すれちがう、渡り廊下の距離って いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校シリーズ Vol.3

【脚本・演出】

三浦直之

【出演】

太郎・・・篠崎大悟

楽 ・・・大石将弘

点滅・・・大村わたる

白子・・・大場みなみ

1

ファンタジーでなければならない。

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校の渡り廊下。

舞台の奥側が渡り廊下になっていて、上手側は新校舎、下手側は旧校舎につながって

いる。渡り廊下の真ん中にはベンチが置かれている。

舞台前は中庭になっており、放置された草木が伸び放題になっている。

放課後、楽が中庭で誰かと電話をしている。楽は足を引きずっている。

その後ろで、太郎が渡り廊下をせわしなく行ったり来たりしている。

楽

「（電話をしながら）みつかった？

うん、うん……レンタル中？

あの

ー、あっちじゃないよ、小林聡美のほうじゃないよ。小林聡美？

って、

ほら、んーなんだ。ああ、ジャケット、女の子がむすーっとした顔のほう

じゃないよ。あ、むすーっとしてる？

むすーっとじゃない。隣にさ、他

にも『転校生』ってない？

むすーっとしてない『転校生』うん、うん、

そっちそっち、そっちのほうが朝にはおすすめだから。蓮佛美沙子が入院

しちゃうんだけどさ、いやネタバレしないって。ネタバレじゃないから、

入院しちゃって、んで……」

電話が切れる。楽「あれ〜」って表情でiPhone

をみつめる。

太郎が渡り廊下を横切る。一瞬、楽と太郎の目があったような気がする。

電話が鳴る。

楽

「（電話にでて）あ、もしもし。ごめんごめん、電話してて、朝、と。う

ん、俺もういるけど。将門は？

（校舎のほうを見て）２の８？

なんで？

うん、うん、うん、うん……。（笑いながら）なんだそれ。おっけ、わか

った。俺もういるから（iPhone

で時間をみて）六時までに、来いよ、う

ん、うん」

楽、電話を切る。もう一度校舎のほうをみる。渡り廊下へ歩いていき、新校舎側を

iPhone

で動画撮影する。

2

楽

「ったい！」

太郎 「あ」

楽

「（足を抱えて）ったい、あー、ったい、ってえ」

太郎

「ああ、ごめん、ごめん大丈夫」

楽

「（太郎をみて）んああ、んああ、うん、大丈夫ぅ、んああ、ふああ」

太郎

「大丈夫じゃないよね？」

楽、ゆっくりベンチに腰掛ける。

太郎

「ほんっとにごめ……」

楽

「んまって！」

太郎

「あ」

楽

「謝るタイミング、俺にあわせてくんない、いま、おっ

きな声、骨に響いちゃうから」

太郎

「ああ、うん」

楽、ゆっくり深呼吸。

太郎

「（落ち着いたかとおもって）ごめんね……」

楽

「（まだ！のジェスチャー）」

太郎

「ああ」

楽、さらに深呼吸をして、落ち着いた段階で太郎に「どうぞ」の

ジェスチャー。

太郎

「ごめんなさい」

楽

「大丈夫大丈夫」

太郎

「あ、ほんとごめんね。いつかまたお詫びするかも、んじゃ」

楽

「（太郎をみて）……あれ？」

太郎

「え？」

楽

「なんで、目の前に、俺が？」

太郎

「は？」

3

楽

「（自分の体を触って）あれ、これ、誰だ？」

太郎 「は？

は？

は？」

楽

「……は！」

太郎

「わ！」

楽

「もしかして俺たち、入れ替わってる！？」

太郎

「いや、入れ替わってない」

楽

「……。（笑って）みたことある？」

太郎

「……んえ？」

楽

「転校生、あ、映画映画。男の子と女の子がさ入れ替わっちゃうやつ」

太郎

「……『君の名は。』？」

楽

「あー、入れ替わるもんね『君の名は。』は俺あんまだった、泣いたけど

めっちゃ。立ち上がれなくなるくらい泣いたわ。あんまだったけど」

太郎

「俺、面白かったな」

楽

「いや、俺もブルーレイ買ったけどね……あ」

楽、離れたところにある鞄を取りにいこうとするが、足がいたい。

太郎、代わりに鞄を取りにいく。

楽

「ああ、ありがとう」

太郎

「怪我？」

楽

「うん」

太郎

「まじでごめん」

楽

「しょっちゅうだから。危険顧みないからさ、俺」

太郎

「はあ」

楽

「こないだ、腕もやったし。常に満身創痍だから」

太郎

「（鞄を取って楽に渡す）はい」

楽

「ありがとありがと（鞄を漁って）新海誠ならこっちの方が面白いよ」

楽、『ほしのこえ』のＤＶＤを取り出す。

楽

「これ、『君の名は。』の監督のデビュー作で、全部一人

で作ってんだけどさ、これはオススメ、最高傑作。『君

4

の名は。』一緒にみた友だちに貸してたんだけど、返ってきたからさ、貸

すよ」

楽が話している最中、太郎はずっと新校舎の方を気にしている。

楽

「ああ、用事？」

太郎

「あ、うん、ごめん」

楽

「いや、俺こそ」

太郎

「音楽室に伝言伝えにいかなくちゃいけなくて。いつか、みてみるよ、

ほしと、こえ？」

楽

「……うん」

太郎

「足、マジにごめんね」

楽

「……俺も、注意、不注意だったし」

間。

楽

「ああ、（行って）いいよいいよ」

太郎

「うん」

太郎、新校舎側に走っていく。

話しすぎたことを少し後悔する楽。ゆっくり立ち上がり、手前側から渡り廊下を

iPhone

で撮影する。角度を変えて何度か撮り直す。

再び、太郎が新校舎側から走ってくる。

太郎

「（立ち止まって）あ」

楽

「（撮影やめて）あ」

太郎

「通って大丈夫？」

楽

「うん、全然全然」

太郎

「うん」

太郎、旧校舎側に走っていく。

白子が走って現れ、太郎の走り去った方をみつめる。

5

白子

「（楽をみて）ずっといるね」

楽

「え、俺？」

白子

「うん、ずっと」

楽

「ああ、ここ？

待ち合わせしてて」

白子

「そう」

楽

「君もずっと、みてるよね」

白子

「え？」

楽

「（中庭の方を指差して）中庭のあそこの植え込

みからずっと、こっち」

白子、太郎の走り去った方に目線を戻す。と、急に慌てて走

り去っていく。

楽、白子を不思議そうに見送ってから、再び角度を変えて撮

影をする。

太郎がまた旧校舎側から走ってくる。

楽

「あ」

太郎

「あ。ごめん何度も」

楽

「いやいや。すげー通るね」

太郎が、申し訳なさそうに通り過ぎようとすると、旧校舎側から声がする。

点滅

「ちょまってちょまってー」

太郎

「（立ち止まって）ん？」

旧校舎側から点滅が現れる。

点滅

「やっぱ付け加えていい？」

太郎

「おお、おお、うん」

点滅

「んー。ええっとぉ……俺としては、田野辺と、楽しくコミュニケーショ

ン取りたいなっておもってやってることだから、田野辺の嫌がることを

6

したいわけじゃないって、それはわかってほしい。田野辺のこと愛してる、

