170819 cena report - 聖心女子大学|オフィシャル … Titin Meryati Gultom Indonesia...

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共催 PARTNERS INTERNATIONAL RELATIONS DEPARTMENT OF UNIVERSITY OF ISLAM INDONESIA University of the Sacred Heart PEACE BUILDING IN ASIA TROUGH LOCAL COMMUNITY BEYOND NATIONALISM, MILITARISM, & GLOBALIZATION SUMMER SCHOOL TH TH AUGUST 4 -9 , 2017 KEMBANG ARUM VILLAGE RESORT YOGYAKARTA 第6回CENA夏季学校(2017年8月)報告書

Transcript of 170819 cena report - 聖心女子大学|オフィシャル … Titin Meryati Gultom Indonesia...

共催 PARTNERS

INTERNATIONAL RELATIONSDEPARTMENT OF

UNIVERSITY OFISLAM INDONESIA

University ofthe Sacred Heart

PEACE BUILDING IN ASIA TROUGH LOCAL COMMUNITYBEYOND NATIONALISM, MILITARISM, & GLOBALIZATION

SUMMER SCHOOL

TH THAUGUST 4 -9 , 2017KEMBANG ARUM VILLAGE RESORT

YOGYAKARTA

第6回CENA夏季学校(2017年8月)報告書

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目次

1. 挨拶「第6回 CENA夏季学校を終えて」大橋正明・・・・・・・・・・ 3ページ2. 参加者リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5ページ3. 実施日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6ページ4. 日報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8ページ5. 各国の教授と学生によるプレゼンテーションの概要・・・・・・・・・ 18ページ6. 日本のプレゼンテーションのスライド・・・・・・・・・・・・・・・ 23ページ7. 参加者感想・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29ページ8. 写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47ページ

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第 6 回 CENA 夏季学校を終えて

   大橋正明(CENA 夏季学校校長・聖心女子大学教授 )

 今年も恒例の夏季学校が、初めてインドネシアで、そのジョグジャカルタ市にあるイスラーム大学 (Univ. of Islam, Indonesia、以下 UII) の国際関係学科をホストに、7泊7日の日程で成功裏に開催され、無事終了したことを心から喜んでいます。 今回の夏季学校には、アジアの 11 か国から 41 人の学生・大学院生、そして 11 名の教職員が積極的に参加しただけでなく、聖公会大学校がインドネシアの UII 周辺の農村で実施中のAIDCT(Alternative International Development Cooperation Team= もう一つの国際協力チーム ) というプロジェクトのスタッフ4人とUII の教職員が、献身的に支援してくれたために、大変充実した内容になりました。改めて、ジャティ先生を始めとした UII と AIDCT の皆さん、宿泊先として宿舎や食事、研修会場やリクレーション、夜の音楽大会まで用意してくれたケンバング・アルム観光村の皆さん、そして全ての参加者に篤く御礼申し上げます。

 ここで CENAとその夏季学校について、簡単に振り返っておきましょう。 この発端は、元々「NGO大学院」というユニークな市民活動家向けの大学院を持っていた韓国・ソウル市にある聖公会大学校が、2007 年にアジアのNGO活動家を対象にした、フルの奨学金付き修士コース “Master of Arts in Inter-Asia NGO Studies, 以下MAINS)を開設したことです。同様に市民活動を通じた平和とアジアを指向する恵泉女学園大学は、それに積極的に協力していこうと考え、翌 08年にこの二つの大学間で相互協力協定が結ばれました。 当初はMAINS の集中講義に恵泉が教員派遣をしていたのですが、2011 年にMAINS と恵泉の大学院生と教員が一緒に学ぶ「冬季学校」がソウル市で開催され、その際に仲間を増やしていくための「アジア市民社会教育ネットワーク (Civil Society Education Network in Asia, CENA) の発足と、夏季学校の例年開催が決まりました。 その翌年 2012 年夏から 15年まで4回の CENA 夏季学校が、韓国で開催されました。第1回は農村部で、第2回は朝鮮半島を分断する 38 度線に接した DMZ( 非武装ゾーン ) にある平和村で、第3回は聖公会大学校のキャンパスで、そして第4回は韓神大学校がホストになってそのソウルキャンパスで実施されました。その過程で、同様な思考を持つ教員や学校、教育系組織が次第に集まってきました。現在では聖公会と恵泉に加えて、韓国では同様にリベラルで知られる韓神大学校、ジャーナリストが創設した台湾の世新大学、恵泉と関係が深かったタイの AMAN(Asia Muslim Action Network= アジアイスラーム教徒活動ネットワーク)、そして私の転勤先の聖心女子大学です。 韓国政治の保守化もあり韓国での開催継続が困難になったために、昨年の第5回夏季学校は、タイ国の AMANがホストを引き受けてくれ、バンコク市郊外にある AMANの教育研究施設である国際平和学・開発学研究所 (International Institute of Peace and Development Studies、以下 IIPDS)のキャンパスで開催されました。この時には、エジプトを含むアジアの10カ国から全部で約 50人が参加し、3泊 4日の日程でした。ちなみに聖心と恵泉は、その後引き続きバンコク市内を中心

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に開発協力のODAと NGOの現場を訪問するスタディツアーを2泊 3日で実施しました。 この第5回で新規参加したのは、早稲田大学の外国人留学生や日本の学生に向けた学生寮と社会教育や社会活動の場を提供する ( 公財 ) 早稲田奉仕園と、今回ホストであるインドネシア・イスラーム大学です。この段階で、CENA は 6つの大学と2つの教育系NGOというユニークなネットワークに成長しました。

 第6回 CENA夏季学校の特徴を、以下に数点挙げておきます。これらは単発で参加する学生・大学院生には、なかなか気が付きにくい点だと思います。 まずは、実際の会場です。開会式だけはUII のキャンパスでしたが、それ以外は村人たちが共同で作った観光村という村人が提供した質素な家屋で、村人の生活様式に極めて近いスタイルで寝泊まりし、食事をし、皆で教室で学び、村を流れる川やそのわきの広場で様々なリクレーションを楽しむことが出来ました。トイレで紙を使わない、使ってもそれを流さない、水浴は冷たい水を手桶で汲んで被る、日本の納豆に近いテンペを含んだ村人が作ってくれた現地の食事を毎回食べる、村人の奏でる音楽で踊りを楽しむ、エアコンのない部屋でみんなと雑魚寝する、と言ったことは貴重な経験だったはずです。 インドネシアの古都ジョクジャカルタで開催できたことも、大きな特徴です。観光が多すぎると言う声もありましたが、仏教遺跡のボロブドール、ヒンドゥー教遺跡のプランバナン、スルタン王宮等の見学やラーマヤナ劇鑑賞ができたことは、この古都が会場だったからこそです。歴史的に東南アジア一帯が、仏教、ヒンドゥー教、そしてイスラーム教というグローバル化に遭遇してきたことに、気が付く機会になれば幸いです。 資金的にはこれまでは参加団体と参加者の拠出、及び初期は韓国・光州市の 5・18 記念財団の助成で全てを賄ってきたのですが、今回は初めて複数のしかも大型の資金援助を、頂くことができました。韓国からは、政府の ODA 実施機関 KOICA と市民運動を後押しする美しき財団(The Beautiful Foundation)、日本の仏教系の庭野平和財団、そしてホストを引き受けて下さったUII からも、大きな資金援助がありました。この場で、諸団体に深く御礼申し上げます。 このために、参加者の負担が一人 150㌦とこれまでに最も低額になり、ジョグジャまでの少し高い旅費を補うだけでなく、ムハマディアのリーダーを講師に招くなど内容的にも充実したものになりました。特に日本からの参加者の事前と事後の会の開催やこの日本の三団体の合同報告書の作成は、庭野平和財団と早稲田奉仕園の支援のお陰です。

 草の根の市民社会活動を通じて平和を志向する 8団体のこのネットワークは、上に述べたように 6年間に渡って多宗教・多文化のアジアの若者たちが集う場を提供してきました。しかし CENAには、恒常的組織も資金もありません。今回の参加者の誰かが指摘していたように、まさに「ゲリラ的」に行われています。そのために、教職員のジェンダーバランスが取れていない、プレゼン内容の事前配布などの事前準備が不十分、参加者を繋ぐHPもない、と言った問題を抱えています。そうしたことを、ネットワークの仲間でどうにか改善していくつもりです。ただ少し時間がかかることは、どうかご容赦ください。 最後に繰り返しになりますが、ジャティ先生を始めとしたUII とその教職員の方々、AIDCT とケンバング・アルム観光村の皆様、ゲスト講師の皆さん、資金支援団体、そして参加者の皆さんに心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

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No. Given name: Middle Name: Family Name: Nationality: Univ. or Organ.1 Ryoko Seino Japan USH2 Makoto Naito Japan Waseda Hoshien3 Ayaka Nakamura Japan USH4 Orion Usui Japan Waseda Hoshien5 Shuko Sasaki Japan USH6 Kana Hirai Japan SKHU(Korea) MAINS7 Chika Hibino Japan Keisen U8 Kanae Seino Japan USH9 Kaede Fujiwara Japan USH10 Momoko Nakamura Japan Keisen U11 Yuka Ajishi Japan USH12 Miumu Tahahashi Japan USH13 Etsuko Takaya Japan Keisen U11 Abeni Lotha India Hanshin U. SEST15 Juho Kim Republic of Korea Hanshin U.16 Sinae Kweon Republic of Korea Hanshin U.17 Yookyeong Seo Republic of Korea Hanshin U.18 Juhee Shin Republic of Korea SKHU MAINS19 Heejeong Kim Republic of Korea SKHU MAINS20 Hyunbin Kim Republic of Korea Hanshin U.21 Ro (Samuel) Hlut Puia Myanmar Hanshin U. SEST22 Kamala KC Nepal SKHU MAINS23 Amosh Gurung Nepal Hanshin U. SEST24 Mark Marvin Loresto Lagos The Philippines SKHU MAINS25 Erdian Sembiring Indonesia Hanshin U. SEST26 Derina Faslig Indonesia UII27 Yuni Syeila Indonesia UII28 Hj. Sarah Indonesia UII29 Geraldi Tahelata Indonesia UII30 Muthohar Asyrofi Indonesia UII31 Titin Meryati Gultom Indonesia HSU(Korea)32 Rong Yu Lee Taiwan Shih Hsin U33 Kuochen Wu Taiwan Shih Hsin U34 Wei Dung Hsu Taiwan Shih Hsin U35 Oi Chi Pang Taiwan Shih Hsin U36 Sio Toi Ian Taiwan Shih Hsin U37 Jong-Jou Chen Taiwan Shih Hsin U38 Chien-Ju Lin Taiwan Shih Hsin U39 Chen-Wei Su Taiwan Shih Hsin U40 Yapasuyongu Akuyana Taiwan Shih Hsin U41 Yu-Chin Wu Taiwan Shih Hsin U

No. Given name: Middle Family Name: Nationality: Univ. or Organ.1 Irawan JATI Indonesia UII2 Abdus SABUR AMAN3 Satyabrat SINGHA India Presidency U.4 Hsin-Hsing CHEN Taiwan Shih Hsin U5 Edwin YANG Taiwan National Taiwan6 Dong-Choon KIM SKHU7 Ki-Ho YI HSU8 Francis D. LEE SKHU9 Young-Chae LEE Japan, Keisen Keisen U(Japan)10 Heiwa KATAOKA Japan Waseda Waseda Hoshien11 Masaaki OHASHI Japan USH USH12 Taengyoung KIM Republic of Korea AIDCT SKHU13 Heecheol PARK Republic of Korea AIDCT SKHU14 Seini Indonesia AIDCT SKHU15 Ajeng Indonesia AIDCT SKHU

Teachers and staff members

THE 6th CENA SUMMER SCHOOL PARTICIPANTS' LIST @UII in August 2017

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ĝơƶ2017î8ě3Ē(Ğ)~10Ē(Ğ)� InBIj>rO#(áķ�: Desa Wisata Kembang Arum (Kembang Arum Tourism Village� Cu\uBw6riŹ�ġ) Donokerto, Turi, Sleman, YogyakartaInBIj>rO, Indonesia, Ƨſ +62-(0)85 742 971 666,+60-(0)8888171717�Email: [email protected] °¦ŝţƶĒğ(úĶÕØÅÒØ�ēŔŇÔ�Å�ŪöÕÖÒØ�ƩÄ(Ū��ÒØĥ�ƩŒÒØĥ�¶ŀ(|ďÒØ�O8(

AMAN(Asian Muslim Action Network)�8uVYH6(8uVYH6w8JpxiÒØ(UII)

°¦ũƶØņwƣņ41º�ċū¿11º(°¦ŝţ�Ï'8uVwcsITuH�ÒØ(Satyabrat Sinhna�ņ$¶ŀ(EdwinĨ�ņ) No. Time Program & Activities Notes

Day O: Thursday, August 3rd, 2017

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9:30 11:45~17:00 19:35~20:50 22:00~23:00

ŧŇŖĿÄƥšOxhWr#ó¸�ƳŪö�Ô�Å�úĶ$¸ż15ºƴ ŧŇʼn?rxPŰŖGA875�#Ij>rO+��ŚāŠ� Ij>rOʼn?rxPŰŖJ GA218#InBIj>rO+�ųŅ´³ �Ɛ�4´�áů'œ§�Îƭ�æâ

§ UII(\J § ŖĿ�0áů,#ƌ#Ò/�45�ơ § ĕƭ$Ǝƭ)ƬŴį(}#�Îƭ)¡ōôáů#�

Day One: Friday, August 4th, 2017 6:00Ʒ7: 00 Ƈð�Ĝƭ 1 08.00 – 09.00 8uVYH6w8JpiÒØƳUIIƴ+œ§ § UII(\J#Ò/�30�

2 09.15 – 09.45 WuPuBwJUqJZØƞ(Rector Dr. Nandang Sutrisno)(ƠƂÝŻ�CENA Í×ØĥÒĮĥƞ(ĆĂ�Ū��ÒØ@iwVuQlu(Kim Dong Choon)ċĈ(ÉƁƂł § UII(ÃęƯ_r3Ƥ(ċÞ#ƠƂò$Ʀ¸�Ō

3 10:15– 12.00

ċ¿LRHnu 1. yĩŊ|ň$ď &ƀƫƶªģ±*ģ­6I6'��2Ħƍ�Ř�Uni-polar

World and Emerging Challenges: North East and South East Asia: Nuclear Arms Race (ƩŒÒØĥ8w@eċĈProf. Yi- Kiho)

2. ƘŃ~Ŧ�StqKi$�30+(ä÷Extremism-Terrorism and responses (csITuH�ÒØGRS76bpRUwHu[ċĈProf. Satyabrat Sinha)

3. � (Ɨ§.Şư(Ţ�1'��2v7Inuwƀƫwį�Vision, Challenges and Opportunities for linking Peoples Movements and Experiences (Ū��ÒØĥapuHJċĈProf. Francis D. Lee)

