青年期の孤独感に関連する要因·´in,Shaver & Peplau (1 979)...

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Title 青年期の孤独感に関連する要因 Author(s) 堀田, 麻利子; 藤津, 加奈子 Citation 生老病死の行動科学. 9 P.15-P.27 Issue Date 2004 Text Version publisher URL https://doi.org/10.18910/12628 DOI 10.18910/12628 rights

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Title 青年期の孤独感に関連する要因

Author(s) 堀田, 麻利子; 藤津, 加奈子

Citation 生老病死の行動科学. 9 P.15-P.27

Issue Date 2004

Text Version publisher

URL https://doi.org/10.18910/12628

DOI 10.18910/12628

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Abstract

青年期の孤独感に関連する要因

(大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程) 堀 田 麻利子

(大阪大学人間科学部人間科学科〉 藤津加奈子

τlle a加 of吐lIsstudy is to examine the adolescents' sense of loneliness conce凶 ngthe r巴lationshipsto

the following four factors; depression, coping, optimism and social support.

百ledefinition of loneliness is adopted企omOchiai (1983), which is 'Adolescents feelloneliness when

it is di伍cultto be intimate with others. The feeling of loneliness changes when one notices that

human is a speci五cbeing and a u且iqueexistence.'

235 university students and graduate students (age:20.03土1.96)answered questionnaires. Participants

were divided into 4 loneliness p甜 ernsand the links between eachザpeand 4 variables wer巴analyzedby

analysis-of-variation.

It is revealed that feeling more loneliness than others involves deeper depression, passive coping strat-

egy,l巴ssoptimistic p副 ernsand less social support.

key words : sense of lon巴liness,depression, coping, optimism, social support

I 序論

人は生きている中で喜び、怒り、哀しみ、楽しさ、緊張、孤独感などの様々な感情を体験す

る。特に、孤独感は青年期の基本的な生活感情であり、孤独感を究明することは青年の心理を

理解する上で有意義なことである。青年期では、他の年齢層よりも友人関係による孤独感が生

起しやすい(落合,1989)。孤独感は特定の人が経験するものではなく、成長段階において誰で

も経験しうるもので普遍的な感情であるが、慢性的に感じていると日常生活の中で支障をきた

す可能性がある。 Rubinst巴in,Shaver & Peplau (1979)は、一生の各時期で孤独感の強さを

調べ、青年期が孤独感を最も強く感じているという結果を報告している。青年期の孤独感と様々

な変数との関連について研究はなされているが、これらの研究の多くは孤独感ともう一つの変

数との関連のみ検討しており、孤独感を一面的に捉えるに留まっている(落合, 1989)。青年期

では様々な感情や状況を抱えており、孤独感もその一つであることから他の様々な感情等の影

響を同時に受けていることが推定される。従って、孤独感を様々な変数との関連の中で、多角

的・構造的に捉えていくことは不可欠なことであると思われる。

1.青年期とは

Erikson (1959)によると人閣の一生は 8つの発達段階に区分され、それぞれの段階に固有

の発達課題が存在する。青年期は人聞の発達段階の上で児童期と成人期の聞に位置するとされ、

子どもから大人べの移行期で、ある。つまり、子どもと大人の世界に同時に所属する不安定な存

在であり、個性化と社会化という相反する課題を克服しながらアイデンティティ(同一性〉を

確立していく時期である(小此木, 1973)。青年期は、自己と社会との葛藤の時期であり、個人

は様々な行動様式や文化を身につけ、集団成員として適合するようになり、内面的には自己中

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心的な態度から脱却することにより社会化が行われる。この時期は単に外部世界との葛藤にと

