打音試験の結果 - mlit.go.jp · 資料7 打音試験の結果 【目的】...

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資料7 打音試験結果 打音試験結果 【目的】 接着系アンカーボルトの特性についてデータを収集し、天井板落下事故との関わりや 同種事故の再発防止策等の検討に資する目的で打音試験等を実施したものである 同種事故の再発防止策等の検討に資する目的で打音試験等を実施したものである平成25年3月27日(水)

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資料7

打音試験の結果打音試験の結果

【目的】接着系アンカーボルトの特性についてデータを収集し、天井板落下事故との関わりや同種事故の再発防止策等の検討に資する目的で打音試験等を実施したものである同種事故の再発防止策等の検討に資する目的で打音試験等を実施したものである。

平成25年3月27日(水)

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1.打音試験の概要目的

本試験は、接着系アンカーボルトの特性についてデータを収集し、天井板落下事故との関わりや同種事故の再発防止策等の検討に資する目的で現地での以下の試験を行うものである。

・「近接目視・触診・打音試験」の各試験方法の適用性評価近接目視 触診 打音試験」の各試験方法の適用性評価

本日報告する試験の内容

1)対象区間 : 笹子トンネル上り線全線 (天井板落下区間を除く)

2)実施期間:平成24年12月18日 ~ 平成24年12月30日

打音試験・打音試験・センサー付き打音試験(2検査)

試験を実施したアンカーボルト箇所数センサ 付き打音試験(2検査)

・外観目視及び触診確認など(ボルト及び周辺覆工コンクリート)

内容 実施数

当初試験トンネル全体でランダムな配置となるように

配慮して実施(天井板落下区間とその前後区間を除く)

141箇所

試験の実施手順

引抜き抵抗力試験

間を除く)

追加試験天井板落下区間の前後区間や当初引抜き

抵抗力試験で抵抗力の低い箇所など44箇所

1

試験の実施手順

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2.試験の方法・1試料に対し、点検員3名が各々打音ハンマーによりアンカーボルト頭部を打撃し、「道路トン

ネル定期点検要領(案)H14.4(国土交通省)」にもとづいて打撃音が清音※か濁音か、反発感ネル定期点検要領(案)H14.4(国土交通省)」にもとづいて打撃音が清音 か濁音か、反発感の有無により良・不良を判定。軸方向と横方向で実施。

・打撃及び触診によるボルト・ナット部のゆるみの有無、目視によるアンカーボルト頭部及び覆工コンクリートの状態(点検範囲はアンカーボルト周辺50cm×50cm程度)なども確認し 写工コンクリ トの状態(点検範囲はアンカ ボルト周辺50cm×50cm程度)なども確認し、写真を撮影。試験結果および写真類は、記録表として取りまとめる。

・打撃音が録音可能な試験装置および打撃力の時間波形がデジタル値として録音可能なコンクリ トテストハンマ を利用した検査を実施クリートテストハンマーを利用した検査を実施。

覆工コンクリート

アンカーボルト

CT鋼

隔壁板

打音試験の実施

隔壁板

2打音試験記録表の記録例

試験の実施範囲 ※清音:キンキンという高い音を発する。 濁音:ボコボコという鈍い音を発する。

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3.試験の結果(1) 点検員による判定の違い

・点検員による総合判定のばらつきは少ない点検員による総合判定のばらつきは少ない

(全185箇所のうち判定が点検員間で不一致であったのは5%)

・結果判断方法を明確化すべき。

試験の結果

点検員3名の打音試験評価

箇所数割合

175 箇所判定が一致

95

10 箇所

%判定が 致

5 %判定が不一致

10 箇所

3

5 %

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No.850 No. 4805No. 344

3.試験の結果(2) 【明らかに抵抗機能が喪失していたと考えられるボルト】

No. 4133 No. 4741 No. 4854

※ 荷重変位曲線がフラ トであり 明らかに抵抗機能が喪失 点検員全員が「×」と判定

4

※ 荷重変位曲線がフラットであり、明らかに抵抗機能が喪失 → 点検員全員が「×」と判定※ 手(触診)で引き抜けたものも存在 → 点検は近接を基本とし、触診も実施すべき

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【最大荷重が低く、かつピークが明瞭でない荷重変位曲線】3.試験の結果(3)

45504709 4609

※ 荷重変位曲線性状のみでは、これらのボルトが荷重保持機能を喪失していたのかどうかを※ 荷重変位曲線性状のみでは、これらのボルトが荷重保持機能を喪失していたのかどうかを

断定するのは困難。

※ 強度が小さく、かつ、ピークが明瞭でない → 点検員全員が「×」と判定

5

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3939 5952 4052【最大荷重が低いが、ピークが出ているもの】3.試験の結果(4)

