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参 考 資 料

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■ バイオマスの基礎資料

1 基本的事項

(1)利用用途の分類◆バイオマスの利用用途は、表Ⅰのとおり、利用と未利用に分類します。

◆利用は、農地還元、堆肥化、園芸資材等、畜産資材、工業資材等、燃料等の6区分

に分類します。

◆未利用は、焼却(廃熱未利用)、浄化、埋立、不明等とします。

表Ⅰ 利用用途の分類

区 分 バイオマスの利用用途

①農地還元 すき込み

利用 ②堆肥化 肥料化を含む

③園芸資材等 マルチ、炭化処理、暗きょ資材等

④畜産資材 敷料、飼料

⑤工業資材等 工業原料、製品加工、再資源化

⑥燃料等 焼却(廃熱利用)、燃料加工、 メタン発酵等エネルギー変換

未利用 焼却(廃熱未利用)、浄化、埋立、不明

(2)バイオマス賦存量の換算

◆賦存量等のデータの検討にあたっては、エネルギー的な観点から、バイオマスに含

まれる賦存量を炭素換算して整理します。

表Ⅱ バイオマスの賦存量の換算に用いた数値

資源区分 バイオマス種類 含水率 炭素割合

農業資源 稲わら 0.30 0.409

麦わら 0.30 0.409

もみがら 0.30 0.409

条桑育残さ 0.30 0.409

収穫残さ 0.30 0.409

剪定枝 0.15 0.518

畜産資源 家畜排せつ物 0.83 0.351

木質資源Ⅰ 林地残材 0.15 0.518

製材残材(樹皮、端材、鋸屑) 0.15 0.518

木質資源Ⅱ 建設発生木材 0.15 0.518

食品資源 食品廃棄物 0.903 0.442

排水資源Ⅰ 下水汚泥 0.80 0.384

し尿・浄化槽汚泥 0.98 0.384

排水資源Ⅱ 農業集落排水汚泥 0.98 0.384

注1:[炭素量換算したバイオマス賦存量]=

[バイオマス賦存量(湿潤重量)]×(1-含水率)×[炭素割合]

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2 バイオマスの用途別賦存量(湿潤重量) 単位:t/年

飼料 20,539 18,868

たい肥化 9,802 8,805

敷料 7,566 7,547

すき込み 93,736 81,759

園芸利用 6,070 6,289

その他利用 2,754 2,516

焼却(廃熱未利用) 3,800

小  計 144,267 125,784

うち利用量 140,467 125,784

敷料 7,329 6,728

たい肥化 4,397 4,189

すき込み 1,466 1,777

焼却(廃熱未利用) 1,466

小  計 14,658 12,694

うち利用量 13,192 12,694

たい肥化 1,372 428

すき込み 4,118 1,283

作業用燃料 1,372 428

小  計 6,862 2,139

うち利用量 6,862 2,139

すき込み 36,141 38,154

たい肥化 27,818 29,978

焼却(廃熱未利用) 2,215

小  計 66,174 68,132

うち利用量 63,959 68,132

燃料利用及び燃料加工 7,373 13,695

焼却(廃熱未利用) 12,195 4,565

小  計 19,568 18,260

うち利用量 7,373 13,695

たい肥化(液肥含む) 2,434,330 2,214,996

燃料利用(低温ガス化) 241,630

尿浄化 617,564 647,757

その他未利用 57,290 0

小  計 3,109,184 3,104,383

うち利用量 2,434,330 2,456,626

工業原料(パルプ等) 20,160

その他未利用 111,001 47,832

小  計 111,001 67,992

うち利用量 0 20,160

工業原料(パルプ等) 4,579 6,500

燃料利用及び燃料加工 7,921 9,800

敷料 5,954 6,000

菌床きのこ培地用 3,278 3,500

無償提供 1,546 1,500

その他オガ屑 169 200

焼却処分(廃熱未利用) 591

その他未利用 245

小  計 24,283 27,500

うち利用量 23,447 27,500

⑤剪定枝

1 農業資源

①わら類

現状(2010年度) 目標(2021年度)

