1)剣桂ハイキングコース...-1- 剣桂ハイキングコース...
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1)剣桂ハイキングコース(
① 剣桂ハイキングコースでの環境学習
○剣桂ハイキングコースについて
, ,このハイキングコースは 本館から出発し
A営火場に向かう途中から,木に塗られた黄
色ペンキを目印に国道289号線まで下り,
「みやま荘」と「はなのや」の間からハイキ
ングコースに入ります。その後は,剣桂神社
まで歩き,国道289号線に戻り,赤ペンキのコースを上って本館にもどり
ます。
○環境学習としての素材について
剣桂ハイキングコースには,阿武隈川
の源流が流れています。その流れは,地
表を削りV字谷を形成しています。
阿武隈川の流れは急峻で,護岸には,
上流特有の大きな石が転がっています。
コースでは 「V字谷の様子 「上流特, 」
」「 」「 」「 」有の石の様子 炭焼き窯の跡 軍馬の放牧場であった土塁 植物の群落
「ゴヨウツツジ 「フザサクラ」などが見られます。」
また,剣桂神社付近では,沢遊びや水生生物を探したり,水質調査などを
行ったりすることもできます。
○児童・生徒について
ほとんどの児童・生徒が住んでいる地域
の多くは,中流域から下流域であり,河川
の源流や上流域の見学をしたり,高原の植
物を観察したりする体験の少ない児童・生
徒にとって,剣桂ハイキングコースを歩く
ことは,水と植物,地形について学習する
には有意義なプログラムです。
○指導について
このコースでは,河川の源流部の様子を
観察することができます。上流部の急峻な
流れ,その流れにより土地が削られV字谷
が形成されているので,流水と地形の形成
について学習できます。また,源流部の石
の様子を観察することも可能で源流部特有
の大きな石が観察できます。これらの河川
の様子を自分たちの住んでいる河川の様子と比べることもできるでしょう。
また,自然の家を出てから歩く黄色コースでは,「植物の群落」の様子が
観察でき群落形成の様子を知ることができます。さらに,炭焼き窯跡を見学
したり,土塁を見学したりすることで、昔から「なすかしの森」が人間の生
活に利用されていたことが分かります。
また,全てのプログラムの中に「生きる」ことについて考えさせる場面を
設けてあります。植物や動物が生きること,人間が生きるためにしているこ
となどを児童に問いかけることで,環境学習がさらに深まるのではないかと
考えています。
- 1 -
適した時期:5月~11月 往復距離:5km 所要時間:約4時間☆剣桂ハイキングコース
コース
プログラム名「パイオニア植物って何?」(植物)
地点①
め あ て パイオニア植物とは何かを知り,森ができるまでを知ろう。
○ パイオニア植物について知り,森が形成されるまでには,様々な植物の生存競
環境学習と 争が行われていることを理解する。
しての視点 ○ 森が形成されるためには,そこに植物が生きるための条件が整っていることを
知る。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校
実 施 時 期 5月 ~ 11月
所 要 時 間 30分
団体準備物
持ち物 植物図鑑
教材・教具
講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援
1 森はどうやってつくられるのだろう。
・いろんな木が生えてつくられる。 ○ ススキやヨモギなどは,その場に種子を落
・強い木が弱い木を押しのけてつくられる。 としても,地面に光が当たらないため,次の
・草が生えて,木が生えて,もっと大きな 世代の子孫が育たない。
木が生えてつくられる。 そのためミズナラやブナのような樹木が次
の世代を担い,豊かな森へとつながっていく
ことを知らせる。
2 パイオニア植物について知る。
(1) パイオニア植物について知る。 ○ 伐採跡地では,日差しが強く侵入できない
・パイオニア植物とは,樹木が茂って 樹種もあるが,ススキやヨモギなどは,いち
いない土地にいち早く根を下ろし成 早く成長し,森を形成する。このような植物
長する植物のこと。 を「パイオニア植物」と呼ぶ。