ってのが頭にあんの。これ、強調しといてね」

太郎 「うん。田野辺が好きだからってのが、頭にある」

点滅

「そうそうそう。だからもっとディープでドープなコミュケーションとり

たくて俺はあえてしてるんだよって」

太郎

「おっけおっけ」

点滅

「サンキューマジ」

太郎

「うん。んじゃ、いってくるわ」

点滅

「うん」

点滅、ようやく楽の存在に気づく。

点滅

「お、楽じゃん」

楽

「おお」

太郎

「あ、点滅、知り合い？」

点滅

「一年のとき同じクラスだったから」

太郎

「あ、そうなの？」

楽

「そうそう（二人近づこうとして）っててて」

太郎

「わー、マジでごめんね」

楽

「前からだから」

太郎

「（点滅に）ぶつかっちゃってさっき」

点滅

「ああ、怪我。楽、いっつも怪我してるイメージだわ」

楽

「傷だらけの天使だから」

点滅

「顎砕けてる印象だもん」

太郎

「顎？」

楽

「入学式んときね、下駄箱から靴取った瞬間に顎砕いちゃって」

太郎

「下駄箱で顎？」

点滅

「（笑って）そうそうそう。ほぼそれの印象だもん」

楽

「いやぁ、砕けてたわぁ」

太郎

「へえ、仲よかったんだ」

楽と点滅、「うーん」という表情。

7

太郎 「ああ、そうでもないのか」

点滅 「あんま、楽うちのクラスいなかったもんね」

楽

「そんなことないけど、ないけどね」

太郎

「……なんか気まずくした？」

点滅

「まあ、ちょっと気まずくはなったよね」

楽

「ちょっとね」

太郎

「（点滅に）あー、おれ、んじゃ」

点滅

「おお、うん、よろしく」

太郎、新校舎側に走っていく。

楽と点滅、微妙な空気。

点滅

「気まずくされて放置されたな」

楽

「うん。あ、でも、あんま気まずい気まずいっていわれすぎると気まずく

なるわ」

点滅

「ああ、そうだね。あんま気まずいっていわないようにするわ、そこまで

実際気まずくないしね、いうほど、いうとね、思っちゃうからね、気まず

いって」

楽のiPhone

が鳴る。

楽

「あ（電話にでる）もしもし。まだ？

まだ８組？

うん、うん、名前な

んていうの？

白子？んー、知んないなぁ。席においときゃいいじゃんと

りあえず。え？（iPhone

をみて）時間はまぁ、まだ大丈夫だけど。俺も

行こうか（歩こうとして）あたた。ああ、うん、うん、んじゃ、まあとり

あえず待っとくわ、おお、おお、はい、はーい」

楽、iPhone

を切る。

点滅

「待ち合わせ？」

楽

「そそそ」

8

点滅

「朝だっけ？」

楽

「え？」

点滅 「彼女」

楽

「あ、違う違う」

点滅

「別れたの！？」

楽

「あ、違う違う、うん、朝は付き合ってるようん。待ち合わせは、将門

で」

点滅

「あー、将門くんね」

楽

「知ってんだっけ？」

点滅

「いっつも一緒にいる人っしょ」

楽

「いっつもってほどじゃ」

点滅

「いっつもだよいっつも。楽、片時も離れねーみたいな感じじ

ゃん」

楽

「それ、めっちゃ気持ち悪いじゃん……。いまは一緒に映画つ

くってっから」

点滅

「楽が？」

楽

「つっていっても、iPhone

で撮ってるから、そんなちゃんと

そんなのじゃないんだけど。将門と、映画。学校中の音を拾い

集めて、歌作ろうとしてるやつが主人公で、将門がそれなんだ

けど。学校のチャイムとか、昼休みの弁当を咀嚼する音とか、

吹奏楽部の練習とか、バスケ部のバッシュのきゅっきゅっと

か」

楽、iPhone

から録音した様々な音を流す。

楽

「そういう学校に溢れてる音をつなぎ合わせて歌を作ろうと

してる男の子……ああなんかペラペラごめん」

点滅

「おお、急に謝ったね、どうした」

楽

「いや、こういうとこ、あって、俺」

点滅

「面白かったよ、マジで、あ、面白くなりそうだったよマジでマジで。今

日これから？

撮んの」

楽

「そうなんだけど、どうなんだろ」

9

点滅

「え？」

楽

「将門が、来んのかなあいつ」

点滅 「そいえば、さっき、すれちがったよ（旧校舎側を指して）あっちで」

楽

「んー。手紙拾ったらしくて、落ちてんの。送り主探してるらしい」

点滅

「手紙って」

楽

「なんの手紙かはわかんないけど、白子って、送り主の名前書いてあった

らしくて、あ、点滅しってる？」

点滅

「白子？

いやぁ」

楽

「８組らしいんだけどね。あいつ、首突っ込むの好きだからさ、己から首

突っ込んで抜けなくなるから」

太郎、旧校舎側から走ってやってくる。

点滅

「あ」

太郎

「あたしはさ」

点滅

「うん」

太郎

「あたしは今まで通りで、充分楽しいんだよ」

点滅

「うん」

楽

「（二人のやりとりをみて）え？

え？」

太郎

「ディープでドープなコミュニケーションてなに？

意味わかんないん

だけど。そういうさ、雰囲気で言葉使おうとするじゃん。最近、とくに多

いよね。雰囲気で会話しようとするじゃん、誤魔化そうとするじゃん。な

んとなくで返事してさ」

点滅

「してねーんだけどなぁ、むしろ逆なんですけど。

俺はそれこそがコミュニケーションの本質だとお

もって」

太郎

「まあ、でも、そういってたよ」

楽

「え？」

太郎

「（戸惑う楽に気づいて）ああ、これ、伝言伝言」

楽

「伝言？」

太郎

「点滅さ、彼女と喧嘩中で、で、俺が間にさ」

楽

「転校生かとおもった」

10

太郎

「え？」

点滅 「ヤ、ヤ、ヤ、雰囲気で言葉放つ俺はルーキー」

楽

「え？」

点滅

「かもしれねえな、えーっとえーっとぉ……かもしれねぇ、えーるーきー

るーきー、あ！かもしれねえなライカ安仁屋恵壹、あ、これルーキーズの

ピッチャーね。言葉の直球でお前を射抜き、えぇ射抜き射抜き」

太郎

「いいんじゃね、無理してやんなくて」

点滅

「待って待って待って……あ、あ、雰囲気で言葉放つ俺はルーキー、かも

しれねえなライカ安仁屋恵壹、言葉の直球でお前を射抜き、夢にときめき

明日にきらめき！」

太郎

「ああ、うん、いいとおもうけどさ、今はやめたほうがよくね？」

点滅

「……先人たちの声借り温故知新、むき出してやる己のポコチン、あ、ご

めんやっぱ今のやめるわ、今のはやめた、ダメだ」

太郎

「ああ、うんいいけど」

楽

「なにこれ？」

点滅

「えーえー」

太郎

「なんか最近ハマったんだって、ラップ」

楽

「（笑って）ラップしてる、うん」

太郎

「喧嘩の原因もさ、結局これなんだけど。会話中に突然始めちゃうんだっ

て、ラップ」

楽

「おお……」

点滅

「えーっとあー、えーっとあー」

太郎

「いいよもう、そんな苦しみながらやんなくて」

点滅

「あ、あ、あ、先人たちの声借り温故知新、咀嚼して立って己を更新、た

しかいってたペニシリン、愛に気づいてください！」

太郎

