新生ハッカソン 金融業界でのデータサイエンス人材育成1 実務のシチュエーションを想定したデータ分析の機会提供により、データサイ
1.患者の避難誘導時 を付けておくこと...シチュエーション別にわかる...
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12 (236) Emergency Care 2012 vol.25 no.3
どのような場合に避難となるか 病院として安全性や診療機能が保たれているかによって避難が必要かどうか判断される.被災により廊下や通路が通れなくなったり,天井や壁などに亀裂が入ったり,医療の継続が困難なほどに病棟の環境が悪化し,二次災害の恐れがあるような状況であれば患者を避難させなければならない. 避難に当たっては院内災害対策本部の指示により,場所や経路が決定される.避難時には誰もが混乱し,冷静に判断することが困難になるが,看護師は冷静に,患者の安全を守るために行動しなければならない.避難時はどのように行動したらよいかが記されているアクションカードを利用し,効率良く誘導できるようにする 1).
避難時の報告 被災状況報告書によって院内災害対策本部へ報告する.避難に際して人的応援や搬送具(担架など)が必要な場合は事前に伝えておく. 避難開始時に避難経路・避難場所・開始時間・避難人数(職員・患者・面会者など)を報告し,避難終了時にも報告する.
避難の優先順位 基本的には「独歩→護送→担架搬送(担送)」
の順で避難する.そのカテゴリー内でもトリアージを行い,順位を決定し,軽症の患者から避難させる.
避難時の注意点 避難時は安全を考慮して,適宜応援要員を求める.避難誘導の方法は患者の状態に応じて決定する.その際,治療中の患者の医療行為をどの程度継続するか,点滴などを中断する場合はどのように処置を行い避難させるかなどは,患者の状態に合わせて検討する.そのため,看護師は日ごろから訓練に参加し,処置方法や担送・誘導方法などについて事前に理解しておく.
避難方法独 歩
独歩患者は一カ所に集めて誘導する.このとき,誘導員は先頭と最後尾に付き安全を確保しながら避難する.避難時は拡声器,笛などを利用して混乱防止に努め,勝手な行動は控えてもらう.ロープなどを使用して患者を誘導する方法もある 3).
護 送
杖や介助を要する患者,点滴・ドレーンを挿
Special Feature
Ⅱ 院内から避難しなければならない場合に行うこと
1.患者の避難誘導時に気を付けておくこと
石巻赤十字病院救命救急センター看護師長・救急看護認定看護師 澁しぶ
谷や
多た
佳か
子こ
Scene1 被災施設で身につけておきたい看護の知識と技術 8
シチュエーション別にわかる 救急ナースなら身につけておきたい災害看護の知識と技術 20
Emergency Care 2012 vol.25 no.3 (237) 13
入している患者などは介助歩行にて避難する.
担 送
重症患者は名前を確認しやすいよう,ベッドネームなどを身体に張り付ける.担架に載せる場合は複数人で患者を持ち上げ,その下に担架を差し込む.また,保温に注意し,あらかじめ担架に毛布などを敷いておき患者を包み,毛布の上から固定バンドで確実に固定する. 搬送時は,ある程度の動揺は避けられないが,普段より歩幅を狭くし,可能な限り安静に搬送する.歩行や担架の上げ下げは,リーダーの掛け声で行い,移動する際は頭側と足側の搬送者は左右の足を別々に出すと,担架
の揺れが少なくなる.運搬する時は原則として進行方向に足を向けるが,上る場合は頭を先に向ける(図 1).搬送中,担架は水平を保ち,患者の顔が見える位置にいるスタッフは,常に患者観察を行う.
患者の避難終了後 各病室を回り,残留者がいないことを確認する.患者の避難を終えたら,人数と氏名を確認し,指示があるまで居場所を変えないよう説明する. 患者全員が避難したことを確認したら,リーダーはスタッフの人数を確認して避難する.その際リーダーは,非常持ち出し物品を確認する 3).
・避難時は冷静に患者の安全を守るために行動するよう努める.
・避難する患者の優先順位は「独歩→護送→担送」であり,そのカテゴリーの中でもトリアー
ジを行い,軽症患者から避難させる.
・避難の開始および終了時は院内災害対策本部へ報告する.
これだけは覚えておこう!
図 1 担送時の注意点
進行方向
搬送者は,前後で異なる足を出すと担架の揺れが少なくなる.
階段を上がるときは患者の頭を進行方向に向け,できるだけ担架を水平に保つ.