一般カタログ - Elastomers | DuPont Performance はじめに...
Transcript of 一般カタログ - Elastomers | DuPont Performance はじめに...
目次
1.はじめに ·································································· p.3 2.バイトン®の特性 ······················································ p.4 3.バイトン®のタイプについて ··································· p.6 4.バイトン®の加硫系および配合について ··········· p.7 5.バイトン®タイプの選択について ·························· p.8 6.他のエラストマーとの物性比較 ························· p.9 7.バイトン®の使用環境と用途について ················ p.10 8.ホームページの案内 ············································· p.12
2
図1. バイトン®-各タイプのモノマー構成
Viton® A
TFE
プロピレン
VF2
Viton®B,F, AL,BL
Viton®GBL, GF
Viton®GLT, GFLT
Viton®ETP
Viton®IBR, TBR
フッ素モノマー:
VF2…. vinylidene fluoride CH2=CF2 HFP…. hexafluoropropylene CF2=CFCF3
TFE…. tetrafluoroethylene CF2=CF2
PMVE… perfluoromethylvinyl ether CF2=CF(OCF3) CSM…. 架橋点モノマー :臭化オレフィン
(過酸化物加硫タイプ:“G” タイプに含まれる)
66%F
66-70%F
67-70%F 64-67%F
67%F 55-60%F
PMVETFECSM*
エチレン
VF2 VF2 VF2 VF2
HFP HFPTFE
HFPTFECSM*
PMVETFECSM*
VF2
TFECSM*
エチレン
HFPPMVE
プロピレン
1.はじめに
バイトン®フッ素ゴムはフッ素化された炭化水素
ポリマーであり、その化学構造 1) のため、耐熱性および耐化学薬品性に優れています。したがっ
て、高温や過酷な環境の用途に、特に大きな耐性
が要求される場合には、バイトン®の使用が適切で
す。またそれほど要求の厳しくない液体や温度条
件の用途でも、エラストマー製部品が早期あるいは
予期せずに破損することによる不具合(作業の中
断、機器の故障あるいは作業上の危険な状態)に
対し、長期的かつ確実な防止対策としてバイトン®
の使用が考えられます。
主な用途 1957年の上市以来、バイトン®は
多くの工業で使われてきました。
自動車
化学装置および輸送
機械および重機械工業
半導体製造
複写機および情報記録機器
航空機および宇宙産業
石油精製および輸送
主な使用形態 シール、ガスケット、O-
リング、ダイヤフラム、伸縮継ぎ手、ラジアルリップ
シール、ピストンシール、ゴム板、棒、ホース、
チューブ、塗料、コーティング、コーキングあるいは
バインダーなど。
1) フッ素ゴムの代表的なポリマー構造は、
—–CH2-CF2-CF2-CF—–
CF3
のように、炭素-炭素結合からなる主鎖に水素や
フッ素、CF3-、CF3O-基等が結合している。水素
は数%、フッ素は60%から70%含む。C-F結合はC-H
結合より強いため、フッ素ゴムは耐熱性、耐化学薬
品性に優れる。
ゴム製品の出来るまで 同じフッ素ポリマーで
あるテフロン®フッ素樹脂(PTFE)がCF2単位からな
る剛直なポリマー構造 2)であり、硬い樹脂に対し、フッ素ゴムはテフロン®のポリマー構造に異種コモノ
マー 3) を導入し、規則的な構造を乱すことで、柔軟性が与えられます。
この柔軟な構造をもつポリマー鎖間を結合させ
ることにより(架橋あるいは加硫 4) と称す)、原料ポリマーであるフッ素ゴムはゴム弾性を持ったゴム製
品(あるいは加硫ゴムと称す)となります。
バイトン®原料ゴムの販売形態 バイトン®
フッ素ゴムはシートあるいはペレットの形状で、原
料ゴムとして販売されています。ゴム加工会社はこ
の原料ゴムを混錬、成形、加硫することで、各種の
型物製品(○-リング、ガスケットなど)、押出し製品
(ホース、チューブなど)、射出成形品、スポンジ製
品、塗料、引布などを製造しています。DuPont Performance Elastomers L.L.C.(米国本社)およびデュポンエラストマー株式会社(日本法人)はこれ