(2) パイオニア植物になる植物の種類と ○ ヤシャブシのように強い陽光のもとで育つ
は何かを知る。 木は陽樹と呼ばれる。パイオニア植物だけあ
・ススキ,ヨモギ,ヤナギ,ヤシャブ って,生長は速いが,寿命は短く,数十年で
シ,ヤマハンノキ 他の植物に変わってしまうことを知らせる。
○ 短い寿命を生き抜いたパイオニア植物は倒
れ,朽ちていって次の樹木の養分となってい
く。植物の生存競争について知らせる。
3 実際にパイオニア植物となっている植物 ○ ヤシャブシやヤマハンノキを見学する。第
を確認する。 1スキー場付近で見られる。
○ ヤシャブシ,ヤマハンノキを手で触れたり,
木の実をとったりすることでその植物の特性
を理解する。
4 森が作られるとは,どういうことでしょ ○ 植物も生きるために必死であり,そこには,
うか。 植物が育つ環境が整っていること,また,パ
・パイオニア植物が育つ環境が整っている。 イオニア植物が森を形成するための養分とな
・そこから森が作られる。 っていることを確認する。
プログラム名「 (動物)動物の足跡見つけた」
地点①~⑩
め あ て 動物の足跡を見つけ,動物の正体を知るとともになすかしの森が動物にとって住
みよい環境であることを知る。
○ 那須甲子にいる動物を知るとともに,動物は自分が生きるためになすかしの森
環境学習と で生活し,なすかしの森は,それらの動物が生きる上で生活しやすい環境である
しての視点 ことを知る。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校
実 施 時 期 4月 ~ 10月
所 要 時 間 30分
団体準備物 ノート,筆記用具
持ち物 動物の足跡図鑑、メジャー
教材・教具
講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援
1 剣桂ハイキングコース上に残された動物 ○ 雨上がりにぬかるんでいる場所があると確
の足跡を見つける。 認しやすい。また,雪上でも確認できる。
コースのどこにあるかは分からないので,見
つけた時点でプログラムを展開する。
2 ○ どんな形をしているか。歩幅はどれくらい動物の足跡の形をメモしよう。
か,などをメモに書き込む。
○ ぬかるみ等にうまく足跡が残っていれば走
り方を想像することができるであろう。
○那須甲子に生息する動物イノシシ カモシカ キツネ
・ツキノワグマ
・イタチ
・ハタネズミ
・タヌキ
・トウホクノウサギタヌキ ハクビシン テン
・キツネ
・カモシカなど
イタチ ツキノワグマ ウサギ
(人の足跡に似ている)
3 那須甲子にいる動物の足跡を示し,どの ○ ガイドブックに載っている動物の足跡から
動物の足跡かを予想し確認しよう。 動物を予想し,確認する。
4 足跡の位置と動物の名前からその動物の ○ ガイドブックをもとにその動物の走り方を
走り方を知る。 再現させる。
5 なぜ,動物は動き回っているのだろう。 ○ 動物は生きるために餌を探す,捕食者から
。・餌を探すため 逃げるために動き回っていることを確認する
・他の動物から逃げるため
6 なぜ,那須甲子の森にはたくさんの動物 ○ 森が豊かであると動物が生息しやすいこと
がいるのだろう。 を知らせる。
・餌がたくさんあるから 動物が生息するには広い自然環境が必要で
・隠れる場所があるから あることを知らせる。
プログラム名「剣桂ハイキングコースの植物群落」(植物)地点②~⑥
め あ て 剣桂ハイキングコースの植物の群落について知ろう。○ 植物の名前を知り,なぜ,群落を形成した方がよいのかを考えさせる。
環境学習としての視点
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 5月 ~11月所 要 時 間 各10分団体準備物持ち物 植物図鑑、ルーペ教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 各群落で話を聞く。 ○ 植物図鑑を見て,各群落を確認する。(1)ヤシャブシとテンニンソウ群落 地点② ☆テンニンソウ
日本全国に分布し,日陰に群生する。高さは,50 ~ 100cm で,花は 8 ~ 10 月頃に咲く。
☆ミヤコザサ積雪の少ない太平洋沿岸の海抜700
