13.01.20.第1回DARM勉強会資料#1
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Transcript of 13.01.20.第1回DARM勉強会資料#1
分散分析( Analysis of Variance )の概要
広島大学大学院教育学研究科博士課程後期 1 年 德岡 大
DARM 勉強会 #12013.01.20.
自己紹介
• 名前:德岡 大(とくおか まさる)• 所属:教育学研究科 博士課程後期 1 年• 研究:キャンプ効果→学習スタイル→達成目標
理論 ↑ イマココ– 積極的にやる気を出さない目標の研究
• 関心:けっこうなんでも,時系列変化の要因• R :初心者, anovakun が使えるくらい,他の分
析皆無• Mplus :初心者,これから勉強します
発表内容
• 分散分析とは• 分散分析の前提• 独立変数の種類• 分散分析の原理• 分散分析のデザイン• 平方和のタイプ• 多重比較について• 単純主効果について• 分散分析の種類
分散分析とは
• 水準間に差はあるのか?• ある変数(従属変数)に及ぼす複数の要因(独立変
数)の影響を検討したい分散分析を適用しよう
分散分析の前提
• ランダムサンプリング– × でもランダム割当なら近似的には○。
• 正規性– 各水準の母集団が正規分布。 × でもある程度頑健
• 分散の等質性– 参加者が等しい場合,かなり頑健。 × でも近似的に対応可
• 観測値の独立性– 従属変数に関する観測値が,別の観測値に影響すること
(級内相関係数が高い状態)。 × の場合,マルチレベルモデルなどの階層性を意識した分析に切り替えたほうがよい
独立変数の種類と直交性• 固定変数– 実験者によって任意に設定される変数– : a1 = a2 = … = ap 。
• ランダム変数– 個人差のように標本抽出に伴ってランダムな値をとる
変数。– = 0
• 独立変数の直交性– 直交性:独立変数間で相関していない。– 非直交性:独立変数間で相関している。各水準間の
データ数が不揃いのアンバランスデータで起こりやすい。平方和のタイプ,多重比較の方法が変化
分散分析の基本原理
全体の分散成分
要因の分散成分 誤差の分散成分
→F 値は,誤差に対する要因の割合
→ 効果量( r2, η2 )は,全体に対する要因の割合
※ 分散成分とは母分散の不偏推定量
→2 つの分散を比較するため,自由度も 2 つ
分散分析で有意な結果を得るには
要因の分散成分 誤差の分散成分
要因の分散成分 誤差
※ 誤差=個人差
→ 誤差による変動を小さくすることが重要
要因計画を考慮する必要性あり
1 要因の分散分析(被験者間計画,対応なし)• 完全無作為化法 completely randomized design
要因 処理 2処理 1 処理 3
参加者 各水準に異なる参加者を無作為に割り当てる
※ 誤差 1 と全体に相関ある場合,要因の検出力が低下
要因の分散成分 個人差(誤差)
全体の分散成分
1 要因の分散分析(被験者間計画,対応あり)• 乱塊デザイン randomized block design
処理 2処理 1 処理 3要因
参加者
ブロック内で各水準に無作為に割り当てる
参加者を特定の剰余変数でブロック化( e.g., IQ低,高)
要因の分散成分 残差
全体の分散成分
※ 誤差 1 と要因に交互作用がある場合は不適切
ブロック
1 要因の分散分析(被験者内計画,対応あり)• 繰り返し測定計画 repeated-measures design
処理 2処理 1 処理 3
参加者 同一の参加者が全ての処理水準に参加
要因
要因の分散成分 誤差
全体の分散成分
※ 対応あり+ 3 水準以上は球面性の仮定が有意でない方がよい
個人差
2 要因分散分析(対応なし,対応なし)• 完全無作為 2 要因デザイン completely randomized
two-factor design要因
要因A
B
A2×B1A1×B1 A3×B1
A1×B2 A2×B2 A3×B2
参加者群 各水準に異なる参加者を無作為に割り当てる
要因 A 誤差
全体の分散成分
要因 B
要因 Aだけなら全て誤差
要因 A×B
2 要因分散分析(対応なし,対応あり)• 混合デザイン要因
要因A
B
A2×B1A1×B1 A3×B1
A1×B2 A2×B2 A3×B2
参加者群
要因 A 誤差 B
全体の分散成分
要因 B 要因 A×B
要因 A には異なる参加者が無作為割当,要因 B には同一の参加者が全ての水準に参加
誤差 A
※ 誤差 A =対応あり( B , A×B )の効果を除いた,対応なし要因( A )による誤差,誤差 B =対応あり要因による誤差(要因)
2 要因分散分析(対応あり,対応あり)要因
要因A
B
A2×B1A1×B1 A3×B1
A1×B2 A2×B2 A3×B2
参加者 同一の参加者が全ての処理水準に参加
要因 A誤差
AB
全体の分散成分
要因 B A×B誤差
A誤差
B個人差
※1 要因と誤差の比( F 値)は,対応する値により求めること※2 対応ありがランダム変数の場合,正確な誤差推定が不可
(詳しくは,瀧野 , 1972 参照)
平方和のタイプ
• 非直交データにおける要因間の相関分を統制する方法の違いを示す
• 水準間のデータ数に違いのないバランスデータならタイプの違いは関係なし
• タイプⅠ:主効果,交互作用の効果を1つずつモデルに追加していく方法。モデルに優先順位がある場合には推奨。重回帰分析では R2 と一致。
• タイプⅡ:主効果,交互作用を分けて一斉投入。そのモデルからある要因の主効果を取り除いた平方和の減少分を平方和とする方法。
• タイプⅢ:全ての効果が一斉投入。タイプⅡと同様に,平方和の減少分を平方和とする方法。使用されること多し。
• α FW = 1 – (1 – α) m ← この関係を考慮して,タイプⅠ α FW ≒ m (α) エラーを抑えることが目的
多重比較について
直交的n-1 個の直交比較
非直交的Bonferroni など
事前比較
事後比較
非直交的Tukey, Scheffé など
単純主効果について
• 交互作用が得られた場合,ある要因のどの水準で別の要因の影響が有意なのかを検定
要因 A 誤差
全体の分散成分
要因 B 要因 A×B
e.g., A ( 3 ) ×B ( 2 )で有意な交互作用が得られた場合
要因 A 誤差
B1 の分散成分
要因 A 誤差
B2 の分散成分
※B1 , B2 の要因 A の効果は再計算,誤差の効果は共通
ANOVA 従属変数は 1 つ。参加者内要因,参加者間要因,混合要因などのモデルがある。後述する3 つの前提条件あり。
MANOVA 従属変数 2 つ以上を同時に分析可能。タイプⅠエラーの確率を抑える。従属変数間の相関を考慮などの利点がある。
ANCOVA 従属変数は 1 つ,共変量の統制が可能。回帰の同質性,回帰の有意性が前提となる。
分散分析の種類
参考文献• 南風原朝和 (2002). 心理統計学の基礎―統合的理解のために―
有斐閣アルマ• 分散分析 http://ofmind.net/doc/anova-note < 2013 年 1月
20日>• 村山 航 . 分散分析について http
://www4.ocn.ne.jp/~murakou/anova.htm < 2013 年 1月20日>
• 森 敏昭・吉田寿夫 (1990). 心理学のためのデータ解析テクニカル ブック 北大路書房
• 瀧野千春 (1972). 分散分析における誤差項に関する一考察 奈良 教育大学紀要(人文・社会科学) , 21, 237-241.
• 山内光哉 (2008). 心理・教育のための分散分析と多重比較―エクセ ル・ SPSS解説付き サイエンス社