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1 日本における事業場排水管理 環境省 水・大気環境局 水環境課 若公 崇敏 2012年 8月 Ministry of the Environment 水質環境基準 水質環境基準 健康項目 生活環境項目 人に対する影響 (飲用・魚介類摂取) 水質汚濁 水生生物に対する 影響 人の生活に密接な関係のあ る動植物及びその生息環境 を含むもの (環境基本法で定義) 水域の利用目的に応じて類 型を指定し、目標を設定 全国一律 現在27物質を指定 知見の集積が必要な物質 として別途「要監視項目」 を指定 有害物質 水銀、ヒ素、 有機塩素系化合物 など 有機汚濁など いわゆる水の汚れ・濁り BOD/COD, DO, SSなど 栄養塩類 富栄養化の原因物質 窒素・燐 2

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日本における事業場排水管理

環境省 水・大気環境局

水環境課 若公 崇敏

2012年 8月

Ministry of the Environment

水質環境基準

水質環境基準

健康項目

生活環境項目

人に対する影響

(飲用・魚介類摂取)

水質汚濁

水生生物に対する影響

人の生活に密接な関係のある動植物及びその生息環境を含むもの(環境基本法で定義)

水域の利用目的に応じて類型を指定し、目標を設定

全国一律

現在27物質を指定

知見の集積が必要な物質として別途「要監視項目」を指定

有害物質

水銀、ヒ素、有機塩素系化合物 など

有機汚濁など

いわゆる水の汚れ・濁りBOD/COD, DO, SSなど

栄養塩類

富栄養化の原因物質窒素・燐

2

2

Ministry of the Environment

項 目 基 準 値

カドミウム 0.01mg/L 以下

全シアン 検出されないこと。

鉛 0.01mg/L 以下

六価クロム 0.05mg/L 以下

砒素 0.01mg/L 以下

総水銀 0.0005mg/L 以下

アルキル水銀 検出されないこと。PCB 検出されないこと。

ジクロロメタン 0.02mg/L 以下

四塩化炭素 0.002mg/L 以下

1,2‐ジクロロエタン 0.004mg/L 以下

1,1‐ジクロロエチレン 0.02mg/L 以下

シス‐1,2‐ジクロロエチレン 0.04mg/L 以下

健康項目

生活環境項目項 目 河 川 湖 沼 海 域

BOD ≦1~10mg/L - -

COD - ≦1~8mg/L ≦2~8mg/L

pH 6.0~8.5 6.0~8.5 7.0~8.3

SS ≦25~100mg/L 等 ≦1~15mg/L 等 -

DO 2~7.5mg/L≦ 2~7.5mg/L≦ 2~7.5mg/L≦

大腸菌群数 ≦50~5,000MPN/100mL ≦50~1,000MPN/100mL ≦1,000MPN/100mL

n‐ヘキサン抽出物質 - - 検出されないこと

全窒素 - ≦0.1~1mg/L ≦0.2~1mg/L

全りん - ≦0.005~0.1mg/L ≦0.02~0.09mg/L

全亜鉛 ≦0.03mg/L ≦0.03mg/L ≦0.01~0.02mg/L

項 目 基 準 値1,1,1‐トリクロロエタン 1mg/L 以下

1,1,2‐トリクロロエタン 0.006mg/L 以下

トリクロロエチレン 0.03mg/L 以下

テトラクロロエチレン 0.01mg/L 以下

1,3‐ジクロロプロペン 0.002mg/L 以下

チウラム 0.006mg/L 以下

シマジン 0.003mg/L 以下

チオベンカルブ 0.02mg/L 以下

ベンゼン 0.01mg/L 以下

セレン 0.01mg/L 以下

硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/L 以下

ふっ素 0.8mg/L 以下

ほう素 1mg/L 以下

1,4-ジオキサン 0.05mg/l以下

水質汚濁に係る環境基準項目等

Ministry of the Environment

閉鎖性海域の総量規制

生活排水対策

公共用水域等の水質監視

事前規制 特定施設/有害物質貯蔵施設の設置・変更の届出

通常時規制

立入検査・報告徴収

排水規制罰則

異常時等の対応

異常渇水等による水質汚濁 緊急措置命令

事故時の応急措置・届出 応急措置命令

有害物質の地下浸透禁止

都道府県の測定計画 常時監視・公表等

改善命令一時停止命令

計画変更命令

浄化措置命令

都道府県による生活排水対策重点地域の指定

市町村による生活排水対策推進計画の策定

国の総量削減基本方針都道府県の総量削減計画・

総量規制基準に基づく排出規制

工場・事業場への全国共通規制

水質汚濁防止法に基づく施策体系

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排出水の測定・記録

