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4章:図形と計量 1:三角比
1 三角比
1.1 鋭角の三角比・相互関係
98 次の問いに答えよ。
(1) 右図のような直角三角形がある。θ の正弦,
θ
a = 5(cm)
c = 4(cm)
b = 3(cm)余弦,正接を求めよ。
(2) 右図の三角形 ABCにおいて,頂点 Aから辺
B CD
A
30◦ 60◦
BCに下した垂線ADの長さが 10cmのとき,辺
BCの長さを求めよ。ただし答えは有理化する
こと。
(広島国際学院大)
99 (1) 平坦な場所に垂直に立った木がある。この木の頂点をA,根もとを
Bとする。このとき木の根もとから 10m離れた地点Oにおいて,∠AOBの大
きさを測定したら37◦であった。木の高さを求めよ。ただし,sin 37◦ = 0.602,
cos 37◦ = 0.799,tan 37◦ = 0.754 として計算せよ。 (湘南工科大)
(2) 地上 xkmの位置に静止している人工衛星から地球を見ると,地球の半
径が kmの円板に見える。ただし,地球は半径がR kmの球とする。
(関西大)
100 (1) θが鋭角で cos θ = 13ならば,sin θ = である。
(八戸工業大)
(2) 角 θが鋭角で sin θ = 14のとき,tan θ = である。
(八戸工業大)
(3) 0◦ < x < 90◦ かつ tanx = 34のとき,sinx = ,cosx =
である。 (東京工芸大)
4章:図形と計量 1:三角比
98 (1) 三角比の定義を確認しておきましょう。
θ
c
a
b
正弦 (sine)
sin θ = bc
θ
c
a
b
余弦 (cosine)
cos θ = ac
θ
c
a
b
正接 (tangent)
tan θ = ba
(2) BC = BD + DCとして,2つの直角三角形 ABD,ACDの中で BD,DCの長
さを考えます。
99 三角測量の問題です。
(1) 直角三角形 AOBを図示してみましょう。
(2) 人工衛星と地球の中心を通る直線を含む平面による切り口を図示してみましょう。
100 与えられた条件から直角三角形を考えて定義に戻ってもよいですし,三角形の
相互関係を用いて考えてもよいでしょう。
では,三角比の相互関係を確認しておきましょう。右下図の直角三角形において
θ
c
a
b
a2 + b2 = c2
が成り立ち
・(ac
)2+(bc
)2= 1
・ ba
=
bcac
・1 +(ba
)2=(ca
)2と変形されるから
・ cos2 θ + sin2 θ = 1
・ tan θ = sin θcos θ
・1 + tan2 θ = 1cos2 θ
という関係が成り立ちます。
4章:図形と計量 1:三角比
98 (1) 正弦 sin θ = 35,余弦 cos θ = 4
5,正接 tan θ = 3
4
(2) tan 30◦ = ADBD
より
B CD
A
30◦ 60◦
10
BD = ADtan 30◦
= 101√3
= 10√3
また,tan 60◦ = ADCD
より
CD = ADtan 60◦
= 10√3
=10
√3
3
したがって
BC = BD+DC = 10√3 +
10√3
3=
40√3
3(cm)
99 (1) tan 37◦ = ABOB
であるから,木の高さ ABは
B
A
O 10m37◦
AB = OB · tan 37◦ = 10 · 0.754 = 7.54 (m)
(2) 地球の中心 Oと人工衛星 Aを通る直線を
B
A
C D
O
HR
R
x
r
θ
含む平面による切り口を考える。切り口におけ
る線分OAおよび円板と地球の交点をそれぞれBおよび C,Dとおき,OAと CDの交点を Hとおく。
∠OAC = θ,CH = r とおくと
tan θ = OCAC
= R√(x+R)2 −R2
= R√x2 + 2xR
また,△OCH∽△OAC より
∠OCH = ∠OAC = θ
である。このとき
tan θ = OHCH
=
√R2 − r2
r
∴ R√x2 + 2xR
=
√R2 − r2
r
4章:図形と計量 1:三角比
両辺を 2乗してR2
x2 + 2xR= R2 − r2
r2
R2r2 = (R2 − r2)(x2 + 2xR)
(x2 + 2xR+R2)r2 = R2(x2 + 2xR) ∴ r =R√x2 + 2xRx + R
(km)
100 (1) 与えられた条件より右図の直角三角形を考えて
θ
1
2√23
sin θ =2√2
3
sin2 θ = 1− cos2 θ = 1−(13
)2= 8
9θ が鋭角より sin θ > 0 であるから
sin θ =2√2
3
(2) 与えられた条件より右図の直角三角形を考えて
θ √15
14tan θ = 1√
15=
√1515
cos2 θ = 1− sin2 θ = 1− 116
= 1516
θ が鋭角より cos θ > 0であるから
cos θ =
√154
∴ tan θ = sin θcos θ
=
14√154
= 1√15
=
√1515
あるいは,θ は鋭角より tan θ > 0 であるから
tan2 θ = 1cos2 θ
− 1 = 1615
− 1 = 115
∴ tan θ =
√1515
(3) 与えられた条件より右図の直角三角形を考えて
x
4
35
sinx = 35, cosx = 4
5
1cos2 x
= 1 + tan2 x = 1 + 916
= 2516より
cos2 x = 1625
0◦ < x < 90◦ なので cosx > 0 ∴ cosx = 45
sinxcosx
= tanxより
sinx = tanx cosx = 34
× 45
= 35
4章:図形と計量 1:三角比
1.2 鈍角の三角比・相互関係
101 (1) θが第 2象限の角で sin θ = 45のとき,cos θ = ,
tan θ = である。 (足利工業大)
(2) 0◦ 5 θ 5 180◦ で,cos θ = − 25のとき,sin θ,tan θの値を求めよ。
(長崎総合科学大)
(3) 0◦ 5 θ 5 180◦ で tan θ = −2√2 とする。このとき,sin θ = ,
cos θ = である。 (八戸工業大)
101 原点を中心とする半径 1の円(単位円)で,∠POE =
P
Ex
y
1
1
−1 θ1x
y
O
θ (0◦ 5 θ 5 180◦) とすると
cos θ = x1
= x, sin θ =y1
= y, tan θ =yx
である。とくに θ が鈍角(90◦ < θ < 180◦)のとき
cos θ < 0, sin θ > 0, tan θ < 0
である。
4章:図形と計量 1:三角比
101 (1) sin θ = 45より
1
1
−1
θ
45
x
y
O
cos2 θ = 1− sin2 θ = 1−(45
)2= 9
25
θ が第 2象限の角より cos θ < 0 であるから
cos θ = −√
925
= − 35
tan θ = sin θcos θ
=
45
− 35
= − 43
(2) cos θ = − 25より
1
1
−1
θ
− 25
x
y
O
sin2 θ = 1− cos2 θ = 1−(− 2
5
)2= 21
25
0◦ 5 θ 5 180◦ より sin θ = 0 であるから
sin θ =
√2125
=
√215
tan θ = sin θcos θ
=
√215
− 25
= −√212
(3) 1cos2 θ
= 1 + tan2 θ = 1 + (−2√2)2 = 9 ∴ cos2 θ = 1
9
0◦ 5 θ 5 180◦,tan θ < 0より θ は第 2象限の角となり,cos θ < 0であるから
cos θ = −√
19
= − 13
また,tan θ = sin θcos θ
より
sin θ = tan θ · cos θ = −2√2 ·(− 1
3
)=
2√2
3
4章:図形と計量 1:三角比
1.3 90°±θ,180°±θ の三角比
102 tan (90◦ − θ) = 7のとき,tan θ = である。 (八戸工業大)
103 (sin 20◦ − cos 20◦)2 + (sin 70◦ + cos 70◦)2 = (愛知学院大)
104 sin 160◦ cos 70◦ + cos 20◦ sin 70◦ の値を求めよ。 (東北芸工大)
102 余角の公式です。
sin (90◦ − θ) = cos θcos (90◦ − θ) = sin θ
tan (90◦ − θ) =sin (90◦ − θ)
cos (90◦ − θ)= cos θ
sin θ= 1
tan θ
103 角を 20◦ に統一することを考えましょう。
sin 70◦ = sin (90◦ − 20◦) = cos 20◦
cos 70◦ = cos (90◦ − 20◦) = sin 20◦
ですね。
104 補角の公式も使えるようにしましょう。
sin (180◦ − θ) = sin θcos (180◦ − θ) = − cos θ
tan (180◦ − θ) =sin (180◦ − θ)
cos (180◦ − θ)= sin θ
− cos θ= − tan θ
補角,余角の公式を使って,角の統一をはかります。
4章:図形と計量 1:三角比
102 tan (90◦ − θ) = 7 より1
tan θ= 7 ∴ tan θ = 1
7
103 sin 70◦ = sin (90◦ − 20◦) = cos 20◦
cos 70◦ = cos (90◦ − 20◦) = sin 20◦
1
1
−1
sin 20◦
cos 20◦
20◦
cos 70◦
70◦sin 70◦
x
y
O
より
(sin 20◦ − cos 20◦)2 + (sin 70◦ + cos 70◦)2
= (sin 20◦ − cos 20◦)2 + (cos 20◦ + sin 20◦)2
= (sin2 20◦ − 2 sin 20◦ · cos 20◦ + cos2 20◦)
+ (cos2 20◦ + 2 sin 20◦ · cos 20◦ + sin2 20◦)
= 2(sin2 20◦ + cos2 20◦) = 2
104 sin 160◦ = sin (180◦ − 20◦) = sin 20◦
cos 70◦ = cos (90◦ − 20◦) = sin 20◦
sin 70◦ = sin (90◦ − 20◦) = cos 20◦
1
1
−120◦
sin 20◦20◦160◦
cos 20◦
x
y
O
より
sin 160◦ cos 70◦ + cos 20◦ sin 70◦
= sin 20◦ sin 20◦ + cos 20◦ cos 20◦
= sin2 20◦ + cos2 20◦ = 1
sin 160◦ = sin(90◦ + 70◦) = cos 70◦,cos 20◦ = cos(90◦ − 70◦) = sin 70◦
として,角を 70◦ に統一して計算してもよい。
4章:図形と計量 1:三角比