どまらず、人生の価値を選択するという内的葛藤の時期でもある。また、自我意識が急速に発

達し、アイデンティティ確立への模索が始まると、個性化が起こって来る。そして時には深い

孤独感に陥ることが少なくない(小此木, 1973)。

2.孤独感の定義

2-1.先行研究の孤独感の定義

孤独感には様々な定義が存在し、研究者間での確固とした概念は得られていないのが現状で

ある。 Russell,Peplau, & Cutrona (1980)は孤独感を、“人間関係の中でわれわれがこうあ

りたいという願望があるときにその願望が十分に満たされなかったり、逆にその心理的満足感

を低下させるような結果が生じたときに感じる感情の一つnとして、 UCLA尺度を作成してい

る。 UCLA尺度の邦訳版は複数ある。たとえば工藤・西JIl(1983)や、諸井 (1991)による

ものがある O また、 Weiss(1973)は孤独感を“一人きりであるために引き起こされるのではな

く、一定の必要とされる社会的関係、もしくは社会的関係が無いことによって引き起こされ

る"としている。また Peplau& Perlman (1982) は“孤独感とは、個人の社会的ネットワー

クに量的であれ質的であれ、重大な欠損が生じた時に生起する不快な体験である"と述べてい

る。 Beck& Young (1978)によると、孤独感は、数年にわたる社会的関係の不全に由来す

る「慢性的孤独感」、大学入試や特定の他者との別離などの状況的変化にともなう「状況的孤

独感」、他者との接触により容易に消失する一時的気分である「一過的孤独感」という 3つに

区別される。さらに Gerson& Perlman (1979) によると、孤独感は状況に主として規定

される一過的なものと、状況の影響を受けにくい慢性的なものからなるとされている。しかし、

これらの孤独感は実証的研究に基づいたものは少なく、そのほとんどが研究者自身の経験や人

生観によって導かれたものである。青年期にある個々人は様々な孤独感を抱えているため、そ

の多様性に対応するものでなければならなし1。

2-2.本研究の孤独感の定義

本研究では落合 (1983)が作成した孤独感の定義及び尺度にしたがって研究する。日本で

広く使用されている孤独感尺度の大部分は海外で作成された尺度の邦訳版である。しかし、落

合 (1983) の作成した孤独感尺度 (Loneliness8cale of Ochiai以下L80と略記〉は日本人

高校生と大学生を対象に孤独感に対する心情調査を行った結果から孤独感の構造を探ってきた

成果を元に作成された尺度であり、特に日本人を対象とした研究での利用価値は高い。海外の

尺度を使用した場合に、文化的背景が異なり、正しい結果が得られるか分からないため、本研

究では落合 (1989)の孤独感の定義及び尺度にしたがって研究することとする。落合(1989)

は青年期に感じる孤独感について以下のように説明している。「青年期の孤独感とは、人と親

密な関係をもとうとする志向性をもちながら、それが実現しないときに、人間同士の理解・共

感は難しいと感じ、自分はひとりだと感じること。その感じ方の意味合いは、自分を含む人聞

は個別性をもっ存在であると気づくことによって変化する。」そして、高校生・大学生に対す

る数回の質問紙調査の結果、 L80を作成した。この尺度は U因子と E因子の二つから成って

いる。人間同士は理解・共感の可能性についての感じ方の次元 (U) と、自分を含む人聞の個

別性についての自覚についての次元 (E)である。この尺度では孤独感を U因子・ E因子の得

-16ー

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点によって、 A;B,C,Dの4類型に分類する(図1)。

白因子)

個別性に

む因子)現実に関わり合っている人と

理解・共感できていると考える

C己気づいていない

(U因子)現実に関わりあっている人と

理解・掬惑できないと考える

図 1 孤独感の規定構造と 4類型の特徴

包因子)

