リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援 · –...

作井部門シンポジウム「ベストパフォーマンスの追求」

リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援

石油資源開発株式会社

石井美孝

吉田恒夫


講演の内容I. オペレーションを取巻く環境と支援

II. 資材船を利用した海上（資材）基地の検討

III. 資材船の選定

IV. オペレーション支援体制

V. 動員時の資機材の搭載実績

VI. オペレーション支援まとめ

VII. ドリリングパフォーマンス



I. オペレーションを取巻く環境１

• 坑井仕様：水深800m、深度3,500m （2坑井）

• ロケーションの地理的環境– 至近の港までの距離片道280km（チモール島）

• 往復30時間＠10ノット（走行のみ）

– インフラの整った港まで片道1400km（東ジャワ）• 往復6日＠10ノット（走行のみ）

– 石油開発サポートベースからLoc.までの距離• バタム島から片道2800km （稚内 – 宮古島）

• ジャカルタから片道2400km （稚内 – 沖縄）

• バリクパパンから片道1800km （稚内 – 福岡）



I. オペレーションを取巻く環境２

• インドネシアの状況（政情）

– 体制の崩壊の直後、初の総選挙

• 欧米石油会社駐在員の一時避難

– 東チモールの独立紛争

• 至近の港へ難民の流入・滞在



I. オペレーションを取巻く環境３

• 地理的問題点・政情不安定な状況下において、オペレーション履行、人身の安全を第一条件とした。

HSE・危機管理を勘案したオペレーショ

ン支援が求められる



I. オペレーション支援 1• 勘案事項

– コミュニケーション (専用サテライトライン)– 食料の補給

– クルーチェンジ (チャーターフライト、ヘリコプター）

– ケガ・急病への対応

– 有事の時の対応

– Y2K– EIA Study – オイル漏洩の防止



I. オペレーション支援２

• 各所との密接な信頼関係の構築Bridging Documentの作成

– Contractor– Service Companies

– JAPEX （Tokyo)– Partners– Pertamina

– Local Authorities



II. 資材船を利用した

海上（資材）基地の検討

オペレーションを取巻く環境把握・

支援体制の検討

資材船を利用した海上(資材)基地の検討



II. 海上方式と陸上方式比較


海上方式陸上方式(東ジャワ)

動員

バタム島

資機材の積込み

サプライベースへの輸送

バージ（含むタグボート）

サプライベース

資機材積下ろし

掘削作業時


資機材補給回数 4回 11回

資機材の積込み・積下ろし積込み・積下ろしコスト積込み・積下ろしコスト

AHSVの数 2隻 3隻

復員


資機材の積込み

バタム島への輸送

バージ（含むタグボート）

バタム島

資機材積下ろし

サプライベース費用不要掘削期間＋1.5ヶ月

資材船費用掘削期間＋1ヶ月不要

積込みコスト積込みコスト

不要積込みコスト

不要 3隻

不要積下ろしコスト

不要 2隻

積下ろしコスト積下ろしコスト


II. 海上方式と陸上方式コスト比較


海上方式ｖｓ陸上方式（コスト比較）

27

41

83

98

2

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

海上方式陸上方式 (東ジャワ )

資材船コスト

Additional AHSVコスト

サプライベースコスト

バージ傭船コスト

％

１００％

１５１％


II. 資材船選定時の考察事項１

• 坑井の仕様

– 水深・深度

– 坑井数

– 必要資機材（重量・容量）

• 至近の港

– インフラ整備状況

– 港の優先的使用

– 石油開発サポートベースからの距離

– 水・燃料・食料補給



II. 資材船選定時の考察事項２

• ロケーション– 至近の港との距離

• AHSV– 水・燃料・泥水・バルク等の搭載能力

• Rig– Variable Deck Load

• 気海象条件– 洋上での積下ろし



III. 資材船 (FSU)の選定１

• 掘削（開発）の支援のための資機材の保管・保全及び作業員の宿泊施設を備えた船舶

• Accommodation / Warehouse Barge• Accommodation / Warehouse Ship• Floating Accommodation / Warehouse - FLOATING STORAGE UNIT (FSU) -

しかし、石油・天然ガス掘削（開発）サポート専用の船舶は非常に少ない



III. 資材船 (FSU)の選定２

• 資材船のタイプ– バージタイプ

• パーパスビルド

• 専用船

– シップタイプ• 貨物船

• 専用船

– その他（マーケット次第）• ドリルシップ

• テンダーバージ



III. 資材船搭載能力（重量）


Deadweight Ton / Variable Deck Load

0 5,000 10,000 15,000 20,000

Deepwater 2

Ship Type B

Ship Type A

Barge Type C

Barge Type B

Barge Type A

Tennder Barge

Drill Ship

Semi (operating)

Semi(Transit)

Metric Ton


III. 資材船搭載能力（容量）


Storage Area

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

Deepwater 2

Ship Type B

Ship Type A

Barge Type C

Barge Type B

Barge Type A Covered Storage (m2)Open Storage (m2)


III. 資材船搭載能力（水・燃料）


Fuel / Drill Water Capacity

0 1 ,0 00 2 ,000 3 ,000 4 ,000 5 ,000 6 ,000

Deepwater 2

Ship Type B

Ship Type A

Barge Type C

Barge Type B

Barge Type A

Tennder Barge

Drill Ship

SemiFue l Oi l (kl )

