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平成25年度 岐阜県 オープンデータを活用した新サービス創出・研究 オープンデータ・カフェ 大垣 Vol.1 「オープンデータ社会到来!ITは地域の何を 解決できるのか」 開催報告書 株式会社CCL オープンデータ・カフェ事業 平成25年8月 1

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株式会社CCL 大垣支社が2013年7月29日に行った「オープンデータ・カフェ」の開催報告書です。

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Page 1: 20130729 オープンデータ・カフェ「オープンデータ社会到来!ITは地域の何を解決できるのか」開催報告書

平成25年度 岐阜県 オープンデータを活用した新サービス創出・研究

オープンデータ・カフェ 大垣 Vol.1「オープンデータ社会到来!ITは地域の何を

解決できるのか」

開催報告書

株式会社CCL

オープンデータ・カフェ事業

平成25年8月

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1.第1回オープンデータ・カフェ開催の概要

 「オープンデータ・カフェ」は、オープンデータに関するインプットやディスカッションを通じて、サービス創出に向けたアウトプットづくりを目指すオープンな勉強会です。様々なゲストをお招きしてディスカッションを行うとともに、アイデアソンや企画づくりなどのワーク等、オープンデータ利活用につながる場づくりをソフトピア地区(岐阜県大垣市)を中心に県内外で広く展開いたします。

 岐阜県大垣市での第1回は、オープンデータの研究、推進等で国内最前線でご活躍の庄司昌彦さんをお招きして、オープンデータに関する基礎的な考え方や各地の取り組み事例などをご紹介いただき、地域×ITでのチャンスがどこにあるのかをご来場のみなさんとディスカッションいたしました。

日時:2013年7月29日(月) 18:00-20:00会場:ドリームコア 2F メッセ(大垣市今宿6-52-16)主催:株式会社CCL協力:だるまジャパン合同会社/Fandroid EAST JAPAN大垣支部

参加費:無料出席者数:31名参加申込:リンク先フォーム(フォームメイラー)に必要事項を入力していただきました。

当日のプログラム:18:00-18:20 挨拶「岐阜県発 オープンデータを活用した新サービス創出・研究プロジェクト」のご紹介(原)

18:20-19:30 講演「オープンデータは社会の何を変えるのか」(庄司)

19:30-20:00 ディスカッション

登壇者紹介(敬称略)スピーカー:庄司昌彦(しょうじまさひこ)国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)講師/主任研究員。1976年、東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。おもな関心は情報社会学、電子行政・オープンガバメント、地域情報化、社会イノベーションなど。

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2003年~2008年、オンライン政策誌『政策空間』の副編集長。2009~2010年、国立民族学博物館共同研究員。2006年~2010年、実践女子大学非常勤講師。2010年、中央大学非常勤講師、2011年~、東海大学非常勤講師。2012年~、大妻女子大学非常勤講師。

2010-2012年、内閣官房IT戦略本部 電子行政タスクフォース構成員。Open Knowledge Foundation Japan代表、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)理事なども務めて

いる。

主な著書(共著)は『地域SNS最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』(2007年、アスキー)。その他の著書(共著)として『未来を創る情報通信政策』(2010年、NTT出版)、『クリエイティブ・シティ 新コンテンツ産業の創出』(2007年、NTT出版)、『情報アクセシビリティ やさしい情報社会へ向けて』(2005年、NTT出版)、『コミュニティ eデモクラシーシリーズ第3巻』(2005年、日本経済評論社)など。(以上、http://researchmap.jp/mshouji/より転載)

株式会社CCLについて:フリーエージェント・スタイルで地域の課題を多様な主体や領域が交わり、対話を通じて解決する場(フューチャーセンター)を創造し、関わる全ての人・組織・地域の主体性と創造力を引き出すための事業を展開しています。URL:http://cc-lab.co.jp/

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2.第1回オープンデータ・カフェの講演内容

この章では当日の開催模様をご報告させていただきます。

はじめに弊社原より事業概略およびこれからオープンデータ・カフェを開催することでやっていきたいことを説明させていただきました。

続いて本日の本題である庄司様の講演「オープンデータは社会の何を変えるのか」が始まりました。

まず、「オープンデータとは、単に公開されたデータという意味ではなく、 自由に使えて再利用もでき、かつ誰でも再配布できるようなデータのことである。従うべきはせいぜい「作者のクレジットを残す」あるいは「同じ条件で配布する」程度である。 」と定義してくださいました。また全ての著作者の権利を認める/放棄するの2択しかない現状から、その中間の 一部条件(出典明示、改変禁止、非営利限定…)を緩和して利用を促すクリエイティブ・コモンズ (Creative Commons)をご紹介頂きました。