個別↑生に

気づいている

A型は U因子得点が高く、 E因子得点が低い型である。これは「家族や身近な集団の中で

情緒的・依存的融合状態を保っている者が客観的・空間的な孤立場面で感じる孤独感」であり、

孤独に対して否定的イメージを持っているため、孤独感を感じないようにする型である。孤独

を感じるのは客観的・空間的に見て分かる孤独状態に置かれたときである。 B型は U因子得点

もE因子得点、も低い型である。これは「理想的理解者の追求を特徴とした理解者の欠如態とし

ての孤独感」であり、現在は自分を分かつてくれる人はいないと考えるが、理解者を強く求め

ている。 B型の人は相互に理解し合おうというよりは一方的に理解されたいと受身傾向にある。

C型は U因子得点が低く、 E因子得点が高い型である。これは「他者からの隔絶、無関心を特

徴とする諦めとしての孤独感」であり、人は元来一人であり同ーの人聞はいないのだから支援

者を求めるのは無意味なことであると考えている。一人でいることを好み、他人との接触や人

間関係に無関心な傾向が強い。 D型は U因子得点も E因子得点も高い型である。これは「人

聞の代替不可能性の自覚と出会いへの志向性を特徴とした孤独感」であり、人聞は各人が独自

性を持つ存在で、あるから誰もが孤独という存在の仕方をしていることを認めている充実した独

立態としての孤独感である。落合 (1983)は青年期に最終的には D型へと移行することが大切

だと述べている。

3.孤独感と関連する変数

本研究では孤独感と関連する変数として“抑うつぺ“コーピング方略¥“楽観主義"、“ソー

シャル・サポート"の 4変数を取り上げている。青年期の孤独感とそれぞれの変数との関連は

単独で研究されているものがほとんどである。従って、本研究では全ての変数の関連を調べる

-17-

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こととした。これが本研究の特徴である。

3-1. 抑うつ

海老原 (1993)によれば、抑うっとは内因性うつ病にその定型像を見ることができ、感情領

域では悲哀、憂うつ、空虚、歓びの喪失、絶望、不安、自殺年慮などが現れるという o 普通の

人が同様の出来事に遭遇したときに感じると思われるよりもはるかに強く、そして長期間の悲

哀の感情が体験されることが特徴で、病者はその出来事にこだわってしまい頭から離れなくな

ること」である。先行研究では孤独感と抑うつ傾向には高い正の相闘があると言われている。

Brage, Campbell-Grossman & Dunkel (1995)はアメリカ中西部の青年 156名に質問紙調査

をした結果、孤独感と抑うつが高い正の相関関係にあることを報告している。さらに、回帰分

析によって、孤独感・自尊心・年齢の 3変数が抑うつ傾向を予測で・きることも指摘されており、

同様のことがBrage& Meredith (1994)、Wang,Ren, & Zhao (2000)にも報告されているo

Weeks, Michela, Peplau & Bragg (1980)によると大学生を対象として孤独感とうつを測定

することにより、孤独感とうつは一方が他方匂原因になるような関係になかった。しかし、両

者は高い相関関係にあり、何らかの共通の因果的起源を共有しているようである。従って、本

研究でも孤独感に関連すると言われている変数として抑うつ傾向の関連性を検索したい。

3-2.コーピング

岡安 (2002)によるとコーピングとは特定の環境からの要求や自分自身の内部において生じ

た要求によって引き起こされたストレス反応を低減することを目的とした、絶えず変化する認

知的または行動的努力の過程をさす。 Folkman& Lazarus (1980)によるとコーピングは積

極的コーピングと、消極的コーピングに分けられる。積極的コーピングはさらに「問題焦点型

コーピング」と r'情動焦点型コーピング」の二つに分けられる。

青年期の孤独感とコーピング戦略に関する研究は非常に少ない。 VanBuskirk & Duke

(1991)は UCLA孤独感尺度を用いて、自己報告による孤独感とそのコーピング方法に関する

研究を行い、青年期における孤独感の重要性と介入方略を提案している。また、 Rokach

(1996)は孤独感に対するコーピング戦略には以下の 6因子があると指摘している。それらは、

①考えて孤独を受容すること、②自己成長し、孤独の意味を理解すること、③仲間と仲良くす

ること、④孤独から逃げてそれを否定すること、⑤信仰や信念によって孤独を克服すること、

⑤活発に活動することの 6種類である。この中で高い効果があるものは①、③、⑤であり、④

は一番効果が無かったが、短期的には最も効果的であったとしている。

このように孤独感とコーピングに関する研究は行われているものの、青年期を扱ったものは

少ないため、本研究ではコーピングについても扱うこととする。

3-3.楽観主義

楽観主義の長所は困った状況にうまく適応していく方法を身につけ、楽観主義と悲観主義を

選択できるようにすることであり、これは困難な状況に役立つ。楽観性は「物事がうまく進み、

悪いことよりも良いことが生じるだろうという信念を一般的にもつ傾向」と定義されている

(戸ヶ崎・坂野,1993)0Barron, Foxall, Von Dollen, Shull & Jones (1992)の研究によると、

楽観的でない人ほど孤独感をもち易いという結果が得られている。また、相川 (1999)は孤独

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感の高い人の特徴として対人不安や緊張・悲観的であることを挙げている。このように、孤独