1102 4680 4326

※ 強度が小さくても荷重変位曲線のピークが明瞭に見られる、または、最大荷重記録後に荷重が低下する

ような荷重変位曲線性状を有するボルトは、作用荷重に対する抵抗機能を保持していた可能性

※ 点検では、「○」と判定される傾向。 6

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引き抜け無かったボルト 引き抜けたボルトのうち、最大荷重が大きいもの

引き抜けたボルトのうち、最大荷重が比較的大きいもの

<参考> 最大荷重が大きく、かつ、試験にて○と判定されたボルトの荷重変位曲線

40 0

45.0

50.0(kN)

最大荷重:40.6kN40 0

45.0

50.0(kN)

大荷重が大きいもの

45.0

50.0(kN)

荷重が比較的大きいもの

最大荷重:38.5kN 最大荷重:30.3kN

No.1708 No.1868 No.2061

20 0

25.0

30.0

35.0

40.0

20 0

25.0

30.0

35.0

40.0

20 0

25.0

30.0

35.0

40.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

0.00.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00

(mm)0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00

(mm)0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00

(mm)

外観:変状なし 外観:変状なし 外観:変状なし

7

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・ 機能を喪失したアンカーボルトを検出できる可能性があるが、作用荷重を負担しているボルト

■試験結果と強度の関係4.試験結果の考察(1)

機能を喪失したアンカ ボルトを検出できる可能性があるが、作用荷重を負担しているボルトの付着強度を把握することは困難。

機能喪失 荷重分担していたと思われる

点検

機能喪失 荷重分担していたと思われる

者C ×

×

○点検者B

○点検

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

×

検者A

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

試験最大荷重 (kN)

8・グラフのサンプル数:試験対象の185箇所

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4.試験結果の考察(2) ■ 笹子トンネルの特殊性の影響の例

点検者

C

×

点検

×

検者B

○点検者

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

×A

試験最大荷重 (kN)

※ 本ボルトの打音試験について点検員への聞き取りによれば、「ボルト打撃時に異音を感じたが、

ボルトではなくCT鋼と覆工の間の緩みに起因すると判断した」との点検員のコメントあり

→ 笹子トンネルの特殊性 9

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5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験 【室内試験】

本実験は、センサー付打音装置を用いて、ボルトの打音に与える要因について室内試験を実施して分析を行った。

場所:(独)土木研究所場所:(独)土木研究所

実験日:平成25年2月22日(金)

試験方法:鉛直方向・せん断方向に3回ずつセンサー付打音装置により打撃

接着剤充填状況

完全充填M22 L=380 締付トルク

(160 120Nm)完全充填(接着剤100%充填)

充填不良(接着剤57%充填)

370

90

280D

(160、120Nm)

-125×65×6×8L=150

充填不良(粘土充填)

削孔径28

接着剤

それぞれのボルトに対して、

「締付トルク160Nm」、「120Nm」、「 0Nm」、

「ナ トがないボルト」で実験実施

コンクリート

充填率=D/280

「ナットがないボルト」で実験実施

10

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5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験 【室内試験】

試験方法:ボルトを打撃し 空気中に伝播する音を収集試験方法:ボルトを打撃し、空気中に伝播する音を収集

アンカーボルト:M22ボルト全長:370mm削孔長 L=280mm削孔径 φ=28

11

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【参考】センサー付打音装置(音響記録)の概要

【センサー付打音装置】装

ここで用いたセンサー付打音装置は、コンクリートコンクリート表層部の健全性を点検するために開発さ表層部の健全性を点検するために開発されたもので、れたもので、コンクリート表層部を打撃した際に発生する振動がコンクリート内部を伝搬する過程を、コンクリート表面にて音圧として記録し、分析するための装置。過程を、コンクリ ト表面にて音圧として記録し、分析するための装置。

本検討では、上記の装置本来の使用目的・方法とは異なるが、インパクトハンマー(重量200 )で ボルト先端打撃したときの打撃音を ボルト先端から20 離れた場所でフ ド付200g)で、ボルト先端打撃したときの打撃音を、ボルト先端から20cm離れた場所でフード付きマイクロフォン(周波数範囲20Hz~20kHz)により音圧として収録

記録装置

マイクロフォン

記録装置

ハンマー

計測方法センサー付打音装置

12

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5-1 1次固有振動数の比較 (充填率・締付トルク別)

5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験【室内試験】

軸方向に打撃した場合、1次固有周期は、充填率が高いほど小さくなる傾向が見られる。

締付トルクが入ると、1次固有周期と充填率の関係は顕著でなくなる。

6 000

7,000

締付トルクなし

締付ト クあり7,000

8,000

締付トルクなし

締付トルクあり軸方向軸方向 せん断せん断方向方向

データのばらつきも非常に大きい。

4,000

5,000

6,000

数(Hz)

