2016年度 センター試験 数2 B 確率分布と統計的な推測の解説

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株式会社 社会情報サービスベルカーブビジネスユニット

統計調査研究室

2016 年度 センター試験~数 2B 確率分布と統計的な推測~

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統計解析にはちょっとだけ自信があります。

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2016 年度 数 2B 第 5 問(選択問題)

ここからセンター試験の解説をやっていきます。

【問題】n を自然数とする。原点 O から出発して数直線上を n 回移動する点 A   を考える。点 A は、 1 回ごとに、確率 p で正の向きに 3 だけ移動し、確率 1-p で負の向きに 1 だけ移動する。ここで、 0<p<1 である。 n 回移動した後の点 A の座標を X とし、 n 回の移動のうち正の向きの移動の回数を Y とする。

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イメージ図

負の向きに 1 移動(確率 1-p )

正の向きに 3 移動(確率 p )

0

n 回行い、正に Y 回、負に (n-Y) 回移動

最終的に座標 X にいる

X0

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(1)

p=1/3 、 n=2 のとき、確率変数 X のとり得る値は

正 - 正  正 - 負  負 - 負

の 3 通りの組み合わせしかありませんので、この3 通りについてのみ考えればよいです。

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(1)

正 - 正のとき →座標 X=3×2 = 6 →確率 =(1/3)^2=1/9

正 - 負のとき →座標 X=3×1+(-1)×1 = 2 →確率 =(1/3)×(1-1/3)×2=4/9

負 - 負のとき →座標 X=(-1)×2 = -2 →確率 =(1-1/3)^2=4/9

こたえア . 2イ . 2ウ . 6エ . 4オ . 9カ . 4キ . 1

確率変数 X が小さい順に答えます

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(2)

n 回移動した時、

正に動いたのが Y 回 → 1 回あたり正に 3 移動負に動いたのが (n-Y) 回 → 1 回あたり負に 1 移動

したがって、X=3×Y+(-1)×(n-Y) =-n+4Y

こたえク . ーケ . 4

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(2)

確率変数 Y の平均(期待値)と分散は、下の公式に当てはめると求められます。

確率 p の試行を n 回行う時、

平均(期待値): E[Y]=np分散: V[Y]=np(1-p)

こたえコ . 0サ . 1

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(2)

確率変数 X の平均は、

E[X]=E[-n+4Y] =E[-n]+E[4Y]

n は定数なので E[-n]=-n一方 E[4Y]=4×E[Y] と変形できるので、E[4Y]=4×np となりますしたがって E[X]=-n+4np

E[X+Y]=E[X]+E[Y] が成り立ちます和の期待値は期待値の和に等しくなります

こたえシ . 9

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(2)

確率変数 X の分散は、

V[X]=V[-n+4Y]

n は定数なので V[X]=V[4Y] となります一方 V[4Y]=4^2×V[Y] と変形できるので、V[4Y]=16np(1-p) となります

したがって V[X]=16np(1-p)

V[X+c]=V[X] が成り立ちますc は定数を表しますまた、V[cX]=c^2×V[X] が成り立ちます

こたえス . 8

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(3)

p=1/4 のとき、 1200 回移動した後の点 A の座標X が 120 以上になる確率の近似値を求めよう。

(2) により、確率 p=1/4 の試行を n=1200 回行う時、平均(期待値): E[Y]=np=(1/4)×1200=300分散: V[Y]=np(1-p) =1200×(1/4)×(1-1/4)=225標準偏差 =√( 分散 )=√225=15 こたえ

セソタ . 300 チツ . 15

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(3)

点 A の座標 X が 120 以上になる確率を考えるために、まず、 Y の値を標準化します。

標準化とは「あるデータから平均を引き、標準偏差で割る」ことです。

これにより、あるデータは平均が「 0 」、標準偏差が「 1 」となります。

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(3)

標準化したデータは、「標準正規分布」の横軸の値に当てはめることができるようになります。

標準化した値はここの値のどこか、に該当します

標準正規分布

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(3)

また、標準正規分布の「面積」は「横軸がその値以上となる確率」を表します。

「↑」の値以上となる確率は「水色の部分の面積」に該当します

標準正規分布

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(3)

座標 X が 120 となる場合の Y は

X=-n+4Y  を使って120=-1200+4Y  より Y=330 となります

よって、「平均 300 、標準偏差 15 」の確率分布に従う Y が「 330 以上」となる確率を求めるのがこの (3) の問題です。

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(3)

さきほどの標準正規分布に落としこむと、

「水色の部分の面積」は「 Y が 330以上となる確率」に該当します

330 を標準化した値

標準化した Y がこの「赤の範囲」に入る=「 Y が 330 以上となる」=「 X が 120以上となる」ということを示します

標準正規分布

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(3)

したがって

「 Y 」を標準化した値

こたえテトナ . 200

「 330 」を標準化した値

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(3)

2.00 を標準正規分布に落としこむと、

この部分の面積がわかれば、求める確率が分かります

330 を標準化した値 =2.00

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標準正規分布表を見ると、

① 縦軸「 2.0 」のところを見る② 横軸「 0.00 」のところを見る③ 交差する部分の値を読み取る

(3)

ここの面積が0.4772

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= -

ほしい面積はこちら側なので

(3)

ちょうど半分=0.5

0.4772

よって、求める確率の近似値は0.5-0.4772=0.023

こたえテトナ . 023

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(4)

p の値がわからないとする。 2400 回移動した後の点 A の座標が X=1440 のとき、 p に対する信頼度 95% の信頼区間を求めよう。 n 回移動したときに Y がとる値を y とし、 r=y/nとおくと、 n が十分に大きいならば、確率変数R=Y/n は近似的に平均 p 、分散 p(1-p)/n の正規分布に従う。

n=2400 は十分に大きいので、このことを利用し、分散を r(1-r)/n で置き換えられる。

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(4)

確率 p の試行を n 回行い、 Y 回となる確率が r であったとき、 p の信頼区間は下の式から求められます。

Zα/2 は標準正規分布の値です。信頼度 95% の信頼区間の場合、「 1.96 」という値になります。

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(4)

n=2400X=1440 より Y=960r=960/2400=0.4を下の式に当てはめると

より、0.380≦p≦0.420

こたえノハヒ . 380フヘホ . 420

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「エクセル統計」に搭載している「母比率の推定」から答えを確認してみます。

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このようなエクセルデータを準備し、

ダイアログを設定して「 OK 」を押すだけです

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結果は Excel の次のシートに出力されます。

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38.0%≦p≦42.0%となっており、答えが一致していることが確認できました。

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おわりに

少しでも気になった方はこちらへ (エクセル統計紹介のページです)

https://bellcurve.jp/ex/

試してみたいな!と思った方へ (無料体験版があります)

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