「うんうんうん」

点滅

「んじゃ、たのんだ」

太郎

「やだって、田野辺、絶対キレんじゃん」

点滅

「俺の率直な言葉だって」

太郎

「めっちゃ絞り出してたっしょ」

点滅

「ほら、練習練習、雰囲気で言葉放つ俺はルーキー」

太郎

「雰囲気で言葉放つ」

11

点滅

「違う、雰囲気で言葉放つ」

太郎 「雰囲気で言葉放つ」

点滅 「違う、雰囲気で」

太郎

「やだやだ！

点滅自分でいけよ！」

点滅

「は！ それはいいっこなしだろ！」

楽

「点滅でもうまいよね、ラップ」

点滅

「だろだろ？」

太郎

「うあー調子乗っちゃうから」

点滅

「フリースタイルダンジョンみてる？」

楽

「あー、みたことあるわ、テレビの、バトルするやつだよねラップ」

点滅

「そうそうそう、あれ、めっちゃハマって」

楽

「たしかにカッコイイ。Ｒ-

指定やばい」

点滅

「Ｒ-

指定やばい。あれこそさ、リアルなコミュニケーションだとおもう

の、瞬間でさ、フェイストゥーフェイスで」

太郎

「いやでも、フェイストゥーフェイスしてねーじゃん、俺が伝えてんじゃ

ん」

点滅

「いいっこなしだって」

楽

「会って話しゃいいじゃん」

点滅

「田野辺が会いたくねーっていうからさ、電話も無視だし、メールも無

視だし、連絡取り合う手段」

太郎

「会って話すとまたラップし始めるからって」

点滅

「だから、それがなぁ」

楽

「それで、さっきから、あっちこっち走ってた」

太郎

「そうそう。糸電話の糸の気持ちだわずっと。二人のあいだ行ったり来た

りして」

点滅

「いいやつなの」

楽

「いいやつだわ」

太郎

「いやいや」

点滅

「んじゃ、ほら。雰囲気で言葉放つ……」

太郎

「やだって絶対やだ。あーんじゃ、あの録音して（iPhone

を取り出し）

それ聴かせるから」

点滅

「えー。お前がやるから楽しいのに」

12

太郎

「楽しいとかはないマジで」

点滅 「あーごめんごめん。いいよ、んじゃ録音で」

太郎 「（点滅にiPhone

を向けて）ほれ」

楽

「俺、ビートやろうか」

点滅

「まじ助かるわ」

楽

「任せて任せて」

楽、適当にビートを刻む。メロデイはなぜか「赤いきつねと緑のたぬき」。

点滅

「雰囲気で言葉放つ俺はルーキー、かもしれねえなライカ安仁屋恵壹、言

葉の直球でお前を射抜き、夢にときめき明日にきらめき！

先人たちの

声借り温故知新、全部咀嚼して立って己を更

新、たしかいってたペニシリン、愛に気づいて

ください！」

楽、拍手。

楽

「やっぱいいね」

点滅

「いいんだよね」

太郎

「じゃ、聴かせてくんよ」

点滅

「頼んだわ、俺あっちで待ってるから。楽も助

かったわ」

楽

「仲直りしてほしい、ほんと。田野辺しらないけど」

点滅、旧校舎側に戻っていく。

太郎

「あー、怒られる気するぅ。いってくるわ」

楽

「うん、いってらっしゃい」

太郎

「はあ。（新校舎側に歩きながら）憂鬱だわー」

太郎がいなくなると、白子が走って現れ、太郎の消えた方をみつめている。

13

白子

「（少し怒った雰囲気で）ほんと、ずっといるね！」

楽

「え？

ああ」

白子 「いつまでいるの？」

楽

「待ち合わせしてて、ごめん」

白子

「いや、いいんだけどさ」

二人、長い沈黙。

白子

「もうこうなったら我慢比べだね。あんたが先

に立ち去るか、あたしが先に立ち去るかさ！」

楽、戸惑った表情。白子、ぷいと顔を背けて、渡り廊下をウロウロする。

楽、ベンチに座って自分の書いた台本を取り出し、パラパラながめる。

白子

「（ため息）どうしたらいなくなってくれるの？」

楽

「え、なんでそんなここにいちゃダメなの？

ダメなん、ですか？

学年

……」

白子

「二年」

楽

「ダメなの？」

白子

「ダメなんていってないじゃん、立ち去ってほしいって願いをあたしの、

いっただけ」

楽

「……あ、ここで、なんかやんの？」

白子

「や、やる、ってほどじゃ、ない。なによ詮索なんかして！」

楽

「ごめん」

白子

「（楽の台本を覗き込んで）校舎、ナイトクルージング？」

楽

「（台本を隠して）うお」

白子

「演劇部？」

楽

「……違う、映画」

白子

「うちに映画部なんてあったっけ？」

楽

「勝手にやってるだけだよあー、だから、ここで今から撮影しようって

なってて」

白子

「だったら早く撮ればいいじゃん、ほら」

14

楽

「でる奴がまだ来てないんですよ」

白子 「それは困ったじゃん」

楽

「困ったんだよ（時間を確認して）あー、もう日沈むじゃん」

白子、渡り廊下の中央に立つ。

白子

「しょうがないな、どうすればいいの？」

楽

「は？」

白子

「撮るまで居座るつもりでしょ、だったら、ほら」

楽

「……いや、男の役だから」

白子

「性別くらいふぁさって超えてこうよ。ふぁさ、って」

楽

「ふぁさ、って」

白子

「うんうん、どうすればいい？」

楽

「あーえーっと、んじゃさ、ゆっくり（渡り廊下の端を指して）こっか

ら（反対の端を指して）ここまで」

白子

「足、怪我？」

楽

「ああうん。ゆっくり歩いて、歌いながら」

白子

「なんの歌？」

楽

「適当でいいよ」

白子

「適当でって適当じゃない？」

楽

「なんでもいいよほんとに」

白子

「んー、歩くって、こんな感じ？」

楽

「ああ、うんそんな感じ」

白子

「こっちの方いい？」

楽

「結構やる気だしてくれんのね」

白子

「仕方ないって前提があるから、仕方ないならやる気出せるもんな」

楽

「好きなように歩いていいよ」

白子

「適当だなー」

楽、iPhone

を構える。

白子ゆっくりと歩き出す。

15

白子

「冬に覚えた

歌を忘れた

ストーブの中

残った石油

つららのよう

に

尖って光る

やがて溶けてく

激情のカス」

楽

「なんだっけそれ」

白子

「伝説の教師、しらない？」

楽

「いつの？」

白子

「いつだっけ。松ちゃんとダウンタウンの、あと中居くんのさ、ドラマ」

楽

「松本人志ドラマなんか出てたの？」

白子

「主題歌、それの。ハイロウズ」

楽

「聴いたことはあんだけどな」

白子

「続けていいの？」

楽

「あー、あーいいよ」

白子

「音楽室のピノでブギー

ジェリー・リースタイル

骨身をさらけ出した

その後で

散文的に……」

突如、あわてだし、走って物陰に隠れる。

楽

「は？

へ？

は？」

太郎がトボトボと新校舎側から歩いてやってくる。

楽

「あ」

太郎

「おお」

楽、白子の方をみると、白子が「しー、しー」というジェスチャー。

太郎

「ん？」

楽

「あ、あ、どうだった、田野辺？」

太郎

「……ああ」

楽

「（察して）ああ」

太郎