感と楽観主義・悲観主義とは深い関係にあることが指摘されている。したがって、本研究でも

楽観主義に関する尺度を用いる。

3-4.ソーシャル・サポート

Cobb (1976) は、人がある情報を受け取ることによって、自分が世話を受け、愛され、価

値あるものと評価され、コミュニケージョンと相互責任のネットワークの中の一員であると信

じることができるときその情報をソーシャノレ・サポートと定義している。 Culp,Clyman, &

Culp (1995) は 220人の学生に質問紙調査をした結果、ソーシャル・サポートは孤独感と高

い正の相闘があり、抑うつ傾向のある若者のうち 49%はソージヤノレ・サポートを求めず、 68%

は自分の問題は自分で解決すべきと考えていることを報告している。 Brage,et al. (1995) は

孤独感が家族の幹や母娘聞のコミュニケージョンなどのソージャル・サポートと負の相闘があ

ることを指摘した。また Cheng& Furnham (2002)はソ一三ノヤノレ・サポートがあると孤独感

を意識しにくいと指摘している。このようにソージャノレ・サポートの有無と孤独感とは非常に

強い正の相関があることを示した研究結果は多い。一方で Mahon,Yarcheski, & Yarcheski

(2003) は知覚されたソーシャル・サポートと孤独感との聞には統計的に有意な関係は無いと

指摘している。このようにソージヤノレ・サポートと孤独感の関連については一致した知見は得

られておらず検討する必要性があると考えられる。

E 目的

本研究では、落合(1983)の作成した 180を用いて、青年期の基本的感t情の一つである孤

独感を 4類型に分類する O そして抑うつ傾向、コーピングの内容、楽観・悲観主義傾向、ソー

ジャル・サポートとその 4類型の関連を分散分析・多重比較で調べることによって、大学生の

孤独感の実態を明らかにする。

E 方法

1.調査対象と手続き

神奈川県を中心とした関東圏および、大阪府を中心とした近畿圏に在住する大学生および大

学院生 245名に調査を行った。調査には質問紙法を用い、調査用紙は属性がランダムになるよ

う考慮して配布され、回収は配布者によって行われた。被調査者の匿名性やプライパシーを保

護するために無記名式を採用した。本調査は 2003年 6月から 7月の期間に実施した。回収さ

れた回答のうち、欠損値のある対象者を除き、 235名を分析対象とした(有効回答率=91.4%)。

分析対象者の平均年齢は 20.03歳 (8D=1.9のであり、男性 143名 (60.9%)、女性 92名

(39.1%)であった。

2.測度

2-1. LSO (落合, 1983)

孤独感の類型判別尺度で 16項目からなり、 5件法(はい:2点、どちらかというとはい:

l点、どちらとも言えない o点、どちらかというといいえ:-1点、いいえ:-2点〉によ

り回答を求めた。 U因子(人間同士は理解・共感の可能性についての感じ方の次元〉が正・ E

-19一

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因子(自分を含む人聞の個別性についての自覚についての次元〉が負の得点、を A型、 U因子-

E因子ともに負の得点を B型、 U因子が負 .E因子が正の得点、を C型、 U因子・ E因子とも

に正の得点を D型と分類する。当該尺度の信頼性係数に関する記述は見られないが、落合

(1983)は、尺度の併存的妥当性・基準関連妥当性の検討結果と項目選定段階で、各尺度項目が

孤独感の構造の各次元の内容を表わしてるかどうかの検討がなされていることを考え合わせる

とL80は孤独感尺度として妥当性のある尺度を言えるとしている。

2・2.CES-D (Radlo仔I 1977;日本語版島・鹿野・北村・浅井I 1985)

