支持療法 - 日本小児血液・がん学会”¯持療法 CQ2*99...

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略語一覧 95 クリニカルクエスチョン一覧 ▶ CQ 1 標準的な感染予防は何か ▶ CQ 2 発熱性好中球減少症の標準的治療は何か ▶ CQ 3 深在性真菌症の治療は何か ▶ CQ 4 ウイルス感染症の標準的治療は何か ▶ CQ 5 赤血球輸血の適応と輸血量の目安は何か ▶ CQ 6 血小板輸血の適応と輸血量の目安は何か ▶ CQ 7 L−アスパラギナーゼ投与時の凝固線溶系異常にどのように対応するか ▶ CQ 8 腫瘍崩壊症候群の標準的治療は何か 略語一覧 G−CSF(Granulocyte Colony−Stimulating Factor,顆粒球コロニー刺激因子) ANC (Absolute Neutrophil Count,好中球絶対数) SCT (Stem Cell Transplantation,造血幹細胞移植) FN (Febrile Neutropenia,発熱性好中球減少症) MDS(Myelodysplastic Syndrome,骨髄異形成症候群) HSV (Herpes Simplex Virus,単純ヘルペスウイルス) VZV (Varicella−Zoster Virus,水痘・帯状疱疹ウイルス) VZIG(Varicella−Zoster Immune Globulin,水痘・帯状疱疹免疫グロブリン) CMV(Cytomegalovirus,サイトメガロウイルス) TACO(Transfusion−Associated Circulatory Overload,輸血関連循環過負荷) CCI (Corrected Count Increments) FFP (Fresh Frozen Plasma,新鮮凍結血漿) TLS (Tumor Lysis Syndrome,腫瘍崩壊症候群) NHL (Non−Hodgkin Lymphoma,非ホジキンリンパ腫) DLBCL(Diffuse Large B−Cell Lymphoma,びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫) ALCL(Anaplastic Large Cell lLymphoma,未分化大細胞型リンパ腫) (ガイドライン掲載順) 支持療法

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支持療法

略語一覧 * 95

Ⅰクリニカルクエスチョン一覧

▶ CQ 1 標準的な感染予防は何か▶ CQ 2 発熱性好中球減少症の標準的治療は何か▶ CQ 3 深在性真菌症の治療は何か▶ CQ 4 ウイルス感染症の標準的治療は何か▶ CQ 5 赤血球輸血の適応と輸血量の目安は何か▶ CQ 6 血小板輸血の適応と輸血量の目安は何か▶ CQ 7 L−アスパラギナーゼ投与時の凝固線溶系異常にどのように対応するか▶ CQ 8 腫瘍崩壊症候群の標準的治療は何か

Ⅱ略語一覧G−CSF(Granulocyte Colony−Stimulating Factor,顆粒球コロニー刺激因子)

ANC (Absolute Neutrophil Count,好中球絶対数)

SCT (Stem Cell Transplantation,造血幹細胞移植)

FN (Febrile Neutropenia,発熱性好中球減少症)

MDS (Myelodysplastic Syndrome,骨髄異形成症候群)

HSV (Herpes Simplex Virus,単純ヘルペスウイルス)

VZV (Varicella−Zoster Virus,水痘・帯状疱疹ウイルス)

VZIG (Varicella−Zoster Immune Globulin,水痘・帯状疱疹免疫グロブリン)

CMV (Cytomegalovirus,サイトメガロウイルス)

TACO(Transfusion−Associated Circulatory Overload,輸血関連循環過負荷)

CCI (Corrected Count Increments)

FFP (Fresh Frozen Plasma,新鮮凍結血漿)

TLS (Tumor Lysis Syndrome,腫瘍崩壊症候群)

NHL (Non−Hodgkin Lymphoma,非ホジキンリンパ腫)

DLBCL(Diffuse Large B−Cell Lymphoma,びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫)

ALCL(Anaplastic Large Cell lLymphoma,未分化大細胞型リンパ腫)

(ガイドライン掲載順)

支持療法

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Ⅲクリニカルクエスチョン

標準的な感染予防は何か

▪背 景化学療法中は好中球数の多寡にかかわらず免疫抑制状態にあるため,感染の頻度と重

篤化に応じたリスク別感染予防が必要である。リスク因子は好中球数,粘膜および皮膚の創傷,留置カテーテルの有無,治療強度,原疾患の進行度,移植の有無などの他に,個人的要因(服薬コンプライアンス),衛生習慣,環境も考慮しなければならない。

細菌感染の多くは消化管内の病原菌に由来するため,過去には消化管から吸収されない非吸収性抗菌薬(アミノグリコシド系抗菌薬,ポリミキシン B,バンコマイシンなど)の組み合わせが使用された。しかしながら,比較試験では一貫してスルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST 合剤)やキノロン薬などの経口抗菌薬の有用性が確認されている。しかし現時点では,小児における経口キノロン薬の予防投与を推奨するデータはない。

真菌感染症は診断・治療とも困難で,予防投与が適切であるが,アスペルギルス感染は施設環境により発症頻度が異なることが多いため施設に応じた対応が必要である。顆粒球コロニー刺激因子製剤(G−CSF)を好中球減少時の患者にルーチンに使用することは推奨されないが,高リスクの患者に対する予防投与は適切である。

本項では感染予防の薬物療法について,すでに公表されているガイドラインなどに準拠して述べる。

好中球減少の定義:末梢血好中球絶対数(ANC)が 500/μL 未満または今後 48 時間以内

に 500/μL 未満となることが予測される場合を好中球減少と定義する。重度好中球減少

は,このうち ANC が 100/μL 以下の場合か,または好中球減少期間が 7 日間を超えるよ

うな場合であり,より感染リスクが高いと考えられる。

化学療法中は全治療期間を通じてニューモシスチス感染の予防を主目的としてST合剤の投

与を行う。

  推奨グレード:A

推奨1

▪解 説ST 合剤は化学療法中の好中球減少患者および好中球数が正常の患者に対しても,

ニューモシスチス感染の予防に対して高い有効性を示す1)。好中球減少の有無にかかわ

1CQ

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らずリスクが高い疾患・病態は,白血病,リンパ腫,組織球症,造血幹細胞移植(SCT)後である1)。

