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2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 1
2013年5月2日
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 2クイズで学ぶ化学と科学 2
一般教育演習
クイズで学ぶ化学と科学
2013年度第1学期・木曜日第5校時(16:30-18:00)
高等教育機能開発総合センター E306
大谷文章(おおたにぶんしょう)触媒化学研究センター・教授
環境科学院環境物質科学専攻・教授(兼担)
北キャンパス創成科学研究棟03-311-2号室
■ 先端の化学(金曜5/5月10日)
■ 触媒化学のフロンティア(金曜5/4月26日)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 3クイズで学ぶ化学と科学 3
授業の目標・到達目標
■各回数題出題されるクイズに答えることによって「化学と科学とはなにか」を学ぶ.答えの内容は「何か書かれているかぎり」評価しない.《30%》
■受講者は,「化学と科学を理解するのに役に立つクイズ」を作成・発表して受講者どうしのディスカッションを行う. 《50%》
■各講義の最後に提出する「感想と意見」は(ニックネームつきで)公開とし,受講者はニックネームを設定する.
■担当者に対する最低1つの質問をすること.次回に質問と答えのそれぞれについて投票してランキング 《20%》
■科学的な視点と方法の基礎を身につける
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 4クイズで学ぶ化学と科学 4
おぼえておいてほしいこと
■ 知識はえられません: 化学そのものは教えませんので,知識
をえることを期待しないでください.
■ じぶんで考える: じぶんで考えるためのヒントをしめします
■ 柔軟な考えを: これまでの感想を見ると「考え方,ものの見
方が変わった」というものがほとんどです.変わる(変える)こ
とに対しての柔軟性が必要です.
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 5クイズで学ぶ化学と科学 5
Q: 前回の質問/回答に投票してください
■配布した「感想/質問と回答」をみて
いいと思った質問
いいと思った回答
をそれぞれニックネームで投票してください.集計結果は次回に発表します.
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 6クイズで学ぶ化学と科学 6
予定
(1) 4月11日 キーワードをつかって自己紹介
(2) 4月18日 この部屋のなかの物質/アボガドロ数とは
(3) 4月25日 髪の毛の本数とは/分子量/必要・十分条件/エベレスト登山
(4) 5月2日 電子レンジ/インターネット上の情報
(5) 5月9日 バスの法則/ダイエットチラシ/インチキ
(6) 5月16日 図書館情報学入門(情報教育館情報メディア教育実習室C)
(7) 5月23日 実験ノートの書き方/ヨーロッパ地図
(8) 5月30日 血液型/カイ二乗分布
(9) 6月13日 電池とは何か/マンホールのふた
(10) 6月20日 科学の三冠王/ラングミュア(1)
6月24日 (6講時/休講)
6月27日 (休講)
(11) 7月4日 ラングミュア(2)
(12) 7月11日 リサイクル/ゴミの分別
(13) 7月18日 エコロジー/「○○○た」とは何か
7月23日 (クイズ提出期限)
(14) 7月25日 [クイズの発表](1)
(15) 7月25日 (6講時)[クイズの発表](2)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 7
北海道大学構内鉄道引込線
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 8
北海道大学構内鉄道引込線
•1952年~1963年
•写真のC55(ほんらいは旅客用)は小樽総合博物館が静態保存し野外展示
(井上高聡「北海道大学歴史ノート SLキャンパスを走る」えるむ134号[http://www.hokudai.ac.jp/bureau/gakumu/erumu/erumu-no134/134-05.html])
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 9
同定: 物質の構造の決定
Q
どうやったら生成物を決定(同定)できますか
■ある化学物質を合成したことを証明するにはどうしたらよいか
■ある化学物質の純度が(ほぼ)100%であることをしめすにはどうしたらよいか
■標品(純品)の構造はどうやってきめるのか
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 10
二重収束質量分析法(ミリマス)
・12Cをのぞく原子は端数の重さをもつ
・整数部が同じでも,元素組成が異なると分子量は異なる
C10H8O2 = 160.052430
C9H8ON2 = 160.063663
陽子
中性子
中間子
・・・・
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 11
ナフタレンを原料とする光触媒反応(酸化チタン)元素分析なし・ガスクロマトグラフで標品と一致
有機化学では元素分析結果が0.3 %以内で一致することが必須
光触媒による有機合成の報告例(同定の問題)
OH OH CHO
CHO
どちらの化合物も組成式:C10H8O2 = 160.05
最初の報告 後の報告
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 12
必要条件と十分条件
■ ある物質の構造を特定する 十分条件 はなく,あるのは 必要条件 だけ(いくつ必要条件があるのか不明).