20項目からなるうつ病(抑うつ状態〉スクリーニング用の自己評価尺度であり、一週間の体

や心の状態について 4件法 (A:この 1週間で全くないか、あったとしても l日も続かない場

合、 B: 週のうち 1~2 目、 C: 週のうち 3~4 目、 D: 週のうち 5 日以上〉で回答を求める。

得点、によって判定祉、正常対照群または気分障害群のいずれかに判定できる。なお、この尺度

のα係数は 0.79である。

2-3.コーピング尺度 (尾関・津田・原口 I 1991)

14項目からなる尺度であり、現在、最もストレスを感じていることに対してどのような態度

をとるか、 4件法 (0 :全くしない、 1:たまにする、 2:時々 する、 3:いつもする〉で

回答を求める。この尺度は積極的コーピング・消極的コーピングの 2因子からなり、積極的コー

ピングを「問題焦点、型J5項目、「情動焦点型J5項目に分け、消極的コーピングを「回避・

逃避型J6項目として扱う。「問題焦点、型」とは情報収集や再検討などの問題解決に直接関与

する行動、「情動焦点型」とはストレッサーにより引き起こされる情動反応に焦点をあて注意

を切り替えたり、気持ちを調整する行動、「逃避・回避型」とは不快な出来事から逃避したり、

否定的に解釈するなどの行動である。なお、積極的コーピングの α係数は 0.62、消極的コーピ

ングの α係数は 0.65である。また、問題焦点型、情動焦点型、回避・逃避型の 3下位尺度での

信頼性は、それぞれ O.旬、 0.66、0.72であり、項目数を考慮すれば十分な内的整合性を持っと

判断できるとされている(尾関ら, 1991)。

2-4.改訂版楽観性尺度 (RevisedLife Orientation Test、以下“改訂版 LOT";坂本・田中,2002)

楽観性・悲観性を測定する項目が 3つず、つ、フィラー 4項目の合計 10項目からなる尺度で

あり、 5件法 (1:強くそう恩わない、 2:あまりそう思わなし¥3:どちらでもない、 4:

ある程度そう思う、 5:強くそう思う〉で回答を求めた。 1~5 の得点はそのまま加算して得点、

となる。最終的に楽観得点から悲観得点を引いたものが合計得点となり、その得点が高いほど

楽観的傾向が高く、合計得点が低いほど楽観的傾向が低いことを示す。なお、この尺度の α係

数は十分には高いと言えないが項目数が少ないことを考えると、尺度として内的一貫性は許容

範囲内にあるものと考えられると坂本・田中 (2002)は報告している。

2-5.ソーシャル・サポート尺度 (浦・南・稲葉I 1989 )

10項目からなる尺度で、知覚されたサポートは「評価的サポート」、「所属的サポートム「実

態的サポート」のそれぞれについて 3項目、「自己尊重サポート」について 1項目の計四項目

に対して 5件法 (0 :全くいない、 1:あまりいない、 2:少しはいる、 3:何人もいる、

nL

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4 :かなりの数いる〉で評定を求めるものである。全項目の加算得点を求め、これを高・低2

