ふゆ 冬の自然観察会 いけ...

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ふゆ いけ ちょうさ だい さくせん エコパーク冬の池調査大作戦 ベイタウン 冬の自然観察会

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ふゆ いけ ちょうさ だい さくせん

エコパーク冬の池調査大作戦 ベイタウン 冬の自然観察会

ふゆ

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エコパーク冬の池調査大作戦 テキスト

■ エコパークの池の中の虫たち

◆ トンボの幼虫とそれ以外の見分け方 1

◆ いろいろなヤゴの形 2

◆ ビオトープの池のいるヤゴ 3

◆ トンボの一生 4-5

◆ ゲンゴロウたちのなかま 6

◆ その他の虫たち 7

◆ 貝のなかま 8

■ 確認した虫の記録表 9

じ - 父兄の皆様へ -

このテキストは、自然観察会に参加されたお子さん達とともにエコパークで行う、「夏の昆虫調査:エコパーク昆虫調査隊」に使用するために作成したものです。

2011年からこれまでの調査で11目50科130種の昆虫がエコパーク内で確認されていますが、このうちおもに夏に出現するものを中心に収録しています。

幕張の海浜地域は1980年に埋め立てが完了し、ベイタウンは1995年から入居が開始したと聞いています。この時期から、入居者の皆さんとともに、いろいろな昆虫たちも幕張の住虫になりました。今回の自然観察会を通して、これまで皆さんとともに暮らしてきた昆虫たちや、これからの子どもたちとも一緒に暮らしてゆく昆虫たちに関心を持っていただければ幸いです。

「幕張ベイタウンにエコパークをつくる会」では、今年よりベイタウンやエコパークを中心に、身近な生き物の図鑑をつくる会議を開催します。ベイタウンの小学校とエコパークの会会員で「生き物のにぎわい・つながり図鑑」の作成を計画しています。ぜひ、ご協力お願いいたします。

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トンボの幼虫(ヤゴ)と それ以外のなかまの見分け方

ビオトープの池の中にはトンボの幼虫が(ヤゴ)がいますが、 それ以外にも水生の昆虫がいると思います。 ここでは、トンボの幼虫とそれ以外のなかまの見分け方を紹介します。

アメンボやミズカマキリのなかま

カゲロウやカワゲラのなかま

①胸にはねのもとがない。

②牙があり

かむのに

適した口

をしている。

③腹部の先は鋭く

とがっているaか、

葉のような尾(尾鰓)b

をしている。

(トンボの仲間)

①胸にははねのもと(翅芽)がある。

③腹部の尾(尾毛) は細長く2~3本。

②吸うのに適した針のような

口をしている。(水生カメムシ類)