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Ministry of the Environment

船舶等による海洋汚染防止(環境省・国土交通省)

森林整備(農林水産省)水力発電(経済産業省)

水資源開発(国土交通省)

農業水利(農林水産省)

水道(厚生労働省)

下水道(国土交通省)工業用水道(経済産業省)

排水規制(環境省)

地下浸透規制(環境省)

河川管理

(国土交通省)

環境基準(環境省)

浄化槽(環境省・国土交通省)

地下水くみ上げ規制(環境省・経済産業省)

水産(農林水産省)

水に関する中央省庁の役割分担

Ministry of the Environment 6

国の責務• 環境の保全についての基本理念にのっとり、

環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施すること

国が実施すべき環境の保全に関する主な施策• 環境基本計画の策定• 環境基準の設定• 公害防止施策に関する基本方針の提示• 環境保全上の支障を防止するための規制• 環境の保全に関する施設の整備及びその他の事業の推進 等

国、地方公共団体の責務及び主な施策

地方公共団体の責務• 基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及び

その他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責任を有する。

地方公共団体が実施すべき環境の保全に関する施策• 国の施策に準じた施策及び地方公共団体の区域の自然的社会的条件に

応じた環境の保全のために必要な施策の総合的かつ計画的な推進• 公害防止計画の策定・推進 等

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Ministry of the Environment

2010年度末時点で約27万事業場が

規制対象

特定施設の例 :

鉱業等の用に供する施設 畜産農業等の用に供する施設 各種食品製造業等の用に供する施設 林業等の用に供する施設 パルプ製造業等の用に供する施設 医薬品製造業等の用に供する施設 セメント製品製造業等の用に供する施設 鉄鋼業、非鉄金属製造業等の用に供する施設 他、各種製造業の用に供する施設 旅館業、飲食店、洗たく業、写真現像業、病院、科学技術研究施設

廃棄物処理場 下水道終末処理施設、共同排水処理場

など

排水規制対象施設

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水質汚濁防止法により汚水又は廃液を排出する施設を特定施設と定義し、特定施設を設置する全ての工場・事業場を水質汚濁防止法の規制対象としている。

Ministry of the Environment

水質汚濁に係る環境基準と排水基準

「環境基準」環境基本法により、「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」として定められている。

水質汚濁に係る環境基準

排水基準

・「環境基準」を達成するために工場又は事業場に「排水基準」が適用されている、という位置づけになっている。

・排水が排出されたあとの河川等での希釈を考慮し、 「排水基準」は「環境基準」の概ね10倍の値として設定されている。

・技術的に、一律排水基準に直ちに適合させることが難しい業種に対しては、特定の排水基準項目について期限を定めて「暫定排水基準」が適用されている。

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Ministry of the Environment

一律排水基準

21(*)アンモニア性窒素に0.1,4-ジオキサン4を乗じたもの、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量。

生活環境項目 許容限度

水素イオン濃度(pH)海域以外 5.8-8.6、海域

5.0-9.0

生物化学的酸素要求量(BOD)160mg/L (日間平均

120mg/L)

化学的酸素要求量(COD)160mg/L (日間平均 12

0mg/L)

浮遊物質量(SS)200mg/L (日間平均

150mg/L)

ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類含有量)

5mg/L

ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量)

30mg/L

フェノール類含有量 5mg/L

銅含有量 3mg/L

亜鉛含有量 2mg/L

溶解性鉄含有量 10mg/L

溶解性マンガン含有量 10mg/L

クロム含有量 2mg/L

大腸菌群数 日間平均 3000個/cm3

窒素含有量120mg/L (日間平均

60mg/L)