(2)ミズナラとミヤコザサ群落 地点② mぐらいの山林に多いササで,樹木の陰に群れをなして生える。
秋から初冬にかけて葉の縁が枯れて白っぽくなるのが特徴。
☆チシマザサチシマザサ(ネマガリダケ)は、ササ
(3)ミズナラとヤグルマソウ群落 の中では最も大きく,標高もミヤコザサ地点⑤~⑥の間 より高いところで見られる。春になると
芽を出し山菜として食べられる。このチシマザサは、茎が何年も生きていて枝の上部が複雑に分かれている。
☆ヤグルマソウ日本全国で見られる。ブナやミズナラ
(4)ブナとチャボガヤ群落 地点⑥ などの林床に生育する。高さは1mぐらいで花は6~7月に咲く。
☆チャボガヤ本州の日本海側に多く見られる。ブナ
やミズナラなどの林床に生育する。高さは2~5mほど。
2 植物の特徴を見つけよう。・テンニンソウは,葉の形がおもしろい。・ミヤコザサは,葉の周りが枯れている。・チャボガヤは,葉の形がとがっている。・みんな日陰にたくさん生えている。 群落とは,同じ場所に生育している植
物で,ひとまとまりの植物群をいう。3 群落についての説明を聞く。 同じような立地には,よく似た植物群
・それぞれの植物の特徴が見つけられるよ 落が見られることが多い。そのため立地うに葉や茎,草丈などに着目する。 条件(気温,湿度,風,高さ),群落全体
の形状などにより,類型化されることもある。
4 なぜ,群落になる必要があるのだろうか。 ○ 群落になるということは,かたまって生育・かたまっていることで子孫を増やすこと する方が自分たちにとって長く生きられると
ができるから。 いうことを理解させる。・その土地が生きるためによい場所だから また,生きるために好条件がそろっている
ことを理解させる。
プログラム名「 (生活)何のための土塁でしょうか」地点③
め あ て 土塁ができたわけを知るとともに,そこに根を下ろして生育している植物の生命力を感じ取る。○ 土塁の存在に気づき,昔ここが軍馬の放牧場であったことを知る。
環境学習と ○ 人間が作った土塁ではあるが,そこにも植物が生育していることを確認し,植しての視点 物の生命力の偉大さを知る。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 4月 ~10月所 要 時 間 30分団体準備物持ち物 メジャー教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 土塁を見学する。(1) 土塁の様子を見学し,気づいたこと ○ 剣桂ハイキングコースに残っている土塁の
, 。を発表しよう。 跡を見学させ 人工物であることを説明する, 。・すごく長く続いている。 ○ 土塁が作られたわけを想像し 発表させる
・地震で盛り上がったのかな。 ※ 土塁が広範囲に広がっていることを確認・みんな同じ高さでできている。 させることで,児童・生徒から意見が出る・木が斜めに生えている ように働きかける。
○ この土塁は,自然の家から白河のインターチェンジまで続いていたことを知らせ広大な土地であったことをイメージさせる。
(2) 土塁の作られたわけを考よう。 ○ 那須甲子に残る土塁は,ここが,昔戦争に・何かを動物が逃げないようにするた 送り出すための軍馬の放牧場であり,馬が逃
めの柵だったのかな。 げないようにするための囲いであったことを・植物が早く成長するように高くした 説明する。そして,今見られるのは,その囲
のだろう。 いの跡であることを知らせる。☆軍馬とは
軍馬とは,戦争で人や荷物を運び移動する手段として馬が使われていた。その馬のことを軍馬という。
(3) 実際に土塁の広がりを見学し,なぜ ○ 土塁が残ったわけは,広範囲に広がる土塁土塁が残っているのかを発表しよう。 をもと通りにする必要性がなかったからであ・人がそのまま放置したから ろう。そこに植物が根を下ろし,今に残って・そこに植物が根を下ろし土塁が残っ いる。
たから
(4) なぜ那須甲子が選ばれたのか考えよ ○ 那須甲子が選ばれた理由は,様々あるのだう。 ろうが,えさが豊富だったこと,広い土地が・馬のえさがたくさんあったから。 必要だったことや気候が適していたことなど・広い土地が必要だったから。 が挙げられる。