1.4 大小比較
105 tan 30◦,sin 30◦,cos 40◦,sin 135◦ を値の小さい方から順に並べると
である。 (北海道工業大)
106 cos 25◦,cos 50◦,sin 50◦のうち値が一番大きいのは であり,値
が一番小さいのは である。 (北見工業大)
105 tan 30◦,sin 30◦,sin 135◦ の値は覚えていなければなりません。cos 40◦ の値
は知らないので,既知の値と比較して評価します。
たとえば,cos 30◦ > cos 40◦ > cos 45◦ です。
106 cos 25◦,cos 50◦,sin 50◦と,すべての角が第 1象限にあります。関数の統一を
考えて,すべてを cosで表してみましょう。
4章:図形と計量 1:三角比
105 tan 30◦ = 1√3,sin 30◦ = 1
2,sin 135◦ = 1√
2より
1
1
cos 40◦ cos 30◦cos 45◦
30◦40◦45◦
x
y
O
sin 30◦ < tan 30◦ < sin 135◦
また,cos 30◦ > cos 40◦ > cos 45◦ より√32
> cos 40◦ > 1√2
よって,値の小さい順に並べると
sin 30◦ < tan 30◦ < sin 135◦ < cos 40◦
106 sin 50◦ = sin (90◦ − 40◦) = cos 40◦
0◦ < θ < 90◦ のとき θ の値が小さいほど cos θ の値は大きくなるので
cos 50◦ < cos 40◦ < cos 25◦
であり
値が一番大きいのは cos 25◦,値が一番小さいのは cos 50◦
4章:図形と計量 1:三角比
1.5 式の値
107 sin θ + cos θ =√2 のとき
sin θ cos θ = , sin4 θ + cos4 θ =
である。 (北海道工業大)
108 sin θ + cos θ = 13(ただし 0◦ 5 θ 5 180◦ )であるとき
sin θ =
である。 (拓殖大)
109 sin θ + cos θ = 12のとき
sin θ cos θ =
であり,tan2 θ + 1tan2 θ
= である。 (足利工業大)
110 0◦ 5 A 5 180◦ のとき tanA+ 1tanA
= 103が成り立つとする。
このとき
sinA+ cosAの値は
であり
sinA− cosAの値は
である。 (日本工業大)
4章:図形と計量 1:三角比
107 sin θ + cos θ =√2 の両辺を 2乗すると sin θ cos θ が得られます。
sin4 θ + cos4 θ は sin θ と cos θ の対称式なので,基本対称式の sin θ + cos θ とsin θ cos θ で表すことができます。
108 sin2 θ+ cos2 θ = 1と合わせて考えてみましょう。sin θ,cos θについての連立
方程式を解くことになります。
また,sin θと cos θの和と積が得られれば,解と係数の関係(数学 II)も利用できます。
109 sin θ + cos θ = 12の両辺を 2乗してみましょう。sin θ cos θ が得られます。
tan2 θ + 1tan2 θ
=(sin θcos θ
)2+(cos θsin θ
)2ですから,これも sin θ と cos θ の対称式です。
110 tanA+ 1tanA
も sinA+ cosAも sinAと cosAの対称式ですが,
sinA− cosAは対称式ではありません。しかし,2乗すると対称式です。
また,tanA+ 1tanA
= 103から sinA cosAの値を得ることができます。
sin2 A+ cos2 A = 1 と合わせて,(sinA± cosA)2 の値を求めましょう。
sinA ± cosAの符号をおさえることも大切です。
4章:図形と計量 1:三角比
107 sin θ + cos θ =√2の両辺を 2乗すると
sin2 θ + 2 sin θ cos θ + cos2 θ = 2
sin2 θ + cos2 θ = 1 より
1 + 2 sin θ cos θ = 2 ∴ sin θ cos θ = 12
また
sin4 θ + cos4 θ = (sin2 θ + cos2 θ)2 − 2 sin2 θ cos2 θ
= 12 − 2 ·(12
)2= 1
2
108 sin θ + cos θ = 13より
cos θ = 13
− sin θ
sin2 θ + cos2 θ = 1に cos θ = 13
− sin θ を代入し,cos θ を消去すると
sin2 θ +(13
− sin θ)2
= 1 ∴ 2 sin2 θ − 23sin θ − 8
9= 0
sin θ = tとおくと
9t2 − 3t− 4 = 0 ∴ t =3±
√32 + 4 · 9 · 418
=1±
√17
6
0◦ 5 θ 5 180◦ より,0 5 t 5 1であるから
sin θ = t =1 +
√17
6
sin θ + cos θ = 13の両辺を 2乗して
sin2 θ + 2 sin θ cos θ + cos2 θ = 19
sin2 θ + cos2 = 1 より
1 + 2 sin θ cos θ = 19
∴ sin θ cos θ = − 49
よって,解と係数の関係(数学II)より,sin θ,cos θ を解とする 2次方程式は
t2 − 13t− 4
9= 0 ∴ 9t2 − 3t− 4 = 0
以下,同じ。
4章:図形と計量 1:三角比
109 sin θ + cos θ = 12の両辺を 2乗すると
sin2 θ + 2 sin θ cos θ + cos2 θ = 14
sin2 θ + cos2 θ = 1より
1 + 2 sin θ cos θ = 14
∴ sin θ cos θ = − 38
また
tan2 θ + 1tan2 θ
=(tan θ + 1
tan θ
)2− 2 tan θ · 1
tan θ
=(sin θcos θ
+ cos θsin θ
)2− 2 =
(sin2 θ + cos2 θsin θ · cos θ
)2
− 2
=(
1sin θ cos θ
)2− 2 =
(− 8
3
)2− 2 = 46
9
110 tanA+ 1tanA
= sinAcosA
+ cosAsinA
= sin2 A+ cos2 AcosA sinA
= 1sinA cosA
よって tanA+ 1tanA
= 103より
1sinA cosA
= 103
∴ sinA cosA = 310
このとき
(sinA+ cosA)2 = sin2 A+ 2 sinA cosA+ cos2 A
= 1 + 2 · 310
= 85
(sinA− cosA)2 = sin2 A− 2 sinA cosA+ cos2 A
= 1− 2 · 310
= 25
0◦ 5 A 5 180◦ かつ sinA cosA = 310
> 0なので
sinA > 0,cosA > 0
すなわち,sinA+ cosA > 0なので
sinA+ cosA =
√85
=2√105
sinA− cosA = ±√
25
= ±√105
4章:図形と計量 1:三角比
1.6 方程式
111 以下の方程式をみたす xを求めよ。ただし,90◦ 5 x 5 180◦ とする。
6 cos2 x+ cosx− 1 = 0 (専修大)
112 2 cos2 θ + 3 sin θ − 3 = 0をみたす θの値を求めよ。
ただし,0◦ < θ < 180◦ とする。 (滋賀大,手塚山大)
113 0◦ 5 θ < 180◦ の条件で,次の方程式をみたす θは である。
cos2 θ +√3 sin θ cos θ = 1 (立教大 改)
114 連立方程式
cos2 x+ sin2 y = 3
2
sinx cos y = 14
について,次の問いに答えよ。
ただし,0◦ 5 x 5 180◦, 0◦ 5 y 5 180◦ とする。
(1) sinx+ cos yの値を求めよ。 (2) xを求めよ。 (3) yを求めよ。
(産能大)
111 cosxの方程式なので,cosx = tと置換すれば,tの 2次方程式です。なお,置
換したときには,置き換えた tの値の範囲に注意しましょう。
112 cos θ と sin θ で表されていますから,どちらか一方に統一します。本問は
cos2 θ = 1− sin2 θと置換することによって,sin θ のみの方程式となります。
113 上と同じように,sin θ または cos θ で表そうとすると sin θ cos θ の項がじゃま
ですね。両辺を cos2 θでわってみましょう。tan θのみの方程式となります。ただし,わるときには(分母)\= 0 のチェックを忘れないようにしましょう。
114 cos2 x+ sin2 y は sinxと cos y で表すことができます。この変形により,本
問の連立方程式は sinxと cos y についての対称式となりますね。
4章:図形と計量 1:三角比
111 90◦ 5 x 5 180◦ より,−1 5 cosx 5 0であり,cosx = tとおくと
6t2 + t− 1 = 0 (3t− 1)(2t+ 1) = 0
−1 5 t 5 0より
t = cosx = − 12
∴ x = 120◦
112 2 cos2 θ + 3 sin θ − 3 = 0 より
2(1− sin2 θ) + 3 sin θ − 3 = 0
∴ 2 sin2 θ − 3 sin θ + 1 = 0 · · · · · · 1⃝sin θ = tとおくと,0◦ < θ < 180◦ であるから
0 < sin θ 5 1 ∴ 0 < t 5 1
したがって, 1⃝より2t2 − 3t+ 1 = 0 (2t− 1)(t− 1) = 0 ∴ t = sin θ = 1
2, 1
0◦ < θ < 180◦ より θ = 30◦, 90◦, 150◦
113 cos θ = 0のときは成立しないので,cos θ \= 0であり,与式の両辺を cos2 θ で
わると
1 +√3 · sin θ
cos θ= 1
cos2 θ
tan θ = sin θcos θ
,1 + tan2 θ = 1cos2 θ
より
1 +√3 tan θ = 1 + tan2 θ ∴ tan θ = 0,
√3
0◦ 5 θ < 180◦ より θ = 0◦, 60◦
4章:図形と計量 1:三角比
114 (1) cos2 x+ sin2 y = (1− sin2 x) + (1− cos2 y) = 2− (sin2 x+ cos2 y)
なので,cos2 x+ sin2 y = 32を変形すると
sin2 x+ cos2 y = 12
したがって
(sinx+ cos y)2 = sin2 x+ cos2 y + 2 sinx cos y = 12
+ 2 · 14
= 1
ここで,0◦ 5 x 5 180◦ なので,sinx = 0であり,sinx cos y > 0 であることから,
sinx > 0,cos y > 0となり