「なに一つ伝わってないじゃん！

なに一つ！

あたしが聞いてほしい

のはただ一つ！

だけど点滅にはなんにも届かず！

うんざりあたしも

う別れる！って」

16

楽

「ラップみたいになってんじゃん」

太郎 「そうなんだよ、めっちゃ怒ってたから意識してないとおもうんだけど」

楽

「影響うけてるよね」

太郎

「うん、たぶん。まあでも、それいったら余計怒るだろうし……はぁ」

楽

「あ、また伝えに、行くの」

太郎

「うん。すげーやだけど。重いわ、足取り」

楽

「マジで『ほしのこえ』みたいだわ」

太郎

「え？

なにそれ？」

楽

「ほらさっき貸すっていった」

太郎

「あ、ああ？

ああ」

楽

「あー、まいいけど。ほしのこえって宇宙と地球でカップルが離れ離れに

なんだけど、メールで連絡取り合うの。でも、遠く離れるほど、メールの

往復にかかる時間が一週間、一ヶ月、一年って開いてって。なんか似てる

じゃん、いま」

太郎

「似てるか？」

楽

「似てないかな？」

太郎

「なんとなくは、うん。俺のスピード次第なわけだ。二人の、言葉とか、

そういうのの、距離、埋めるのは」

楽

「いや、そこまで背負い込む必要ないとおもうけど」

太郎

「ひとっ走りしてくるわ！」

白子

「（小声で）ふぁいとー」

太郎

「ありがと」

楽

「あ、いや」

太郎

「何て伝えるかだよなぁ」

楽

「そのまま伝えたればいいじゃん」

太郎

「うーん。またラップで返してきそうだからなぁ」

白子

「（小声で）ふぁいとー」

太郎

「ありがと」

太郎、旧校舎側に走っていく。

白子、姿を現す。

17

白子

「ラップって？」

楽

「喧嘩してんだって、なんか」

白子 「へぇー」

楽

「……彼に、なんか？」

白子

「太郎」

楽

「あ、彼、名前？

しらなかった……太郎、あ！

太郎！

ああ！

あの

昼休み校庭走ってるだ！」

白子

「そう、いっつも昼休み延々校庭走ってる」

楽

「なんかみたことあんなっておもってたんだよ。放課後も走ってんだ。太

郎に？」

白子

「太郎になに？」

楽

「告白？

いや、慌て方が」

白子

「告白ではありません」

楽

「そっか、んじゃ」

白子

「さ、続きやっちゃいましょうとっとと。あたし逆立ち得意だけどおさめ

とく？」

楽

「え？

でももう、日沈んできたしなぁ。今日はいいかな」

白子

「やめちゃうの！？」

楽

「立ち去ってほしいんでしょだって」

白子

「立ち去ってほしいけど、諦めて欲しくはない！」

楽

「うーん。（電話をかけて）もしもし、まだなの？

もう六時すぎちゃっ

たよ。うん、うん、は？

なんで？

うん、うん。んじゃ一旦おれもいく

わ（電話をきって）様子みてくる」

白子

「え？」

楽

「その出る友だち」

白子

「あたしじゃ不満ってこと？」

楽

「不満とかじゃ、歌よかったし」

白子

「絶対出演してやるんだから！」

楽

「なんか、学校中のピンクのチョークが全部盗まれるっていう難事件に

友だちが巻き込まれたらしいから、それ手伝ってくる」

白子

「いけばんじゃ」

楽

「うん」

18

楽、旧校舎側に歩いていく。

白子、一人でまたザ・ハイロウズの青春を口ずさむ。

太郎が、歩いて戻って来る。

白子、慌てふためく。

太郎

「こわい、こわいこわい」

白子と太郎みつめ合う。

太郎

「え？」

白子

「（バッグを漁って）あ、あれ、あれあれ……」

太郎、その場から立ち去ろうとするも、白子に塞がれる。

太郎

「なんだ、なんだ」

白子

「あれあれあれ」

太郎

「あれ、あれ」

白子、手紙がみつからないので、バッグに入ってた『超ひもＱ』を取り出し、太郎に

渡す。

白子

「……あげる」

太郎

「……ひも、Ｑ？」

白子

「あげる」

太郎

「ありがとう」

白子

「なぜ、なぜ」

太郎

「え？」

白子

「食べなよ」

太郎

「うん」

太郎、ゆっくりとひもＱを食べる。

19

太郎 「おい、しい」

白子 「ならよかったぜ」

太郎

「うん」

太郎、ひもＱを食べながら新校舎側にはけていく。

白子、ひもＱのはじっこを掴み、旧校舎側に歩いていく。

そのひもに引き戻される太郎。

太郎

「ちょっとちょっとちょっと」

白子

「子供のころさ、よく、ひもＱ食べてて」

太郎

「え？」

白子

「ひもＱってなんだか得した気持ちになったの、い

っぱい食べてる気持ちっていうか。小学生、一年生

か、のとき好きだった男の子とね、公園でばいばー

いってして、ひもＱの端と端掴んで別々に帰った

の。夜、寝る前に食べようねって約束して。食べな

がら辿って夜中に会おうって、そのままチュウしよ

うって、とか、ませたこといったりしてさ。まあ、

いっつも途中でちぎれちゃうんだけど」

太郎

「ああ（新校舎側を気にしている）」

白子

「だから、いまだに好きで」

太郎、新校舎側を気にする。

白子

「喧嘩って、海荷ちゃん？」

太郎

「え……海荷の友だち？」

白子

「友だちではない」

太郎

「そう」

白子

「仲直りしないの？」

太郎

「仲直りっていうか、別れたから、っていやそんなのいいんだけど、え

なに？

誰？」

20

白子

「白子です、どうも」

太郎 「……なんか、用、なの？」

白子 「あたし、（ひもＱをかざして）これ渡してこようか？」

太郎

「は？

やめて（ひもＱを離す）」

白子

「（ひもＱを食べる）ラップが原因なんでしょ？」

太郎

「や、違うそれは別で。なんか海荷からいわれたの？」

白子

「ううん、あたしの勝手、話したことはないんだ海荷ちゃん」

太郎

「あ、ああ、そう」

点滅、旧校舎側から歩いてくる。

太郎

「お、またなんか追加？」

点滅

「いや、気になって、様子みに」

太郎

「ごめんまだ、いえてなくて」

点滅

「ああ、いいんだいいんだ」

点滅と白子、会釈。

点滅

「（太郎にだれ？って顔）」

太郎

「俺もよくわかんないんだけど（白子に）ラップで喧嘩はこいつこい

つ。俺は代弁係っていうか」

白子

「そうなんだ（iPhone

をいじる）」

太郎

「いってくるよ、待たせちゃってごめん」

点滅

「お、俺も、ついてってみようかな」

太郎

「自分でいう気になった！？

うん、それがいい、それがいいよ」

点滅

「や、近くでみてる俺は」

太郎

「は？

そこまですんなら、もう自分でいけって」

白子

「あ、あったあった」

太郎

「え？」

白子

「（iPhone

をみながら）『彼氏が会話中執拗に韻を踏んできます。』あ、

これヤフー知恵袋。『凄くくだらない内容なのですが、真剣に悩んでいま

す。付き合った当初は韻を踏んでいませんでした。しかし数ヶ月前から共

21

通の友人であるラップ好きの男性の影響でラップの対戦番組(?)

