20160819脈状と病理病証 総論

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脈状と病理病証(総論) 大上勝行

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1,夏期大学で何を学ぶか?

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夏期大と脈診脈診 診察 治療

普通科 六部定位脈診 経絡・虚実 六十九難高等科 祖脈診 陰陽・表裏

・寒熱 手技研究科 脈状診 病理 五味論・手技↓ 脈位脈状診 各部位の病理 五味論・手技

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経絡治療とはすべての疾病を経絡の虚実状態として把握し、それを主に鍼灸を用いて補瀉し、治療に導く伝統医術である。

          『日本鍼灸医学・基礎編』 P8 

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経絡治療の位置経絡治療

古典医学 西洋医学

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古典医学とは?

病態を古典医学的物差しで解析

不均衡を是正

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古典医学的物差し 陰陽 虚実 内外 表裏 臓腑 人迎気口

経絡 寒熱 気血 五行 補瀉  etc

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鍼灸の診断・治療学鍼を    どこに    どの様に    どの程度       刺すか?

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六部定位脈差診「どこに (選経・選穴)」「どの様に(補瀉)」の診断法「どの様に (手技 )」「どの程度 (ドーゼ )」は個人の裁量・感覚・経験で 祖脈診脈状診

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脈状・病理を学ぶ よりベターな選穴 的確な手技の選択 適切な刺激量

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2,病証から病理を導く

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病理とは病の状態を分析・分類する陰陽・虚実・表裏・寒熱・経絡などの古典的ものさしを用いる治療に結びつける

選穴・手技・刺激量

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精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

病気のメカニズム

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①精気の虚

肝 心 脾 肺 腎魂 神 意智 魄 精志発生 生命 製造 収斂 堅固

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

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②病因内因

怒・喜・思・憂悲・恐驚外因

風・暑・湿・寒・燥不内外因

飲食・労倦

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

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③病理の虚 (気血津液の虚 )

肝 血心脾 気・血・津液肺 気腎 津液 精気の

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

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④寒熱の発生

陽 温める 動かす 和げる 乾かす 開く 発散 出る 上る

陰 冷やす 鎮める 堅める 潤す 閉じる 収斂 入る 下る

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

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⑤寒熱の波及1.経絡2.表裏3.支配部位4.熱は上・外へ、寒は下・内へ5.隣接する部位

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

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⑥病証寒熱が波及した部位の、虚実寒熱により現れる

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

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診断とは?

3.どの臓がどの様に虚したのか?

四診によって得られる情報(虚実寒熱)を分類する

精気の虚

病因

気血津液の虚寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病証2.寒熱は? 1.患者の訴えはどの経か?

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(例)腰痛症長時間重いものを運んでから腰が痛い。脈浮・大 肝虚証 前屈みがつらい 自発痛なし

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精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

前屈みになるとつらい左関尺虚

長時間の労働

腰痛熱脈浮大太陽膀胱経肝虚

虚労

虚熱陰血の虚

肝虚熱証太陽経熱

得られた情報を分類・考察

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証の細分化熱証肝虚

肺虚

腎虚

病気

脾虚

寒証

熱証寒証熱証

寒証熱証寒証

五臓六腑十二経五華五官

五臓六腑十二経五華五官

精気の虚 寒熱の波及気血津液の虚

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3,脈診と治療

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治療計画を立てるどこに

選経 選穴

どの様に 補瀉 手技

どの程度 ドーゼ

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選経 選経

六部定位脈差診と治療

選穴選経手技 選穴

選経手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

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相生の補瀉虚すればその母を補い、実すればその子を瀉す(六十九難)

木 火 土 金 水肝 太敦 行間 太衝 中封 曲泉心 少衝 少府 神門 霊道 少海脾 隠白 大都 太白 商丘 陰陵泉肺 少商 魚際 太淵 経渠 尺沢腎 湧泉 然谷 太溪 復溜 陰谷心包 中衝 労宮 大陵 間使 曲沢

