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- 19 - 日常の事象を、統計的に処理・表現・考察し、活用する能力や態度が育つ算数科学習 ─4年「調べ方と整理のしかた」の学習を通して─ 名古屋市立C小学校 1 研究のねらい 統計教育では、多くの事象の中から問題解決に必要な情報を選択し、それを処理・表現・考察し、 活用する能力や態度を育てていくことをねらいとしている。この能力や態度は、現代社会の中で、 主体的に生きていくことのできる力を養う上で重要である。 このねらいを達成するために、算数科では、「とらえる・あつめる・まとめる・よみとる・生か す」の統計的な手法を用いて、統計的な見方・考え方を育てていく。 本実践は、4年「調べ方と整理のしかた」の単元で行う。ここでは、身近な事象を2つの観点で 調べ、その様子を表にまとめて、まとめた表から新たな課題を見付け出し、その課題を解決する。 その中で、表の利便性・統計的処理のよさに気付き、自分の生活をよりよいものにしようとする態 度を育てたい。 2 研究の内容 (1) 児童の実態 3年「表とグラフ」の学習において、資料を簡単な観点から分類・整理し、その結果を1つの 観点で整理し、表や棒グラフに表してきた。4年「折れ線グラフ」の学習では、1日の気温の変 化をグラフに表すことで、気温の変化や特徴を読み取ることができるという統計的処理のよさを 学習した。 本学校は、周辺に大通りがあり、交通量が多い地域である。そこで、今回、地域の交通事故件 数について調べ、表を活用していくことで、算数を生活の中で活用しようとする態度を育て、社 会に関わろうとする資質や能力の育成につなげていきたい。 (2) 基本的な考え (3) 授業の実践 単元「調べ方と整理のしかた」 ② 指導計画(7時間完了) ふく習とじゅんび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 2つの観点について調べることについて動機づけ、 分類・整理された二次元の表のよみ方・・・1時間 2つの観点について調べ、二次元の表にまとめる・・・・・・・・・・1時間 交差点に行って実際に計測し、ポスターを制作する・・・・・・・・・3時間 たしかめましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 ③ 本実践の目標 資料を2つの観点で調べ、2次元の表に分類・整理する仕方について考えることができる。 【数学的な考え方】 とらえる 「みんなの住んでいる地域の交通事故について調べよう」という課題を捉える。 あつめる 交通事故発生状況の表を基に、一次元の表に集める。 まとめる 一次元で集めた表を基に、二次元の表にまとめる。 よみとる まとめた二次元の表から区ごとの交通事故発生状況についてよみとる。 生かす 学校の東側にある交差点で違反を調査し、ポスターを制作する。 本実践

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日常の事象を、統計的に処理・表現・考察し、活用する能力や態度が育つ算数科学習

─4年「調べ方と整理のしかた」の学習を通して─

名古屋市立C小学校

1 研究のねらい

統計教育では、多くの事象の中から問題解決に必要な情報を選択し、それを処理・表現・考察し、

活用する能力や態度を育てていくことをねらいとしている。この能力や態度は、現代社会の中で、

主体的に生きていくことのできる力を養う上で重要である。

このねらいを達成するために、算数科では、「とらえる・あつめる・まとめる・よみとる・生か

す」の統計的な手法を用いて、統計的な見方・考え方を育てていく。

本実践は、4年「調べ方と整理のしかた」の単元で行う。ここでは、身近な事象を2つの観点で

調べ、その様子を表にまとめて、まとめた表から新たな課題を見付け出し、その課題を解決する。

その中で、表の利便性・統計的処理のよさに気付き、自分の生活をよりよいものにしようとする態

度を育てたい。

2 研究の内容

(1) 児童の実態

3年「表とグラフ」の学習において、資料を簡単な観点から分類・整理し、その結果を1つの

観点で整理し、表や棒グラフに表してきた。4年「折れ線グラフ」の学習では、1日の気温の変

化をグラフに表すことで、気温の変化や特徴を読み取ることができるという統計的処理のよさを

学習した。

本学校は、周辺に大通りがあり、交通量が多い地域である。そこで、今回、地域の交通事故件

数について調べ、表を活用していくことで、算数を生活の中で活用しようとする態度を育て、社

会に関わろうとする資質や能力の育成につなげていきたい。

(2) 基本的な考え

(3) 授業の実践

① 単元「調べ方と整理のしかた」

② 指導計画(7時間完了)

