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Nano DSC Nano DSCオートサンプラーシステム Nano DSC Quick manual -原理と操作- Nano DSC

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Nano DSC Nano DSCオートサンプラーシステム

Nano DSC Quick manual-原理と操作-

Nano DSC

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Nano DSC概略図

圧力温度

ヒートフロー

ソフトウェア – ファームウェアコントロール

Nano DSC によって何がわかるか?

熱容量変化( ΔCp ):変性前後のベースラインのシフトから熱容量変化を測定。(ΔCp ; covalent structure and hydration) 主に疎水グループの露出の影響。 ΔCp は正の値。 (Note: 1 W = 1 J/sec. J/sec ÷K/sec = J/K. たんぱく質濃度で補正= ΔCp)

エンタルピー(ΔH):変性ピーク化の領域は変性反応のΔHを表します。水素結合の切断や疎水結合の崩壊によっておこります

熱変性の中間点 (T m ):半数の分子が変性している温度。分子の安定性を示しています。

DSCはTm、ΔCp そしてΔHを直接測定できる唯一の方法です。それらの値は間接的な(計算による)ほかの方法に比べてより精度が高いものです。

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実際の測定(サンプル調製 & 測定・解析)

Nano DSC仕様

短期ノイズレベル 0.015 μW

ベースライン再現性 0.028 μW

運転温度範囲 -10 ~130˚C optionally ~160˚C

圧力摂動(PPC) 6気圧

スキャンレート 0.05~2˚C/分

セル容量 0.3 ml

セル材質 プラチナあるいは金

応答時間 5秒

セル配置 固定、連続キャピラリー、円筒

熱測定タイプ 断熱型入力補償

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どのくらいの蛋白質が必要か?

条件がよければ数μgでもきちんと検出→一般的には0.1~数mg/mL

(Phos: phosphate. Values from H. Fukada and K. Takahashi (1987), Laboratory of BiophysicalChemistry, College of Agriculture, Sakai, Osaka, Japan.)

DSCにおける緩衝液の選択

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Ⅰ. サンプルの濃度調整測定シグナルは濃度が濃いほどS/N比がよくなるのでモル熱容量変換をした際のデータがきれ

いになります。しかしながら濃度が濃くなると凝集が起きやすくなり、また相転移速度に影響を与えやすくなります。その為、一般的に推奨される濃度としては0.1~数mg/mL程度で、測定前に濃度調整をすることが望まれます。サンプルの必要量としては単体機では0.6~0.7mL程度、オートサンプラーシステムでは0.9~1.0mL程度になります。

Ⅱ. バッファーの選択使用バッファーは温度変化によってpHが変化しない(pKaが一定である)バッファーが望まれます。

推奨バッファーとしてリン酸バッファー、酢酸バッファー、グリシンバッファーが理想的です。グリセロールなどの添加によりバッファーの粘度が高くなるとベースラインの傾きは大きくなる傾向があります。NaClやEDTAなどのキレート剤の添加によりベースラインが屈曲することがあります。ただし

上記の添加物が入ってもベースライン再現性は損なわれないので問題ありません。界面活性剤はミセル形成する場合があり、その相転移が観察される場合があります。またMg2+イオンはベースライン再現性が悪くなる場合があります。

Ⅲ. 還元剤還元剤の添加はベースラインに大きなドリフトを与えるので、基本的に使用は不適です。

Ⅳ. 凝集試験実験を行う際は事前に目視、もしくは分光計を用いて反応による凝集の有無の確認を推奨します。

サンプル調製条件

サンプルの測定前処理

電源コネクタ

電源スイッチ

クリーニングポート

ポンプ排気ポート

• サンプル前調製のための脱気装置• サンプルセルの簡便な洗浄にも使用

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Nano DSC オートサンプラーシステム

実効セル容量: 300 μL

必要サンプル容量:• 1.0 mL with A/S• 0.65 mL without A/S

Interface取り外し

•オートサンプラーインターフェースは簡単に脱着可能

Nano DSCNano DSC A/S

1. ふたを外す

2. セル接続チューブにピペッターとスペアチップを添える

3. セルからあふれるまで溶液をゆっくり入れる

4. 泡の除去のために溶液

をピペッティングで前後に動かす

5. ピペットとスペアチップを

除きながら完全にセルに充填する

6. ビニルキャップをする

7. ふたを閉める

Sample Loading

シリコンチューブとピペットチップ

Sample loading

ビニルキャップの取り付け

Reference side

Sample side

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Nano DSC データ収集ソフト (DSCRun)

強力なDSCユーザインターフェース 柔軟な操作パラメータ設定 ■ ユーザーが自由に設定できるスキャン速度

熱測定グラフデータのリアルタイムモニタ機能 ■ 柔軟なズームイン・アウト機能

オートサンプラーの96穴プレート用の簡単なプログラム機構

(Nano DSC) (Nano DSC A/S)

Program Procedure

"Setup"タブ

ExperimentSetupテーブル

"Add”ボタン

プログラム・ステップ・リストテーブル

④“Pressure/Vacume”ボタン

⑤“Start/Stop”ボタン

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Auto Sampler Method

“Start/Stop”ボタン

"Setup"タブ①

使用Well選択

"Add”ボタン

Information入力

Nano DSC Cleaning

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Nano DSC データ解析ソフト (NanoAnalyze)

柔軟なDSCデータフィッティングモデルTwo State

Two State Scaled

General

統計処理 (Tm, ∆H)ユーザ選択によるフィッティング

信頼区間計算

フィッティング結果のグラフ表示

結果の統計処理 (Tm, ∆H)

柔軟なグラフ重ね合わせ機能複数のグラフをディスプレイ表示

ユーザ選択による様々な出力フォーマット

NanoAnalyze による解析の流れ

専用に設計された解析ソフトを使うことで、簡単にデータを解析できます。

MHC Conversion

Integration Baseline

Modeling

Figure 作成