都市ヒートアイランド現象のシミュレーションモデルと 循環型社 … · 総合都市研究第71号 2000 都市ヒートアイランド現象のシミュレーションモデルと
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ヒートアイランド・都市の緑化実験
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【A.はじめに】 地球の気温を決定しているメカニズムを説明し、地球温暖化の原因・影響について実験・解説
を行うとともに、具体例を出してその対応策を考え、温暖化防止への理解を深めることを目的
とする。さらに、都市部のヒートアイランド現象の要因を説明し、その対策としての都市のグ
リーン化(緑化)の有効性について理解を深める。
【B.実験のテーマ】 [1]太陽の光(赤外線の性質) [2]大気の構成とその性質(二酸化炭素、酸素) [3]温室効果の体験 [4]ヒートアイランド現象と都市の緑化(緑化シートの効果実験)
【C.実験プログラムの構成】 実験ショーの所要時間は 30分を目安に7つの実験で構成。また解説用に8つのビジュアルを用意した。 解説用ビジュアルはPCからプロジェクター投影、あるいは印刷してフリップにできるよう画
像・アニメーションファイルとした。また、オプションとして2つの実験と2つの画像を、関
連する情報に1つの「豆知識」を記載した。
■実験内容 try01 分光実験 ································ 5
try02 赤外線の性質 ·························· 7
try08 緑化シートの効果 ······················ 9
try15 酸素と二酸化炭素を見る ············· 12
try03 酸素/二酸化炭素の性質 ············· 13
try04 二酸化炭素を作る ···················· 15
try07 温室効果体験 ························· 17
■解説 vis07 光の種類 ······························· 20
vis02 地球の大気組成 ······················· 21
vis08 温室効果とは? ······················· 22
vis09 地球の平均気温 ······················· 23
vis01 温暖化とは? ·························· 24
vis04 ヒートアイランドについて ·············· 25
vis05 グリーン化計画のまとめ ·············· 26
■オプションプログラム
1. 実験
try14 浮かぶシャボン玉 ····················· 27
try16 ドライアイスでシャーベット ············ 28
2. 説明
vis19 波長と振幅 ···························· 29
vis20 周波数と波長 ·························· 30
■オプションプログラム vis15 スペクトルの話 ························ 31
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【D.主な流れ】 (導入話題) 天気の良い日に暖かく感じるのは、太陽からエネルギーがきているから。
1) 分光実験 [try01]
● わかること プリズムを通すと光はたくさんの色に分かれる。
● 主な話 太陽からきているエネルギーには多数の種類がある。 昼光ランプの光をプリズムに当てると、光がたくさんの色にわかれる。
2)光の種類[[vis07]
● わかること 太陽の光には目に見える可視光線の他に目に見えない光もある。
● 主な話 赤外線は熱を持った物からは必ず出ている。高い温度の物ほど赤外線を多く出す。
3)赤外線の性質 [try02]
● わかること 赤外線の性質。
● 主な話 赤外線は、物を暖める性質がある。
4)緑化シートの効果[try08](スイッチオン)
● わかること モノによって赤外線吸収のされ方は異なる。
● 主な話 緑化シートはコンクリートに比べて熱しにくく冷めやすい。
5)地球の大気組成 [vis02]