らの最終ゴム製品は販売していません。
プレコンパウンドについて バイトン®は上
記原料ゴム(ガムポリマー 5)と称する)以外に、加硫反応に必要な加硫剤をポリマーにあらかじめ配
合させた形(プレコンパウンドあるいはPCと称す 6))でも販売しています。
2) テフロン®フッ素樹脂(ポリテトラフルオロ
エチレン)の構造は、 -(CF2-CF2)n-
3) コモノマーを図1に示した。
4) 4.節を参照。
5) 3.節を参照。
6) バイトン®のPCについては、別冊の バイトン®のタイプを参照。
バイトン® の利点 様々な利点を兼ね備えています。
● 高温に長期間耐えます。
バイトン®は常用で205℃まで、突発的な
温度上昇には315℃まで耐えます。
● バイトン®は多種の過酷な環境に耐えます。広
範囲な温度変化や液体の種類の変更にも幅
ひろく対応できます。
● 多くの溶剤に対し、優れた耐性を示します。
ガソリン等の揮散防止の規制に対しても、
優れた耐透過性が有効です。
● 静的なシール性能に優れます。
バイトン®商品の種類 最終ユーザーの性能に対する要求やゴム加工メーカーの加工方
法、加工性の要求に対応し、多くのバイトン®のタイ
プが開発されてきました。 バイトン®は、耐化学薬
品性や機械的特性がタイプごとに異なります。
またバイトン®フッ素ゴムは異種材料との複合材と
しても、ゴム、布、金属、樹脂などに接着して使わ
れています。
バイトン®製品の廃棄 ガス洗浄装置のついた焼却炉で焼却するか、焼却が出来ないと
きは、水に不溶なため、埋め立て処理により安全に
行えます。
3
バイトン®の機械的性質 10) 代表的な性能の範囲を次頁囲みに示しました。 硬度: 標準的な配合では硬度は約70
度です。55度から95度まで可能です。
引張り強さ: 同じく標準で、14MPaです。
破断時伸び: 同じく150%から300%です。
圧縮永久歪: 耐熱エラストマーのみ200℃で、変形
が少ない。
優れた耐ガソリン燃料透過性
さらに重要な点は、バイトン®は高温、液体中で
も、その性能を落とさないことです。図2には、バイ
トン®と他のエラストマーについて耐熱性、耐油性を
比べています。7), 8)
2. バイトン®の特性
7) エラストマーの耐熱性の定義: 70時間熱老化試験の後、 ・ ±30%の引張り強さの変化(最大)、 ・ 破断時伸び50%以下の減少 ・ ±15ポイントの硬度の変化の いずれかである温度を言う。
8) エラストマーの耐油性の定義: ASTM D 471の#3油にその耐熱温度で70時間浸漬したときの膨潤度を示す。
SAE/ASTMの試験法では、高温でのオイル中の膨潤を
指標にします。一般的には、30%以上の膨潤は受け入れ
られません。
9) www.dupontelastomers.com、 P.12を参照。 10) エラストマーは図3のような物性の温度依存性
であり、熱可塑性樹脂のような明確な軟化点、融点
を示さない。
バイトン®加硫物は高温にきわめてよく耐えま
す。
連続使用の場合、乾熱に耐える程度は、205℃で
は3年以上であり、それを超えても、かなりの長期間
性能を継続します。(7節を参照)
バイトン®は低温での使用にも適します。動的な
シールでも-40℃まで使えます。
最高の耐熱性
高温でもなく、過酷な液体に触れる用途でなくとも、バイトン®が選ばれる場合があります。例えば
自動車のガソリン燃料系部品のシールや燃料ホー
スに、ガソリン透過および膨潤、劣化がエラスト
マーのなかで最も低いため使われます。化学工業
や自動車には、環境保護のため揮発性物質の排
出を規制する各種の法律が定められ、これらに適
合するのにバイトン®の優れた耐透過抵抗性が用
いられています。
表1には、ASTMで定める標準燃料油に対する透過係数を、バイトン®の汎用タイプと特殊タイプ
について示しました。バイトン®のタイプについて
は、3節をご覧下さい。
図3.バイトン®の機械的物性の温度依存性
表1.燃料系エラストマーおよびフッ素樹脂の透過係数*
幅広い耐化学薬品性
バイトン®は種々の化学薬品、燃料、溶媒に耐
えます。バイトン®の耐化学薬品、液体中での性能
については、3,5および6節を、また “バイトン®の
耐液体性“のカタログ、DuPont Performance Elas-tomers L.L.C.(米国本社)のホームページにあるChemical Resistance Guide (CRG) のデータベースをご覧下さい。9)
図2.特殊エラストマーの耐熱性および耐油性 (ASTM D2000/SAE J200による)
ASTM標準燃料油の平均透過係数、(g*mm)(m2*日)
材料 Fuel C90% Fuel C,10% エタノール
85% Fuel C,15% メタノール トルエン