を

YouTube

などでみるようになり、それからというもの電話口でも

カフェ

でもどこでも会話に韻を混ぜて話すようになってしまいました』」

白子、点滅に読んでというジェスチャーでiPhone

を渡す。

点滅

「『私はラップがよくわからず、聴くたびにイライラしてしまい会話が成

り立たないですし、上手い下手の感想を聞かれ、わからないと答えるとそ

れも韻を踏むことに繋げられ最近はラップのリズムを聴くだけでお腹が

痛くなります』」

白子

「似てるなって、おもいだして」

太郎

「たしかに」

白子

「あたし暇さえあれば、ヤフー知恵袋でベストアンサー叩き出すの」

点滅

「だれ？」

太郎

「白子だって、俺もさっき聞いたけど」

白子

「会ってちゃんと話すの、あたしも、いいとおもうよ。遠くから盗みみ

るんじゃなくて、ちゃんと会うの大事だとおもう、っていうかおもった、

おもってる」

太郎

「まともなこともいうんだね」

点滅

「白子……」

白子

「ん？」

点滅

「なんかさ、落し物、してない？」

白子

「どうしてそれを！」

点滅

「あ、やっぱり」

白子

「どうしてそれをと聞いているじゃない！」

太郎

「落し物？」

点滅

「拾った人が、将門っていう、探してるみたい」

白子

「将門！

あいつう！」

点滅

「あ、しってんだ。ずっと探してくれてるみたいだよ」

白子

「どこいるかわかる」

点滅

「あっちの方にたぶん」

白子

「でかした、でかした。あ、ベストアンサーあとでだしてあげるよ」

22

点滅

「別にそれは」

白子 「（太郎に）まだいる？」

太郎 「おれ？」

白子

「まだ行き交う？」

太郎

「わかんないけど、もうしばらくたぶん」

白子

「じゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけ待ってて、すぐ、すぐだから」

白子、旧校舎側に走っていく。

太郎

「なんだろ」

点滅

「なんだろ、ね」

太郎

「なんだったんだろう、ほんと……（ため息）」

点滅

「ん？

落ち込んでる」

太郎

「ああ、ううん。落ち込んでるのは、点滅の方でしょ」

点滅

「いや、うん（iPhone

を取り出して）あ、これか。（太郎に）これ、読ん

で」

太郎

「え？」

点滅

「さっきのヤフー知恵袋の。太郎、田野辺になったつもりでさ、ほら、今

日本で一番田野辺に近づいてる男じゃん、太郎がさ。田野辺の言葉だって

おもって、きいてみようかなって」

太郎

「できるかなぁ」

点滅

「できるよ太郎なら」

太郎

「……『私自身、ラップを私も楽しめれば良いんだと思い家で視聴したり

しましたが、やはり汚い言葉や罵詈雑言が合わずそうでないラップを聴

いてもなんの感動も生まれずただただお腹が痛くなるばかりで、やはり

生理的に無理なんだと悟りました』」

点滅

「あ、いいやいいや、もう、ありがとう」

太郎

「ごめん。似てなかった？」

点滅

「メンタルがもたないかもしれない。いや、太郎の田野辺っぷりは、す

ごくよかったほぼ田野辺、ちゃんと好きになれた太郎のこと、違うか、太

郎がやる田野辺のこと」

太郎

「おお」

23

点滅

「ただ、あ、これは、ダメ出しとかじゃなくて、

より田野辺っぽさをだすためのアドバイスだけ

ど、田野辺ってさ、冷静に怒ってるとき、こう、

『つー』って息吸うようになんの。だから俺さ

『つー』って田野辺が聞こえるとさ、あ、怒っ

てるって、電話でも顔見なくて。なんで怒って

んのかはわかんないのが多いんだけど、『つー』って（笑って）あと、田

野辺こういうのよくやる話しながら（手を奇妙に動かす）」

太郎

「（笑って）やっぱ」

点滅

「ん？」

太郎

「あって、話してきたら。俺じゃさ、田野辺と太郎の、そういうディテー

ル無理だよ」

点滅

「あったほうが余計に」

太郎

「あってないほうが余計にな気してる」

点滅

「そっかな……。（深く深呼吸）いってくる」

太郎

「おお、おお、おお！

俺、ついてったほうがいい？」

点滅

「俺も卒業しないと」

太郎

「うん、おっけ」

点滅

「よし」

点滅、新校舎側に歩いていくがすぐに戻ってくる。

太郎

「え？」

点滅

「一回練習いい？」

太郎

「いいよいいよ」

点滅

「整理してからのほうがいいかなって……あのさ、田野辺」

太郎

「……ん？

なに？」

点滅

「ごめんほんと」

太郎

「なににかかってるごめんなの？」

点滅

「ラップもうしない俺」

太郎

「でもそれも違う……」

点滅

「いやしないのはできないかもだけど、絶対にしない会話中。苦痛な思

24

いやっぱさせたくないし、めでたいことしたいし、君を愛でたいし、あ、

あ、ちがう」

太郎 「がんばれがんばれ」

点滅

「ＭＣバトルとかみてると、すごいそのコミュニーケションかっこいいな

って、どんなシチュエーションでもやれるかなって、だらだらとした会話

でロングバーケションみたいなテンション……」

太郎

「点滅、点滅」

点滅

「あ、あ、ごめん……あー俺、だめかも」

太郎

「いや、もうちょい、もうちょいだよ」

置きっぱなしにされた楽の電話が鳴る。

太郎

「あ」

点滅

「あ……誰のだろう」

電話切れる。

点滅

「なんかもう癖みたいになってんだな」

太郎

「ゆっくり、ゆっくりで大丈夫だよ」

再び、電話が鳴る。

点滅と太郎、顔を見合わせる。

太郎、電話に出る。

太郎

「もし、もし。ん？

あ、俺違って、iPhone

落ちてて、うん、うん、渡

り廊下に……。楽？

あ、これ、楽の電話か。さっきまでいたんだけど、

えーっと、誰？

うん、将門？」

点滅

「あ、将門」

太郎

「俺、４組の、太郎……え、どうした？

なんかガタガタって、え？

大

丈夫？

え、なになになに、え？」

電話切れる。

25

点滅 「なんだって」

太郎 「なんか後半、テンパってて、よくわかんなかった」

点滅

「将門ってあのーしらない、楽とさよくつるんでる……」

太郎

「んー！ あ、なんか前に挨拶だけされたかも」

点滅

「挨拶」

太郎

「そんときもテンパってたんだよなー」

点滅

「テンパる人なんだねー、きっと」

電話が鳴る。

太郎

「あ、また……（楽のiPhone

をみる）あれ、ちげ」

点滅、自分のiPhone

をみる。

点滅

「あ、あ、あ、あ」

太郎

「点滅か」

点滅

「……どうしよう、た、たた田野辺だ」

太郎

「電話！？」

点滅

「どうしよう」

太郎

「落ち着いて落ち着いて」

点滅

「切るか、一旦切るか」

太郎

「いやいやいや、一旦、出た方いいって」

点滅

「そうか、そうか、でるのか」

太郎

「がんばれ」

点滅

「よしよしよしよし…………よし！」

