調布市文化財指定理由説明書

一

〇

．

形

状

・

材

質

九

．

書

八

．

撰

文

七

．

造

立

者

六

．

造

立

年

代

五

．

管

理

者

四

．

所

在

地

三

．

所

有

者

二

．指

定

の

種

別

一

．

名

称

【

形

状

】

柱

状

【

法

量

】

・

碑

身

高

さ

一

七

二

㎝

表

幅

九

二

㎝

側

幅

八

二

㎝

・

基

壇

（

上

）

高

さ

二

八

㎝

表

幅

一

一

六

㎝

側

幅

一

〇

〇

㎝

・

基

壇

（

下

）

高

さ

八

㎝

表

幅

一

六

四

㎝

側

幅

一

三

二

㎝

【

材

質

】

安

山

岩

（

真

鶴

石

）

浮

岳

山

主

堯

徧

温

井

義

邦

佐

須

村

氏

子

者

文

政

一

一

年

（

一

八

二

八

）

冬

至

虎

狛

神

社

氏

子

総

代

調

布

市

佐

須

町

一

丁

目

一

四

番

地

三

宗

教

法

人

虎

狛

神

社

有

形

文

化

財

（

歴

史

資

料

） 虎

狛

神

社

之

碑

（

員

数

一

基

）

一

〇

．

形

状

・

材

質

【

実

測

図

】

単

位

㎝

一

一

．

拓

本

[正 面 (碑 陽 ) ] [側 面 (碑 左 側 ) ] [側 面 (碑 右 側 ) ] [背 面 (碑 陰 ) ]

一

二

．

碑

文

「

碑

文

」

碑

文

は

、正

面（

碑

陽

）に

一

行

二

三

字

で

一

一

行

、側

面（

碑

左

側

）に

一

行

二

三

字

で

六

行

で

刻

ま

れ

る

。

【

正

面

（

碑

陽

）】

狛

江

郷

佐

須

邨

虎

狛

神

社

之

碑

太

古

邈

矣

未

聞

神

祠

攸

肇

粤

稽

古

書

武

藏

國

風

土

記

載

多

摩

郡

狛

江

郷

虎

狛

神

社

圭

田

七

十

三

束

所

祭

神

則

大

歳

御 祖

神

也

崇

峻

天

皇

二

年

已(

己)

酉

八

月

始

祭

事

有

之

云

延

喜

之

式

亦

載

此

社

号

也

夫

崇

峻

已(

己)

酉

距

於

今

文

政

戌(

戊)

子

一

千

二

百

四

十

年

也

延

喜

紀

元

既

埀(

垂)

千

年

而

其

祠

巍

然

猶

存

矣

其

郷

民

故

家

而

亦

存

矣

實

鎮

護

吾

郷

靈

社

也

豈

不

感

戴

尊

敬

乎

哉

或

曰

風

土

記

亡

已

久

矣

今

所

傳

者

非

其

舊

其

書

體

裁

大

異

于

出

雲

豊

後

等

之

風

土

記

此

其

所

以

不

能

無

疑

也

雖

然

記

裁

簡

古

決

非

近

世

所

偽

撰

者

假

令

使

其

偽

亦

豈

容

併

疑

其

所

載

神

祠

乎

况(

況)

復

式

之

全

然

存

乎

故

今

表

而

出

之

以

傳

後

世

也

【

側

面

（

碑

左

側

）】

按

狛

字

从

犬

為

是

狛

江

二

字

和

名

鈔

訓

古

乃

江

即

郷

名

也

从

木

為

非

柏

字

者

俗

間

通

用

字

是

以

誤

耳

距

於

茲

東

北

凢(

凡)

十

町

許

而

有

舊

墟

相

傳

狛

江

入

道

增

西

者

之

所

居

也

隍

跡

今

猶

存

矣

其

側

有

稲

荷

祠

土

人

稱

之

里

之

稲

荷

蓋

以

郷

里

國

訓

相

同

也

常

葉

居

翁

云

古

之

江

當

作

古

万

江

也

乃

與

万

字

形

相

似

又

寫

誤

而

巳

文

政

十

一

年

冬

至

之

日

温

井

義

邦

謹

撰

【

側

面

（

碑

右

側

）】

武

藏

國

多

摩

郡

狛

江

郷

佐

須

邨

氏

子

者

建

之

【

背

面

（

碑

陰)