NBR (33% ACN) 669 1028 1188 - HNBR (44% ACN) 230 553 828 - フルオロシリコン 455 584 635 - ナイロン12 5.5 24 83 -
Viton® GLT 2.6 14 60 -
Viton® AL 0.8 6.7 32 -
Viton® A 0.8 7.5 36 49
Viton® GFLT 1.8 6.5 14 -
Viton® B 0.7 4.1 12 -
Viton® GF 0.7 1.1 3 7
Viton®ETP - - - 14
テフゼル®ETFE 1000LZ 0.03 0.05 0.2
テフロン® PFA 1000LP 0.05 0.03 0.13 -
テフロン® FEP 1000L 0.03 0.03 0.03 -
* ASTM E96-53Tによる試験結果を1mmの厚みに換算した。
4
耐熱性
300℃
275℃
250℃
225℃
200℃
175℃
150℃
125℃ NBR
80 60 40 20 0
ASTM #3油中の体積膨潤率、%
ニトリル
Viton®
Kalrez®
シリコ-ン フルオロシリコ-ン
特殊エラストマー
室温 機械的物性
-50 0 50 100 150 200温度、℃
60A
60%
3.4 MPa
75A
180%
20.7 MPa
硬度
破断時伸び
破断強度
耐液体性 バイトン®は市販エラストマーの中で最高の耐液
体性を持っています。炭化水素系の油、燃料,潤滑油、大部分の鉱酸に対しきわめて優れた耐性
を示し、また多くの脂肪酸、芳香族、塩素化炭化
水素、たとえばヘキサン、ベンゼン、四塩化炭素
などにも耐えます。
ただし、低級エステル、エーテル、ケトン、一部
のアミン、リン酸アルキルエステル、高温の無水
フッ化水素酸、クロロスルフォン酸、高温の濃ア
ルカリなどには使用できません。
この種の溶媒中では、加硫物は膨潤し、反応性
化学品では架橋点が分解されゴム弾性が失われ
ます。
バイトン®のタイプによって耐性が異なります。
タイプによる耐性の違いは 5節、他種エラスト
マーとの差異は6節を参照ください。
例えば、80℃以上の熱水、水蒸気、酸などに
は、過酸化物加硫タイプを選択することを薦めま
す。
上記溶媒、化学品に耐性をもつタイプも開発され
ています。
ガムポリマーの溶液の調製には、アセトン、
MEK、酢酸エチル、N-メチルピロリドン、ニ塩基酸エステル、イソホロンなどが使われます。
耐放射線性 フッ素原子は水素原子よりエネルギーを吸収し
やすいため炭化水素系ポリマーより不利ですが、
発熱に耐える点で総合的に優れています。
その他の外界の条件に対する耐性 バイトン®は酸化、日光、オゾンに対して優れて
います。直接日光に晒されたバイトン®製のシー
ルは20年後も、ヒビ割れが見られません。100ppm
のオゾンを含む空気中で一年後も、ヒビ割れが見
られません。
バイトン®の熱的性質 加硫物では、配合に依存します。一例として、 比熱 0.395
熱伝導率 5.44*10-4 cal/cm・sec・℃(38℃)
線膨張係数 158*10-6 / ℃
バイトン®の熱分解反応は、およそ250℃を超える
と始まる。フッ化水素が発生するため、換気、排気
設備に注意が必要です。
11) バイトン®の一次加硫中に 水、炭酸ガス、一
酸化炭素、アセトンなどが発生する。最適な物性を
得るため、一次加硫後さらに2次加硫(200℃前
後、8時間以上の熱処理、換気下、常圧)を行う。4節を参照。
気体透過性 空気およびヘリウムについて、他のエラストマーに比べ透過しにくい。
耐磨耗性 各種エラストマーのなかでは、比較的磨耗しにくいといえます。
電気特性 耐絶縁性および誘電率の特性から、バイトン®は
低電圧、低周波の電線絶縁材に適し、特に耐熱性
と耐液体性を要する場合に最適です。
耐炎性 適切に配合されたバイトン®加硫物は自己消火
性であり、炎に直接ふれると燃えますが、炎を取り
去れば、火は消えます。
高真空および放出ガス(outgas)特性 バイトン®は簡単な配合および高温熱処理11) に
耐えるため、加硫物中に残存する揮散しやすい成
分は除去されます。このため、高真空装置のシー
ル材や放出ガスによる腐食、短絡、汚れをきらう機
器に適しています。
表面特性および非粘着処理 バイトン®加硫物の表面の粘着性が問題になる
場合があります。非粘着処理技術、処理試薬が利
用できます。表面は非粘着化し、低摩擦になりま
す。 ST-1技術:加硫剤を表面に浸漬し、加硫させ架橋密度を上げる。各種技術については、お問い合わ
せください。
5
バイトン®フッ素ゴムの性能(代表値)
物性 範囲
硬度(JIS-A)、度 55-95
破断強度、MPa 7.0 - 17
破断伸び、 % 100-500
圧縮永久歪、 % 70時間 @ 200℃ 10-50*
低温脆化温度 -20 to –60℃**フッ素ゴムのタイプと配合に依存する