● わかること 空気の中に含まれている気体の割合。
● 主な話 二酸化炭素は酸素よりも少ない。
6)酸素と二酸化炭素を見る [try15]
● わかること 酸素も二酸化炭素も見えないのは同じ。
● 主な話 酸素も二酸化炭素も無色透明。
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7)酸素/二酸化炭素の性質 [try03]
● わかること 酸素と二酸化炭素の性質をみる。
● 主な話 酸素はものが燃えるのを助ける。二酸化炭素は火を消す。
8)温室効果とは? [vis08]
● わかること 二酸化炭素が赤外線を再放射する。
● 主な話 空気の中の二酸化炭素が、赤外線を吸収したあとで、宇宙や地球に向けて再び熱を放つ。
9)地球の平均気温[vis09]
● わかること 温室効果のおかげで、地球は快適な気温。
● 主な話 温室効果で、地球の平均気温は 15度に保たれている。 温室効果がなかったら、地球の平均気温は-18度になる。
10)温暖化とは [vis01]
● わかること 人間が温室効果のバランスを崩した。
● 主な話 人間が便利な生活を求めるようになってから、少しずつ温室効果のバランスが崩れた。 温室効果が強まり、空気が余分に暖められるようになってきた。
11)ヒートアイランドについて[vis04]
● わかること 都市は郊外より熱い。
● 主な話 都市部には、たくさんの人や企業が集まるため、他より多くのエネルギーを消費する。 エネルギーは、熱に変わり都市の中にためこまれ、都市部の気温は上がる。
12)温室効果体験 [try07]
● わかること 大気の役目。
● 主な話 大気の温室効果によって地球の平均気温は 15度に保たれている。 もし、地球に大気の層がなかったら、平均気温は-18度になる。
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● わかること 赤外線で暖かくなる。
● 主な話 手をほほに近づけると、ほほが暖かく感じる。これは、手から赤外線が出ているから。 人間も赤外線として周りに熱を放っている。 ドームが熱を外に出さないように守っているからドームの中の気温が上がる。
● わかること 二酸化炭素と温室効果と人間の生活。
● 主な話 大気の中でもとくに二酸化炭素は、暖かさを保つ効果がある。 二酸化炭素は、モノを燃やしても、人間が息をしても出る。 電気を作るときにも、クルマに乗ってもでる。 人間が便利な生活すればするほどでるんだね。
● わかること 二酸化炭素と植物。
● 主な話 二酸化炭素は悪者ではないんだよ。 人間は酸素を吸って、二酸化炭素を出すけど、植物は二酸化炭素を吸って、酸素をだす。 二酸化炭素がないと、植物は生きられない。とても大切なもの。
● わかること 空気の存在を感じる。
● 主な話 暑くなってきたので、脱出しよう。 外に出ると普段は意識しない空気のおいしさが分かるよ。
13)緑化シートの効果[try08](スイッチオフ・まとめ)
● わかること コンクリートはまだ熱い。
● 主な話 コンクリートは熱を溜め込みやすく、冷めにくい。
14)グリーン化計画のまとめ[vis05] ● 主な話 コンクリートのビルが多いと、夜になっても熱をためこんだままなので、あつくて寝苦しい夜
になりやすい。緑化を進めることで、これを緩和できるかもしれない。
ヒートアイランド・都市の緑化実験
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■実験の目的 昼光ランプと三角プリズムを用い分光実験を行い、赤外線の存在を予想させる
■準備 1) ガムテープなどで、三角プリズムや昼光ランプの設置位置にしるしをつける。 2) 昼光ランプと三角プリズムとスクリーンを下図のようにセット
■手順 1) 昼光ランプをつけてスクリーンに波長ごとに(虹状に)分光された様子を見る。 2) 可視光線、赤外線、紫外線等の話をする。(虹色の)赤色の外側、見えないところに赤外線
がある。
※赤が左になるようにプリズムをセットする。
■演示写真
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■解説例
●可視光線 可視光線(かしこうせん)とは、電磁波のうち、人間の目で見える波長のもの。いわゆる光の