点滅、意を決して電話に出る。

点滅

「も！

しも！

し……うん、久しぶり」

太郎

「だいじょぶだいじょぶ」

点滅

「あ、（太郎をみて）いま、いっしょ。うん、うん（太郎に）いろいろあ

26

りがとう、ごめんって」

太郎 「いやいや、いい運動になったし」

点滅 「うん（電話に戻って）いいよ、っていってくれてる、うんそうだよね、

うん」

沈黙。

点滅

「え？

いや、いまいこうって、いいに、待って待って待って、言いに俺

が、いこうっておもってたんだ、うん、いや、でもそれでも俺、一回やっ

ぱり会って話したくて……最初からそうすればっていう、それは全くも

ってそうなんだけど」

太郎

「いいよ、韻踏んでないよ」

点滅

「（太郎に相槌）待って待って待って、あのー聞いて聞いて。えーっ……

と……」

長い沈黙。

太郎「つー」と息を吸って、田野辺がやるという手の動きを真似る。

点滅

「（太郎のことをみながら）あ……な、なんか久しぶりだね、田野辺と一

緒に沈黙するの」

太郎、田野辺になったつもりでリアクションしていく。

点滅

「ふざけてない、ふざけてない……一年前くらい前までは沈黙

なんてなかったよなーって。下校中さ、一緒に駅まで歩いて、

会話止まんなくて、気づいたら駅着いてて、ワープかよって。

楽しい会話ってワープかよって。（深呼吸）でも、だんだんさ、

一緒に歩いてても、沈黙が１秒２秒３秒って増えてってさ、会

話から会話までの距離が離れてってさ、足音がタンタンって響

く時間ばっかり増えて、あー、なんかなんかさびしーかもとか、

ふとしたとき、おもっちゃったりして」

太郎

「（太郎として笑いながら）それでラップかー」

27

点滅

「うん、でもでも、いま。久しぶりに田野辺と話せて、そんで沈黙してね、

ほっとしたの俺。あ、俺と田野辺の沈黙だって、俺と田野辺の間だこれっ

て。だから、だから、あー、声聞けて嬉しいよ」

点滅、新校舎側に視線をやる。

新校舎の二階の窓から田野辺がこっちをみているのに気づく。

点滅

「あ」

太郎、点滅の視線を追って、田野辺と目が合う。太郎、笑顔で手を振る。

点滅

「久しぶり、うん、うん、うん、うんうん、いや、そんな、そんなこと

はマジでない、うん……」

沈黙。

点滅

「そっち、いく、いっていい？

うん、ありがとう。うん、んじゃ、い

くね、すぐ」

電話を切る。

太郎

「おつかれ」

点滅

「俺、踏んでなかった？」

太郎

「うん、踏んでなかったよ」

点滅

「よかったぁ……あ、んじゃ」

太郎

「いってらっしゃい」

点滅

「マジでマジでマジでマジでマジでありがとう」

太郎

「仲直り、できそうでよかった」

点滅

「んじゃ」

太郎

「うん」

点滅、新校舎側に走っていく。

太郎、見送る。

28

太郎、白子が地面に散らかしたものを片付ける。

白子、急いで旧校舎側から戻ってくる。

白子

「間に合ったぁ」

太郎

「あ」

白子

「ずっとこのときを待っていたのだ、二人になるこの瞬間を！」

太郎

「え？」

白子

「告白じゃありませんからあ！」

太郎

「おお」

白子、手紙を渡す。

白子

「はい」

太郎

「ありがとう、なのかな」

白子

「みていいよ」

太郎、手紙を開ける。

白子

「あ、片付けてくれてたの？」

太郎

「まあ」

白子

「ぐらしあす」

白子、残りのものを片付ける。

太郎の開けた手紙からは、何十枚もの写真。

太郎

「なにこれ……写真？

どこ？」

白子

「もうさ、走らないの？」

太郎

「え？」

白子

「毎日、走ってたでしょ、昼休み。校庭むぐんむぐ

んって何周も」

太郎

「あっ、うん。もう走るの、やめた」

白子

「これからは渡り廊下を走っていくの？」

29

太郎

「今日は、たまたま」

白子 「走ってるのみるの、好きだったのに」

白子、ベンチに腰掛ける。

太郎

「で、写真」

白子

「たくさん走ったから、それあげる。あたし旅するの好きで、いろんなと

こ、行ったり来たりして好きで。旅先でたくさん写真撮ったから。あげて

やる、太郎に」

太郎

「（写真をみて）あ、ここ」

白子

「ん？」

太郎

「これ、中の島大橋だっけ？」

白子

「（写真みて）だっけ？」

太郎

「ここ、いったことあるよ俺。木更津キャッツアイみてた？」

白子

「みてた！

櫻井くん好き。全身全霊めざしてくうえーい……」

太郎

「そんなかでさ、赤い橋の伝説ってあったじゃん、若い男女がおんぶし

て渡ると恋が叶うってさ」

白子

「あ、それか、ありましたありました」

太郎

「それで、俺も渡った、往復した」

白子

「……海荷ちゃんと？」

太郎

「……いー、うんそう」

白子

「へー」

太郎

「二人で、中の島大橋の端っこと端っこで待ち合わせして。俺が海荷迎え

にいって、海荷をおんぶして戻ってきてってやった。海荷も好きだったか

ら、クドカン」

白子

「おんぶして渡りきれたの？」

太郎

「途中、足めり込むかとおもったけど、なんとか」

白子

「（笑う）」

太郎

「（写真みて）あ、ここもいった！

那須ハイランドパーク！

なつかし

いー。あ、ここもいったわ！」

白子

「ぜんぶ、海荷ちゃんと？」

太郎

「うん。二人でいろんなとこでかけた。でも、どっかいくよりも、そっか

30

ら帰ってくるときのほうが二人とも好きだったんだよね、帰り道、楽しか

ったねえって話す時間、好きだったんだよね。むしろ逆に帰り道の方が旅

行みたいな感じがしてさ」

白子

「うん」

太郎、写真をゆっくり眺める。

白子

「時間がほんとにもうほんとに、止まればいいのにな、二人だけで青

空

のベンチで最高潮の時に・・・んじゃ、あたしミッションコンプリートし

たから、太郎はもう用なしだから」

太郎

「ああ。でも、これ写真、自分で持ってなよ」

白子

「だめです、返すことはできません。……じゃあ、さようなら」

太郎

「おお、じゃあ」

白子、帰ろうとしたところに楽が戻ってくる。

太郎

「おかえり」

楽

「ただいま。（白子と太郎を見比べて）あ」

白子

「なに」

楽

「告白したの！？」

白子

「告白じゃありませんからあ！

ていうか告白だとしても、そういうこと

いうのやめたほうがいいと思います！」

楽

「ああ、そゆの、よく注意されんだよねぇ……（自分のiPhone

を見つけ

て）あ、あった！

よかったぁ！」

太郎

「さっき電話きてたよ」

楽

「将門？」

太郎

「そうそうそう」

楽

「（白子に）結局会えなくてさぁ」

白子

「友だちって将門くんだったの？」

楽

「あ、知ってたんだ」

白子

「あたし、あったよ」

楽

「え！

どこいた」

31

白子

「８組」

楽

「いったんだけどなぁ。……今日はもう、会えない日なのかな」