化学療法後の好中球減少期間が 2 週間以上の場合には,ST 合剤の予防投与群ではプラセボ対照群に比較して,感染症発症頻度が有意に減少する。ST 合剤はスルファメトキサゾールとして 40 mg/kg/日(年齢,症状に応じて適宣増減)を週 3 日以上,全治療期間を通じて継続することが望ましい。

なお,治療に用いる場合はスルファメトキサゾールとして 75〜100 mg/kg/日を連日投与する。ST 合剤の副作用は,スルファメトキサゾールによる骨髄抑制,耐性菌の出現,口腔カンジダ症の出現である。また,ST 合剤の抗菌スペクトラムは緑膿菌をカバーしていない。ST 合剤による副作用出現時には,ペンタミジンエアロゾル(300 mg/回/月)吸入で代用できる2)。一方,成人を中心に経口キノロン薬の予防投与が行われているが1,3,4),現時点では,小児における経口キノロン薬の予防投与を推奨するデータはない。

重度好中球減少時にはST合剤に加えて抗真菌薬の予防投与を行う。

  推奨グレード:A

推奨2

▪解 説近年,真菌感染症の頻度は増加しており,フルコナゾール(FLCZ),イトラコナ

ゾール(ITCZ),ミカファンギン(MCFG)などの予防投与が勧められている。好中球減少を伴う成人がん患者におけるランダム化比較試験では,FLCZ の予防投与は表在性および深在性真菌感染症の頻度と死亡率を減少させる5−7)。しかし,FLCZ は C. krusei,C. glabrata および糸状菌に対して抗菌作用を示さないので,その効果は限られている。また,ITCZ 内用液の予防投与はカンジダの全身感染症と感染による死亡率を減少させ8,9),MCFG は SCT 時の深在性真菌症の予防に有効である10)。

G−CSFの予防投与は予測される FNの頻度が20%以上の化学療法に対して行う。

  推奨グレード:B

推奨3

▪解 説G−CSF の予防投与(好中球減少を来す前からの投与)は,発熱性好中球減少症

(FN)の発症頻度が 20%以上に認められる強力な化学療法においては適応があるとされている。FN の頻度が低い場合であっても個々の要因により感染症発症のリスクが高い場合(PS の低下,FN の既往,放射線治療との併用,開放性創傷や活動性感染症の

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存在など)には,G−CSF を予防的に使用することは推奨される11−13)。無熱性好中球減少症に対するルーチンの使用は推奨されない。また,前回の化学療法

後に G−CSF を使用していない状況で,好中球減少に伴う合併症を発症した患者など,化学療法の減量や期間の延長が好ましくない患者に限り予防投与が考慮される14)。G−CSF は化学療法終了後 24〜72 時間以内に開始し,好中球数が 2,000〜3,000/μL 以上に回復するまで継続する。小児におけるメタアナリシスでは G−CSF の予防投与は FN および感染症の発症頻度,アムホテリシン B の使用率を有意に低下させ,入院期間を短縮したが,感染症に起因する死亡率の改善は認められなかった15)。

G−CSF に関する有害事象にはいくつかの報告がある。特に小児 ALL 患者では,治療関連性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群(MDS)の発症リスクが増加することが報告されており,放射線照射,トポイソメラーゼⅡ阻害薬,アルキル化剤との併用に対して注意を喚起している16)。

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支持療法

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発熱性好中球減少症の標準的治療は何か

▪背 景発熱性好中球減少症(FN)とは,悪性疾患に対する化学療法後の好中球減少時にみ

られる発熱性疾患の総称である。その原因は多くの場合感染症であるが,起因菌が特定できないことも多く,通常の場合であれば病原性を示さない弱毒菌であっても,このような免疫抑制状態においては重篤な病態を呈することもあり,その対応に緊急を要する内科的 oncologic emergency であると考えられる。FN の診療において重要な点はその原因検索を進めながら患者の状態に応じた感染症治療を行い,検索結果および患者の状態の変化に応じて原因の絞り込みを行い,適切な評価のもとに治療内容を変更していくことにある。これらの治療内容は療養環境,当該施設の細菌叢,耐性化率などに応じて適宜変更されるべきものであり,それぞれの施設にあった対応策が検討されるべきである。なお,抗真菌薬・抗ウイルス薬に関しては CQ3,CQ4 を参照されたい。

発熱の定義:腋窩温で 1 回でも 38.0℃となった場合,もしくは 37.5℃以上の体温が 1 時間

以上続いた場合を発熱と定義する。

注)Infectious Diseases Society of America(IDSA)のガイドライン 2010 では腋窩温を

推奨しないとしており,口腔温で 1 回でも 38.3℃となった場合,もしくは 38.0℃以上の体

温が 1 時間以上続いた場合を発熱と定義している。しかし,この定義は腋窩温の測定が主

流を占める本邦の実地臨床にそぐわないため,腋窩温で発熱を定義した。

好中球減少の定義:CQ1 参照のこと。

患者背景によるリスク群分類:一般に,予測好中球減少期間が 7 日間を超え,ANC が

100/μL 以下となる場合,または低血圧・肺炎・あらたに出現した腹痛・神経学的変化な

どを含む重大な全身状態の変化を伴う場合が高リスクであると考えられている。小児例に

おいては末梢血単球数が 100/μL 以上あり,合併症がなく,胸部単純 X 線写真の異常がな

い場合には細菌感染症のリスクは低いとする報告がある17)。

FNを発症した場合には初期評価を行う。

  推奨グレード:A

推奨1

▪解 説FN の初期評価として以下の項目が推奨されている。

・身体所見・全血算(分画を含む)