）

浮

岳

山

主

尭

徧

書

多

摩

加

波

乃

多

衣

怒

流

乃

佐

止

乃

子

毛

壽

恵

長

加

連

止

禱

累

飛

止

壽

知

温

井

義

邦

幾

千

世

毛

年

安

加

禮

止

禱

留

可

那

以

垣

乃

松

乃

止

幾

ハ

加

幾

者

爾

桑

田

重

定

※

碑

文

の

誤

字

、

俗

字

は

（

）

内

に

正

字

を

記

し

た

。

「

書

き

下

し

文

」

【

正

面

（

碑

陽

）】

狛

江

郷

佐

須

邨(

村)

虎

狛

神

社

ノ

碑

太

古

ハ

邈はるか

ナ

リ

。

未

ダ

紳

祠

ノ

肇はじま

ル

攸ところ

ヲ

聞

カ

ズ

。

粤こ

こ

ニ

古

書

武

蔵

國

風

土

記

ニ

稽と

ど

メ

テ

、

多

摩

郡

狛

江

郷

虎

狛

神

社

ハ

圭け

い

田で

ん

七

十

三

束

、

祭

ル

所

ノ

神

則

チ

大

歳

お

お

と

し

御

祖

み

お

や

の

神か

み

ナ

リ

。

崇す

峻しゅん

天

皇

二

年

己き

酉ゆ

う

八

月

祭

事

ヲ

始

ム

ル

コ

ト

之

レ

有

リ

ト

載の

セ

リ

。

云

フ

延

喜

式

モ

亦ま

た

此

ノ

社

号

ヲ

載

ス

。

夫

レ

崇

峻

己

酉

ハ

今

ノ

文

政

戊

子

ぼ

し

ヲ

距へ

だ

ツ

コ

ト

一

千

二

百

四

十

年

。

延

喜

紀

元

ヨ

リ

既

ニ

千

年

ニ

垂なんなん

ト

ス

、

而

レ

ド

モ

其

ノ

祠

巍

然

ぎ

ぜ

ん

ト

シ

テ

猶

ホ

存

シ

、

其

ノ

郷

民

故

家

ニ

シ

テ

亦

存

ス

。

實

ニ

吾

ガ

郷

ヲ

鎮

護

ス

ル

靈

社

ナ

リ

。

豈あ

に

尊

敬

ヲ

戴いただ

ク

ヲ

感

ジ

ザ

ラ

ン

ヤ

。或

イ

ハ

曰

ク

、風

土

記

亡

キ

コ

ト

已す

で

ニ

久

シ

。今

傳

フ

ル

所

ハ

其

ノ

舊

ニ

非

ズ

、其

ノ

書

ノ

體

裁

た

い

さ

い

ハ

大お

ほ

イ

ニ

出

雲

豊

後

等

ノ

風

土

記

ト

異

ナ

リ

、

此

レ

其

ノ

疑

ヒ

無

キ

能

ハ

ザ

ル

所

以

ゆ

え

ん

ナ

リ

。

然

リ

ト

雖いへど

モ

記

裁

ハ

簡

古

ニ

シ

テ

決かならず

シ

モ

近

世

ノ

偽

リ

撰

ス

ル

所

ニ

非

ズ

。

假

令も

シ

其

レ

偽

ラ

セ

使

ム

レ

バ

亦

豈

容ま

さ

ニ

併

セ

テ

其

ノ

神

祠

ヲ

載

ス

ル

所

ヲ

疑

フ

ベ

ケ

ン

ヤ

、

況いはん

ヤ

復

タ

式

ノ

全

テ

然

リ

存

セ

ン

ヤ

。

故

ニ

今

表あらは

シ

テ

之

ヲ

出

ダ

シ

後

世

ニ

傳

フ

ル

。

【

側

面

（

碑

左

側

）】

按

ズ

ル

ニ

狛

字

ハ

犬

ニ

从

ヒ

テ

是

ヲ

為つ

く

ル

ベ

シ

。

狛

江

二

字

、

和

名

鈔

ハ

古

乃

江

ト

訓よ

ミ

、

即

チ

郷

名

ナ

リ

。

木

ニ

从

ヒ

テ

非あやま

リ

為

ル

ハ

、

柏

字

ハ

俗

間

ノ

通

用

字

ニ

シ

テ

是

レ

誤

ヲ

以

テ

ノ

ミ

。

茲

ヨ

リ

東

北

凡お

よ

ソ

十