③ ③

a b

ゲンゴロウやガムシなどの幼虫

トンボの幼虫(ヤゴ)のなかま

ビオトープでは、まだ見つかっていません。

ビオトープで見つかっているのはヒメアメンボ。

カワゲラのなかまはいませんが、

フタバカゲロウは見つかるかもしれません。

トンボのなかまは、 ビオトープの池にいます。 さて、何種類いるでしょうか。 調査してみましょう。

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● 池で見つかる、代表的なヤゴのかたち

イトトンボ型

ビオトープの池に いそうなヤゴ

幼虫は、全体に頭や胸の幅が広く、腹部の先の方へ細くなっている。

いろいろなヤゴのかたち

ヤンマ型 トンボ型

オオアオイトトンボ

ギンヤンマ

幼虫は、全体に体は一様に細長く、頭も小さい。

田んぼなどの浅い水域にもいる。

幼虫は同時に、いろいろな齢期(大きさ)のものが見られる。

イトトンボの幼虫は

ヤンマの幼虫は

体がとても細く 尾鰓がある

体が細く 腹部の先がとがる

アジアイトトンボ

シオカラトンボ

ショウジョウトンボ

ウスバキトンボ

トンボの幼虫は 体が幅があり 全体に太短い

幼虫は、全身が細かな毛に覆われ、泥を付けている。

幼虫の腹部の後方のトゲは

目立たない。

幼虫の腹部の後方のトゲは

大きく目立だつ

体長:尾を含め

最大19mm

体長:尾を含め

最大30mm

体長: 最大50mm

体長: 最大20mm

体長: 最大22mm

体長: 最大27mm

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体長:尾を含め

最大19mm

ビオトープの池にいるヤゴ

ギンヤンマ

シオカラトンボ

アジアイトトンボ

夏に、若いショウジョウ

トンボがいたことがありました。

夏から秋にビオトープでよく見られるトンボです。幼虫も池で見られます。

成虫は、ビオトープの草はらにいました。

草の間を飛んでいると見つけにくいトンボです。

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体長:50~55mm

体長:75mm内外

体長:最大50mm

体長:20mm内外

体長:48mm内外

2011年

10月

これまでの調査で確認されているヤゴ

アジアイトトンボのヤゴ 成虫

体は細く、

腹部の先に

4対の尾鰓が

付いている。

2015年

10月

2011年

6月

ギンヤンマのヤゴ

シオカラトンボのヤゴ

ショウジョウトンボ

体長:29mm内外

ビオトープで成虫が見つかっているトンボ

成虫は見つけていませんが、人知れず飛んできて、ビオトープの池に卵を生んでいるようです。

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体が固まった成虫は水域近くの木立に集まる。

そこで4、5日餌をとり、よく晴れた無風の日に

高い山を目指して移動する。

トンボの中には冬は卵なので、池などでは見つけられないものもいます。

アカトンボなどがそのなかまです。

春になり、田んぼに水が入るとふ化する。幼虫は、2ヶ月半から3ヶ月半かけて、

10回脱皮をする。

トンボの一生(1)冬は卵のアカトンボ

6月の終わりごろ、稲や畦の草に登って

羽化する。その後1、2日は水域近くで

体が固まるのを待つ。

卵のまま越冬する。

産卵はオスとメスが連結したまま飛び、

メスの腹部の先を水面や湿った泥に叩くように行う。

平地が涼しくなるころ、何万、何十万という群れになって生まれた水域に戻ってくる。

このころから、腹部が赤くなり始める。

日中の気温が20-25℃の場所で夏を過ごす。

夏の終わりには羽化直後と比べ、体重が2、3倍に増えている。

田んぼを代表するアカトンボ

アキアカネの一生

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幼虫で越冬するトンボは、冬に池などの水域で見つけることができます。

ギンヤンマなどがそのなかまです。

トンボの一生(2)冬は幼虫のギンヤンマ

羽化した成虫は夜明けとともに、

近くの藪の中に移動する。

春、水が温かくなると、幼虫は

水面から突き出た杭や枝、草の茎などに登って、夜に羽化する。

成熟すると水域に戻り、

オスは解放水面で5-10m

の範囲で縄張りをはる。

産卵はオスとメスが連結したまま、水草や水面に浮いた板キレ、やわらかい朽ち木のどに行う。

卵は17、18日でふ化する。

幼虫は10-11ヶ月かけて13回脱皮し、終齢になる。

夏に羽化した個体より、秋に羽化した個体の方が長距離を移動する。

若い個体は、羽化した水域を離れ遠方まで飛んで行く。

池を代表するヤンマ

ギンヤンマの一生

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見つかるかもしれないゲンゴロウたちのなかま

①1cmくらいの中型ゲンゴロウたち

②1cmより小さななかま

ヒメゲンゴロウ

コシマゲンゴロウ

ハイイロゲンゴロウ

コガムシ クロズマメゲンゴロウ

ツブゲンゴロウ

コツブゲンゴロウ

ゴマフガムシ

コガシラミズムシ

チビゲンゴロウ

体長:9.8-11m

体長:10-12m

体長:10-11mm

体長:12-14mm

体長:16-18mm

体長:2-2.2mm

体長:4-5mm

体長:3.8-4.3mm

体長:6-7mm

体長:4-4.3mm

トゲバゴマフガムシ

キイロヒラタガムシ

体長:3-3.6mm

体長:5-6mm

ビオトープの池では、まだ見られませんが、池の環境が良くなってくると現れる甲虫たちです。

田んぼや浅い水たまりにいる微小な水生甲虫

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ビオトープの池には、トンボやゲンゴロウのほかにもいろいろな昆虫がいると思います。

見つかるかもしれない、その他の昆虫たち

①冬眠している虫たち

②いろいろな昆虫の幼虫

夏ならこんななかまも見つかるかもしれません

ミズムシ

コミズムシの仲間

体長:5.5-6.5mm

体長:最大10mm

ユスリカの幼虫

体長:4-10mm

ガガンボの幼虫

体長:16-60mm

フタバカゲロウ

体長:4mm内外

コガムシの幼虫

体長:最大10mm 中型ゲンゴロウの幼虫

体長:最大10mm

アカトンボ類の幼虫

体長:17-18mm

ヒメアメンボ

体長:8.5-11mm

昆虫ではないけど。

水中にすむワラジムシ?

足をばたつかせながら、水中を歩くように泳ぐ、ワラジムシのなかま。

夏にはよく見かけますが、

冬は水際で冬眠しています。

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モノアラガイの一種

貝の長さ:8-12mm

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貝のなかま

日本にもとから住んでいる ヒメモノアラガイに似ていますが、 外来の種類だと思われます。

サカマキガイ

ヨーロッパ原産の種ですが、

今では日本の各地に生息して、時には大量に発生します。

貝の長さ:8-12mm

ビオトープの池には、水中にすむ小さな巻貝も住んでいます。

貝の巻き方がちがう2種類の貝がいました。

貝は、タニシなどと 同じ右巻き。

貝は、左巻き。

淡水の小さな巻貝は、アクアリウムなどの水草について海外から持ち込まれ、逃げ出したものが、池や田んぼで増えています。

今では、日本にもとから生息していた、モノアラガイやカワニナなどが減って、海外の貝が増えています。

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確認した虫の記録表

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

ばんごう とった 見た 虫 の な ま え

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見つけたり、つかまえた 昆虫を記録しよう。

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2016年12月17日 発行

発行 幕張ベイタウンにエコパークをつくる会

企画・編集 里の生き物研究会 昆虫大魔王

なまえ

ふゆ