医療機器のユーザビリティ評価を通じた BtoB 製品評価手法の考察...

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BtoB (Business to Business)製品と BtoC(Business to Consumer)製品の間には多くの相違点が存在する.例えば,BtoC 製品は,操作者と購入決定者が同じ人物である,初心者を含め た幅が広いユーザーが使用する,様々な場所や時間に利用され るといったケースが多い.一方,BtoB 製品は,操作者と購入決 定者が異なる,専門的な知識を持ったユーザーが使用する,業 務で使用されるため利用状況が限定的であるといったケースが 多い.このような違いがある BtoB 製品に対して,BtoC 製品の ユーザビリティ評価で用いられる「見やすさ・判断しやすさ・ 操作しやすさ」などといった一般的なチェックリストによる評 価を実施しても,ユーザビリティ上の問題点をうまく抽出する ことができるかは疑問である.そこで,BtoB 製品である医療機 器のユーザビリティ評価を通じて,BtoB製品に適したユーザビ リティ評価手法を考察した. There are some differences between BtoB (Business to Business) products and BtoC (Business to Consumer) products. For example, the purchaser and the operator of BtoB products are different people, while in the case of BtoC products, the purchaser and the operator are usually the same. In addition, because BtoB products are used for business, the scope of use is limited, but BtoC products are used at different times and in a variety of places. We attempted to evaluate the usability of a BtoB medical device. However, general usability evaluation methods were not suitable to find problems in its use. The evaluation criteria were not suitable for medical devices. Therefore, we propose a usability evaluation method that can consider the context of use of BtoB products. 1.目的 本研究における BtoB 製品とは,オフィスや工場,病院など の施設に納入され,主に専門的な知識を持ったユーザーが業務 で使用する事務用機器や工作機械,医療機器などのことをいう. 本研究では,BtoB 製品である医療機器のユーザビリティ評価 を通じて,BtoB製品特有の利用状況におけるユーザビリティ上 の問題点をより多く抽出できるユーザビリティ評価手法につい て考察する. 2. 背景 BtoB製品を使用する専門的な知識を持ったユーザーは,「自 分たちはプロフェッショナルであり,使い方が難しい製品であ っても使える.」という自負を持っている.そのため製品の選 定にあたっては本音であれ,建前であれユーザビリティより機 能・性能を重視する場合が多い.また,BtoB 製品は施設の設備 として購入されるため,操作者と購買決定者が異なり,実際に 製品を使用しない者がカタログを見て選定するといったことが ある.その場合は製品のユーザビリティは判断しようがないた め検討されない. このようなことから,BtoB 製品はプロダクトアウト的なもの づくりにより,機能・性能が競合製品より勝っていれば売れる という市場となり,ユーザビリティはあまり重視されず,BtoC 製品開発で行われているようなユーザビリティ評価の実施によ るユーザビリティ向上の取り組みはあまりなされてこなかった. しかし,BtoB 製品も多機能・高性能な後継機種が繰り返し発売 され市場が成熟してくると,競合製品との機能・性能差は縮ま り,それだけでは優位性が保てなくなる.また,操作者の業務 に対するノウハウやテクニックといった専門性をカバーするよ うな多機能・高性能の製品が発売されれば,製品に慣れていな い操作者でも使用できるようになる.このような状況に至って は,競合優位性を保つため,および専門的なトレーニングを受 けていない操作者の操作ミスを防ぐため,機能・性能だけでは なくユーザビリティの向上が非常に重要となる.よって,BtoB 製品においてもユーザビリティ評価の実施が求められることと なる. デザイン学研究 BULLETIN OF JSSD Vol. 60 No. 6 2014 103 Summary 要旨 研究論文: 論文 ORIGINAL ARTICLES Received September 12, 2013; Accepted December 31, 2013 医療機器のユーザビリティ評価を通じた B to B 製品評価手法の考察 Consideration of a Usability Evaluation Method of B to B Products, Based on Testing of a Medical Device ● 水本徹 ● 山岡俊樹 和歌山大学大学院 和歌山大学 Mizumoto Toru Yamaoka Toshiki Graduate School of Wakayama University Wakayama University Key words : B to B Product, Usability Evaluation, Context of Use Copyright © 2014 日本デザイン学会 All Rights Reserved.