2 畜産資源

3 木質資源Ⅰ

②もみ殻

④収穫残さ

⑥家畜排せつ物

⑦林地残材

⑧製材残材

用  途種  別

③条桑育残さ

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2 バイオマスの用途別賦存量(湿潤重量) 単位:t/年

燃料利用及び燃料加工

工業原料(パルプ等)

製品加工

敷料

焼却処分(廃熱未利用) 8,900

その他未利用 7,800 6,500

小  計 89,000 123,000

うち利用量 72,300 116,500

飼料化 53,029 57,060

たい肥化 83,126 89,445

その他利用 7,166 7,710

その他未利用 42,679 26,785

小  計 186,000 181,000

うち利用量 143,321 154,215

たい肥化 199 155

燃料加工 595 463

焼却処分(廃熱利用) 44,971 35,014

焼却処分(廃熱未利用) 5,829 3,819

埋立 258 169

その他未利用 7,511 4,920

小  計 59,363 44,540

うち利用量 45,765 35,632

たい肥化 542 527

燃料加工 861 838

焼却処分(廃熱利用) 121,892 118,578

焼却処分(廃熱未利用) 15,800 12,598

埋立 701 559

その他未利用 21,107 16,829

小  計 160,903 149,929

うち利用量 123,295 119,943

たい肥化 14,849 18,013

炭化・園芸用 5,108 6,197

製品加工 88,617 107,504

その他未利用 10,215 12,393

小  計 118,789 144,107

うち利用量 108,574 131,714

たい肥化 14,098 13,963

農地還元 854 846 その他未利用 499,267 494,498 小  計 514,219 509,307

うち利用量 14,952 14,809

たい肥化 28,167 32,148

製品加工 7,446 11,681

その他未利用 6,721 5,317

小  計 42,334 49,146 うち利用量 35,613 43,829

4,666,605 4,627,913

3,233,450 3,343,372

5 食品資源

用  途種  別 現状(2010年度) 目標(2021年度)

6 排水資源Ⅰ

⑮農業集落排水汚泥

⑬し尿・浄化槽汚泥

⑨建設発生木材

⑬下水汚泥

⑩動植物性残さ

⑫家庭系生ごみ

うち利用量

116,50072,3004 木質資源Ⅱ

⑪事業系生ごみ

7 排水資

源Ⅱ

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3 バイオマスの用途別賦存量(炭素量換算) 単位:t/年

飼料 5,880 5,402

たい肥化 2,806 2,521

敷料 2,166 2,161

すき込み 26,837 23,408

園芸利用 1,738 1,801

その他利用 788 720

焼却(廃熱未利用) 1,088 0

小  計 41,303 36,013

うち利用量 40,215 36,013

敷料 2,098 1,926

たい肥化 1,259 1,199

すき込み 420 509

焼却(廃熱未利用) 420 0

小  計 4,197 3,634

うち利用量 3,777 3,634

たい肥化 393 123

すき込み 1,179 367

作業用燃料 393 123

小  計 1,965 613

うち利用量 1,965 613

すき込み 10,347 10,923

たい肥化 7,964 8,583

焼却(廃熱未利用) 634 0

小  計 18,945 19,506

うち利用量 18,311 19,506

燃料利用及び燃料加工 3,246 6,030

焼却(廃熱未利用) 5,369 2,010

小  計 8,615 8,040

うち利用量 3,246 6,030

たい肥化(液肥含む) 145,256 132,169

燃料利用(低温ガス化) 0 14,418

尿浄化 36,850 38,652

その他未利用 3,418 0

小  計 185,524 185,239

うち利用量 145,256 146,587

工業原料(パルプ等) 0 8,876

その他未利用 48,874 21,060

小  計 48,874 29,936

うち利用量 0 8,876

工業原料(パルプ等) 2,016 2,862

燃料利用及び燃料加工 3,488 4,315

敷料 2,622 2,642

菌床きのこ培地用 1,443 1,541

無償提供 681 660

その他オガ屑 74 88

焼却処分(廃熱未利用) 260 0

その他未利用 108 0

小  計 10,692 12,108

うち利用量 10,324 12,108

種  別

3 木質資源Ⅰ

1 農業資源

2 畜産資源

⑥家畜排せつ物

⑧製材残材

現状(2010年度) 目標(2021年度)