2CQ

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・各種培養・ 血液培養:中心静脈カテーテルと末梢血穿刺の 2 検体

必要に応じその他の培養・腎機能検査・肝機能検査・胸部単純 X 線写真

初期治療は原則として単剤による抗菌薬治療を開始する。

  推奨グレード:A

推奨2

▪解 説小児においては FN の初期治療は原則として入院して行う。初期治療に用いられる抗

菌薬はタゾバクタム・ピペラシリン(TAZ/PIPC)18),イミペネム・シラスタチン(IPM/CS),メロペネム(MEPM),パニペネム・ベタミプロン(PAPM/BP),セフタジジム(CAZ),セフェピム(CFPM)19)などである。単剤投与と 2 剤投与を比較した場合,初期治療の効果としてはどちらも同等であるとされている20,21)。初期投与薬剤に対する耐性が懸念される場合には,初期治療から 2 剤投与を考慮してもよいが,バンコマイシン(VCM)を併用投与することの優位性は否定されている。VCM などのグラム陽性球菌を対象とした薬剤を初期から投与することを考慮するのは,カテーテル感染症,皮膚や軟部組織の感染症,肺炎,血行動態の不安定性がみられる場合などである。初期から VCM を開始した場合でもグラム陽性球菌感染の証拠がない場合は,2 日後には投与の中止を考慮する。治療開始後,検査結果が出た時点で再評価を行い,抗菌薬投与内容を調整する。治療に反応し,状態が安定している場合には外来治療を考慮してもよい。

経験的な抗菌薬治療開始後2〜4日間経過した場合は,発熱の有無,病原体培養結果,好中

球数などを考慮して治療法を選択する。

  推奨グレード:A

推奨3

▪解 説病原体が特定されていれば,それにあわせた治療に変更し,所見が改善するまで広域

抗菌薬の治療を 7〜14 日間以上継続する。病原体が特定されていてそれにあわせた治療を行っていても治療に対する反応がない場合には,再度評価を行い,経験的な抗真菌薬の追加やさらに広域の抗菌薬投与を考慮する。

病原体が特定されていない場合で,低リスクで下熱している場合には ANC>500/μL

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になり,増加するまで抗菌薬治療を続行し,場合によっては静注薬から経口薬に変更してもよい22,23)。一方,低リスクでも発熱が持続し臨床的に不安定な場合には,培養結果や感染部位により抗菌薬治療を修正する。

高リスクの場合も下熱している場合には ANC>500/μL になり,増加するまで抗菌薬治療を続行する。高リスクで病原体が特定されず発熱が持続している場合でも,臨床的に安定している場合には経験的な抗菌薬治療は変更せず,感染部位の評価を行う。

治療開始後4日以上発熱が持続する高リスク例の場合は,感染部位と病原体の特定に努める

とともに適切な抗真菌薬治療を開始する。

  推奨グレード:A

推奨4

▪解 説この場合,連日診察・問診を行い,血液培養を適宜反復施行し,感染が疑われる部位

の培養を行う。病原体が特定されていない場合,臨床的に安定し,好中球が回復傾向にある場合には経過観察し,あらたな感染がなければ抗菌薬治療は変更しない。好中球に回復傾向がみられない場合には,肺と副鼻腔の CT 検査を考慮する。この場合,主に酵母を標的としたフルコナゾールの予防投与中の場合は preemptive therapy(早期治療)もしくは経験的な抗真菌薬治療を行う。一方,糸状菌を標的とした抗真菌薬を投与中の場合は,他の抗真菌薬による経験的治療を開始する。

病原体が確定している場合にはそれにあわせて治療を変更するが,臨床的に不安定である場合や感染兆候の悪化がみられる場合は再度原因検索を行い,抗菌薬のスペクトラム・用量の再検討,経験的な抗真菌薬の追加,さらに広域の抗菌薬投与を考慮する。

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深在性真菌症の治療は何か

▪背 景年代によって変遷はあるが,化学療法中に発生する深在性真菌症の原因の多くが,内

在性真菌であるカンジダ属と外来性真菌であるアスペルギルス属とで占められている状況に変わりはない。カンジダ属ではいわゆる non−albicans Candida の比率が高まっていることも念頭に,治療薬の選択を行うことが必要になってきている。

血液培養あるいは病巣由来の無菌的検体から真菌が検出されれば European Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)診断基準における確定診断例(proven)となる。しかし,好中球減少時の小児において通常生検は困難であり,気管支鏡や肺胞洗浄などの侵襲的検査も躊躇されることが多く,成人の診断基準をそのままあてはめることは難しい。通常は抗菌薬不応性発熱をもって真菌感染症を疑うところから始まり,2 大原因真菌である,カンジダ,アスペルギルスそれぞれに特有な臨床所見を参考に菌学的検査も同時に進めていく。臨床所見,菌学的所見の両方とも満たすものは推定診断例(probable)として,確定診断例に準じて治療が行われる。臨床所見のみで菌学的所見を満たさないものが可能性例(possible)となる。接合菌はアスペルギルスに比して頻度は低いが,画像所見からは鑑別困難であり,特にアスペルギルス様の画像所見陽性でβ−D−グルカン(β−DG),ガラクトマンナン抗原(GM)ともに陰性の場合には否定できないものとして考慮することが必要である。