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デザイン学研究 BULLETIN OF JSSD Vol.xx No.x 20xx 1

要旨

BtoB (Business to Business)製品と BtoC(Business to

Consumer)製品の間には多くの相違点が存在する.例えば,BtoC

製品は,操作者と購入決定者が同じ人物である,初心者を含め

た幅が広いユーザーが使用する,様々な場所や時間に利用され

るといったケースが多い.一方,BtoB 製品は,操作者と購入決

定者が異なる,専門的な知識を持ったユーザーが使用する,業

務で使用されるため利用状況が限定的であるといったケースが

多い.このような違いがある BtoB 製品に対して,BtoC 製品の

ユーザビリティ評価で用いられる「見やすさ・判断しやすさ・

操作しやすさ」などといった一般的なチェックリストによる評

価を実施しても,ユーザビリティ上の問題点をうまく抽出する

ことができるかは疑問である.そこで,BtoB 製品である医療機

器のユーザビリティ評価を通じて,BtoB 製品に適したユーザビ

リティ評価手法を考察した.

Summary There are some differences between BtoB (Business to

Business) products and BtoC (Business to Consumer) products. For example, the purchaser and the operator of BtoB products are different people, while in the case of BtoC products, the purchaser and the operator are usually the same. In addition, because BtoB products are used for business, the scope of use is limited, but BtoC products are used at different times and in a variety of places. We attempted to evaluate the usability of a BtoB medical device. However, general usability evaluation methods were not suitable to find problems in its use. The evaluation criteria were not suitable for medical devices. Therefore, we propose a usability evaluation method that can consider the context of use of BtoB products.

1.目的

本研究における BtoB 製品とは,オフィスや工場,病院など

の施設に納入され,主に専門的な知識を持ったユーザーが業務

で使用する事務用機器や工作機械,医療機器などのことをいう.

本研究では,BtoB 製品である医療機器のユーザビリティ評価

を通じて,BtoB 製品特有の利用状況におけるユーザビリティ上

の問題点をより多く抽出できるユーザビリティ評価手法につい

て考察する.

2. 背景

BtoB 製品を使用する専門的な知識を持ったユーザーは,「自

分たちはプロフェッショナルであり,使い方が難しい製品であ

っても使える.」という自負を持っている.そのため製品の選

定にあたっては本音であれ,建前であれユーザビリティより機

能・性能を重視する場合が多い.また,BtoB 製品は施設の設備

として購入されるため,操作者と購買決定者が異なり,実際に

製品を使用しない者がカタログを見て選定するといったことが

ある.その場合は製品のユーザビリティは判断しようがないた

め検討されない.

このようなことから,BtoB 製品はプロダクトアウト的なもの

づくりにより,機能・性能が競合製品より勝っていれば売れる

という市場となり,ユーザビリティはあまり重視されず,BtoC

製品開発で行われているようなユーザビリティ評価の実施によ

るユーザビリティ向上の取り組みはあまりなされてこなかった.

しかし,BtoB 製品も多機能・高性能な後継機種が繰り返し発売

され市場が成熟してくると,競合製品との機能・性能差は縮ま

り,それだけでは優位性が保てなくなる.また,操作者の業務

に対するノウハウやテクニックといった専門性をカバーするよ

うな多機能・高性能の製品が発売されれば,製品に慣れていな

い操作者でも使用できるようになる.このような状況に至って

は,競合優位性を保つため,および専門的なトレーニングを受

けていない操作者の操作ミスを防ぐため,機能・性能だけでは

なくユーザビリティの向上が非常に重要となる.よって,BtoB

製品においてもユーザビリティ評価の実施が求められることと

なる.

医療機器のユーザビリティ評価を通じた BtoB 製品評価手法の考察 Consideration of a usability evaluation method of BtoB products, based on testing of a medical device

● 水本徹 ● 山岡俊樹 和歌山大学大学院 和歌山大学

Mizumoto Toru Yamaoka Toshiki Graduate School of Wakayama University

Wakayama University

● Key words : BtoB product, Usability evaluation, Context of use

研究論文:

デザイン学研究  B U L L E T I N OF JSSD Vol. 60 No. 6 2014 103

Summary

要旨

研究論文:論文 ORIGINAL ARTICLES Received September 12, 2013; Accepted December 31, 2013

医療機器のユーザビリティ評価を通じた B to B 製品評価手法の考察

Consideration of a Usability Evaluation Method of B to B Products, Based on Testing of a Medical Device

● 水本徹 ● 山岡俊樹

和歌山大学大学院 和歌山大学

Mizumoto Toru Yamaoka ToshikiGraduate School of Wakayama University Wakayama University

● Key words : B to B Product, Usability Evaluation, Context of Use

Copyright © 2014 日本デザイン学会 All Rights Reserved.