④収穫残さ

③条桑育残さ

⑦林地残材

①わら類

用  途

②もみ殻

⑤剪定枝

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3 バイオマスの用途別賦存量(炭素量換算) 単位:t/年

燃料利用及び燃料加工

工業原料(パルプ等)

製品加工

敷料

焼却処分(廃熱未利用) 3,919 0

その他未利用 3,434 2,862

小  計 39,187 54,157

うち利用量 31,834 51,295

飼料化 2,274 2,446

たい肥化 3,564 3,835

その他利用 307 331

その他未利用 1,830 1,148

小  計 7,975 7,760

うち利用量 6,145 6,612

たい肥化 9 7

燃料加工 26 20

焼却処分(廃熱利用) 1,928 1,501

焼却処分(廃熱未利用) 250 164

埋立 11 7

その他未利用 322 211

小  計 2,546 1,910

うち利用量 1,963 1,528

たい肥化 23 23

燃料加工 37 36

焼却処分(廃熱利用) 5,226 5,084

焼却処分(廃熱未利用) 677 540

埋立 30 24

その他未利用 905 722

小  計 6,898 6,429

うち利用量 5,286 5,143

たい肥化 1,140 1,383

炭化・園芸用 392 476

製品加工 6,806 8,256

その他未利用 785 952

小  計 9,123 11,067

うち利用量 8,338 10,115

たい肥化 108 107

農地還元 7 6

その他未利用 3,834 3,798

小  計 3,949 3,911

うち利用量 115 113

たい肥化 216 247

製品加工 57 90

その他未利用 52 41

小  計 325 378

うち利用量 273 337

390,118 380,701

277,048 308,510

51,295

⑪事業系生ごみ

うち利用量

⑮農業集落排水汚泥

⑬し尿・浄化槽汚泥

⑬下水汚泥

5 食品資源

種  別 用  途

⑩動植物性残さ

⑫家庭系生ごみ

⑨建設発生木材

7 排水資

源Ⅱ

6 排水資源Ⅰ

現状(2010年度) 目標(2021年度)

31,8344 木質資源Ⅱ

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4 バイオマスの賦存量及び利用量の出典先

データ年次

現状

①わら類 平成21年主要作物生産振興資料 2009年

②もみ殻 平成21年主要作物生産振興資料 2009年

③条桑育残さ 蚕糸園芸課蚕糸係調べ 2010年

④収穫残さ ぐんま農業はばたけプラン 2010年

⑤剪定枝 ぐんま農業はばたけプラン 2010年

2.畜産資源 ⑥家畜排せつ物群馬県家畜排せつ物利用促進計画、酪農近代化計画、家畜改良増殖目標

2009年

⑦林地残材H22年度間伐実績、間伐材生産流通実績、平成23年度版木材需要の現況

2010年

⑧製材残材 平成23年度版木材需給の現況 2010年

4.木質系資源Ⅱ⑨建設発生木材平成20年度建設副産物実態調査結果(国土交通省)