真菌感染症可能性例(possible)に対しては経験的治療を行う。

  推奨グレード:A

推奨1

▪解 説通常,好中球減少時には真菌感染より細菌感染が先行するので,FN に際しては,ま

ず抗菌薬投与が開始されるのが一般的である。真菌感染症の可能性例と判断された場合の治療は,原因真菌未確定,状況によっては

真菌感染症かどうかも不明なまま開始,あるいは予防投薬からの薬剤変更が行われるため,経験的治療24)とよばれる。特に,抗菌薬不応性発熱のみの場合には耐性細菌,ウイルス感染,腫瘍熱など,真菌感染症以外の原因も考慮が必要であり,実際に抗真菌薬の恩恵を受ける割合は 10%未満であるとする報告もある 25)。宿主因子,臨床症状,先行抗真菌薬を参考に,血清診断,遺伝子診断,画像診断に陽性所見があればそれも考慮して治療薬を選択する。

カンジダの可能性が高いと考えられる場合は,ミカファンギン(MCFG),フルコナ

3CQ

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支持療法

CQ3 * 103

ゾール(FLCZ)あるいはホスフルコナゾール(F−FLCZ),ボリコナゾール(VRCZ),アムホテリシン B リポソーム製剤(L−AMB),イトラコナゾール(ITCZ)より選択する。アスペルギルスの可能性が高い場合は,L−AMB,MCFG,ITCZ,VRCZ が使用される。アスペルギルス様の画像所見陽性でβ−DG,GM ともに陰性の場合など,接合菌が否定できない場合には L−AMB でスタートすべきであろう。

合併している好中球減少に対して G−CSF の使用も考慮される。すでに使用されている抗真菌薬を変更する場合には,系統(すなわち作用機序)の異なる薬剤を選択すべきである。なお,VRCZ は小児では成人よりも増量する必要性が指摘されており26)(海外の添付文書にみられる小児への投与量として,7 mg/kg を 1 日 2 回との記載あり),血中濃度のモニタリングが重要である27)。

真菌感染症推定診断例(probable)あるいは確定診断例(proven)に対しては標的治療を

行う。

  推奨グレード:A

推奨2

▪解 説侵襲性カンジダ症,カンジダ血症には第一選択として MCFG,L−AMB が推奨され

る28)。最近使用されていない場合には,FLCZ(F−FLCZ),VRCZ,ITCZ などのトリアゾール系薬剤の使用も考慮される。最近は,non−albicans Candida の比率が高まっており,特に C.krusei,C.glabrata は FLCZ あるいは F−FLCZ,ITCZ に抵抗性を示す場合が多いことを念頭におく必要がある。

侵襲性アスペルギルス症に対しては VRCZ が第一選択として推奨され,第二選択として L−AMB,代替薬として ITCZ,MCFG があげられている29−31)。抗真菌薬併用療法の有用性に関してはエビデンスの高い報告はまだ存在しない。単剤治療で改善しない場合には,真菌感染症以外の可能性を踏まえつつ,作用機序の異なる薬剤を組み合わせた併用療法(VRCZ+MCFG,L−AMB+MCFG など)が考慮される32,33)。

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ウイルス感染症の標準的治療は何か

▪背 景小児悪性腫瘍患者は,基礎疾患および集中的な化学療法によって二次性免疫不全の状

態であり,ウイルス感染に対する細胞性免疫能,液性免疫能の反応の低下を来している。化学療法中のウイルス感染症は,多くがこのような二次性免疫不全を背景にした潜在するウイルスの再活性化であるが,一部では医療関係者や面会者からのウイルスの伝播による院内感染もみられる。通常,健康人であれば,軽症あるいは無症状で経過するウイルス感染が,非定形な経過をとる場合や重症化することも少なくなく,それが適切な診断・治療の遅れにつながることもある。化学療法中に問題となるウイルス感染として単純ヘルペス,水痘・帯状疱疹ウイルス,サイトメガロウイルス感染症があげられる。

HSV感染症の粘膜病変や臓器病変にはアシクロビルの静注が推奨される。

  推奨グレード:A

推奨1

▪解 説悪性腫瘍治療中の単純ヘルペスウイルス感染症(HSV)は,一部には初感染のケー

スもあるが,多くは化学療法中の二次性免疫不全状態に伴う再活性化で発症する。SCT 患者では重症の歯肉口内炎,さらに肺炎,肝炎,脳炎などの合併症を来すことが知られているが,急性白血病の寛解導入などの際にも HSV の再活性化はしばしば経験される34)。

大部分は口腔内の粘膜病変であるが,稀に HSV による重篤な臓器病変を来した報告もある35)。治療としてのアシクロビルの静注(5 mg/kg または 250 mg/m2 を 8 時間毎に 1 日 3 回,7 日から 10 日間投与)の有効性は確立しており36),さらに肺炎,髄膜脳炎などの臓器病変を合併しているときはアシクロビルの倍量投与(10 mg/kg または500 mg/m2 を 8 時間毎に 1 日 3 回 14 日から 21 日間投与)が推奨される。重篤な臓器病変がなく,口腔粘膜病変が軽度の場合には,成人ではアシクロビル(200 mg〜400 mg を 1 日 5 回,10 日間)またはバラシクロビル(500 mg を 1 日 2 回,10 日間)の経口投与も考慮される。

4CQ

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支持療法

CQ4 * 105

① 白血病などの化学療法中の患者に水痘様発疹が出現したときには,直ちにアシクロビルの

静注を開始する。

  推奨グレード:A

②化学療法中の未罹患の患者がVZVに曝露されたときには,アシクロビルの予防投与を行う。

  推奨グレード:A

③患者が水痘を発症したときには,空気感染予防のための陰圧室で管理する。

  推奨グレード:A

推奨2

▪解説①水痘に未罹患の患者が化学療法中に水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に曝露された

ときは,高率に重症化し,致命的になることが報告されている 37)。また,免疫不全状態では非定形な経過(水痘疹の出現が少数または無い状態で,強い腹痛や背部痛で発症)をとる場合があることも報告され,診断・治療開始の遅れにつながっている。ALL の治療中に水痘を発症した症例を検討した報告では,寛解導入中以外でも,全身の合成ステロイド薬の投与中または投与後 3 週以内では重症化率が高かったことが述べられている37)。