こと。JIS Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は、おおよそ短波長側が360 nm~400 nm、長波長側が 760 nm~830 nmである。可視光線の外に位置するのが赤外線と紫外線。
●近赤外線 近赤外線は、およそ 0.7~2.5マイクロメートルの可視光(赤)に近い電磁波。可視光線に近い性質を持つため、「見えないが、可視光線に似た性質の光」として応用されている。 赤外線通信テレビなどのリモコンや携帯電話、セキュリティ用 CCDカメラの夜間光源などに利用される。赤外線 LEDが光源としてよく利用される。
●中赤外線 中赤外線は、およそ 2.5~4マイクロメートルの電磁波。近赤外線の一部として分類されることもある。
●遠赤外線 遠赤外線は、およそ 4~1,000マイクロメートルの電磁波である。電波に近い性質も持つ。 遠赤外線は熱を持った物体(絶対温度が 0Kを超える物体)からは必ず放射されている。すなわち熱線としての性質を持ち、高い温度の物体ほど赤外線を強く放射する。 主として、熱線として調理や暖房など加熱機器に利用される。一般に電磁波は、波長が長い方
が物体に浸透する能力が大きくなるので、遠赤外線を用いることにより、対象を内部から暖め
ることができる(その好例がコタツである)。 ■用意するもの
‧ ガムテープ
‧ ホワイトボード(スクリーン)
‧ 三角プリズム
‧ 昼光ランプ
赤外線の性質[try02]
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■実験の目的 赤外線には物体を暖める性質 (力) があることを確認し、見えない赤外線を感じる。
■準備 1) 遠赤外線ヒーター(あらかじめ通電を確認しておくこと)。
■手順 1) 遠赤外線ヒーターの取っ手を下にしてスイッチを入れる 2) 参加者にヒーターに手をかざして、遠赤外線が熱を放射していることを確認させる。 ※見学者に手をかざさせる場合は 300mm以上遠ざける。
■遠赤外線ヒーター: ■演示写真
■実験イメージ
■参考資料 ‧ 光の波長による分類
‧ 可視光線(0.4~0.75μm)
‧ 近赤外線(0.75~2.51μm)
‧ 中間赤外線(2.5~25μm)
‧ 遠赤外線(25~100μm)
※ガラスは 2μm以上の波長を通さない。 [参考サイト: http://home4.highway.ne.jp/baubau/kgk98.html]
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■用意するもの
‧ 軍手
‧ 遠赤外線ヒーター (把手及び通電ランプは取り付け加工した)
※坂口電熱製 PH-100(1000W)
http://www.sakaguchi.com/lineup/goods/enseki_panelheater.html
緑化シートの効果[try08]
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■実験の目的 物体によって赤外線吸収のされ方は異なること。 緑化シートはコンクリートに比べて熱しにくく冷めやすいことを確認する。
■比較素材: コンクリート板(ビルのサンプル)、緑化シート(コケ・緑地帯のサンプル) 素材による表面温度の上昇変化&下降変化を比較する
■準備 1) 遠赤外線ヒーターをスタンドにセットする。 2) コンクリート、緑化シートとの距離は 300mm。 3) スノコの上に断熱材、コンクリート板、緑化シートをセットする(図参照)。 4) 非接触温度計、タイマーを用意する。 ※緑化シートには、霧吹きで充分な水分補給をしておく(目安は 200ml程度) ※補水後の緑化シートとコンクリート板は事前に用意し、なるべく室温にしておく。
■手順: 1) 参加者にコンクリートの表面と緑化シートの表面を触らせて温度を確認させる。 2) コンクリート板と緑化シートの表面温度を測定し、ホワイトボードへ記録する。 3) タイマーを 10 分にセットして、遠赤外線ヒーターのスイッチを入れる 4) ( ここで -->別の実験へ 、以下は助手が計測を進める) 5) 5 分後(助手が)表面温度を測定・記録。 6) 10 分後に(タイマーが鳴ったら)スイッチを切る。表面温度を測定・記録。 7) 遠赤外線ヒーターのスイッチを切り、スタンドごとはずす。 8) 温度下降の様子を計測するため、再び 10 分後にタイマーをセットする。 9) ( ここで -->別の実験へ、あるいは助手が行っておく ) 10) スイッチを切って 5分に助手が表面温度を測定・記録。 11) 分経ったところで、表面温度を測定・記録する。 12) 計測結果から、緑化シートはコンクリートに比べて熱しにくく冷めやすいことを確認する。