§ UII(>qWw:OhwT:7(Ms. Karina Utami Dewi)�ņ�·�

4 12:00– 13.30 ĕƭ�û § 3Ƥ( Þ±*Ŗ�Ŗơ'"ĕƭ

5 13.30 – 14.30 °¦Øņ'/2Ä (ĝóŵĔ § Ēğ�ƩÄ�¶ŀ�g>=�a7qR`u�8uVYH6�hjugx�8uV�Y]xr

6 14.30 – 16:00 ÃęƯ_r�(çŐ±*}ñ(�õ}(^uV9xãƣƉ(ŷØ 7 16.15– 16.45 \J#áů'ÿ1 § UII(\J�¶ 8 16.45 – 18.00 ��ĺ§ § �Ļ�U8s��ù&% 9 18.00 – 19.00 Îƭ

10 19.00 – 21.30 éŗ(ïË#�68Jbsx@uB�°¦Øņ'/2åBrxc�1�Br

xc®�#(��Ŝ��@juca586x�Ƌ1 § apuHJċĈ'/268Jbsx@uB § 1Brxc'6~7º#¸ż41º

Day Two: Saturday, August 5th, 2017 1 07.00 – 08.15 Ĝƭ �(Ē$ŨĒ)áů�(ċÞ��Ë

2 08.30 – 10.30

ƂŦLRHnu1: í¾īś${ÙÛ(ąþƶ­ª6I6(� The Challenges of Peace Building and Insecurity: The Case in North and South Asia�ʼnŵũƶ|ďÒØQ;uwHuHuċĈ(Prof. Hsin-Hsing Chen, úĶÕØÅÒØĠĹƛċĈ(Prf. Yi Young-che), AMANNbxrIJ(Mr. Sabur)

§ UII(drguwa;pX(Mr. Herman Felani)�ņ�·�

3 10.30 – 10.45 �û

4 10.45 – 11:30

Øņ'/2csMu-1: Btx\r©wijđ~ŦwÇÈ~ŦGlobalization, Nationalism, and Localism��Y]xr(Amosh(ƩŒ)�àñ�Ę¥���hjugx(Samuel(ƩŒ)(�ÚċŊƘŃ~Ŧ���ƩÄ(Hee Jong(Ū��)'/2�O8(NGO$ĺ§àŽÀʼ�

§ ƩŒÒØĥ8w@eċĈ(Prof. Yi Kiho)��Øņ(csMu�ƚ(·�

5 12.00 – 13.00 ĕƭ

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6 13.23 – 14.15 Øņ'/2csMu-2: ƍÄ~Ŧ�Ę¥�í¾īśMilitarism, Violence and Peace Building��Ēğ(Ūö�úĶ�ēŔŇÔ�Å)�üĸ9ĢÀƫ���¶ŀ(|ď�OtE(ÓƱƢ)(ļ�

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7 14.15 – 1440 �ù § As usual

8 14:41-16:30 Øņ'/2csMu-3: č©$Úċ'��2şy$ÐĬ©Unification and Diversity in Cultures and Religions�Seo YookyeongƳƩŒÒØƴĜƲ¬è(­ªÀƫ� UII�8uVYH6Ŝ��

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9 1630 – 18.00 ��ĺ§ § �Ļ�U8s��ù&% 10 18.00 – 19.00 Îƭ

11 19.00 – 21.30 Øņ)åBrxcĺ§�ċū¿)CENAƗÁ�ƃ Øņ)ĽÑ,#�ŁÆĐž(ġ(yà$ƪĪ$Ƌ1

§ åBrxcĺ§(ËĀ)��3�3#� § ƗÁ�ƃ)P8XuBSxbr#

Day Three: Sunday, August 6th, 2017 1 07.00 – 08.15 Ĝƭ

2 08.15 – 10.00 åBrxc®�#�FUuwtou (gotong royong)#ÇÈ(� !$áů½Ə(Fhă�$ħĭ

§ áů½Ə±*éĵ�(BpuV(Fhă� § BpuV'Ĥĭ&%4Brxc�$'ħĭ

3 10.00 – 10.15 �û

4 10.15 – 12.00 Ç�EhlXS7qxPx�º$(äſ�Ç�(ŏú�í¾īś�ĄŠµŭ

&EhlXS7�Mr. Heri and Mrs. Sri Sujarwati (Local Wisdom: Peace Building and Sustainable Community )�

§ EhlXS7Şľ(community economy)(ÜƊ#�2Cu\uBw6riŹ�ġgYxIjx±*ĤŅGpA(¦

ê�ő(ÕøqxPx 5 12.00 – 13.00 ĕƭ

6 13.00 – 15.00 ƂŦLRHnu2: 8uVYH6(ŕ�Ŋ8Jpxi$¨ĉŊő�ƶąþ$į� Indonesian Moderate Islam and Inclusive Society: Challenges and Opportunities �

§ 8uVYH6(Ƒ�8JpxiĊƨƗ§(i[gT76MuhammadiyahqxPx(Prof. Dr. Syaffiq A. Mughini�·�)UII(DpT7wmT7HlS7p(Mr. Geradidi Yudhistor)�ņ

� 15.00 – 15.30 �ù 8 15.30 – 17.30 DxiÒ��Ū��apuHJċĈ$úĶ8wouQ;�ņ�ʼn § �¿#Dxi$ŤƵ3Brxc#Ĵ#Dxi 9 17.30 – 18.15 ��ĺ§�ÒĮ�)Ēğ(>sx�1 § 10 18.00 – 19.00 Îƭ § 11 19.30 – 22:30 åBrxc�$(]xa<guJÒ� § 8uVYH6(86u$Ūö(h:i�·�

Day Four: Monday, August 7th, 2017 1 06.00 – 07.00 Ĝƭ 2 07.30 – 12.00 ftbV9xrãƣƙƉťŷØ�Ūö(yº�Ɓ{Ų#�û § ÏÄ��ËĎ)Øņ15Vr�yű25Vr 3 12.00 – 13.00 ĕƭ § iuV9RUãƣƑ�(Ç�sJUpu 4 13.00 – 15.30 iuV9RUãƣ (Candi Mendut)#��(Ƃſ$ãŽÀ § ·�)drguwa;pX(Mr. Herman Felani)�ņ 5 15:30 – 17:00 iuV9RUãƣ�0ë�gq=ftƕ1Ƒ�,#\J#œ§ 6 17.30 – 1830 Îƭ�@iwVuQlu�ņìÄ § gq=ftƑ�(Ç�sJUpu 7 18.30 – 21.30 gq=ftƕ1#åBrxc®�#HnR`uB § 8uVYH6(Øņ�Brxc4qxV

Day Five: Tuesday, August 8th, 2017 1 07.00 – 08.00 Ĝƭ

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Day Six: Wednesday, August 9th, 2017 1 07.00 – 08.00 Ĝƭ 2 08.30 –0930 Ēğŝ$ƩÄƩŒÒØŝ#� '²ŋ��¶ŀİ1ŝ Ŵ§ P8XuBSxbr'" 3 10:00-12:45 gq=ftƕ1,#Vp8b��JrOußıŷØ(Ůƅ) Ēğŝ$Ʃ�ÒØŝ¸¹��ËĎ)15000r`6

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2335Ʒ Ij>rO�0GA874, ?rxPŰŖ874�#ŧŇ+�Ð��ńŎ į}ķ Day Seven: Thursday, August 10th, 2017

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CENA 夏季学校 日記 8 月 3 日 / 木曜日 /CENA School 1日目

執筆者:佐々木 柊子(聖心女子大学)

<チーム・サラク(Salak、地域特産の果実名):サラ Sarah( インドネシア・UII)、サム Samuel( ミャンマー・韓神大 )、かな Kana( 日本・聖公会大 )、ララ Lin Chien-Ju( 台湾・世新大 )、しゅうこ Shuko( 日本・聖心女子大 ) >

 東京からの出発当日。朝9時に羽田空港の国際線ターミナルにて聖心の学生のみで集合したのち、9時半に大橋先生と早稲田奉仕園、恵泉女学園大学の皆さんと合流した。ジョグジャカルタに到着したときに再度合流する話をしてから、所属団体ごとに分かれて移動。日本時間で 11時 45 分発のフライトのため、早めにチェックインカウンターと手荷物検査を通って、搭乗ゲート前の待合室で待った。 飛行機はガルーダ航空であったため、キャビンアテンダントの方もほとんどインドネシア人で、これからインドネシアに行くのだという実感がだんだんと湧いてきた。首都ジャカルタまで約 7時間のフライトと長く、機内も比較的空いていたので、これからに備えて席を移動して仮眠している人もいた。機内食は和食とインドネシア風のものの二種類が用意されていたらしいが、キャビンアテンダントの方によるとインドネシア風の料理がすべてなくなってしまったそうで、私たちは和食を選んだ。 現地時間 17時、ジャカルタ空港で飛行機を降りると、空気がそれまでとまったく変わっており、自分たちがインドネシアに来たのだと改めて感じた。清野さんが機内に忘れ物をしたために大橋先生が待つことになり、恵泉女学園大学の李先生について先に空港の中へ進んで、乗り換えのゲートに向かった。 このジャカルタ・スカルノハッタ国際空港は羽田空港に劣らず綺麗で、ターミナルビルの中には日本の丸亀製麺やペッパーランチ、さらにはスターバックスなども出店していた。ジョグジャカルタへの出発までは 1時間ほど間があったため、はぐれないようグループ行動をしながら周辺の土産物屋さんなどで時間を潰した。その後乗り換えてジョグジャカルタ行の飛行機に乗ったが、1時間ほどとあっという間であった。 地方都市であるジョグジャカルタ空港の雰囲気は、先ほどの首都のジャカルタ空港とはまた違ったもので、これからここで一週間過ごすのだという不安や緊張、高揚感などさまざまな感情が入り混じった。 預けた荷物を回収して空港の外に出ると、CENA 夏季学校主催者のジャティさんたちがバスを用意して待ってくれていたため、すぐに乗り込んで一時間弱かけて宿舎へと向かった。 夜の11時近くに宿舎に着いて女性用の大部屋に案内された。そこで日本人だけでなく各国の人々と同じ部屋で過ごすのだということを知って、またワクワク感と緊張を感じた。この日は一日移動で全員疲れたために、明日に向けて休息を取った。これから始まる CENAサマースクールがどのように行われるのか、不安と楽しみを胸に抱きながら眠った。

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朝食のナシゴレン(インドネシアの炒めごはん)

CENA 夏季学校 日記 8 月 4 日 / 金曜日 /CENA School 2 日目

執筆者:髙橋海奏(聖心女子大学大学院)

<チーム・マタハリ(Matahari、インドネシア語で太陽):Asrofi(インドネシア・UII)、Yu(台湾・世新大学)、Kim(韓国・韓神大)、高屋(日本・恵泉女学園大)、髙橋(日本・聖心女子大)>

 インドネシアのジョクジャカルタに昨晩到着し、初対面の参加者女性全員と雑魚寝だったが、ぐっすりと眠ることができた。今日から早速講義が始まる。 朝の 7:00 からの最初の朝食は、インドネシアの代表的な料理ナシゴレンだった(インドネシアの炒めご飯)。朝から少しだけヘビーな朝食ではあったが、味は素晴らしくペロリとたいらげてしまった。 8:00 からインドネシア・イスラーム大学(以下UII)に向かうためのバスに乗り、宿舎から約 30分かけてキャンパスに移動した。オープニングセレモニーでは、大橋先生からの CENAの内容説明に加えて、大橋先生と AMAN の Sabur さんとの長い交友関係からこのCENAの背景にあることについての話があった。この 2人の交友関係は参加者全員のお手本であり、今回の CENAに参加したメンバーからまた2人のような関係を築くことが重要であると感じた。続いて、韓国の民主化運動で有名な聖公会大学の Kim Donchoon 先生による基調講演が行われた。 9;30 から早速、韓国の韓神大学の Yi Kiho 先生と聖公会大学のフランシス先生、そしてインドのプレジデンシ―大学のサッティアブラット・シンハ先生からのレクチャーが行われた。ただ英語でのレクチャーに普段の日本での授業で慣れていないため、最初のレクチャーには英語を聞き取るのに精いっぱいだった。 午前のレクチャーが終わり、待ちに待った昼食時間が来た。今日の昼食には、私が大好きなインドネシアのアイスクリームがあった。ハーブの香りがほんのりしていくらでも食べられると思ったが、みんなのことを考えて 1つで我慢した。しかし、お腹を壊しているにもかかわらずアイスを一口食べてしまったUII のジャティ先生に食べかけを譲ってもらい、結果 2つも食べてしまった。 午後のレクチャーに向けて十分なエネルギーを蓄え、午後のセッションに移る。午後は、まず参加学生による期待表明をした後、UII のキャンパスツアーが行われた。大学図書館ビルの中に、大学のミュージアムがあり、そこでUII の学生から大学についての説明があった。 キャンパスツアーを終え、宿舎に戻る。宿舎に戻り少し休むと夕食が出てきた。昨日は夜遅くに到着しシャワーを浴びることができなかったため、早めに夕食を済ませて、シャワーを浴びた。学部生は初めてシャワーがないスタイル(大きな樽に水を溜めてその水を使うもの)だったらしく、シャワーの浴び方が分からず、トイレの横についているトイレ用の小さなシャワーで体を洗った、と聞いて絶句した。正しい使い方を彼女たちに伝えると、トイレ用のシャワーであるということに驚愕していた。

UII での集合写真

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 その夜にはキャンプファイヤーが行われ、今後の活動の軸となる小グループのメンバーが決まった。私のチームの名称は “ マタハリ ” と言いインドネシア語で “ 太陽 ” を意味する。メンバーはインドネシア人のアシュロフィーと、台湾からのユー、韓国のキムちゃん、そして日本からの私と高屋さん(恵泉)。今後このメンバーで、後日行われる出し物やアクティビティーをしていく。少し控えめなメンバーであるため心配だが、これも 1つの大きなチャンスだと思い、楽しもうと思う。グループが決まった後は、トウモロコシをキャンプファイアーの火でみんなで焼いて食べた。食べてばかりのような気がする…。 キャンプファイヤーが終わり寝室に戻ろうとしたら、現地の村人たちが集まり楽器の演奏会をしていたので踊りで参加した。その夜会は 24:00 近くまで行われ、疲れ果てた状態で寝室に戻った。戻った時にはみんなすでに寝ていて、私も静かに床についた。充実した 1日を過ごし、明日の朝食を楽しみにまた 1日がんばろうと思う。

CENA 夏季学校 日記 8 月 5 日 / 土曜日 /CENA School 3日目

執筆者:味志佑佳(聖心女子大学)

<チーム・ココナッツ:ゲラルディー(インドネシア・UII)、マーク(フィリピン・聖公会大)、ウェイ(台湾・世新大)、ちか(日本・恵泉女子大)、ゆか ( 日本・聖心女子大 ) >