一方,血清学的に VZV 抗体陽性の患者も,化学療法で細胞性免疫が低下した時には,VZV の再活性化,すなわち帯状疱疹をしばしば合併する。この場合も,強い免疫抑制状態下では,水疱が帯状疱疹の病変部だけでなく,全身に広がる播種性帯状疱疹を発症することがある28)。VZV の初感染(水痘),帯状疱疹いずれの場合でも,初期治療としてアシクロビル(10 mg/kg または 500 mg/m2 の 8 時間毎,1 日 3 回投与)が推奨され,投与期間は 7 日以上で,かつすべての発疹が痂皮化した後 2 日まで行う39,40)。限局した帯状疱疹症例に対する経口のアシクロビルまたはバラシクロビルの投与については,成人では検討されているが,小児での報告は少ない。

▪解説②水 痘 の 曝 露 後 の 予 防 法 と し て は, 欧 米 で は varicella−zoster immune globulin

(VZIG:水痘・帯状疱疹免疫グロブリン)が推奨され,その有効性は確立しているが,本邦では入手は不可能であり,使用できない。VZV に曝露後 7〜9 日目にアシクロビル40〜80 mg/kg/日の投与を 7 日間行うことにより,水痘の発症率の低下,重症化の予防に有効といわれている41)。

▪解説③水痘は,結核,麻疹と同様に空気感染で伝播する感染症であり,化学療法中の患者が

水痘や播種性帯状疱疹を発症したときには慎重な対応が求められる。通常の個室管理で

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は,ドアからあるいは同じ中央配管の空調を伝って感染が伝播する可能性がある。さらに,好中球減少患者や SCT 後の患者は,アスペルギルスなどの感染予防のためにHEPA フィルターを装着して室内を陽圧に維持するが,患者自身が水痘などを発症したときには,この病室環境では,水痘で汚染された空気がさらに病棟内に広がる恐れがある。このため,化学療法中の患者で水痘,播種性帯状疱疹が発生したときには,各施設の感染対策チーム(ICT)と緊密な連絡を取り,感染の拡大を阻止する必要がある。

CDC ガイドラインでは,空気感染の予防としては,室内を陰圧にした空気感染隔離病室で管理することが推奨されている。このガイドラインでは,患者が免疫不全状態で,室内に HEPA フィルターを設置する必要がある場合には,患者個室に前室を設置し,空気の供給口を設けて前室を廊下側にも病室側にも陽圧にするか,逆に前室に排気口を設けて前室を廊下側にも病室側にも陰圧にして病室の空気が廊下に漏れないようにすることが推奨されている。このような病室の設置が困難な場合には,ICT と連絡のうえ,免疫不全者など感染の高リスク例から離れて空調の異なる区域の個室に HEPAフィルターを設置するなどの対応をして,患者の治療にあたる。

① SCT以外の小児の悪性腫瘍患者の化学療法において,CMV抗原の定期的なモニタリング

は推奨されない。

  推奨グレード:C

② 化学療法中にCMV感染症を発症したときの第一選択薬としては,ガンシクロビルの静注

が推奨される。

  推奨グレード:A

推奨3

▪解 説同種 SCT の患者では,造血回復後に定期的にサイトメガロウイルス(CMV)抗原陽

性多形核白血球の検出(CMV 抗原血症法)を行って再活性化をモニタリングする。陽性化すれば臨床症状を確認し,症状を認めれば CMV 感染症と診断して早急にガンシクロビルの投与を開始する治療的投与が,また臨床所見を認めなくても CMV 抗原が一定基準以上になればガンシクロビルを投与する preemptive therapy(早期治療)が行われる。小児の造血器腫瘍の化学療法でも T−リンパ球の抑制によって CMV の再活性化が起こり42),腸炎や網膜炎,間質性肺炎を合併することはあるが,合併症発症の頻度は低く,定期的なウイルス抗原のモニタリングは推奨されない。

CMV 感染症を発症したときには,ガンシクロビルの静注の導入(5 mg/kg を 12 時間毎に点滴静注)が推奨される43,44)。導入量の投与期間について検討した報告は少ないが,通常 3〜4 週間投与され,その後 4 週間の維持療法(5 mg/kg を 1 日 1 回)を行うことが多い。間質性肺炎では,抗ウイルス薬治療に免疫グロブリンを併用することがしばしば行われるが,免疫グロブリンの有効性について明確なエビデンスは少ない。

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支持療法

CQ5 * 107

赤血球輸血の適応と輸血量の目安は何か

▪背 景赤血球輸血の目的は,末梢循環系へ十分な酸素を供給し,貧血による症状がでない程

度にヘモグロビン(Hb)値を維持することである。この目的を達成するために輸血に踏み切る Hb 値(輸血トリガー値)や,維持すべき Hb 値は患者の状態,医療の内容により異なり必ずしも定まっていない。さらに,小児期は年齢に応じた生理的変化を考慮し,安全かつ適正な輸血を行う必要がある。

貧血の症状や心肺所見に十分注意をしながらHb7 g/dL を輸血実施の目安にする。

  推奨グレード:B

推奨1

▪解 説2005 年に改訂された「血液製剤の使用指針」(2009 年 2 月一部改訂)では,Hb 7 g/

dL を輸血を行うことの一つの目安としている。赤血球輸血に対して同指針では未熟児の早期貧血に対する輸血の指針は示しているが,小児一般に対する指針は示していない。本邦の小児輸血療法研究会はこの指針を支持している45)。また,同指針は SCT 後であっても輸血を行う Hb 値の目安としてやはり Hb 7 g/dL を維持するようにとしてい る。4 カ 月 以 上 の 小 児 に 対 す る 赤 血 球 輸 血 の 米 国 血 液 銀 行 協 会(American Association of Blood Banks ; AABB)ガイドラインでは,貧血症状があり Hb 7 g/dL未満のときに輸血を実施するとしている。