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■公開実験時の温度変化
■参考写真
緑化シート
コンクリートパネル
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■補足
太陽から地表に届く光にはほとんど遠赤外線成分は含まれておらず、遠赤外線ヒーターを太陽に見
立てたような演出は避けなければならない。慎重を期すならば、実験前に「太陽光にはほとんど遠
赤外線成分は含まれていません。この遠赤外線ヒーターはものを速く暖めるために使います。」と
明示するほうが良い。
■用意するもの
‧ コンクリート板 (厚さ 10mm/芯に鉄筋を入れて作成)
‧ スノコ
‧ タイマー
‧ ビニール手袋(薄手のもの)
‧ 断熱材 (厚さ 25mm/建築用スタイルフォーム、)
‧ 緑化シート (参考:エコモス・システム パレット-スナゴケ-/(株)国際環境デザイン協会)
‧ 遠赤外線ヒーター(参考:PH-100(1000W)/(株)坂口電熱 ※把手及び通電ランプは取り付け
加工した)
‧ 非接触温度計(参考:放射温度計 AD-5611A /(株)A&D)
酸素と二酸化炭素を見る[try15]
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■実験の目的 酸素と二酸化炭素が目に見えない気体であることを示す
■準備 1) 酸素缶と二酸化炭素缶を用意。 2) それぞれの缶には「酸素・O2」「二酸化炭素・CO2」とわかり易くラベルを巻いておく。
■手順 1) 酸素を見てみよう。(シュー) →何も見えないね。 2) 二酸化炭素を見てみよう。(シュー) →やはり何も見えないね。
■参考写真
■用意するもの:
‧ 二酸化炭素ボンベ (参考:中村理科 F35-1907)
‧ 酸素ボンベ (参考:中村理科 F35-190)
酸素/二酸化炭素の性質[try03]
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■実験の目的 酸素と二酸化炭素の性質を見る
■準備 ‧ 酸素と二酸化炭素のボンベ、広口ビンx2、線香 10 数本、ろうそく、ろうそくたて、チャッカ
マン、水を入れた容器をテーブルの上に置いておく。
■手順 1) 線香(10 数本を束ねる)に火をつける 2) 広口ビンに酸素缶から酸素を入れる 3) 酸素をいれた広口ビンに火のついた線香入れる
→勢いよく燃える
→酸素にはものを燃やすのを助ける性質があることを話す
4) ロウソクに火をつける 5) 別の広口ビンに二酸化炭素缶から二酸化炭素入れる 6) 二酸化炭素を入れた広口ビンに火のついたロウソクを入れる
→ロウソクの火が消える
→二酸化炭素には火を消す性質があることを話す
■参考写真
酸素を広口ビンに入れる 酸素の入った広口ビンへ線香を入れる
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二酸化炭素の入った広口ビンへロウソクを入れる
■注意点 ‧ 火の取り扱いに注意する
‧ 消火用水を用意する
‧ 酸素缶、二酸化炭素缶、ライターの予備を用意する
■資料 ‧ 地球大気組成 (地表) 割合
‧ 窒素 78.088%
‧ 酸素 20.949%
‧ アルゴン 0.93%
‧ 二酸化炭素 約 0.037%
大気中の二酸化炭素の割合について、氷床コアなどの分析から産業革命以前はおよそ 280ppm
(0.028%)であったと見積もられている。この濃度増加は主に化石燃料の大量消費が原因と考え
られている。
■用意するもの
‧ ろうそく
‧ ろうそくたて
‧ チャッカマン
‧ 広口ビンx2
‧ 線香の消火用水(広口ビンなどに入れる)
‧ 線香
‧ 二酸化炭素ボンベ (参考:中村理科 F35-1907)
‧ 酸素ボンベ (参考:中村理科 F35-190)
二酸化炭素を作る[try04]
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クエン酸と重曹をつかって二酸化炭素をつくる。