締付トルクあり

4 000

5,000

6,000

7,000

数(Hz)

締付トルクあり軸方向軸方向 せん断せん断方向方向

1 000

2,000

3,000周波

1 000

2,000

3,000

4,000

周波

0

1,000

0

1,000

粘土充

充填率

充填率

充填率

粘土充

充填率

充填率

充填率充

填率57%

率84%

率100%

充填

率57%

率84%

率100%

13※各充填率に対してボルトが3本、それぞれのボルトに3回打撃※「締付けトルクあり」のときのトルクは160Nm

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5-1 一次固有周期以外の比較 (軸方向:ナット有無別(ナット有は手でナットを締めつけたもの))

5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験【室内試験】

ナットなし:充填率が高いと周波数の高い域に固有振動がみられる。

ナット有り:充填率に応じて差が見られる(ナットなしの場合と同様の傾向)

0 900

1.0000 900

1.000 2次固有振動数 3次固有振動数2次固有振動数

充填率100%

0.300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

圧/最

大音

圧(正

規化

0.300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

圧/最

大音

圧(正

規化

) 3次固有振動数

0.000

0.100

0.200

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

周波数(Hz)

1.000

0.000

0.100

0.200

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

周波数(Hz)

1.000 2次固有振動数 4次固有振動数

充填率57% 0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

最大

音圧

(正

規化

0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

/最大

音圧

(正

規化

2次固有振動数

3次固有振動数

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/

周波数(Hz)

1 000

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/

周波数(Hz)

2次固有振動数

2次固有振動数

充填不良(粘土充填)

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

2次固有振動数

14

(粘土充填)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

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5-2 一次固有周期以外の比較 (軸方向:締付トルク有無別)

5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験【室内試験】

0 900

1.000

締付トルクなし:充填率が高いと周波数の高い域(約7,000Hz)に固有振動がみられる。

締付160Nm:充填率が低いときも、充填率が高いときと顕著な差がない。

0 900

1.000 2次固有振動数2次固有振動数

0.300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

圧/最

大音

圧(正

規化

充填率100%

0.300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

圧/最

大音

圧(正

規化

) 3次固有振動数2次固有振動数

3次固有振動数

0.000

0.100

0.200

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

周波数(Hz)

0.000

0.100

0.200

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

周波数(Hz)

1.000 2次固有振動数 1.000 3次固有振動数

充填率57% 0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

/最大

音圧

(正

規化

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

最大

音圧

(正

規化

) 2次固有振動数

3次固有振動数

4次固有振動数5次固有振動数

6次固有振動数

1 000

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/

周波数(Hz)

2次固有振動数

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

充填不良(粘土充填)

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

2次固有振動数

15

(粘土充填)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

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5-3 一次固有周期以外の比較 (せん断方向)

5.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験【室内試験】

せん断方向も軸方向と類似の傾向を有する可能性

締付トルクなし 締付締付160Nm160Nm1.000 2次固有振動数 1.000 4次固有振動数

充填率100%

0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900/最

大音

圧(正

規化

3次固有振動数

0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

/最大

音圧

(正

規化

) 3次固有振動数

1.000

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/

周波数(Hz)

4次固有振動数1.000 1次固有振動数

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/

周波数(Hz)

0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

最大

音圧

(正

規化

充填率57%

4次固有振動数

0 300

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

最大

音圧

(正

規化

3次固有振動数

2次固有振動数

5次固有振動数

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/最

周波数(Hz)

1.000

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/最

周波数(Hz)

2次固有振動数

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

最大

音圧

(正

規化

充填不良(粘土充填)

2次固有振動数

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/最

周波数(Hz) 16

(粘土充填)

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6-1 一次固有振動数及び2000Hz以上の帯域のスペクトル図の比較 (9サンプル、軸方向打撃)

6.接着系あと施工アンカーボルトの音響試験【現場試験】

1 000

機能喪失ボルトを除けば、打音の○×や引抜き抵抗力のランクに応じた顕著な違いはみられない可能性。なお、最大音圧を与える振動数は、必ずしも1次固有振動数に一致しない。

引抜き抵抗力Cランク 機能しているボルト引抜き抵抗力 Aランク1 000

引抜き抵抗力Cランク 機能喪失ボルト音

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

打音試験:○1次固有振動数:891Hz

最大音圧時の周波数:2,349Hz

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

打音試験:○1次固有振動数:609Hz

最大音圧時の周波数:609Hz

打音試験:×1次固有振動数:328Hz

最大音圧時の周波数:328Hz

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

大音

圧(正

規化

打音試験:○1次固有振動数:750Hz

最大音圧時の周波数:3,984Hz

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

)打音試験:○

1次固有振動数:609Hz最大音圧時の周波数:609Hz

打音試験:×1次固有振動数:1,359Hz

最大音圧時の周波数:2,484Hz

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

1 000 1 000

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/最

周波数(Hz)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧

/最

周波数(Hz)