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2 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol.12 No.5 2005 デザイン学研究特集号

3.BtoB製品に適したユーザビリティ評価手法

BtoB 製品には,騒音測定器や POS スキャナーなどの小型の機

器も存在するが,BtoC 製品と比べると,工場や病院などの施設

に設置される工作機械や医療機器といった大型の機器が多く存

在する.こういった大型の機器は,価格が高く,メーカの開発

期間も長期間となる場合が多い.また,ユーザーについては,

工場勤務者や臨床検査技師など特別な技能を持ったものが機器

の操作を行う.しかしながら,機種選定は,施設の設備予算で

購入される機器であるため,操作者自身ではなく購買担当部門

や経営者が決定する.機器の使用状況に関しては,業務での利

用であるため,上司などの指示に従って,業務で必要とされる

時間に必要とされる頻度で使用される.

一方,BtoC 製品は,使用者個人の嗜好で購入されるものが多

く,操作者=購買決定者となる場合が多い.また,BtoB 製品に

比べると安価であるため買い替え頻度が高くなり,それに伴い

新製品の発売サイクルも早くなる.使用状況に関しては,使用

者個人の必要に応じて利用されるため,様々な時間に,様々な

場所で使用される.こういったBtoB製品とBtoC製品の違いを,

事例をもとに表1にまとめた.これらの相違点を考慮した場合,

BtoB製品のユーザビリティ評価に求められる要件は表2のとお

りとなる.

このようなBtoB製品とBtoC製品の違いを考慮したユーザビリティ評

価手法を検討する.1 点目の要件として, 開発の早い段階に実施でき

ることが挙げられる.BtoB 製品は,工作機械や医療機器など大型

の機器が多く,開発も大規模となるケースが多い.その場合,

製品がある程度できあがった段階でユーザビリティ評価を実施

し,問題点を抽出したとしても,開発の手戻り工数が大きく対

策が困難である.また,医療機器などの公的機関への申請が必

要となる製品の場合,容易に設計を変更できないという事情が

ある.そのため,BtoB 製品においては,開発のできるだけ早い

段階に実施可能なユーザビリティ評価手法を選択する必要があ

る[注 1,2].

2点目として,複数のユーザーと設置される施設をイメージできるこ

とが挙げられる.BtoB 製品は,BtoC 製品と違って,使用者以外

にも購買決定者や製品の使用結果の利用者など複数のステーク

ホルダーが存在する.また,BtoB 製品は,BtoC 製品のように

様々な場所で使用されるわけではなく,工場や病院など設置場

所が特定される.よって,複数のユーザーと機器が設置される

施設をイメージしたうえでユーザビリティ評価を実施し,的確

に問題点を抽出する必要がある.

3点目として,BtoB製品特有の利用状況上の問題点を抽出できること

が挙げられる.例えば,画面を要素ごとにはっきりと色分けした

デザインの電子カルテがあったとする.これを「画面の要素は

見分け易いか」という一般的な観点で評価した場合,ユーザビ

リティ上の問題点は無いと判断される.しかし,BtoB 製品は,

BtoC製品と異なり業務で利用されるため,電子カルテであれば,

医師が病院の診察室で毎日 5時間,注意深く画面を見るといっ

た特有の利用状況が想定される.そのような場合,このデザイ

ンでは医師は目が疲れてしまうことになる.こういった問題点

が,実際にユーザーが使用して初めて分かると,製品の満足度

の低下につながるとともに,改修となれば経費がかさんでしま

う.よって,BtoB 製品特有の利用状況を考慮できるユーザビリ

ティ評価手法を選択する必要がある.

様々なユーザビリティ評価手法が存在するが,認知的ウォー

クスルーは,評価者が,操作者とその利用状況をイメージした

上で,製品を利用する際に想定されるタスクの操作手順に従っ

て,手順ごとに操作者の認知過程を推測しユーザビリティ上の

問題点を抽出するという方法である[注 3].つまり,ユーザビ

リティ評価時に複数のユーザーと設置される施設および BtoB

製品特有の利用状況をイメージできるようにすれば,それらを

考慮した問題点の抽出が可能である.また,仕様書や操作フロ

ーと簡単なプロトタイプがあれば評価ができること,実際の操

作者を集めることなく社内の評価者で評価できることから,開

発の早期に実施が可能である.これらのことから,認知的ウォ

ークスルーは,3つの要件を満たす BtoB 製品に適したユーザビ

リティ評価手法であるといえる[注 4].