町

許

ヲ

距へ

だ

テ

舊

墟

きゅうきょ

有

リ

、

相

傳

ヘ

テ

狛

江

入

道

増

西

ナ

ル

者

ノ

居

ス

ル

所

ナ

リ

。

隍

跡

今

猶

存

ス

。

其

ノ

側

ニ

稲

荷

祠

有

リ

、

土

人

之

ヲ

里

ノ

稲

荷

ト

稱

ス

。

蓋け

だ

シ

郷

ト

里

ノ

國

訓

ヲ

以

テ

相

同

ジ

常

葉

居

翁

云

ク

、

古

乃

江

當ま

さ

ニ

古

万

江

ニ

作

ル

ベ

シ

。

乃すなは

チ

万

字

ト

形

相

似

タ

リ

、

又

寫

シ

誤

ル

ノ

ミ

。

文

政

十

一

年

冬

至

之

日

温

井

義

邦

謹

撰

※

碑

文

の

誤

字

、

俗

字

等

は

正

字

に

戻

し

て

記

し

た

が

、

旧

字

体

は

そ

の

ま

ま

と

し

た

。

一

三

、

解

説

【

側

面

（

碑

右

側

）】

武

蔵

國

多

摩

郡

狛

江

郷

佐

須

邨

氏

子

者

之

ヲ

建

ツ

【

背

面

（

碑

陰

）】

浮

岳

山

主

尭

徧

書

た

ま

か

は

の

た

え

ぬ

な

が

れ

の

さ

と

の

こ

も

す

ゑ

な

が

か

れ

と

い

の

る

ひ

と

す

ち

温

井

義

邦

い

く

ち

せ

も と

し

や

す

か

れ

と

い

の

る

か

な

い

か

き

の

ま

つ

の と

き

は

か

き

は

に

桑

田

重

定

虎

狛

神

社

は

『

延

喜

式

』「

神

明

帳

」

に

武

蔵

国

の

式

内

社

四

十

四

座

の

内

、

多

摩

郡

八

座

の

一

つ

と

し

て

記

載

さ

れ

て

お

り

、調

布

市

内

に

あ

る

布

多

天

神

社

と

共

に

式

内

社

と

し

て

村

民

か

ら

敬

わ

れ

、大

切

に

守

ら

れ

て

き

た

。

し

か

し

、『

新

編

武

蔵

風

土

記

稿

』

に

は

「

虎

狛

神

社

社

地

二

段

余

、

二

間

半

四

方

の

覆

屋

、

是

式

内

の

虎

狛

神

社

也

と

い

ふ

、【

風

土

記

】

に

虎

狛

に

作

り

、

圭

田

七

十

三

束

、

所

祭

大

歳

御

祖

神

也

、

崇

峻

天

皇

二

年

乙

酉

八

月

、始

祭

事

有

之

と

載

せ

た

り

」（

中

略

）「

村

内

祇

園

寺

古

へ

当

社

の

別

当

な

り

と

い

ふ

、今

に

尚

そ

の

寺

の

持

ち

な

り

、当

郡

根

ヶ

布

村

に

諏

訪

明

神

あ

り

、社

伝

に

式

内

虎

狛

神

社

な

り

と

い

ふ

、い

ま

だ

何

が

是

な

る

こ

と

を

知

ら

ず

」と

記

さ

れ

、江

戸

時

代

に

、既

に

青

梅

市

の

根

ヶ

布

村

に

あ

る

諏

訪

明

神

が

か

つ

て

は

式

内

社

虎

柏

神

社

で

あ

っ

た

と

言

わ

れ

て

き

た

こ

と

が

記

さ

れ

て

い

る

。こ

の

社

は

明

治

以

降

に

虎

柏

神

社

と

称

さ

れ

る

よ

う

に

な

り

、そ

の

社

殿

は

現

在

東

京

都

指