sinx+ cos y > 0 ∴ sinx + cos y = 1
(2) sinx+ cos y = 1 かつ sinx cos y = 14なので
14
= sinx(1− sinx)
sin2 x− sinx+ 14
= 0 ∴ sinx = 12
0◦ 5 x 5 180◦ より x = 30◦, 150◦
(3) (2)より cos y = 1− sinx = 1− 12
= 12
0◦ 5 y 5 180◦ より y = 60◦
4章:図形と計量 1:三角比
1.7 不等式
115 0◦ < θ < 135◦ のとき,不等式 2 sin2 θ − cos θ − 1 > 0を解け。
(龍谷大)
116 不等式 2 cos2 θ + sin θ − 2 < 0を解け。
ただし,0◦ < θ < 180◦ とする。 (川村学園女子大)
117 0◦ 5 θ < 90◦のとき,cos θ =
√32をみたす θの値は ,tan θ >
1√3をみたす θの範囲は < θ < である。 (西日本工業大)
115 sin2 θ = 1− cos2 θ を利用すると,cos θ のみで表せます。
116 cos2 θ = 1− sin2 θ を利用すると,sin θ のみで表せます。
117 0◦ 5 θ < 90◦ のとき,tan θ = 1√3となる θ は 30◦ です。tan θ > 1√
3とな
る θ の範囲は単位円の中で確認しましょう。
4章:図形と計量 1:三角比
115 2(1− cos2 θ)− cos θ − 1 > 0
x
y
O 1
1
12
− 1√2
60◦
135◦
cos θ = tとおくと,与式は
2t2 + t− 1 < 0(2t− 1)(t+ 1) < 0
− 1 < t < 12
∴ − 1 < cos θ < 12
ここで,0◦ < θ < 135◦ より
60◦ < θ < 135◦
116 2(1− sin2 θ) + sin θ − 2 < 0
2 sin2 θ − sin θ > 0
sin θ(2 sin θ − 1) > 0
∴ sin θ < 0, sin θ > 12
x
y
O 1
1
−1
12
30◦
150◦
0◦ < θ < 180◦ より
30◦ < θ < 150◦
117 0◦ 5 θ < 90◦,cos θ =
√32より
x
y
O1
1
−1
1√3
30◦
θ = 30◦
次に,tan θ = 1√3をみたす θは θ = 30◦ なので,
0◦ 5 θ < 90◦ において,tan θ > 1√3をみたす θ
の範囲は
30◦ < θ < 90◦
4章:図形と計量 1:三角比
1.8 最大・最小
118 0◦ 5 θ 5 180◦ のとき,2 cos2 θ + 2 sin θ + sin2 θ の最大値は ,
また最小値は である。 (東海大)
119 0◦ 5 θ < 90◦で f(θ) = tan2 θ + 2 sin2 θ + 3 cos2 θ の最小値を求める。
次の に当てはまる数や式をかけ。
サインとコサインの関係より
+ = 1 · · · · · · 1⃝両辺を cos2 θで割ることによって
+ = 1cos2 θ
· · · · · · 2⃝
が得られる。与式より
f(θ) = tan2 θ + 2 sin2 θ + 3 cos2 θ
サインとコサインの関係 1⃝を使ってf(θ) = 2 + + tan2 θ · · · · · · 3⃝
2⃝の関係を使ってf(θ) = 1 + cos2 θ + =
(cos θ −
)2
+ 3
よって, = 1のとき,すなわち,θ = のとき,f(θ)の最小値は
となる。 (徳島文理大)
120 関数 f(x) = sin2 x+ a cosx+ 1 について,0◦ 5 x 5 180◦ とする。
(1) a = 1 のとき,f(x)の最大値は ,そのときの xの値は ◦で
ある。
(2) aが 0 < a < 2 の値であるとき,f(x)の最大値が 52となるような aの
値は である。
(3) aが a = 2 の値であるとき,f(x)の最大値は ,そのときの xの
値は ◦である。また,f(x)の最小値は ,そのときの xの値は
◦ である。 (帝京大)
4章:図形と計量 1:三角比
118 cos2 θ = 1− sin2 θ を利用して,与式を sin θ についての 2次式とみます。
0◦ 5 θ 5 180◦ ですから,sin θ は 0 5 sin θ 5 1 の範囲で動きます。
119 親切な誘導に従い,f(θ)を cos θ についての関数として変形します。
問題文の関係式 1⃝, 2⃝は誘導がなくても頭に入っていなければならない等式です。
120 sin2 x = 1 − cos2 x を利用すると,f(x) は cosx についての 2 次式となりま
す。cosx = t とおくと,tについての 2次関数の最大・最小問題となります。
0◦ 5 x 5 180◦ より −1 5 t 5 1 です。定義域と軸の位置に注意しながらグラフを
かき,最大値,最小値を求めましょう。
4章:図形と計量 1:三角比
118 sinx = t とおくと,0◦ 5 θ 5 180◦ より
t
y
O
2
1
3
min
max0 5 t 5 1
であり
2 cos2 θ + 2 sin θ + sin2 θ
= 2(1− sin2 θ) + 2 sin θ + sin2 θ
= − t2 + 2t+ 2 = −(t− 1)2 + 3
0 5 t 5 1 より
t = 1 すなわち x = 90◦ のとき,最大値は 3
t = 0 すなわち x = 0◦, 180◦ のとき,最小値は 2
119 0◦ 5 θ < 90◦ で f(θ) = tan2 θ + 2 sin2 θ + 3 cos2 θ の最小値を求める。
サインとコサインの関係より
sin2 θ + cos2 θ = 1 · · · · · · 1⃝
次に,両辺を cos2 θ でわることによって
1+ tan2 θ = 1cos2 θ
· · · · · · 2⃝
が得られる。与式より
f(θ) = tan2 θ + 2 sin2 θ + 3 cos2 θ
サインとコサインの関係 1⃝を使ってf(θ) = tan2 θ + 2(1− cos2 θ) + 3 cos2 θ = 2 + cos2 θ + tan2 θ · · · · · · 3⃝
2⃝の関係を使ってf(θ) = 1 + cos2 θ + (1 + tan2 θ)
= 1 + cos2 θ + 1cos2 θ
=
(cos θ − 1
cos θ
)2
+ 3
よって,cos θ − 1cos θ
= 0のとき,f(θ)は最小となる。このとき
cos θ − 1cos θ
= 0 ∴ cos2 θ = 1
0◦ 5 θ < 90◦ から,cos θ = 1 すなわち θ = 0◦ のとき,f(θ)は最小値 3 となる。
4章:図形と計量 1:三角比
120 f(x) = sin2 x+ a cosx+ 1 = (1− cos2 x) + a cosx+ 1
= − cos2 x+ a cosx+ 2
cosx = t とおくと,0◦ 5 x 5 180◦ より −1 5 t 5 1 であり
f(x) = −t2 + at+ 2 = −(t− a
2
)2+ a2
4+ 2 = g(t)
(1) a = 1 のとき
t
y
O−1
12
94
1
2
maxg(t) = −
(t− 1
2
)2+ 9
4
−1 5 t 5 1 より,g(t)すなわち f(x)について
最大値は g(12
)= 9
4
0◦ 5 θ 5 180◦ より,t = 12のとき
cosx = 12
∴ x = 60◦
(2) 0 < a < 2 のとき,軸の方程式 t = a2は
t
y
O
−1a2
52
1
max0 < a
2< 1 をみたすから,−1 5 t 5 1 における
g(t)の最大値は g(a2
)である。よって
a2
4+ 2 = 5
2
∴ a =√2 (∵ 0 < a < 2)
(3) a = 2のとき,y = g(t)のグラフの軸の方程式 t = a2
t
y
O
−1
−a+ 1
a2
1
a+ 1 max
min
は a2
= 1 をみたすから,−1 5 t 5 1 における g(t)の
最大値は g(1) = a+ 1
最小値は g(−1) = −a+ 1
である。0◦ 5 θ 5 180◦ より,t = 1 のとき
cosx = 1 ∴ x = 0◦
また,t = −1 のとき
cosx = −1 ∴ x = 180◦
だから,f(x)の
最大値は a + 1,そのときの xの値は 0◦
最小値は −a + 1,そのときの xの値は 180◦
4章:図形と計量 2:図形への応用
2 図形への応用
2.1 余弦定理
121 右図の△ABCにおいて,辺BC,CA,AB
A B
C
ab
c
A H
の長さをそれぞれ a,b,cとし ∠Aの大きさを A
で表す。CからABに垂線CHを引く。△ACHに
おいて CH = ,AH = である。した
がって,BH = 。そこで,△BCHに三平
方の定理を適用することにより,余弦定理 a2 = が導かれる。
(高知工科大)
122 (1) 三角形 ABC において,AB = 3,AC = 2,∠A = 60◦ のとき,
BC = である。 (福岡工業大)
(2) △ABCにおいて ∠B = 30◦,AB =√3,AC =
√13のとき,
BC = である。 (八戸工業大)
(3) △ABCにおいて,AB = 5,BC = 8,CA = 7とする。このとき,cosB
の値は であり,また△ABCの面積は である。
(日本歯科大)
4章:図形と計量 2:図形への応用
121 直角三角形 ACHに着目しましょう。
A H
C
b
A
sinA = CHb
, cosA = AHb
ですね。
122 (1) “ 2辺と夾角”が与えられたときの問題です。
x2 = b2 + c2 − 2bc cosA
(2) “ 2辺と 1つの角”が与えられたときの問題です。角が 2辺の夾角でないときは,
三角形は 1通りに決まるとは限りません。
(3)“ 3辺”が与えられたときの問題です。余弦定理は cosB = c2 + a2 − b2
2caの形で
も使われます。
A BA
C
b
c
x
(1)の図
B
AA
C C
||||
cb b
x
x′
(2)の図
B C
A
bc
a
(3)の図
4章:図形と計量 2:図形への応用
121 直角三角形 ACHにおいて
CH = AC · sinA = b sinA
AH = AC · cosA = b cosA
よって BH = c − b cosA
次に,直角三角形BCHに三平方の定理を用い
A B
C
ab
c
A H
ると
a2 = CH2 +BH2
= b2 sin2 A+ (c− b cosA)2
= b2 sin2 A+ c2 − 2bc cosA+ b2 cos2 A
= b2(sin2 A+ cos2 A) + c2 − 2bc cosA= b2 + c2 − 2bc cosA
122 (1) 余弦定理より
A BA
C
2
3
60◦