(5) 今の土塁について気がついたことを ○ 人間が作った土塁にも植物が生きるために発表しよう。 種を落とし生育し,自分の生育環境に適した・土塁の上に植物が育っている。 ものに変えてしまう植物の生命力について理
解させる。
プログラム名「炭焼きの跡から分かること」(生活)
地点④ね ら い 炭焼き跡を見学し,木材の利用について考えるとともに現在の窯跡の様子を見学
し,植物の生命力の強さを感じる。○ 炭焼きに適した樹木を知るとともに,炭焼きの方法を知り,燃料としての炭の
環境学習と 利用について知る。。しての視点 ○ 樹木の伐採と植林について知る。
○ 炭焼き跡から植物が育っていることを知り植物の生命力の強さを知る。対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 5月 ~11月所 要 時 間 20分団体準備物持ち物教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 炭焼き窯跡を見学し気がついたことを発 ○ 炭の原木が多かったことから,炭焼き窯が
表する。 あったことに気づかせる。・土が盛り上がっている。・炭焼きの跡のところは,土が盛り上がっ ☆炭焼きの方法
ている。 ① 炭焼き窯の床に細い丸太を敷く。・周りには,木がたくさん生えている。 ※床付近の炭材が炭化するのを防ぐため
② 長さをそろえた炭材を奥から立てて並べていく。
③ 窯の天井部分には,隙間を作らないように揚げ木を詰める。
④ 窯の口に石と粘土で壁(ふた)を作る。⑤ 乾燥焼きを行う。
※炭材・窯の水分を抜くため⑥ 口焚きを行う。
※乾燥焼き終了後木材をくべて火力を上げる。
2 炭焼きの手順等を知る。 ⑦ 精錬・窯閉じを行う。(1) 炭焼きの方法を聞く。 ※口焚き終了後,煙突をふさぐ。
⑧ 窯出しを行う。※窯閉じ後,2週間程度で窯を開き,炭
を出す。
(2) 炭焼きに適した樹木を知る。 ○ 炭に適した木は,ミズナラ,クヌギ,ナラ,クリなどであることを知らせる。
(3) 樹木の伐採と植林について知る。 ○ 炭焼き窯付近では,炭の材料を得るために成長しては切られたために一つの幹からいくつもの幹が出ている樹木があることを確認させる。また,炭材を得るために植林も行っていたことを知らせる。
3 炭はどんなことに使われていたのだろう。 ○ 炭は,石油や原子力が主なエネルギー源に・蒸気機関車などの燃料 なる前には,貴重な存在だったことを知り,・今は,脱臭剤や焼き鳥を焼くときに使っ 現在も使われていることを確認する。
ている。
4 炭焼き窯の跡を見て,思ったことを発表 ○ 現在の炭焼き窯の跡から,植物が育っていしよう。 ることを確認し,植物の生命力の強さを知る・植物が芽を出している。 とともに植物が育つ環境に自ら変えていって・よく見ないと炭焼き窯の跡と分からない。 いることを確認する。
プログラム名「カラマツとヒノキの植林」(植物)地点⑤
め あ て なぜカラマツとヒノキが植林されたのか知ろう。○ ヒノキとカラマツについて知る。
環境学習と ○ なぜ,ヒノキとカラマツが植林されたのかを知り,人間と自然の関わり合いにしての視点 ついて知る。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 4月 ~10月所 要 時 間 20分団体準備物持ち物 ガイドブック,植物図鑑教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 ヒノキとカラマツってどんな植物か観察 ○ ヒノキとカラマツの林を観察する。
しよう。 「観察のポイント」・ヒノキの葉は,とげとげしている。 樹皮の様子を観察する。・ヒノキは,まっすぐ伸びている。 葉の様子を観察する。・カラマツは,まっすぐ伸びている。 根の様子を観察する。・カラマツの木の肌は,割れているように 樹木の高さを観察する。
見える。 地表の様子を観察する。○ 植物図鑑で確認することも考えられる。
☆ヒノキヒノキは,針葉樹。人工林として多く植
栽されている。ヒノキは,日本では関東以西から九州ま
で分布する。(この付近で見られるのは,植林されたから)
大きいものは 30m を越えることが知られている。
ヒノキとカラマツの林 ☆カラマツ日本の高原を代表する植物でもあり,福
島県などの標高の高いところなどに多く植えられている。落葉樹のため新緑や紅葉がきれいである。