3.バイトン®のタイプについて
特定の物性、用途や加工法の要求に応じ、バイトン®には数多くのタイプが用意されています。
表2に、バイトン®のタイプによる耐化学薬品性、
低温性や圧縮永久歪等の差異を示しました。
バイトン®のタイプ構成 耐化学薬品性および低温性によって汎用(標準)タイプと特殊タイプに分かれます。
汎用タイプにはAL、A、B、Fタイプがあり、この
順にフッ素含有量が高くなり、耐化学薬品性が増
します。一方、低温性や加硫物性が劣るようになり
ます。ALはAの低温性改良タイプです。 特殊タイプは汎用タイプの耐液体性および低
温性を改良したものです。
バイトン®GBL、GFは耐薬品性改良タイプであり12) 、バイトン®GLT、GBLT、GFLTは低温性改良タイプです。バイトン®ETPは耐塩基、耐油性タイプ。バイトン®IBR、TBRは耐塩基性タイプですが、耐油性も良好です。(p.8の図6を参照)
各タイプに対し、加工性に応じ、ムーニー粘度の
高いものから低いもの(90から20まで)を標準的に揃えています。
表3. にバイトン®のガムポリマーのタイプの代
表を示した。
モノマー組成 バイトン®のタイプは、また各タイプに使用されて
いるモノマーの種類、架橋モノマーの有無から理
解できます。各タイプの構成モノマーを図1および
表3に示しました。各コモノマーの組成比はポリ
マーのフッ素%に関係し、性能に影響します。フッ
素%を表2に示しました。
表 3. バイトン®フッ素ゴムの基本タイプ表
表 2. バイトン®のタイプによる物性の差異
Vitonのタイプ A B F GLT GBLT GFLTフッ素% 66% 68% 70% 64% 65% 66%耐薬品性 ++ +++ ++++ + ++ ++++耐熱性 +++ +++ +++ +++ +++ +++低温性 + o - ++++ +++ ++圧縮永久歪 +++ ++ + + + +原料費 ++++ ++++ +++ + ++ +
(+が多いと良い傾向をしめす。)
また、この関係を図4に定量的に示した。
図 4.バイトン®のタイプによる物性の差異
(M15はFuel C/メタノール=85/15(体積比))
(Fuel Cはトルエン/イソオクタン=50/50) 12) ここでいう薬品は熱水、水蒸気、濃酸を指す。
-60
-55
-50
-45
-40
-35
-30
-25
0 5 10 15 20 25 30 35
体積膨潤率、% M15中室温、7日後
ALALBB
FFGFGF
GFLT
GLTGLT
AA
GBLT
-60
-55
-50
-45
-40
-35
-30
-25
0 5 10 15 20 25 30 35
体積膨潤率、% M15中室温、7日後
ALALBB
FFGFGF
GFLT
GLTGLT
AA
GBLT
BLGBL
ETP
低温シール性能、℃ O-ring法, Fuel C浸漬
タイプ (ポリマ組成) 粘度 1) VITON® フッ素ゴムのタイプおよびタイプ名 (ガムポリマー) 加硫系の選択
標準タイプ AL A B F (ポリオール架橋タイプ) 20ML A-200 B-202 VTR-7119
30ML AL-300 VF2/TFE/HFP 50ML A-500
AはVF2/HFP 60ML AL-600 B-60070ML A-700 VTR-7241
GBL GF20ML GBL-200
(パーオキサイド架橋タイプ) 30ML GF-300
VF2/TFE/HFP/ 80ML GF架橋点モノマ 90ML GBL-900
低温タイプ(LTタイプ) GLT GFLT30ML GLT-305 GFLT-301
VF2/TFE/PMVE/ 50ML GLT-505 GFLT-501架橋点モノマ 60ML
80ML GFLTGLT
耐薬品性タイプ ETP ETP-500
C2H4/TFE/PMVE/ 50ML ETP-900架橋点モノマ 90ML
1) ムーニー粘度 ML1+10(121C)
耐薬品性タイプ(G タイプ)
ポリオール架橋
パーオキサイド架橋
パーオキサイド架橋
パーオキサイド架橋
4.バイトン®の加硫系および配合について
バイトン®の加硫系には、次の3種類があります。13)
1. ジアミン加硫 機械的特性に優れる。 2. ビスフェノール加硫 最も使いやすい系。 フ ゚ レ コ ンハ ゚ ウ ン ト ゙は予めこの加硫剤を含む。
3. 過酸化物加硫 耐薬品性タイプ、 低温タイプに使われる(まとめてGタイプと言う。) 架橋剤として、多官能性化合物を併用する。
それぞれの特徴を表4.に示した。また、加硫剤を表6.に示した。いずれもバイトン®の商品です。
バイトン®の加硫系
バイトン®の配合
表5.に、標準的な配合および部数を示した。 バイトン®のタイプ、加硫系に合った加硫剤ととも
に、基本的には補強剤であるカーボンブラック、受
酸剤である金属酸化物を配合する。すべて配合さ