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

0.400

0.500

0.600

0.700

0.800

0.900

1.000

最大

音圧

(正

規化

打音試験:×1次固有振動数:516Hz

最大音圧時の周波数:2,438Hz

打音試験:○1次固有振動数:797Hz

最大音圧時の周波数:2,953Hz

打音試験:×1次固有振動数:375Hz

最大音圧時の周波数:1,406Hz

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

0.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz) 170.000

0.100

0.200

0.300

2,016 3,188 4,359 5,531 6,703 7,875 9,047

音圧/最

周波数(Hz)

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7.機械式インピーダンス法試験

打撃した時の打撃力・反発力の時間波形を解析打撃した時の打撃力・反発力の時間波形を解析⇒コンクリート強度の推定や表面近傍の浮き・剥離の存在を判定するために開発された装置⇒製品の仕様上 金属への打撃は装置の適用範囲外とされており ここでの試験が本装⇒製品の仕様上、金属への打撃は装置の適用範囲外とされており、ここでの試験が本装置自体の精度や能力を示すものではない。

打撃力波形とその意味

機械インピーダンス Z=Fmax/V: 動的荷重を作用させた被載荷物がどの程度の速度で運動するかを示した値。

ここで、Fmax:最大打撃力、V:始点から終点までの加速度の数値積分

Index値 Index=ZA/ZRピークの前半と後半の機械インピーダンスの比 18

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7.機械式インピーダンス法試験【室内試験】充填率とIndex値(締付トルク有無別)

• 軸力が導入されていない場合には充填量の違いにより計測値に差が見られ,充填率が悪い場合にはINDEX値が低くなる傾向がみられる。

ボルト の導入軸力が大きくなると 充填量の違いに応じた計測値の差が無くなる• ボルトへの導入軸力が大きくなると、充填量の違いに応じた計測値の差が無くなる。

1.2

0 8

1.0

0.6

0.8

dex値

0 2

0.4

Ind

締付160Nm

締付120Nm

締付0Nm

0.0

0.2

0 1 2 3 4 5

粘土充填(締付なし)

100% 84% 57% 粘土充填

19データ提供:独立行政法人 土木研究所

0 1 2 3 4 5

充填率

100% 84% 57% 粘土充填

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8.機械式インピーダンス法試験【現場試験】(現場試験での打音試験および機械式インピーダンス法結果による関係性)

コンクリートの浮き・剥離の検出は、Index 値1.0以上・以下を指標

打音試験が×の場合 Index値が小さくなる傾向が見られる打音試験が×の場合、Index値が小さくなる傾向が見られる。

引き抜けたものと引き抜けなかったものの比較では、ヒストグラムの分布性状は変わらない。

70

80

打音試験結果別コンクリートテスターIndex値打音試験結果別 Index値

50

60

引抜き有無別コンクリートテスターIndex値引抜き有無別 Index値

30

40

50

60

箇所

20

30

40

50

箇所

0

10

20

0.4~0.6 0.6~0.8 0.8~1.0 1.0~1.2 1.2~0

10

20

0.4~0.6 0.6~0.8 0.8~1.0 1.0~1.2 1.2~

・散布図のサンプル数:音響試験が実施されたうち、引き抜けたことにより引抜き抵抗力が測定された113本打音試験結果 3名の試験員の総合評価

× △ ○ 引抜けた 引抜けなかった

・打音試験結果:3名の試験員の総合評価・Index値:機械インピーダンス法において、ハンマーが対象を動的に押している時間ZAと対象がハンマーを押している時間ZRの比(ZA/ZR:反発係数)の逆数をとり、対象表面の劣化指標としているもの

20

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9.まとめ9.まとめ

◆笹子トンネル上り線の接着系アンカーボルトへの打音試験では、以下の知見が得られた。得られた。

・近接目視・打音で,引抜き抵抗力をほぼ喪失したボルトは確実に把握できる。

・引抜き抵抗力の強弱の把握には限界がある。

・笹子トンネルの場合、アンカーボルトにCT鋼がつり下げられており、複数の音源の存在が考えられ、打音試験によるアンカーボルトの健全性判定を困難にした可能性も見られた。

◆センサーを用いた試験結果も併せて考察すると、打撃時の音や反発力は、アンカーボルトの付着状態だけでなく、ボルトに作用する軸力の大小等によっても異なってくる。

21