2015 06-13 proposal of experiment

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排観測実験の提案 国の排測定法は「子供だしの測定法」であ、焼却施設か大 気中に放出さてい排中の放射性検出すことができない。 このた、放射性が大気中に放出さていことに対し対策がなさ ない状況であ。 この状況打開すた、原子力発電所で使用さてい排測定法と同 一原理の排検査用放射性物質連出装置製作した。 この装置用いた 排観測実験提案す。 201523(改定1 : 2015613) 樗木博一 (1/17)

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排ガス観測実験の提案

国の排ガス測定法は「子供だましのインチキ測定法」であり、焼却施設から大気中に放出されている排ガス中の放射性セシウムを検出することができない。このため、放射性セシウムが大気中に放出されていることに対し対策がなされない状況である。この状況を打開するため、原子力発電所で使用されている排ガス測定法と同一原理の排ガス検査用放射性物質連出装置を製作した。 この装置を用いた排ガス観測実験を提案する。

2015年2月3日(改定1 : 2015年6月13日)

樗木博一

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1.国の排ガス中の放射性セシウム測定法(1)

環境省告示第百十一号

平成23年12月28日、細野豪志環境大臣(当時)が発布した環境省告示第百十一号により、排ガス中の事故由来放射性物質の濃度の測定方法が指定されている。

*告示は、国会審議を経ずに省が定めることができるものである。

*この告示により指定された試料採取方法である日本工業規格JIS Z 8808は、その名

称「排ガス中のダスト濃度の測定方法」が示すように、排ガス中の固体のダスト濃度を煙道,煙突,ダクトなどにおいて測定する方法を規定したもので、排ガス中に存在する気体の濃度を測定する方法を規定したものではない。

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1.国の排ガス中の放射性セシウム測定法(2) 環境省「放射能濃度等測定方法ガイドライン」

環境省「放射能濃度等測定方法ガイドライン」平成25年3月第2版に、環境省告示第百十一号で指定されたJISZ 8808に基づく、排ガス測定方法が具体的に示されている。

・ろ紙とガス吸収ビン中の水がサンプルとなる。

・これらのサンプルに含まれる放射性セシウムのベクレル数をゲルマニウム半導体検出器で測定する。

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2.なぜ国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できないのか。(1)

(1)ろ紙での捕集排ガス中のダスト濃度測定用のろ紙は、日本工業規格JIS Z 8808において最小0.3μmまでの大

きさの粒子に対してしか集塵性能が規定されていない。このようなろ紙では、空気と同じ気体、あるいはミスト(複数個の分子が凝集したもの)といったnm(ナノメートル)レベルの大きさの微粒子として存在する放射性セシウムを捕集することができない。

環境省「放射能濃度等測定方法ガイドライン」平成25年3月第2版より引用 (4/17)

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2.なぜ国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できないのか。(2)

(2)ガス吸収ビンで捕集されないメカニズム空気と同じ気体、あるいはミスト(複数個の分子が凝集したもの)といったnm(ナノメートル)レベルの大

きさの微粒子として存在する放射性セシウムは、一つ一つの粒子の質量が極めて小さいので、排ガスと一体となって流れる。

さらに、一例として放射性セシウム137の濃度が8000Bq/kgの廃棄物100tonを考えると、その中(総放射能量8億Bq)に含まれる放射性セシウム137の総質量はわずか0.27mgである。したがって、排ガス中における放射性セシウムは質量としては極めて小さいものであるため、放射性セシウムは気泡の中に含まれる状態になり、ガス吸収ビンの中の蒸留水に接触しないので、ガス吸収ビン内にも捕集されない。

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2.なぜ国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できないのか。(3)

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(3)ガス吸収ビンの水で放射性セシウムが捕集されないことを実験的に確認した。

放射性セシウムの代わりに線香の煙(粒子径約0.5μm)を使用し、これを水槽に送り込んで、線香の煙が水に捕集されるかどうか実験した。

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2.なぜ国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できないのか。(4)

実験結果:線香の煙が水に捕集されず、空気中に放出された。

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2.なぜ国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できないのか。(5)

以上述べたように、空気と同じ気体、あるいはミスト(複数個の分子が凝集したもの)といったnm(ナノメートル)レベルの大きさの微粒子として存在する放射性セシウムは、排