■ 「もしこの物質が目的物質なら」
・実験結果Aが得られるはず・・・得られた 例:NMR
・実験結果Bが得られるはず・・・得られた 例:分子量
・実験結果Cが得られるはず・・・得られた 例:赤外吸収
・実験結果Dが得られるはず・・・得られた 例:元素分析
...だから(経験的に)
「この物質は目的物質である可能性がきわめて高い」
必要条件
十分条件《真理》
A
B
CD
E
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 13
登山ルート
■ ridge(稜線)をのぼる主要な3本の登山ルート
■ 通常は,どれかのルートで登り,おなじルートをおりてくる=ベースキャンプの問題
■ トラバース(横にすすむ)ことは事実上不可能
A
B
C
頂上
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 14電子レンジ001
日立・http://kadenfan.hitachi.co.jp/range/lineup/sx1.html東芝・http://www.toshiba.co.jp/webcata/range/er_a2.htm日立・http://kadenfan.hitachi.co.jp/range/lineup/sx1.html東芝・http://www.toshiba.co.jp/webcata/range/er_a2.htm
電子レンジ
Q
電子レンジで食品が温まるのはなぜですか
国内統計(2001年)家電流通データ総覧[http://www.kaden-pc.com/]
世帯普及率:
世帯保有台数:
95.7%
1.016
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 15
主要耐久消費財の世帯普及率の推移
1997年で90%超・2009年でほぼ99%
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 16
英語の問題
Q電子レンジの英語は何
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 17
摩擦熱?
日本電機工業会ウェブページよりhttp://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/renji/renji-index.htm日本電機工業会ウェブページよりhttp://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/renji/renji-index.htm
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(1)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 18
■電子レンジのしくみ■図1に電子レンジの構造を示します。 通常使用状態では電子レンジの電波は,(1) マグネトロンの(2) アンテナから電波が発振され(3) 導波管を経由して(4) オーブンにはいり直接あるいは反射を繰り返しながら大半の電波は(5) 食品(水分)に吸収され食品が加熱されます。(厳密には食品を加熱したときでも一部は反射波がマグネトロンのアンテナに戻ってきて若干の温度上昇が発生していますが)食品をいれずに加熱したり、金属容器を使用すると反射波が多く発生し、上記のような故障の原因となります。(情報はシャープより提供)
「化学への質問ありまへんか」ウェブページよりhttp://www.chemistryquestion.com/index.htm
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(2)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 19
「電気の科学館」ウェブページよりhttp://www.chuden.co.jp/e-museum/denkiarekore/knowledge/trip/housing/renzi.html
電子レンジは、マグネトロンという装置で発生させた高周波の電波(マイクロ波:2,450MHz)を使い食品を加熱します。このマイクロ波を食品に当てると、水分を中心にして食品全体でマイクロ波が熱に変わり加熱します。食器等は電波(マイクロ波)を吸収しないので、加熱されず食品のみ加熱されます。また食品の内部まで均一に加熱されるので、オーブンのように表面だけが焦げて中まで火が通らないということがありません。
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(3)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 20
まず、「マグネトロン」という部分の先端から発生される高周波の電波によって食品に含まれている水の分子などを振動させ、まさつ熱を生じさせます。そのまさつ熱が広がって食品全体をあたためる、っというのが電子レンジの仕組みです。また、食器等は電波(マイクロ波)を吸収しないので、加熱されず食品のみ加熱されます。
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(4)