4.BtoB製品の利用状況の明確化

前述のとおり,認知的ウォークスルーを用いて BtoB 製品に

適したユーザビリティ評価を実施するには,複数のユーザー像

と設置される施設像および BtoB 製品特有の利用状況を明確に

しておく必要がある.ユーザビリティは ISO にて次のように定

義されている.「特定の利用状況において,特定のユーザーに

よって,ある製品が,指定された目標を達成するために用いら

表2:BtoB製品のユーザビリティ評価に求められる要件

BtoB製品 BtoC製品

評価全般について大型機器であり,開発後工程での修正は手戻りが大きいため,できるだけ早い段階に確実に評価を実施できること

アジャイル的に簡易に評価を繰り返せること

使用者 使用者本人をイメージできること 使用者本人をイメージできること

購買決定者 購買決定者をイメージできること 使用者本人をイメージできること

設置場所設置スペース

設置場所をイメージできること さまざまな状況を考慮した一般的な評価

使用頻度使用に関する制約

特有の利用状況をイメージできること さまざまな状況を考慮した一般的な評価

製品使用の結果生じた成果物の利用者

使用結果の利用者をイメージできること 特に考慮する必要なし

表1:BtoB製品とBtoC製品の違い

医療機器 工作機器携帯用音楽プレー

ヤースマートフォン

新製品サイクル 10年 10年 6か月 6か月

価格 500万円 1,000万円 1万円 3万円

使用者 臨床検査技師 工場勤務者 限定なし 限定なし

購買決定者 購買部・病院長 工場長・経営幹部 使用者本人 使用者本人

設置場所 病院の検査室 工場 限定なし 限定なし

設置スペース検査室は広くないため限られる

機器が大きいため設置場所が限られる

限定なし 限定なし

使用頻度業務フロー通り,ほぼ固定

業務フロー通り,ほぼ固定

使用者による 使用者による

使用に関する制約技師長・医師の指示

工場長の指示 特に無し 特に無し

製品使用の結果生じた成果物の利用者

医師工場の別工程の担当者

特に無し 特に無し

サポート サービスマン サービスマン電話問い合わせ・修理センター

販売店舗窓口

設置後のバージョンアップ

困難 困難 容易 容易

BtoB製品例 BtoC製品例

B U L L E T I N OF JSSD Vol. 60 No. 6 2014  デザイン学研究 104

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デザイン学研究 BULLETIN OF JSSD Vol.xx No.x 20xx 3

れる際の,有効さ,効率,ユーザーの満足度の度合い.」[注 5]

このように,まず,誰がどのような状況で対象となる BtoB 製

品を利用するのか明確化しなければユーザビリティを評価する

ことはできない.

操作者と利用状況を明確にする手法として,近年,ペルソナ

手法が注目を集めている.しかし,書籍や論文で紹介されてい

るペルソナ手法は BtoC 製品の操作者のペルソナ作成事例がほ

とんどである.BtoB 製品は業務で使用されるため,操作者の

行動は所属している組織の方針,コミュニケーション,製品が

設置されている施設の広さ,業務上の目標などの様々な要素に

より影響を受ける.BtoC 製品のように操作者が自身の考えの

みで意思決定するわけではないため,施設や組織を考慮したBtoB

製品に適したペルソナを作成する必要がある[注 6~9].

医療機器である検体検査装置を例にペルソナの作成手順を示

す.まず,対象とする BtoB 製品に対する知識を持つメンバー

を集めてブレインストーミングを行い,操作者の利用状況に影

響を与えると考えられる項目を抽出する.ブレインストーミン

グの結果,従来のペルソナと同様である操作者(臨床検査技師)

の人物像はもちろんのこと,検査室をとりまとめる技師長の人

物像,検査結果の報告先である医師の人物像,病院の立地環境

やベッド数,1日の検体数,検査室の広さ,臨床検査技師の数,

人間関係などの項目を抽出した.

次に,それらの項目について,操作者にインタビューを行い,

実際に操作者の行動に影響を与えているかどうかを調査する.

インタビューにおける操作者の発話内容をワンセンテンスごと

にカードにし,類似した発話内容ごとに分類することで,図 1

のとおりグループを作成することができた.このグループは検

体検査装置特有の操作者の行動に影響を与える要素群であり,

BtoB 製品用に構築したペルソナである.

5.認知的ウォークスルー(従来法)の実施

認知的ウォークスルーは,ペルソナなどを用いて対象とする

製品の利用状況を良く理解した上で,操作者が製品を使いなが

ら操作を理解していく際の 4つの認知過程「目標の設定(何を

するかを設定する)」「探査(インタフェースを見て,どのよう

な操作を行えばよいかを探査する)」「選択(最適と思われる操

作を選択,実行する)」「評価(製品からのフィードバックを解

釈し,自身のタスクが間違いなく進んでいるかを評価する)」

を,操作手順ごとに推測し,ユーザビリティを評価する手法で

ある[注 3].本研究では,最初に従来の認知的ウォークスルー

でのユーザビリティ評価を実施し,BtoB 製品特有の利用状況に

おけるユーザビリティ上の問題点をどの程度抽出できるかを確

認した.その実施手順を説明する.