○ この付近では,スギとカエデを初め植林したが雪の重みで折れてしまので雪の重みに耐えるヒノキとカラマツを植林したことを知ら
ヒノキ カラマツ せる。人間が自然から学んだことを確認する。
2 なぜヒノキとカラマツが植林されたのだ ○ ヒノキは,まっすぐに伸び,美しく,狂いろう。 がこない,耐朽,耐湿性がある。また,細工・木の成長が早いから。 がしやすいなどの優れた性質をもっているた・家を建てる材料として使えるから。 め,世界最良の木材の一つとされているので・高く売れるから。 植林されることが多い。
○ カラマツは,そり,まがりといった木の特性に難があっても寒さに強く成長が早いため,盛んに植林が行われた。唯一落葉するマツ。
3 ヒノキとスギを見分けよう。 ○ ヒノキとスギは,葉の裏の模様で見分けら・色が違う。 れることを確認する。・葉の裏の模様が違う。
4 ヒノキとカラマツの生命力の強さを知る。 ○ 厳しい自然環境でも育つヒノキとカラマツの強さを知るとともに,自然は人間の勝手な判断では,どうすることもできないことがあることを知る。
プログラム名「シロヤシオ・ツクバネ・ブナ」(植物)
地点⑦
め あ て シロヤシオとツクバネ,ブナの樹木について知ろう。
○ シロヤシオとツクバネ,ブナの樹木の様子を知り,それぞれの特徴を知るとと
環境学習と もに,この場所が植物の生長に適した場所であることを確認する。
しての視点
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校
実 施 時 期 5月 ~11月
所 要 時 間 20分
団体準備物
持ち物 植物図鑑
教材・教具
講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援
1 シロヤシオ,ツクバネ,ブナを確認する。 ☆シロヤシオ
太平洋側の山地に生息するツツジ科ツツ
ジ属の落葉樹である。ブナ帯に生育する。
葉は倒卵形で,縁が薄く赤く色づくこと
がある。
枝先に 5 枚の葉が輪生状に付くことから
ゴヨウツツジとも呼ばれる。
シロヤシオ
☆ツクバネ
ツクバネは,本州,四国,九州北部に分
布する落葉低木で,ツクバネ属植物は日本
には本種のみである。4枚の葉の中心部に
黒い果実が付く様子を羽根つきの羽に例え
たものである。
ツクバネ ☆ブナ
ブナは,落葉樹である。大きいものは高
さ 30m にも達するものがある。樹皮は灰白
色できめが細かい。葉は楕円形でやや固め
である。なすかしの森では,幹の周りが太
く,高さも10mを超えるブナが生育して
いる。
ブナ
2 なぜ,この場所でこの植物が育つことが ○ この土地がシロヤシオやツクバネ,ブナの
できたのだろう。 生長に適した場所であったことを確認すると
・種が落ちたから ともに岩が多い場所であっても植物が育って
・植物にあった場所だったから いることを確認し,その生命力の強さを知る。
- 1 -
プログラム名「川底を歩く剣桂ハイキングコース」(地学)
地点⑦~⑩め あ て 剣桂のハイキングコースは,河岸段丘の底の部分を歩いていることを知る。
○ 河岸段丘について知り,川の働きについて理解する。環境学習と ○ 川の働きにより浸食された土地にも,植物が存在し,生長していることを知る。しての視点
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 4月 ~11月所 要 時 間 10分団体準備物持ち物教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 剣桂コースを歩きながら気がついたこと ○ 気がついたことを素直に発表させるように
を発表しよう。 して,河岸段丘になっていることに迫れるよ・川の流れが速い。 う仕向けていく。・川の両側が崖になっている。・川の両側が高い。 ☆河岸段丘とは
河岸段丘とは,河川に沿った、階段状の2 剣桂ハイキングコースが河岸段丘の底の 地形のことを言う。
部分を歩いていることを確認する。 形成過程としては,①川が流れている場所に平らな土地ができ
る。②河川の水量が変化すると、浸食作用によ
って前より低いところを川が流れるようになる。
③新しい川原ができて、前の川原は階段状の平地として残る。