BC2 = 32 + 22 − 2 · 3 · 2 cos 60◦= 9 + 4− 6 = 7
BC > 0より
BC =√7
(2) BC = xとおくと,余弦定理より
B C
AA
C
√3
√13
x
30◦
13 = 3 + x2 − 2√3x cos 30◦
x2 − 3x− 10 = 0(x− 5)(x+ 2) = 0
x > 0より
BC = 5
【注意】本問は一意的に定まりました。2次方程式が異なる正の 2解をもつときには注意しましょう。
(3) 余弦定理より
B C
A
75
8
cosB = 25 + 64− 492 · 5 · 8 = 1
2
0◦ < B < 180◦ より B = 60◦
次に,三角形の面積は
△ABC = 12
· 5 · 8 · sin 60◦ = 10√3
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.2 三角形の成立条件
123 三角形 ABC において,辺 AC の長さが 8,辺 AB の長さが 4 であ
るとする。このとき,辺 BC の長さ a の範囲は < a < で
あり,角 A が鈍角であるときの a の範囲は < a < である。
(駒澤大)
124 三角形△ABCの各辺の長さがそれぞれ
AB = x− 1, BC = 2, AC = 5− x
であるとする。このとき,次の各問いに答えよ。
(1) xのとりうる値の範囲を求めよ。
(2) xが (1)で求めた範囲を動くとき,三角形の面積がとる値の最大値を求
めよ。 (同志社大 改)
123 3辺の長さが a,b,cとなる三角形の成立条件は
A B
C
c
ab
a − b < c < a + b
であり,∠Aが鈍角である条件はb2 + c2 < a2
です。
124 2辺の長さと夾角が与えられたときの△ABCの面積 S は A
B C
c
a
bS = △ABC = 1
2ab sinC(
= 12bc sinA = 1
2ca sinB
)3辺の長さが与えられたときの△ABCの面積 S は
S =√
s(s− a)(s− b)(s− c) ただし,s = a+ b+ c2
という公式(ヘロンの公式)もあります。
4章:図形と計量 2:図形への応用
123 三角形の成立条件より
B C
A
4
a
8
8− 4 < a < 8 + 4
∴ 4 < a < 12 · · · · · · 1⃝
このもとで,∠Aが鈍角ならば42 + 82 < a2
∴ a > 4√5
1⃝と合わせて4√5 < a < 12
124 (1) 三角形の成立条件は
(x− 1)− (5− x) < 2 < (x− 1) + (5− x)
∴ x− 3 < 1
−1 < x− 3 < 1より 2 < x < 4
(2) ∠C = θ とすると,余弦定理より
cos θ =22 + (5− x)2 − (x− 1)2
2 · 2(5− x)= 28− 8x
4(5− x)= 7− 2x
5− x
三角形 ABCの面積は A
B C
x− 1
2
5− x
θ
△ABC = 12
· 2 · (5− x) sin θ
= (5− x)√
1− cos2 θ
= (5− x)
√1−
(7− 2x5− x
)2=√
(5− x)2 − (7− 2x)2
=√
−3x2 + 18x− 24
=√
−3(x− 3)2 + 3
(1)より 2 < x < 4 だから,△ABCの面積の最大値は
x = 3のとき,最大値√3
s =(x− 1) + 2 + (5− x)
2= 3とおくと,ヘロンの公式より
△ABC =√
s(s− x+ 1)(s− 2)(s− 5 + x)
=√
3 · (4− x) · 1 · (x− 2)
=√
−3x2 + 18x− 24 (以下解答と同じ)
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.3 正弦定理
125 正弦定理 a = 2R sinA(Rは外接円の半径)が成り立つことを鋭角三
角形の場合について証明せよ。 (杏林大)
126 (1) △ABCにおいて ∠A = 60◦,BC = 2のとき,外接円の半径を求
めよ。 (法政大)
(2) 半径 4 の円に内接する三角形 ABC で 4 sin (A+B) sinC = 3 のとき,
C = ◦ または, ◦ であり,AB = である。
(西日本工業大)
(3) 三角形 ABCにおいて,∠B = 30◦,∠C = 105◦,辺 BCの長さが 10の
とき,辺 ACの長さを求めよ。 (東京電機大)
127 △ABCにおいて,sinA : sinB : sinC = 5 : 6 : 7とする。最大角を θ
とするとき,cos θ = である。 (日本工業大)
125 円周角の定理を用いて直角三角形をつくります。鈍角のときの証明は教科書を
見てください。
126 (1) 外接円の半径を求めるには,まずは正弦定理です。
(2) つまり,△ABCの外接円の半径は 4です。また,三角形の内角の和 A+B +C
は 180◦ でしたね。
(3) 2角がわかれば,残りの 1角がわかります。
127 正弦定理を用いれば
sinA : sinB : sinC = a2R
: b2R
: c2R
= a : b : c
であり,角についての条件式を辺についての条件式に書き直すことができます。
4章:図形と計量 2:図形への応用
125 右図のように,Bを通る直径 BDを引き,直
C
A
B
D
O
a
2R
角三角形DBCをつくる。円周角の定理より,∠A =∠Dであるから
a = 2R sinD = 2R sinA (証終)
126 (1) 外接円の半径を Rとすると,正弦定理より
C
A
B
60◦
2
BCsinA
= 2R
∴ R = 12
· BCsin 60◦
=2√3
3
(2) A + B + C = 180◦ だから
sin (A+B) = sin (180◦ − C) = sinC
4 sin (A+B) sinC = 3 ∴ sin2 C = 34
0◦ < C < 180◦ より 0 < sinC 5 1
よって sinC =
√32
∴ C = 60◦ または 120◦
また,△ABCの外接円の半径を Rとすると R = 4 だから,正弦定理より
ABsinC
= 2R ∴ AB = 2R sinC = 2 · 4 ·√32
= 4√3
(3) ∠A = 180◦ − (30◦ + 105◦) = 45◦ より,正弦定理を用いて
B C
A
30◦ 105◦
10
ACsin 30◦
= BCsin 45◦
∴ AC = BC · 1sin 45◦
· sin 30◦ = 10 ·√2 · 1
2
= 5√2
127 △ABCの外接円の半径を Rとする。
正弦定理 asinA
= bsinB
= csinC
= 2R より
sinA = a2R
, sinB = b2R
, sinC = c2R
なので,sinA : sinB : sinC = 5 : 6 : 7 のとき
a : b : c = 5 : 6 : 7
したがって,t > 0として a = 5t,b = 6t,c = 7tと表せる。
最大辺 cの対角 C が最大角 θ なので,余弦定理より
cos θ = a2 + b2 − c2
2ab= 25t2 + 36t2 − 49t2
2 · 5t · 6t = 15
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.4 外接円・内接円の半径
128 3辺の長さが 2,3,4である三角形の最大角の余弦および外接円の半
径を求めよ。 (東京女子大 改)
129 三角形 ABCにおいて AB = 8,AC = 5,BC = 7とする。このとき,
∠Aの大きさおよび内接円の半径 rを求めよ。 (城西大)
130 3辺の長さが a, b, cの直角三角形の外接円の半径が 32, 内接する円の
半径が12のとき,次の問いに答えよ。ただし,a = b = cとする。
(1) aの値を求めよ。 (2) bと cの値を求めよ。 (群馬大)
128 最大辺の対角が最大角であり,3辺の長さが与えられているので,余弦定理を
用いれば最大角の余弦を求めることができます。
129 △ABCの内心(内接円の中心)を Iとして,内接
B C
A
Ir
rr
円の半径を r とおくと
△ABC = △ABI +△BCI +△CAI
= 12
·AB · r + 12
· BC · r + 12
· CA · r
= r2(AB + BC + CA)
です。
130 直角三角形の外接円の直径 2Rは斜辺に一致します。また,直角三角形の内接
円の半径 rは,前問のように面積に関連付けて求めることもできますが,次のように考えて求めることもできます。
a = BE+ EC = BD+ CF = (c− r) + (b− r) ∴ r =b + c − a
2
a
b c
C A
B
a
b
cD
E
F
r
r
r
||
||
|||
||| |
|
4章:図形と計量 2:図形への応用
128 最大辺の対角が最大角となるので,長さ 4の辺と向かいあう角 θが最大角であ
る。余弦定理より cos θ = 22 + 32 − 42
2 · 2 · 3 = − 14
0◦ < θ < 180◦ より sin θ > 0 だから
sin θ =√
1− cos2 θ =
√1−
(− 1
4
)2=
√154
外接円の半径を Rとすれば,正弦定理より
2R = 4sin θ
∴ R = 2sin θ
= 2 · 4√15
=8√15
15
129 余弦定理より
cos∠A = 82 + 52 − 72
2 · 8 · 5 = 12
∴ ∠A = 60◦
△ABCの面積を S とおくと
S = 12
·AB ·AC · sin 60◦ = 12
· 8 · 5 ·√32
= 10√3
また,△ABCの内接円の半径を r とおくと
S = r2(AB + BC + CA)
r2(8 + 7 + 5) = 10
√3 ∴ r =
√3
130 (1) a = b = c より,aが直角三角形の斜辺の長さとなる。直角三角形の斜辺
a
b c
3
b
c
r
は外接円の直径なので
a = 2× 32
= 3
(2) 三平方の定理より b2 + c2 = 32 · · · · · · 1⃝
直角三角形の内接円の半径を r とすると,r = 12より
b + c − 32
= 12
∴ c = 4− b
1⃝に代入すると
b2 + (4− b)2 = 9 ∴ b =4±
√2
2
このとき, c = 4− b = 4− 4±√2
2=
4∓√2
2(複号同順)
b = cより b =4 +
√2
2,c =
4 −√2
2
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.5 円に内接する四角形
131 AB = 4,BC = 5,CA = 6 である △ABC において,△ABC の外
接円上に点 Dを A,B,C,Dがこの順に並ぶようにとる。CD = 2 のとき,
DA = である。 (大同大 改)
132 四角形 ABCDは AB = 4,BC = 4,CD = 5,DA = 9 であり,点 O