白子 「続き、撮る？」

楽

「もう暗いし、今日はいいや」

白子

「だしてよ、あたし、絶対」

楽

「んーはい……（太郎に気づいて）あ、そうだ、太郎だったんだ！」

太郎

「名前いってなかったっけ」

楽

「あのさ、映画、でてほしいんだよね、いま俺作ってるやつ」

太郎

「え、急じゃない」

楽

「映画にね、ずっと学校中を黙々と走り回ってて、その

足音だけでみんなと会話するっていうキャラクターがで

てくんだけど、将門が、さっき電話したっていう将門、

一緒につくってんだけど、将門が、是非とも太郎にその

役をお願いしたいっていってて」

太郎

「映画とか詳しくないっていったじゃん」

楽

「いや、でも田野辺を演じてるのすげーよかったし、将門たっての願いだ

から、太郎以外考えられないって」

太郎

「えー」

白子

「あたしはどんな役？」

楽

「考えとく」

白子

「なにそれ、適当じゃない？」

楽

「んーなんか、逆立ちするのにするよ」

白子

「やったー……よし、んじゃあたし」

太郎

「ああ、ばいばい」

白子

「（楽に）スケジュール決まったら、すぐ教えて」

楽

「はいはい」

太郎

「（写真をみて）あ、これ」

白子

「大事にしてね。じゃーねー」

白子、帰っていく。

楽

「写真？」

32

太郎

「なんか、くれた」

楽

「変なやつだよなぁ……あ、それでさ、映画、さっき思いついたんだけど、

太郎の役の鳴らす足音がビートになっていって、点滅がラップするシー

ンとかってすげーよさそうじゃない？

すげーいいとおもうんだよね。

点滅の周りを、太郎が行ったり来たりしてさ。めっちゃ画みえるすでに傑

作」

太郎

「え、俺ほんとにでんの？」

楽

「ほんとに考えてみて」

太郎

「考えてはんじゃみるよ」

楽

「点滅にもお願いしないと」

太郎

「ああ、そう点滅ね、いま……」

田野辺のいる教室の方をみると、ちょうど田野辺と点滅もこちらをみている。

太郎

「おお（手を振って）点滅ー」

楽

「隣のが、田野辺？」

太郎

「そうそう」

楽

「想像よりちっちゃい」

太郎

「俺の田野辺しかしんないもんね」

楽

「あ、呼んでるんじゃない？」

太郎

「うん。（大きな声で）いまいくー！」

楽

「あの感じだと」

太郎

「うん、よかった。俺、いってくるわ」

楽

「考えといて」

太郎

「おう。荷物だけとってきちゃお」

太郎、旧校舎側に走っていく。

楽、ベンチに座りiPhone

を開く。

楽

「ん？」

白子が勝手に撮った動画が流れる。

33

楽

「あいつー」

流れる動画を楽しそうに眺める。

iPhone

が鳴る。

楽

「おお、朝、どうした。うん、転校生？

いまみてんの？

みながら電話

かけてんの？

うん、うん。いまどこらへん？

入れ替わった？

まだ序

盤か。山本弘って役の子がすげーいいんだよねー、あ、すでにいいでし

ょ！

うん」

太郎が、荷物をもって旧校舎側から新校舎側に走っていく。お互い手を振る。

楽が電話する中、ゆっくり明かりが落ちていく。

楽

「今日、帰り、少しー寄ってっていい？

いや、別に用事とかじゃなくて

なんだけど。転校生について会って語りあいたく、なった。ううん、一方

的に語るのは、しない。語り合うから、約束、うん、あ、まだ学校。いや、

でもケンケンすれば、ばあああっていけちゃうから。いやいや、大した距

離じゃないでしょ、わけない、うん、うん、うん。え？

明日？

入れ替

わり？

将門に？

さすがに将門も騙されないでしょ。うん、うん、朝、

将門のことバカにしすぎだって、うん、うん、うん」

暗転。

34

『すれちがう、渡り廊下の距離っての脚注』

劇中に登場する様々な固有名詞の脚注を出演俳優陣が書きました。

■転校生

大林宣彦監督の映画。原作は児童文学の「おれがあいつであいつがおれで」。男の子

と女の子の中身が入れ替わっちゃうやつ。19

82

年公開の小林聡美さん主演版と、20

07

年にセルフリメイクされた蓮佛美沙子さん主演版がある。（探せど小林聡美版のレン

タルD

VD

はなかなか見つからない。V

HS

しかおいてない。このためにh

ulu

に登録ま

でしたのにやっぱりリメイク版しかない。何故。）リメイク版の中盤からの、入れ替

わらせるだけでは飽きたらなかったのか的流れに驚く。いくつかの意味ですごくかわ

いそう。言われてみれば当時映画やドラマでよく見かけたような気がする展開（セカ

チューとか）。蓮佛美沙子さんがすごくいい。山本弘役の子もいい。ちょっと出てき

て変な芝居ですごい印象を残していく変な大学生は、芸人のヒロシ。(

大石将弘)

■君の名は。／ほしのこえ

ともに新海誠監督によるアニメーション映画作品。「君の名は。」は2

016

年8月公

開、興行収入で1

1

月現在ポニョを抜いたところ。男の子と女の子が入れ替わっちゃ

うやつ。「ほしのこえ」は2

002

年公開の短編アニメーションで新海誠の劇場公開デ

ビュー作。男の子と女の子が光年単位で遠く離れていっちゃうやつ。

子供の頃から、アニメーターって本当にすさまじい職業だとおもっていて、1

秒動か

すのに2

4

枚書くなんて気が遠くなる。だから「ほしのこえ」をひとりで作ったって

だけでもう偉業。ただ十数年前の僕には人物の絵とナイーブさ全開のセリフや展開

が合わなかった思い出。アニメでウラシマ効果だったら「トップをねらえ！」を推

したい。

「君の名は。」は、監督以外にも色んなすごいプロが関わっているせいか、新海感

がいい感じに抑えられていてかつ新海ぽい要素が盛り込まれていて僕はとても楽し

めたのだけれど、「新海ぽさが抑えられてていい」という人もいれば「新海ぽさが

失われていてダメ」という人もいるよう。(

大石将弘)

35

■安仁屋恵壹

高校野球漫画「ＲＯＯＫＩＥＳ」に出てくる登場人物。ドラマでは市原隼人さんが

演じたキャラクター。ルックス、運動神経ともに抜群。ニコガクのエースで4

番。

150

キロを超える直球を武器にするピッチャー。熱く、芯の強い男。こうしてプロフ

ィールを見てみると完璧のように見えるのだが、高校一年生の時に高校野球のレベ

ルの高さを思い知り、挫折。分かりやすく一度グレている。しかしそこから友人や

担任のおかげで、野球部に復帰。努力して強く成長。実はそんな素直さこそがチャ

ームポイントの熱く頼れる男。それが安仁屋恵壹。(

篠崎大悟)

■ペニシリン

1992

年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。メンバーの脱退などもあり、現

在はH

AKUEI

・千聖・O

-JIRO

の3

人編成。

代表的なヒット曲は『ロマンス』。

この曲はアニメ『セクシー外伝

すごいよ!

