2011教育社会心理学イラストg発表

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イラスト

教育社会心理学

平成24年1月10日(火)

第11回授業

テーマ:評価基準の共有

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[阻害要因]

• その場での思いつきによる注意点が沢山でてきたことにより、教えられる側の人達を混乱させていた。

• イラストの描き方を指導する上で、ポイントの提示の仕方が分かりにくかった

• 例)

• 先に鉛筆で下書きした後、ペンでなぞる。

• 頭身に気をつけてイラストを描く。

どうすればいいの?

混乱

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[仮説] 評価規準に注意することで、学習者の興味や理解を促し得る。

• 教える際にでてくる細かい注意点をあらかじめ、できるだけ多く予想し、リストアップする。

• → 基本的なルールの明示

• 専門用語を避けたルールの簡略化を考えておく。

• → 分かりやすい規準の設置

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イラスト における 評価規準の具体例

• 1.試し書き

• 2.指導

• 3.評価

• ならば、評価規準は、

• Ⅰ. 下書きを鉛筆でした後にペンでなぞる。

• Ⅱ. 頭身の理解を通して、イメージをバランスよく具現化できる。

• Ⅲ. 頭身の理解による印象の違いを知る。

• などとなる。

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基準 / 規準

「国語辞典 第2版」(集英社)

基準:物事を比較し、判定するときに、よりどころとなる質的、量的な程度。「-に達する」

規準:判断や行為の基礎となる標準

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基準 / 規準

• 「新明解国語辞典 第5版」(三省堂)

• 基準:①何かを比べる時に、よりどころになる、一定のもの。「比較の-」

②最低それだけは満たされていなければならないとされるきまり。「厳しい-」

規準:それによって行動することが、社会的に求められるよりどころ。「行動-を定める」

A・B・C

1・2・3

頭身を理解した上で、書くイラストのイメージが持てる。

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論文1: 評価基準を使った学習活動の評価と、授業を生かした定期考査の実践• 対象:76名(3年生2クラス)

• 方法:暗記だけの知識偏重を回避するため→

• 日本史の分野においてテストだけでなく学習プリントを設ける(具体的で分かりやすい段階を踏ませる)ことを実践する。

• →授業後のアンケート

• 結果:

• ① これまで通り講義中心の授業でよいと思う。40.8%(31名)

• ② 講義ばかりではない授業に、是非変えてほしいと思う。6.6%(5名)

• ③ 講義ばかりではない授業に、尐しは変えてほしいと思う。50.0%(38名)

• ④ その他意見があれば、下に書いて下さい。2.6%(2名)

※著者によると、評価方法を変えることが、教員や生徒の意識が変わり知識偏重でない本当の力が身に付くらしい。(by 小テストの結果等)

文献:http://www.apec.aichi-c.ed.jp/shoko/kyouka/syakai_html/ps4.pdf

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学習内容 学習活動 評価の観点と評価基準

鎖国とは 鎖国について知っていることやそのイメージを、学習プリントに論述する。

「関心・意欲・態度」A.鎖国について関心を持ち、中学校で学んだ正確な知識をもとに意欲的に追求する

B.鎖国について関心を持ち中学で学んだ知識をもとに追求しようとしている

C.鎖国についての知識が不十分で関心や意欲が持てないでいる

鎖国について知っていること

論述した内容を発表したり、他者の発表と比較したりして、鎖国に関する中学校での学習事項を思い出し関心を高める。

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論文2: 臨床実習における問題点 宮下智

対象:東京衛星学園専門学校リハビリテーション科 学生26名(男15 女11)

実験内容:評価・考察・治療計画・問題点 などの基準(評価)項目をもとにレポート&アンケート

結果:アンケートでは参考になった、気にはならなかった、嫌である等、回答は様々で評価項目にたいする疑問や評価項目の不明瞭さが問題となった。

意見:評価が学習者の理解に繋がるかどうかが不明瞭

評価規準において具体性と固定観念を取り除くことの大切さ

文献:

http://ci.nii.ac.jp/els/110003995279.pdf?id=ART0005774296&type=pdf&lang=jp&host=cinii&o

rder_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1326120835&cp=

理学療法学 第18巻第5号 503~511項(1991)