を中心とする円に内接している。このとき,BD = ,AC = で
ある。 (慶應義塾大)
133 円に内接する四角形 ABCDは
AB = BC = 2√2,BD = 2
√3,∠ABC = 120◦
をみたすとする。ただし,AD > CDとする。
このとき
AC = ア
√イ ,∠BDC = ウエ
◦
であり,円 Oの半径は オ
√カ となる。
また,sin∠BAD =
√キ
クである。さらに
AD = ケ +√コ ,CD = ケ −
√コ
であり,四角形 ABCDの面積は サ
√シ である。 (センター試験)
4章:図形と計量 2:図形への応用
131 △ABCは 3辺の長さが確定しているので,余弦
B C
A
D
定理を用いればどの角に対しても余弦の値を求めるこ
とができます。
また,円に内接する四角形の向かい合う角の和は
180◦です。△ABC,△DACにおいて,∠ABCと∠ADCに対して,向かい合う角の和の関係が適用できます。
132 四角形 ABCDを対角線 BDあるいは ACで 2つの
B D
A
C
三角形に分割します。円に内接する四角形の向かい合う角
の和は 180◦ であることを利用しながら余弦定理を使うの
がポイントです。
本問は,最初に BDの長さが問われていますから,BDで 2つの三角形に分割します。このとき,C = 180◦ − Aが成り立ちます。すなわち
cosC = cos (180◦ −A) = − cosA
となります。
教科書ではあまり取り扱っていませんが,円に内接する四角形の対角線に関する次
の定理があります。
AB · CD+ BC ·DA = BD ·AC (トレミーの定理)
133 条件を図示すると,四角形 ABCDは BDに
||
|| 30◦
2√3
2√2
2√2
よって,2つの三角形に分割されますが,本問はACを求めることから始まります。ですから,ACによる分割を考えましょう。
なお,△ABD と △CBD は“ 2 辺と 1 つの角”が等しい三角形です。角が 2辺の夾角でないとき,三角形は 1通りには定まらないこともあります。余弦定理を用いるときは注意しましょう。
4章:図形と計量 2:図形への応用
131 ∠ABC = θ とおく。△ABCにおいて余弦定理を用いると
B C
A
D4
5
6
2
x
θ
cos θ = 42 + 52 − 62
2 · 4 · 5 = 18
また,DA = x とおく。∠CDA = 180◦ − θ であるから,△CDAにおいて余弦定理を用いると
62 = 22 + x2 − 2 · 2 · x · cos(180◦ − θ)
36 = 4 + x2 − 4x(− cos θ)
x2 + 12x− 32 = 0
∴ x =−1± 3
√57
4
x = DA > 0 より
DA =−1 + 3
√57
4
132 ∠BAD = αとおき,△ABDにおいて,余
B D
A
C
4
4 5
9α
180◦−α
弦定理を用いると
BD2 = 42 + 92 − 2 · 4 · 9 cosα= 97− 72 cosα · · · · · · 1⃝
また,∠BCD = 180◦ − αなので△BCDにおいて,余弦定理を用いると
BD2 = 42 + 52 − 2 · 4 · 5 cos (180◦ − α)
= 41 + 40 cosα · · · · · · 2⃝1⃝, 2⃝より
97− 72 cosα = 41 + 40 cosα ∴ cosα = 12
1⃝に代入してBD2 = 97− 72 · 1
2= 61 ∴ BD =
√61
同様に,∠ABC = β とおくと,∠ADC = 180◦ − β であるから,△ABC,△ADCにおいて余弦定理を用いると
AC2 = 42 + 42 − 2 · 4 · 4 cosβ = 32− 32 cosβ · · · · · · 3⃝AC2 = 52 + 92 − 2 · 5 · 9 cos (180◦ − β) = 106 + 90 cosβ · · · · · · 4⃝
よって, 3⃝, 4⃝より122 cosβ = −74 ∴ cosβ = − 37
613⃝に代入して
AC2 = 32(1 + 37
61
)∴ AC =
56√61
61
4章:図形と計量 2:図形への応用
133 △ABCにおいて余弦定理を用いると
B
A
CD
2√3 x
120◦
2√2
2√2
AC2 = AB2 +BC2 − 2AB · BCcosB= 8 + 8− 16 cos 120◦ = 24
AC > 0より AC = 2√6
円周角の定理から
∠BDC = ∠BAC = 180◦ − 120◦
2= 30◦
(∵ △ABCは二等辺三角形)
外接円の半径を Rとして△ABCにおいて正弦定理を用いるとAC
sin 120◦= 2R ∴ R = AC
2 sin 120◦= 1
2· 2
√6 · 2√
3= 2
√2
よって,△ABDにおいて正弦定理を用いると
2R = BDsin∠BAD
∴ sin∠BAD = BD2R
=2√3
2 · 2√2
=
√64
また,円周角の定理より,∠ADB = ∠ACB = 30◦なので,AD = xとして,△ABDにおいて余弦定理を用いると
(2√2)2 = (2
√3)2 + x2 − 2 · 2
√3x cos 30◦
x2 − 6x+ 4 = 0 ∴ x = 3±√5
ところで,△ABDと△CBDにおいて,BDが共通。∠ADB = ∠CDB = 30◦,AB =
BC = 2√2であることから,この方程式の 2解は,AD,CD の値である。AD > CD
より
AD = 3 +√5, CD = 3 −
√5
四角形 ABCDの面積は
△ABC+△ACD
= 12
·AB · BC · sin∠ABC+ 12
·AD · CD · sin∠ADC
= 12
· 2√2 · 2
√2 · sin 120◦ + 1
2· (3 +
√5)(3−
√5) sin 60◦
= 12
·√32
(8 + 4) = 3√3
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.6 三角形の形状決定
134 三角形 ABCにおいて,BC = a,CA = b,AB = cとする。次の等式
が成り立つときこの三角形はどのような形状か。
(1) a = 2b cosC
(2) sin2 A = sin2 B + sin2 C
(3) a2 = b2 + c2 + bc (広島女学院大)
135 △ABCにおいて,∠A,∠B,∠Cの大きさをそれぞれA,B,C とし,
辺 BC,CA,ABの長さをそれぞれ a,b,cとする。次の等式が成り立つと
き,この三角形はどのような三角形か。
(1) acosA
= bcosB
(2) a cosB − b cosA = c (松山大 改)
136 △ABCにおいて a = BC,b = CA,c = AB と表すときtanAa2
= tanBb2
が成り立つ△ABCはどのような三角形か。 (横浜国立大 改)
4章:図形と計量 2:図形への応用
134 三角形の形状決定問題は,正弦定理や余弦定理を用いて,辺の長さ a,b,cの
みの関係式,または,角の大きさ A,B,C のみの関係式をつくるのがポイントです。角の関係式にもち込むと,三角比に関するいろいろな公式を使うことが多く,辺のみ
の関係式をつくった方がラクな場合が多いです。
(1) 余弦定理より
cosC = a2 + b2 − c2
2ab
を代入すれば,辺の長さ a,b,cのみの関係式が得られます。
(2) 正弦定理より
sinA = a2R
, sinB = b2R
, sinC = c2R
を代入すれば,辺のみの関係式が得られます。
(3) 最初から 3 辺の長さのみの関係式で,辺のみの関係式として,これ以上変形で
きそうにありません。そこで,左辺の a2 を余弦定理を利用して別の形で表してみま
しょう。
135 いずれも cosがあります。余弦定理を利用して辺の長さ a,b,cの関係式で表
してみましょう。
136 tanは cosと sinで表すことができます。余弦定理と正弦定理を利用して辺の
長さ a,b,cの関係式で表してみましょう。
4章:図形と計量 2:図形への応用
134 (1) 余弦定理より
B C
A
a
bc
cosC = a2 + b2 − c2
2ab
これを用いて a = 2b cosC を変形すると
a = 2b · a2 + b2 − c2
2ab
a2 = a2 + b2 − c2 ∴ b2 = c2
b > 0,c > 0 より b = cよって,b = cの二等辺三角形
(2) Rを△ABCの外接円の半径として正弦定理よりa
sinA= b
sinB= c
sinC= 2R
∴ sinA = a2R
, sinB = b2R
, sinC = c2R
これを用いて sin2 A = sin2 B + sin2 C を変形すると(a2R
)2=(
b2R
)2+(
c2R
)2∴ a2 = b2 + c2
よって,∠A = 90◦の直角三角形
(3) 余弦定理より
a2 = b2 + c2 − 2bc cosA
これを用いて a2 = b2 + c2 + bc を変形すると
b2 + c2 − 2bc cosA = b2 + c2 + bc ∴ bc(1 + 2 cosA) = 0
b \= 0かつ c \= 0より
1 + 2 cosA = 0 ∴ cosA = − 12
よって,∠A = 120◦の三角形
4章:図形と計量 2:図形への応用
135 (1) acosA
= bcosB
より a cosB = b cosA
B C
A
a
bc
さらに,余弦定理を適用すると
a · a2 + c2 − b2
2ac= b · b2 + c2 − a2
2bc
a2 + c2 − b2
2c= b2 + c2 − a2
2c∴ a2 = b2
a > 0,b > 0より a = bよって,a = bの二等辺三角形
(2) a cosB − b cosA = cで左辺に余弦定理を適用すると
a · a2 + c2 − b2
2ac− b · b2 + c2 − a2
2bc= c
a2 + c2 − b2
2c− b2 + c2 − a2
2c= c
a2 + c2 − b2 − (b2 + c2 − a2) = 2c2
∴ a2 = b2 + c2
よって,∠A = 90◦の直角三角形
136 外接円の半径を Rとし,正弦定理,余弦定理を適用すると
tanAa2 = sinA
a2 cosA= 1
a2 · a2R
· 2bcb2 + c2 − a2 = bc
a(b2 + c2 − a2)R
同様にしてtanBb2
= 1b2
· b2R
· 2aca2 + c2 − b2
= cab(a2 + c2 − b2)R
が成り立つ。したがって
B C
A
a
bc
tanAa2 = tanB
b2
bca(b2 + c2 − a2)R
= cab(a2 + c2 − b2)R
ba(b2 + c2 − a2)
= ab(a2 + c2 − b2)
b2(a2 + c2 − b2) = a2(b2 + c2 − a2)
cについて整理して