化学療法時の赤血球輸血量についてのランダム化比較試験はみあたらないが,欧州各国における小児がん患者に対する貧血の治療を比較したデータでは,輸血トリガーのHb 値は英国では 8 g/dL,スペインとフランスでは 7 g/dL,ドイツでは 6 g/dL,オランダ,イタリア,ベルギーでは施設により 5.5〜8 g/dL であった46)。外傷,急性上部消化管出血,心臓手術などさまざまな疾患を対象とした(悪性疾患は含まない)赤血球輸血トリガー値に対するランダム化比較試験のメタアナリシスでは,厳しい基準と緩徐な基準を比較しても短期における死亡率に差はみられなかったとの報告がある47)。

輸血を行う基準は Hb 値だけでなく,全身状態,症状の有無,貧血の進行度,疾患や病態,活動状況,合併症の有無などにより異なり,数値だけで一律に決めることは困難である。貧血による症状,心肺疾患などがある場合は輸血トリガー値を上げる必要がある。悪性腫瘍治療における赤血球輸血の必要性に,小児と成人で差異があるというエビデンスはないが,「血液製剤の使用指針」45)と同じく,貧血の症状や心肺所見に十分注意をしながら Hb 7 g/dL を輸血実施の目安にすることを推奨する。

5CQ

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108* 支持療法

1回 10mL/kg の赤血球濃厚液を2〜6時間かけて輸血する。

  推奨グレード:B

推奨2

▪解 説慢性貧血で輸血後の Hb 値を 10 g/dL 以上にする必要はない。輸血量は循環血液量と

輸血 Hb 量(2 単位製剤の Hb 量は約 56g)から計算する。10 mL/kg の赤血球濃厚液を2〜6 時間かけて輸血すると,Hb 3 g/dL の上昇が予想される。高度の貧血の場合は,循環血漿量の増加や心負担を考慮して,利尿薬の併用や 1 回輸血量を減量する。一度に大量の輸血をすることは危険である(輸血関連循環過負荷:TACO)。赤血球濃厚液は開封後 6 時間以内に投与終了する。

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支持療法

CQ6 * 109

血小板輸血の適応と輸血量の目安は何か

急性白血病の安定した状態(発熱や重症感染症を合併していない状態)では,血小板数1万/μL

以上を保つように血小板輸血を行う。寛解導入治療は血小板数1〜2万/μL以上を維持する

ように計画的に輸血を行う。

  推奨グレード:B

推奨1

▪解 説血小板の輸血は,血小板成分を補充することにより止血をはかり,あるいは出血を防

止することが目的である。血小板輸血にあたっては,血小板数は目安ではあるが,すべての症例に合致するものではなく,状況に応じた対応が必要である。

急性白血病・悪性リンパ腫などの寛解導入治療においては,急速に血小板数が低下してくるので,定期的に血小板数を測定し,血小板数が 1〜2 万/μL 未満に低下してきた場合に,血小板数 1〜2 万/μL を維持するように計画的に輸血を行う。全身状態が安定していれば,血小板数 5,000/μL 以下になっても出血はしないとされている。急性白血病の寛解導入治療時や,白血病以外の悪性腫瘍の治療時にはさまざまな合併症により血小板減少が急激に現れることがある。したがって現在は,治療中の血小板輸血は通常予防的投与が行われている。

1990 年代の後半に行われた血小板輸血トリガー値を 1 万/μL にするか 2 万/μL にするかというランダム化比較試験(前方視的ランダム化比較試験)では,発熱や出血がなければ,WHO 分類の grade 3 以上の出血の頻度に差がないことや,1 万/μL のほうが血小板輸血の回数が少なく,輸血単位数が少ないことが示された48−50)。他にも,発熱や出血がなければトリガー値は 5,000/μL でよいという報告もある51)。本邦では,1994 年に発表された血液製剤の使用基準において急性白血病の寛解導入に関わる予防的血小板輸血のトリガー値は 2 万/μL とされたが,2005 年に通達された血液製剤の使用基準では血小板数は 1〜2 万/μL 以上に維持するようにとされている。急性白血病の寛解導入時の血小板輸血トリガー値に関しては,最近本邦からは 1994〜1999 年までの入院患者と 2000〜2006 年までの入院患者の比較検討の結果より,血小板数 1〜2 万/μL を支持する報告も出されている52)。小児輸血療法研究会では,急性白血病,固形腫瘍,SCT時の血小板減少に対する血小板輸血トリガー値は全身状態良好な場合は 1 万/μL を推奨している53)。

髄液検査時の血小板減少状態は危険である。英国の BCSH(British Committee for Standards in Haematology) は 血 小 板 数 5 万/μL 以 上, 米 国 の ASCO(American society of Clinical Oncology)は 2 万/μL 以上を推奨している。小児の場合,原則とし

6CQ

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110* 支持療法

て 5 万/μL 以上が望ましい。また骨髄検査では,局所の圧迫が大切で血小板数は少なくても施行可能とされている。

以下の計算式をもって,血小板輸血を行う。

血小板輸血直後の予測血小板増加数=輸血血小板総数/循環血液量(mL)×103×2/3

  推奨グレード:B

推奨2

▪解 説計算式の係数 2/3 は,脾機能,感染症,同種抗体などにより変化する。患者の状態に

より輸血量を加減する。輸血後の血小板増加が予想を大きく下回る際は,輸血直後の血小板数を検査して CCI(Corrected Count Increments)を計算し,同種抗血小板抗体の関与について評価する。

CCI(/μL)=輸血血小板増加数(/μL)×体表面積(m3)/輸血血小板数(×1011)