2-1.日本のWEBは残念か?続いて「日本のWEBは残念か?」と題して情報基盤整備では世界最高水準であるけれども、オープンデータ評価指標では先進各国より低位に甘んじている日本をご紹介頂き、では何が日本のオープンデータ評価を落としているかについて分析していただきました。政府側の情報提供の課題として、利用しにくい、本当に「All Rights Reserved」なのか、 無駄な業務(の発生)、法的根拠の整理(ができていない)、所在・管理の状態(が悪い)を挙げていただきました。

2-2.高まるデータ活用の機運と社会イノベーション続いて、「高まるデータ活用の機運と社会イノベーション」と題して日本の経済成長から次のステップとして、どうすればより良く人々の知識が生み出され、必要に応じて引き出され、相互作用し、活用され、発展していくのか?の道程が示されました。これからますますソーシャルメディアの影響で小集団活動の増加・活性化・影響力増大になると、それらを下支えする情報インフラのオープンデータ化・低価格化が進み、そこに新しいビジネスの可能性があるだろうとのことでした。地域の資源を総動員し、地域の課題を自ら解決していく社会に移行するにはますます、データ生成→データ提供→課題発見分析→開発→事業化支援→またデータ生成というオープンな社会的データサイクルが育つ必要がありますとのことでした。

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ここで欧州や米国のオープンデータの動きが庄司様から解説されました。米国の「Transparency and Open Government」覚書(2009年)や、英国の「Data.gov.uk」が紹介され、日本の電子行政オープンデータ戦略とその展開と比較されました。続いて 今年2月23日の「International Open Data Day 2013」イベントの取り組みと合わせて、鯖江市や横浜市、千葉市や武雄市といったオープンデータ先進自治体として紹介されました。

2-3.具体的事例から考える続いて「具体的事例から考える」と称して、千葉県浦安市の事例が取り上げられました。浦安市は2005年から2035年までで高齢者人口が3.34倍になると統計で出ており、「街全体がデイケア」プロジェクトを進めているそうです。広島県呉市ではレセプトデータをオープン化、ジェネリック医薬品への切り替えや頻回受診者への訪問指導などと会わせて年間薬剤費3.5億円を削減したそうです。「The Climate Corporation」(アメリカ) はデータ解析で悪天候時の農家向け保険商品を販売しているそうです。

庄司様の考えるオープンデータ活用のカギは「モバイル(スマートフォン)から地域のリアルタイムな○○を探す」サービスではないか?との示唆をいただきました。例として「東京安全安心マップ」は「メールけいしちょう」を元に犯罪発生地点をGoogleマップに表示するサービスですし、「カーリル」は複数の図書館横断で借りたい1冊を探すサービスです。

2-4.活用推進のための方策続いて「活用推進のための方策」として、開発イベントやコンテストの開催、需要者のニーズを把握し情報公開を政府に働きかける中間支援者の存在、会員にデータを提供するコンソーシアム、API公開、ランク評価機関といった方策をあげてくださいました。また、最後に埼玉県宮代町の「電脳みやしろ」がオープンデータとして面白いと教えていただきました。庄司様ありがとうございました。

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3.第1回オープンデータ・カフェのディスカッション内容 講演終了後、庄司様と弊社原を中心に会場の皆様とディスカッションの時間になりました。庄司様と会場の皆さんがざっくばらんに語り合い有意義な時間が作れたと思います。一部行政を非難する声が上がりましたので、今後のオープンデータ・カフェではこのようなことがないよう雰囲気の配慮をして参ります。

4.アンケート結果の報告当日にアンケート配布が間に合わなかったため、後日参加者の皆様に個別にメールを送ウWEBアンケートフォームに回答いただきました。

アンケート依頼送信日:8月3日(土)アンケート集計日:8月19日(月)オープンデータカフェ参加人数:31名 (事務局含む)アンケート回答者数:8名アンケート回収率:25.8%

1. それでは、まず、あなた様のことについて質問させていただきます。性別を教えてください。

男性 8 100%女性 0 0%どちらともいえない

0 0%

年齢をお伺いします。

10代 0 0%20代 0 0%30代 3 38%40代 1 12%50代 4 50%60代以上 0 0%

ご職業は?学生 0 0%主婦 0 0%会社員 5 5%公務員 2 25%

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フリーター

0 0%

ドリームコアには頻繁にいらっしゃいますか?