水準の独立変数として求める。高サポート群は 31点以上、低サポート群は 30点以下として分

類する。なお、この尺度のα係数は 0.90であるとされている(浦ら, 1989)。

3.統計解析

統計解析には、 8P8810.0.(8P88 Inc., 2001)を用いた。

百 結果

1.各類型の度数分布

L80の得点を採点して A,B,C,D型に分類した(図 2)。その結果、 B型は 4名 (2%)と

大変少なかったので分析から除外することとする。

図 2 LSOの4類型の度数分布

2. LSO各類型と他国子との関連

L80各類型と CES-D得点・コーピング尺度得点・改訂版LOT得点 (楽観傾向〉 ・ソーシャ

ノレ・サポート得点との分散分析結果を行い、有意な結果が得られたものについては更に多重比

較を行った(表1)。以下、各変数と L80各類型との関連を簡単に記す。

2-1.抑うつ傾向

抑うつ傾向においては、 CES-D得点と各型との分散分析を行った結果、 5%水準で有意差

が見られ (F(2,228) =19.4)、A型、 D型は C型よりも低かった。

2-2.コーピング方略

それぞれのコーピング方略の得点と孤独感各類型による、分散分析を行った。その結果、積

極的コーピングである情動焦点型に関しては有意な結果が得られたが (F(2,228) =9.9, pく.05)、

問題焦点型、逃避・回避型に関しては非有意な結果となった。情動焦点型コーピングに関して

は、 A型と D型が C型よりも高いということが分かった。

2・3.楽観傾向

改訂版 LOTによって計算された楽観傾向得点と、孤独感類型との分散分析を行った結果、

-21-

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表 1 LSO類型による分散分析の結果 (N=231)

A C D

〔N=62J倒=28) (N=141) F値

平均 (SD)平均 (SD)平均 (SD)

CES-D 14.8(8.3) 27.1(9.0) 16.5(9.4) 19.4 * a)

コーピング(問題焦点型) 6.8(3.1) 5.7(2勾 6.9(2.7) 1.9

コーピング(情動黒点型) 5.1(2.3) 2.9(2.1) 4.8(2.4) 9.9申b)

コーピング(回避。逃遇盟) 7.8(3.9) 8.4(4.2) 8.4(3.勾 0.6

楽観傾向 1ス3.の -4.2(3.3) 1.1β.9) 27.2本 c)

ソーシャル・サポート 20.9σ.3) 11.0(6.勾 19.2(5.5) 26.4申d)