(b2 − a2)c2 − (b4 − a4) = 0
(b2 − a2)c2 − (b2 + a2)(b2 − a2) = 0
(b+ a)(b− a){c2 − (b2 + a2)} = 0
b+ a > 0 なので
b = a または c2 = a2 + b2
つまり,AC = BCの二等辺三角形であるか,または ∠C = 90◦ の直角三角形で
ある。
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.7 面積
137 (1) △ABCにおいて,AB : AC = 2 : 3,BC = 2√7,∠BAC = 60◦
のとき△ABCの面積は である。 (中京大)
(2) △ABC において,BC : CA : AB = 2 : 3 : 4 であり,面積が
√153であ
るとき,辺 BC の長さは である。 (昭和薬科大)
138 ∠A = 60◦,AB = c,AC = bである三角形 ABCについて,以下の問
に答えよ。
(1) 三角形 ABCの面積を求めよ。
(2) ∠Aの 2等分線が辺 BCと交わる点を Pとする。このとき,APの長さ
を求めよ。 (専修大)
139 (1) 平行四辺形ABCDにおいて,AB = CD = 5,BC = DA = 7,対
角線 BD = 8 であるとき,平行四辺形 ABCDの面積を求めよ。
(自治医科大)
(2) 四辺形 ABCD において,∠A = 60◦, ∠B = 75◦, DA = 1, AB = 2,
BC =√2であるとき,この四辺形の面積は である。
(奈良県立医科大)
140 1辺の長さがそれぞれ x cmの正六角形の面積は cm2,正八角形
の面積は cm2 である。 (立教大)
4章:図形と計量 2:図形への応用
137 (1) △ABCの面積は
A B
C
60◦
12AB · ACsin∠BAC
です。∠BAC = 60◦ と与えられているので,AB,AC の長さがわかれば面積が得られます。AB : AC = 2 : 3 より,AB = 2x,
AC = 3x とおくことができ,BC = 2√7 と合わせると,xを求め
ることができます。このとき用いるのは余弦定理です。
(2) BC : CA : AB = 2 : 3 : 4 より,BC = 2x,CA = 3x,AB = 4x とおくことが
でき,3辺の長さが決まれば,余弦定理より頂角の余弦の値を求めることができます。
138 (1) b,cは与えられた長さとして用いてよいので,公式そのものを書けという
問題ですね。
(2) 面積 △ABC = △ABP + △APC に着目して,AP についての関係式をつくり
ます。
139 (1)(平行四辺形 ABCDの面積)= 2×(△ABDの面積)です。
(2) まず,与えられた条件をもつ四辺形を図示してみましょう。あとに四辺形の分割
の仕方を考えます。
140 正八角形の外接円の中心と各頂点を結ぶと正八角形は 8個の二等辺三角形に分
割されます。
4章:図形と計量 2:図形への応用
137 (1) AB : AC = 2 : 3 より,AB = 2x,AC = 3x と
A B
C
2x
2√73x
60◦
おける。余弦定理を用いると
(2√7)2 = (2x)2 + (3x)2 − 2 · 2x · 3x · cos 60◦
28 = 4x2 + 9x2 − 12x2 · 12
x2 = 4 ∴ x = 2 (∵ x > 0)
よって,△ABCの面積は
12
· 2x · 3x · sin 60◦ = 12
· 4 · 6 ·√32
= 6√3
(2) BC : CA : AB = 2 : 3 : 4 より BC = 2x,CA = 3x,AB = 4x とおける。
A B
C
4x
2x3x
余弦定理を用いると
cosA =(3x)2 + (4x)2 − (2x)2
2 · 3x · 4x = 78
このとき,0◦ < A < 180◦ より sinA > 0 だから
sinA =√
1− cos2 A =
√1−
(78
)2=
√158
△ABCの面積が
√153のとき
12
· 4x · 3x ·√158
=
√153
x2 = 49
∴ x = 23
(∵ x > 0)
よって BC = 2 · 23
= 43
138 (1) △ABC = 12bc sin 60◦ =
√34
bc
B C
A
P
30◦30◦
x
c b(2) AP = xとおくと,(1)より
△ABC = △ABP+△APC√34
bc = 12cx sin 30◦ + 1
2bx sin 30◦
√3bc = (b+ c)x ∴ AP = x =
√3bc
b + c
APは ∠Aの 2等分線より BP : PC = AB : AC = c : b△ABPの面積を 2通りに考えると
12cx sin 30◦ = c
b+ c· 12bc sin 60◦ ∴ x =
√3bc
b+ c
4章:図形と計量 2:図形への応用
139 (1) △ABDにおいて余弦定理を用いると
A B
D C
5
7
5
7 8cosA = 52 + 72 − 82
2 · 5 · 7 = 17
このとき,0◦ < A < 180◦ より sinA > 0 であるから
sinA =√
1− cos2 A =
√1−
(17
)2=
4√3
7
よって,平行四辺形 ABCDの面積は
2×△ABD = 2× 12
· 5 · 7 · 4√3
7= 20
√3
(2) △ABD は AB = 2,AD = 1,DB =√3 の
B
DA
C
60◦
30◦ 45◦
1
2
√2
直角三角形であり,∠DBC = 75◦ − 30◦ = 45◦ である。よって,四辺形の面積 S は
S = △ABD+△BCD
= 12
· 1 ·√3 + 1
2·√2 ·
√3 · sin 45◦
=
√32
+
√32
=√3
140 1辺の長さが xの正三角形 6個分の面積を考えて
x ||
||
||
6× 12
· x · x · sin 60◦ =3√3
2x2 (cm2)
次に,正八角形の外接円の半径を r として,
AB
O
xr
r45◦
||
||
OA = OB = r,AB = x,∠AOB = 45◦ の △OAB を考える。余弦定理より
x2 = r2 + r2 − 2r · r cos 45◦
x2 = (2−√2)r2
∴ r2 = x2
2−√2
=2 +
√2
2x2
したがって,正八角形の面積は
8×△OAB = 8× 12r2 sin 45◦ = 2
√2 · 2 +
√2
2x2
= 2(√2 + 1)x2 (cm2)
右図より,求める面積は
AB
O
x
x√2
x√2
(x√2
+ x+ x√2
)2
− 4× 12
(x√2
)2
= (√2 + 1)2x2 − x2 = 2(
√2 + 1)x2 (cm2)
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.8 相似形の面積比
141 図の三角形ABCにおいて,辺ABを 3等分
B R S C
Q
P
A
する点をそれぞれ P,Q,辺 BCを 3等分する点を
それぞれR,Sとする。このとき,△BQR,△PQS,
△ABC の面積比は : : であ
る。 (湘南工科大)
142 右図において,長方形 ABCD と長方形 A
B F C
DE
AEFBが相似であり,四角形 CDEFが正方形で
あるとする。長方形AEFBの面積を S1,長方形
ABCDの面積を S2 とするとき
AB : BC = 1 : ,
S1 : S2 = 1 :
である。 (北海道工業大)
143 1つの円に内接する正六角形の面積を S,外接する正六角形の面積を
T とする。このとき,S : T を求めよ。
144 図のように,正五角形 ABCDEの対角線 A
B
C D
E
F
G
HI
J
の交点をそれぞれ F,G,H,I,Jとする。
(1) ∠ABHと ∠AHBの大きさの比は,
∠ABH : ∠AHB = 1 : である。
(2) 線分 IHと線分 AIの長さの比は,
IH : AI = 1 : である。
(3) 五角形 FGHIJ と正五角形 ABCDE の面積
の比は,五角形 FGHIJ :正五角形 ABCDE =
1 : である。
4章:図形と計量 2:図形への応用
141 相似な平面図形A,Bの相似比が a : bであるとき,A,Bの面積比は a2 : b2
です。
142 長方形 ABCDと長方形 AEFBが相似であることから
AB : BC = AE : AB
であり,四角形 CDEFが正方形であることより
AB = BC−AE
です。AEを消去することによりABとBCの関係式が得られます。AB = 1,BC = a,AE = x としても一般性は失われません。
143 正六角形は中心 Oを 1つの頂点とする 6個の正三角形に分割されます。各正
六角形の一辺の長さの比が相似比であり,2つの正六角形の面積比は,(相似比)2 と
なります。
144 正五角形の中にはいくつかの相似な三角形があ A
B
C D
E
A
B
C D
EI H
||
|| ···
·
· ·· ··
··ります。
(1) 正五角形の内角の総和は△ABC,
△ACD,△AEDの内角の和に等しいから
∠BAE = 180◦ × 35
= 36◦ × 3 = 108◦
36◦ を•で表すと,△ABH内の角は右図のようになります。
(2) △AIH∽△BAHであり,△IABが二等辺三角形
であることに着目します。
4章:図形と計量 2:図形への応用
141 △QBR∽△PBS∽△ABC であり,
B R S C
Q
P
A
|
|
|
|| || ||
相似比は 1 : 2 : 3 だから
△QBR : △PBS : △ABC = 12 : 22 : 32
また,Rは線分 BSの中点だから
△QBR : △QRS = 1 : 1
よって,△ABCの面積を 9とすると
△QBR = 1△PQS = △PBS−△QBR−△QRS
= 4− 1− 1 = 2
よって,求める面積比は
△BQR : △PQS : △ABC = 1 : 2 : 9
142 AB = 1,BC = a,AE = x とおく。
長方形ABCDと長方形AEFBが相似であることか A
B F C
DE
1
a
x
||
||
||
||
ら
a : 1 = 1 : x ∴ ax = 1 · · · · · · 1⃝また,BF + FC = BC より
x+ 1 = a · · · · · · 2⃝1⃝, 2⃝より xを消去すると
a(a− 1) = 1
a2 − a− 1 = 0
a > 0 より
a =1 +
√5
2
したがって
AB : BC = 1 : a = 1 :1 +
√5
2
であり,長方形 ABCDと長方形 AEFBが相似であることから
S1 : S2 = 12 : a2 = 1 :3 +
√5
2
4章:図形と計量 2:図形への応用
143 図のようにO,A,B,C,Dをとる。円の半径
O30◦ A
B
C
D
OAの長さを aとすると,内接正六角形と外接正六角形の辺の比は
AB : CD = AB : 2AD = a : 2a tan 30◦
= 1 :
(2 · 1√
3
)=