れたものをフル コンパウンド(Full compound, FC)と呼んでいる。ゴムの硬度は主に配合中のカーボン
ブラックの部数によって調整される。
バイトン®の原料ポリマーから用途に適う加硫ゴム
を得るには、適切なタイプ、配合、加硫系の選択
が大事です。
バイトン®の加硫条件
バイトン®は圧縮成形やトランスファー成形では、
165℃から190℃で、3から10分で行う。射出成形で
は、170℃から200℃で、1から4分で行う。
二次加硫 いずれの加硫系でも、物性の向上のため、さらに加熱処理が必要になる。これは
ニ次加硫といわれ、換気の良い条件で、加硫製品
を200℃前後、8時以上熱処理する。ニ次加硫の処理時間による圧縮永久歪の改良効果を図5に示
しました。
図5.二次加時間による圧縮永久歪の改良
Viton® Aタイプ、ビスフェノール加硫
O-リング配合
圧縮永久歪は200℃、70時間後の値、%。
表4. バイトン®の各加硫系の特徴
表5. バイトン®の各加硫系の典型的な配合
表 6. バイトン®加硫剤
7
13) ジアミン加硫、ビスフェノール加硫では、ポリ
マー中の活性な水素が加硫剤等によって引き抜か
れ、生成した二重結合間を加硫剤が架橋する。過
酸化物加硫では、架橋点モノマー中の臭素等が
引き抜かれ、架橋剤と反応し架橋する。
特性 ジアミン ビスフェノール 過酸化物加工性 劣る 優れる 良い 加硫速度/スコーチ安定性 劣る 優れる 良い金属接着性 優れる 良い 良い圧縮永久歪 可 優れる 良い 水蒸気、水、酸への耐性 可 良い 優れる
配合剤 ジアミン ビスフェノール 過酸化物
Viton® B 100 - -
Viton® A-41J - 100 -
Viton® GLT - - 100MgO(低活性) 15 - -MgO(高活性) - 3 -CaO - 6 3MTカーボンブラック 20 20 20Diak #3 3 - -パーヘキサ25B-40 - - 3Diak #7 - - 3
合計量 138 129 129
(硬度 約70)
Viton® A-41J はバイトン
®Aのプレコンパウンド(PC)で、あらかじめ
ビスフェノール加硫に必要な加硫剤を含む。
0
10
20
30
40
0 5 10 15 20 24
2次加硫の時間、hrs
圧縮永久歪, %
204℃
232℃
ジアミン加硫剤:
Diak #1 +NH2-(CH2)6-NHCO2
-
hexamethylenediamine carbamate Diak #3 C6H5CH=CHCH=N-(CH2)6-N=CHCH=CHC6H5
N,N’-dicinnamylidene-1,6-hexanediamineビスフェノール加硫剤:
VC#30 HO-C6H4-C(CF3)2-C6H4-OH
Bisphenol AF (BPAF)有効成分 50%のViton
®ゴムマスターバッチ
ビスフェノール加硫促進剤:
VC#20 C6H5CH2(C6H5)3P+ Cl-
Benzyltriphenylphosphonium chloride (BTPPC)
有効成分 33%のViton®ゴムマスターバッチ
ビスフェノール加硫系:
VC#50 ゴムのマスターバッチでなく単品
: BPAF/BTPPC塩の混合塩タイプ , BPAF/salt=約 4
過酸化物加硫-架橋剤:
Isocyanurate(3官能性環状化合物)
DIAK #7
triallylisocyanurate ( TAIC )
DIAK #8
trimethallylisocyanurate ( TMAIC )
過酸化物の例: いずれも当社の商品でない パーヘキサ25B-40 Luperco 101XL
5.バイトン®のタイプの選択について
表7に、バイトン®のタイプによる種々の化学薬品に
対する耐性および圧縮永久歪や低温性の差異を
示しました。
表 7. バイトン®フッ素ゴムのタイプと耐薬品性および機械的物性の関係
また含酸素化合物(エタノール、MTBEなど)を添加したガソリンにも耐えます。
熱水、水蒸気、酸などには、過酸化物加硫タイプ
が適します。
ただし、低級エステル、エーテル、ケトン、一部の
アミン、リン酸アルキルエステル、高温の無水フッ
化水素酸、クロロスルフォン酸、高温の濃アルカリ
などには使用できません。このときは、ETPのような特別な耐薬品性タイプが使われます。
バイトン®は炭化水素系の油、燃料,潤滑油、大部分の鉱酸に対しきわめて優れた耐性を示し、また
多くの脂肪酸、芳香族、塩素化炭化水素、たとえ
ばヘキサン、ベンゼン、四塩化炭素などにも耐えま
す。
最適なタイプを選ぶことは大事ですが、難しくはあ
りません。
8
図6. 耐塩基性タイプの種類と 耐油性の位置付け
図7. バイトン®のタイプと各種物性と
用途の選択の関係
Viton® ETPViton® TBR