まず,操作者である臨床検査技師が検体検査装置を利用する

際の「オーダを登録する」「測定の準備をする」「検体を測定す

る」といった 5 タスク(合計 25 操作手順)を想定し,タスク

を完了するために必要なソフトウェア画面を,図 2のようにパ

ワーポイントを用いた簡単なプロトタイプにより準備した.ま

た,認知的ウォークスルーは,操作者の認知過程を推測して評

価することから,認知心理学などの専門知識がない評価者によ

る実施が難しいという問題点がある.今回の評価者が専門知識

を持ち合わせていなかったため,操作者の認知過程を「情報入

手(見やすさ,強調,簡潔性,一貫性)」「理解・判断(用語,

手がかり,マッピング,一貫性,フィードバック,動作原理)」

「操作(姿勢,フィット性,トルク)」という 3 ポイントに分

けて,詳細かつわかりやすく問題点を抽出できるようにした 3

ポイントタスク分析のチェック項目を用い,表 3のように操作

者の認知過程を予めチェック項目として設けた操作手順評価シ

ートを作成しておくことで,認知心理学などの専門知識が無い

評価者にも気付きを促すよう工夫をした上で実施した[注10].

メンバーは,対象製品を開発する企業に属する,進行係2名,

評価者 10 名である.評価にあたっては,図 1 のペルソナを前

日に評価者に配布し,さらに評価当日も十分に読み合わせを行

った.その上で,図 3のように会議室にプロジェクターを 2台

並べて設置し,プロジェクター1 には,進行係 1 がタスクごと

の操作手順評価シートを映して操作者の操作手順の説明を行い,

プロジェクター2 には,それに合わせて進行係 2 がパワーポイ

ントで作成したプロトタイプ画面を表示,その画面と配布した

ペルソナを見ながら評価者 10 名が操作手順評価シートの 3 ポ

イントタスク分析のチェック項目の観点でユーザビリティ上の

問題点に気づけば発話し,それを進行係 1が操作手順評価シー

トにその場で記載するといった手順で実施した.

6. 認知的ウォークスルー(従来法)の結果と課題

3 ポイントタスク分析のチェック項目を用いることで,5 タ

スクの評価により 24 件の問題点を抽出することができた.そ

の内訳は「用語から機能が連想しにくい.」「表示部位が小さく

一覧性に欠ける.」「操作の繰り返しが多く疲れる.」といった

ペルソナを意識しなくても,3 ポイントタスク分析のチェック

項目の観点から抽出できたと考えられる問題点が 15 件,「急い

図1:BtoB製品用ペルソナ

図2:パワーポイントを用いたプロトタイプ画面

XXXXX

ログオン

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でいる状況では押し間違える.」「慣れていないユーザーにとっ

て,結果を間違えないようにするための確認がしにくい.」と

いったペルソナを意識しなければ抽出できなかったと考えられ

る問題点が 9件であった.ペルソナの観点での指摘事項が少な

いため,評価後に評価者にヒアリングを行ったところ,「気を

つけていても自分の意見で指摘してしまった.」「ペルソナの観

点で指摘しようとするが,その観点を持続できない.」との回

答があった.

ユーザビリティ評価の実施経験者に対して,ペルソナの説明

を十分に行い,ユーザーの業務フローや熟練度など,対象とす

る BtoB 製品の利用状況を良く理解させた上で評価を実施して

も,評価者は自身の立場で指摘をしてしまうという課題が明ら

かになった.BtoB製品は評価者自身がユーザーになれないため,

ユーザビリティ評価の実施経験者であっても,ユーザー視点に

なりきることの難しさがあると考えられる.よって,このまま

の手法では,BtoB 製品特有の利用状況におけるユーザビリティ

上の問題点を見逃してしまう恐れがあると考えた.

認知的ウォークスルーに関して先行研究を調査したが,ペル

ソナをいかに理解させるか,認知過程の観点でのチェック漏れ

をいかに減らすかといったことにフォーカスをあてた研究が主

だったものであり,本課題の解決にはなっていなかった.先行

研究の内容を以下に示す.

開発の現場で利用しやすいユーザビリティ評価法の提案[注11]

ウォークスルー・チェックリスト法の提案と有用性の確認[注

12]

認知的ウォークスルーにおける,4 つの認知過程「目標の設

定」「探査」「選択」「評価」が不明確で評価しにくいという課

題を解決するため,それぞれの認知過程に対して,例えば,「目

標の設定」であれば「画面のタイトルや説明文と,その画面の

内容が適切か」といったような具体的なチェック項目を加える

ことで,問題点を抽出しやすくした手法の提案とその有用性の

確認を行っている.しかし,あくまでも認知過程における問題

点の抽出方法の改良にとどまっており,「急いでいる」,「経験

が浅く不安である」といった,BtoB 製品ならではの利用状況に

関する観点での評価が行えるわけではない.

