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ハワイ大学医学部訪問レポート こんにちは。私は福井大学医学部の6年生です(20065月現在)。皆さんのなかで、臨床で の留学に少しでも興味がある方、海外では一体どんな医療や医学教育が行われているのか に興味がある方はおられるでしょうか。 私はその両方に興味があり、この春休み、先生方のご紹介をいただいてハワイ大学医学部 を訪問してきました。向こうでも多くの先生方にお世話になり、行ってみて初めてわかったこと がたくさんありました。せっかくの体験なので、お世話になった先生方へのお礼の気持ちもこ めて、興味のある皆さんに、私の見てきたハワイ大学医学部のご紹介をしたいと思います。 1.ハワイ大学医学部 2.ハワイの病院 3.ハワイの医学生 4.ハワイ大学の教育プログラム:PBLについて

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ハワイ大学医学部訪問レポート

 こんにちは。私は福井大学医学部の6年生です(2006年5月現在)。皆さんのなかで、臨床での留学に少しでも興味がある方、海外では一体どんな医療や医学教育が行われているのかに興味がある方はおられるでしょうか。

 私はその両方に興味があり、この春休み、先生方のご紹介をいただいてハワイ大学医学部を訪問してきました。向こうでも多くの先生方にお世話になり、行ってみて初めてわかったことがたくさんありました。せっかくの体験なので、お世話になった先生方へのお礼の気持ちもこめて、興味のある皆さんに、私の見てきたハワイ大学医学部のご紹介をしたいと思います。

1.ハワイ大学医学部

2.ハワイの病院

3.ハワイの医学生

4.ハワイ大学の教育プログラム:PBLについて

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ハワイ大学医学部のキャンパス

 ホノルル郊外の海岸沿いに見えるとても開放的なキャンパス。これがハワイ大学医学部のキャンパスです。私が訪れた時は平日だったので、学生さんの姿もちらほら見かけられました。ハワイは日系人が多いせいか、外国にいて違和感を感じなかったことがかえって驚きでした。

 建物の中には、カフェテリア、売店、講義室の他、チュートリアル室、診断学実習室などがあります。診断学実習では大勢の模擬患者さんの協力が必要だということで、模擬患者さんのための控え室も完備されていました。臨床スキルが重視されていることが、ここからもうかがえます。

 ハワイ大学医学部は、1965年の創設時の首相の名前にちなんで、 JABSOM (John A. Burns School of Medicine)という愛称で呼ばれています。 教職員数は 225 人。その他に 1,297人の volunteer physician facultyと呼ばれる先生方がおられます。ハワイ大学では、「学生を教えることにより自分達の勉強にもなる。」という信条のもと、多くの開業医の先生がボランティアで学生指導にあたるという制度があって、絶えず何人もの先生が大学に詰めておられるそうです。

1.ハワイ大学医学部

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2.ハワイの病院

MEMO 

 病院にも「ボランティア」のスタッフの方が働いておられます。ボランティアスタッフのお仕事は、今回の私のように外部から訪れた人の案内・患者さんのエスコート・必要品の管理、製作などだそうです。驚いたのは、その中に高校生がたくさん含まれていたことです。彼らは高校の単位の一環として「バイト」みたいな感覚で、週2~3で病院でボランティアをしているそうです。皆まるでナースのような働きぶりでした。

ここはKapi'olani病院。産婦人科と小児科だけの専門病院です。上の写真は病院の外観です。近くには教会や病院など、公共施設が集まっています。

病院の入り口を入ってすぐのロビーです。1890年に女王様が建てた病院だということで、どこか雰囲気の違いを感じます。

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ここは小児病棟です。7歳までの小さな子と、それ以上の大きな子用の2つのユニットに分けられています。雰囲気は日本の病院の小児科と似ているなと思いました。ただ、アメリカの病院は全室個室でした。家族の方もリラックスして付き添えるようになっています。

こちらは産科病棟です。小児科とは一転してとても落ち着いた雰囲気でした。病棟・陣痛室・分娩室と分かれているわけではなく、妊婦さんは入院してから赤ちゃんを無事出産するまで、同じ部屋で過ごすことができます。ここには工夫がいっぱいでした。(次のページでご紹介します。)

MEMO 

 アメリカでは正常の分娩でも保険が適応になるそうです。ただし、入院期間は厳しく制限されていて、平均約48時間だということです。

 多くの家庭では、「ホームドクター」をもっています。Kapi’olani病院では、こういった開業医の先生を外部doctorとして受け入れ、入院後も患者さんを診ていけるようなシステムをとっているそうです。医師にとっても患者さんにとっても、とても魅力的なシステムに感じられました。

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産科病棟の部屋の様子です。妊婦さんがリラックスできるように絵がかかっていたり、木目調の家具が置いてあったりします。見かけは普通の家のリビングのように見えますが・・・。

MEMO

ハワイのドクターの服装はどんなのでしょうか?