*pく .05芭)A,D < C b) Cく A,Dc) CくA,Dd) Cく A.D

5%水準で有意差が見られ (F(2,228) =27.2)、C型は A型と D型に比べて楽観性が有意に

低いことが分かった。

2-4. ソーシャル・サポート

ソーシャル・サポート尺度の得点と、孤独感類型と分散分析を行った結果、 5%水準で、有意

差が見られ (F(2,228) =26.4)、 C型は A型と D型に比べてソーシャル・サポートが低いこ

とが分かった。

2-5. U ・E各国子、および説明変数閣の相関

全ての測度閣の相関係数を以下の表2に示す。それぞれの説明変数聞には有意な相関のある

ものが多かった。本論文の分析では U因子、 E因子に有意な負の相闘が見られたが、これは落

合 (1983)の調査結果を支持するものである。

表 2 全ての測度聞の相関分析結果

U E CES心 間帯己丘詳点情動三正詳点回避己伴正遊楽観'凶因子 因子

'" E因子 "・39和ド ** CES-D -.42 .19

問患集者、型 .26 -.04 ー.06

和お ホ* 蜘都

情動焦点型 37 ー.日1 ー.21 .39

ホ '" 回避。逃避型 ー.日B .12 .14 へ14 .11

坤吋4 対ド 物取 和ド 功。μ

美智也 49 ヘ13 ー.43 .18 .33 .09

ソーシャル・ 坤叫毛 ホ* * 湘併 持咋 神吋4

サポート 52 ー.19 -.3日 .37 .43 "・02 50

市 p< .05仲 Fく.01

-22ー

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V 考察

本研究では、孤独感について信頼性の高い落合 (1983)の定義を用い、青年期の人聞を取り

巻く様々な感情と、孤独感との関係を調べることによって、青年期の孤独感の実態を検討した。

L80を用いて青年期の孤独感を 4類型に分けて、先行研究で孤独感と関連があるとされた青年

期の様々な感情や思考として、うつ傾向、コーピング方法、楽観・悲観傾向、ソ--~ノヤル・サ

ポートなどの変数と孤独感との関連を調べた結果、以下のことが示唆された。

1. LSO各類型と各変数の関連

1-1.抑うつ傾向との関連

抑うつ傾向で、は A型・ D型に比べて C型が有意に高かった。 C型は「他者からの隈絶、無

関心を特徴とする諦めとしての孤独感」であり、個人は元来一人であり同ーの人聞は存在しな

いため、支援者を求めるのは無意味なことであると考えている傾向がある。そのため、一人で

いることを好み、他者との接触や人間関係に無関心な傾向が強い。そして、一人で解決できな

い問題に直面した時に誰にも相談することがなく、他者から孤立し、他人への無関心・不信感

が起こる。その結果、抑うつ傾向が他の型よりも高くなる O これは Brage,et al. (1995)の

「孤独感と抑うつ傾向は高い正の相闘がある」という研究結果を支持するものである。抑うつ

状態が高いほど、人間同士は理解できないと思い、かっ人閣の個別性に気づ、いているというこ

とが分かった。このことは抑うつ状態に見られる人間関係の障害と大きな関わりがあるように

考えられる。「自分のようなものは他には誰もいない」、「自分を理解してくれる者は誰もいな

い」という認知を行い、ますます自分の世界に引きこもり、孤独になっていく可能性がある。

そして、自分は孤独で人から嫌われているかもしれないと思い、人に近づくことができないで

いる。

一方、 A型と D型の抑うつ傾向が低かったことについては以下のように考察される。 A型、

C型、 D型は、いずれも孤独感を抱いているが、その意味合いが違っている。 A型のもつ孤独

感は「家族や身近な集団の中で情緒的・依存的融合状態を保っている者が客観的・空間的な孤

立場面で感じる孤独感」であり、 D型のもつ孤独感は「人聞の代替不可能性の自覚と出会いへ

の志向性を特徴とした孤独感」であり、人聞は各個人が独自性を持つ存在であるため、誰もが

孤独という存在の仕方をしていることを認めている充実した独立態としての孤独感である。さ

らに、これらの孤独感は、抑うつ傾向を伴うものではない。

A型の場合、誰もいない状況では孤独感を感じる。これが慢性的になれば抑うつを高める要

因となる可能性がある。しかし、 A型は他者との共感性が高く、常に家族や、友人、恋人との

つながりを感ピることができれば、孤独を感じることはないため、ソーシャル・サポート得点

は高い。したがって、抑うつ傾向が低いと考えられる。 D型の場合、誰でも孤独なのだという

認識をもっているため、客観的な孤独状況に陥っても、それを受容することができると思われ

る。したがって、抑うつ傾向が低かったと解釈できる。

1-2. コーピングとの関連

コーピングの 3方法のうち、「問題焦点型」・「回避・逃避型」では A型、 C型、 D型に有意、差

は見られなかったが、「情動焦点型コーピング」では有意差が見られ、 C型は有意に低かった

(表1)o C型は一人で解決できない問題に直面した時に誰にも相談することがなく、他者から

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孤立し、他人への無関心・不信感が起こる。また、どんな人間も一人であるため、支援者を求