認知的ウォークスルー法に基づく業務システム向けユーザビリ

ティ評価手法の提案[注 13]

業務システムを評価するために,事前準備として「要求者」,

「部門承認者」,「購買局」と 3つのペルソナを作成し,ペルソ

ナ間の情報のやり取りなどを含んだ業務フローを明確にしてお

く.そして,それらを用いて,例えば,「ペルソナ 1 はペルソ

ナ 2から情報を受け取ったことがわかるか?」といったチェッ

ク項目にすることで,従来の 4つの認知過程による評価に比べ

て,BtoB 製品特有の人物間のコミュニケーションを考慮した問

題点の抽出を行えるようにしたことは新しい.ただ,「ペルソ

ナ 1はペルソナ 2に急いで報告しなければならない」といった

心理状態までは含んでおらず,BtoB 製品特有の利用状況をカバ

ーできているわけではない.

7.認知的ウォークスルーの改良

BtoB 製品は業務での利用となるため,利用状況におけるユー

ザビリティの差が競合製品との差別化につながる.また,医療

機器に代表されるように,操作ミスが発生した際に起こるリス

クが大きく,BtoB 製品特有の利用状況におけるユーザビリティ

上の問題点を見逃してしまうことは,企業にとっても大きなリ

スクを抱えることになる.よって,従来の認知的ウォークスル

ーの課題を解決するユーザビリティ評価手法の構築が必要とな

った.

構築にあたって,まず,従来の認知的ウォークスルーにおけ

る 3ポイントタスク分析のチェック項目は,普段,製品を使用

した際に,日常的に使い易い・使い難いと判断する観点であり,

あえてチェック項目にしなくても問題点の抽出は可能ではない

かと考えた.さらに,例えば,ペルソナに「ユーザーはとても

急いでいる」という利用状況が記載されており,評価者がそれ

を十分理解して評価を実施したとしても,評価手順ごとに「情

報入手」「理解・判断」「操作」というキーワードでの問題点の

抽出となるため,「急いでいても画面から情報を読み取れるか」

「急いでいてもボタンを押すことができるか」といった個々の

操作手順内でのインタフェースの問題点の抽出にとどまってし

まい,複数の操作手順を総合的に見て急いでいる場合に問題点

はないかといった抽出や,急いでいる場合は別の操作手順でも

同様の問題点があるのではないかといった抽出は困難であると

考えた.よって,3 ポイントタスク分析のチェック項目の代わ

りに BtoB 製品用ペルソナを用いて明確にした特有の利用状況

の観点をチェック項目とした方が,抜け漏れなくより多くの問

題点を抽出できるのではないかという仮説を立てた.

利用状況の観点のチェック項目を検討するために,BtoB 製品

表3:操作手順評価シート

タスク

情報⼊⼿ 理解・判断 操作

XXXXXXX

3ポイントタスク分析のチェック項⽬操作⼿順

図3:実施レイアウト

B U L L E T I N OF JSSD Vol. 60 No. 6 2014  デザイン学研究 106

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用ペルソナの項目と,インタビュー調査で得られた操作者の課

題を照らし合わせて,対象製品と対象ユーザー特有の利用状況

を調べた.表 4にその分析結果を示す.例えば,BtoB 製品用ペ

ルソナの勤務体系と業務フローより,複数いる臨床検査技師の

うち一人だけが早番として 30 分早く出勤し,すべての装置の

立ち上げや準備を行っているということがわかる.そこから,

急ぎながら同時にたくさんの装置を平行して扱わなければなら

ないといった利用状況を導き出すことができた.

抽出した利用状況の中で,「検体数が増えてきたので,処理

能力が足りない.」という問題は検体検査装置の処理能力とい

う性能に対する問題であり,認知的ウォークスルーで考慮する

観点ではない.また,「4月は新人看護師が採血するのでミスが

多い.検体不良で検査ができないことがある.」というのは病

院のスタッフに関する問題であり,検体検査装置で解決できる

問題ではない.このように,操作者の行動に影響を及ぼしてい

る項目を精査し,「検査室方針:30 分で検査結果を報告する.

いつも急いでいる.」「経営方針:人が減っている. 勤務体系:

一人で複数台の装置を扱う時間がある.同時にたくさんのこと

を考える.」「人物モデル:20 代女性の臨床検査技師.まだ経験

が浅く不安.」という業務環境や心理状態に関する観点を,認

知的ウォークスルー実施時に考慮しなければならない BtoB 製

品特有の利用状況として選定した.認知的ウォークスルー(従

来法)と改良した認知的ウォークスルーの手順の違いは図 4の

とおりである.

