150630 151222茨城学

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茨城大学・茨城学・水戸市担当分 “雑貨のまち”水戸とその背景 水戸市 市長公室 みとの魅力発信課 課長補佐 沼田 誠
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    11-Aug-2015
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茨城大学・茨城学・水戸市担当分 “雑貨のまち”水戸とその背景

水戸市 市長公室 みとの魅力発信課 課長補佐 沼田 誠

 自己紹介  地域の魅力を発信するには  水戸は”雑貨のまち”  水戸はなぜ”雑貨のまち”なのか  まとめ(課題解決に必要な準備)

自己紹介

京都→札幌→名古屋⇄東京→水戸 2000年水戸市役所に入庁

2012年~ みとの魅力発信課

mitonote(ミトノート)

mito.life

アプリ ブログ 連動

イメージアップ係 ・SNS(Twitter,Facebookページ,LINE@)

・動画(YouTube,ニコニコ動画) ・ブログ

・フィルムコミッション

水戸に関するコラムで参加

地域の魅力を発信するには

   ①お客様は誰か?    ②地域の資源は何か?    ③どのように編集するか?

①お客様は誰か?

(潜在的な)お客様

リーチ

お客様への情報提供が 手薄になる ↑

非効率!

不特定多数へ情報発信すると…

情報を必要としない人にまで情報を届けてしまっている

↑ ムダな労力!

(潜在的な)お客様

リーチ

テレビの場合

より多くのお客様には届くがロスも多い

強い影響力⇄効果は放送中に限定 ↑

 ・費用対効果の検討  ・効果を継続させる仕掛けも合わせる

(潜在的な)お客様

リーチ

「リーチ=お客様」が理想

お客様を意識して情報発信

誰に届けるかが明確であるほど 媒体や表現・デザインが絞られてくる

②地域の資源は何か?

地域の資源=地域にとって当たり前のもの

水戸は手掛かりが多い 文献・写真/映像・語り手

地域の人たちの話はよく聞くべき しかし

そのまま受け取ってはいけない ↑

お客様目線に耐えうるものか?

プロダクトアウト⇄マーケットイン

③どのように編集するか?

集めたネタを組み合わせて物語をつくる ↓

お客様に届きやすくなる

水戸は”歴史のまち” ↓

歴史ネタは愛好者向け そのままでは一般受けしない

”歴史のまち”水戸の戦略 ↓

今ある地域資源+背景として歴史を描く

「どのように編集するか?」の事例として ”雑貨のまち”水戸

CAUTION!! 今日の話は学術的に検証された話ではない

↑ 文献+聞き取り+想像力で得た仮説

|| 歴史学ではなく歴史ロマン

水戸は”雑貨のまち”

BeLLY BUTTONオープン時のメンション 「“雑貨のまち”水戸にまた新しい店がオープン!!」

↓ 根拠を探す

同規模の自治体の中で 水戸市は雑貨店が多い

特例市名 雑貨店店舗数 備考

1位 長岡市 84店 日用雑貨店が76店

2位 水戸市 73店 日用雑貨店が37店

3位 福井市 64店

4位 松本市 63店

5位 甲府市 58店

(2012年iタウンページ調べ)

  松本市…クラフトフェアまつもと ⇅

  水戸市…あおぞらクラフトいち ↓

松本市が”クラフトのまち”なら 水戸市も”雑貨のまち”?

水戸の街にある主な雑貨店

水戸の街の雑貨店の類型

      ①クラフト系       ②輸入雑貨系

×  ③飲食店やイベントスペース等を併設

 ①クラフト系    地元の雑貨作家の作品を中心に品揃え   ・K’s Lively Forest   ・kokous   ・lollipop cowboy   ・アプラウド   ・MYA-ZUKI   →雑貨店・作家のネットワークの核

miyazono spoon (宮薗なつみ・茨城大学2008年卒)

 ②輸入雑貨系 海外で直接買付けし輸入  ・タイ工藝ムラカ(タイ)  ・LA ROSA MIXICANA(メキシコ)  ・MINERVA(ヨーロッパ) ・トネリコ(北欧) (・STRAY SHEEP(ヨーロッパ))          →街の多様性を演出

 ③飲食店やイベントスペース等を併設   ・MINERVA(ギャラリー+カフェ)   ・オカエリ(カフェ(+酒屋))   ・BeLLY BUTTON(ランチ提供)   ・hanatoco(カフェ(+花屋))   ・アプラウド(ギャラリー)   ・タイ工藝ムラカ(ワークショップ開催)   →店を場としてコミュニティを形成

雑貨・クラフトのイベント

    ①あおぞらクラフトいち     ②マルシェ・ド・ノエル     ③水戸雑貨商店街

①あおぞらクラフトいち  ・甲高さん(デザイン会社・雑貨店経営)  ・作り手とユーザー・作り手同士をつなぐ場  ・2009年~  ・現在はGWと9月の2日間×年2回開催  ・会場…水戸芸術館広場  ・全国から120店超の出店者が集まる  ・2日間で10,000人の集客  ・次回…9月19日(土)・20日(日)