Viton® IBR Viton® GFLT
Viton® A,B
耐油性良 優
低
高
耐塩基性
-60
-55
-50
-45
-40
-35
-30
-25
0 5 10 15 20 25 30 35
体積膨潤率、% M15中室温、7日後
,
ALALBB
FFGFGF
GFLTGFLT
GLTGLT
AA
GBLTGBLT
-60
-55
-50
-45
-40
-35
-30
-25
0 5 10 15 20 25 30 35
体積膨潤率、% M15中室温、7日後
ALALBB
FFGFGF
GFLTGFLT
GLTGLT
AA
GBLTGBLT
BLBLGBLGBL
ETPETP
最高の低温性タイプ
O-リング用の標準タイプ
含酸素添加剤ガソリン用
GFは最高の耐酸性、耐水蒸気性
低温シール性能、℃ O-ring法, Fuel C浸漬
Viton®のタイプ A B F GBL GF GLT GFLT ETP加硫系
使用環境、化学品
脂肪族炭化水素、機械油、薬品 1 1 1 1 1 1 1 1芳香族炭化水素(トルエン等)、機械油、薬品
2 1 1 1 1 2 1 1自動車、航空機燃料油(炭化水素純品- アルコール添加なし))
1 1 1 1 1 1 1 1
自動車燃料 (アルコール、エーテル(メタノール、エタノール、MTBE、TAME)を5-15%含む)
2 1 1 1 1 2 1 1
自動車燃料油/メタノール100%までのブレンド燃料(フレックス燃料油)
NR 2 1 2 1 NR 1 1
エンジンオイル (SE-SFグレード) 2 1 1 1 1 1 1 1エンジンオイル (SG-SHグレード) 3 2 2 1 1 1 1 1水蒸気、熱水、硫酸、硝酸 3 2 2 1 1 1 1 1強アルカリ、高pH、苛性、アミン類 NR NR NR NR NR NR NR 1-2低級カルボニール化合物 ‒ 100%濃度(MTBE, MEK, MIBK等)
NR NR NR NR NR NR NR 1-2
圧縮永久歪 および 低温柔軟性
圧縮永久歪 1 2 2 2 3 2 2 2低温柔軟性 2 2 3 2 3 1 1 2
低温シール性: TR-10試験データ -17°C -14°C -7°C -15°C -6°C -30°C -24°C -11°C注: 1= 優 2= 良 3= 可 NR= 推奨しない
標準タイプ(汎用向けタイプ)
特殊タイプ(耐薬品性および低温性タイプ)
ポリオール加硫 過酸化物加硫
表8に、バイトン®と他のエラストマーとの耐薬品
性、機械的物性の比較を示しました。バイトン®は市
販エラストマーの中で最高の耐液体性を持っていま
す。
注:化学的相溶性; 1=問題なく使用できる。 2=かなり使える。 3=危険。 4=不可。
(あくまでも一般的な傾向を示したもので、設計等の保証をするものではありません。)
6.他のエラストマーとの物性比較 バイトン®の機械的物性
も他のエラストマーに劣
りません。
一般名 ネオプレン® エチレンプロピレン ニトリルゴム Vamac® シリコン フルオロシリコン Viton® Viton® ETP Kalrez®
ASTM D1418による名称 CR EPM,EPDM NBR AEM Q,VMQ,PVM FVMQ FKM FKM FFKM
ASTM D2000による分類 BC,BE CA,DA BG,BK EE,EP FE,GE FK HK HK HK+
使用可能温度範囲最高連続使用温度 105℃ 150℃ 121℃ 150℃ 230℃ 175℃ 205℃ 204℃ 315℃低温性(ガラス転移温度) -50℃ -54℃ -30,-25℃ -16℃ -125,-85℃ -65℃ -30,-17℃ -11℃ -8℃
化学相溶性潤滑油 2 4 1 1 4 1 1 1 1燃料油 2 4 1 1 4 1 1 1 1作動油 2 4 1 1 2,3 1 1 1 1不燃性作動油 2 1 3 4 3 4 4 2 1植物性油、動物性脂肪 2,3 2,3 1 1 1,3 1 1 1 1ガソリン(高オクタン価) 3,4 4 1,2 3 4 1 1 1 1ケロセン 2 4 1 2 4 1 1 1 1芳香族炭化水素 4 4 2,4 4 4 2,3 1 1 1脂肪族炭化水素 2 4 1 1 4 2 1 1 1アルコール 1 2 1 1 2 1,2 1 1 1ケトン 3,4 1 4 4 4 4 4 2 1ハロゲン化溶媒 4 4 4 3 4 1,2 2 1,2 2水(<80℃) 1,2 1 1 1 1 1 1 1 1水(>80℃) 3 1 1 1 1 1 1 1 1濃酸 4 4 4 4 4 3 2 2 1希酸 2,3 2 3,4 1 4 3 1 1 1アルカリ 1,2 1 2 4 1,2 2 4 1 1
機械的物性
破断強度,MPa 25 17 27 15 10 10 20 15 15硬度(JIS A)、度 30-95 40-90 40-95 40-90 30-90 40-80 55-95 65-95 65-95