ふく習とじゅんび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間

2つの観点について調べることについて動機づけ、

分類・整理された二次元の表のよみ方・・・1時間

2つの観点について調べ、二次元の表にまとめる・・・・・・・・・・1時間

交差点に行って実際に計測し、ポスターを制作する・・・・・・・・・3時間

たしかめましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間

③ 本実践の目標

資料を2つの観点で調べ、2次元の表に分類・整理する仕方について考えることができる。

【数学的な考え方】

とらえる 「みんなの住んでいる地域の交通事故について調べよう」という課題を捉える。

あつめる 交通事故発生状況の表を基に、一次元の表に集める。

まとめる 一次元で集めた表を基に、二次元の表にまとめる。

よみとる まとめた二次元の表から区ごとの交通事故発生状況についてよみとる。

生かす 学校の東側にある交差点で違反を調査し、ポスターを制作する。

本実践

- 20 -

④ 準備 ワークシート、ニュース映像、資料

⑤ 指導過程

統計的手法 教師の主な働き掛け 児童の主な活動・反応

とらえる

あつめる

T1 最近のニュースの映像を見てみまし

ょう。

T2 矢場町の交差点で起こった事故の映

像でした。ところで、全国で一番交通

事故が多い県はどこだと思う?

T3 この表①を見てみよう。どこの県が

1番多いかな?

T4 実は、愛知県が全国で1番交通事故

が多い県なんです。みんなが住んでい

る名古屋市は事故が多いと思います

か。

T5 なるほどね。今度は、表②を見てみ

よう! 何か気付いたことはあります

か。

T6 この表から調べてみたいことは何か

ありますか?

T7 では、どこの区の事故が多いのか、

また、どんな車の事故が多いのかを調

べてみよう!(資料1表②を使用)

T8 どうやって整理しようかな。

C1 交通事故のニュースだ。

C2 ここの交差点知ってるよ。

C3 愛知県です。

C4 いや、大阪府だった気がするよ。

C5 東京都じゃなかったかなぁ。

C6 やっぱり、愛知県だったよ!

C7 2位の千葉県と 10 人も差があるよ。

C8 愛知県の中で名古屋市は人口が多いから

事故が多いと思う。

C9 やっぱり事故が多いと思うよ!

C10 乗用車がよく事故を起こしている。

C11 中区の事故が多いと思う。

C12 どこの区の事故が多いか調べてみたい。

C13 どんな車の事故が多いか調べてみたい。

C14 調べてみよう!

C15 正の字を使うと

簡単だよ。

児童に提示した資料(資料 1)

交通事故死者数(人) (表①) 中区の周りの区の交通事故発生状況(表②)

【愛知県警HPより】 (表には自損事故を含まない)【愛知県警HPを基に作成】

単元のめあて みんなの住んでいる名古屋の交通事故について調べてみよう。

【児童の活動の様子】

- 21 -

まとめる

T9 資料を基にして、この表に整理して

みよう。

T10 調べてみてどうでしたか。

T11 そうだね。ちなみに中村区も歩行者

もどちらも「5」だね。ということは、

中村区の5件の事故は全部、歩行者の

事故だったのかな。

T12 よく気が付いたね!縦に車の種類、

横に区を書いた表があります。この表

を使って調べてみよう。

C16 分かりました!

C17 がんばろう。

C18 中区の事故が一番多いことに驚いた。登

校中は気を付けないといけないね。

C19 よく乗っている自転車の事故が2番目に

多いことに驚いたよ。

C20 そうです。

C21 先生違うよ。 違う区でも歩行者の事故が

起きているよ。

C22 この表からでは、どこの区でどんな車の

事故があったのか分からない。

C23 難しそうだな。

C24 やってみよう!

児童が作成した表 (資料2)

区別の事故件数 乗り物別(歩行者を含む)事故件数

児童が作成した二次元の表 (資料3)

区ごとの事故を起こした乗り物(歩行者を含む)調べ(台・人)

区ごとに色分けをす

ると調べやすかった

よ!

- 22 -

よみとる

生かす

T13 区の合計が2倍になっているよ。ど

うしてかな。

T14 確かにそうだね。他にも新しく作っ

た表から気付いたことはありますか。

T15 どうして中区で事故が多いのだろ

う?

T16 交通ルールを守っていない人ってど

ういうこと?