定

文

化

財（

享

保

一

九

年・一

七

三

四

再

建

）と

な

っ

て

い

る

。

当

社

の

本

殿

は

平

成

二

三

年

に

調

布

市

の

指

定

文

化

財

と

な

っ

た

が

、天

和

三

年（

一

六

八

三

）に

再

建

さ

れ

た

も

の

で

、

棟

札

に

は

「

願

主

貫

井

三

良

右

衛

門 同

新

右

衛

門

大

工

牛

込

柏

崎

佐

太

郎

」（

銘

文

）

と

記

さ

れ

、

建

立

者

（

願

主

）

は

名

主

貫

井

三

良

右

衛

門

で

あ

っ

た

こ

と

が

判

る

。

温

井

氏

は

貫

井

と

も

書

か

れ

、

別

当

寺

で

あ

っ

た

祇

園

寺

境

内

の

歴

代

住

職

の

墓

地

沿

い

に

歴

代

の

墓

地

が

あ

る

。

虎

狛

神

社

本

殿

は

文

化

一

二

年（

一

八

一

五

）に

修

理

が

行

わ

れ

、茅

葺

屋

根

の

葺

き

替

え

や

木

工

事

が

な

さ

れ

た

こ

と

が

、修

理

棟

札

に

よ

っ

て

明

ら

か

で

あ

る

が

、当

時

の

名

主

は

貫

井

三

良

右

衛

門

義

一

、年

寄

は

斎

藤

勘

左

衛

門

と

田

中

孫

平

で

、屋

根

工

に

は

桑

田

清

二

郎

、竹

内

伊

三

郎

、茅

屋

根

に

桑

田

文

右

衛

門

が

当

た

っ

て

い

る

。そ

れ

か

ら

一

三

年

後

の

文

政

十

一

年

六

月

鳥

居

の

再

建

が

な

さ

れ

、そ

の

冬

に

は

名

主

温

井

義

邦

に

よ

っ

て「

狛

江

郷

佐

須

邨

虎

狛

神

社

之

碑

」が

建

立

さ

れ

、こ

の

時

代

に

虎

狛

神

社

の

整

備

事

業

を

名

主

と

村

民

こ

ぞ

っ

て

行

っ

た

こ

と

が

分

る

。

基

壇

は

二

段

に

組

ま

れ

、碑

身

は

高

さ

一

七

二

㎝

、表

九

二

㎝

、側

八

二

㎝

の

柱

状

。材

は

神

奈

川

県

足

柄

下

郡

真

鶴

町

産

の

安

山

岩

、

通

称

「

真

鶴

石

」

で

あ

る

。

重

量

は

基

壇

に

隠

れ

た

部

分

を

想

定

し

三･

五

ト

ン

。

真

鶴

石

は

十

二

世

紀

頃

採

掘

が

始

ま

り

、鎌

倉

幕

府

の

寺

院

建

築

や

後

の

江

戸

城

の

石

垣

に

使

わ

れ

、徳

川

家

の

墓

石

に

も

多

く

使

用

さ

れ

た

良

質

の

石

材

で

あ

る

。

碑

身

の

形

式

は

方

形

に

近

い

柱

状

で

、側

面

の

肩

部

を

や

や

丸

く

角

を

落

し

、中

国

に

見

る

碑

碣

の

様

式

と

は

異

な

り

装

飾

は

な

い

。

こ

の

違

い

は

石

質

の

違

い

に

も

一

因

が

あ

る

。

中

国

で

は

ジ

ュ

ラ

紀

の

石

灰

岩

（

蒼

石

）

と

称

さ

れ

る

柔

ら

か

い

材

が

使

わ

れ

細

工

が

し

や

す