■準備 ‧ プラコップ 3つに重曹を適量入れておき ネーミングしておく。
‧ プラコップ 3つにクエン酸を適量入れておき ネーミングしておく。
■手順 イ) 透明なプラコップにクエン酸と重曹(炭酸水素ナトリュウム)をおのおの入れる ロ) まず、重曹を子供たちの右手に乗せ「せーの」でなめさせる
→「にがい」などの反応 ハ) 次に、クエン酸を子供たちの左手に乗せ「せーの」でなめさせる
→「すっぱい」などの反応 ニ) プラコップにクエン酸と重曹を 2:1の割合で混ぜ、子供たちの手に乗せ「せーの」でなめさ
せる →「しゅわしゅわ」感の反応
ホ) 食品に応用していることを説明
■参考写真
-- オプション 1 -- ラムネ水の作り方。 用意するもの
‧ 重曹(炭酸水をナトリウム)・・・2.5g
‧ 砂糖・・・25g
‧ クエン酸・・・4g
‧ レモンエキス1滴
‧ ペットボトルかなど密封できる容器
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●作り方 1) ビーカーなどに水200ml入れる。 2) これに砂糖とクエン酸を加え完全に溶かす。 3) 溶けたら氷で冷やす。 4) 冷えたら容器に入れレモン水を加え、重曹を入れ素早く容器の口を閉め逆さにする。
-- オプション 2 -- ドライアイスでシャーベット。
■用意するもの
‧ クエン酸
‧ 重曹
‧ スプーン(小)x9
‧ 透明プラスチックコップx9
温室効果体験[try07]
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■実験の目的 オリジナルエアドームにみんなで入って、温室効果(ヒートアイランド)を体感する
■準備 1) 農業用ポリエチレンシート黒 (0.02mm)を張り合わせて袋状にする。 2) 出入り口として一箇所は貼り合わせずにおく。 3) エアブロアーやファンを使って中に空気を入れ、エアドームを膨らませられるようにする。
■補足・注意 イ) エアドームのサイズは人員十数名までならビニールシート 3列を目安とする。四十名程度の場
合はビニールシート4列(一枚の幅 1800mm×長さ 10m)程度を目安とする。 ロ) ブロアーのエア吸入口に毛髪を巻き込む恐れがあるので注意する。
→付属のフィルター(ダストバック)があれば、必ず取り付けること。 ハ) エアドームの入り口をステージのどの位置にするか、あらかじめ決めておく。 ニ) 参加者が多いときにはエアドームをどのように広げられるか確認しておく。 ホ) エアドームを脱出後に取り残されてしまった人がいないか、注意、確認すること。
■手順 1) 加工したポリエチレン黒袋をブロワーで膨らませる。 2) 中に参加者たちを入れて 助手が表からビニールテープなどで密閉する。 3) 中で環境問題や地球温暖化の話をする。 4) 時間がたつにつれて内部の気温が上昇。 5) 最後にポリエチレン黒袋を破って脱出。 6) 新鮮な空気を改めて実感する。
■ポリエチレンシートの加工 A) 幅 1.8mのポリエチレンシートを長さ 10mに切り二つ折りにする。 B) それぞれ半分に折り 3枚を張り合わせる。
C) それぞれを縁のテープで貼り袋状に張り合わせていく。
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D) 3枚の内、端の一辺だけは貼り合わせずに入り口とする。
*黄色がテープ
*50mm 幅ずつ重ねる
■解説例 ‧ ビニール袋に空気を入れてふくらませます。
‧ みんなで中に入りましょう。
‧ 中に入ってみると思ったより広く感じますね。
‧ このシートが地球を取り囲んでいる大気と考えてください。
‧ 中の温度はこのシートによって外に逃げないようになっています。
‧ 地球の温室効果も大気によって外に熱が逃げにくくなっています。
‧ みなさんの体から熱が赤外線となって出ています。
‧ 頬に手を近づけてみてください。頬が手の熱でほんのり暖かく感じませんか。
‧ 今は、シートが熱をためこんでいます。
‧ 温室効果で、二酸化炭素が同じように熱を貯め込みます。
‧ 二酸化炭素は、電気を作るときやクルマに乗るときなどに排出されます。
‧ ゴミを燃やしても出るし、私たちが呼吸してもでます。
‧ だんだんシートの中も暑くなってきました。
‧ みんなで一緒に温室効果シートを破って外に出ましょう。
‧ 5・4・3・2・1・ゼロ!