√3 : 2
∴ S : T = (√3)2 : 22 = 3 : 4
144 正五角形 ABCDE の内角の総和は △ABC,△ACD,△AED の内角の総和
180◦ × 3 に等しいから
∠BAE = 180◦ × 35
= 108◦
∠BAI = ∠ABI = 180◦ − 108◦
2= 36◦
∠AIH = ∠AHI = 72◦
である。
(1) ∠ABH : ∠AHB = 36◦ : 72◦ = 1 : 2
(2) IH = 1,AI = xとおくとA
BHI
||
||
||
·
· ·· ··
·△AIH∽△BAH
より,AH = AI = BIであり
IH : AH = AH : BH1 : x = x : (x+ 1)
x2 − x− 1 = 0 ∴ x =1 +
√5
2(∵ x > 0)
したがって
IH : AI = 1 :1 +
√5
2
(3)(五角形 FGHIJ)∽(五角形 ABCDE)
A
B
C D
E
F
G
HI
J
であり,IH = 1のとき
AB = BH = 1 + x =3 +
√5
2なので,求める面積比は
12 :
(3 +
√5
2
)2
= 1 :7 + 3
√5
2
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.9 空間図形への応用
145 あるビルの高さを求めるために,壁面から 30m離れた地点で屋上を見
上げる角を測ったところ,57◦であった。目の高さを 1mとするとき,このビ
ルの高さは mである。また,その他の条件は一切同じで,見上げる角
が 67◦であったとき,ビルの高さは mである。ただし,見上げる人とビ
ルは,ともに水平な土地にたっている。tan 57◦ = 1.5399,tan 67◦ = 2.3559
として,答は小数第 1位で四捨五入せよ。 (武蔵大)
146 地点Aから真北の方向の地点 Bに塔がたっている。Aから塔の先端を
見上げる仰角は 60◦である。Aから真東に 100m移動した地点 Cから塔の先
端を見上げる仰角は 30◦である。このとき, AB間の距離は mであり,
この塔の高さは mである。 (日本大)
147 底辺の縦,横がそれぞれ 3cm,4cm,高さ
CA
B
34
4
が 4cmの直方体で,三角形ABCを考える。三角
形 ABCの面積は である。また ∠ABC =
αとすると
sinα = , cosα =
である。 (桐蔭横浜大)
148 図の直方体 ABCD− EFGH において,
E
HG
F
A
D C
B
AB = 3,AD = 2,AE = 1
とし,∠DEB = θとおく。このとき,次
の各問に答えよ。
(1) BD,DE,EBの長さを求めよ。
(2) cos θ の値を求めよ。
(3) 三角形 BDEの面積を求めよ。
(4) Aから三角形 BDEに下ろした垂線の長さを求めよ。 (北海道工業大)
4章:図形と計量 2:図形への応用
145 まずは,状況を簡潔に図示しましょう。そうすれば,鋭角の三角比の定義から
ただちに計算できます。
本問のように,角を測ることによって,実測できないビルの高さや山の高さを知る
こと(測量)ができますね。
146 A,B,Cの位置関係がわかる立体図をかきましょう。
147 空間図形といっても,その中に現れる三角形や四角形を考えると,それら 1つ
1つは平面図形です。
本問は△ABCについて調べますが,たとえば,1辺ACは,長方形の対角線です。
148 (4)では四面体 ABDEの体積を
13
×AE×△ABD と 13
× h×△BDE
の 2通りに考えてみましょう。
4章:図形と計量 2:図形への応用
145 ビルの高さから 1mひいた高さを xmとおくと
1m
xm
ビル
30m
57◦
tan 57◦ = x30
∴ x = 30 · tan 57◦= 30× 1.5399 = 46.197
よって,ビルの高さは,x+ 1 = 47.197を小数第 1位で四捨五入すると 47 (m)
同じように考えて,角度が 67◦ のときの高さから 1mひいた高さを ymとおくと
y = 30 · tan 67◦ = 30× 2.3559 = 70.677
よって,ビルの高さは,y+1 = 71.677を小数第 1位で四捨五入すると 72 (m)
146 塔の先端を H,AB = xとおくと
A
B
C
H
60◦ 30◦xm
100m 東
北
HB = x tan 60◦ =√3x
BC = HBtan 30◦
=√3HB = 3x
また,三平方の定理より
AB2 +AC2 = BC2
x2 + 1002 = 9x2
x > 0 より
x =
√1002
8= 100
2√2
= 25√2
よって
AB = x = 25√2 (m), HB = 25
√6 (m)
147 AB = 4,AC =√42 + 32 = 5,AB⊥AC A
B
C
α4
5
なので,三角形 ABCの面積は12
× 4× 5 = 10 (cm2)
また,BCの長さは
BC =√
42 + 52 =√41
より
sinα = ACBC
=5√41
41, cosα = AB
BC=
4√41
41
4章:図形と計量 2:図形への応用
148 (1) 三平方の定理より
E
G
F
A
D C
B
1
2
3
BD =√
32 + 22 =√13
DE =√
22 + 12 =√5
EB =√
12 + 32 =√10
(2) 三角形 DEBに余弦定理を用いると
E B
D
√10
√13√
5
θ
cos θ =(√5)2 + (
√10)2 − (
√13)2
2 ·√5 ·
√10
= 1
5√2
=
√2
10
(3) 0◦ < θ < 180◦ より sin θ > 0 だから
sin θ =√
1− cos2 θ =
√1−
( √2
10
)2
=7√2
10
よって
△BDE = 12
·√5 ·
√10 · 7
√2
10= 7
2
(4) 四面体 ABDEの体積を V とすると
E
HG
F
A
D C
Bh
V = 13
×AE×△ABD
= 13
× 1× 12
· 2 · 3
= 1 · · · · · · 1⃝また,A から三角形 BDEに下ろした垂線の長さを hとすると
V = 13
× h×△BDE
= 13
× h× 72
= 76h · · · · · · 2⃝
1⃝, 2⃝より1 = 7
6h ∴ h = 6
7
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.10 空間図形の体積
149 AB = AC = AD = 3,BC = 3,CD = 2,DB =√5 の三角錐 ABCD
において,△BCDに外接する円の半径は であり,この三角錐 ABCD
の体積は である。 (中京大)
150 図のような正四角すいOABCDがあり,
C
D
A
B
O
M
OA = OB = OC = OD = AB = BC = CD =
DA = 4 cmで,点Mは辺 ABの中点である。
図のように,正四角すいOABCDを,点Mを
通り三角形OBDに平行な平面で切ってできる
2つの立体のうち,頂点 Aを含む立体の体積
は何 cm3 か。
151 次の図のように,AB = 3 cm,AD =
E
F G
H
A
B C
D
M
N
P
Q
R
S
6 cm,AE = 3 cm の直方体 ABCD −EFGHがある。辺 BC,ADをそれぞれ
2 : 1に分ける点をM,Nとし,辺 FG,
EHの中点を,それぞれ P,Qとする。
対角線 ACと線分 MNの交点を R,対
角線 EGと線分 PQの交点を Sとするとき,次の (1),(2)の問いに答えな
さい。
(1) 線分MRの長さを求めなさい。
(2) 立体MCR− PGSの体積を求めなさい。
4章:図形と計量 2:図形への応用
149 三角形の外接円の半径は正弦定理を利用して求めることができます。Aから底
面 BCDに下ろした垂線の足は,AB = AC = AD ならば,三角形 BCDの外心と一致します。
150 相似な立体図形A,Bの相似比が a : bであるとき,A,Bの体積比は a3 : b3
です。本問では,求める立体(四面体)の体積を V とおくと
V =(12
)3× (四面体 OABDの体積)
=(12
)3× 1
2(正四角錐 OABCDの体積)
です。
151 (1) △CMR∽△CBA(相似比 1 : 3)です。
(2) GC,SR,PMを延長して三角錐をつくりましょう。
4章:図形と計量 2:図形への応用
149 ∠BCD = θ とおき,三角形 BCD に余弦定理 A
DB
C
32
√5
を用いると
cos θ =32 + 22 − (
√5)2
2 · 3 · 2 = 23
0◦ < θ < 180◦ より sin θ > 0 だから
sin θ =√
1− cos2 θ =
√1−
(23
)2=
√53
三角形BCDの外接円の半径をRとする。三角形BCDに正弦定理を用いると
2R = BDsin θ
∴ R =
√5
2 ·√53
= 32
Aから三角形 BCDに垂線 AHを引く。このとき,三平方の定理より
A
DB
C
3 ||
||||
32
√5
H
BH =
√AB2 −AH2 =
√9−AH2
CH =√AC2 −AH2 =
√9−AH2
DH =√AD2 −AH2 =
√9−AH2
∴ BH = CH = DH
よって,Hは三角形 BCDの外心と一致するから
BH = R = 32
∴ AH =√
AB2 − BH2 =
√9− 9
4=
3√3
2
したがって,三角錐 ABCDの体積は
13
×△BCD×AH = 13
× 12
· 3 · 2 ·√53
× 3√3
2=
√152
三角形 BCDについて,BC2 = CD2 +DB2 が成り立つから,∠CDB = 90◦ である。このことに気づけば,三角形 BCDの外接円は B,Cを直径の両端とする円であり,Rは
R = BC2
= 32
と求めることができる。
4章:図形と計量 2:図形への応用
150 求める立体は四面体 OABDと相似であり,
C
D
A
B
O
H
M
CA
O
H
|| ||4
2√2
相似比は 12なので,求める体積 V は
V =(12
)3×(四面体 OABDの体積)
= 18
× 12
×(正四角錐OABCDの体積)
ここで,Oから平面 ABCDへ下ろした垂線の足をHとおくと
AH = 12AC = 1
2
√42 + 42 = 2
√2
であるから
OH =√
OA2 −AH2 =
√42 − (2
√2)2
= 2√2
∴ V = 116
× 13
· 42 · 2√2 =
2√2
3(cm3)
151 (1) △CMR∽△CBAであり
MR : BA = CM : CB = 13CB : CB = 1 : 3
∴ MR = 13AB = 1 cm
(2) 図のように 3 直線 GC,SR,PM の交点を T とお
M C
R
P G
S
T
3
3
2
32
くと,三角錐 TMCR と三角錐 TPGS は相似となり,相似比は MC : PG = 2 : 3 なので,体積比は23 : 33 = 8 : 27である。
よって,求める体積 V は
V =(1 − 8
27