Dr i l l Water (Kl )


III. その他仕様比較


Barge Type A Barge Type B Barge Type C Ship Type A Ship Type B Deepwater 2

自航・他航他航他航他航自航自航自航

係留能力 (m) 50 100 180 50 150 850Water Maker 能力

(ton/d) N/A 30 ?? 10 70 75

ベッド数 18 150 112 46 130 98

フォークリフト 1基 2基 2基なし 3基 1基

Heli Deck なしありありなしありあり


III. 資材船仕様比較まとめ• バージタイプ

– 搭載能力：5,000 ton(重量）、1,000 m2(容量)– 水：専用船3,000-4,000 ton、パーパスビルド1,000 ton– 燃料：専用船1,000 ton 、パーパスビルド Nil– 稼動水深は50-150 m– 自走不可

• シップタイプ– 搭載能力は10,000 ton(重量）、1,500-3,000m2(容量)– 水:専用船2,000 ton、貨物船1,000-2,000 ton、

– 燃料：専用船4,000 ton、貨物船1,000 ton– 稼動水深は50-150mが一般的

– 自走可能が一般的



III. 資材船の選定

Japexの要求を満たす資材船Deepwater 2を選択

自走可能搭載（機材・人員）能力係留能力 etc



IV. オペレーション支援体制１（Japex資材船の長所）

• 資機材輸送の効率化・信頼性– 掘削用資機材を全て搭載（2坑分＋バックアップ1坑井）

– 各資機材の動復員の効率化

– 入出港時の繁雑な手続きの排除

– スポットチャーター船が不要

• ロケーション近隣で係留（800mの大水深）– 緊急資機材の対応が極めて迅速

– 効率的な資機材輸送

– 有事の際の退避船



IV. オペレーション支援体制２• オペレーションのジャカルタコントロール

• チャーターフライトの導入（ジャカルタ – チモール島）– 40人搭乗

– 新鮮食料品補給・小型資機材の輸送

– 確実性・安全性・緊急性・貨物輸送費の削減

• サブベース（東ジャワ）の採用– リグの動復員点

– Call Out資機材・スペアパーツの動復員点

– 燃料（Diesel、Jet Fuel)食料（Food Container)の補給

– 倉庫・ヤードなし

– 作業時にスタッフがジャカルタより出張




V. 初期搭載資機材１初期搭載資機材合計 (8,778 ton)

744

4,891

2,151

993

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

Rig

FSU

AHSV1

AHSV2

Metric Ton


V. 掘削主要機器の動員の流れ


Wire Line UnitCementing Unit

ROVCentrifugeMud Logging Unit

Paleonology UnitTesting Equip.Mooring Equip.(Part)Marine Riser (Part)

RIG

AHSV

FSU

RIG

バタム島東ジャワロケーション

RIG


初期搭載資機材（水・燃料・泥水除く）

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000

Rig

FSU

AHSV1

AHSV2 Tools / EquipmentCement AdditiveMud ChemicalBulkTublar

Metric Ton

V. 初期搭載資機材２


容量：2,320 m2

重量：2,832 ton175 ton

256 ton

391 ton


V. 初期搭載資機材３初期搭載資機材（水・燃料・泥水）

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400

Rig

FSU

AHSV1

AHSV2

FuelBase Oil / OBMDrill Water

Metric Ton


602 ton

1,895 ton

2,058 ton570 ton


VI. オペレーション支援まとめ

資材船を利用した海上資材基地を中心としたオペレーション支援は、作業・コスト両面でプロジェクト遂行に多大なる貢献を果たした。



VII. ドリリングパフォーマンスの評価

時間コスト

・ Drilling ・ Rig related・ Flat Spot ・ Services・ Waiting on Weather ・ Consumable・ Non Productive Time ・ Logistics

キーとなる要素



100%

60%

72%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

Case 1 Case 2 実績

VII. ドリリングコスト比較


Case 1 Case 2 実績

Rig稼動水深 1500m 800m 800m陸上方式海上方式海上方式

チモール島浅海用シップ深海用シップ掘削日数 110 92 82

資材基地方式


VII. プロジェクトパフォーマンス

• 短期間の準備作業– リグテンダーから開坑まで5ヶ月

• 「Fit for Purpose」な方針の策定– 第2世代リグの大水深での利用

• Insert Wire Mooringによる最小コストでの改造

• Guideline Systemで対応

– 調達・契約形態

• Learning Curveによる掘削日数の削減



プロジェクト日数比較

ドライホールベース日数比較

100%

84%74%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

当初予算 AFE 実績



資材船の仕様

Barge Type A 浅海用バージタイプ資材船（パーパスビルド）

Barge Type B 浅海用バージタイプ資材船（専用船）

Barge Type C 浅海用バージタイプ資材船（専用船）

Ship Type A 浅海用シップタイプ資材船（貨物船）　自走可

Ship Type B 浅海用バージタイプ資材船（専用船）　自走不可

Deepwater 2 深海用バージタイプ資材船（貨物船）　自走可　ウィンチ1点係留　850m

リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援 · –...

Documents

Transcript of リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援 · –...

リモートエリアでの大水深掘削 オペレーション支援 · –...

Documents

Transcript of リモートエリアでの大水深掘削 オペレーション支援 · –...

リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援 · –...

Transcript of リモートエリアでの大水深掘削オペレーション支援 · –...