‧ 新鮮な空気が感じられますね。涼しい風がきましたね。
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■参考写真
シートを展開して膨らませる
中に入り解説 破いて脱出
■用意するもの:
‧ 50mm 幅梱包テープ
‧ エアブロワー(参考:リョービ BL-3500-最大風量 3.5m^3/min- )
‧ 懐中電灯
‧ 農業用ポリエチレンシート黒 (厚さ 0.02mmx 長さ 50mx 幅 1800mm)
光の種類[vis07]
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光にはたくさんの種類があります。 目に見えている光は電波や X線と同じ電磁波の仲間です。
■画像
静止画 1024×768。
参考資料
可視光線 (かしこうせん)
電磁波のうち、人間の目で見える波長のもの。いわゆる光のこと。JIS Z8120
の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は、おおよそ短波長側が 360
nm~400 nm、長波長側が 760 nm~830 nm である。可視光線の外に位置するの
が赤外線と紫外線。
近赤外線
およそ 0.7~2.5 マイクロメートルの可視光(赤)に近い電磁波。可視光線に
近い性質を持つため、「見えないが、可視光線に似た性質の光」として応用さ
れている。赤外線通信テレビなどのリモコンや携帯電話、セキュリティ用 CCD
カメラの夜間光源などに利用される。赤外線 LED が光源としてよく利用される。
中赤外線 中赤外線は、およそ 2.5~4 マイクロメートルの電磁波。近赤外線の一部とし
て分類されることもある。
遠赤外線
およそ 4~1,000 マイクロメートルの電磁波である。電波に近い性質も持つ。 遠
赤外線は熱を持った物体(絶対温度が 0K を超える物体)からは必ず放射され
ている。すなわち熱線としての性質を持ち、高い温度の物体ほど赤外線を強く
放射する。主として、熱線として調理や暖房など加熱機器に利用される。一般
に電磁波は、波長が長い方が物体に浸透する能力が大きくなるので、遠赤外線
を用いることにより、対象を内部から暖めることができる(その好例がコタツ
である)。
地球の大気組成[vis02]
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私たちは呼吸をするとき、酸素を吸って二酸化炭素を吐いています。空気中の酸素と二酸化炭素の
割合を見てみると・・・。 大気中に一番多いのは窒素という気体で 80%近くあります。次に多いのが酸素で 20%程です。二酸化炭素は1%もありません。酸素と比べると、ずいぶん少ないですね。
■画像
静止画 1024×768。
温室効果とは?[vis08]
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空気の中の二酸化炭素が、赤外線を吸収したあとで、宇宙や地球に向けて再び熱を放ちます。 温室効果によって、地球の平均気温は、15度に保たれています。 もし、温室効果がなかったら、地球の平均気温は-18度になるだろうといわれています。 その差は 33度に及ぶので、夏であっても冷凍庫の中のように寒いものになると考えられています。
■画像
太陽から来るエネルギーを吸収して地面が暖ま
ります。
赤外線の一部を大気中の二酸化炭素(温室効果ガス)は吸収します。
二酸化炭素(温室効果ガス)から宇宙空間や大気・地球の表面に向けて赤外線がまた出(放射され)ます。
宇宙へ熱を逃がさないこのしくみを温室効果と
いい、ここでの二酸化炭素のような働きをする
気体を温室効果ガスといいます。
アニメ 1024×730。
地球の平均気温[vis09]
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温室効果によって、地球の平均気温は、15度に保たれています。 もし、温室効果がなかったら、地球の平均気温は-18度になるだろうといわれています。 その差は 33度に及ぶので、夏であっても冷凍庫の中のように寒いものになると考えられています。
■画像
温室効果によって地球の平均気温は、約 15 度にたもたれている
もしも温室効果がなかったら…?「地球は何度
になるでしょう?」
「-18℃」になるとかんがえられています。
アニメ 1024×730。
温暖化とは?[vis01]
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二酸化炭素が近年、増え続けています。 二酸化炭素は呼吸によっても出ますが物を燃やしても出ます。ごみを燃やす。電気を使う。自動車
はガソリンを燃やして走るなど、人々が便利な生活を求めるようになって、二酸化炭素が増えまし
た。二酸化炭素が増えるとそれだけ多くの赤外線を吸収するので、温室効果は強まり、地球表面の