T17 交通事故には様々な原因がありそう

だね。でも本当に交通ルールを守って

いない人は多いのかな。どうやって調

べてみようか。

T18 では、実際に交差点に行って自分た

ちの目で調査をしてみましょう。

C25 1つの事故で2つの車が関わっているか

らだよ。

C26 実際の事故件数は、区の合計の半分の数

になるね。

C27 どの区でどの車の事故があったのかが見

て分かるね。

C28 横軸の合計と縦軸の合計は同じになる

よ。

C29 乗用車の事故件数は中区が一番多いよ。

C30 交通ルールを守っていない人が多いから

だと思うよ。

C31 この前、急いでいる人が、信号が点滅し

ているのに渡っていたよ。

C32 ウインカーを出さずに曲がる車もいてビ

ックリした。

C33 電話をしながら運転している車の運転手

を見たことがあるよ。

C34 車だけじゃなくて、歩きスマホをしてい

る人も多いよね。

C35 実際に現場に行って調べてみたい。

C36 紙に正の字を書いて調べていくといいん

じゃないかな。

C37 やったー。がんばるぞ。

調査の仕方

・学級を7つのグループに分ける。(1グループ4人)

・グループ毎に調べる内容を変え、誰がどこの場所を調査するかを決める。

・1限と5限の2回調査し、時間帯によって違反の数が変わるか調べる。

・調査時間は午前・午後各 10 分程度。

【調査をする児童の様子】

歩きスマホやイヤ

ホンをして自転車

に乗る人がすごく

多いなぁ。

- 23 -

T19 表にまとめてみて、気付いたことは

ありますか。

T20 なるほどね。みんなが事故に合わな

いようにするためには、どんなことに

気を付けた方がいいだろう。

T21 いいアイデアだね。では、グループ

で協力してポスターを作ってみよう。

C38 たった 10 分なのにこんなに違反が多い

なんて思わなかった。

C39 歩きスマホが予想以上に多くてビックリ

したよ。

C40 午前の方が違反が多かったね。

C41 確かに!急いでいる人が多かったよね。

C42 仕事に行く人が多いからじゃないかな。

C43 お父さん、お母さんがもし運転中に携帯

を使っていたら注意したい。

C44 自分も自転車に乗る時は、信号が点滅し

たら止まるように気を付けないと。

C45 急に車が走ってくるかもしれないもん

ね。

C46 ポスターや新聞を作ってこの結果をみん

なに知ってほしい。

C47 賛成。土間に掲示するとみんなが見てく

れると思うよ。

C48 やったー。みんなでがんばるぞ。

調査後に児童が作成した表(資料4)

時間帯別違反調べ(件) 乗り物(歩行者含む)別違反調べ(台・人)

【ポスター作りを行う児童の様子】

ポスターの中に、

みんなで作った

表を入れたらど

うかなぁ。

歩きスマホが一番

多かったから、そ

れを伝えたい!

交通安全を呼び掛ける

ポスター(資料5)