→みんなアロハシャツに聴診器を下げておられました(ハワイの正装です。)。そんな服装のせいか、病院の雰囲気はずいぶん日本とは違って見えました。ドクターの前で縮こまってしまう患者さんは日本より少ないのではないかなと思いました。

 分娩が近づくと、そこは突然、医療機器がそろった病室に早変わりします。絵がかかった棚の奥からは酸素や吸引機がでてきました。クローゼットのように見えていたドアからは、機械をたくさん積んだワゴンが出てきました。

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3.ハワイの医学生

 今回は、USMLE Step 1(アメリカの医師国家試験の1段階目です。)受験を前にした医学部2年生の女の子に会い、朝食を食べながら色々な話を聞きました。

 まず第一に、ハワイの医学生たちはものすごくよく勉強をしていることを知り、感心してしまいました。ハワイの医学生は1日12時間は勉強するそうです。そして部活やバイトは全くやりません。その理由の1つには、そういったことはすでに大学時代やっているから。ということがあるそうですが、あのモチベーションは一体どこからくるのでしょうか。

 どうして医者になろうと思ったのか、とか将来は医者としてどのようなことをしたいのかなど、彼女はたくさんの話をしてくれました。話を聞いているうちに気づいたことがあります。それは、「家族」という言葉が話の中に何度も出てきたことです。彼女にとって、医者になるということは家族のため、ハワイという故郷の島のために働くということのようでした。ハワイ大学ではpacific islandsからの入学枠を設けており、このように「故郷のために働きたい」と願う学生はけっこう多くいるそうです。こういった気持ちも又、モチベーションを保つ原動力になっているに違いないと思いました。

 彼女は、ただ今日本に留学希望だということです。理由は「ハワイで医者をやるには日本語も話せたほうがいいから。」だそうです。これにも驚きました。でも、確かにハワイはアメリカにあって、生活のいろんな面で「日本」らしい雰囲気が根付いているなと感じました。

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4.ハワイ大学の教育プログラム

 ハワイ大の医学教育プログラムとして有名なものに、PBL (Problem Based Learning) というシステムがあります。これは、福井大学でも1~4年生までの方がされている「チュートリアル」に似たようなシステムだと思います。今回はこれを作り上げてきた先生方とお会いし、作り上げて来た側から見たPBLシステムのことをお聞きすることができましたので、ハワイ大学流PBLのご紹介をしたいと思います。

 以下の文章は、向こうでお世話になったハワイ大学医学教育部門(OME)アドバイザー、鈴木光明先生のお話と、先生が書かれたPBLの説明文の概要をご紹介する形で書かせていただきます。

     PBLはProblem Based Medicineの略で、症例から自分達で学習課題を引き知識を身につけていくスタイルの教育システムです。ハワイ大学医学部は1989年にこのシステムを取り入れて以来、「PBLを最大限に活用している学校」として全米の医学部128校のうちの数校の一つに数えられ続けて現在に至っています。

     ハワイ大学のPBL は3つのステージから成り立っています。第1ステージは問題提示です。ここではチューターが、症例の情報を少しずつ開示していき、5~6人のグループに分かれた学生がその都度discussionをくりひろげていきます。discussionは次の4項目を黒板にどんどん挙げていく形で行われます。

   1. Facts/Profiles・・・患者さんはどんな人か。そしてどのような症状を持っているのか。

   2. Hypothesis・・・現段階で考えられる疾患は何か。

    3. Need to know・・・診断を進めるに当たって次に聞くべきこと、するべきこと     は何か。

   4. 学習課題・・・教科書で調べなければならないことは何か。

     第2ステージは学生達の個人学習です。第1ステージで引き出された学習課題をグループ内で分担して調べてきます。そして第3ステージはそのまとめです。第1ステージは1日かけて行い、第2ステージは宿題なので十分な時間をかけて家で行います。そして日を改めて第3ステージと次の症例の第1ステージを行うというスタイルでPBLが進められています。また、discussionを活性化させるのに役立つということで、食べ物・飲み物の持ち込みが可になっています。