い

が

、安

山

岩

に

緻

密

な

碑

首

の

細

工

を

求

め

る

こ

と

は

無

理

が

あ

る

。

近

在

で

見

ら

れ

る

同

期

の

碑

を

調

査

し

、左

に

記

し

て

み

た

が

、多

く

が

輝

石

安

山

岩

根

府

川

石

の

板

状

節

理

を

利

用

し

た

自

然

石

の

ま

ま

か

、僅

か

に

刻

字

面

の

み

を

整

面

し

た

石

を

用

い

て

い

る

。関

東

に

お

い

て

は

、本

碑

の

よ

う

に

加

工

を

施

し

た

石

碑

は

、極

め

て

希

少

な

事

例

と

言

え

る

。こ

の

真

鶴

石

を

柱

状

に

加

工

す

る

に

は

か

な

り

の

手

間

と

経

費

が

掛

か

り

、

時

間

を

要

し

た

で

あ

ろ

う

。

氏

子

の

並

々

な

ら

ぬ

熱

意

が

汲

み

取

れ

る

。

そ

の

熱

意

は

碑

文

中

に

も

溢

れ

、『

延

喜

式

神

名

帳

』

に

記

載

さ

れ

た

武

蔵

国

多

摩

郡

八

座

の

一

社

で

あ

る

誇

り

が

綴

ら

れ

て

い

る

。『

新

編

武

蔵

国

風

土

記

稿

』

が

文

化

七

年

（

一

八

一

〇

）

起

稿

、

天

保

元

年

（

一

八

三

〇

）

編

纂

さ

れ

、

記

載

さ

れ

た

。

そ

れ

を

期

に

神

社

の

再

興

を

願

い

、

文

化

一

二

年

（

一

八

一

五

）

本

殿

修

復

、

文

政

一

一

年（

一

八

二

八

）鳥

居

の

再

建

と

立

碑

の

大

事

業

を

行

い

、神

社

の

誇

り

と

由

来

を

広

く

知

ら

し

め

た

文

と

な

っ

て

い

る

。

○

日

莫(

暮)

里

碑

安

永

元

年

（

一

七

七

二

）

自

然

石

荒

川

区

西

日

暮

里

三

―

六

―

四

浄

居

山

青

雲

寺

※

碑

文

で

は

「

莫

」

の

字

が

刻

ま

れ

て

い

る

。

○

鹿

碑

寛

政

七

年

（

一

七

九

五

）

自

然

石

豊

島

区

駒

込

一

―

一

〇

―

一

五

○

瀧

澤

馬

琴

筆

塚

文

化

六

年

（

一

八

〇

九

）

長

方

板

状

荒

川

区

西

日

暮

里

三

―

六

―

四

浄

居

山

青

雲

寺

○

柏

山

人

碑

文

政

三

年

（

一

八

二

〇

）

自

然

石

荒

川

区

西

日

暮

里

三

―

三

―

八

養

福

寺

○

瘞

賜

豬

碑

嘉

永

二

年

（

一

八

四

九

）

自

然

石

豊

島

区

駒

込

一

―

一

〇

―

一

五

○

十

二

社

碑

嘉

永

四

年

（

一

八

五

一

）

自

然

石

新

宿

区

西

新

宿

二

―

一

一

―

二

熊

野

神

社

一

六

．指

定

基

準

一

五

．指

定

理

由

一

四

．保

存

状

況

「

調

布

市

文

化

財

指

定

基

準

」

第

一

調

布

市

指

定

有

形

文

化

財

六

歴

史

資

料

(

一)