「Electrical Appliances Around Us」ウェブページよりhttp://contest.thinkquest.jp/tqj2002/50504/Rsikumi2.htm
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 21
水分子を振動させ温める
魔法のようですが原理は簡単です。水はごく小さな分子という粒からできています。この粒を振動させて熱を発生させ温めているのです。昔、子供たちが冬に暖を取るために遊んだ「おしくらまんじゅう」と似ています。電子レンジでは分子を振動させるためにマイクロ波という電波を照射します。
「禎子のハイテクライフ」ウェブページよりhttp://www.topics.or.jp/rensai/sadako/2000/page13.html「禎子のハイテクライフ」ウェブページよりhttp://www.topics.or.jp/rensai/sadako/2000/page13.html
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(5)
電子レンジの正体は「マイクロ波発生装置」なのです。電波を当てて振動を起こしますので、電波を反射するものは温めることができません。コップだけを温めようと思っても電子レンジでは無理なのです。水のように電波を吸収するものでなければ温まらないのです。一般に食べ物が温まるのは水分を含んでいるからなのです。
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 22
「電気の不思議」ウェブページよりhttp://www.iee.or.jp/emf/renji2.htm「電気の不思議」ウェブページよりhttp://www.iee.or.jp/emf/renji2.htm
インターネットで見る「電子レンジのしくみ」(6)
「マイクロ波(は)があたって、水の分子(みずのぶんし)が振動(しんどう)すると、お互い(おたがい)にぶつかったり、こすれたりするよね?」
「そのときまさつがおきるから熱(あつ)くなるのよ。」
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 23
英語の問題
Q電子レンジは英語で何?
Q「チンする」の英語は何?
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 24
英語の問題
Q電子レンジは英語で何?
Q「チンする」の英語は何?
•Microwave oven
•Nuke/Micro: "Nuke it."
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 25
励起状態
●光化学反応は,
励起状態
を経由して進行する.励起状態にもいろいろある.
(1) 電子励起: 光合成や光触媒反応 【紫外光・可視光】
(2) 振動励起: ひなたの水 【赤外光】
(3) 回転励起: 電子レンジ(電子レンジでは「電子」は飛んでません) 【マイクロ波】
励起状態をつくるのが...光(電磁波)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 26
電磁波とは?
Q 光は電磁波: つぎのうちで電磁波はどれ?
アルファ線・ベータ線・ガンマ線・エックス線・紫外線・可視線・赤外線・
マイクロ波・電波(ラジオ波)・電子線
振動方向は互いに直交
波長
電場の振動
磁場の振動
光の進行方向
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 27
電磁波とは?
Q 光は電磁波: つぎのうちで電磁波はどれ?
アルファ線・ベータ線・ガンマ線・エックス線・紫外線・可視線・赤外線・
マイクロ波・電波(ラジオ波)・電子線
振動方向は互いに直交
波長
電場の振動
磁場の振動
光の進行方向
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 28
光の波と粒
光は波と同時に粒子である(光子:photon):質量はない
電子は粒子であると同時に波である:質量がある
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 29
Q: 光の速度は?
■波長が短いほどエネルギーが大きい
■真空中での電磁波の進行速度は波長によらず一定
■一定時間あたりの振動数=周波数・1秒あたりの振動数:ヘルツ(Hz)
■波長×振動数=光速
光速/波長=周波数
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 30
Q: 光の速度は?
■波長が短いほどエネルギーが大きい
■真空中での電磁波の進行速度は波長によらず一定
(毎秒約30万キロメートル)
■一定時間あたりの振動数=周波数・1秒あたりの振動数:ヘルツ(Hz)
■波長×振動数=光速
光速/波長=周波数
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 31
光のもつエネルギー
小さな弾丸と大きな弾丸の破壊力とエネルギー合計のエネルギーが同じでも破壊のしかたが異なる
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 32
Q:葉が緑に見えるのはなぜ?