PBLとは

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・何を知らないかを知ること。 学生が覚えなくてはならない医学知識は膨大な量ですし、医学の進歩にあわせ、この先もどんどん増えていくものと思われます。伝統的な講義だけではこれらの知識をカバーするのは難しくなってきているというのがハワイ大学の先生方の考えです。そこで、学生は必要な医学知識を主体的に学ぶ必要が出てきます。こう考えた時まず第一に すべきことは、「自分が何を知らないか」を自覚することです。ハワイ大学でのPBLの一番の目的は「自分が何を知らないのかを知ること」にあります。

・出席率をあげること。

 ハワイでPBLを導入することになったきっかけは、先代の学長が講義室を訪れた際、数名の学生の他はテープレコーダーだけが回っていた講義風景に呆然とされたことだそうです。テープレコーダーが回っていることは少なくても、出席率の低さ(出席してても講義への集中力の低さ?)は日本の医学部に結構当てはまっているのではないでしょうか。PBLでは自分達が主体的に学ぶことが不可欠になるため、授業への出席は不可欠です。また、PBL中は常に考え、発言することを要求されるので自然とPBLに集中することになります。

・基礎医学を学ぶこと。

 アメリカでのもうひとつの問題は、基礎医学を教員がどれだけ一生懸命教えても、学生の関心がそれについて行けていない、という現実です。これもまた、日本でも当てはまっているのではないかと思われます。ハワイ大学の先生方は、その理由の一つには基礎医学が臨床医学に直結したものだという認識が学生の中に薄いということがあると考えられました。PBLで与えられるのは実際の患者さんの症例です。ここから生理学、解剖学などの基礎的な学習課題を引き出すので、学生は自分がどのような理由で基礎医学を学ぶ必要があるのかを感じ取ることができます。

・良い医者を育てること。

  医学教育の目的は「良い医者」を育てることにあります。良い医者というのが患者にとって頼りになる医者であるとすれば、患者さんから学ぶことこそが一番良い方法であるというのがハワイ大学の考えです。PBLではホームレスであったり、麻薬中毒者であったり、現実によくいる患者さんが症例として出てきます。こういった患者さんにPBLの中で出会い、背景にあるものまでを自分達の力で噛み砕いていくことにより、医学部低学年から学生は患者さんとの接し方を自然に学ぶことができます。さらにグループ学習を行うことにより協調性も身につきます。

PBL導入の目的 ・・・PBLは、こんなことに役立ちます。

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・しゃべる思考

 PBLのグループの中では考える過程を共有していく必要があります。そこで求められるのは「しゃべる思考」、つまり考えていることを頭の中だけでなくて全部口に出して周りに知らせることです。口に出して物を考えるというのは特に日本人には慣れないことで、難しく感じられます。でもこの力は、PBLの他にもコミュニケーションにおいて役立つに違いないので、日頃からトレーニングをしておくことが重要だと思われます。

・PBL tutorの役割

 PBL tutorは学生がPBLプロセスから逸脱するとそれをもとに戻したり、discussionが低調になると活性化するように助言したり、学生の発言量が均等であるかなどを調整しながら、各学生に対する評価を行います。説明をしすぎると学習課題の引き出しを妨げかねないし、かといって説明を全くせず全てを学習課題にまわしてしまうのも現実的ではありません。このような舵取りを気長にやっていけるfacilitatorとしての適性を持ったtutorを確保する必要があります。ハワイ大学では、十分な数のtutorを確保するために、専任教員の他臨床教授もtutorとしてリクルートしています。また、第4学年で医学教育に興味を持つ学生もco-tutorとして参加できるようになっているそうです。専任教員の中でも志望者のみがtutorをすることになっているそうですが、この際もtutorとしての適正スクリーニングを行うことにしているそうです。

・PBLグループ

 1グループ学生7人までは問題ないそうです。ただし8人以上になると、症例検討の際にグループが細分化されてしまい、1つのPBLグループとしての機能が壊れてしまう傾向が見られるそうです。これらを踏まえて、ハワイ大学では5~6人のグループでPBLが行われています。また、同じグループの中でも発言量に差が出てくることがあります。このような時は、発言量の少ない学生同士を同じグループにするなど、グループ構成にも色々と工夫をするそうです。

・PBL症例

 PBLの症例数は多すぎると得た知識を使いこなすことできず、少なすぎると必要な知識を網羅できません。また、症例患者の背景は現在の社会に即したものでなければなりません。そこで、PBL症例は常に吟味を重ねられ、手を加えられている必要があります。ハワイ大学の医学教育部門(OME)には専任の先生方がおられ、日々PBLをより良いものにするための努力が重ねられていました。