改良した認知的ウォークスルーを実施した.表 5 のように,操作

者の認知過程のチェック項目の代わりに,BtoB 製品特有の利用

状況の観点をチェック項目とした操作手順評価シートを作成し,

従来の認知的ウォークスルーと同手順,別メンバー(同人数・

同部門・同程度の業務経験保有)にて評価を実施し仮説検証を

行った.評価者は,例えば背景として 30 分で検査結果を報告

するという方針がある中で,操作者が常に慌てて作業をしてい

るという状況を想定し,急いでいる時にこの画面ではこういっ

たミスをするのではないかという指摘を行う.結果,同 5タス

クの評価により 33 件の問題点を抽出することができた.従来

の 3ポイントタスク分析のチェック項目(認知過程)の観点で

抽出できたであろう指摘事項が 10 件,BtoB 製品特有の利用状

況のチェック項目の観点での指摘事項が 23 件であった.従来

法との比較を表 6に示す.

8.考察と今後の課題

改良した認知的ウォークスルーは,従来の認知的ウォークス

ルーに比べ,利用状況の観点で 14 件多くの問題点を抽出する

ことができた.改良した認知的ウォークスルーによるユーザビ

リティ評価でのみ抽出できた問題点は「動作が完了する前に次

の作業の準備をしておくことができない.」「急いでいるので,

測定結果が出たらすぐに知らせてほしい.」といったものであ

った.

前者は,タスク「オーダを登録する」にて,「経営方針:人

が減っている. 勤務体系:一人で複数台の装置を扱う時間が

ある.同時にたくさんのことを考える.」という利用状況の観

点から抽出された問題点である.認知過程の観点であれば,何

か動作が完了した際のフィードバックがあるかどうかは指摘で

認知的ウォークスルー(従来法)

改良した認知的ウォークスルー

認知過程の観点 15件 10件

利用状況の観点 9件 23件

合計 24件 33件

タスク

評価者

ペルソナの読み合わせ

評価にかかった時間

指摘数

5タスク

10名

30分(前日に事前配布)

200分(10分間の休憩を含む)

表6:従来法との比較

図4: 改良した認知的ウォークスルーの相違点

表5:操作手順評価シート(BtoB製品の利用状況の観点)

タスク

経営方針:人件費を減らしている.

勤務体系:一人で複数台の装置を扱う時間がある.同時にたくさんのことを考える.

XXXXXXX

操作手順

BtoB製品用ペルソナのチェック項目

検査室方針:30分で検査結果を報告する.いつも急いでいる.

人物モデル:20代女性の臨床検査技師.まだ経験が浅く不安.

表4:BtoB製品特有の利用状況の分析

インタビュー調査で得られた課題 影響を及ぼしている項目認知的ウォークスルーで

考慮する観点「各社,装置の立ち上げ方がバラバラで面倒.」

勤務体系:一人で複数台の装置を扱う時間がある.同時にたくさんのことを考える.

〇 操作者の装置の利用状況

「検体数が増えてきたので,処理能力が足りない.」

検体数:増えてきている. × 性能(処理能力)の問題

「洗浄水タンクの交換をする暇がないので,たっぷり入れるようにしている.」

検査室方針:30分で検査結果を報告する.いつも急いでいる.

〇 操作者の業務環境

「装置によって使い方に差があるので分かりにくい.」

勤務体系:一人で複数台の装置を扱う時間がある.同時にたくさんのことを考える.

〇 操作者の装置の利用状況

「画面の更新が遅い.下ボタンを押しても動かない.」

検査室方針:30分で検査結果を報告する.いつも急いでいる.

〇 操作者の業務環境

「試薬が途中で切れると,測定が中断してしまい検査が遅れる.」

検査室方針:30分で検査結果を報告する.いつも急いでいる.

〇 操作者の業務環境

「メーカーの取説は分厚くて分かりにくい.該当箇所を探すのが大変.昔は取説を熟読する時間があったが,今はない.」

経営方針:人件費を減らしている.

〇 操作者の業務環境

「4月は新人看護師が採血するのでミスが多い.検体不良で検査ができないことがある.」

文化:4月に新人看護師が研修を行う.

× 別スタッフの問題

「昔と違って,検査部も1人がいろいろな装置を扱っている.」

経営方針:人件費を減らしている.

〇 操作者の業務環境

「慣れない機器でも使わなければいけないので不安.」

経営方針:人件費を減らしている.人物モデル:20代女性の臨床検査技師.まだ経験が浅く不安.