2008年

⑩動植物性残さ群馬県廃棄物実態調査及び群馬県循環型社会づくり推進計画

2010年

⑪事業系生ごみ 平成21年度一般廃棄物処理実態調査結果(環境省) 2010年

⑫家庭系生ごみ 平成21年度一般廃棄物処理実態調査結果(環境省) 2010年

⑬下水汚泥平成21年度県内汚泥発生量等一覧表により推計

2010年

⑭し尿・浄化槽汚泥 平成21年度一般廃棄物処理実態調査結果(環境省) 2010年

7.排水資源Ⅱ ⑮農業集落排水汚泥 農業集落排水事業発生汚泥量調査 2010年

出 典 先

6.排水資源Ⅰ

5.食品資源

種  別

1.農業資源

3.木質資源Ⅰ

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■ バイオマス活用の実例

1 渋川県産材センター

(1)施設概要

・場所:渋川市白井 1236- 4・面積:約 14,000 平方メートル

・丸太の取扱量:3万立方メートル

・主な設備:工場棟3棟、選別機1台、リングバーカー1台、ツインバンドソー1台、

ツイン丸鋸1台、ドラムバーカー1台、大型チッパー1台、台貫秤ほか

(2)特徴

3メートルに採材したA・B・C材をすべて定額で買い取り、無駄なく資源化できると

ころにあります。A材、B材は柱材および集成材用のブロックとして販売し、C材は製紙

用チップとして加工し販売します。また、林地残材やバーク等のC材以下の材についても、

無駄なく様々な用途へ加工し供給することができます。

(3)効果

①素材生産コストの縮減

無選別の3メートル材の受入に特化したため、山での作業が単純化し作業効率が向

上します。

②確実な収支計画

材質にかかわらずA・B・C材の全てを定額で買取るため、木材生産者の収支見積

もりが立てやすく、計画的に出荷することが可能となります。

③木質資源の有効活用

山に放置されていた材が活用されることにより、森林所有者の収益が向上し、森林

資源の有効活用が図られます。また、二酸化炭素の放出を押さえることができます。

④林業労働力の確保

センターの稼働により新たに3万立方メートルの県産材需要が創出され、林業労働

力の確保につながります。

【渋川県産材センター全景】 【チップヤード】

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2 上野村の木質バイオマス利用

(1)施設概要

設置場所:多野郡上野村大字楢原

プラント設備仕様

・定格製造能力:0.8 トン/時間 稼働日数 250 日(8時間/日)

・製造規模:1,100 トン/年

事業費:3 億 4700 万円

・ペレット製造施設:2 億 6400 万円

・木質ペレットボイラー導入3基:8300 万円

(2)特徴

①化石燃料に依存しない循環型エネルギー利用のため、ペレット生産工場の建設に併せ

て村内3ヶ所の温泉施設のボイラーをペレットボイラーに転換し、村営きのこ生産施

設にペレットボイラーを導入します。また、村営住宅へのペレットストーブの設置や

希望する村民への設置補助を行います。

②原材料供給のための切捨間伐から利用間伐への転換により、森林組合による集約化推

進、組合の調整力向上、事業量拡大に伴う雇用創出につながります。

さらに、素材生産拡大に伴い、村内事業体の事業量確保、新たな雇用にも結びつきま

す。

(3)ペレット工場稼働に伴う効果今まで切り捨てられていた未活用C材の有効利用が可能となります。また、素材や製

品の運搬等を行う関連産業の育成につながります。

【上野村ペレット工場】 【木質バイオマス利用イメージ】

間伐の実施 路網整備、森林境界の明確化

収 集 ・搬 出

良材は市場等へ集積

新きのこセンター

ペレット製造施設 木質ペレット

ペレットストーブ

村内温浴施設

村外

オガ

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3 (株)セレスのペレット工場

(1)施設概要

所 在 地 前橋市苗ヶ島町

稼働年月 平成 21 年6月

機械方式 フラットダイ方式(ペレタイザー)

生産能力 500 キログラム/時間

消費電力 250 キロワット

(2)ペレットの仕様

種 類 全木ペレット (松の幹部分のみを使用)

