2016.8.12 呼吸困難患者におけるプロカルシトニンの有用性

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背景・呼吸困難は救急でよくある主訴である・その主要な原因として肺炎と心不全が挙げられるが、 両者の鑑別は難しい・診断の遅れは高い死亡率にもつながる

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背景・バイオマーカーはその診断精度や予後評価を高めるため ますます用いられるようになっている

・心不全には BNPが用いられるようになってきたが、 肺炎にはプロカルシトニンが有用という報告も出てきた

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目的・ primary 急性呼吸困難患者に対して プロカルシトニンの肺炎診断への有用性

・ secondary プロカルシトニンの予後評価としての有用性

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PICOP:patient急性呼吸困難の患者にI:interventionプロカルシトニンを測定するとC:comparision心不全患者と比べてO:outcome肺炎患者を区別できるか

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患者・患者は 2つのコホート studyより選ばれた。(PRIDE study 、  BIONICS-HF study)

PRIDE study ProBNP Investigation of Dyspnea in the Emergency Department

BIONICS-HF the Biomonitoring and Cardiorenal Syndrome in Heart Failure

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統計・連続変数正規分布 ー 平均±標準偏差非正規分布 ー 中央値と四分位数(比較法 )正規分布 ー  Student t 検定  or  X²検定非正規分布 ー Mann-Whitney U test

・プロカルシトニンの最良のカットオフ値は ROC曲線を用いた・肺炎診断の独立予測因子を求めるのにロジスティック回帰モデルを用いた・肺炎死亡率の独立予測因子を求めるのに stepwise Cox proportional hazards     modelingを用いた

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結果

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ADHF:acutely decompensated heart failure

PNA:pnuemonia

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PNA:pneumonia

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ADHF:acutely decompensated heart failure

PNA:pnuemonia

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肺炎診断に最も有用なプロカルシトニンのカットオフ値は 0.10ng/mL

(AUC=0.84  95%CI,0.77-0.91))

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プロカルシトニンの感度・特異度

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肺炎診断の予測因子

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Discussion& Limitation

・プロカルシトニンが肺炎の診断・除外にどれだけか有用示せた 感度: 78% 特異度: 80%

・サンプルサイズが小さい・肺炎患者数が少ない

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Conclusion

・急性呼吸困難患者に対するプロカルシトニンの診断的そして予後的な価値を 提案できた。・臨床的な複雑性と医療費高騰が問題となる中で、バイオマーカーは今後の重要な ツールとして用いられていくだろう。

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吟味・プロカルシトニンのカットオフ値 0.10ng/mL(感度 78% 特異度 80%) →肺炎を確定・除外できるレベルではない  肺炎と心不全の合併もありうるので 0.10ng/mL以上となった際の解釈がむずかしい

・当院採血のプロカルシトニン下限は 0.50ng/mL →本論文結果を反映するには外注するしかない 

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吟味・プロカルシトニンのカットオフ値を 0.50ng/mLにして抗生剤の量や使用期間を 減らせるか検討した論文もある (Lancet infect Dis 2016;16’819-27) →通常投与群より抗生剤の量・期間を減らせた、との結果

・プロカルシトニンの有用性についてはさらなる研究が必要