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六部定位脈差診の治療六十九難

経絡の虚実がわかることで、治療経穴が決まる置鍼

補に用いる経穴、瀉に用いる経穴が決まっている

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選穴手技 選穴

手技選経 選経

祖脈診と治療

選穴手技 選穴

手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

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脈のとらえ方

脈 = 陽気(健康時)脈 = 熱(病時) 

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① 浮沈外

内沈

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①浮沈

穀道

内外

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②虚実 実(強) = 陽気が詰まっている 虚(弱) = 陽気が空ろ 大 = 陽気が多い、広範囲 小 = 陽気が少ない、狭い

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 大小・強弱外

大 小

強 弱

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③遅数 遅 = 寒 数 = 熱

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寒熱と選穴木 火 土 金 水酸 苦 甘 辛 鹹収 堅 緩 散 軟

「辛甘は発散し陽となす。酸苦は涌泄し陰となす。鹹味は涌泄し陰となす」 『素問』至真要大論 (74)

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脈と刺法脈 刺法浮 浅く沈 深く実 瀉虚 補数 短遅 長

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浮実の刺鍼

速刺速抜熱をぬく

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浮虚の刺鍼

徐刺速抜

虚 留めて陰を補う

残った熱は浅い瀉法

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沈実の刺鍼

速刺徐抜

熱を拡散

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沈虚の刺鍼

徐刺速抜

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補瀉の種類(手技)①大小②迎随③ 深浅④ 呼吸⑤出内

⑥開闔⑦ 提按⑧ 弾爪⑨ 捻転⑩ 揺動

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手技の分類

灸頭鍼

温灸

直接灸

        接触鍼散鍼

温灸

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六部定位脈差診と祖脈診六部定位脈差診

経絡 虚実

祖脈 表裏 (浮沈 ) 寒熱 (遅数 )

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脈診でわかること

六部定位脈差診 祖脈診

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4,脈状のとらえ方

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脈状のとらえ方弦 =肝、弦 =水畜といったとらえ方をしない 脈状を直接臓や症状に結びつけない

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弦脈外

内 「之を按げて有ることなく、 之を按ずれば弓弦の状のごとし」弦

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弦脈の特徴脈幅が小さい= 陽気の発散が充分でない①陽気が少ない陽虚・陰虚②陽気が閉じこめられている陽実・陰実瘀血・気滞・食滞・水滞

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脈状とは?「これを集めれば、則ち浮沈・遅数の四つの他なし」「病、表裏・陰陽を心にかけて、虚実寒熱を分明にせば、治療の誤りあるべからず。その虚実・寒熱・表裏・陰陽をば浮沈遅数の四を分別するなり」            『増補脈論口訣』

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脈状とは?祖脈の組み合わせである陰陽・虚実・表裏・寒熱に置換して考える

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脈状の分類浮 浮・芤・大・軟沈 沈・伏・細遅 遅・緩数 数・動虚 虚・芤・微・細・軟・弱実 実・洪・滑・弦・緊

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1. 病証病理の関係を明らかにする 治療方針が立てられる(選経・選穴・手技・ドーゼ)

2. 脈状がわかると 病理状態がより的確につかめる(寒熱の程度・治療の成否)

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5,まとめ

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精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

(1)病理を知る

1. 精気の虚から気血津液の虚がおこり、寒熱の波及により病証が現れる2. 病証を病理に結びつける、脈状を病理に結びつける それぞれの臓の生理病理を理解

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証の細分化熱証肝虚

肺虚

腎虚

病気

脾虚

寒証

熱証寒証熱証

寒証熱証寒証

五臓六腑十二経五華五官

五臓六腑十二経五華五官

精気の虚 寒熱の波及気血津液の虚

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診断と治療方針

選穴選経手技 選穴

選経

手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

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(2)イメージ

穀道

外1.望聞問で身体の状態をイメージ2.脈診で身体の状態をイメージ3.陰陽虚実のゆがみを是正する

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(3)脈診の意義六部定位脈診 (普通科 )

経絡の虚実祖脈診 (高等科 )

病位 寒熱

脈状診 (研究科 ) 病理

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伝統鍼灸の構造

陰陽虚実寒熱に対するアプローチ(補瀉)経絡治療 A B C D

擦診・取穴・手技・毫針

基本理論各流派

共通部分

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