政

治

、経

済

、社

会

、文

化

等

歴

史

上

の

各

分

野

に

お

け

る

重

要

な

事

象

に

関

す

る

遺

品

の

う

ち

地

域

的

又

は

学

術

的

価

値

の

高

い

も

の

こ

の

石

碑

は

、文

政

一

一

年（

一

八

二

八

）冬

、当

時

の

佐

須

村

名

主

で

あ

っ

た

温

井

義

邦

の

撰

文

に

よ

っ

て

建

て

ら

れ

た

も

の

で

、村

の

歴

史

を

考

察

し

た

碑

文

が

刻

ま

れ

て

い

る

。同

年

六

月

に

は

石

鳥

居

が

再

建

さ

れ

て

お

り

、文

化

・

文

政

期

に

お

け

る

村

人

た

ち

の

結

束

力

を

示

す

と

共

に

、信

仰

心

や

歴

史

認

識

の

高

さ

を

知

る

上

で

も

貴

重

な

文

化

遺

産

で

あ

る

。

江

戸

時

代

後

期

に

お

け

る

農

村

文

化

の

高

さ

を

示

す

資

料

と

し

て

貴

重

で

あ

り

、文

化

財

と

し

て

指

定

に

値

す

る

。

石

に

は

硬

軟

部

分

が

あ

り

、

細

字

の

刻

に

は

不

向

き

で

あ

る

。

正

面

（

碑

陽

）、

側

面

（

碑

側

）

共

に

薬

研

彫

り

の

丁

寧

な

刻

が

な

さ

れ

、

保

存

状

態

は

よ

い

。

し

か

し

、

背

面（

碑

陰

）

の

和

歌

二

首

は

石

の

軟

ら

か

な

部

分

に

当

た

っ

た

文

字

に

、風

化

に

よ

る

損

傷

が

見

ら

れ

、判

読

が

困

難

に

な

り

つ

つ

あ

る

。保

存

の

為

に

は

雨

よ

け

の

覆

い

と

、

定

期

的

な

清

掃

を

施

す

べ

き

で

あ

ろ

う

。

○

正

木

櫟

陰

事

績

碑

嘉

永

五

年

（

一

八

五

二

）

自

然

石

足

立

区

千

住

四

―

三

一

―

二

氷

川

神

社

○

常

磐

松

碑

嘉

永

六

年

（

一

八

五

三

）

自

然

石

渋

谷

区

東

四

―

四

―

九

○

寒

緑

松

本

先

生

碑

安

政

元

年

（

一

八

五

四

）

自

然

石

品

川

区

北

品

川

三

―

七

―

一

五

品

川

神

社 ○

高

正

天

満

宮

縁

起

元

治

元

年

（

一

八

六

四

）

自

然

石

足

立

区

千

住

四

―

三

一

―

二

氷

川

神

社

名

主

の

温

井

氏

は

明

治

維

新

後

当

地

を

離

れ

、古

文

書

な

ど

も

残

っ

て

い

な

い

た

め

、そ

の

出

自

等

は

不

明

で

あ

る

が

、『

新

編

武

蔵

風

土

記

稿

』に

は

、「

村

名

の

起

り

は

里

正

三

郎

右

衛

門

先

祖

は

佐

須

豊

後

と

て

、鎮

守

稲

荷

の

神

職

な

り

し

と

ぞ

旧

家

の

因

に

て

村

名

に

も

よ

べ

り

と

か

や

」と

も

述

べ

ら

れ

て

い

る

よ

う

に

、村

の

成

立

に

際

し

て

名

主

と

し

て

入

村

し

た

よ

う

で

、縁

戚

も

作

ら

ず

、地

元

と

の

関

係

は

希

薄

で

あ

っ

た

。な

お

佐

須

村

は

甲

州

街

道

沿

い

に

数

か

村

あ

る

伊

賀

者

の

給

地

（

旗

本

領

）

の

一

つ

で

あ

っ

た

。

ま

た

東

京

都

指

定

天

然

記

念

物「

佐

須

の

禅

寺

丸

古

木

」が

あ

る

大

久

保

家

の

屋

敷

地

は

、元

温

井

氏

の

柿

畑

で

あ

っ

た

と

言

わ

れ

て

お

り

、

そ

の

東

側

一

帯

が

名

主

温

井

家

の

屋

敷

跡

と

考

え

ら

れ

て

い

る

。

名

主

温

井

義

邦

が

撰

文

を

記

し

た

文

政

十

一

年

頃

、幕

府

に

よ

っ

て

編

纂

さ

れ

て

い

た『

新

編

武

蔵

風

土

記

稿

』

は

よ