 3日目は、1日中私たちの宿泊先であるDesa Wisata Kembang Arum (Kembang Arum Tourism Village ケンバング・アルム観光村 ) にて講義セッションと生徒によるプレゼンテーションが行われた。 午前中は、講義セッションで「平和構築と不安定の挑戦:南北アジアを例に」が3名の教授によって行われた。台湾の世新大学チェン・シンシン教授 (Prof. Hsin-Hsing Chen) は、東シナ海の領有権を主張する中国と台湾及び近隣国との領海の問題や中国とインドの間の領土問題を巡り、アジア諸国間の関係性の悪化を述べた。また、台湾という民族国家でもない存在の不安定さについて訴えた。日本の恵泉女学園大学の李泳采教授 (Prof. Yi Young-che) は、日本の大学における平和教育の現状と課題について、恵泉女学園大学の事例を用いて説明した。彼によれば日韓関係には、3つの転換期がある。最初は 45年8月の日本の植民地から独立、次は 65年の日韓国交正常化、そして 98年の日韓パートナーシップ宣言である。タイにある AMANのソブール氏 (Mr. Sabur) は、南アジアの7カ国について、貧困の面から紛争に至るまで幅広いお話をされた。私たち日本人では考えられない、中学生にも満たない女の子たちが売春を強いられる環境にあること。そして難民問題の発生する現状のお話や、人間は国民・国家の分け方をするのか 、自分たちの国だけを守ろうとするのか、法律は正義なのか、という話を聞いた。 次の学生セッションでは、韓国大学校のイ教授 (Prof. Yi Ki-Ho) が司会を務め、グローバル化・民族主義・地域主義(Globalization, Nationalism, and Localism)をテーマに、ネパールのアモーシュ(Amosh、韓神大学校 ) が自国の「家庭内暴力」として特に男性による暴力を、ミャンマーのサミュエル(Samuel、韓神大学校)の「宗教的過激主義」による仏教僧による過激な言動を、韓国のヒージョン (Kim Hee Jong、聖公会大学校 ) による「タイのNGOと活動家訪問報告」がなされた。午後1時半頃からは、引き続きイ教授の司会のもと、学生による「軍国主義、暴力、平和構築」というテーマでのプレゼンテーションが行われた。日本のチームは、「憲法第9条問題」についてのプレゼンテーションを行った。憲法第9条改正について、憲法9条を持つ平和国家としての日本の在り方ついて、軍事力と自衛隊の違いについて話し合った。その他のアジアの学生も非常に関心を示しており、なぜ安倍政権は憲法を改正するのかという疑問が示された。また、憲法9条改正後の日本のアジア内での立ち位置は非常に難しいところである。

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 続く、世新大学(台湾)学生のプレゼンテーションは、地元の少数民族の事を語った「タロコ ( 太魯閣 ) の涙」であった。 休憩をはさみ、本日3回目のセッションは、文化と宗教における統一と多様化(Unification and Diversity in Cultures and Religions)というタイトルで、まずソ・ユギョン (Seo Yoo Kyeong、韓神大学校 ) が「朝鮮半島の南北問題」を、最後に UII の学生たちにおる「インドネシア紹介」が行われた。インドネシアの文化と宗教は切り離すことのできないものだと感じた。  夕食は、インドネシアの伝統料理をいただき、その後、明日に発表するであろう7つのグループごとのパフォーマンスの練習時間が設けられた。私たちココナッツチームは、国際色豊かなものにしようと、2カ国のもの(インドネシアと日本)を取り入れることにした。インドネシアの伝統ダンス、ケチャ(通称:モンキーダンス)と日本の「上を向いて歩こう」(英:sukiyaki)に決定した。他のグループも各々のパフォーマンスを熱心に練習し、夜遅くまで話し合っている姿が見受けられた。明日のパフォーマンスがますます待ち遠しい。

CENA 夏季学校 日記 8 月 6 日 / 日曜日 /CENA School 4日目

執筆者 : 制野涼子(聖心女子大学)

<チーム・JINKS(メンバーの出身国の頭文字):Derina(インドネシア・UII)、Kamala(ネパール・聖公会大)、Amosh(ネパール・韓神大)、シネ(韓国・韓神大)・内藤真(日本・奉仕園)、制野涼子(日本・聖心女子大)>

 朝方の冷たい空気に目が覚めた後、7時 30分頃に朝ごはんを食べた。私はミャンマー出身のサムとお互いの国についてお話ししながらゆったり過ごして、8時過ぎに宿のすぐ下の駐車場に集合した。 この日は広島に原爆落ちた日本の歴史的な日でもあり、最初に参加者みんなで黙祷した。 その後宿の周りの道を歩きながら、チームごとにごみ拾いした。ポイ捨てされた不燃ゴミや川では雑草取りをした。それからグループごとに様々な果物の植樹をした。野外での活動でもあり、暑くて喉もカラカラになって来た頃に生のココナッツを割ったココナッツウォーターを振舞ってくれた。みんなで大きなココナッツをシェアして飲み

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終わったところで、ココナッツを半分に割り、中の果肉を食べた。初めて生のココナッツを食べたので凄く不思議だったけれど、凄くミルキーな味わいでとても美味しかった。 ランチタイムを挟んで、日本のチームはこの日の夜にパフォーマンスするための PPAP とブンガワンソロの歌の練習をした。  ランチタイムが終わり、午後は泊まっている施設のマネージャーさんと Salak の加工会社の社長さんのお話を聞かせていただいた。社会貢献をしながら自然とともに様々な活動をしているという貴重なお話を聞けて、さらにこの施設でサマースクールが出来たことを嬉しく思った。  ブレイクタイムでインドネシアのスナックを食べてから、その後の川遊びに備えて濡れても大丈夫な格好に着替えた。まず川で小さな魚を放流した。そしてその後は、初めのアイスブレーキングとして身体を使ったゲームを外部リーダーの方とともに行なった。頭と身体を使い参加者のみんなと触れ合う事で、もっと近くなれた気がした。レクの1つに川渡りがあった。水に落ちるのが怖かったけれど挑戦してみると凄く楽しかった。

 

 夕食は、大橋先生が準備していた日本のカレーを振る舞うために準備をした。火の火力がだいぶ弱く少し時間がかかった。作っている間も他の国の参加者が日本のカレーを不思議そうに見に来たり、質問しに来たりして、なんだか日本の味を他の国の人に食べて貰えることが凄く嬉しいなとおもった。白米はなかったが、日本風のカレーと米粉を蒸したものとインドネシアのサテーの夕食を食べることが出来て、食の中で日本とインドネシアの交流を感じることが出来た。日本のカレーの味を初めて知った参加者の人々が「美味しい」と喜んで何度もお代わりしてくれている様子を見て、私はまたとても嬉しくなった。  夕食後の夜には、2日前から小さなグループに分かれて、それぞれが出し物を準備して来たものの発表だった。また国ごとの出し物があったため、日本の伝統的な着物の1つである浴衣に着替えた。チームごとに最後の練習を終え、いよいよパフォーマンスの時間が始まった。司会は聖心のみうむさんとインドネシアのイアンが務めた。会の始めに、今回の CENAの取りまとめをしてくださったUII のジャティ先生を筆頭に、みんなでチキンダンスをした。リズムに合わせながら大きな1つの輪の中でみんなが同じダンスをし、とても盛り上がった。 それから各グループのオリジナルパフォーマンスがあった。司会者が順番決めをして、私のチームは 5番目だった。練習時間は十分とは言えなかったので、いざ本番となるととても緊張したが、それ以上にネパールのダンスを音楽にあわせて楽しみながら踊ることができた。  各グループのパフォーマンスを終えると、次は国ごとのパフォーマンスがあった。日本からはPPAP とブンガワンソロの歌の発表だった。PPAP はやはり他国でも有名だったらしく、とても盛り上がった。出身国が同じ参加者が少ない国や一人の国もあったが、みんなそれぞれ自分の国らしさを表現するためにダンスを披露したり、歌を披露したりととても楽しい会になった。 最後には早稲田奉仕園の片岡平和さんと韓国のイ・キホ先生から、パフォーマンスのランキング発表があった。3位は、私達のネパールダンスを発表したチーム JINKS だった。2位はサラクというフルーツを用いた劇をした Sara チーム、そして 1位は会を盛大に盛り上げてくれた司会の 2人に贈られた。十分な練習時間がない中、チームごとそして国ごとにそれぞれ協力し、楽しみながら

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行ったこの日の夜のパフォーマンスはとても思い出深いものになった。  10 時過ぎに会が終了し、皆とても疲れている様子だった。会の終了後には、グループごとに写真を撮ったりして 3日目ながらも絆を深められ、とても充実した濃い 1日を過ごすことができた。

CENA 夏季学校 日記 8 月7日 / 月曜日 /CENA School 5日目

執筆者:藤原 楓(聖心女子大学)

<チーム・加油 ( ヂャイオー、中国語でがんばれ! ):ティティン Titin( インドネシア・韓神大 )、ベティ Betty( 台湾・世新大 )、ヒョンビンHyunbin( 韓国・韓神大 )、ももこ ( 日本・恵泉女学園大 )、かえで(日本・聖心女子大 ) >

 この日の朝食もインドネシアの郷土料理であった。きれいにお皿に盛り付けられており、味も見た目もとても楽しめた。この日は、世界遺産であるボロブドゥール遺跡やジョグジャカルタの繁華街であるマリオボロなど複数の観光地を訪れる予定であったため、朝の集合時間は 7時半と早めである。昨日のレクリエーションで分かれた3つのグループでそれぞれバスに乗り、ボロブドゥール遺跡へと向かう。 ボロブドゥール遺跡は、とても大規模な仏教遺跡であり、1991 年にユネスコの世界遺産に登録されている。8世紀ごろボロブドゥールが位置するこの地には、仏教国であるシャイレーンドラ朝が栄えておりボロブドゥール遺跡を建造したが、のちにシャイレーンドラ朝は衰退し、仏教勢力もヒンドゥー教、イスラム教に押しやられてしまった。その後ボロブドゥール遺跡周辺は土に覆われてしまい、1814 年にラッフルズによって発見されたそうだ。土に覆われた理由としては、火山の降灰による説と、イスラム教徒によるボロブドゥール遺跡の破壊を恐れて人々が埋めた説のふたつがある。 一時間ほどバスに揺られてボロブドゥール遺跡に到着した。バスを降りた瞬間、土産物や日傘を売る現地の人々に囲まれた。また、インドネシアの学生が「観光客は高く買わせられてしまうから、何かほしいものがあったら言って」といってくれたやさしさがとても印象に残っている。 ボロブドゥール遺跡の入場料は、学生が15ドル、一般が25ドルであった。入場には、金属探知ゲートをくぐり、ハーフパンツを履いている人は布で足を覆う必要があった。入場してから、10分ほど公園内を歩いたところでボロブドゥール遺跡が見えてきた。公園内のアンブレラストリートで、空中に浮かんでいる色とりどりの傘は、とても綺麗に青空に映えていた。 ボロブドゥール遺跡の壁面には、レリーフが彫られており仏教説話を読み取ることができる。またところどころ仏像の顔や手がないのは、地震で倒壊して散逸したり盗まれてしまったからだそうだ。石の階段を上っていくと、多数の小ストゥーパ、中央にそびえる大ストゥーパが見えてくる。ストゥーパとは、元々は仏舎利を安置していた仏塔のことである。数多くのストゥーパはとても圧

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巻であり、頂上部から眺める景色は周辺の山々見渡すことができて絶景であった。私たちはストゥーパの内部に置かれている仏像をまねて写真を撮ったりして、ボロブドウール遺跡を満喫した。また、この日はとても暑く、残念なことに聖心女子大から参加の学生が一人、体調不良となってしまった。 昼食は近くの池を囲むレストランで4つのテーブルに分かれてとり、各テーブルおしゃべりをしながら料理を楽しんだ。魚料理がとてもスパイシーでおいしく、印象に残っている。 午後は程近いムンドゥット寺院を訪れ、そこの僧侶の話を聞いた。仏教の教えの欲についての話でとても貴重な経験となった。講話のあとは、寺院を散策した。こちらも壁面のレリーフがとても細かく美しかった。また、ここではとても大きなガジュマルの木があり、その木の壮大さにも感動した。 15時 30分過ぎから、一時間ほどバスへ移動し 17時前にジョグジャカルタ市の繁華街であるマリオボロ通り近くのレストランに到着した。ここでは、ムスリムの伝統的食事方法の、右手で食事をすることを体験できた。このレストランでは、子猫が 3,4匹おり足元を歩き回っていたり、ふと上を見上げるとヤモリが天井を這っていたり、と日本のレストランでは味わえないようなことを経験した。 マリオボロは、ジョグジャカルタの有名なショッピングストリートである。7つに分かれた小グループ単位で行動したが、各グループに必ず一人インドネシア人の学生が配置されていたので、夜でも安心して買い物することができた。 歩いていると、ネオンが光り輝き、音楽が聞こえてくる。マリオボロストリートでは、屋台、市場、薬局、ホテル、コンビニ、ラルフローレンやスターバックスまでもが隙間なく並んでいた。露店では、バティックの洋服や、I ♡ YOGJA と書かれた Tシャツやトートバックが多く置かれ、レジャーシートが歩道に敷かれた簡易食堂では親子が食事をしている姿がみられる。散策は小グループであったので、グループのメンバーの服を一緒に選んだり、家族や将来のことをじっくり話しながら買い物を楽しんだ。 宿泊の村には 21時 30分ごろ到着した。暑さと疲れでへとへとであったため、とてもよく眠ることができた。

ボロブドゥール遺跡にて

CENA 夏季学校 日記 8 月8日 / 火曜日 /CENA School 6日目

執筆者:中村綾香(聖心女子大学)

〈チーム・コルボ(毎食食べたインドネシアのせんべい):Sarah(インドネシア・UII)、Yookyeong(韓国・韓神大)、Jeff(台湾・世新大)、Juhee(韓国・聖公会大)、Orion(日本・奉仕園)、Ayaka(日本・聖心女子大)〉