表8 種々のエラストマーの性質
9
図8 各種ゴムのシール力の保持率
(150℃)
耐応力緩和性 バイトン®は過酷な条件下でも,
長期間圧縮状態でも、シール力を保持します。
150℃空気中、100時間後、シール力の保持率を
比べると、バイトン®が90%以上であるのに、フルオ
ロシリコーン、アクリルゴム、ニトリルゴムはそれぞ
れ70%、58%、40%です。
バイトン®製の部品
は常時使用、化学的
に過酷な条件下で
も、シール力を保っ
ている。
100 1000 10000
1009080706050403020100
時間@ 150°C
VitonViton®®
フルオロシリコーン
アクリルゴム
ニトリルゴム
シール力保持率
100 1000 10000
1009080706050403020100
時間@ 150°C
VitonViton®®
フルオロシリコーン
アクリルゴム
ニトリルゴム
シール力保持率
7. バイトン®の使用環境と用途について
表9 バイトン®フッ素ゴムの用途例
また、フッ素ポリマーは表面張力が小さく、ポリオ
レフィンの加工に使うと、粘着しにくく、滑りやすく
なります。Viton® FreeFlowTMとしてポリオレフィンの加工助剤として使われています。
10
3
4
6
5 2
1
写真
1.燃料噴射装置
2.酸素センサー
ブッシング
3.燃料ホース
写真
4. オイルシール 5. 塗装スプレイガン 6. 燃料輸送ポンプ ユニット
バイトン®の用途例を、その使用環境・条件で整理
し、表9に示した。第一に耐熱性、第二に各種化学
品に対する耐性、第三に耐放射線性、高真空、低
放出ガス、強アルカリ水溶液性、バインダー特性な
どの諸特性が活用されています。
使用環境、条件 適用例 Viton®フッ素ゴムの選択理由
200℃以上の高温(乾熱下)
機械、化学プラント、自動車メーカー
等の実験装置等
あるいは航空機部品
Viton®加硫物は高温にきわめてよ
く耐える。
連続使用の場合、乾熱に耐える程
度は次のようになる。
205℃で 3 年以上
230℃で 3,000 時間以上
260℃で 1,000 時間以上
290℃で 240 時間以上
315℃で 48 時間以上、
低温から高温までの繰り返し
航空機用各種シール部品
幅ひろい使用条件(温度、応力、
磨耗)に対応できる唯一の材料
排気ガス(高温、ガソリンエンジン)
酸素センサーのブッシング、
ターボ チャージャー ホース
耐熱性、耐燃料油性、耐高温応力
緩和性
燃料ホース、ポンプシール、
コネクター O-リング、センダーユニットシール、
ダイヤフラム、インジェクター O-リング、
耐熱性、耐燃料油性、耐応力緩和
性、耐透過性において、NBR、シリコ
ーン、HNBR、フロロシリコーンを上回る
同上
高フッ素量のタイプ、低温性タイプは
最適
ニードルバルブチップ、
オートバイ用リードバルブのリード
非粘着処理で粘着不具合が解消
される
ガソリン
(サワーガソリン、含酸素化合物ガソリン)
+ガソリン透過規制
+摺動、接触稼動部品
+低温でのガソリン漏洩予防
燃料噴射装置のシール、
燃料高圧ポンプのシール
Viton® GLT 等の低温性タイプのみシ
ール性能を満たす
エンジン オイル
自動車エンジンのオイルシール
Viton® A タイプから Viton® ETP,
IBR, TBR まで使われる。
耐オイル性、耐添加剤性に優れる
トランスミッション オイル 自動車エンジンのオイルシール 同上
航空機用エンジンオイル
航空機用各種部品
広い温度範囲での繰り返し暴露に
対する優れた耐性
機械加工油:水溶性切削油
切削加工機械の摺動部分の
ダストシール、リップゴム
耐セッケン性、添加剤で NBR より
優れる。過酸化物タイプが好まし
い。
表9 バイトン®フッ素ゴムの用途例 (続き)
11
10 9 8
7 12
11
写真
10. シリンダーヘッド ガスケット
11. 定着ロール 12. バイク サスペンション ダンパー シール
写真
7. ベアリング シール 8. ダイヤフラム 9. ガソリン タンク キャップ シール
使用環境、条件 適用例 Viton®フッ素ゴムの選択理由
海水とオイル
船尾管シール
耐海水、耐オイル性とともに耐磨耗性など
の機械的性質に優れる
溶剤(100 種類以上) 化学装置(シール、0-リング、ライニング等) 幅ひろい耐化学薬品性
特殊アルカリ溶剤 シリコンウエーハーの洗浄装置のシール材 Viton® ETP の優れた耐溶剤性、ゴム弾性
シリコン油(アミノ変性)
複写器の転写ロールの表面層
耐シリコーンオイル性、耐トナー性、シリコンより優
れた耐磨耗性
シリコーンオイル(絶縁油) 変圧器のシール 耐シリコーンオイル性
重油燃焼廃ガス
(高温 SO2 ガス)