宮下 智

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論文3: ザンビアにおける「本質的学習環境(SLE)」に基づく数学科授業開発研究(学生論文)

対象:南州郡マザブカ郡マザブカ町マザブカ基礎学校の第8,9学年2クラスの生徒

実施内容:数学分野においてカリキュラムやシラバスを意識した授業を行い、①事後テストによる評価と②シラバス項目に応じ取り決めた評価規準と対応するドリル活動に分けて調査

結果:カリキュラムやシラバスなど評価項目を設置することで点数が上がったことが分かる(41.6→45.3)

①②の調査結果の違いより、カリキュラムを意識した結果を強調

文献:http://home.hiroshima-u.ac.jp/babasemi/files/abstract-shibuya.pdf

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実験対象・比較方法・結果が曖昧ではあるが…

〈発見〉・評価項目は具体的で固定観念のないものがよい。・目的意識のある段階を踏んだ評価基準は学習効果を高めるかもしれない。

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• ルーブリックとは成功の度合いを示す数値的な尺度と、それぞれの尺度にみられる特徴を示した記述語からなる評価指標のことをいい、伝達や検証の可能性に支えられた「信頼性」によって、得にパフォーマンス評価における評価基準の客観性を保証するものとして考案された。近年は、教師が採点のために利用するだけでなく、評価の共通理解を図り、学習活動や自己評価の指針を示す上で、生徒にルーブリックを提示することが効果的と考えられている。

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• インフォームドアセスメントとは、「評価の目的や基準に関して実施者と受け手との間にしっかりとした知識の伝達・合意がなされているような評価の在り方」を指す。

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論文4: ルーブリックの提示による評価基準・評価目的の教示が学習者に及ぼす 影響 教育心理学研究2011

対象:2009年国立T大学で行われた学習ゼミナールに参加した中学2年生。

実験方法:英語・数学・理科の三教科で5日間でテストと授業を実施

①ルーブリック提示ー添削群

② 提示ー非添削群

③ 非提示ー添削群

結果:ルーブリック非提示群と比べ、提示群の方が、興味・理解・楽しさ・知的好奇心など多くの点で 効果が上がり、事後テストでも高い成績を示した。

文献:http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/59/2/131/_pdf

教育心理学研究 2011 鈴木雅之(東京大学大学院教育学研究科/日本学術振興会)

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論文4を基にした筆者の考え方

• 学習者へ評価を提示することでインフォームドアセスメントをはっきりとさせる。

• 学習者への内発的動機付け、に結びつく。

• 学習効果が上がる。

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評価基準を設けるにあたっての課題論文5(報告): 授業の工夫改善につながる学習評価

・指導と評価の一体化に気をつけることができているか

・評価基準(規準)をどのような評価方法で測定するか

例)テスト、レポート、チェックリスト、質問用紙

・どのような評価観点にするか(評価基準内容の検討)

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• 仮説;「評価基準に注意することで学習者の興味や理解を促しうる」は、証明されたといえるだろう。(論文4)

• 〈今後の課題〉

• 学習基準が具体的かつ明瞭なものであるかどうか。(論文2)

• 目的意識のある段階を踏んだ評価基準を設定できているかどうか。(論文3)

• 設けた学習基準を学習者に提示し、インフォームドアセスメントが取れて内発的動機付けの手助けとなっているか。(論文4)

• 学習基準を設定する場合、評価観点や評価方法をどうするか。(論文5)

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http://www.apec.aichi-c.ed.jp/shoko/kyouka/syakai_html/ps4.pdf (評価基準を使った学習評価の評価と、授業を生かした定期考査の実践)

http://ci.nii.ac.jp/els/110003995279.pdf?id=ART0005774296&type=pdf&lang=jp&host=cinii&or

der_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1326120835&cp= (臨床実習における問題点 宮下智)

http://home.hiroshima-u.ac.jp/babasemi/files/abstract-shibuya.pdf (ザンビアにおける「本質的学習環境(SLE)」に基づく数学科授業開発研究)

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/59/2/131/_pdf (教育心理学研究 2011 鈴木雅之東京大学大学院教育学研究科/日本学術振興会)