②マルシェ・ド・ノエル  ・オカエリ他数店舗で主催  ・フランスのクリスマスマーケットをイメージ   ←飾り付けは全て手作り  ・2012年~  ・現在は11月・4日間開催  ・会場…茨城県近代美術館テラス+芝生広場  ・県内を中心に◯◯店が出店  ・4日間で12,000人の集客

水戸市からの要請により 七ツ洞公園のイベントにも参画

  ・不思議の国のティーパーティ(春~初夏)   ・ケルティック・ハロウィーン(秋)

③水戸雑貨商店街  ・K’s Lively Forest(mitoZakkaZ)  ・水戸の雑貨文化を盛り上げたい  ・2012年~  ・水戸まちなかフェスティバル+不定期開催  ・地元作家中心

水戸まちなかフェスティバル  ・水戸市(商工課)主催の街の文化祭  ・2012年~  ・年に1回(1日間)の開催  ・会場…国道50号(郵便局前~大工町)  ・1日で74,000人の集客  ・次回…10月25日(日)開催予定

希望と課題

水戸まちなかフェスティバル 七ツ洞公園のイベント

↑ 市民の取組みを見て行政が協力を要請

市民と行政で協働して行う

商店会などの既存の市民団体ではなく SNSで繋がる新しい市民団体が担い手

イベントのみで街は活性化するか? ↑

“街の活性化”とは具体的に何か?

 ・街を歩く人が増える?  ・テナントである商店が儲かる?  ・不動産賃料が上がる(固定資産税が増える)?  ・もっと他の何か?

↓ “活性化”の定義が明確でないと 労力や税金がムダになりかねない

水戸はなぜ”雑貨のまち”になのか

水戸藩は工芸・内職が盛んだった

西ノ内和紙 (常陸大宮市山方)

  ・非常に丈夫な紙    →水府提灯:丈夫さを売り     ⇄美濃提灯・八女提灯   ・書いた字がにじまない    →大日本史などの書物にも使用     ←印刷のための版木      →印刷業や印鑑職人へと転換

元茨大生

水戸黒  ・(青)黒い染物:黒紋付羽織などに使われる   ←光圀公が亀屋清兵衛に命じて作らせる    →2つの謎     ❶なぜ下野国(栃木県)から移転してきた      ばかりの染物屋に命じたのか?     ❷なぜ藩主になってすぐ作らせたのか?  ・現在は2軒の染物屋が製法を保存

 水戸金工  ・佐竹氏が京都から金細工の職人を誘致   ←木葉下(あぼっけ)金山  ・刀の鍔の細工   ←日本刀が実用品から装飾品へ転換   →長州と並ぶ二大生産地になる  ・明治維新後、置物などに転換

うなぎの串  ・うなぎの蒲焼   →1800年前後に江戸で流行   →水戸で最初のうなぎの蒲焼…中川楼  ・役人になれば鰻が喰われるが、   役人にならなければ鰻串を削らねばならぬ   →後の水戸藩の混乱は食物の恨み?  ・「うなぎの串は水戸に限る」   →最高級とされ高値で取引された

七面焼・谷中の桶・水戸押絵・水戸彫・農人形… 様々な工芸があったが衰退・消滅

工芸・内職は廃れてきているが ハンドメイドの文化やセンスは生きている

↓ 現在水戸が”雑貨のまち”になっている背景

なぜ工芸・内職が盛んだったか?

   ①水戸藩は財政難だった    ②水戸藩は学問が盛んだった

①水戸藩は財政難だった

石高が低い ⇅

 徳川御三家としての見栄  光圀公の始めた歴史編纂事業の負担

↑ 現物経済から貨幣経済への変化

財政難だった水戸藩 ↓

農民への年貢の負担が大きい 度々家臣から給与を借り上げ

何でも自分たちで作る +

内職で家計を支える

②水戸藩は学問が盛んだった

真面目な人格形成 高い教養レベル

↓ 質の高い工芸・内職を生み出す素地

   ①水戸藩は財政難だった    ②水戸藩は学問が盛んだった

↑ どちらも光圀公が発端

光圀公(水戸黄門)が 水戸を”雑貨のまち”にした!!

まとめ (課題解決のために必要な準備)

中身

課題解決のためには 知識と知識を使うための器が必要

器知識

①知識

今のこの状況になっていること ↑

必ず経緯がある

彰往考来 往時(昔)を彰(あきら)かにして未来を考える

↓ 彰考館

大日本史を編纂するなど歴史研究の中心施設

水戸は手掛かりが多い 文献・写真/映像・語り手

②知識を入れる器(としての自分)

 みんな=×多くの人  みんな=◯多様な人

ひとりでは考えない できるだけ多様な人の意見に耳を傾ける

↓ より正解に近づくことができる

人のネットワークの中で 意識してハブを演じる

⇅ 情報が自分を

経由するようになる

 ぜひ水戸の街で  自分の課題を見つけてみてください

ご清聴ありがとうございました! またどこかでお会いしましょう!!

Facebook:沼田 誠 Twitter:@kafkah [email protected]