合併症のない場合には,血小板輸血約 1 時間後の CCI は,少なくとも 7,500/μL 以上である。また,24 時間後の CCI は通常≧4,500/μL である。

通常,10 単位の血小板濃厚液は 2×1011 個以上の血小板を含有する。小児の循環血液量は 80 mL/kg として計算する。1 回投与量は,原則として上記計算式によるが,通常は 5 単位または 10 単位製剤が使用される。体重 25 kg 以下の小児に 10 単位製剤を輸血する場合には,用量負荷,低カルシウム血症に考慮し,投与量,投与スピードを適正化する。

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支持療法

CQ7 * 111

L−アスパラギナーゼ投与時の凝固線溶系異常にどのように対応するか

▪背 景L−アスパラギナーゼ(L−ASP)はアスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに分

解する酵素である。L−ASP 投与により細胞外のアスパラギンが枯渇すると,アスパラギン合成酵素をもたない腫瘍細胞では,細胞周期が停止しアポトーシスに至る。正常細胞はアスパラギン合成酵素を有するため障害を受けない。しかし,L−ASP は凝固線溶系のタンパク減少を引き起こし,血栓症や出血が副作用として認められる54)。

L−ASP によって,フィブリノゲン,プラスミノゲン,アンチトロンビン(AT),プロテイン C,プロテイン S,凝固第Ⅴ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ,Ⅺ因子などが減少することが知られている55)。その減少の程度はアスパラギン枯渇の程度に比例し56),肝臓でのタンパク合成阻害がその原因である57)。L−ASP の投薬が終了したあと,フィブリノゲンや第Ⅶ因子などの凝固因子の回復が,AT などの抗凝固因子よりも早く起こるために,血栓症のほうが出血よりも多く発生するとされる58)。

小児 ALL での血栓症の発生頻度については,2006 年に Caruso らが 17 の臨床研究の1,752 症例に関するメタアナリシスを報告した59)。血栓症の発生頻度は 5.2%(CNS が2.9%,その他が 2.3%)であった。動脈血栓症の報告はなく,CNS 以外はほとんどが中心静脈カテーテル留置側の上肢の血栓であった。出血については,一部の研究でしか報告されていないものの 2%程度であった。画像診断で前方視的に血栓形成を検討した研究では 37%で血栓形成が認められたが,症候性のものは 5%であった60,61)。L−ASP 投与量の多い Dana−Faber Cancer Institute(DFCI)のプロトコールでは,11%に症候性の血栓を認めている62)。前述のメタアナリシスでは,寛解導入治療,少量の L−ASP の長期間投与,中心静脈カテーテルの留置,先天性血栓性素因が,血栓症のリスク因子であった59)。中心静脈カテーテルは左側留置,経皮的挿入でリスクが高い 61,62)。先天性血栓性素因については他の報告でもリスク因子とされ63),また,併用する合成ステロイド薬がデキサメタゾンよりもプレドニゾロンでリスクが高い64)ことが報告されている。

L−アスパラギナーゼの長期反復投与時には,アンチトロンビンの補充を考慮する。

  推奨グレード:B

推奨

▪解 説小児 ALL での AT の補充については,その意義をランダム化比較試験で証明しよう

とした PARKAA study がある。この研究では,全症例で画像診断を行い,無症候性の血栓が多く見出されている。血栓の発生率は AT 投与群 28%,非投与群 37%であり,

7CQ

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112* 支持療法

安全性と効果が示唆されたが有意差はなかった65)。AT 単独補充と AT と低分子ヘパリンの併用を比較した研究では,併用群で有意に血栓症が減少したと報告されている66)。AT 補充は測定値にかかわらず行う,50〜60%をトリガー値として行うなどの方法がある。血栓症予防としての AT 補充の対象群として定まったものはないが,L−ASP が長期反復投与される寛解導入治療などでは,血栓症の頻度が高いので考慮する必要がある。

L−ASP 投与に伴う凝固線溶系異常の補正に新鮮凍結血漿(FFP)を用いる試みは以前から行われ,「血液製剤の使用指針」でも FFP の使用目的の一つにあげられている。しかし,FFP 投与後にフィブリノゲンや AT を測定した研究では十分な増加効果がみられていない67)。同一の ALL 治療に際し,フィブリノゲンと AT の測定値に基づきFFP またはクリオプレシピテートの投与を行った群と行わない群の比較では,非投与群で CNS の血栓症を 1.5%で認めたのに対し,投与群では 0%であったが有意差はなく,両群とも出血例はなかった68)。フィブリノゲン低下による出血の予防を目的とした FFP 補充には意義がないと考えられる。

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支持療法

CQ8 * 113

腫瘍崩壊症候群の標準的治療は何か

▪背 景腫瘍崩壊症候群(TLS)とは,体内腫瘍量の多い薬剤感受性のある腫瘍において,初

診時あるいは治療開始時に腫瘍細胞の崩壊が原因となって生じるさまざまな代謝性有害事象の総称である69)。TLS では,腫瘍細胞の崩壊とともに細胞内に含まれる核酸,リンが細胞外液に放出され,それらの代謝産物が腎から排泄される際に尿酸やリン酸カルシウムが腎尿細管に結晶を形成し,腎不全を引き起こす可能性がある。カリウムも同時に細胞内液から細胞外液に放出され高カリウム血症を来す。

TLS の発症リスクは原疾患とその状態により規定され,表 1 に示すようなリスク分類がなされる。TLS に対する対処で最も重要なのは,すでに存在する TLS 症状の治療と今後発症しうる TLS 症状の予防を同時に考慮して行うことであり,高リスク例の治療開始にあたっては,腎不全発症の可能性を考慮して血液浄化療法施行可能な施設で治療を開始することが望ましい。また,治療の基本は十分な輸液を行うことであるが,すでに腎不全を発症している際には輸液量の調整が必要であり,血液浄化療法による介入を考慮する。