燐含有量16mg/L (日間平均

8mg/L)

有害物質の種類 許容限度

カドミウム及びその化合物 0.1mg/Lシアン化合物 1mg/L

有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及びEPNに限る。)

1mg/L

鉛及びその化合物 0.1mg/L六価クロム化合物 0.5mg/L

砒素及びその化合物 0.1mg/L

水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 0.005mg/L

アルキル水銀化合物 検出されないこと。

ポリ塩化ビフェニル 0.003mg/Lトリクロロエチレン 0.3mg/L

テトラクロロエチレン 0.1mg/Lジクロロメタン 0.2mg/L

四塩化炭素 0.02mg/L1,2-ジクロロエタン 0.04mg/L

1,1ージクロロエチレン 1mg/L

シス-1,2ージクロロエチレン 0.4mg/L1,1,1-トリクロロエタン 3mg/L1,1,2-トリクロロエタン 0.06mg/L

1,3-ジクロロプロペン 0.02mg/Lチウラム 0.06mg/Lシマジン 0.03mg/L

チオベンカルブ 0.2mg/Lベンゼン 0.1mg/L

セレン及びその化合物 0.1mg/L

ほう素及びその化合物海域以外 10mg/L、

海域230mg/L

ふっ素及びその化合物海域以外 8mg/L、

海域15mg/L

アンモニア、アンモニウム化合物亜硝酸化合物及び硝酸化合物

(*)100mg/L

1,4-ジオキサン 0.5mg/L

備考:生活環境項目の排水基準は、一日当たりの平均的な排出水の量が50m3以上である工場又は事業場に係る排出水について適用する。

Ministry of the Environment

一律排水基準(濃度規制)

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水質汚濁防止法の排水規制は全国の特定事業場について、全業種一律の排水基準(一律排水基準)を設定している。規制方法は、濃度超過のみを持って罰則適用が可能ないわゆる直罰制度

となっている。

特定事業場

地下浸透

公共用水域

工場・事業場

排出水

排出水

特定事業場から公共用水域に汚水を排出する(排出水)

排出水に対して水質汚濁防止法の排水基準が適用される

特定施設を有する工場または事業場を特定事業場という(特定施設を有しない)

(特定施設を有する)

対象外

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Ministry of the Environment

一律排水基準と上乗せ基準

都道府県において地域の状況に応じて

規制強化が可能

Types of control tightening

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国の定める一律排水規制(全国一律の最低限の規制)

健康項目全事業場を対象に適用

生活環境項目50m3/日以上の事業場に適用

都道府県の上乗せ規制一律排水規制では環境基準の達成できないなど不十分な場合に、

条例により排水基準値を強化するもの

都道府県の裾下げ規制生活環境項目の50m3/未満の小規模事業場へ適用するもの

都道府県の横出し規制一律排水規制にない項目について排水規制を実施するもの

Ministry of the Environment 22

3~5年

コスト負担 大

現在の技術が極めて限定的

小規模かつ零細な事業者

排水処理技術の技術的課題・処理生成物の発生

・排水中の共存物質の影響 等

経過措置として、現時点において現実的に対応可能な暫定排水基準値を各

業種ごとに定める。

暫定排水基準値は、技術開発の動向、工場等からの排水の排出実態等を的確に把握しつつ、検証、見直しが行われる。

各業界が一律排水基準達成に向けた技術開発・施設導入のインセンティブ

排水規制の強化、追加項目設定等に伴い、ただちに一律排水基準への対応が技術的に困難な業界については、暫定的に緩やかな基準値(暫定排水基準)を時限つきで認めている。

暫定排水基準について

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Ministry of the Environment

ほう素・ふっ素・硝酸性窒素類に係る排水基準設定の経緯

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平成11年2月 ほう素、ふっ素、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る環境基準の設定(ほう素:1mg/L、ふっ素:0.8mg/L 、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素:10mg/L )

平成13年7月 ほう素、ふっ素、アンモニア等に係る排水基準の設定(ほう素:10mg/L、ふっ素:8mg/L 、アンモニア等:100mg/L )

