-2 の S355J0 に相当

    する JIS 規格の材料を規定

    し,超音波特性が同等の材料

    を追加した。また,音響異方

    性のないことを追記した。素

    材検査についても規定した。

    技術的に大きな差異はない。

    国内での事情を考慮した。

    5.3 機械加工,熱

    処理及び表面仕上

    6 Preparation 機械加工,熱処理,表面

    仕上げ及び超音波探傷

    試験について JIS とほ

    ぼ同じ

    変更 熱処理の温度は,従来 JIS で

    行っている温度域とした。ま

    た,超音波試験について具体

    的探傷条件を示した。更に粗

    さの測定頻度を明記した。

    国内での事情を考慮した。

    6 試験片

    の音速

    試験片の音速及び

    音速の測定方法に

    ついて規定

    6 Preparation 試験片の音速は JISと

    ほぼ同じ

    変更 音速の基準値は,従来のもの

    に合わせ縦波は 5 920m/s,横

    波は 3 245 m/s とした。

    音速の測定頻度,測定精度に

    ついて規定した。

    国内での事情を考慮した。

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  • 7 超 音

    波探傷試

    験による

    測定

    7.1 測定 規定なし。 追加 試験片の超音波測定要領に

    ついて追加した。

    国内での事情を考慮した。

    7.2 測定に用いる装

    規定なし。 追加 超音波測定装置を明記した。

    国内での事情を考慮した。

    7.3測定条件及び測

    定方法

    規定なし。 追加 試験片の測定条件及び測定

    方法について追加した。

    国内での事情を考慮した。

    8 合否の

    判定

    合否判定基準 規定なし。 追加 試験片の合否判定要領につ

    いて追加した。

    国内での事情を考慮した。

    9 表示

    合格試験片への表

    示内容

    7 Marking JIS にほぼ同じ

    変更 国際規格の番号のかわりに

    試験片名称を彫刻すること

    とした。

    技術的に差異はない。

    11.1.1 縦

    波垂直探

    触子によ

    る時間軸

    の調整

    縦波垂直探触子に

    よる 50 mm までの

    時間軸の調整

    8.1.1 Calibration

    of the time base

    up to 250mm with

    a straight beam

    probe

    縦波垂直探触子による

    250 mm までの時間軸の

    調整

    変更 ISO 7963 は測定範囲 250 mm

    の調整としているが,例示し

    ている調整図形は 50 mm で

    あり,実質的にこの試験片で

    250 mm を調整するのは困難

    であるため 50 mm までの調

    整とした。

    技術的に差異はない。

    附属書 A

    A7963 形標準試験

    片の特性及び使用

    方法

    Annex A

    Calibration block

    characteristics and

    use

    校正試験片の特性及び

    使用方法

    削除 素材検査を本文に規定した

    ため,A.2を削除した。

    素材検査の内容について技術的に

    大きな差異はない。

    附属書 JA

    A7963 形標準試験

    片の音速測定方法

    について規定

    規定なし 追加 STB-A1 と同様に A7963 形標

    準試験片の音速測定方法に

    ついて規定した。

    技術的に差異はないが,より使い

    やすい規格とするため追加した。

    JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7963:2006,MOD

    関連する外国規格

    注記 1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    - 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    - 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    - 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

    注記 2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    - MOD…………… 国際規格を修正している。