月に4回以上

3 38%

月に1~2回以上

1 12%

2~3ヶ月に1回

3 38%

初めて 1 12%

2.続いて、オープンデータについての質問です。「オープンデータ」という言葉は、ご存知でしたか?

知っていた 8 100%知らなかった

0 0%

どちらともいえない

0 0%

「オープンデータ」の意味は、ご存知でしたか?

知っていた 7 88%知らなかった

1 12%

どちらともいえない

0 0%

あなた様が抱いていた「オープンデータ」のイメージは、今回のカフェに参加して変わりましたか?

大きく変わった

2 25%

すこし変わった

5 63%

あまり変わらなかった

1 12%

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まったく変わらなかった

0 0%

どちらともいえない

0 0%

3. 今回のオープンデータ・カフェ 大垣 Vol.1について伺います。今回のオープンデータ・カフェは、あなた様の期待に応えるものでしたか? 率直な感想をお知らせください。

予想以上でとても満足した

2 25%

まぁ満足できたほう

6 75%

満たされないものが残った

0 0%

がっかりした不満である

0 0%

よくわからない

0 0%

「オープンデータ」について、理解は深くなりましたか?

かなり勉強になった

4 50%

やや勉強になった

4 50%

あまり勉強にならなかった

0 0%

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まったく勉強にならなかった

0 0%

どちらとも言えない

0 0%

内容についてはいかがでしたか?

もっと講演が聞きたかった

1 12%

もっとディスカッションしたかった

4 50%

いろんな人の意見を聞きたかった

2 25%

懇親会でもっと盛り上がりたい

0 0%

よくわからない

0 0%

Q.「オープンデータ」について、あなた様が思うところを自由にご記入ください。(自由意見)

A.• オープンデータについて「誰かがやってくれるもの。役所には圧力が必要」みたいね意識はなかったね。情報をシェアすることの意義、支えあうことの意味みたいなことを確認すべきなのでは?的なことを考えていました。(50代男性・会社員)

• 行政機関が持つ情報のほとんどが位置情報を持っているので、オープンデータの公開はGISを活用するのが最適と思います。しかし、今回のオープンデータカフェで話を伺って、オープンデータとして公開される(公開が要望される)ものは

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必ずしも位置情報を持つ情報ばかりではないと認識しました。(50代男性・男性)

• いろいろ言い分はあると思いますが、企業側から見ると、活動を継続する為には事業化していかないと難しいと思います。(50代男性・会社員)

• オープンデータというと、とかく「データの公開」や「オープンガバメント」に話題が行きがちです。一方で「地域で何ができる(起こる)のか」「(課題解決に)どう活用できるのか」といった視点での議論、実践が十分ではなく、今後の課題だと思います。(40代男性・公務員)

Q.興味のあるテーマやリクエストなど、自由にご記入ください。具体的にご記入いただけると助かります。(自由意見)

A.• 僕は観光と交通安全にODを役立て、コミュニティを活性化させて行きたいと思っています。なので仲間が欲しいと思いODカフェに参加しました。と、ODはけっこう未来的で、いいソリューションなんだけど、概念的に難しいところもあると思う。ただ、よくよく考えると、すでに似たようなコンテンツは増えていて、びっくりする。もう未来は始まっていて「まだら」な姿を現しているのだと思う。(50代男性・会社員)

• 参加者がただ聞いているだけでなく、自らも関わり、より一層の一体感を出すため、ワーク形式の開催なども検討いただければ。(40代男性・公務員)

Q.ご意見、ご感想など、自由にご記入ください。(自由意見)

A.• 今後の地域経済へのインパクトが見えづらいなか、利用者、地域視点での利活用というスタンスで続けていただければと思います。(40代男性・公務員)

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オープンデータ・カフェ 大垣 Vol.1

「オープンデータ社会到来!ITは地域の何を解決できるのか」開催報告書

平成25年8月

株式会社CCL

住所 〒020-0133 岩手県盛岡市青山2丁目15-1小坂ビル2階TEL:019-643-0235

ホームページ http://www.cc-lab.co.jp

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