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 前日までにクラスセッションを全て終えていたので、この日は朝からそれぞれの小さいグループに分かれ、良かった点、悪かった点や改善点について分かち合いを行った。私のグループでは、様々な文化・宗教・伝統を学ぶことができたこと、国際的に繋がることができたこと、現地の方々の生活を体験できたこと、チームのプレゼンが楽しくできたことなどの良い点があげられた。一方で、学生・先生方のプレゼンが時間内に終わらなかったこと(タイムスケジュール通りにならなかった)、もっと地元の人と触れ合う機会がほしかったこと、エコやリサイクルを意識した環境に良い生活ができなかったことなどの悪い点があげられた。 その後全体で集合して、インドの Satya( シャティア ) 先生の司会でチームごとにそうした意見の発表を行った。他のチームでは、若い世代が平和構築に向けてお互いに話し合うことができたこと、お互いの文化を学ぶ機会ができたこと、先生・学生に質問を沢山できたこと、などがあげられた。一方で、地元の人のお手伝いができなかったこと、取り上げられた課題に対して事前に勉強をするべきであった、などの点も挙げられた。改善点および目標として、自分の国に帰ってからも、CENAでの生活・学びを忘れずにこれからに繋げていくことが大事であると分かち合った。 その後大橋先生をはじめ、Chen Hsin-Hsing( チェン ) 先生(世新大学)、Yi-Kiho 先生(韓神大学)、Jati 先生(UII)など CENAに協力してくださった先生方から、コメントをいただいた。先生方は「この学びをどのように生かしていくか、何をしていくべきであるのか」を重点的に話してくださった。続く閉会式は、UII の心理・社会文化科学学部の学部長先生のご挨拶と、CENA の校長先生である大橋先生の挨拶で、手短に終了した。 昼食をみんなでとることが最後であることから、教室の隣の広場で会話を楽しみながら食べた。また昼食後は、次のアクティビティまで時間があったことから、その時間で浴衣を着させたり、ヒジャブをつけさせてもらったりと楽しい時間を過ごすことができた。それとともに、文化交流を改めて感じた。(*ヒジャブ:イスラム法で規定されている女子の服装、身内以外の男性がいる前ではとってはいけない、髪の毛は魅せるものとして認知されているため、隠さねばならない)

 

 午後はジョグジャカルタ市の繁華街にあるスルタン宮殿に出て、観光のはずであったが、午後 2時に閉まってしまったため、急遽近くの目抜き街のマリオボロ通りにあるオランダが作ったフレデルグ (Vredeburg) 要塞にあるインドネシアの歴史博物館に行き先を変更した。この博物館ではオランダから占領されていた時代、日本から占領された時代の歴史的背景を描いた沢山のジオラマを軸に、ガイドさんの話から学ぶことができた。インドネシアはオランダから植民地支配され、過酷な搾取と愚民化政策の下で、初等教育や産業の制限などがあった。その後、大東亜戦争により天然資源が必要になった日本軍がインドネシアを占領した。日本はインドネシアの人々を軍隊化しようと武器を持たせた。このようにオランダ・日本から植民地化されていたにも関わらず、民族運動・独立運動をすることによって、自分たちの国を守ろうとする信念・努力を見ることができた。また、そのような歴史があるからこそ、これからどのようにして平和構築に向けていくかが大事であることを同時に学ぶことができた。

韓神大学の Abeni と Yookyeong に浴衣を着つけたところ UII の Derina と Sarah にヒジャブを借りたところ

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 博物館見学後は、1時間半ほど自由な時間が与えられ、追加の買い物あるいは休憩時間となった。 そこからバスに乗車して、1時間ほど東に向かったところの地元レストランで夕食を取った。夕食はインドネシア料理をとった。そして、テーブルで一緒になったメンバーと共に会話を楽しんだ。また、バスの中で大橋先生からラーマヤナの劇を見行くために、そのストーリーの簡単なお話を聞くことができた。 ラーマヤナの屋外劇場はとても広く、翌日見学予定のヒンドゥー教のプランバナン寺院を背景にした舞台であったため迫力があった。学生は上の階から観覧し、先生方はVIP席の真ん中から観覧をしていた。遠くから見ても、劇中の華麗な踊りと装飾、独特な音楽を聴くことができた。事前にお話を聞いていたことから、劇中の内容を理解することができると共に、迫力のある劇を堪能することができた。一方で、劇中の内容が分からなかった CENA の学生に英語で説明し、理解してもらうように頑張った。劇が終わると、舞台に上がり、写真を撮る時間が与えられえた。キャストと写真を撮ったり、舞台を自由に見たり、それぞれ楽しむことができた。 劇が終わると同時に台湾からの学生たちとのお別れの時間になった。みんな涙を流しながらも、笑顔で最後の会話をし、別れを惜しんでいた。あっという間の CENA夏季学校での生活も、もうすぐ終わってしまうのかと心細い気持ちになった。 夜の 11時頃に宿舎に帰ると、地元の人々が音楽を奏でて迎えてくれた。伝統的な楽器と独特な音色は特別なものであった。私たちが過ごす最後の夜であったことから、歌・ダンス・談笑を遅くまで楽しむことができた。明日になることが寂しく、悲しくなった。

CENA 夏季学校 日記 8 月 9 日 / 水曜日 /CENA School 最終日&帰国

執筆者:髙橋海奏(聖心女子大学大学院)

<チーム・マタハリ(Matahari、インドネシア語で太陽):Asrofi(インドネシア・UII)、Yu(台湾・世新大学)、Kim(韓国・韓神大)、高屋(日本・恵泉女学園大)、髙橋(日本・聖心女子大)>

 現地の最終日、朝から日本組と韓国の韓神大学のメンバー以外がどんどん宿舎を離れていく。朝から別れが続き本当に悲しい。これからも連絡を取り続けようと約束を交わし一時の別れを告げた。 朝の出国組を見送ってから、韓神大学と日本組(聖心、恵泉、早稲田奉仕園)は、それぞれ分かれて、最後の反省会を行った。反省の具体的な例としては、体調を崩したなど自己管理ができていなかったことや英語への課題など個人レベルの反省から、今回の CENAスクールのプログラムの組み方についてなど幅広い意見が出された。 その後荷物をまとめ、関係者と別れを惜しんで宿舎を 10時に出て、私たち日本組と韓国の韓神大学組がUII のバスに乗りこみ、まずジョグジャカルタ市繁華街にある、昨日は入れなかったスルタン王宮に向かった。スルタンとは、イスラム王朝の君主が用いていたアラビア語の称号であり、1755 年にオランダの介入を受けて誕生したジョグジャカルタ王国の国王で、その 9世が独立運動に協力したことから、例外的にスルタンが代々ジョグジャカルタ特別州の知事を務めている。入場料を払って王宮に入ると、すぐインドネシア伝統の人形劇が行われたおり、鑑賞した。しかし、インドネシア語であったため内容は全く分からなかった。王宮の中にはバティックの展示があり、お庭もとてもきれいに整備されていた。聖心の学部生の制野涼子と一緒に、LINE とインスタグラム

ラーマヤナの劇、上の階から撮影

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用の写真を何枚も撮ったほど、写真スポットが多くあった。 王宮を出た後は、昨晩の劇で見たプランバナンへとバスで向かった。この移動の途中では宿舎の人が準備してくれた弁当が振舞われた。 ボロブドールと同じ学生 15ドル、一般 25ドルの入場料を払って、プランバナンに入場。ここは、サンジャヤ王朝のバリトゥン王(在位 898 年~ 910 年)による建立と推測されているロロ・ジョングラン寺院と中心に5キロ四方にわたって、いくつもの遺跡があるヒンドゥー教の寺院群である。中心寺院の東側には三大神の一つのシヴァ神、南側にはそのシヴァの師であるアガスティア、西側には息子のガネーシャ、北側には配偶者のドゥルガが祀られている。中心にあるロロ・ジョングラン寺院には、前の晩に鑑賞したラーマナヤの物語の幾つかのシーンが手彫りの壁画にあった。その物語を鑑賞した後に壁画を見たため、歴史の重みを感じた。敷地がとても広く、日陰もあまりないので熱中症に十分注意を払い見回った。どの寺院もとても美しく、とても大きかった。しかし、この日は風も強く砂嵐のようになる瞬間もあった。このため全身に砂がかかり、そのあとに飛行機に乗るのに憂鬱になった。 プランバナンでの最後の観光視察を終えて、空港へ向かう。ついに韓国のメンバーともお別れだ…。空港で最後に一緒に観光したメンバー一人ひとりとハグをした。泣かないと決めたのに涙が溢れた。  日本人だけとなってしまい、ジョグジャカルタから国内線でジャカルタに移動した。ジョグジャカルタからジャカルタからは約 1時間半の飛行時間だった。ジャカルタに着いてからは、最後のショッピング時間となり出国手続きをする前にいくつかの店頭を見たが、そこでは買わず手続きをしてから中でショッピングをする者と、奉仕園の 3人と聖心の 5人でお疲れ様会をするメンバーと買い物組とに分かれた。お疲れ様会のメンバーは搭乗ゲート近くのカフェ&レストランで祝杯を挙げていた。一方の買い物組は税関のゲートの手前にあったバティックのお店や好みのお土産屋さんが搭乗エリアにないことが判明し、インドネシアの締めの買い物においては不満足な結果となってしまった。また、インドネシアに来てリベンジしたいと思う。 搭乗時間となり飛行機に乗り込んだ瞬間にほとんどの聖心のメンバーは爆睡していた。しかし、みんなが爆睡している中、院生の髙橋と学部生の制野は今回の CENAで撮った写真を見ながら遅くまで話し込んだ。写真 1枚 1枚に思い出があり帰国後も話のネタになりそうだ。やっと眠りについたと思ったら、すでに日本の上空付近まで飛行機は進んでいた。無事に全員羽田空港に帰国し現地解散し、それぞれの帰路についた。 たった一週間だったのに、ここまでの深い関係をたくさんの人と築くことができたのは今回のCENA のプログラムが充実していたからこそだと思う。今回のプログラムを作り充実した生活を提供してくれたすべての人に感謝したい。

プランバナンにて

スルタンの王宮にて

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各国の教授と学生によるプレゼンテーションの概要

Panel Session1 8 月 4 日

執筆者:中村綾香(聖心女子大)

タイトル「Uni-polar World and Emerging Challenges in North East and South East Asia:Nuclear Arms Race」発表者:Prof.Yi-Kiho(韓国・韓神大学)

 インドネシア・イスラム大学(UII)にて最初のセッションは韓国(韓神大学)からいらしたYi-Kiho 先生が担当した。Kiho 先生からアメリカによるアジアの平和構築に向けた政策と第二次世界大戦および独立戦争について、重点的にお話をしてくださった。 アジアの戦争とその平和構築に関して、1949 年の中国と台湾における対立、1950 年の朝鮮戦争における北と南の対立、1951 年の日本のサンフランシスコ平和条約における憲法 9条、1955年のアジア・アフリカのバンドン会議、そして最後に 1967 年の ASEAN があげられた。これらを踏まえ、Koho 先生は「アジアは冷戦というシステムにより、分断されたのではないか」と述べている。また、1989 年米ソ冷戦は終結をしたが、台湾・韓国などアジアの冷戦はまだ終結をしていない。これはヨーロッパ、米国の戦争が終わったとしても、アジアにおける戦争は終わっていないことを意味している。また、核を保有している国としてロシア、米国などの具体例などがあげられた。一方で非核兵器地帯の国はアフリカ、南米に多く、また南アジアでも見受けられえる。このように軍・武装兵力・核を保有している国は多く、平和構築に向けて問題視されている。そして、平和構築に向けて国ではなく、国民の視点からアジアを形成していくことが課題とされている。

Panel Session2 8 月 4 日

執筆者:藤原 楓(聖心女子大)

タイトル「Vision, Challenges and Opportunities for linking Peoples Movements and Experiences」 発表者 Prof. Francis D. Lee( 世新大学 )

 台湾の Francis D.Lee 先生からは、アジアにおける冷戦の影響や、独立戦争、テロリズムについての講義があった。 フランシス先生は、アジア各国のローカルな問題が、戦争問題に進展していくと述べていた。また、アジア各国はソ連とアメリカの冷戦の影響を受けており、アジアでの冷戦は終わっていないという。テロリズムにおいては、宗教的なものが多いため、差別問題に声を上げて取り上げていくことが重要であると主張していた。 先生は、ローカルな人々の経験や主張が平和構築につながっていくと考えている。

Student Session 8 月 4 日

執筆者:中村綾香(聖心女子大)

 このセッションでは各国の生徒が互いを知るために自己紹介にあてられた。はじめに、大学の代表者がマイクを回し、自己紹介・CENA に参加したきっかけ・CENA に対する学びの期待などを話していった。日本組は早稲田奉仕園ならびに恵泉女学園、最後に聖心の一部生徒が紹介をしていった。周囲の学生は挨拶の時に大きな声で返事をしたりと、温かく迎えてくれた。

 自己紹介後、参加や全員がそれぞれ席を移動していき、個人で紹介をするアイスブレイクが設け

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られた。英語が聞き取れなくても、ゆっくり喋ってくれたり、紙面に書いて紹介してくれたりと、様々な工夫を凝らしながら、他の参加者に自己紹介をしていった。みんな最初は互いに緊張していたが、徐々に打ち解けていった。また、「これは日本語でなんて言うの?」などの日本に興味を持ってくれている学生も多く、話しやすい雰囲気を作ってくれた。

Class session1 8 月 5 日

執筆者:藤原 楓(聖心女子大)

タイトル「The Challenges of Peace Building and Insecurity: The Case in North and South Asia」発表者:Hsin-Hsing Chen 教授(世新大学)

 台湾の世新大学のHsin-Hsing Chen 先生からは、中国とインド、中国とフィリピンの間の領土や領海の領有権をめぐる争いや、台湾人のナショナリズムについて講義があった。CENA 夏季学校の開催国であるインドネシアで 1955 年に中国、インド、エジプト、インドネシアの首相が集まって行われたアジア・アフリカ会議 ( バンドン会議 ) をはじめとして、東シナ海を中心とする領土問題をめぐる関係悪化について述べていた。また、台湾のナショナリズムについては、台湾は中国の一部であるのか否かという論争はあるが、実際は中国と台湾の国民はお互いの国を行き来しあい、民間レベルでは良好であるといえるという。

Class session1 8 月 5 日

執筆者:藤原 楓(聖心女子大)

タイトル「The Challenges of Peace Building and Insecurity: The Case in North and South Asia」発表者:李泳采教授(恵泉女学園大学)

 恵泉女学園大学教授で韓国人の李泳采先生から、恵泉女学園大学の授業から見る日本の大学での平和学の現状について、講義があった。まず、李泳采先生は日韓関係には、①1945年 8月植民地からの独立、②1965年日韓国交正常化、③1998年日韓パートナーシップ宣言、という三つの転換期があると述べた。 また、恵泉女学園大学の一年生は、必修科目として生活園芸の授業が行われており、恵泉女学園の学生は、畑で一年間を通して数種類の野菜を育てることで「いのち」を育むことを学ぶという。他にも、恵泉女学園大学では、自分の足で現地を訪れて文化や歴史を学ぶフィールドスタディというプログラムが用意されており、学生は自らの目で直接その土地の文化を知ることができる。フィールドスタディについて紹介する動画には、学生が東アジアの辺境地を訪れる様子が映されていた。実際に赴いて東アジア各国の歴史や文化を理解する事で、お互いの国を尊重することができ、平和構築につながるという。

Class session1 8 月 5 日 執筆者:味志佑佳(聖心女子大)

タイトル「The Challenges of Peace Building and Insecurity: The Case in North and South Asia」発表者:ソブール氏(Mr. Abdus Sabour, AMAN)