)×(三角錐 TPGSの体積)
である。
△PGS = 12
· PG · PS = 12
· 3 · 32
= 94
TG = hとおくと,TC : TG = 2 : 3より
(h− 3) : h = 2 : 32h = 3(h− 3) ∴ h = 9
であるから
(三角錐 TPGSの体積)= 13
×△PGS× h = 13
× 94
× 9 = 274
したがって
V = 1927
× 274
= 194
(cm3)
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.11 正四面体
152 1 辺の長さが 2 の正四面体 ABCD におい A
DB
C
M
θ
て,辺BCの中点をMとし,∠AMD = θ とする。
このとき,cos θ = であり,三角形 AMD
の面積は である。 (北海道工業大)
153 1辺の長さが 1の正四面体OABCの辺OA上に点Pがある。∠BPC = θ
とする。cos θ = 513で OP < 1
2のとき,BPの長さは であり,OP
の長さは である。 (独協医科大)
154 一辺の長さが 1 の正四面体 OABC に O
C
A
B
P
h
θ
おいて,辺 OA を 3 : 1 に内分する点を P と
する。∠BPC = θ とし,三角形 BPC の面積
を S とおく。
(1) 線分 BP の長さは である。
(2) cos θ = ,S = である。
(3) 正四面体 OABC の体積を V とおくと,
V = である。
(4) 点 O から三角形 BPC に下ろした垂線の長さ h は である。
(東邦大)
4章:図形と計量 2:図形への応用
152 正四面体は 4つの合同な正三角形を面とする四面体です。また,Mは辺 BCの
中点より,AM,DMはそれぞれ正三角形 ABC,DBCの中線であり,三角形 AMDは AM = DM の二等辺三角形です。三角形 AMDの 3辺の長さがわかれば余弦定理より cos θ の値が求められますし,cos θ の値から sin θ の値,そして面積を求めることができます。
153 △BPCは BP = CP の二等辺三角形です。cos θ の値が与えられているので余
弦定理の利用を考えます。
154 (3) Oから底面 ABCに下ろした垂線の足 Hは
OA = OB = OC
より三角形 ABCの外心です。さらに,三角形 ABCは正三角形であり,正三角形においては外心と重心は一致するので
Hは重心
でもあります。これより
AH = 23
×(中線の長さ)
です。
あるいは,AHは三角形 ABCの外接円の半径でもあるので,正弦定理を用いてAB
sin 60◦= 2×AH より AH = 1√
3AB
としてもよいですね。
(4) 四面体 OPBCの体積を,hを使うものと使わないものとで 2通りに表してみま
しょう。
4章:図形と計量 2:図形への応用
152 AM,DMは正三角形の中線よりA
D
B
C
M
θ|
|
2
AM = DM = 2 sin 60◦ =√3
三角形 AMDに余弦定理を用いると
cos θ =(√3)2 + (
√3)2 − 22
2 ·√3 ·
√3
= 13
0◦ < θ < 180◦ より sin θ > 0 であるから
sin θ =√
1− cos2 θ =
√1−
(13
)2=
2√2
3
したがって
△AMD = 12
·√3 ·
√3 · 2
√2
3=
√2
153 BP = xとおく。BP = CPなので,△BPCに余弦定理を用いて
O
C
A
B
P
y
x
xθ
cos θ = x2 + x2 − 12 · x · x = 2x2 − 1
2x2
これと cos θ = 513より
2x2 − 12x2 = 5
13
26x2 − 13 = 10x2
x2 = 1316
∴ BP = x =
√134
(∵ x > 0)
∠BOP = 60◦ なので,OP = y とし,△OBPにおいて余弦定理を用いると( √134
)2
= 12 + y2 − 2 · 1 · y cos 60◦
y2 − y + 316
= 0
(4y − 3)(4y − 1) = 0
∴ OP = y = 14
(∵ y < 1
2
)
4章:図形と計量 2:図形への応用
154 (1) 三角形 ABPに余弦定理を用いると
BP2 =(14
)2+ 12 − 2 · 1
4· 1 · cos 60◦ = 13
16
∴ BP =
√134
(∵ BP > 0)
(2) PC = BP =
√134であるから,三角形 PBCに余弦定理を用いると
O
C
A
B
Pθ
3⃝
1⃝
1√134
cos θ = BP2 + PC2 − BC2
2 · BP · PC = 513
0◦ < θ < 180◦ より sin θ > 0 であるから
sin θ =
√1−
(513
)2= 12
13
よって,三角形 BPCの面積 S は
S = 12
·√134
·√134
· 1213
= 38
(3) 点 Oから三角形 ABCに垂線 OHをひくと,Hは三角形 ABCの外心であり,三
O
C
A
B
P
2
1
HM
||
||
角形 ABCは正三角形より Hは重心と一致する。よって,辺 BCの中点をMとすると,Hは中線 AM上にあって
AH = 23AM = 2
3× 1 · sin 60◦ =
√33
このとき
OH =
√12 −
( √33
)2
=
√63
であるから,正四面体 OABCの体積 V は
V = 13
×△ABC×OH
= 13
× 12
· 1 · 1 · sin 60◦ ×√63
=
√2
12
(4) 四面体 OPBCの体積を V ′ とする。OP : PA = 3 : 1 より
O
C
A
B
P
h
3⃝
1⃝
V ′ = V × 34
=
√2
12× 3
4=
√2
16
また
V ′ = 13
× S × h = h8
でもあるから
h8
=
√2
16∴ h =
√22
4章:図形と計量 2:図形への応用
2.12 球
155 一辺の長さが aである正四面体 ABCDに外接する球の半径は
である。 (兵庫医科大)
156 図のように,1辺の長さ 2の正方形を底面とす
B C
ED
A
P
Q
る正四角錐ABCDEがあり,その中にちょうどはいる
2つの球 P,Qがある。球 P は正四角錐 ABCDEの
底面および各側面に接し,球 Qは正四角錐 ABCDE
の各側面に接している。さらに 2つの球 P,Qは互
いに接している。正方形 BCDEの面積と △ABCの
面積が等しいとき,
(1) 辺 ABの長さは である。
(2) 球 P の半径は である。
(3) 球 Qの体積は である。
157 右の図は,線分 BCを直径とする円を底面とし,点A
B C
A
を頂点とする直円錐である。AB = 6,BC = 6のとき,この
直円錐の中に入る球のうち,体積が最大のものを Oとする。
球 Oの体積を求めよ。
158 右図のように,高さが 1,底面の半径が 2
1
2
の円すいの頂点と底面の周が,球に内接してい
る。この球の体積を求めよ。
4章:図形と計量 2:図形への応用
半径 r の球について
r
体積 V = 43πr3, 表面積 S = 4πr2
です。あとは球の半径を求めるために立体の切り口を工
夫します。
155 正四面体 ABCDを対称な 2つの図形(立体)に分割すると,外接球の中心は
この切り口の上にあります。さらに,この切り口を対称な 2つの図形(三角形)に分割すると,外接球の中心はこの切り口の上にあります。
156 2球と側面との接点がどのように表れるか考えましょう。接点と 2球の中心を
含む平面による切り口を考えます。
157 頂点 Aと直径 BCを含む平面による切り口を考えましょう。内接球の中心は切
り口の三角形の内心となります。また,切り口は正三角形となるので,内心は重心に
一致します。
158 円錐の軸を含む平面で切れば,どこで切っても切り口は同じ形となります。
4章:図形と計量 2:図形への応用
155 点 Aから三角形 BCDに垂線 AHをひくと,AB = AC = AD より Hは三角
A
D
B
C
H M2⃝1⃝
||
||
A
B MH
OR
R
形 BCDの外心であり,三角形 BCDは正三角形より Hは三角形 BCDの重心と一致する。辺 CDの中点をMとすると,Hは中線 BM上にあるから
BH = 23
× a sin 60◦ =
√33
a
∴ AH =
√a2 −
( √33
a
)2
=
√63
a
外接球の中心を O,半径を Rとすると
OH =
√63
a−R
よって,三平方の定理より
BH2 +HO2 = OB2( √33
a
)2
+
( √63
a−R
)2
= R2
∴ R =
√64
a
二等辺三角形MABにおいて,MOは∠AMBの 2等分線だから
AO : OH = AM : MH = 3 : 1
∴ R = OA = 34AH =
√64
a
156 (1) 辺 BCの中点を Fとすると,△ABCの面積
B C
ED
A
F
G
と正方形 BCDEの面積が等しいので12
· BC ·AF = BC2 ∴ AF = 2 · BC = 4
よって AB =√
AF2 +BF2 =√42 + 12 =
√17
(2) EDの中点を Gとし,3点A,F,Gを通る平面に
よる切り口を考える。対称性より,2球の中心 P,Qはこの平面上にある。次頁の図のように各点をとると
FH = 12FG = 1
2× 2 = 1
であり,また
AH =√
AF2 − FH2 =√
42 − 12 =√15
4章:図形と計量 2:図形への応用
球 P の半径を r とおき,さらに,△AFH∽△APIより
H
A
F G
P
Q
I
J
AF : AP = FH : PI
4 : (√15− r) = 1 : r
4r =√15− r ∴ r =
√155
(3) AJ = AH− 2r =√15− 2 ·
√155
= 35
√15 より
AJ : AH = 35
√15 :
√15 = 3 : 5
なので,球 Q,P の半径の比は
QJ : PH = 3 : 5
よって
(球 Qの体積)=(35
)3×(球 P の体積)=
(35
)3× 4
3π · r3
= 32 · 4π53
×( √
155
)3
=33 · 4
√15
55π =
108√15
3125π
157 体積が最大となるのは,球が直円錐に内接するときである。
頂点Aと直径BCを含む平面による切り口を考える。△ABCは 1辺の長さが 6の正三角形なので,内心と重心は一致し,球の中心 Gは正三角形 ABCの重心である。
BCの中点をMとして,GM = BMtan 30◦ = 3× 1√3
=√3なので
(球 O の体積)= 43
× π(√3)3 = 4
√3π
B C
A
G
MB C
A
G
M30◦
158 図のように,円錐の頂点Aと球の中心Oを通
O
A
HB C
1
2r − 1
r
る平面による切り口を考える。球の半径を rとすると,OH = r − 1,OC = r より,△OCHに三平方の定理を用いると
r2 = (r − 1)2 + 22 ∴ r = 52
よって,体積は 43π · r3 = 125
6π である。