3 植物の様子を見てみよう。 ○ 川の浸食作用によって削られた土地であっ・岩の所から育っている植物がある。 ても,そこには岩を抱いたようにして生長し・石を抱いたようにして育っている木があ ている樹木もあれば,わずかな土から生長し
る。 ている植物もあることを知り,植物の生命力の強さを実感させる。
プログラム名「阿武隈川とV字谷について知ろう」(地学)地点⑧
め あ て 阿武隈川の源流部を観察したり,V字谷について知ろう。○ 阿武隈川について石の様子や川の流れについて知る。
環境学習と ○ V字谷ができたわけを考え,形成過程を理解する。しての視点 ○ 川の恵みで動植物が生きていくことができることを確認し,人間が川を汚して
はいけないことを理解する。対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校実 施 時 期 5月 ~11月所 要 時 間 1時間団体準備物持ち物 ハンマー,メジャー,ルーペ教材・教具講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援1 阿武隈川の源流部を見学する。(1) ハイキングコースから源流部を見学 ○ ハイキングコースから源流部を見学させ,
し,気づいたことを発表しよう。 気がついたことを発表させる。自分たちが住・大きな石がたくさんある。 んでいる河川と比べながら考えさせると多く・石の角がとがっている。 の意見が出るであろう。・川が浅くて,流れが速い。 ※ 川の流れは急なので川に入って活動するに・川幅が狭い。 は危険が伴う。30cm以上の深さでは,た
やすく流されてしまうので注意する必要がある。
(2) この川は,どこから流れてきている ○ 阿武隈川の源流は,三本槍岳,旭岳であるのかな。 ことを知らせる。・那須の山から流れてきている。 ※時間があれば,講師を依頼して雄滝・雌滝・雨水が少しずつ集まって流れてきて を見学することも考えられる。
いる。
(3) この川の長さは,どれくらいあるで ○ 阿武隈川は,三本槍岳,旭岳を源流としてしょう。また、どこへ流れていくので 239kmであることを知らせ,白河・郡山しょう。 福島,宮城県から太平洋に流れていることを・100km,50km,150km 知らせる。・福島県,宮城県,太平洋
(4) 川の石の様子を観察しよう。 ○ 自分たちの住んでいる地域の河川の石と大・自分たちの川の石とは違って大きな きさや石の角の部分を比べる。ここで見られ
石がたくさんある。 る石が川の働きによって,流されるうちに削・石がゴツゴツしている。 られて角がとれ小さくなっていくことを確認・いろいろな色の石が多い。 する。また,ほとんどの石が火成岩であるこ
とを知らせる。○ ハンマーを使って石を割り,石の様子を観
察することも考えられる。
2 V字谷について知る。 ○ V字谷とは,川の流れによって川底が深く(1) 川の両側の山は,どうなっているだ えぐれて谷になっている地形であることを知
ろうか。 らせる。実際に川を見学させ,Vの字のよう・急な坂になっている。 になっていること確認する。・木が生えているけれど崖のようにな
っている。(2) どうして,こんな急な斜面になって ○ 阿武隈川の働きによって川岸が削られ,V
しまったのだろう。 字谷が形成されたことを知らせる。・崖が崩れた。・川が削った。
3 川の働きって土地を削るだけかな。 ○ 植物や動物が生きていくためには,水が必・植物や動物が生きているために必要だ。 要であることを知り,川の働きが土地を削る・人間の生活にも必要だ。 だけではないことを確認する。
また,その川を人間が汚してしまってはいけないことを確認し合う。
プログラム名「阿武隈川の水質調査」(地学・化学)
地点⑧
め あ て 阿武隈川の水質調査を行い,自分たちの河川の水質と比べる。。
○ 阿武隈川と自分たちの住んでいる河川でパックテストでCODを測定したり,
環境学習と 指標生物から分かる水質調査を行ったりして,阿武隈川の水質を確認する。
しての視点 ○ 河川の水質は,主に人間の生活が原因で汚してしまっていることを確認すると
ともに,それが動植物に悪影響を及ぼしていることを知る。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校