う

や

く

編

纂

が

終

了

し

て

い

る

。こ

れ

は

各

村

々

の

名

主

か

ら「

地

誌

取

調

書

上

」を

提

出

さ

せ

て

現

地

調

査

を

し

て

い

る

た

め

、

当

然

義

邦

も

そ

の

作

業

に

関

わ

り

、『

和

名

類

聚

抄

』、『

東

鑑

』

等

の

文

献

を

知

り

、「

狛

江

郷

」や「

狛

江

入

道

増

西

」に

思

い

を

馳

せ

、そ

し

て

村

名

の

由

来

に

つ

い

て

も

私

見

を

述

べ

た

こ

と

で

あ

ろ

う

。

碑

文

の

内

容

が

文

献

を

駆

使

し

て

考

証

さ

れ

て

お

り

、『

新

編

武

蔵

風

土

記

稿

』

の

編

纂

者

で

あ

る

昌

平

坂

学

問

所

地

理

局

の

助

力

が

あ

っ

た

こ

と

も

推

測

さ

れ

る

。

佐

須

村

の

名

主

で

あ

っ

た

温

井

家

は

、明

治

維

新

後

消

息

が

途

絶

え

て

い

た

が

、温

井

家

の

歴

代

の

墓

地

が

あ

る

祇

園

寺

住

職

の

張

堂

定

観

氏

が

戦

後

末

裔

の

温

井

文

雄

氏

と

連

絡

を

取

り

、御

位

牌（

日

拝

）か

ら「

温

井

家

霊

簿

」を

作

成

さ

れ

た

。そ

れ

に

よ

る

と

、佐

須

村

の

名

主

に

な

っ

た

温

井

三

郎

右

衛

門

冨

久（

清

心

院

道

観

寛

文

五

年

・

一

六

六

五

没

）を

初

代

と

し

て

、文

雄

氏

は

一

一

代

と

な

り

、江

戸

時

代

を

通

じ

て

名

主

を

勤

め

て

い

た

こ

と

が

判

明

し

た

。

二

代

道

久

（

玄

昭

院

春

翁

道

久

大

徳

貞

享

元

年

・

一

六

八

四

没

）

の

代

、

天

和

三

年

（

一

六

八

三

）

に

虎

狛

神

社

本

殿

が

再

建

さ

れ

、七

代

義

邦

の

代

、文

化

一

二

年（

一

八

一

五

）に

虎

狛

神

社

本

殿

の

屋

根

修

理

が

行

わ

れ

、文

政

一

一

年（

一

八

二

八

）に

は

鳥

居

が

再

建

さ

れ

て

、村

の

由

来

を

記

す

石

碑

も

造

立

さ

れ

た

の

で

あ

っ

た

。

「

温

井

家

霊

簿

」

に

は

天

正

一

〇

年

（

一

五

八

二

）

に

温

井

某

（

備

前

守

）、

天

正

一

八

年

（

一

五

九

〇

）

に

は

温

井

某（

常

陸

介

）と

記

さ

れ

て

い

る

こ

と

か

ら

、武

家

の

出

自

と

も

推

定

さ

れ

る

。地

元

の

旧

家

と

も

全

く

血

縁

関

係

も

無

く

、

当

家

だ

け

の

墓

地

が

祇

園

寺

住

職

の

墓

地

に

接

し

て

設

け

ら

れ

て

い

る

。

【

温

井

家

系

図

】

初

代

冨

久（

清

心

院

道

観

大

徳

寛

文

五

年

没

佐

須

村

名

主

三

郎

右

衛

門

）❘

二

代

道

久（

玄

昭

院

春

翁

道

久

大

徳

貞

享

元

年

没

）❘

三

代

義

本（

圓

通

院

躰

本

是

了

居

士

宝

永

六

年

没

）❘

四

代

義

春（

杏

林

院

円

岳

徹

道

居

士

宝

暦

二

年

没

）❘

五

代

義

正（

寿

量

院

貫

翁

為

説

居

士

寛

政

二

年

没

）❘

六

代

春

蕃（

法

乘

院

清

岳

慈

雲

居

士

文

化

五

年

没

）❘

七

代

義

邦（

玄

光

院

自

然

有

無

居

士

天

保

一

二

年

没

）❘

八

代

義

貫

（

貫

義

院

徳

山

道

海

居

士

安

政

二

年

没

）

❘

九

代

義

尭

（

歓

喜

院

梅

月

道

照

居

士

明

治

四

三

年

没

）

❘

十

代

豊

次

郎

（

照

善

院

豊

観

道

諦

居

士

昭

和

一

四

年

没

）

❘

一

一

代

文

雄

❘

一

二

代

克

身