表1 腫瘍崩壊症候群のリスク分類   高リスク 中間リスク 低リスク

非ホジキンリンパ腫(NHL) バーキットリンパ腫,リンパ芽球性リンパ腫,B−ALL

DLBCL, ALCL

急性リンパ性白血病(ALL) WBC≧10 万 WBC 5〜10 万 WBC 5 万未満急性骨髄性白血病(AML) WBC≧5 万,単球性 WBC 1〜5 万 WBC 1 万未満

DLBCL:びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫,B−ALL:成熟 B 細胞性 ALL,ALCL:未分化大細胞型リンパ腫 〔Pui CH, et al : J Clin Oncol 19 : 697-704, 2001 69)より引用改変〕

TLS高リスク症例に対しては十分な補液とラスブリカーゼ製剤を投与する。

  推奨グレード:A

推奨1

▪解 説ラスブリカーゼ製剤は尿酸を直接分解する酵素製剤で,本邦でも 2010 年から使用可

能となった。TLS 高リスク症例に対しては,カリウムを含まない 2,000〜3,000 mL/m2

の十分な輸液を行ったうえで尿量を確保し,ラスブリカーゼ製剤(0.2 mg/kg,1 日 1回,最大 7 日間まで)の投与を行う69,70)。この場合,輸液による尿のアルカリ化および

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114* 支持療法

アロプリノール投与は不要である。ラスブリカーゼ製剤投与開始後,4〜24 時間以内に化学療法を開始する。ただし,ラスブリカーゼ製剤の使用が禁忌にあたる場合は,十分な輸液と,アロプリノールの投与(10 mg/kg/日,経口,分 3)を併用する。アルカリ化を行う場合は,尿 pH が 7.5 を超えるとヒポキサンチン結晶を生じ,8.0 を超えるとリン酸カルシウム結石を生じやすくなるので,尿の pH は 7〜7.5 を目標とする。

TLS中間リスク例に対しては十分な補液とアロプリノール製剤を投与する。

  推奨グレード:B

推奨2

▪解 説TLS 中間リスク例に対しては,カリウムを含まない 2,000〜3,000 mL/m2 の十分な輸

液を行ったうえで尿量を確保し,アロプリノールの投与を化学療法開始 12 時間以上前から行う71)。この場合,従来重曹を含む輸液(8.4%炭酸水素ナトリウム 20〜40 mL/ 補液 500 mL)によるアルカリ化が行われてきたが,最近のガイドラインでは代謝性アシドーシスを呈している場合を除いてアルカリ化は推奨されていない。ただし,TLS 中間リスク例に対しても,すでに高尿酸血症※が存在している場合,あるいは治療中に高尿酸血症を発症した場合にはラスブリカーゼ製剤の投与を行う。

※高尿酸血症の定義は以下の通りである。

12 歳以下 6.5 mg/dL 以上

13 歳以上 7.5 mg/dL 以上

TLS低リスク例に対しては十分な輸液を行い,経過観察する。

  推奨グレード:B

推奨3

高カリウム血症に対しては経口的・経静脈的カリウム摂取を制限する。

  推奨グレード:C

推奨4

▪解 説血清カリウム値が 7〜7.5 mEq/L に達する場合や心電図上で QRS 波の増大がみられ

る場合は,次に述べるような緊急の処置を要する。以下,即効性のある順に高カリウム血症の対処法を列挙する。

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支持療法

CQ8 * 115

① グルコン酸カルシウム(0.1〜1.0 mL/kg):緊急時に使用。ゆっくり(3〜5 分)と心電図モニターを見ながら投与する。最も即効性があり,効果は 1〜2 時間持続する。細胞外のカルシウム濃度を上昇させ,細胞膜の閾値電位を低下させる。高リン血症の際にはカルシウム製剤を使用すると結石が生じる可能性があるので注意して使用する。

② GI 療法:20%ブドウ糖液 50 mL+レギュラー(即効型)インスリン 2 単位を 2.5 mL/kg/hr で点滴静注。効果の出現は 30 分,血清カリウム濃度を 1〜2 mEq/L 減少させ,効果は数時間持続する。細胞内へカリウムを移動させる。

③ 8.4%炭酸水素ナトリウム(1〜2 mL/kg):アルカリ化により細胞外液中のカリウムを細胞内にシフトする。効果は 15 分以内に出現し,その効果は 1〜2 時間持続する。

④フロセミド投与(0.5〜1 mg/kg):静注⑤ ケイキサレート(0.5〜1 g/kg):ケイキサレート 1 g につき 2〜5 mL の蒸留水に懸濁

し注腸(30〜60 分放置)または経口投与する。

高リン血症に対しては経静脈的リン摂取を制限し,必要に応じて血液浄化療法を行う。低カ

ルシウム血症に対しては無症候性であれば経過観察とし,症候性の場合は必要に応じてグル

コン酸カルシウムを心電図の波形に注意しながら緩徐に静注する。

  推奨グレード:C

推奨5

▪解 説高リン血症,低カルシウム血症が続くと,尿路結石や胆石が生じやすくなる。まず,

輸液と利尿薬投与で尿中リン排泄を促進する。尿の pH が 8.0 以上になるとリン酸カルシウムが析出してくるので,尿の過度のアルカリ化を避け尿 pH を 7.0 以上 7.5 以下に保つことが必要である。高リン血症が持続する場合は血液浄化療法を考慮する72,73)。また,水酸化アルミニウム 100〜150 mg/日(分 3)を内服させ,腸管からの吸収を抑える。高リン血症に伴う低カルシウム血症をカルシウム製剤で補正すると結石が生じる可能性があるので原則禁忌であるが,テタニー症状が著明な際は上記①のようにグルコン酸カルシウムの静注を行う。

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