実 施 時 期 5月 ~11月
所 要 時 間 1時間
団体準備物 パックテスト,鉛筆,消しゴム
持ち物 網,トレー,川の生き物を調べよう資料,ルーペ,ピンセット等
教材・教具
講師依頼可 福島県もりの案内人
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援
1 阿武隈川の様子を見て,気がついたこと ○ 上流部の河川は,水がきれいであることを
を発表しよう。 確認するとともに,川には,流れ込みがある
・水がきれいだな。 ことに気づかせる。
・上流の水は,とても澄んでいる。 ○ 自分たちの近くの河川の水質調査をしてお
くと活動が充実する。
2 阿武隈川の水質調査を行う。 ○ 剣桂神社付近の川及び数カ所でパックテス
(1) 数カ所でパックテストを実施して, トを実施し川の汚れの様子確認するとともに、
水質検査をする。 川を汚してしまっているのは,人間の生活と
・阿武隈川の源流部 大いに関係があることに気づかせる。
・源流に流れ込んでいる河川 ○パックテストの使い方
① 薬剤の入ったチューブに穴を開ける。
② 中の空気を出し,スポイトのようにして
水を吸い込ませる。
③ よく振り混ぜて,時間を待って標準色表
と比べる。
(2) 気がついたことを発表しよう。 ○ このパックテストは,科学的酸素要求量を
・源流部の水はきれいだった。 計るものであり値が0に近いほどきれいな水
・人の生活している水が流れ込んでい であることを確認する。
るところは汚れていた。 ○ 自分の近くの河川の水質と比べる。
(3) 指標生物による水質調査を行う。 ○ 指標生物による水質調査の方法を確認する。
(4) 分かったことを発表しよう。 ○ 川の上流部は,水がきれいであることを確
・指標生物やパックテストの結果から 認し,川を汚してしまうのは,人間の生活と
源流部の水はきれいであることが分 大いに影響していることを確認する。
かった。 また,それが動植物に悪影響を及ぼしてい
・川を汚してしまっているのは,人間 ることを確認し,動植物が生きられなければ
の生活と関係がある。 人間も河川の水を利用して生活できないこと
を理解させる。
プログラム名「剣桂神社と自然と人間」(生活)
め あ て 剣桂神社の由来について知り,自然と人間との関わりについて考よう。
○ 剣桂神社の由来を知り,剣桂神社ができたわけを知る。
環境学習と ○ 自然物と人々との関わりについて理解する。
しての視点 ○ 自然を大切にしようとする心情を養う。
対 象 幼稚園・保育園 小学校 中学校 高等学校
実 施 時 期 4月 ~10月
所 要 時 間 15分間
団体準備物
持ち物
教材・教具
講師依頼可
活 動 内 容 発問 指導者(講師)の支援
1 剣桂神社を見学する。 ○ 剣桂神社は,新甲子地域の氏子によって昭
和51年11月に建立された。
2 剣桂神社の建立時期について聞く。 ○ この神社は,昔鬼神が現れ甲子路を旅する
人を苦しめたので,そのときの城主が旅人を
守るために剣によって鬼神をこの木に封じ込
めたそうです。
3 剣桂神社が建立されたわけについて聞く。 ○ この神社は,鬼神を封じ込めた桂の大木を
神霊依代として真剣を奉ずる素朴な信仰のあ
らわれであることを説明する。
☆桂の木
日本全国に分布する。高さは,35mほ
どで4~5月に花が咲く。
4 桂の木についての説明を聞く。 ○ ここにある桂の大木は,落葉樹で幹が直立
して多くの枝葉を出す精の強い木で,雌雄異
種で,5月頃葉に先立って一つの花をつけて
実を結ぶ。
旺盛な精気,端麗な樹姿に加え、きめの美
しさとかぐわしさが高くかわれ,勝利,栄光,
高貴などの形容によく使われる。
5 人々と自然の関わりについて考えたこと ○ 昔の人々は,自然物に魂が宿っていると考
を発表しよう。 えていて自然を大切にしていたことを説明し、
・自然を大切にすることって大事なことな 自分たちの地域の近くにもそういったものが
んだな。 ないか考えさせる。
・人と自然は,昔から関わってきていたん ○ 自然の偉大さとそこには,人間の力が及ば
だな。 ない力が存在することを知らせ,畏敬の念を
持って自然を大切にしながら生活する必要が
あることを知らせる。
メ モ