 

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 タイにある AMANのソブール氏 (Mr. Sabur) から南アジアの7カ国について、貧困の面から紛争に至るまで幅広い話があった。私たち日本人では想像することのできない、中学生に上がる前の幼い女の子たちが売春を強いられる環境にあること。難民問題の発生する現状のお話や、人間は国民・国家といった分類の分け方をし、自分たちの都合のいいものにしていき、自分を正当化するということ。だから、法律は人間が作っているためすべて正しいということはできないと述べた。また、見えない対立と見える対立について独自の視点からの話があり、全員が暮らしやすくなる世界、平和を作ることは難しい、と述べた。

Students Presentation 1 8 月 5 日

執筆者:制野涼子(聖心女子大)

タイトル「Domestic Violence In Nepal」Amosh(韓国・韓神大)

 ネパールにおけるドメスティックバイオレンスについてのプレゼン。持続的な平和の実現には家庭内の暴力問題の解決が必要だという。ネパールの家庭内暴

力の一例として、女性が生理の時には家の中に入れないことや女性として生まれると学校に行くことがほとんどできない、そして結婚した後は家事・子育て・仕事はすべて女性だけの問題とされていて自由になることがない、というような問題を挙げた。世界的にみて、ネパールの出生率は良いが、とくに女性の就学率が悪いのは、先にあげたような家庭内の問題を他人に言えないからであると指摘した。(しかし、2014 年までのユニセフの統計で初等教育の就学率を見ると、男子 95%・女子94%とほぼ同じで、決して低い数値ではないことが分かる。) 子どもに対して DVの意識を変えさせようとする教育はあるが、一番の DVの原因となる親(特に父親)に向けた意識を変化させるようなプログラムはないという。ネパールの人々は、自分たち一人一人がどんな人権を持っているのかを理解していないことが大きな問題だと主張した。 *ユニセフの世界的統計と発表者のネパールの事情について、信憑性が疑われる部分もあるが、発表者のネパールで過ごした幼少期の時代を交えたであろう彼自身のドメスティックバイオレンスについてのプレゼンだった。

Students Presentation 1 8 月 5 日

執筆者:佐々木 柊子 ( 聖心女子大 )

タイトル「ミャンマーにおける仏教の原理主義者」発表者:Ro Samuel Hlut Puia( ミャンマー、韓神大 )

 仏教はミャンマーで約 2000 年前に始まった。現在は仏教大国であり、人口の89パーセントが仏教徒である。仏教の教えは忍耐と非暴力であるはずなのに、

現代のミャンマーでは仏教徒集団がイスラム教徒を襲い、死者が出るという事件が起こっている。それはミャンマーのビンラディンと呼ばれる仏教指導者のウィトラー氏が、969 運動と呼ばれるものを始めたのがきっかけである。彼は「これ以上ムスリムが増えればこの国は乗っ取られる」と言って、ムスリムをはじめとした仏教徒以外の人間を排除しようとしている。このようにミャンマーにおいて仏教の原理主義者の台頭は、非常に大きな問題である。

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Students Presentation 2 8 月 5 日

執筆者:中村綾香(聖心女子大)

タイトル「憲法 9条」  プレゼンテーションのスライドは 23ページより発表者:日本チーム(聖心女子大・綾香、佳奈絵、奉仕園・和利音、恵泉・千佳)

タイトル「鉱山開発問題」発表者:台湾チーム(Jeff ほか、世新大学 )

タイトル「韓国、北朝鮮との歴史的背景から現代問題」発表者:Yookyeong(韓国・韓神大学)

 午前に引き続き、各国の学生から今回の CENA夏季学校のテーマに関して、どのような社会問題が自国の中で起こっているのかについて、プレゼンテーションがあった。日本人グループからは、憲法第 9条についての発表をした。憲法 9条に対しての基本的な質問や自衛隊と軍隊の違いについてなどの質問が多く、英語での質疑応答で焦ったが無事に終えることができた。続いて、台湾の学生が自然を破壊し、汚染問題があるにも関わらず、鉱山開発をし続けるアジアセメントの会長について紹介をした。先住民の土地が不法にとられたことに対し、会長が先住民の意見を無視し、開発を続けていた話や先住民の耕作権も取られ、デモや抗議が起こっている状態が続いていると述べた。最後に韓国の学生から、韓国と北朝鮮の問題について発表があった。韓国は米国が、北朝鮮はソ連が肩を持ち、対立をしてきた。発表者のユギョンは自身のコメントとして「私はこの状況を変えるべきであると思う。そして、アメリカ、ロシアから本格的な独立をして、強くなることが一番大事なことでる」と述べていた。

Students Presentation 2 8 月 5 日

執筆者:味志佑佳(聖心女子大)

タイトル:Militarism in North Korea 発表者:セオ・ヨキョング Seo Yookyeong(韓国・韓神大)

 朝鮮半島の南北問題をとりあげ、歴史的な観点と現状についての話があった。朝鮮戦争を休戦にするための北緯 38度線での分割占領のことや韓国にはアメリ

カ、北朝鮮には中国・ロシアが援助をしているため、韓国だけの問題ではなくバックについている国の関係から国際問題となっているという話があった。北の社会主義、南の資本主義という社会体制の大きな差が形成されており、今もなお両国間では問題を抱えている。北朝鮮は 1960 年以降、新しい核ミサイル技術を外国から学んでいる。そのため、飛距離や高度など精度も年々高くなっている。近隣国付近の領海へ核ミサイル打ち上げを行っているため、アメリカとの関係性について懸念されている。

Students Presentation 3 8 月 5 日

執筆者:味志佑佳(聖心女子大)

タイトル「インドネシアについて」発表者:インドネシアチーム(UII の学生)

 このセッションでは、インドネシアの学生による「インドネシア」について紹介があった。インドネシアの基本的な概要と人々の調和のとり方について。また、

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様々な民族が住む国インドネシアには6つの宗教があるが(イスラム教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、ヒンズー教、仏教、儒教)ほとんどはアメリカ式(食事や服装ジーンズや Tシャツなど)と変わらない生活習慣を送っていると述べた。また、彼らの文化は宗教に基づいているものが多く、インドネシアの文化と宗教は切り離すことのできないものと述べていた。

Class Session 2 8 月 6 日

執筆者:佐々木 柊子 ( 聖心女子大 )

タイトル「包括的な社会構築におけるムハマディアの役割」発表者:Syafiq A.Mughni( ムハマディアのトップ )

 20 世紀初期、インドネシアはオランダ統治により貧困やキリスト教化の強制に苦しめられていた。このような状況の中、1912 年に Ahmad Dahran によって

新しいイスラム教派のムハマディアが生まれた。ムハマディアはコーランと慣習を基本にしながらも、現代社会の状況によってコーランを解釈すべきと主張している。現在、インドネシアにはムハマディアの教育機関が多く建てられており、例えば小学校が約 4600、大学が 47ある。これらの教育機関はムハマディアの人々でなくても入学することができ、学習においてもイスラム教だけでなくキリスト教などについても学ぶという。さらに病院やモスクといった施設もすでにある。ムハマディアは節度を守ること、包括的であること、またテクノロジーを用いることを主な考えとしながら、経済問題や貧困問題、政治問題などに取り組んでいる。

Our Vision toward a Shared Future 8 月 8 日

執筆者:中村綾香(聖心女子大)

 全てのクラスセッションを終え、小さいグループでの分かち合いを行った。はじめに、30分ほどグループで良かった点、悪かった点や改善点を挙げて話し合った。

  小グループでの話し合いの後、グループごとにマイクを回し、学生全員と共有をした。中でも、「もっと地元の方々との交流を持つべきであった」「各国のプ

レゼンや先生が話してくださった内容に関して、もっと勉強してからお話しを聞きたかった」などの点も挙げられた一方で、「互いに交流することにより、自分の文化を伝えることもできたが、その分、周囲の文化・伝統・宗教の価値化やあり方を学ぶことができた」「小グループで分かれることにより、濃いコミュニケーションを取ることができた」などの良い点も挙がった。 先生方からは「この出会いと学びをどのように生かしていくか、自分の知識や能力にしてくか、がこれからの課題であり、関係を続けていくことが大事である」とお話しして下さった。

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17/09/07

1

VoicesFromJapan

OnamendmenttoAr,cle9oftheJapaneseCons,tu,on

1.  TheamendmentPlanofLDP/PMAbeto

Ar,cle9oftheJapaneseCons,tu,on

2.JapaneseEconomicPolicy(Abenomics)

3.JapaneseODAPolicy

4.Bi-lateralrela,onsbetweenJapanand

otherEastAsiancountries

Topicsthatwechoseforthispresenta,on:

日本のプレゼンテーション

「日本の声 〜憲法 9 条改正問題について」

24

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Topic:AmendmentPlanofLDP/PMAbetoAr,cle9oftheJapanesecons,tu,on�1.  SummaryoftheSelf-DefenseForces2.  HistoricalBackgroundofAr,cle93.RecentdiscussionsforamendmenttoAr,cle94.JapanesePublicOpinionontheamendment

ThisPresenta3on’soutline�

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WhatisJapanSelf-DefenseForces?�

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¡1950)~9o/�����GHQ�f&� l�WM+���UX����}}}f&� l�GHQ���� $a������@^UX�In1950,Atthe,meofKoreanWar,GHQorganizedNa,onalPoliceReserveasthePrimeMinister'soffice.ThemilitantthattheNa,onalPoliceReserve}wasmadebyPotsdamDeclara,onofGHQ.¡1954)[]lF�7\��~kIR�[]l�.S���JapanSelf-DefenseForcesLawwasenforcedin1954andJapanSelf-DefenseForcesofland,seaandairwereformed.¡L�~[]l�8:�(��KS�!�~��"������8:�j]�����������~,_�-�~���Q*�V2����TheSelf-DefenseForcesprotectpeaceandindependenceofJapan.AndItisadutytododefenseofJapaninordertokeeponsecurity.AsneedItmaintainsthepublicorder.¡����4����J%Hi�PKO�Hi����m(���G���>O��1��Ontheotherhands,Itisdisasterdispatchsuchasthelifesaving.AndJapanSelf-DefenseForcestakethedu,essuchastheinterna,onalpeacecoopera,onac,vity(dispatchtoPKO)����

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justice and order, the Japanese people forever renounce war as a

sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of

settling international disputes.�

(2) In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land,

sea, and air forces, as well as other war potential, will never be

maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.�

Ar3cle9oftheJapaneseCons3tu3on�

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WhatisAr,cle9oftheJapaneseCons,tu,on?�

-  TheCons,tu,oncameintoeffectonMay3,1947,followingWorldWarII.

-  Initstext,Japan,asastate,formallyrenouncesthesovereignrightofbelligerencyandaimsataninterna,onalpeacebasedonjus,ceandorder.

-  Thear,clealsostatesthat,toaccomplishtheseaims,armedforceswithwarpoten,alwillnotbemaintained.

|Ar,cle9isthesymbolofthe“PeaceCons,tu,on”

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1: Renunciation of war �

2: Renunciation of military forces�

3: Denying the right of belligerency

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Ar,cle9isoneofthemostimportantprinciplefortheJapanesePacifism.Thereare3essen,alpointsinthisAr,cle:�

RecentlyLDPintendstoamendAr3cle9�

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In2017,onMay3,Cons,tu,onMemorialDay,pJapanesePrimeMinisterShinzoAbesentamessageinfavorofCons,tu,onalamendment.Mr.Abehopedtoreviseitverysoonandadministertheamendedar,clebytheTokyoOlympics/Paralympicsin2020.(ReportedbyMainichiShimbun).

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LDP’sdraAfornewamendmentplan�

-  In2012,LDPunveileditsnewcons,tu,onplan,

amendingthear,cle9.

-  “Na,onalDefenseMilitaryshallberetainedwiththe

PrimeMinisterasthesupremecommander.”

-  LDP’splantochangeSelf-DefenseForcetoNa,onal

DefenseMilitaryisveryconserva,veone,aimingto

makethepresentForcesasaformalmilitarypower.

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JapanesePublicOpinionontheamendment�

Roughlythesearethreeopinions:A:Totallyrenouncewar,militaryforces,etc.

B:Maintaintheactualstatus

C:MilitarizetheState(ModifySelf-DefenceArmy

toNa,onalArmy)

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Publicopinionsurveybynewspapers.�

ResearchedbyYOMIURISHIMBUN¡d�6Z¢{YOMIURISHINBUNisrigh,stopinion

ResearchedbyASAHISHIMBUN|¡986Z¢�

Agree47%

Disagree38%

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Q:It’sbelertoamendAr,cle9by2020?�

amendby2020,13%

needtodiscussmore,52%

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OurOpinions�Wethinkthear,cle9hascontributedtothepeaceandsafetyofJapanforalong,me.As,mehaspassed,thear,cle9hasbeenerodedbecauseoftheexpansionofarmaments.Buts,llnowon,Japandoesn'thaveanyvic,msinbothhomeandanyothercountriesbythebrakeofthear,cle9.Weshouldadmitthisimportance.AlsoJapanesehavethespiritofpacifismbasedonthear,cle9thattookalong,metocul,vateamerWW2.SoIthinkweshouldinheritthisimportantspiritsforusandthefuture.SoItrulyopposetochangethear,cle9.