大きさ 直径6~7ミリメートル

長さ5~ 15 ミリメートル程度

粉化度 約 0.6 ~ 0.7 %

含水率 約6~8%

熱 量 約 4500 キロカロリー/キログラム

灰の量 約 0.2 ~ 0.5 %

(3)ペレット工場建設の経緯

(財)電力中央研究所赤城試験センターは、100 ヘクタールの敷地を保有していますが、

その内 50 ヘクタールが森林です。この森林では近年、松くい虫による松枯れが進行し、

最近では年間 2,000 本程度の被害木を伐採しています。そこで、同センターから森林管理

の委託を受けている(株)セレスが同センター構内にペレット工場を建設し、従来、廃棄

物として処理していた伐採松をペレット化し有効活用することで、廃棄物排出の削減を図

り、環境への負荷の低減を実現しました。

なお、製造したペレットは、同センター内でストーブや温風器の燃料として使用したり、

一般の方への販売も行い、ボイラー、温風機、ストーブの燃料として使用されています。

(4)特徴

・原料に赤城南麓の松(クロマツ、アカマツ)の幹の部分のみを使用し、建築廃材や化

学処理された木材等は一切使用していないため、焼却灰及びクリンカの発生が少ない

上、安全です。

・枝葉、根、木屑等は木質燃料焚き蒸気ボイラーの燃料として再利用しています。

・一次破砕機への丸太の投入を自動化し、作業効率を良くしています。

・ロータリードライヤーの熱源に蒸気ボイラーを使用しているため、ドライヤー本体が

高温に熱せられることがなく安全です。

・定量供給機を2ヶ所に設け、途中の生成物を数日分ためて置くことが出来るので、生

産をスムーズに行うとともに、装置の一部が故障しても継続生産が可能です。

・集塵機を3ヶ所に設け、作業環境を良好に保っています。

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4 吾妻木質バイオマス発電所

(1)施設概要

所 在 地 吾妻郡東吾妻町大字岡崎

発電出力 13,600 キロワット

主要設備 流動床ボイラ(単胴水管式)

蒸気タービン(横型復水ター

ビン)

発電機(3相交流同期発電機)

燃 料 建築廃材、剪定枝

その他木質バイオマス燃料

(2)特徴

吾妻木質バイオマス発電所は、県内初の木質バイオマス専焼発電所として平成 23 年9

月に営業運転を開始しました。同発電所の年間発電量は 8500 万キロワット時で、一般家

庭約 24,000 軒分の年間使用量をまかなえます。

発電設備は、財団法人日本エネルギー経済研究所グリーンエネルギー認証センターから、

グリーン電力発電設備の認定を受けています。これにより、発電した電力は「グリーン電

力」として認められ、その付加価値部分は一部を証書化して「グリーン電力証書」として

販売します。

発電の燃料には、建設発生木材や剪定枝などから作った木質チップを使用しています。

これにより不法投棄等不適切に処理されることが多かった建設発生木材を適正に処理し、

地域環境の改善やバイオマス利用率の向上につながります。

今後は、間伐材を加工した木質チップ等を燃料として受け入れることも予定しています。

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5 菜の花エコプロジェクト推進モデル事業の実施

県では、環境問題に対する住民意識の向上や資源循環型社会の地域モデルの育成を目的

に、平成 17 年度から「菜の花エコプロジェクトモデル事業」を実施しています。

(1)「菜の花エコプロジェクト」をご存じですか?遊休農地などに菜の花を植え、菜種を収穫し、

搾油を行い菜種油にします。菜種油は料理や学

校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼

料として利用します。廃食油は回収し、石けん

やバイオディーゼル燃料にリサイクルします。

このように資源やエネルギーを地域の中で循環

させていく取組が、「菜の花エコプロジェクト」

です。さらに、菜の花の景観作物としての観光

的な利用や養蜂業との連携、地域特産品の開発

などによる農山村の活性化など、多面的な展開

も期待されています。

(2)「菜の花エコプロジェクト推進モデル事業」への取組県では資源循環型社会の構築を目指し、菜の花エコプロジェクトに取り組むモデル地

域を支援しています。

この事業では、菜の花を3作栽培し、収穫・搾油を行う中で、地域で創意工夫をこら

し、資源循環システムの構築することを目的としています。

~補助金支援期間~

平成 17 年度~平成 20 年度:渋川市、NPO法人 鼻高町をきれいにする会(高崎市)

菜の花プロジェクトin甘楽(甘楽町)、中之条町

平成 18 年度~平成 21 年度:太田地球環境を守る会(太田市)、

猿ヶ京ネットワーク(みなかみ町)

平成 19 年度~平成 22 年度:榛東村第 12 区長寿会(榛東村)

平成 20 年度~平成 22 年度:南橘地区地域づくり協議会(前橋市)

平成 20 年度~平成 23 年度:赤城南面畑作プロジェクト(前橋市)

平成 21 年度~平成 24 年度:NPOしるく(高崎市)