- 24 -

(4) 考察

調べ方と整理のしかたの学習において、地域の交通事故件数の資料を用いたことで、どの児童

も「みんなの住んでいる地域の交通事故について調べよう」という課題を捉えることができた。

その結果、名古屋市の中で中区の交通事故が多いことを捉え、児童に「実際に現場へ行って調べ

てみたい」という思いをもたせることもできた。

児童が資料2の 25 件の内容を一次元の表に整理する際、始めは上から順番に調べていく児童

がほとんどだった。途中から区ごとで表にかき込んだり、書き終えた項目にレ点を打ったり、色

分けをしたりと工夫する児童の姿が見られた。自分なりの方法で分かりやすく表に整理すること

ができたと考える。

一次元の表からでは、どこの区でどんな事故があったのかが分からなかった。二次元の表にま

とめたことで、「中区で乗用車の事故が一番多い」ことが分かった。このことから二次元の表に

まとめるよさを理解することができたと考える。

二次元の表を基に気付いたことを発表し、どうして中区の事故が多いのかをグループで考え

た。その結果、「交通ルールを守っていない人が多い」という予想をもつことができた。そして、

自分の住んでいる地域について考えることができた。

実際に交通ルールを守っていない人がどのくらいいるのかを調査し、検証した。歩きスマホや

信号無視をする車が多いことにとても驚いていた。その結果、ポスターを用いて周りの人たちに

交通事故防止について呼び掛ける活動に生かすことができた。

(5) 本研究に活用した資料

資料 内容 参照ページ

1 児童に提示した資料 20

2 児童が作成した表 21

3 児童が作成した二次元の表 21

4 調査後に児童が作成した表 23

5 交通安全を呼び掛けるポスター 23

3 研究のまとめ

本研究によって、次のことが明らかになった。

○ とらえる場面では、児童の身近な場面の資料を基にして学習したことで、児童に興味をもたせ、

課題を捉えさせることができた。

○ あつめる場面では、資料を基に一次元の表に整理したことで、事故件数のデータを正確にあつ

めることができた。

○ まとめる場面では、一次元の表では分からない問いを発問をすることで、一次元の表を基にし

て二次元の表に意欲的にまとめさせることができた。

○ よみとる場面では、二次元の表から乗用車の事故件数は中区が一番多いことを読み取ることが

できた。さらにその原因は何か、そのために何をすると良いかなど、次の活動を考えることがで

きた。

○ 生かす場面では、児童が現場に行って調べ、普段自分たちの暮らしの中に危険があることを知

ることができた。そして、他の人にもその結果を知らせることができた。

今後も統計的に処理する見方・考え方が便利で役立つものであるという観点に立ち、進んで情報

を選択し、それを処理・表現・考察し、活用できる児童の育成を目指し、指導の在り方を追究して

いきたい。

25

日常の事象を、統計的に処理・表現・考察し、活用する能力や態度が育つ数学科学習

- 中学校第1学年「 文字の式 」の学習を通して -

名古屋市立D中学校

1 研究のねらい

生涯にわたる学習の基礎を培うためには、さまざまな課題に自ら取り組み、自分なりに解決してい

く能力や態度を身に付けていく必要がある。特に現代のような情報化社会にあっては、多くの情報の

中から問題解決に必要な情報を選択し、それを処理・表現・考察する能力や態度が求められている。

統計教育において数学科ではとらえる・あつめる・まとめる・よみとる・生かすという統計的手法

を用いて、日常の事象を、統計的に処理・表現・考察する能力や態度の育成を図ることをねらいとし

ている。

2 研究の内容

(1) 生徒の実態 (第1学年 138人)

本校の第1学年の生徒は、授業に対して、前向きに努力する姿がみられる生徒が多い。また、与

えられた問題に対しては、意欲的に取り組もうとする姿勢がみられる。与えられた問題に関しても、

「なぜそうなるのか」など疑問を感じたり、周りに疑問を投げかけたりする姿がみられる。しかし、

そのような疑問を解決していくための道筋を自分で立てられる生徒は少ない。

そこで、自らが活用できる知識を使って、たとえ時間のかかるやり方でも、答えを導き出せる喜

びを感じさせ、その過程で効率的に情報を処理していく能力を育てていく必要がある。

(2) 基本的な考え

とらえる・・・1から順にひいたりたしたりする計算について考える。

あつめる・・・順番に式を並べて、答えを出していく。式のきまりをみつける。

まとめる・・・9番目の答えを順番に計算する方法以外の方法で解いてみる。

また、自分の求め方を発表する。

よみとる・・・工夫して解いた方法を生かして𝑥 番目の答えを求める公式を導く。

生かす・・・・導いた公式を使って、𝑥 の値の大きい項についてその答えを求める。

(3) 授業実践

① 単元名 「 文字の式 」 ~1から順にひいたりたしたりする計算~

② 指導計画 2章 文字の式 (20時間)

1 文字を使った式 (7時間)

2 文字式の計算 (9時間)