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参加者感想

CENA summer school 2017 に参加して

内藤 真(早稲田奉仕園、早稲田大学)<チーム・JINKS >

 CENAに参加した中で自分自身の中に残ったメッセージがある。「自らを愛することが他人に対する愛情へとつながる」というものだ。インドネシアのムンドゥット寺院を訪れた際、現地の僧侶の方が語ってくださったものである。宗教の違いを超え、世界中すべての人々に普遍的に言えることだと感じた。普段日本で暮らしていて、外国で起こる多くのテロのニュースを見るたびに宗教の違いから生まれる争いを無くすためにはどうすればよいか、という疑問を抱いていた私に一つの解決策を示すものであった。宗教の違いはあれども、日々の祈りの姿勢と神を信じる気持ちを私たちは共通して持っている。それらの信仰の中に自らを愛することを加えることを私たちはできるし、やるべきではないのだろうか。この行いが他人に対する愛情や理解に、さらに人々がダイバーシティを認め、理解し団結できるコミュニティの形成につながっていく。この人々の団結が、テロに対する精神的知的弱さの克服や教育の発展にもつながり、最終的には平和構築にも重要な意味を持つと考えている。武力ではなく、誰しも個人が持っている小さな力を集結して、大きな波となるような平和構築の姿勢が必要となっているのだ。多くの時間がかかるのは当たり前であり、時間がかかった分だけ多くの人が関わる大きな波になる。私にとってCENAがこの平和構築の姿勢を学ぶことのきっかけとなった。 CENAを通してこのように平和構築について学んだわけであるが、これで終わってしまっては意味がないと私は考えている。ともに過ごし学んだCENAの学生の中にミャンマー人の学生がいたのだが、彼の考え方が印象的であった。彼は、世の中には助けを必要としている人とそのような人々を助けることができる人がいる、自分がどちらの側にいるのか明確ではないかと語ってくれた。CENAに参加せず、日本で同じ一週間を過ごしていたのであれば思いつきもしなかった自分自身の役割について、改めて考えさせてくれるものだった。私はどちらの側の人間だろうと考えると、もちろん後者の側の人間だと思う一方で、それだけで良いのかという思いも抱く。後者の側の人間であると同時に、助けを必要としている人と助けを供給できる人とをつなぐ人間でもあるべきではないのだろうか。個人だけで必死に行動するのではなく、いかに周りを巻き込んでいけるかが大切であり、周りと協力する方がより効果的な平和構築となる。そのためのネットワークの一つにCENAで共に学んだアジアの仲間たちがいるのだと考えている。彼らはみな平和構築を真剣に考え、お互いの国の良いところはもちろんのことも悪いところも隠すことなく語ってくれる人々であり、一週間ともに学び、笑い合った友達である。これらのCENAを通して学んだ平和構築の考え方と自らの役割の認識、得たアジアの人脈を大切にしながらこれからの社会に出ていく若者として活躍していきたいと考えている。

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第 6回 CENA プログラム感想文

碓井和利音(早稲田奉士園、早稲田大学)<チーム・コルポ>

  8 月 3 日から 8月 9日を通して第 6回 CENA サマースクールプログラムに参加しました。初めは CENAというプログラムの内容が良く理解できず、具体的なことも知らない上で参加しようとしました。しかし、参加者全員の集まりの時間では具体的な内容を理解し、情報収集の機会があったため、自分が新しい経験をすることができる心構えを持つことができました。聖心女子大学の方々は僕より遥かにインドネシアの歴史や物事を勉強し理解しているため、僕が置いて行かれないように自分なりに準備をすることも考えました。しかし、反省点の一つとしては自分が学生発表に取り組むということで手を上げましたが、聖心女子大学の方々に全てを任せてしまい迷惑をかけてしまって、申し訳ないと思っています。自分が発表の準備に全く取り組まなかったため、最終日までに準備も不十分だっため、良い発表ができなかったと思っております。準備不足の上に憲法 9条の勉強をしっかりしていなかったため、質問に対して正確に答えを出すことができず、後悔しています。 CENA に参加する前は、東南アジアではミャンマー以外の国を訪れたことがなく、異文化を学ぶ目的で参加しました。出発する前にインドネシアの歴史について文献を読みましたが、実際にジョグジャカルタの遺跡や世界遺産にも行き、歴史的な知識を得ることができました。全体的にインドネシアとミャンマーを比べると、やはり一番の共通点は食べ物だと思いました。両方の国で辛いものが多いという評判で、辛いものを食べることができました。その他にインドネシアも仏教の宗教を持つ国として、ボロブドゥールでミャンマーでも多く存在するパゴダや仏像を見学することができました。インドネシアではイスラム教の信者が多くいますが、仏教や他の宗教を全て受け入れる事に気付き、関心を持ちました。さらにインドネシアにあるそれぞれの宗教を学ぶ機会と共に今年度の CENAサマープログラムのテーマ、アジアでの平和構築に繋がっていると思いました。 このプログラムを通して一番印象に残ったことは、やはりそれぞれの大学や国の人々からの学生発表でした。日本の発表を除き、他に六つのグループ発表がありました。それぞれの国の事情や問題について発表し、その後、質問や意見があれば話す時間もありました。それぞれの発表で異文化を学ぶ上に他の国々の知識を得ることができたと思っています。発表の中で一番印象に残ったのは、ミャンマーでの仏教対イスラム教の問題についてでした。ミャンマーに住んでいた学生の視点から学ぶことができたからです。しかし、全ての発表を聞くことができて、それぞれの国の問題や事情に対しての意識を高めることができたと思います。その意識を元にし、CENAだけで終わりにするのではなく、これからの大学生活や勉強に活かしていきたいです。二つの文化を持つ学生として CENA から学んだことは異文化や違った宗教の人達でも平和に生活することができる事を理解しました。さらに互いに理解し合いながら人間として助け合うことで、世界の平和構築にも繋げられると思います。

仏教のお寺、ムンドゥット寺院にて

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日比野千佳(恵泉女学園大学大学院)<チーム・ココナッツ>

はじめに

 今回の CENA のホストカントリーであるインドネシアは、私にとって初めて訪れる国である。アジアは台湾とタイにいずれも個人の旅行で行ったことがある以外は特に渡航経験もなく、今回新たにアジアの国に行けることと、プログラムを通して他のアジアの国の人々と一度に交流できるチャンスにワクワクする思いで参加した。同時にアジアの人々にとって日本の植民地時代のことや現在の日本がどのように映っているのか関心があった。その意味でもアジアでの平和構築がテーマであった今回の CENAは、私にとって興味深いプログラムであった。ここでは実際にプログラムに参加して感じたことや収穫したことを振り返ってみたいと思う。

DESA WISTA KEMBANGARUM

 今回私たちが滞在した施設はDESA WISATA KEMBANGARUMという所で、ジョグジャカルタ空港からバスで50分ほどのところにあり、施設全体が一つの村のようになっている。いくつかのバンガローと共有の食事場が一つあり、それらの間を細い水路が通っていて、小さな池もいくつかあった。日本で見られるよりも小さめの鯉がそこを群れになって泳いでいた。周囲には家屋の屋根を優に超える高さのヤシの木や、シダ系の植物が群生しており、南国らしいプルメリアの花などが咲く自然豊かな場所だった。日中は直射日光が肌に突き刺さるような暑さだったが、朝晩は涼しく時には寒いくらいだった。湿度もあるが、食事場や教室は屋根と柱だけで開放感があり風も通るので、それもあってか日本の梅雨ほどには感じなかった。後になって、この施設は持続可能な地域社会を目指す人材育成のために非営利目的に作られた施設で、SALAK という村の特産品の提案や、農業・伝統などに関する子どもたちへの教育、さらに地域交流の場としてオルタナティブな役割を果たし、地元で成功している施設なのだということを知った。私たちはここに7日間滞在し、現地の生活を体験することができた。

CENAでの授業

 1日目と2日目には今回の CENAのテーマに沿って、参加国の教授からそれぞれの国が抱える問題をとりあげたプレゼンテーションがあった。続いて同様のテーマで参加国の生徒からのプレゼンテーションもあった。傾向として、日本、韓国、台湾など東アジアに共通した問題は、近隣諸国との関係、軍拡、領土問題、差別問題など国家間の問題であった。同じアジアでも、タイやミャンマー、インドネシア、ネパールなど東南アジア及び南アジアの方では、軍事勢力と民主化運動の対立構図、他民族・他宗教がいかに共生していくか、ジェンダーバランスの問題も含まれるのであろう家庭内暴力を解決するための教育の必要性など、主に国内の問題が取り上げられていた。こういったプレゼンテーションを通して、各国で人々がどのようなことに困っているのか、それぞれの国の視点から見ることができた。それと同時にやはり解決策を考えていく必要性も感じた。印象的だったのは、インドネシアからの報告で、他民族・他宗教を認め合うために5つの原則があり「ハーモニー」と

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いうキーワードにそれを象徴させていること。宗教対立を避けるための「ムハマディア」という新しいイスラム教の形があることなど、興味深いモデルが示されていたことであった。 日本の学生グループは憲法9条と最近の憲法改正にまつわる動きについて発表した。参加国からは自衛隊と軍隊とでは何が違うのかや、日米安全保障条約をどう考えているのか、改憲について国民自身はどう考えているのかなどの質問が寄せられた。どれももっともな質問であるが、なかなか答えることは難しく、現在の日本が抱える矛盾を象徴しているようであった。とはいえ、アジアへの植民地支配という加害の歴史と被爆国としての体験、9条の誕生、その後のアメリカとの同盟関係というアジアの中でも特殊な背景を合わせ持つ日本という国の国家像を改めて認識する良い機会となった。様々な要素が絡み合い、今の現象があることを踏まえ、今後日本が、独自の答えを見つけ出し、海外にその姿勢を示していけることを願っている。もちろんその答えは真の平和に近づくものでなければならないと思う。戦争のない平和な暮らしの素晴らしさを肌で感じている私たちの世代がアピールできることがきっとあるはずだ。

FREE TIME

 CENA ではいくつかのグループによるパフォーマンスやゲームなどのレクレーションの企画があった。各国の学生とたわいもない会話を楽しんで人間関係ができ、一緒に歌ったり踊ったりすることで不思議と一体感が増した。他にも食事の時間や寝る前のひと時なども大切な交流の場であった。中には心を開き日本に対する気持ちを話してくれる学生もいたので、いくつか紹介したい。 安倍政権の方針に対してショックを受けたという韓国の学生は、一般の日本人は韓国人のことをどう思っているかが気になると言っていた。またなぜ日本人の多くが投票に行かないのか疑問に感じていた。被爆国である日本に心を寄せ、広島の原爆資料館について尋ねてきた学生もいた。また、「日本が嫌いだ。韓国人はお金が欲しいわけじゃない。誠意を感じたいんだ。」という正直な気持ちをぶつけてくれた学生もいた。いずれも韓国の学生の言葉である。また、植民地時代の影響で日本に良いイメージを持てないというミャンマーの学生は、ミャンマーには大きな会社はなく、男性は出稼ぎに海外へ行くか、地元で大工などの労働をするかしかないと言う。女性のほとんどは仕事はせず、家事や育児などの家庭のことをしているという現状も話してくれた。こうした話を直接聞くと、やはり日本の植民地支配は日本人が思っているよりも深い爪痕をアジアの国々に残していると感じる。信頼を回復するには、日本人が自らの加害の歴史と向き合い、その責任を自覚していくことが不可欠な要素として挙げられるだろう。 また視点は少し違うが、日本の経済面の豊かさや、技術力の高さに注目している学生もいた。嬉しいようだが、日本は経済発展と引き換えに環境破壊や農業の衰退を招き、人々は忙しく、過労死や自殺なども多い。確かに他のアジアの国に比べると便利な面もあるが、だからといって日本人がそのことで精神的に満たされているかというとそうでもない現状がある。それに対して他のアジアの国々には豊かな自然がまだ多く残っており、蛍もいれば星もよく見える。飛行機の窓の外にはネオンではなく、日本も少し前まではそうであっただろう田園風景が広がる。またインドネシアなどは南国だが、コンクリートで道を覆われ熱中症で死者が出るほどの日本の暑さとは違う。そんなことを考えながら街を歩きふと見ると、いたるところに日本製のバスや車が走っていた。その排気ガスできれいな空気が汚されているのを見ると、胸が痛んだ。 アジアの友達には本当の意味で幸せになってほしい。人々が本当に幸せだと感じられる社会を

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作っていってほしい。日本などの先進諸国は、経済成長の過程で自分たちが見てきた負の側面をきちんと伝えるべきだ。その上でアジアの人たちがより良い選択や判断ができればよいと思う。

まとめ  以上が私が今回の CENA を通して感じたことである。当初からの関心事であった、日本に対するイメージについても話を聞くことができたことは収穫であった。不思議なことに、それぞれの国や国家間で問題があっても、個人レベルでは仲良くなることができた。参加者は皆思いやりに溢れていたし、皆笑顔だった。英語力がもっとあれば彼らの言うことをより正確に聞き取れたのではないかと思うし、もっと自分の考えも伝えられたかもしれないと思うと少し心残りがあるが、こうした市民レベルでの交流の意義を感じることができたし、総合的にはとても充実した 7日間だった。残念ながら今の日本は発展していて教育制度もある割には、歴史認識や社会問題に対して無知な側面がある。そのことが政治参加への意欲を低下させている一因にもなっている気がする。平和構築のために日本でもできることとして、CENA での経験を家族や友達に話したり、もっと自分でも勉強したり、投票を呼びかけたり、デモに行ったり、市民としてできる限りのことをしたいと感じた。

  

CENAで出会った仲間たちと

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高屋恵津子(恵泉女学園大学大学院)<チーム・マタハリ>

参加前後でどのように感じたか

1. 参加前 日本での国家主義、軍事主義の状況を問われた時にどのように答えればよいのだろうか、と考えていた。現在の政権ではさらなる経済成長を目指し、また 2020 年のオリンピックでは「おもてなし」という日本のホスピタリティの特徴を強調し、開催国となった。終了後にもこの考え方を継続するのか、政権交代した場合にはこの方針が変更となることも考えられ、不確定な状況である。 軍事主義においては、日本は軍隊を持っておらず、自衛隊は軍隊ではないが、他国からはその違いは分かるのだろうか、と懸念していた。 自身の英語力でどこまで説明できるのか、コミュニケーションを取ることができるのだろうかと不安だった。

2. 参加後 教員セッションでは、各国の問題について講義を受けた。Kim Dong-Choon 教授の講義では、北朝鮮だけではなく、中国も脅威であり、THAADが象徴的な場所であると述べられた。 Yi Ki-ho 教授の講義では、第三次世界大戦がアフリカで、アジアで起こっているという喚起をして下さった。日本、中国、韓国などの税金の多くが軍事費に使われている。日本が軍隊を持っていなくても、日本政府が軍事主義である、ということである。 Satyabrat Sinha 教授の講義では、過激派テロリズム対応について、プロバガンダの過程について説明してくださった。貧困層の人々がテロリズムに入りやすく、政治論争として社会的に取り組まなければ、極右の方向に向かうことを懸念されている。 Francis D Lee 教授の講義内容は主に市民活動についてであった。地域での市民活動は長期間であり、経済成長は市民のためではないと述べられた。 Hsin-Hsing Chen 教授の講義では中国との関係を取り上げ、台湾もまた中国であるとされ、中国の国民もまた戦うことは望んでいないということであった。 Yi Young-Che 教授は日本と韓国との歴史的背景、また平和教育の現状として恵泉女学園大学の取り組みを紹介された。 Abdus Sabur 先生は南インド地域問題を講義された。各国の宗教の違いや、核保有から来る国家間の紛争問題といった解決には、言葉によるコミュニケーション、議論が必要であり、特に若い世代には政治的な知性が必要であるということであった。

まとめ 韓国、台湾、日本の三国は近い距離にあり歴史的背景には三国とも係っている。固有の問題ではあるが、各国共通の問題でもある。 南インド地域はこの三国からは距離があり、問題の性質が異なっているが、解決には言葉によるコミュニケーションや議論を重ねることが重要である。 Yi Ki-ho 教授は講義のなかで、必ずしも各国ごとに解決できるものでもなく、アジア各国のビジョ

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ン、地域性を共有していくことが必要で、CENA はその平和構築の一つの過程であると説明してくださった。また、各教授共、これからは、各国への理解、言葉によるコミュニケーション、そのための政治教育が必要だと述べられた。 過去の記憶ではなく、歴史的背景を再度認識し、次世代への理解と受容が、各国内での平和構築へと糸口になるであろう。CENAでのネットワークが、アジア全体の平和構築の基礎となるように、相互理解を深めていきたいと思う。