光と物質のかかわり
光の三原色:白から青をとりのぞくと黄色になる(補色)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 33
Q:葉が緑に見えるのはなぜ?
光と物質のかかわり
光の三原色:白から青をとりのぞくと黄色になる(補色)
樹木の葉が緑に見えるのは:
太陽の光があらゆる波長の可視光を含んでいる(白色光)
葉の中の物質である葉緑素(クロロフィル)が赤と青(紫)の光を吸収
残った青と黄の光が反射して緑色に見える
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 34
光と影
紫と黄と黒の影
2006年2月層雲峡氷瀑まつりにて
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 35
光と影
紫と黄と黒の影
V+Y=W
W-V=YW-Y
=V
W-V-Y=B
2006年2月層雲峡氷瀑まつりにて
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 36
クロロフィルの電子スペクトル
■ 電子(吸収)スペクトル(electronic absorption spectrum)
UV-Vis(「ゆーぶいびす」と呼ぶ人が増えてきた):横軸が波長
■ ヒント: 赤と青の光の波長はそれぞれ約650 nmと約450 nm
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 37電子レンジ009
光と物質の相互作用:エネルギーのやりとり
・ 電子/振動/回転エネルギーは量子化されている(とびとびの値)
・ エネルギー状態(準位)の差が「エネルギーギャップ」
・ エネルギーギャップに等しいエネルギーをもつ光だけが吸収される
・ 吸収されて高いエネルギー状態になることを励起という
・ 励起されると,何かにエネルギーをあたえて,もとの状態にもどろうとする(緩和)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 38
電子エネルギー
物質の基本単位は原子: 原子核と電子正電荷をもつ原子核と負電荷をもつ電子が引きつけあう
電子は波としての性質をもつ
両方を満足させるのが量子力学
電子のエネルギーは量子化されている: とびとび
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 39
振動エネルギー
分子は原子が結びついてできている原子が結合するとは,電子が両方の原子核の間に入って相互作用する
バネによって原子核が結びついていると考えることができる
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 40
回転エネルギー・並進エネルギー
■回転エネルギー(振動エネルギーより小さい)分子が回転(双極子モーメントの変化がある場合)
電子レンジのしくみに関連する
量子化されている
■並進エネルギー
分子自身が運動する
エネルギー: 量子化
されていない
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 41
励起と光吸収スペクトル
電子励起: 振動や回転の状態のためのエネルギーに幅がある
スペクトルが幅をもつ(ブロードになる)
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 42電子レンジ010
電子レンジ:水分子の回転励起と緩和
■マグネトロン(発振器)から出るマイクロ波
周波数2.45 GHz・波長12 cm
■水分子が回転励起(もともと回転している)
水分子が回転していない氷ではマイクロ波は吸収されない
■緩和:分子の並進エネルギー(熱)に変換される
電磁波のエネルギー → 水分子の回転励起 → 並進エネル
ギー
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 43
電子レンジで食品が加熱される理由は
Q なぜ電子レンジで食品が加熱されるのか.
電子レンジの仕組み 検索
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 44
インターネット検索
■ Google(グーグル)の場合
・スペース(半角/全角)でくぎると『AND』検索
・単語を切りたくないときは,「"」(半角の引用符)で囲む: 「大谷文章」と「"大谷文章"」では結果が異なることがある
・単語の前に「-」(半角のハイフン)をつけると,『NOT』の意味になる: 「大谷 -北大」だと,「大谷」は入っているが,「北大」がないもの
イケメン 大谷文章 検索
イケメン "大谷文章" 検索
260,000
37
2013/05/02─「クイズで学ぶ化学と科学」第4回 45
メールで送ってください.本文の各項目内は改行なしで...
48時間以内(土曜日の午後6時まで)
質問...
subject: qz20130502-学生証番号
body(本文):
名前《改行》
ニックネーム《改行》
今回の講義の感想・意見《改行》
質問(すくなくとも1つ)北大 大谷研 検索
qz20130502-12345678