大気や海洋の平均気温が上昇すると考えられます。これが温暖化です。 地球温暖化は、生き物に良くない影響が出るという、ほかの環境問題にも関係があります。地球温
暖化が進んでいくと、ほかの環境問題にも悪い影響が出るだろうと考えられています。
■画像
アニメ 1024×730。
ヒートアイランドについて[vis04]
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―地球を守るより 「都市部には大勢の人が集まり、また多くの企業なども集まっているので、たくさんのエネルギー
が消費されます。その消費されたエネルギーが熱に変わって、都市の中にためこまれます。そうす
ると、都市部の気温は上がり、まわりにある郊外と気温差が生じます。この現象を「ヒートアイラ
ンド現象」といいます。」
■画像
アニメ 1024×730。
グリーン化計画のまとめ[vis05]
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ヒートアイランドは温暖化のひとつですが、地球全体の温暖化に対して、限られた都市の温暖化と
もいえます。 ヒートアイランドの原因の補足として緑地や農地を減らしていることも挙げられます。緑地や農地、
つまり植物は赤外線を吸収しにくく、かつ、再放射しやすい。さらに植物は二酸化炭素を吸収して
酸素を放出する光合成という性質をも持ち備えています。 ヒートアイランドの対策として都市を緑化していくことは、たいへん効果的でしょう。 都市は便利さだけではなく、環境を考えながら作らなければならないですね。
■画像
静止画 1024×768。 ■参考:アクロス福岡「検証された屋上緑化のヒートアイランド緩和効果」(竹中工務店 ニュースリリース) http://www.takenaka.co.jp/news/pr0108/m0108_05.htm
浮かぶシャボン玉[try14]
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■実験の目的 シャボン玉を用いて酸素と二酸化炭素の性質を示す
■準備 1) 水槽の周りにドライアイスが隠れるくらいの目隠しをする 2) 水槽にドライアイスを入れておき二酸化炭素を充満させておく 3) シャボン玉のセットでシャボン玉を作れるようにしておく
■手順 1) 水槽の外に向けてシャボン玉を飛ばす。
→割れる
2) 水槽の中に向けてシャボン玉を飛ばす。 →浮かぶ
3) 二酸化炭素の重さについて説明する。
■参考写真
■用意するもの
‧ シャボン玉セット
‧ ドライアイス
‧ 水槽
‧ 黒い色紙(目隠し用)
ドライアイスでシャーベット[try16]
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■実験の目的 二酸化炭素の性質を見る
■準備 かき氷機、プラカップ、容器に入れた細かいドライアイス、氷つかみ、ジュース、スプーンを用意(台に載せる、またはワゴンテーブルで出す)
■手順 1) ドライアイスをカキ氷器で細かくして、ドライアイス「かき氷」状にする。 2) 「かき氷」状のドライアイスにジュースを加えて手早く混ぜる。 3) ドライアイスの白い粒が見えなくなったら出来上がり。 4) 見学者にカップとスプーンを手渡し、賞味する。 5) 「どうですか。あっという間にシャーベットのでき上がりですね。ただ、ドライアイスは素
手でさわると低温火傷をすることがありますので、充分な注意が必要です。
6) ビンなどに入れて密閉しないでください。破裂します。 」 ■用意するもの
‧ カキ氷機
‧ ジュース
‧ スプーン
‧ ドライアイス
‧ 透明プラスチックカップ
‧ 軍手
波長と振幅[vis19]
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■画像 「分光実験」「光の種類」での発展的解説用。
静止画 1024×768。
周波数と波長[vis20]
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■画像 「分光実験」「光の種類」での発展的解説用。
静止画 1024×768。
スペクトルの話[vis15]
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「光源の種類によって、物の見え方が異なってきます。それは、光源によって、分光分布がちがう
からです。光エネルギーが自然光のように一様に含まれているほど自然光と同じようにみえます。
これを、演色性といい、Ra(アールエー)で表します。」 出典:http://www.icoffice.co.jp/zukan/l_optical.htm
■参考画像
紫外線が大気圏でかなり吸収されていること、地上まで届いている光の大部分は 可視光であり、赤外線では近赤外線(0.75~25μm)までであることが判る。
出典:http://www.icoffice.co.jp/zukan/l_optical.htm