3. インドネシアへの理解 第二次世界大戦終結まで日本の植民地であったことは知っているが、その後の歩みについての知識がなかった。主な宗教はイスラム教であり、他宗教との闘争がインドネシアでもあるのではないかと思っていた。 3日目に、宿泊場所であるケンバング・アルム観光村のリーダー Eri Gucmate Moya 氏とイスラーム改革運動Muhammadiyah リーダー Dr. Syaffiq A.Mughinik 教授の講義を受けた。Eri Gucmate Moya 氏は美術教師で、村を興す専門家ではなく、村の人たちの話を聞いていったということで、住民活動の在り方を考えさせられた。 Muhammadiyah はイスラーム穏健派で、他宗教との調和することの重要性を述べられた。住民への包括的支援活動について説明してくださった。日本はすでに制度が成立しており、分断を余儀なくされているが、包括的支援の必要となりつつある。この活動の「調和」の考え方を参考にできればと思った。

4. 学生のプレゼンテーション 学生プレゼンテーションでも、各国の問題には、日本と係りを持っている。日本のプレゼンテーションの題名は憲法 9条であった。参加者の皆さんの関心の高さを改めて認識した。軍事予算の多さから軍事主義と見受けられるが、なぜ憲法を改正することができないのかという疑問に対して、私達は平和憲法である根拠を示していかなければいけないのだと実感した。

5. 学生グループディスカッション グループ名:MATAHARI(インドネシア語で太陽の意味) グループメンバー:Muhammad Asrofi( インドネシア )、Lee Rong Yu( 台湾 )、Kim Juho( 韓国 )、Miumu Takahashi( 日本 )、Etsuko Takaya( 日本 )  グループディスカッションでは、英語力不足のためどのように進めていけるのか不安であった。自分の意見を言うことについてためらってしまったり、英語力不足で表現することが難しかったりという事態もあった。しかし個々が注意深くお互いの話しを聞き、言葉を探しながら意見を述べていくことができた。CENA が、将来のアジアのリーダーの人材育成であるならば、能力の高い人が先んじるのではなく、エンパワーメントしていくことも必要とされる資質である。個々の能力やモチベーションの引き上げは、注意深く、忍耐強く相手の話しを聞くといった非言語コミュニケーションによっても助けられていくのだと思う。

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CENA Summer Program 2017 参加感想文

中村桃子(恵泉女学園大学大学院)<チーム・加油>

 インドネシアは今回が初めての訪問であり、東アジアの政治と植民地の歴史などを中心に研究してきた私にとって、東南アジア・インドネシアは未知の世界だった。同じアジア地域であるが、人々や街中の様子、文化や生活などは東アジアと大違いで新鮮だった。宿舎の第一印象は、果たして乗り切れるだろうかという不安だったが、「郷に入っては郷に従え」、日本では体験できない非日常体験に、むしろ楽しむことができた。 また7組の小グループに分かれ、私は「加油(ジャヨウ。中国語で、頑張ろうの意味。)」というグループでインドネシア人のティティンさん、台湾人のベティさん、韓国人のヒョンビンくん、日本人のカエデさんと私でパフォーマンスのチームを組み、パフォーマンスの時間には民謡に合わせてダンスを踊った。 今回このプログラムに参加する際に自身で、「グローバリズムにおけるアジアの民主主義について」というテーマを意識した。アジアは冷戦期の軍事政権によって民主主義が抑圧されたが、80年代後半から韓国をはじめ様々な国が民主化した。しかし軍事政権後の民主政権が成功的に進んだ例はなく、2000 年代グローバリズムの時代になると経済成長を望み、再び権威主義が戻り、保守政権により人権侵害などの社会問題がさらに増加した。日本も貧富の差が拡大し、保守政権の誕生で市民にも保守志向が高まっている。英語に自信がないためプレゼンの内容をすべて理解すること、自分から話しかけてこの自己テーマについて質問することは厳しいが、せめて交流しながら何か感じることはできないかという思いをもって参加した。 今回のテーマにある「平和構築」は社会全体がまとまって構築することは容易なことではない。私は靖国合祀問題、慰安婦問題など、日韓における植民地の過去清算の解決のための市民団体の活動に参加したり、学内プログラムで日中韓台の現地を周るプログラムに参加してきた。いろいろな活動を通して毎度感じることは、現地を訪問し、当事者やその問題にかかわる人々と交流することの大切さである。人々の声を直接聞き、交流するという草の根の活動が、国境を越えた市民同士の連帯を築き、当事者の平和構築成し遂げる一歩に繋がる。個々人の小さな活動が大きくなり、国家権力に屈しない平和構築の実現の力になると思っている。 例えば、韓国の民主化運動は決して韓国の国民だけで成し遂げた民主化ではない。日本に渡り、まるで韓国現地から情報を発信しているかのように民主化運動の様子を雑誌「世界」に掲載した T・K生 ( 池明観氏 ) の「韓国から通信」も、日本の市民の支援があってこそできた活動である。市民同士の連帯が国家権力を揺るがす大きな力となった。 プレゼンテーションは先生方と学生がそれぞれの国の社会問題をテーマに発表を行った。日本チームは安倍政権が掲げる憲法 9条改憲の問題を取り上げた。事前準備が不足した点はあるが、右傾化が進む日本の情勢を伝えることができたのではないかと思う。インドネシアのプレゼンでは、インドネシアにおける多様な宗教の調和、ハーモニーとテーマとした発表であり、日本にはない宗教の問題を知ることができた。韓信大学の発表では朝鮮半島における分断と北朝鮮の核問題を取り

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上げた。専門分野を英語で聞くことは新鮮だった。 アジアの学生がアジアという地域共同体を通じて自国の社会問題について取り上げ、それを他国の学生に発表する機会はなかなか経験できない。特に自国の問題を自国の市民だけで抱えるのではなく、他国の市民と共有することで、実は互いの国が抱えていた共通の問題点であることが発覚する場合もある。教訓を学ぶことも可能である。参加前後で今回のテーマに対する認識の変化などは特にないが、CENA のようなプログラムは草の根の活動として有意義な活動であり、多様な視点が得られる良い機会である。これまで日韓を中心に市民団体に参加し、草の根の活動を続けてきたが、東アジアにとどまらず東南アジアの国の人々と交流することができてよかった。 今回の CENAで心残りだったのは、日本の右傾化について、安倍政権について他国の学生はどのような見解を持っているのか聞いてみたかったことである。自国の問題は他国とも共有し、異なる視点から物事を見ることも必要である。このような機会が再びあればぜひ参加したいし、そのための英語学習も諦めずに継続したい。 今回出会った先生方、学生の皆に感謝の言葉を贈るとともに、今後も関係が続くことを願っている。

日本チームの発表「憲法 9条改憲について」 フレデブルグ要塞博物館下の 2枚の写真は日本軍の戦闘機

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テーマ “ ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を越えた、地域コミュニティを通じたアジアにおける平和創造 ”について参加前後で考えたこと~「平和構築」に対する印象の変化~

制野涼子 (聖心女子大学)<チーム・JINKS >

 いくつかあるテーマの中で、一番自分の印象が変わったといえる「平和構築」を CENAサマースクールに参加する前後の私の視点から振り返ってみようと思う。 私は正直、今回の CENAサマースクールに参加する以前は「平和構築」といっても、具体的にどんなことがあげられるのか、すぐに思いつくことが出来なかった。思いつくことと言えば、日中・日韓の国交の正常化や、非核社会の実現などの具体性のない漠然とした印象だった。しかし、今回の CENA スクールでアジア各国から集まった地域レベルの事象を問題にした教授たちのプレゼンテーション、また学生らのプレゼンテーションを聞いて、「平和構築」についての印象がより具体化されたと同時に、これらの事象に私自身が問題意識を持つことが出来るようになったと思う。 韓国の聖公会大学のフランシス先生のプレゼンにあった、一人の韓国人女性がベトナム語を習得したことによって、ベトナム戦争中に韓国兵によって虐殺されたベトナムの人々がいるという事実を知り、それを韓国に伝えたことから、言語を理解することがグローバリゼーションを生んだという事例があった。政治家でもない、研究者でもない人の個人的なアクションが、平和構築に繋がっているということは想像もしなかった。また、恵泉女学園大学のイ・ヨンチェ先生が実践する自分の大学での平和教育についてのプレゼンでは、学生が自分の足で現地を訪れ、歴史的に被害にあった人々のお話を生で聞くということによって、相手国の気持ちや被害をいかに深く理解できるのかということを知った。  これまで私は平和を実現することに、これだけ一人一人の人間が影響力を持っているということを気づいていなかった。政治的や法律的な制度からではなく、言語の習得や正しい歴史の理解という個人の活動が、また他人に影響し、結果として国として、さらには世界的に平和を広げているのだと思う。宗教的や歴史的に異なる背景を持つ人々が全く同じ平和を作るのは簡単なことではないが、まずは私個人という小さな単位が日本の平和について考えること、他国の歴史を理解しようとするということがまさに平和構築なのではないかと、今回の CENAサマースクールに参加して感じた。 日本の平和構築についてのプレゼンテーションは憲法第 9条の改憲問題についてだった。今回のこのようなプログラムに参加する前は、第9条が何なのかということさえ理解できていなかった。さらに、他国の学生に第 9条のことについて質問されても答えることが出来ないくらい、自国の平和について問題意識が持てていない自分についても気づかされた。日本の若者は政治に関心がないと言われているが、その姿がまさに私であると思う。個人レベルの学びが大きな平和をもたらすと知った限り、私はこれから第 9条について、日本の政治について、自らが問題意識をもって生活し、平和を構築する一人であるとして行動しなければならいと思った。

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CENA 夏季学校感想文

中村綾香(聖心女子大学)〈チーム・コルボ>

  今回のCENA夏季学校の「ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を超えた、地域のコミュニティを通じたアジアの平和創造」に関して参加前に基礎知識をつけるために勉強をしたが、日本での著作などからは抽象的な知識しか得られなかった。 具体的に平和構築に関しては、戦争をしない日本のように武力・武器・兵力を持たずに、国際的に協力して平和を築くことが最善である、と思っていた。しかし、各国の先生方の話を聞いて国によって情勢は違い、平和に対する思考も違った。そして、国際的に協力をして平和構築をすることも視野に入れていたが、地域ごとに平和構築に懸念していると感じた。中でも、韓国は北朝鮮との問題があり、北朝鮮はロシアから、韓国はアメリカから独立して力を持つべきであると感じた。それは核問題が身近にあるからこそ、自立して自国の平和を守ろうと努めていると改めて感じた。 私は都市部から離れて暮らしている人も現代の技術に触れた方が良い、という自分勝手な考え方を持っていたが、それは大きな間違えであった。実際にインドネシアに行き、現地の方々と交流してみると、彼らには彼らなりの暮らしがあり、文化・宗教・伝統に沿って生活をしていた。私はその姿を見て、グローバル化の斡旋をすることは間違いであると感じた。彼らの生活があるにも関わらず、自分たちの考え方を押し付けようとしてしまう自分にすごく恥ずかしくなった。そして、「発展途上国」と今まで言い続けてきたことに対して、後悔とうしろめたい気持ちになった。 様々な国の方々と接することにより、文化・伝統・宗教的な価値観を学ぶと共に、分かち合うことが大事であると感じた。そして、お互いに生活サイクルは違うことから、自分たちが生活サイクルを押し付けてしまうことは絶対にしてはいけない、と改めて学ぶことができた。また、国ごとの特徴を自分の中で理解することが大切であると思った。参加前の私の考え方はとても間違っていて、それに対して恥ずかしい気持ちになると共に、交流を通してこれから何を重点的にしてくべきであるのかと考えさせられる貴重な経験になった。 この CENA 夏季学校を通して、各国の方々とコミュニケーションを取ることにより、互いの価値観を学び、共有することができた。そして、理解し合うことが大事であると改めて感じた。一方で、実際に現地での生活をすることで地域の密接なコミュニティの大切さを学ぶと共に、自然と共存する価値を感じることができた。現地の方々と片言の英語でコミュニケーションをとっていたが、笑顔などの表情で関わることのできたことに感動した。このような貴重な経験をすることのできた環境に感謝し、これからの学びに繋げていこうと感じた。

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第 6回 CENA 夏季学校に参加して

佐々木 柊子(聖心女子大学)<チーム・サラク>

 CENA 夏季学校に参加した中で私が具体的に学んだことは、宗教に関する内容である。今回のCENA のテーマは平和構築であったため、宗教に関わるプレゼンテーションも多くあったが、その中でも私は仏教に過激な原理主義者がいることや、インドネシア内に多くいるムハマディアというイスラム教の宗派の存在を初めて知った。私はこれまで「原理主義者」「過激派」などという言葉を聞くと、どうしてもイスラム教を連想してしまいがちであったが、今回のプレゼンテーションを聞いて自分の思考がいかに短絡的であるかを実感した。どのような宗教であっても過激な思想が生まれる可能性があり、また世界的に広まる宗教であればさらにその可能性は高まるはずであるのに、私はこれまでニュースなどで見聞きしたことに思考をとらわれすぎたあまりに視野が狭くなってしまっていた。今回感じたことを活かし、視野を広げる努力をしたり、自分の知らない世界もあるのではないかと想像力を働かせたりしようと反省した。 また私が反省しなければならない点は、日本の憲法 9条の改正問題についての知識不足である。これまで私は憲法 9条の改正の可否が日本の将来を大きく左右する問題であるということこそ感じてはいたが、どのように左右するのか、そして何が問題点なのかをまったく理解していなかった。今回の日本代表のプレゼンテーションのテーマが憲法 9条に関すると知って初めて、私は 9条や自衛隊の保持について学んだ。自国の問題であるのにこれらのことを深く理解せずにこれまで暮らしてきたことは、日本人としてとても恥ずべきことであると思う。さらにプレゼンテーションの際に参加者が多くの質問をしてくれたが、これに関しても自分の意見や主張がなく、どう答えればいいか悩んでしまったことも非常に恥ずかしいと感じた。今まで自分がどれだけ自国の政治に無関心であったか、他国の人々と比べていかに意識や関心が低いかを実感した。いつかまた誰かに日本の政治問題について意見を求められたとき、しどろもどろになったり「自分の意見や主張は特にない」などと言ったりすることがないように、普段から知識を得ようとする努力をしなければならないと思う。 このように、インドネシアで過ごした一週間は自分にとって非常に有意義でもあり、反省すべき点がたくさん見つかった時間でもあった。これまでの論文やインターネットなどから得てきた知識とはまったく違い、インドネシアで他国の学生たちと議論を交わして濃密な時間を過ごしたことは、私自身の人々に対する意識やものごとの考え方を大きく変える機会となった。今回学んだことを糧に、これからの卒論の作成やそのほかの学習に取り組んでいきたいと思う。