ガス中のダスト濃度測定用のろ紙でも、ガス吸収ビンの水でも捕集されない。国の排ガス測定法は放射性セシウムを検出できない「子供だましのインチキ測定法」である。

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3.原子力発電所での排ガス中の放射性物質測定法

従来より原子力発電所では、排ガス中の放射性物質(特に放射性希ガス)の検出器としてシンチレーション方式の検出器(ガンマ線が照射されるとヨウ化ナトリウムNaIなどの結晶が発光する現象を利用した検出器)が使用されている。この方式であれば、放射性セシウムがどのような形態(固体、液体、気体)であっても検出可能である。

「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針」昭和53年9月29日原子力委員会決定

一部改訂平成元年3月27日原子力安全委員会 平成13年3月29日原子力安全委員会 より引用

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川内原子力発電所の排気筒モニタ 鹿児島県ホームページより引用せんだい

原子力発電所の排ガス測定例(1) 九州電力川内原子力発電所

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原子力発電所の排ガス測定例(2) 東京電力福島第一原子力発電所

「原子炉格納容器ガス管理設備のガス放射線モニタに関する説明資料」平成26年9月8日より引用

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「雰囲気ガス測定結果に基づく原子炉格納容器内の状況について-水素、キセノン、クリプトンの挙動」平成24年7月23日より引用 PMT:光電子増倍管(こうでんしぞうばいかん、 photomultiplier tube)

フィルター内臓

活性炭内臓

Iodine:ヨウ素

原子力発電所の排ガス測定例(2) 東京電力福島第一原子力発電所 実際の測定装置の外観

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4.排ガス中の放射性物質の観測実験を提案する。

原子力発電所のシンチレーション方式の検出器は据え付けタイプなので、一般の焼却施設まで持ってくことができない。そこで、市販されているシンチレーション方式の空間線量計を使用して持ち運び可能な質量に抑えた排ガス検査用放射性物質検査装置を製作した。この装置を使用して排ガスを検査することを提案する。

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排ガス

ブロア

排ガス

パーソナルコンピュータ 筐体

シリコンチューブ

(長さ 4m、内径 20mm)

空間線量計

鉛(厚み 30mm)

USBケーブル

排ガス検査用放射性物質検出装置の外観と構成

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スペクトル表示機能 無し

線量率範囲 0.001 μSv/h 〜 10 μSv/h

検出器 CsI(Tℓ)40×40×15mm

測定線種 γ線(ガンマ線)

感度 42,000cpm/(μSv/h)

エネルギーレスポンス ±15%(エネルギー補償)以内

指示値変動 変動係数0.1以下

エネルギーレンジ 150keV 〜 3MkeV

エネルギー分解能 10%(137Cs、662keV)

線量率時定数 3秒、10秒、30秒

エネルギースペクトル 512チャンネル

表示器 有機ELディスプレイ 128×68ドット

電源 単三電池2本(連続使用約15時間)、USB給電

外形寸法 75(W)× 135(H) × 35(D) mm

質量 約340g

環境条件 使用温度0から40℃, 結露なきこと

PCアプリケーション 線量率測定

動作:Windows 7(32bit/64bit)/Vista/XP(SP3),

画面解像度1024×600以上

表1 (株)テクノエーピー製Mini SURVEY METER TC300仕様

空間線量計外観

断熱ガラスクロスで覆った上にシリコンゴム自己融着テープを施した空間線量計

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時刻

線量率(μSv/h)

系列1

空間線量計を装置の筐体外から筐体内に移した場合におけるバックグラウンドの線量率の変化(予備実験として装置内に設けた鉛の遮蔽効果を確認した。)

線量計の感度:42,000cpm/μSv

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煙突

シリコンチューブ

フィルタ

測定孔

バルブ1:開

バルブ3:閉

ブロア

パーソナルコンピュータ 装置筐体

空間線量計

USBケーブル 排ガス

電源ON

電源ON

バルブ2:開 排ガス

排ガス 排ガス

装置に排ガスを通したときに線量率が上昇すれば、排ガス中に放射性物質が含まれていることがわかる。

排ガス観測実験の形態

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