〇 操作者のスキル

~ ~ ~

デザイン学研究  B U L L E T I N OF JSSD Vol. 60 No. 6 2014 107

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6 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol.12 No.5 2005 デザイン学研究特集号

きるものの,操作手順ごとの評価の繰り返しであるため,ある

手順が完了する前に他のことを実施しておきたいといった並列

処理における問題点は抽出できない.また,後者は,タスク「検

体を測定する」にて,「検査室方針:30 分で検査結果を報告す

る.いつも急いでいる.」という利用状況の観点から抽出され

た問題点である.単に「急いで測定しなければならない.」と

いう観点でのチェックだけではなく,そこから「急いで測定結

果を確認しなければならない.」と水平展開ができたものと考

えられる.認知過程の観点であれば,「測定結果を確認する.」

という操作手順をタスクに含めておかなければ,この問題点は

抽出できない.仮説どおり,改良した認知的ウォークスルーは,

操作手順の枠を超えた範囲で問題点を抽出しやすいことが示唆

された.

一方,認知過程の観点での指摘事項は 5件減っている.これ

ら 5件の指摘事項の内容は,すべて用語の分かりにくさについ

てであり,「理解・判断(用語,手がかり,マッピング,一貫

性,フィードバック,動作原理)」という認知過程の観点で抽

出されたものであった.しかしながら,分かりにくいと指摘さ

れた用語は,タスクの操作手順とは関係のない部位のものであ

った.用語は理解しやすいかという観点でチェックする場合,

評価者は操作手順ごとの認知過程ではなく,全画面を見渡して

用語が分かりにくいところは無いかと探してしまうことが考え

られる.こういった問題点は,操作手順ごとにチェックしてい

たのでは網羅性が無く抜け漏れも多い.別途,チェックリスト

を用いたヒューリスティック評価などにより評価すべき項目で

ある.用語の修正は,後工程に入っても容易であるため.本研

究で提案する開発の早期に実施するユーザビリティ評価では重

要視する点では無いと考える.

このように,本研究では,認知的ウォークスルーを改良し,

BtoB製品特有の利用状況におけるユーザビリティ上の問題点を

より多く抽出できるユーザビリティ評価手法を構築することが

できた.本研究の取り組みを参考に,BtoB 製品を開発する企業

において,利用状況を考慮したユーザビリティ評価が実施され

ることを期待したい.今後は,BtoB 製品用ペルソナを用いた,

利用状況の観点でのチェック項目の選定方法について,精緻化

できるよう研究を進めたい.

謝辞

BtoB 製品用のペルソナ構築についてコメントを頂いた,千葉

工業大学 山崎和彦先生に深謝の意を表する.

注および参考文献

1) 黒須正明,時津倫子,伊東昌子:ユーザ工学入門 ―使い

勝手を考える・ISO13407への具体的アプローチ,共立出版,

pp.123-204,1999

2) 黒須正明編著:ユーザビリティテスティング ―ユーザ中

心のものづくりに向けて,共立出版,pp.1-205,2003

3) Polson P.G., Lewis C., Rieman J. & Wharton C.:

Cognitive walkthroughs: A method for theory based

evaluation of user interfaces, International Journal

ofMan-Machine Studies,36,pp.741-773,1992

4) 山崎和彦,松田美奈子,吉武良治編著:使いやすさのため

のデザイン ―ユーザーセンタード・デザイン,丸善株式

会社,pp.188-191,2004

5) ISO9241-11:1998,Ergonomics requirements for office

work with visual display terminals -- Part 11: Guidance

on usability.

6) Alan Cooper:The Inmates Are Running the Asylum:Why

High-Tech Products Drive Us Crazy and How to Restore

the Sanity,Indianapolis:Sams,1999

7) 水本徹,山岡俊樹:ビジネスユーザーモデルによる BtoB

(Business to Business)製品企画手法,日本人間工学会誌

第 48 巻特別号,pp.36-37,2012

8) 水本徹,山岡俊樹:論理的 GUI デザインのための BtoB 製

品における利用状況の明確化,日本デザイン学会誌デザイ

ン学研究 第 59 回研究発表大会概要集,pp.176-177,2012

9) 水本徹,山崎和彦:BtoB(Business to Business) product

planning and platform making by the Business User Model,

4th International Conference on Applied Human Factors

and Ergonomics (AHFE) Conference Proceedings ,

pp.5137-5142,2012

10) 山岡俊樹編著:ユーザー優先のデザイン・設計 新しい

商品開発の考え方,共立出版,pp.17-19,2000

11) 山口優,指澤竜也,杉野涼子:開発の現場で利用しやす

いユーザビリティ評価法の提案,ヒューマンインターフェ

ースシンポジウム 2008,2008

12) 山口優,指澤竜也,杉野涼子:ウォークスルー・チェッ

クリスト法の提案と有用性の確認,日本人間工学会 アー

ゴデザイン部会 コンセプト事例発表会,2008

13) 久野 綾子,富沢 伸行:認知的ウォークスルー法に基づ

く業務システム向けユーザビリティ評価手法の提案,情報

処理学会創立 50 周年記念(第 72 回)全国大会,2010

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