暫定排水基準を40業種に適用(ほう素10業種、ふっ素16業種、アンモニア等27業種)

WHOの飲料水水質ガイドライン改訂(ほう素:0.5mg/L、ふっ素:1.5mg/L、硝酸塩:50mg/L、亜硝酸塩:3mg/L )

我が国の水道水質基準等の見直し(ほう素:1mg/L、ふっ素:0.8mg/L 、

硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素:10mg/L )

平成16年7月 ほう素、ふっ素、アンモニア等に係る暫定排水基準の見直し暫定排水基準延長を26業種に適用(ほう素9業種、ふっ素9業種、アンモニア等17業種)

3年間

3年間

H10

平成19年7月 ほう素、ふっ素、アンモニア等に係る暫定排水基準の再見直し暫定排水基準再延長を21業種に適用(ほう素9業種、ふっ素6業種、アンモニア等13業種)

Ministry of the Environment

立入検査・報告徴収

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水質汚濁防止法 第22条

• 環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定事業場の設置者に対し、特定施設の状況、汚水等の処理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その者の特定事業場に立ち入り、特定施設その他の物件を検査させることができる。

立入検査の目的

• 事業場の設置者に規制基準を常時遵守させるため、事業場において規制基準の遵守のための規定が適正に運用されているかを確認、結果に応じて必要な措置を講じること

• 採水調査による基準遵守確認だけでなく、届出との照合、自主管理状況の確認も重要

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Ministry of the Environment

立入検査時の確認内容

排水経路の状況の確認

設置届・構造等変更届等

用排水系統

特定施設の構造・使用方法○設置場所・数・構造・材質・能力

○使用材料(原材料、副原材料等)の種類・量○有害物質の使用等の状況○汚水の排出の状況 等

汚水等の処理方法

○設置場所・数・構造・材質・能力・処理水量・処理槽の水量○処理方法 等

排水口○排出水の汚染状態・量○排水口ごとの排水量

○排水口の数・位置、排出先の変更の有無 等

排水処理施設

○処理施設の異常や不備の確認○処理施設の運転状況の確認○汚水の処理状況の確認○薬品の使用状況の確認○処理施設の制御機器類の確認

○水質測定機器の管理状況の確認等

○施設の異常や不備の確認○操業状況の確認○有害物質の保管場所の確認○貯油施設の確認 等

特定施設等

特定施設

排水口

○排水口や排水口付近の状況の確認○採水の実施 等

その他の施設

点検結果・測定結果のフィードバック

実態と届出内容のチェック

25

Ministry of the Environment

• 立入検査権限の確保

• 事業場の立ち入りに必要な人員の確保

頻繁な立入検査の実施

• 排水だけでなく、事業場の工程のチェック(による環境負荷低減がキー)

• 初めは環境対策の必要性が理解されていないため、事業者に環境対策をとるよう粘り強い指導が必要

事業者への粘り強い技術的指導

現場の職員による取組

9

Ministry of the Environment

• 公害担当職員の増員(地方自治体)・1961年:300人 → 1975年:12,317人

• 公害関係予算の増額・国

1970年: 733億円 → 1975年: 3,331億円(約5倍)

・地方公共団体1970年:3,735億円 → 1975年: 1兆4,258億円(約4倍)

• 公害防止管理者制度の普及・1971年「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」制定

公害防止体制の充実

Ministry of the Environment

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

10000

1965 1970 1975 1980

公害防止投資額(億円)

政府関係機関による財政投融資(億円)

3.1 2.93.5 3.7

5 5.3

6.5

8.3

9.8

13.4

17.1

15.3

8.9

6.5

4.73.9

0

2.5

5

7.5

10

12.5

15

17.5

20

公害防止投資比率(%)