!マサルさんO

P

』OP

テーマ曲でお馴染みで

す。

僕も小学生の頃、何度も耳にしました。

そしてこのペニシリン来年2

017

年に2

5

周年をむかえる老舗バンドです！

一度も活動休止の話は出ないそうな。

個人的にオススメの曲は『h

yper kids

〜東海大学物語〜』です。(

大村わたる)

■フリースタイルダンジョン

ラップでバトルするテレビ番組。２０１５年９月３０日から、火曜の深夜にテレビ

朝日で放映中。

番組側にはモンスターと呼ばれる最強ラッパーたちが控えていて、チャレンジャー

は彼らとラップでバトルし、勝ち上がることで賞金獲得を目指すというもの。最高

賞金は１００万円。審査員は、いとうせいこうやL

iLy

、ERONE

など。メインM

C

を

Zeebra

が務める。

この番組のおかげで、ラップが好きになれました。日本語のラップって、あんまり

好きじゃなかったんです。ヨーヨー言ってるし、ビートに乗せてわざわざ変なイン

トネーションで語って、せっかくの歌詞が聞き取りづらかったり、帽子のツバがピ

ンとまっすぐだったり、そんなにカッコイイものだとは思わなかった。でも、フリ

ースタイルバトルってのが、面白い。そしてこの番組で繰り広げられるバトルは、

息をのむほど格好いいんです。即興で言葉を繋いで、相手よりもうまいこと言っ

て、場を沸かす。それがバチっと決まったとき、格好よすぎて絶句します。しかも

番組ではラップに字幕が付けられていて、耳で聞き取れなくても十分に楽しめる。

漫才やコントに字幕が付いた某お笑い番組とは大違い。ラップバトルの魅力を増長

し、ラップ素人でも楽しめるようになってます。よい番組です。わたしは漢

a.k.a.GAMI

が好きです。A

bemaTV

で放映中。(

大場みなみ)

）

36

■青春 ハ

イロウズの名曲。

「渡り廊下で先輩殴る、身に降る火の粉、払っただけさ。」という歌詞に衝撃を覚

えそんな日が自分にもやってくるのではないかと妄想を膨らませて、かっこいい火

の粉の払い方を考えていましたがそんな日が来ることもなく僕の中学、高校時代は

過ぎていきました。

この曲を聴いていると頭にいろんな映像が浮かんできます。校庭で女の子がバスケ

ットゴールにシュートをしていたり、そんな女の子を先輩にボコされた男の子がフ

ェンス越しに眺めていたり、そんな中音楽室のピアノでロックの練習をしている男

の子達がいたり、校庭の隅のベンチでドキドキしながらしゃべっているカップルが

いたりっていう断片的な瞬間の映像です。そんな色んな青春の映像を頭の中に一瞬

で立ち上がる歌詞とメロディ。パンチの効いた言葉。学校の中での飛び交う目線と

思い。大好きな曲です。ぜひ一聴！！

あと歌詞の「散文的に笑う」ってところ好き。(

篠崎大悟)

■伝説の教師

恋であれ友情であれ、始まりの瞬間はいつだって特別だ。

中居正広と松本人志、二人の親交の厚さはとても有名で、松っちゃんは『ダウンタウ

ンなう』の番組内で「芸能人の友だちはだれ？」と聞かれたとき中居くんの名前を挙

げているし、中居くんは『ワイドナショー』出演した際、松っちゃんについて「人間

的に惚れてる部分がある」と語っている。

そんな二人が仲良くなるきっかけとなったテレビドラマこそが『伝説の教師』だ。

このドラマを見返してみて、特段「面白い！」とは思えなかったのが正直な感想なん

だけど、毎話劇中で差し込まれる中居くんと松ちゃんのアドリブシーンに関しては、

今観てもモーレツに胸がキュンとしてしまう。とにかく二人が楽しそうなのだ。松っ

ちゃんの素笑いににつられて、一緒に笑ってしまう中居くんの表情なんて永遠に眺め

てられる。第８話での二人の漫才シーンで松っちゃんが照れながら漫才してる姿もた

まんないですね。

残念ながら、D

VD

ブルーレイ化していないので、レンタルショップで是非V

HS

を探し

てみてほしい！（三浦直之）

■ひもＱ

グミ。

長ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

37

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーいグミ。明治製菓。うまい。明治製菓だいたいうまい。（大場みな

み）

■木更津キャッツアイ

日本のテレビドラマ。脚本は宮藤官九郎、通称「クドカン」。主演はＶ6

の岡田准一。

嵐の桜井君や佐藤隆太さん、塚本高史さん、岡田義徳さんなど現在有名な俳優さんた

ちも、当時は若手俳優として出演しており、さらに阿部サダヲさんや古田新さんなど、

脇役のキャストも現在振り返ってみると超豪華。実際に千葉県木更津市で撮影したた

め、ドラマファンがここを訪れるようになり、木更津市は小さな観光地になっている。

その中の一つが木更津市内にある中ノ島大橋。「恋人同士がおんぶして渡ると結ばれ

る」という「赤い橋の伝説」で（もともとはドラマ内での登場人物モー子がでっち上

げたもの）有名になり、中ノ島大橋を訪れるカップルが増え、恋人の聖地としてＮＰ

Ｏ法人に認定もされました。20

02

年に放送されてから、深夜の再放送や、ＤＶＤ販売

で一気に火がつき現在も根強いファンが多くいるとされる最高のドラマです。

めちゃめちゃ見返しました。内容を説明するのが難しいのですがとにかく登場人物が

みな愛おしい。些細なことで、みんなでワイワイガヤガヤしているのが見ていてとて

も楽しい。クドカン作品はみんな登場人物がキュートで愛おしくなります。あと木更

津キャッツアイ以外にもおすすめのクドカン脚本のドラマは「池袋ウエストゲートパ

ーク」「ぼくの魔法使い」「タイガー＆ドラゴン」「ごめんね青春！」などなど。こ

れらの作品に出てくる登場人物もみなキュートです。おもしろいのでぜひ見てみてく

ださい。(

篠崎大悟)

■彼氏が会話中執拗に韻を踏んできます。

ヤフー知恵袋に投稿された彼女の彼氏に対して悩み相談。彼氏がラップにハマり、

会話で全て韻を踏んでくることに彼女がうんざりしています。なんとかラップをや

めさせたいそうです。

僕も中学生の時にもし彼女ができたら、ゆず的な曲を作り続けて、毎年彼女にプレ

ゼントできたらと考えてた節があるので、個人的にそんなうんざりすることではな

いのかなとおもってしまっています。ギターは弾けません。

誰かベストアンサーを！(

大村わたる)

■渡り廊下

建物と建物をつなぐ通路。

主に学校での通路をそう呼ぶことが多い。

僕の記憶では告白とか秘密話をする時に大体呼び出すのは渡り廊下だった気がしま

す。(

屋上がなかったからかもしれません。)

教室という密室から、あの外なのか内なのかわからない場所に出るとちょっとした

ハイテンションになっていたのはよく覚えています。(

大村わたる)