3 まとめ (4時間)3/4

本時 1章 章末問題 「千思万考」

③ 本時の目標

問題を解こうとする姿勢が見られる。 【数学への関心・意欲・態度】

工夫した計算をもとに、公式を導くことができる。 【数学的な見方や考え方】

④ 準備 教師:学習プリントを拡大したもの 生徒:教科書、学習プリント

26

⑤ 指導過程

統計的手法 教師の主な働きかけ 生徒の主な活動・反応

とらえる

あつめる

まとめる

T1 順番に答えを求めよう。

T2 21 番目の答えはいくつになりま

すか。

T3 それでは、102 番目の答えはいく

つになりますか。

T4 何か気付いたことはありますか。

T5 どのように考えましたか。

T6 なぜそうなるかわかりますか。

T7 今の説明に付け足すことはありま

すか。

T8 それでは、次の問題です。

T9 順番に答えを求めよう。

T10 先ほどの問題と比べて、何か気付

くことはありますか。

T11 9番目の答えを順番に計算する方

法以外の方法で解いてみましょう。

S1 0,1,0,1になります。

S2 1です。

S3 0です。

S4 奇数番目の答えは 1 で、偶数番目の

答えは 0になります。

S5 最後が+1だと 1で最後が-1だと 0

になると思います。

S6 式の項を2つずつペアにすると1-1

で 0ができるからです。

S7 奇数番目だと-1 が余り、偶数番目

だと余りがないので 0になります。

S8 -1,2,-2,3,-3になります。

S9 今回の式は、ひいたりたしたりする

数が順番に増えていきます。

S10 奇数番目の答えは正の数で、偶数番

目の答えは負の数になります。

S11 色々な方法で解くことができまし

た。

1をひいたりたしたりする計算について考える。

1番目 1 = 1

2番目 1-1 =

3番目 1-1+1 =

4番目 1-1+1-1 =

5番目 1-1+1-1+1 =

1から順にひいたりたしたりする計算について考える。

1番目 1 = 1

2番目 1-2 =

3番目 1-2+3 =

4番目 1-2+3-4 =

5番目 1-2+3-4+5 =

6番目 1-2+3-4+5-6 =

27

よみとる

T12 どのように考えましたか。

T13 規則性を考えて公式を導いてみよ

う。

T14 それでは、𝑥 が奇数番目のとき、

下の式を参考にして考えてみよう。

T15 先ほどのように工夫して計算し、

𝑥 を使って答えを表してみよう。

T16 どのように考えましたか。

T17 𝑥 が偶数番目のときも、同様に考

えて公式を導きましょう。

S12 和が 10 になるものを集めて考えま

した。

S13 最初の 1 は残して、それ以外をペア

にして 1の和で考えました。

S14 前から順番にペアを組んでいって、

最後の数をたしました。

S15 奇数番目と偶数番目で公式が異なる

と思います。

S16 先ほどの考え方を使って、表すこと

ができました。

S17 順番にペアを組んで、最後の項をた

すやり方で考えました。

𝑥 番目 1-2+3-4+5-・・・・・・-(𝑥 − 1) + 𝑥

𝑥 番目 1-2+3-4+5-・・・・・・+(𝑥 − 1) − 𝑥

28

生かす

T18 どのように考えましたか。

T19 それでは、公式を使って 223番目

と 2020 番目の答えを求めてみまし

ょう。

S18 こちらの方がペアの考え方を使っ

て、簡単にできました。

S19 順番に2つずつ区切っていくと、

「-1」が 𝑥

2 個できるので、上の式を

作りました。

S20 できました。

223番目 223+1

2= 112

2020 番目 −2020

2= −1010

S21 それぞれの公式にあてはめるだけ

で、答えを出すことができました。

(4) 考察

・ 本来 1 章「正の数・負の数」で行う問題を、2章「文字の式」を学習してから実践することで

単純に計算するだけでなく、文字式を利用して公式を導くところまで到達することができた。

・ 今回の問題では、奇数番目と偶数番目の計算において、それぞれ別の公式を求める必要性があ

った。偶数番目の公式の方が簡単に求めることができたのだが、あえて 9番目を様々な方法で考

えさせることで、奇数番目の公式を導くことができたことが、良かった。

3 研究のまとめ

本研究によって、次のことが明らかになった。

○ とらえる・あつめる場面では、1のみの順番にひいたりたしたりする計算をいれることで、全員が

スムーズに取り組む事ができた。また、式の項をペアで考える方法に気付き、理由を説明すること

ができた生徒の姿が見られた。

○ まとめる場面では、生徒に順番に計算する方法以外の解き方を考えさせたことで、いろいろな着

眼点に基づいて計算を考えることができた。さらに、発表させることで多くの生徒に考え方を共有

することができた。

○ よみとる場面では、公式を考えるときに、奇数番目と偶数番目の 2通りの公式が必要であること

を、場合分けの必要性も絡めて生徒にもっと正確に把握させたかった。まとめる場面の考え方を

活用して公式にたどり着けた生徒がいたのが良かった。また、公式を導くときに、もっと時間をか

ければいろいろな公式の導き方を全体で共有することができた。

○ 生かす場面では、公式のよさに気付き、公式を利用することで、𝑥 が大きな数の場合でも正しい答

えを導くことができた。

今後もさまざまな問題を統計的手法を活用して、公式を導くことにより、進んで公式を表現・考察・

活用できる生徒の育成を目指したい。