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  • 解 1

    JIS Z 2345-2:0000

    超音波探傷試験用標準試験片-第 2部:A7963形標準試験片-

    解 説

    この解説は,規格に規定・記載した事柄を説明するもので,規格の一部ではない。

    この解説は,日本規格協会が編集・発行するものであり,これに関する問合せ先は日本規格協会である。

    1 今回の制定の経緯

    この規格は,1973 年に制定され,1994 年の改正を経て,2000 年に A1 形標準試験片の熱処理条件と検定

    方法の見直し,新試験片 STB-A32 の追加,及び表面粗さなどの表記方法変更を要点として改正された。そ

    の後,改正の準備が整わないまま長期間が経過した結果,今回の制定の趣旨に記す問題点及び国際情勢変

    化が発生していた。

    今回,(一社)日本非破壊検査協会は,これら問題点及び国際情勢変化に対応するため,JIS 原案作成委

    員会を設置し,JIS 原案を作成した。

    2 今回の制定の趣旨

    主な制定の趣旨は,次のとおりである。

    a) 旧規格は,ISO に規定された試験片に対応する国内試験片及び国内独自の試験片を一括して規定して

    おり,それぞれの試験片の必要性及び国際整合の具合が分かりにくいため,構成を見直す。

    b) 旧規格では,STB-A7963 を A3 形系標準試験片に属する試験片として扱っていたが,この試験片が ISO

    7963 に規定された試験片に対応する国内試験片であることを明示するために,第 2 部として独立して

    規定する。なお,STB-A7963 の従来からの性能を維持するため,旧規格と ISO 7963 との大きな差異

    である超音波測定による試験片の合否判定についてはそのまま維持するようにした。

    c) 素材として使用可能な鋼種が限定されすぎている規定が実情に合わなくなってきているため,現状に

    即した合理的な規定に書き改める(改正後 15 年以上経過)。

    d) 2012 年に ISO 2400 が改正され素材検査に関する規定が大幅に厳格化された。ISO 7963 に規定された

    試験片の素材検査については,厳格化の動きは現時点ではないが,将来 ISO2400 の規定に整合化され

    ることが予想されるため,ISO 2400 と同じ規定を取り入れた。

    3 審議中に特に問題となった事項

    3.1 測定用基準片

    この規格に規定した A7963 形標準試験片のなかから選んでよいこととしたが,選定した測定用基準片で

    の測定値(超音波測定(箇条 7)に規定した測定における測定値)と(一社)日本非破壊検査協会が保有

    する測定用基準片での測定値との偏差が明確になっていることが望ましい。

    4 規定項目の内容

    主な規定項目の内容は,次のとおりである。

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  • 2

    Z 2345-2:0000 解説

    解 2

    a) 改正前は 19 種類の標準試験片を一括して規定していた。対応する国際規格が存在する STB-A1 及び

    STB-A7963をそれぞれ第 1部及び第 2部に規定し,対応する国際規格がない残りの標準試験片のうち,

    垂直探傷に使用する標準試験片を第 3 部,斜角探傷に使用する標準試験片を第 4 部に規定するように

    して,構成を改めた。

    b) 標準試験片の製造に用いる素材の規定を見直し,鍛造材などからも試験片を製造できるようにように

    するとともに,標準試験片の性能に影響を及ぼすおそれのある音速および内部きずの排除についての

    規定を厳格化した。

    5 海外規格との関係

    この規格の対応国際規格を,次に示す。対応の程度を表す記号は MOD である。

    ISO 7963:2006 Non-destructive testing – Ultrasonic testing – Specification for calibration block No.2

    6 原案作成委員会の構成表

    原案作成委員会の構成表を,次に示す。

    JIS Z 2345-2(超音波探傷試験用標準試験片-第 2部:A7963形標準試験片)原案作成委員会 構成表

    氏名 所属

    (委員長) ○ 荒川 敬弘 横浜国立大学

    (幹事) ○ 高田 一 JFE テクノリサーチ株式会社 ○ 黒川 悠 東京工業大学

    (委員) 佐々木 忠則 経済産業省 製造産業局 桑原 純夫 一般財団法人日本規格協会 大岡 紀一 ものつくり大学 ○ 村山 章 一般社団法人日本検査機器工業会 ○ 山田 尚雄 元神奈川県産業技術センター ○ 守井 隆史 日本検査株式会社 山田 裕久 新日鐵住金株式会社 ○ 阿南 睦章 一般財団法人日本溶接技術センター 石川 厚史 一般社団法人日本鉄鋼連盟 中井 洋二 一般社団法人日本溶接協会 高野 昭市 一般社団法人全国鐵構工業協会 辻 哲平 一般社団法人日本非破壊検査工業会 ○ 硎 信光 株式会社昭和製作所 名取 孝夫 日本電磁測器株式会社 細谷 朗 菱電湘南エレクトロニクス株式会社 高橋 秀則 株式会社帝通電子研究所 ○ 林 栄男 株式会社検査技術研究所

    オブザーバー 槇 健介 経済産業省 産業技術環境局

    (事務局) 山口 光輝 一般社団法人日本非破壊検査協会 注記 ○印は,分科会委員を示す。 (執筆者 荒川 敬弘)

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    00 Z2319 パブコメ用表紙Z2345-2_Pubcome07.4 JIS Z 2345-2 STB-7963 Rev20171110_2017112607.5 STB-A7963_附属書JA_JISと対応国際規格との対比表rev20170928R107.6 JIS_Z_2345-2_解説rev20171106_20171127