めるのは無意味なことであると考えており、一人でいることを好み、他者と共感・理解できる

と考えていない。そのため、積極的コーピング方法の一つで、ある情動焦点型コーピングを取ら

ないと思われる O しかし、同じ積極的コーピング方法に分類されている問題焦点、型コーピング

に関しては有意差はなかった。これが意味することは今回の調査では明らかにならなかった。

1-3.楽観傾向との関連

楽観傾向では A型、 D型は C型に比べて有意に高かった。今回使用した尺度では、楽観傾

向が低い者は悲観傾向が必ず高くなるといえる尺度ではない。坂本・田中 (2002) も楽観性と

悲観性が一次元の両極であるということについて、日本でのデータはおおむね否定的であると

述べている。これを考慮すると C型は悲観傾向があるとは言えないが、少なくとも A型、 D

型は C型よりも楽観的であるということが推測できる。 Barron,et al. (1992)の研究による

と、楽観的でない個人ほど孤独感を感じやすいという結果が得られている。このことからも C

型は楽観傾向が低いため、孤独感を感じやすいということが分かる。

A型は他者との結び、っきさえあれば寂しさを感じない。そして D型は、人は互いに分かり

合えるが、誰もが孤独だという認識をもっているため、どんな状況でも受容できる。したがっ

て、両者は悲観的になるような出来事に遭遇しない。一方、 C型は、誰もが違う人間であるこ

とは理解できていても、お互いに分かり合えないという諦めを抱いているため、何事に対しで

もあまり楽観的に捉えられないということが推測される。

1・4. ソーシャル・サポートとの関連

ソーシャノレ・サポート得点は、有意に A型・ D型が高く、 C型が低かった。 Cheng&

Furnharn (2002)はソーシャノレ・サポートがあると孤独感を意識しにくいと指摘している。 A

型、 D型は他者との共感性をもっているため、他者を希求する気持ちがある。その結果、ソー

ジャル・サポートを多く受けて孤独感を感じにくい。特に、 A型は他者との共感性が高く、常

に家族や、友人、恋人とのつながりを感じることができれば、孤独を感じることはないため、

ソージヤノレ・サポート得点は高い。しかし、 C型は他者と自分は違う存在で、お互いに分かり

合えないと感じているため、何かあっても他者を求めず、一人を好む。その結果、ソージャル・

サポートをあまり受けないで孤独感を感じやすいことが推測される。孤独感を積極的なものと

して捉えるためにも、ソーシャノレ・サポートによって、他者との高い共感性を持つことは大切

であることが示唆された。

1-5.各説明変数聞の相関

相関分析結果(表 2)から、孤独感に影響を及ぼす 4変数聞にも有意な相闘がみられた。こ

のことからこれらの変数がどのような構造で孤独感に影響を及ぼしているのか、今後はとれら

の因果関係などをより明確にする研究が必要であろう。

2.まとめ

各類型別にまとめると、 A型は抑うつ傾向が低く、積極的コーピングを行っていることが示

唆された。また、楽観性が高く、ソージャノレ・サポートを多く受けていることが示された。同

様のことがD型についても言えた。つまり A型、 D型は適切な人間関係を構築していると考

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えられる。落合 (1989) は、青年期の孤独感は最終的には D型へ移行することが望ましいと

述べているが、本研究では、 A、D型が同様の調査結果となった。

一方、 C型は抑うつ傾向が高く、積極的コーピングのうちの情動に焦点を当てたコーピング

方法はとらず、ソージャル・サポートをあまり受けていないことが示唆された。よって C型は

人間関係が円滑に築けていない可能性が高く、抑うつ的に生活していることが推測される。

前述の分析結果より A型、 D型の人聞は同様の抑うつ傾向、コーピング傾向、楽観傾向、

ソーシャル・サポート傾向を示すことが分かった。本研究では、 A型と D型の違いは、個別

性に気が付いているか否かというものであった。今回の研究に限って言えば、個別性に気づい

ているかどうかという E因子は孤独感を定義する際には、説明率が低かった。しかし、津留

(1965)は、純粋の自己の姿を見つめることで、自己の主体性を意識すると述べている。この

ように、個別性の重要さを指摘する研究者も存在する。落合 (1983)の研究と本研究は 20年

という時閣の差がある。この時閣の差について様々なことが考えられる。社会環境が変化した

ことによってモラトリアム期間が延長してアイデンティティ確立の時期が遅くなり、青年期に

ある個々人の個別性の気づきにも変化が生じている可能性があり、この点には十分な注意が必

要であろう。

VI 本研究の限界と今後の課題

孤独感を一面的にしか捉えていないという従来の研究の問題点を考慮して、本研究では、落

合 (1983)の作成した LSOを用いて、青年期の基本的感情の一つで、ある孤独感を 4類型に分

類し、抑うつ傾向、コーピングの内容、楽観・悲観主義傾向、ソージャノレ・サポートとの関連

を調べることによって、大学生の孤独感の実態を明らかにした。

今回の調査時の大学生と落合 (1983)が LSOを作った時の大学生は全く同じ状、況にあると

言えない。落合の調査と本研究の調査では 20年の時間の違いがあり、その聞に、青年期の個々

人が変わってきた可能性がある。加藤 (1987)によると、多くの青年が高校、大学へと進学す

るようになり、社会に出る時期が遅くなっている。またインターネットなどの普及によって、

対人関係が希薄なものとなり、自我を成長させる機会が減っている。本来ならば、大学生の年

齢でアイデンティティ確立の問題に直面しているはずだが、今の大学生はその時期が遅れてい

る可能性もある。したがって今後の孤独感研究は、これらの課題をふまえ、現代青年の特徴を

改めて明確にした上で進めていくことが望まれる。

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