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6 BDFの利用に向けた取組について

(1)BDFってご存じですか?BDF(バイオ・ディーゼル・ヒューエル Bio Diesel Fuel)とは、菜種油や大豆

油、コーン油などの生物由来の油やてんぷら油などの廃食用油から作られる軽油代替

燃料を指します。

大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行って生長した植物中に蓄えられた油脂を主

原料として作られることから、二酸化炭素の絶対量を増加させない(カーボンニュー

トラル)とされています。

(2)BDF導入の背景

BDFは大気中の二酸化炭素の絶対量を増加させないとされていることから、地球環

境の温暖化の防止に寄与するものと考えられています。また、従来は廃棄されること

が多かった廃食用油を活用することから、環境に対する負荷の軽減に繋がるとともに、

BDFを使用することで化石燃料の消費量を削減することができます。

このようなことから、BDF導入の取組が進められてきました。

(3)BDFができるまで

各家庭から排出された廃食用油等は、回収ステーションなどを通じて回収され、精製

工場へ集められます。回収された廃食用油等は精製され、BDFとなったのち、軽油

と混合され5%混合燃料として、ディーゼルエンジンを搭載するトラックなどで使用

されます。

(4)NPO法人環境リサイクルサポートの取組

群馬県では、平成 17 年度から「菜の花エコプロジェクト」(※前ページ参照)に取り

組んでいますが、県内における廃食用油からのBDF精製に大きな役割を果たしてきた

のが、NPO法人環境リサイクルサポートです。2004 年にBDFの生成を開始、2005年には法人化し、BDF製造技術の確立とプラント開発を独力で進めるとともに、大学

との共同研究により品質改善を図るなどの取組を進めてきました。

2009 年には、農林水産省の「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」に認定され、エ

ネルギーの地産地消を進め、2011 年4月には、同法人とぐんまバイオマス利活用地域

協議会とで建設を進めてきた新たな精製プラント(日産 1,000 リットル)が藤岡市に

完成しました。これにより、県内の廃食用油の回収からBDF精製・供給への道筋がで

きたので、今後この施設の活用が期待されています。

精製工場へBDFを

供給

回収ステーション

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■ 群馬県バイオマス活用推進委員会名簿

【任期 H23.9.1 ~ H26.8.31】 (敬称略 五十音順)

氏 名 所 属 分 野 備考

強矢義和 菜の花プロジェクトin甘楽 菜種油リサイクルす ね やよしかず

髙橋伸幸 群馬県森林組合連合会 木質バイオマスたかはしのぶゆき

宝田恭之 群馬大学大学院工学研究科 触媒・資源化学プロセス 会長たからだたかゆき

田中恒夫 前橋工科大学工学部社会環境工学科 環境水質工学、循環シス 副会長た な か つ ね お

テム工学

田村 宏 前橋市農政部農林課 バイオマスタウンた む ら ひろし

鳥山輝寿 有限会社横野堆肥センター 家畜排泄物の堆肥化とりやまて る じ

笛木京子 環境カウンセラーズ群馬会 環境カウンセラーふ え ききようこ

宮田よし子 群馬県消費者団体連絡会 消費者団体み や た よ し こ

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■ 群馬県バイオマス利活用推進連絡会議

群馬県バイオマス活用推進計画ワーキンググループ構成員名簿

「群馬県バイオマス活用推進計画」はバイオマス活用推進に関係する13課の連携、分担

により作成しました。

□主宰者

環境森林部 環境政策課 環境企画係長 バイオマス全般、環境政策

□構成員

企画部 企画課 科学技術振興室 科学技術振興係長 エネルギー政策

環境森林部 環境政策課 温暖化対策室 地球温暖化対策係長 温暖化対策

廃棄物・リサイクル課 企画指導係長 一般廃棄物、産業廃棄物

林政課 森林整備係長 森林政策

林業振興課 県産木材振興係長 木材生産・加工

農政部 農政課 技術調整室 技術調整係長 試験研究

技術支援課 普及・災害係長 農業利用技術

〃 生産環境室 農業環境保全係長 環境保全型農業

蚕糸園芸課 ぐんまブランド推進室 食品流通係長 食品残さ

畜産課 畜産環境係長 家畜排せつ物、有機資源の飼料化

産業経済部 工業振興課 技術人材係長 新技術、産業育成支援

県土整備部 建設企画課 技術調査係長 建設廃材

下水環境課 計画係長 下水汚泥

〃 農集排・浄化槽係長 農業集落排水汚泥

企業局 発電課 中小水力発電推進室 建設支援係長 バイオマス発電

□事務局

環境森林部 環境政策課 環境企画係

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群馬県バイオマス活用推進計画平成24年3月

編集・発行 群馬県環境森林部環境政策課

〒371-8570 群馬県前橋市大手町一丁目1番1号

TEL 027-223-1111(代表)内線2815

FAX 027-243-7702