ワークショップ1 2椎原隆(rescue 311 シンポジウム)

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椎原 隆 群馬県立小児医療センター神経内科 多くの個人・企業のご協力・ご支援を頂きました、感謝。 Rescue311 メールを使った医療相談活動 「筆頭演者の利益相反:開示すべき事項なし」

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Rescue 311シンポジウム

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椎原 隆群馬県立小児医療センター神経内科

多くの個人・企業のご協力・ご支援を頂きました、感謝。

「 Rescue311」メールを使った医療相談活動

「筆頭演者の利益相反:開示すべき事項なし」

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Rescue 311

事の発端  仕組み

活動概要 今後の可能性 

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テレビ等報道Twitter, Facebookなどネットを介したまばらな情報

蔵王セミナーメーリングリストを通じて日頃から連絡をとっていたが震災直後は東北の人たちから発信なし

2011年 3月 11日 14時 46分東日本大震災

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蔵王セミナーMLで得られた情報

1. 東北大学医学部附属病院  2011年 03月 12 日 21:00現在東北大学病院にて勤務中です。個人のイーモバイル端末を使って先ほどからメールが送受信可能になりました。病院の LANシステムは外部との通信はダウンしたままです。 東北大学病院の病棟は新しく免震構造のため、ほぼ無傷です。電力も病院に優先的に供給されており、上下水道も使用可能ですので最低限の通常診療は行えていますが、今後医薬品の不足が懸念されています。 沿岸部からの搬送はまだそれほど多くなく、逆に救助が遅れているのだと思うので心配です。しかし病棟は、停電のため自宅にいられない在宅人工呼吸器や在宅酸素の患者の受け入れでほぼ満床の状態です。

(旧蔵王セミナーホームページ http://square.umin.ac.jp/shiihara/ より)

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蔵王セミナーMLで得られた情報

2. 宮城県拓桃医療療育センター  2011年 03月 13 日 02:54皆様

昨夜は病院に泊まり自家発電でレスピ患者のケアなどうまく行くか確認しました。火曜までは軽油・灯油が持ちます。まだ病院では停電、断水状態で、携帯からのメールも圏外でできなかったのですが、家に帰り可能になりました。

何人かのナースの実家が海沿いにあり、両親と連絡が取れない状態でも病棟にて勤務している professionalismに心打たれました。惨憺たる海沿いの街々の状態に心で泣きながら仕事をしています。

(旧蔵王セミナーホームページ http://square.umin.ac.jp/shiihara/ より)

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もともとコンピュータ関係いじるのが好きで Twitterも使ってたそこへ未曾有の大災害まず何か出来る事を

“Using no way as way, having no limitation as limitation

- Bruce Lee”

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Twitterでの初動但し成果は上がらず

協力を申し出た医療者は沢山実際の利用者は僅か

後から考えれば被災者はおいそれとネットに繋げる様な状況でなかった 電波・電源・通信回線・・・

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情報通信技術者 児玉氏より提案 簡単に(スマートフォンではない)携帯電話だけで利用できる

相談相手が医師であることを担保できること

現地の医療機関、医療支援チームへの極度な負荷集中を多少なりと軽減する

被災者が健康不安を抱えた際に、気軽に相談できる状態にすることで安心感をえやすくする

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Rescue 311

事の発端  仕組み

活動概要 今後の可能性 

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全体の仕組み

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携帯でも利用できる電子メールを介した相談

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宣伝 

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ホームページ

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南三陸町戸倉地区訪問時http://blog.311er.jp/ より転載

ビラ

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新聞

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Google

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問診票の様な物 

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相談票様式メールありがとうございます。 Rescue 311です。以下の相談票にご記入のうえ返信をお願いします。(わかる範囲で結構です)

1)現在地域 (  県  市町村 ) * 避難中の場合、本来の住所(  県  市町村)2)患者氏名(仮名・匿名でもかまいません)

* あなたが患者本人でない場合、あなたの氏名と患者との関係(  )

3)年齢( 歳)4)性別(男 /女)

5)いつからどんな症状? または相談内容

6)今までかかった病気

7)現在飲んでいる薬

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相談票様式 (続)最後に、 Rescue311を知ったきっかけを教えて下さい。新聞・雑誌 /TV・ラジオ /パンフレット /グーグル震災情報 /Twitter/その他の Internet/友人知人 /その他(  )

相談にはボランティアの医療従事者がおこたえしているため、回答に時間がかかることがあります。

お急ぎの方は、医療機関での受診をご検討ください。

ご相談をお待ちしております。

Rescue311 一同

* この相談票の内容を、より良い回答を目指しての仕組み改善や学術的目的の為、個人を特定できない形で利用する事があります。何卒ご了承下さい。

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Rescue 311

事の発端  仕組み

活動概要 今後の可能性 

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実際のやり取り

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全体のまとめ

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相談対象者年齢分布

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3月上旬までで約 150件

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相談者からの返信

寧ろ自分たちが勇気づけられたメッセージ

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昨日は、諸先生がたより、心暖まるたくさんのアドバイスをいただきました。避難所に来てから初めてでしょうか、朝までぐっすり眠れました。薬の処方をしていただいたわけでも

なく、フェイス トゥ フェイスの問診を受けたわけでもないのに、ぐっすりと眠りました、体力が回復したのがわかります。たくさん声をかけていただき、自分も話しが出来たからでしょうか。

諸先生がたの活動は絶大なる効果があります。お忙しい毎日と思いますが、独りぼっちの被災者がまだまだたくさんいます。助けてあげて下さい。

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マザーテレサが言われた、誰からも見捨てられ孤独の中で死んでいく人々が年間3万人以上もいる日本、希望を失い自殺する人が年間3万人

以上もいる日本、なんの為の豊かさでしょう。命を守る緒先生がたを大切に思います。感謝

50代男性

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温かいお言葉、本当にありがとうございました。私は今回の地震の前に○○地震も経験しているのですが、急性期を過ぎた今のような時期、被災者にとって必要なのは、「『誰かが気に掛けてくれている』ことを感じられること」のような気がします。

インフラや物理的なものが少しずつ揃ってくる中、ショックのあまりしゃがみ込んでいた心を再び立ち上がらせるとき、誰かが見守っていてくれるのは、安心感ややる気に繋がります。

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直接的な支援も勿論ありがたいのですが、見守ってくださる存在があるだけで頑張れます。このプロジェクトには実際相談させて頂いたわけですが、数週間前に存在を知った際には、存在を知っただけで、感動と安心感、そして勇気を頂きました。

たくさんの方が見守ってくださっていることを励みに頑張ります。本当にありがとうございました。

20代女性

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Rescue 311

事の発端  仕組み

活動概要 今後の可能性 

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メール相談には多くの限界があり現地での医療支援の代替にはなり得ないが、情報通信技術活用の可能性を示唆できた。

電子メールを介した顔の見えないやり取りは、長年培ってきた臨床経験の枠に留まらない新たな工夫が必要。

今後災害時のみならず平常時から遠隔医療を有効に活用できる体制づくりができれば、より早い時期の立ち上げが可能。

既存の道具 (Facebook, Skype, Salesforce,,,)あるい は新規のシステム、 便利さと機密性の綱引

き。

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新たな取り組み日本希少難病患者災害支援対策機構 (JDRD) http://www.jdrd.jp/

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謝辞 本演題内容データ解析等多くの部分を順天堂大学医学部総合診療科福田洋准教授に負う。

Rescue 311の活動を可能にしてくれた全ての人に深く感謝します。