排煙脱硫装置の収縮継ぎ手のシール
乾熱、湿熱に耐え、かつ硫黄、窒素等の
酸化生成物に耐える
H2S を含む天然ガス、
オイル、塩水
石油堀削機器部品
Viton® ETP の耐 H2S, 塩基性、耐油性
生ゴミの焼却生成物
生ゴミ焼却処理機のガスケット
乾熱、湿熱に耐え、かつ硫黄、窒素等の
酸化生成物に耐える
燐酸 燐酸塩型燃料電池 耐リン酸性に優れる
硝酸 硝酸プラント 耐硝酸性に優れる
振動条件下
(高荷重、高振動数)
ミサイル地上制御用防振台パッド
耐荷重かつ屈曲発熱による高温に耐える
放射線 プロトン加速器のシール 耐放射線性および高真空生成に優れる
シリコーンウエーハ処理装置のシール、
ガスケット
ニトリルゴム、シリコーンゴムに比べ高真空度の
到達度および到達時間に優れる 高真空下
宇宙用機器の部品
10-9mmHg の限界まで高真空度を保持
する
ハードディスクドライブのガスケット、緩衝ゴム
EP ゴム、シリコーン、ウレタン、アクリルに比べ、
outgas 量が非常に少ない
高清浄雰囲気下
光学機器部品
Outgas が少なく、レンズ等光学素子に曇り
を生じない
強アルカリ水溶液 (電解
液)
ニッケル水素二次電池の電極活物質の
バインダー
Viton® ETP は耐強アルカリ性に優れる。
柔軟性
電池の電極、有機溶媒 Li イオン電池の活物質のバインダー
誘電状態 EL 素子(エレクトロルミネセンス)のバインダー
誘電状態 コンデンサーの電極物資のバンダーとして
バインダー特性、柔軟性、コーティング性、電気
的安定性に優れる
ポリオレフィンの加工
ポリオレフィンの加工助剤
(Viton®フリーフローとして販売)
押出し機内壁へのコーティング膜の形成と
低表面張力。目やに低減、メルトフラクチュ
ア、鮫肌改良に使用
Viton®一般カタログ 2005/7
本冊子に記載されている情報は無償で提供するものであり、DuPont Performance Elastomers L.L.C.(米国本社)及びデュポンエラストマー株式会社(日本法人)が信頼する技術データに基づき作成されています。これらのデータは技術者の方々がご自身の判断とリスクの基にご使用いただくことを前提としています。『取り扱い上の注意』は、ご利
用になるお客様のご利用条件が人体に悪影響を及ぼさないことを前提としています。製品ご利用や廃棄の状態などは弊社の管理が及ばない領域となりますので、この情報のご
利用に関する保証の明示や暗示は基より、責任などは一切負わないものとさせていただきます。いかなる材料を御使用になる上でも、採用に先立ちご使用の条件に基づくコン
パウンドの評価を必ず行ってください。本冊子の内容は、いかなる特許に関しても許可を与えたり特許の侵害を示唆するものではありません。本冊子に記載されている情報は
製作時のデータに基づく為、仕様の変更がありえます。米国ホームページwww.dupontelastomers.com/日本ホームページwww.dupontelastomers.co.jpで最新情報をご確認ください。 注意:本製品は、人体への恒久的移植などの医療用途に使用しないでください。他の医療用途については、医療注意事項説明書H-69237をお読み頂き、デュポンエラストマー株式会社のカスタマーサービスに御相談ください。 バイトン®、バイトン®フリーフローTM、カルレッツ®、カルレッツ®スペクトラムTM、カルレッツ®サハラTM、アクシアム®、ハイパロン®はデュポンパフォーマンスエラストマーの
登録商標です。 著作権:2005年DuPont Performance Elastomers 無断転載禁ずる。
デュポンエラストマー 株式会社 www.dupontelastomers.co.jp
本社 〒 105-6133 東京都港区浜松町 2-4-1 世界貿易センタービル TEL.(03)6402-6300 FAX.(03)6402-6301 横浜技術研究所 〒 224-0053 横浜市都筑区池辺町 3595番地 TEL.(045)938-8101 FAX.(045)938-8102
Global Headquarters - Wilmington, DE USA Tel. +1-800-853-5515 +1-302-792-4000 +1-302-792-4450 Fax. +1-302-792-4450
South & Central America Headquarters - Brazil Tel. +55-11-4166-8978 Fax. +55-11-4166-8989
European Headquarters - Geneva Tel. +41-22-717-4000 Fax. +41-22-717-4001
Asia Pacific Headquarters - Singapore Tel. +65-6275-9383 Fax. +65-6275-9395