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CENA 夏季学校を終えて

清野佳奈絵(聖心女子大学大学院)

<チーム・ガルーダ(インドネシアの国章にある神鳥):Erdian( インドネシア・韓神大 )、Abeni( インド・韓神大 )、Connie (Pang Oi Chi, マカオ・世新大 )、Roach (Wu Kuo Chen, 台湾・世新大 )、Kim Hee Jeoung( 韓国・聖公会大 )、佳奈絵>

 今回のサマースクールのテーマである “Peace building in Asia through local community beyond nationalism, militarism and globalization ( ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を超えた、地域コミュニティを通じたアジアの平和創造 ) ” について、日本からの発表を事例に、感じたことをまとめたい。 当初このテーマを聞いた時に私が感じたのは、率直に、難しいとか、抽象的すぎるといったことであったが、1週間弱のプログラムを終えた今は平和創造について、もう少し具体的なイメージを抱いている。 アジアの平和創造といっても、実際にアジアは近くて遠く、その複雑な歴史的・政治的背景は、知っているようで知らないことばかりである。私自身について言えば、自分の専門地域がヨーロッパであることも少なからず影響していることは否めず、ずっと西欧中心主義的な考え方を無意識に持っていて、アジアの多様性や多彩さに気がつくようになったのも、文化相対主義的な考え方や認識が出来るようになったのも、かなり最近になってからであった。 しかし、知らないことを知ること、異なる社会文化背景を持った他者と、実際に議論し互いに理解を深めることは、平和創造という概念を実現するために重要な最初の一歩であると、今回のサマースクールでの経験を通じて、改めて実感した。 私は過去にもこのサマースクールに参加しているが、今年初めて出発前に、日本からの参加者と議論する機会が作られた。参加者の所属機関が様々であることなどから、1度だけの機会となったが、そこで今回のテーマに関連したトピックを選び、日本からの問いかけとして発表を行うことになった。 この時の自由な議論から出てきたのは、実に多様なテーマであった。具体的には、東アジアはもちろん、世界中で台頭するナショナリズムについて、また日米関係や日中関係、さらには日本の政府開発援助や戦後賠償の問題など、今回のサマースクールのテーマに含まれた様々な概念や事象があげられた。 日本からの発表として、私たちが選んだテーマは憲法9条の改正についてであった。当初は数人で意見交換を行い、日本国内での憲法9条改正をめぐる議論についての多様性や温度差について具体的な事例を示せるようにと考えていた。しかし、実際には担当者同士で議論を深めることができず、学部生1人に大きな負担をかける結果となってしまった。 それでもなんとか当日を乗り切ることができたかのように思えたのだが、結局は良くも悪くも、日本の若い世代の政治への関心の低さを露呈させることになってしまった。発表準備の段階から、憲法9条およびその改正に関する自分たちの無知や興味・関心の低さに否応なく気づくこととなった。さらに発表を終えると、他国からの参加者のこの問題に対する関心や意識の高さに圧倒されて

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しまった。現政権はなぜ改正を急ぐのか、改正にはどのような手続きが必要か、果たしてそれは現実的なのか、改正した場合には東アジア諸国のパワーバランスに変化はあるのか、自衛隊と軍隊の違いは何かといった質問が途切れることなく続いた。 このような参加者からの質問に、なかなか答えられず(あるいは、自分の意見を発表できず)にいる発表者に対し、モデレーターを務めてくださった韓国の韓神大学校のイ教授は「英語で話すのが難しければ日本語でも」と完璧な日本語で提案してくださったのだが、実際は「日本語でも話すのが難しい」というのが私たち発表者の回答であった。 このように、私たちはこの発表を通じて、奇しくも日本の若年層の典型例を示してしまったのである。しかし、一方で、このことは憲法9条改正に関する日本人の意識を、他国の人たちに理解してもらえるきっかけになったのではないだろうか? インターネットやマスコミの報道などを通じ、世界中でナショナリズムやポピュリズムや排外主義が台頭していることを、私たちは日々実感している。しかし、果たしてそれは本当に市井の人々の持つ感情や意見なのだろうか?ついつい、忘れてしまうが、草の根での平和創造にはごく普通の人の思いや考えへの理解が不可欠である。だからこそ、憲法9条改正についても同様に、答えられないという私たちの失敗が、楽観的かもしれないが、予想外に他者理解を促したのではないかと期待している。 このプログラムでは、このような小さな、でもよく考えてみれば当たり前の気づきが溢れていた。6~7人で構成された小グループでは様々なエスニシティやアイデンティティに触れ、より深い議論を通じて、互いの共通点や相違点、多様性に気づくことができた。このような小さな発見や理解の積み重ねが、抽象的で難しそうに思える平和創造への基礎となるはずである。

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CENA 夏季学校感想文

藤原 楓(聖心女子大学)<チーム・加油>

 第6回 CENA 夏季学校のテーマは、「ナショナリズム、軍国主義、グローバル化を越えた、地域コミュニティを通じたアジアにおける平和創造」であった。残念ながらわたしは、参加前にこのテーマに対しての明確なイメージが湧いておらず、また典型的な日本人の若者にあるように、自分の国に関係しているにも関わらず、国際関係に対しての知識が浅く、平和構築に対する自分の考えすら持っていなかった。それはとても恥ずべきことであり、自分のやらなければならないこと、やるべきことが明らかになった。 アジア各国の先生たちの講義や学生、院生たちのプレゼンテーションは、それぞれの国の状況を背景に進められ、とても興味深いものあった。日本を含めそれぞれの国が、他の国との領土問題やテロ問題を抱えている。平和構築は自国だけの問題ではないのだと実感させられた。 憲法九条改正に対しても、同級生の中村さんが中心に進めてくれたプレゼンテーションの議題になるまで、わたしは詳しくは知らず、また知ろうともしていなかった。第二次世界大戦から 72年がたち、日本が大きな戦争に直面してこなかったが、今こそ平和構築について考えなければならないと思った。 私は、インドネシアの生活を通して文化とはなにかを考えた。日本人は、日本の文化が進んでいると考えがちであるが、それは間違いであるのだと身をもって実感した。インドネシアでは風呂は水で入ることや、トイレットペーパーを使わないことが彼らの文化であり、そういった文化を知り体験することはとても楽しかった。自分たちの文化を進んでいるという驕った考えを持ったり、押し付けるようなことは絶対にすべきでないのだ。 CENA を通して出会った人たちは、日本人も含めてすべての人が、意欲関心が強く尊敬できる人たちであった。特に日韓関係や歴史について勉強している恵泉女学園大学大学院の中村さんと親しくなったことで、自分の足で各国に赴き、歴史背景や文化を学ぶことはとても大切であると実感した。 アジア各国のいろいろな文化を持ち、宗教を信仰している人と友達になれたのは、初めての経験であった。このつながりを大事にして、そうした人たちの考えを受け入れつつ、平和構築についてもっと考えていきたいと思った。

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CENA 夏季学校で得たこと

味志佑佳(聖心女子大学)<チーム・ココナッツ>

 今回、CENA 夏季学校を終えて新しい価値観を手に入れることができたと感じている。それは、文化には「先進国も発展途上国もない」ということである。なぜなら、文化は「遅れている」「進んでいる」などという言葉で計ることができないからである。異なる文化と出会ったとき、カルチャーショックを受けることがあるが、インドネシアの文化の中で生活を送ることで自分の文化との違いを肌で感じ、カルチャーショックを受けるだけでなく、改めて自分が住んでいる日本の文化についても気づかされることが多くあった。 今回の CENA 夏季学校のテーマは「ナショナリズム、軍国事主義、グローバル化を超えた、地域コミュニケーションを通じたアジアの平和創造」であった。インドネシアに向かう前は、テーマについてあまり意味が分からず、具体的な内容が思い当たらなかった。それは、今回のテーマに関する問題に関心がない自分のせいでもあるが、関心を持たなくても平和に暮らすことができるのが日本社会であると思った。 印象に残ったプレゼンテーションの1つに、台湾の世新大学チェン・シンシン教授 (Prof. Hsin-Hsing Chen) の領土と領海の諸外国との問題を取り扱ったものがあった。国の領土・領海問題を巡り、中国と領土・領海問題を抱えているインドや東南アジア諸国との連携を強化する動きなどの話があった。その話に日本は含まれていなかったものの、日本には尖閣諸島への中国漁船の領海侵犯と日本の巡視船への暴行事件などがあげられ、自分の国の領土・領海問題や東シナ海の国境を学ぶよい機会となった。 また、「日本の憲法9条改正」のプレゼンテーションは、平和主義日本としての自衛隊のあり方を、CENA の参加者と共に共有することができ、日本の立場の矛盾(平和主義を主張しながらも、自衛隊が存在する)について考えることができた。  日本にいるたけでは感じることのできない、他国の学生・教授たちの生の声を聞くことができた。その国の方々の日本の平和問題や自国の軍事的状況を一般市民の意見として聞くことで 、その問題を身近に感じることができ、日本人として、学生として何ができるのか考えた。社会に直接働きかけることはできないが、内容を理解することで周りの人々にその現状を説明でき、新たな視点を持つきっかけとなる。 また、私たち自身がアジアの中での自国の立ち位置や周りの関係性について関心を持つことが、アジアの平和に繋がると感じた。 英語が難しい、話している内容がわからない、そんな場面も今回の CENAの中で多々あった。だからこそ、自分が内容理解できていないから黙っているのではなく、質問を行う等の積極的な姿勢を見せることが大切であると感じた。 インドネシアで滞在中、体調が悪くなり多くの方に迷惑をかけてしまった。違う文化圏に行く際の対策をしっかりと取り、どの文化にも適応できる人になりたいと思う。

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CENA 夏季学校感想

髙橋海奏(聖心女子大学大学院)<チーム・マタハリ>

 今回 2回目の参加となった第 6回 CENA 夏季学校のテーマは “Peace Building in Asia Through Local Community Beyond Nationalism, Militarism and Globalization” であった。 CENA 夏季学校に参加するにあたっての事前勉強会で、このテーマについて日本人同士で話をする機会があり、憲法 9条や北朝鮮やアメリカと日本の関係についてなどの話題に上がったが、具体的に何が問題で何を私たちの側から問題提起できるかと考えたとき、その答えを導き出すのは難しかった。なぜならば、私自身がその問題について日常の中で触れておらず、詳細を把握していなかったからである。本来、日本の国交状況についての問題や課題を把握しておかなければいけないところを、平和ボケからか諸外国との国交関係の詳細については全くと言っていいほど知らなかった。特にアジアにおいて、日本がこれまでの過去に行ってきた植民地支配や「からゆきさん(唐行さん)」の話など全く知らなかった。 CENA への参加前と参加中に後悔したことは、上記にもある通り、自分があまりにもそれぞれの国の歴史や日本との関係の歴史を知らなかったことである。CENA の開催地であったインドネシアは、かつて日本軍が統治していた時代があった。そのことについて、私はこれまでの学校の授業の中でどれだけ触れてきただろうと振り返ってみると、触れてはいたかもしれないが、私の中では関係のない遠い国の話になっていた。事前学習でもインドンネシアについて学び、現地でも資料館に行くことができ、そこでも日本とインドネシアの関係を見ることができた。そこで学んだものは、ほとんどが私の中へ “ 新しい知識 ” としてインプットされていった。新しい知識として吸収していくことはいいことではあるが、過去に関係があったにもかかわらず、そのことについて「知らなかった」ということが、ここまで恥ずかしいことだとは思いもしなかった。これから先、出会う相手の文化や歴史について何も知らないで接することがどれだけ失礼なことかと知ったとき、今後の人との接し方について大きな見直しが必要だと強く感じた。 CENA の参加校の中には韓国・台湾もいた。特に韓国と日本の関係は、現在もすべてが良好に進んでいるとは言えない。慰安婦問題など、多くの課題を抱えている。しかし、私たちはこの日韓の問題についてどこまで話すことができるであろうか、そして、どこまで把握しているだろうか。近隣の国であるからこそ、改めて互いの過去について振り返ってみたいと思った。 今回の CENA では、一言では語れない過去をお互いに持っている者同士が 1つのテーマについてざっくばらんに話をする機会となり、とても貴重な時間となった。昨年の CENA夏季学校もとても充実したものではあったが、今年は去年以上に多くの学生と話すことができ、充実していた。 また、CENA 中に参加者と寝食を共にした生活の中にも、今回のテーマについての学びを得ることができた。インドネシアは巨大イスラム国家であるために、毎日コーランで目を覚ますなど日本では体験することができない経験ができた。私自身インドネシアを訪れたのは 3回目であったが、改めてインドネシアの魅力を目にした。巨大イスラム国家であるにもかかわらず、宗教の垣根を超えた交流が密にあることや、平和構築に向けての取り組みを村などの小さなコミュニティレベルで

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行っていることがとても興味深く感じた。具体的には、1つの村の中で近くにそれぞれの宗教施設を建てるなど、近くにあることで互いがどのような宗教を信仰してるかを見えるようにし、互いの理解や受け入れをしているように思えた。 今回、約 1週間 CENA 参加者と共に寝泊りをした宿舎は、コミュニティ観光を実践している村であり、毎日交代で村に住んでいる家族が食事を提供してくれていた。この観光事業の話を聞いた時にとても面白い取り組みであり、宗教や人種に関係なく、また村人と私たち参加者にも壁がない生活にとてもいい空間を感じた。村人たちと言葉は通じないが、毎晩音楽を通して交流をしたことがとても印象的であった。 最後に、CENAのテーマにおいて改めて「文化」について考えさせられて事があった。人は時に、すべてのものに優劣を付けたがる傾向にあり、その傾向は文化にも及び、先進国と後進国(発展途上国)に世界を分けてしまうことがある。しかし実際は、文化に優劣をつけること自体がそもそもおかしな話であり、無理な話だ、と改めて実感した。いったい何をもって優れているとし、何をもって劣っていると定めるのだろうか。経済、政治、教育といったものなのだろうか。 今回の CENAのテーマを通して、これからの人との関わり方や文化・歴史について学ぶことの大切さを改めて感じた。また、自分の中の固定概念を崩していき、柔軟に物事をとらえていくこと、そして、新しいもの・世界にどんどん触れていくことが大事だと感じた。 最後に今回このような学びを与えてくれた CENA夏季学校の関係者・参加者に感謝する。

1日目、インドネシア・イスラーム大学UII での開会式後の集合写真

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーCENA夏季学校 2017 報告書

共催:聖心女子大学、恵泉女学園大学、公益財団法人早稲田奉仕園、インドネシア・イスラーム大学 (UII)、世新大学(台湾)、韓神大学校(韓国)、聖公会大学校(韓国)、アジアイスラーム教徒活動ネットワーク AMAN(タイ )

発行:2017 年 10 月編集:高橋海奏、日比野千佳、片岡平和

お問い合わせ先 早稲田奉仕園 片岡平和03-3205-5414

[email protected]東京都新宿区西早稲田 2-3-1

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