企業の取組① ~公害防止投資~

公害防止投資の飛躍的増加

10

Ministry of the Environment

14 18 25 93436

854

2141

3202

5097

7096

8923

3 60 62 61 146

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

9000

10000

1965 1970 1975

公害防止協定締結事業者数

協定不履行による措置件数

① 公害規制法規の補完

② 地域社会の状況に応じたきめ細かな公害防止対策の実施

③ 将来の公害対策、公害予防、技術の開発を促進

④ 住民の同意により、事業所立地に対する反対運動を回避

企業の取組② ~公害防止協定~

事業所が自治体や住民団体と締結する協定

機能

Ministry of the Environment 25

水質汚濁防止法の施行状況

2006 2007 2008 2009 2010

特定事業場数 289,091  280,517  276,952  274,039  271,242 

うち平均排水量50㎥/day以上の事業場数 36,139  35,506  34,807  34,271  33,964 

届出関係

第5条(特定施設の設置) 6,279  6,670  6,174  5,075  5,307 

第7条(特定施設の構造等の変更) 3,963  3,986  3,841  3,530  3,539 

第8条(計画変更命令) 0  0  0  0  0 

立入検査事業場数(第22条1項) 46,764  47,410  43,509  42,367  41,260 

うち夜間 768  686  575  581  588 

改善命令(第13条) 37  27  23  26  16 

一時停止命令(第13条) 1  1  1  0  0 

浄化措置命令(第14条の3) 0  0  0  0  0 

行政指導件数

文書指導 2,877  2,968  2,623  2,964  2,880 

口頭指導 4,702  5,314  4,917  4,106  5,095 

合計 7,579  8,282  7,540  7,070  7,975 

行政指導内容

処理施設の設置・改善 2,347  2,731  2,515  2,506  2,206 

排水の一時停止 26  29  20  14  28 

その他 5,380  5,849  5,346  4,943  6,010 

合計 7,753  8,609  7,881  7,463  8,244 

排水基準違反(第31項第1項第1号) 12  11  13  6  11 

改善命令等違反(第30条) 0  0  0  0  0 

その他水濁法違反 0  0  0  0  0 

事故時の措置 500  526  458  375  433 

11

Ministry of the Environment

水質環境基準(健康項目)の達成状況

21

• 現在ではほぼ全国的に環境基準を達成

※2009年度公共用水域水質測定結果

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

環境

基準

値超

過検

体率

(%)

カドミウム

全シアン

六価クロム

砒素

総水銀

PCB

Ministry of the Environment 25

不適正事案の発生及び水質汚濁防止法の改正

■企業における排水基準超過・データ改ざん等の不適正事案の発生

近年の主な不適正事案の概要

2005.2A社(鉄鋼業)

排水基準に適合しない水を流出。5年間以上、公害防止協定で定めた値を超過した測定データを、協定値内に書き換えて自治体に報告

2009.3B社(製紙業)

水質データを排水基準値以下に書き換えて報告。排出水を河川水で希釈し県の分析値が低くなるよう偽装

2010.1C社(化学工業)

排水基準を超過した分析結果を欠測に書き換えるよう測定委託会社へ指示

•特定事業場の排出水に係る排水基準に定められた物質等 (規制が適

用されない物質等(例えば、排水量が日平均50m3未満の事業場に係る生活環境項目)は不要)測定項目

• 特定施設の設置の際に届け出た物質等 : 1年に1回以上

• その他の物質等 : 必要に応じて実施測定頻度

•排出水又は特定地下浸透水の汚染状態が、最も悪いと推定される時期及び時刻測定時期

•水質測定記録表及び測定に伴い作成したチャート等の資料を3年間保存測定結果の記録の保存

• 30万円以下の罰金罰則

水質汚濁防止法の改正(2010.5):事業者による記録改ざん等への厳正な対応

• 排出状況の測定結果の未記録、虚偽の記録等に対し罰則を創設

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Ministry of the Environment

• 法制度の充実

• 最初は粘り強い行政指導が大切。(頻繁な立入検査のためにも、組織の充実を。)

• エンドーオブーパイプ技術だけでなく、工程の見直しなどクリーナープロダクション技術による対策が必要。

• 水資源の賢い利用により、コストも汚染も削減(工業用水の再利用により、水の使用量を削減するだけでなく、水質汚濁の負荷削減効果も)

• 対策は早いほど良い(被害が発生してからではその補償などのコストがかかる。未然に対策を講ずることがかえって経済的。)

まとめ

Ministry of the Environment 24

ご静聴ありがとうございました。