 次に症例数ですが、ハワイ大学では1989年、PBL導入第一年目には、補充としての講義を全く行わないPure PBLが行われていました。しかしそれだけではUSMLE の特にstep 1の合格率が下がるのではないかとの懸念が特に学生に強く、1990年からは補充講義を併設して現在に至っているそうです。現在は、85症例のPBLと週2回の補充講義が行われています。

PBLの実際 ・・・PBLに必要なのは静かな場所と黒板1枚だけです。でもPBLを      成功させるには様々な工夫が必要なようです。

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・Tutorの確保が容易ではない。

  前述の通り、tutorの数を十分数確保するために、様々ところからtutorをリクルートしてくることになります。しかし学生の主体的な課題引き出しを妨げず、しかも適切なところで舵取りとアドバイスを行えるような適性を持ったtutorを多く確保するのはやはり難しいそうです。

・講義に比べて、学生教育に費やす時間が多くなる。

  前述のように、PBL自体にも、またその評価にも、とにかく人手と時間をかけないと良いPBLは行えないようです。

  ハワイ大学では、症例の吟味やグループ構成の工夫、tutorの確保とスクリーニングの他に、評価方法にも重いウェイトが置かれていました。例えばPBLそのものをきちんと理解して受けられているかを評価するために、テストの1つとして、何と学生全員にマンツーマンで簡略なPBLを行っているそうです。

・全ての医学教育課題が網羅されているかに不安がある。

  PBLは出席することが不可欠です。さらに学生は引き出された学習課題の自己学習に常時忙殺されることになります。このような中でUSMLEの試験勉強ができるかどうか、学生にとっては大きな不安にもなっているのが現状だそうです。

  結果を見てみると、ハワイ大学の学生はUSMLE Step 1の合格率は全米医学部中の平均で、臨床が中心となるStep 2の合格率は平均を上回っています。そして卒業生のアンケートでは「PBLは自分を医者として育てる方法として有効であった」という回答が多数を占めています。中でも診療の質、知識・技術の獲得にPBLは効果的であったという回答が多くなっています。これを見ると、PBLは後になればなるほど効果が発揮されてくるシステムのようです。医者になって患者さんに接した時に踏むべきプロセスを、低学年から何十回も繰り返してきていることになるので、研修医になった時に惑わないのもうなずける気がします。実際、ハワイ大学の学生はその臨床能力に定評があり、レジデントの全米マッチングでは優先的な選択に恵まれているそうです。

MEMO

 先生方とお会いして最も感じたのは、PBLというシステムを支えていくには本当に多大な努力が必要なんだなということでした。PBLがうまく行く一番の条件は、学生がこうしたPBLの目的や大学側の意図を理解したうえで、カリキュラムに参加することなのかも知れないなと思いました。普段の何気ない学習であっても、何を目的として行っているのか、それを明確に理解したうえで取り組むことはものすごく重要なことなのではないかとハッとさせられました。

PBLの問題点 ・・・先生が挙げられたPBLの問題点をまとめてみました。

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 わずか1週間足らずではありましたが、ハワイでは本当にたくさんのことを学ばせていただくことができたと実感しております。先生や患者さん、スタッフの方と一緒にいた中で感じたのは、ハワイの持つ独特の雰囲気でした。アメリカをよく知る日本人も、日本をよく知るアメリカ人もたくさんおられて、一言であらわすと、ハワイは「アメリカと日本の中間」のような場所に思えました。

 先生はお話の中で、「アメリカには日本にはなかなかないscienceとしての医学があり、日本にはアメリカにはないすばらしい医療制度(国民皆保険)がある。」とおっしゃっていました。これを聞いて、もしかしたらこのような良さを併せ持った新しい形の医療を作るのには、ハワイは絶好の場所なのかもしれないなと思ったりしました。

  最後になりましたが、突然の訪問であったにもかかわらず、お忙しい時間を割いて多くのものを見せてくださり、教えてくださった鈴木光明先生、黒丸龍一先生、ハワイ大学医学部OMEの皆様、そしてハワイ大学訪問のチャンスをくださり、その実現に多大なるお力添えをいただきました橋本剛太郎先生に心より御礼を申し上げます。

        From H.A.

 参考文献

2. “Hamilton to Honolulu” K. Kramer and Gwen Naguwa, Hawaii Medical Journal 175-176, vol 61, August 2002

3. “13 PBL cases of JABSOM” Gordon Greene t al, Yodosha, Tokyo, 2005

4. “Little heralded Advantage pf Problem-Based-Learning” Fedderman, D. Academic Medicine 93-94, Vol 74/2

より詳しく知りたい人へ。ホームページ: http://OME.HAWAII.EDU